(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】応答処理方法、応答処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20240130BHJP
【FI】
G06F16/90 100
(21)【出願番号】P 2022139022
(22)【出願日】2022-09-01
(62)【分割の表示】P 2019552761の分割
【原出願日】2018-11-02
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】P 2017214979
(32)【優先日】2017-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】今西 昌子
(72)【発明者】
【氏名】本橋 洋介
(72)【発明者】
【氏名】藤堂 康一
(72)【発明者】
【氏名】梅津 紗和子
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/093239(WO,A1)
【文献】特開2003-088675(JP,A)
【文献】特開平10-222725(JP,A)
【文献】特開昭62-226274(JP,A)
【文献】LINEトークで配達再依頼、ヤマト運輸が問い合わせ機能を強化,通販通信ECMO[online],株式会社ユニメディア,2016年11月17日,[2023年7月10日検索], Internet <https://www.tsuhannews.jp/shopblogs/detail/58400>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
応答処理装置が、ユーザー端末を介して荷物の配達日時の確認要求を受けて、前記荷物の伝票番号の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させ、
前記応答処理装置が、前記入力要求された前記伝票番号の入力を、前記ユーザー端末を介して受けて、入力された前記伝票番号に対応する前記荷物の配達日時を前記ユーザー端末の画面に表示させ、
前記応答処理装置が、表示された前記配達日時の変更要求を、前記ユーザー端末を介して受けて、前記伝票番号の入力時間と変更要求時間とが
同日である場合、前記配達日時の変更対象の前記伝票番号の入力要求をスキップし、変更希望日時の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させる
応答処理方法。
【請求項2】
ユーザー端末を介して入力を受けつける受付手段と、
前記入力に対応する情報を前記ユーザー端末の画面に表示させる表示制御手段とを備え、
前記受付手段は、前記ユーザー端末を介して荷物の配達日時の確認要求を受けつけ、
前記表示制御手段は、前記確認要求を受けて、前記荷物の伝票番号の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させ、
前記受付手段は、前記入力要求された前記伝票番号の入力を、前記ユーザー端末を介して受けつけ、
前記表示制御手段は、前記伝票番号の入力を受けて、入力された前記伝票番号に対応する前記荷物の配達日時を前記ユーザー端末の画面に表示させ、
前記受付手段は、表示された前記配達日時の変更要求を、前記ユーザー端末を介して受けつけ、
前記表示制御手段は、前記変更要求を受けて、前記伝票番号の入力時間と変更要求時間とが
同日である場合、前記配達日時の変更対象の前記伝票番号の入力要求をスキップし、変更希望日時の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させる
応答処理装置。
【請求項3】
コンピュータに、
ユーザー端末を介して荷物の配達日時の確認要求を受けて、前記荷物の伝票番号の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させる処理と、
前記入力要求された前記伝票番号の入力を、前記ユーザー端末を介して受けて、入力された前記伝票番号に対応する前記荷物の配達日時を前記ユーザー端末の画面に表示させる処理と、
表示された前記配達日時の変更要求を、前記ユーザー端末を介して受けて、前記伝票番号の入力時間と変更要求時間とが
同日である場合、前記配達日時の変更対象の前記伝票番号の入力要求をスキップし、変更希望日時の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させる処理と
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応答処理方法、応答処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザからの処理要求を対話形式で受け付け、入力されたデータに基づいて外部サービスを呼び出すことにより、検索処理や登録処理を実行するインテリジェント自動アシスタントシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、所定のルールに基づいて回答の中から必要な情報を抽出する。このため、当該システムが同一語句の文脈による意味の相違や表記ゆれなどに高精度で対応するためには、質問事項に対するユーザの回答パターンを想定し、大量のルールを予め登録しておく必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑み、大量のルールを予め登録しなくても、入力された自然言語を高精度で解析でき、かつ、業務システムを操作する上で必要な入力項目を自動的に設定できる応答処理方法、応答処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの観点によれば、応答処理装置が、ユーザー端末を介して荷物の配達日時の確認要求を受けて、前記荷物の伝票番号の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させ、前記応答処理装置が、前記入力要求された前記伝票番号の入力を、前記ユーザー端末を介して受けて、入力された前記伝票番号に対応する前記荷物の配達日時を前記ユーザー端末の画面に表示させ、前記応答処理装置が、表示された前記配達日時の変更要求を、前記ユーザー端末を介して受けて、前記伝票番号の入力時間と変更要求時間とが同日である場合、前記配達日時の変更対象の前記伝票番号の入力要求をスキップし、変更希望日時の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させる応答処理方法が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によれば、ユーザー端末を介して入力を受けつける受付手段と、前記入力に対応する情報を前記ユーザー端末の画面に表示させる表示制御手段とを備え、前記受付手段は、前記ユーザー端末を介して荷物の配達日時の確認要求を受けつけ、前記表示制御手段は、前記確認要求を受けて、前記荷物の伝票番号の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させ、前記受付手段は、前記入力要求された前記伝票番号の入力を、前記ユーザー端末を介して受けつけ、前記表示制御手段は、前記伝票番号の入力を受けて、入力された前記伝票番号に対応する前記荷物の配達日時を前記ユーザー端末の画面に表示させ、前記受付手段は、表示された前記配達日時の変更要求を、前記ユーザー端末を介して受けつけ、前記表示制御手段は、前記変更要求を受けて、前記伝票番号の入力時間と変更要求時間とが同日である場合、前記配達日時の変更対象の前記伝票番号の入力要求をスキップし、変更希望日時の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させる応答処理装置が提供される。
【0008】
本発明のさらに他の観点によれば、コンピュータに、ユーザー端末を介して荷物の配達日時の確認要求を受けて、前記荷物の伝票番号の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させる処理と、前記入力要求された前記伝票番号の入力を、前記ユーザー端末を介して受けて、入力された前記伝票番号に対応する前記荷物の配達日時を前記ユーザー端末の画面に表示させる処理と、表示された前記配達日時の変更要求を、前記ユーザー端末を介して受けて、前記伝票番号の入力時間と変更要求時間とが同日である場合、前記配達日時の変更対象の前記伝票番号の入力要求をスキップし、変更希望日時の入力要求を前記ユーザー端末の画面に表示させる処理とを実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大量のルールを予め登録しなくても、入力された自然言語を高精度で解析でき、かつ、業務システムを操作する上で必要な入力項目を自動的に設定できる応答処理方法、応答処理装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態における業務システムの入力画面の具体例を示す図である。
【
図3A】第1実施形態における対話設定記憶部のデータ項目例を示す図である。
【
図3B】第1実施形態における対話設定記憶部のデータ項目例を示す図である。
【
図4】第1実施形態におけるユーザ回答記憶部のデータ項目例を示す図である。
【
図5】第1実施形態におけるRPA設定記憶部のデータ項目例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図7】第1実施形態に係る情報処理装置、ユーザ端末及び業務システムの間の動作例を示すシーケンス図である。
【
図8】第1実施形態におけるユーザ端末の対話画面の一例を示す図である。
【
図9】第1実施形態におけるユーザ端末の対話画面の一例を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係る情報処理装置の外部システム連携処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態に係る情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【
図12】第2実施形態における情報処理装置の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態におけるユーザ端末の対話画面の一例を示す図である。
【
図14】第2実施形態におけるユーザ端末の対話画面の一例を示す図である。
【
図15】第3実施形態における情報処理装置の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第3実施形態におけるユーザ端末の対話画面の一例を示す図である。
【
図17】第4実施形態における情報処理装置の一例を示すフローチャートである。
【
図18】第4実施形態におけるユーザ端末の対話画面の一例を示す図である。
【
図19】第5実施形態における情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【
図20】第6実施形態に係る情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下で説明する図面においては、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置1の機能を示すブロック図である。情報処理装置1は、図示しない通信ネットワーク(例えば有線LAN、無線LAN、インターネットなど)を介してユーザ端末2、各種の業務システム3、外部システム4及び従業員管理システム5に接続されている。情報処理装置1は、ユーザ端末2から対話形式で処理要求を受け付け、業務システム3における業務タスクを実行するコンピュータである。ユーザ端末2は、対話アプリケーションがインストールされているスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどの作業端末である。業務システム3は、交通費清算システム、勤怠管理システム、スケジュール管理システム、施設予約システムなど業務データの登録・更新、参照を行うためのコンピュータシステムである。また、外部システム4は、業務システム3とは異なる事業者によって提供されているコンピュータシステムであり、本実施形態ではルート検索システムを例示している。従業員管理システム5は、ユーザ情報管理システム、人事情報管理システム及び総務情報管理システムなどである。
【0013】
図2は、第1実施形態における業務システム3の入力画面の具体例を示す図である。ここでは、ユーザが出張時の交通費申請を行う際に、“利用日”、“行き先”、“区間”、“片道運賃”、“片道・往復区分”、“日当”、“申請区分”などの入力項目をそれぞれ設定する申請内容入力画面が示されている。本実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザの代わりに、
図2に示すような業務システム3に対する操作を自動的に実行するものである。以下、情報処理装置1の構成を詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、情報処理装置1は、受付部10、特定部11、対話設定記憶部12、提示部13、抽出部14、ユーザ回答記憶部15、学習部16、学習モデル記憶部17、RPA実行部18、RPA設定記憶部19、スクリプト記憶部20を備えている。
【0015】
受付部10は、ユーザ端末2から入力された業務システム3に対する処理要求を受け付ける。本実施形態では、当該処理要求を「タスク特定文」と呼ぶものとする。例えば、「交通費を清算したい」、「電車代の清算」、「配送日時の変更」、「会議室の予約」など、ユーザが各種の業務システム3において達成したい目的を含む文章がタスク特定文(タスク宣言文)に該当する。なお、受付部10は、タスク達成型対話とタスク非達成型対話の両方の入力に対応できる。タスク達成型対話は、最初にタスクを特定するような文を入力して、質問と回答を相互に繰り返す対話形式である。例えば、ユーザ端末2から「天気はどう?」のタスク特定文を入力すると、情報処理装置1から「どこの天気ですか?」と質問され、ユーザ端末2から「東京の港区」と再度入力するような対話である。最初の入力によりタスクを特定できるため、話題を絞り込んで質問を行える利点がある。これに対し、タスク非達成型対話の場合は、タスク特定文と回答を一緒に行う対話形式である。例えば、「港区の明日の天気はどうですか?」のような対話形式である。この対話形式によれば、ユーザが処理に必要な情報を一度に提供した場合に、質問を繰り返すことなく迅速に処理可能となる。
【0016】
特定部11は、対話設定記憶部12内の記憶情報を参照して、受付部10から入力されたタスク特定文に対してテキスト解析を行い、業務システム3において実行する業務タスクを特定する。ここで、「テキスト解析」は、形態素解析、構文解析、同義語抽出、スパン抽出、含意認識などにより、入力あるいは変換されたテキスト情報を解析する技術の総称である。「形態素解析」は、文章を言語として意味を持つ最小単位である形態素に区切り、原形や品詞などの情報を付与する処理である。
【0017】
「構文解析」は、係り受け解析と呼ばれ、所定の構造的制約を満たす中で、単語及び文節間の係り受け関係としての自然さを計算し、単語及び文節間の係り受け関係を決定する処理である。
【0018】
「同義語抽出」は、処理対象のテキスト情報を入力し、表記が異なるが同一の意味を持つ同義語のペアを抽出する処理である。同義語は、例えばIT関連、機械関連、料理関連など特定のドメイン(分野)ごとに抽出して記憶しておくとよい。
【0019】
「スパン抽出」は、学習データから学習したモデルを利用し、入力された文章から重要部分を自動的に切り出して抽出する処理である。スパン抽出の代表的な手法としては、CRF(Conditional Random Field:条件付き確率場)がある。例えば、学習データとして、「家族と旅行でハワイに行きます」、「来月は旅行でアメリカに行く」、「行先はニューヨークです」の3つが入力された場合を説明する。この場合、学習データを学習することで、「旅行」+「で」の後と、「に」+「行く」の前の間にある単語が行先の可能性が高いことが分かる。この結果、未知のデータとして「旅行でイタリアに行きます」と入力されたとき、行先として「イタリア」を抽出することができる。また、「含意認識」とは、2つの文(文章)について、一方の文章(対象文章)が他方の文章(仮説文章)が表す意味を含むか否かを判定する処理である。
【0020】
また、特定部11は、テキスト解析を行う際、モデルファイルを参照する。モデルファイルは、機械学習によって作成されたモデルである。後述する学習部16は、抽出部14において自然言語から回答項目を抽出するために、自然言語と回答項目の正しいペアを大量に集め、そのデータ(教師データ)を使って機械学習を行う。これにより、学習部16は、入力されたテキストから回答項目を抽出できるように、モデルファイルを生成する。
対話設定記憶部12は、業務タスクの実行条件を定義するタスク設定と、業務タスクの実行時に必要となる入力項目の入力条件を定義する入力条件設定とを記憶する。
【0021】
図3A及び
図3Bは、第1実施形態における対話設定記憶部12のデータ項目例を示す図である。
図3Aでは、業務タスクごとに固有な業務タスクID、業務タスクの開始条件及び中断条件、業務タスクの実行に必要な入力項目の入力項目ID、業務タスクの終了時処理を項目とし、各項目に対するデータ例が示されている。入力項目IDの順序は、質問順序を示すものとする。例えば、「電車代の清算」というタスク特定文が入力されたとき、特定部11は開始条件を定義したモデルファイル(“Model_StartCon”)に基づいてテキスト解析を行い、業務タスクID(“Apply_TransExp”)を特定する。また、同タスクを実行する際に必要となる入力項目は、利用日(“Date_use”)、出発駅(“From_station”)、到着駅(“To_station”)、経由駅(“Via_station”)、片道・往復区分(“kbn_way”)である。そして、終了時処理としてスクリプト“Script_001”を実行することを示している。
【0022】
図3Bでは、入力項目ID、入力項目に対応する質問文、入力項目のデータ型、回答判別条件、及び外部システム連携を項目例とし、各項目に対するデータ例が示されている。例えば、入力項目IDが“Date_use”の場合、質問文として「ご利用日はいつですか?」が提示され、設定されるデータのデータ型は“日付型”であり、回答判別条件としてはモデルファイル“Model_Date”が使用されることが示されている。
【0023】
また、入力項目ID“kbn_way”の場合、外部システム連携によるルート検索結果及び「往復ですか?」の文章の組み合わせた質問文が提示されること、データ型は“はい/いいえ型”であり、外部システム連携として呼び出すプログラムはルート検索システムの“Search_Route”であることが示されている。
【0024】
なお、
図3A及び
図3Bにおいて、業務タスクの開始条件、中断条件、回答判別条件として、モデルファイルを用いるものとしたが、モデル判別形式に限られない。例えば、“*日時の変更*”、“*やめる*”、“xxxx-xxxx-xxx[0-9]+”などの正規表現形式を併せて用いることもできる。また、入力条件設定における他のデータ型としては、文字列型、数値型、モデル型を含むものとする。
【0025】
提示部13は、業務タスクの実行時に必要な入力項目を求め、ユーザ端末2側に入力項目に関する質問文を提示する。入力項目及び質問文の数は、業務タスクによって様々である。受付部10は、提示された質問文に対してユーザ端末2で入力された回答文を受け付ける。
【0026】
抽出部14は、受付部10が受け付けた回答文に対してテキスト解析を行い、回答文の中から入力項目に対応する回答項目を抽出する。
ユーザ回答記憶部15は、抽出部14が抽出した回答項目を設定値として記憶する。
図4は、第1実施形態におけるユーザ回答記憶部15のデータ項目例を示す図である。ここでは、利用日(“Date_use”)に“2017/11/16”、出発駅(“From_station”)に“三田”、到着駅(“To_station”)に“大手町”、片道の運賃(“fare”)に“216”、片道・往復区分(“kbn_way”)に“1(片道)”がそれぞれ設定値として記憶されている。
【0027】
学習部16は、入力された回答文と回答文から抽出した回答項目とのペアを学習データとしてユーザ回答記憶部15に記憶する。また、学習部16は、抽出部14が回答文の中から回答項目を正しく抽出できたときに、学習データに基づいて学習モデルを作成し、学習モデル記憶部17に記憶する。抽出部14は、入力項目に対応する学習モデルをテキスト解析に使用する。
【0028】
RPA実行部18は、回答項目を引数に設定して業務タスクに対応するスクリプトをスクリプト記憶部20から読み込み、業務タスクを実行する。ここで、「RPA(Robotic Process Automation)」とは、例えば経理や総務などのバックオフィス業務において、人間の代わりに各種アプリケーションを操作するソフトウェアであり、仮想知的労働者(Digital Labor)とも言われている。すなわち、RPAは、ソフトウェアを動作させるためのソフトウェアであり、手作業によるデータ入力など定型的な操作を自動化できる。
【0029】
図5は、第1実施形態におけるRPA設定記憶部19のデータ項目例を示す図である。ここでは、RPA設定記憶部19が、業務タスクID、スクリプトを実行するときの引数を設定項目とし、そのデータ例を示している。
【0030】
図6は、第1実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、及び表示装置106を備える。
【0031】
CPU101は、記憶装置103に記録されたプログラムをメモリ102上に展開して実行することにより、情報処理装置1の全体の制御及び演算処理を行うプロセッサである。また、CPU101は、記憶装置103に処理結果のデータを記録し、通信インタフェース104を介して処理結果のデータを外部に送信する。
【0032】
メモリ102は、CPU101が処理中のデータや記憶装置103から読み出されたデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などを含む。
【0033】
記憶装置103は、CPU101が実行するプログラムや、プログラムによる処理結果のデータなどを記憶する。記憶装置103は、読み取り専用のROM(Read Only Memory)や、読み書き可能のハードディスクドライブ又はフラッシュメモリなどを含む。また、記憶装置103は、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な可搬記憶媒体を含んでもよい。
【0034】
通信インタフェース104は、データの送受信を行う通信部であり、有線通信及び無線通信の少なくとも一方の通信方式を実行可能に構成される。通信インタフェース104は、該通信方式に必要なプロセッサ、電気回路、アンテナ、接続端子などを含む。通信インタフェース104は、CPU101からの信号に従って、該通信方式を用いて通信を行う。
【0035】
入力装置105は、ユーザからの入力を受け付けるキーボードなどを含み、入力された内容を信号としてCPU101に送信する。入力装置105及び表示装置106が一体化されたタッチスクリーンが用いられてもよい。
【0036】
表示装置106は、CPU101からの信号に従って、所定の情報を表示する表示装置である。表示装置106としては、液晶ディスプレイなどの任意の表示装置を用いることができる。
【0037】
なお、情報処理装置1は、
図6に示すハードウェア構成に限定されず、その他の機器をさらに備えてもよい。情報処理装置1は一つ又は複数の装置からなってもよく、あるいは他の装置と一体に構成されてもよい。また、情報処理装置1は別の装置に接続され、本実施形態において情報処理装置1によって行われる処理の少なくとも一部は該装置によって行われてもよい。
【0038】
続いて、第1実施形態に係る情報処理装置1の動作について
図7乃至
図10を参照しながら説明する。
【0039】
図7は、第1実施形態に係る情報処理装置1、ユーザ端末2及び業務システム3の間の動作例を示すシーケンス図である。
図8及び
図9は、第1実施形態におけるユーザ端末2の対話画面の一例を示す図である。ここでは、画面の右側からの吹き出しがユーザ端末2からの入力内容を示し、画面の左側からの吹き出しが情報処理装置1からの出力内容(質問文)を示している。
【0040】
先ず、ユーザがユーザ端末2においてタスク特定文を入力すると(ステップS101)、情報処理装置1の特定部11は、受付部10において受け付けたタスク特定文に対してテキスト解析を行って業務タスクを特定し、その業務タスクIDを提示部13に出力する(ステップS102)。
【0041】
図8では、ユーザ端末2において「昨日の電車の費用を清算したい」という自然文(タスク特定文T1)を入力したとき、質問文Q11が提示されている。質問文Q11では、タスク特定文T1の中に「電車の費用を清算」という曖昧な入力が含まれている場合でも、テキスト解析によって「交通費清算」という業務タスクを特定できたことを示している。
【0042】
次に、情報処理装置1の提示部13は、業務タスクIDに基づいて対話設定記憶部12から業務タスクの実行の際に必要な入力項目に対応する質問文及び質問順序を取得する(ステップS103)。
【0043】
次に、情報処理装置1の抽出部14は、タスク特定文の中に回答項目を含むか否かを判定する(ステップS104)。ここで、抽出部14は、タスク特定文の中に回答項目を含むと判定した場合には(ステップS104:YES)、タスク特定文の中に含まれていた回答項目を記憶する(ステップS105)。これに伴い、提示部13は、ステップS105において記憶した回答項目については質問が不要であることから、質問順序を変更する(ステップS106)。これに対し、情報処理装置1が、タスク特定文の中に回答項目を含まないと判定した場合には(ステップS104:NO)、ステップS107の処理へ進む。
【0044】
図8の質問文Q11では、タスク特定文T1に含まれていた「昨日の」の語句が、現在日付(11月17日(金))に基づいて「11月16日(木)の」に変換されている。すなわち、「昨日の」という相対的な指定についても対応可能としている。そして、回答文A11の入力によって、“利用日”が「11月16日」に確定されたことで、
図8に示す対話の中では“利用日”に関する質問は省略されている。
【0045】
ステップS107において、提示部13は、対象となる入力項目に関する質問形式が固定質問であるか否かを判定する。「固定質問」とは、質問文が固定的であり、入力条件設定に予め記載されている質問文である。固定質問に対する判定は、入力条件設定に記載されている条件に従って行われる。ここで、提示部13が、質問形式が固定質問であると判定した場合には(ステップS107:YES)、ステップS109の処理へ進む。例えば、
図3Bにおいて例示した入力項目“Date_use(利用日)”の場合が該当する。
【0046】
これに対し、提示部13が、質問形式が固定質問ではないと判定した場合には(ステップS107:NO)、外部システム連携処理の実行により作成された質問文を取得して(ステップS108)、ステップS109の処理へ進む。質問形式が固定質問ではない質問文とは、外部システム4における処理結果によって変動する質問文を意味する。例えば、
図3Bにおいて例示した入力項目“kbn_way(片道・往復区分)”の場合が該当する。外部システム連携処理については、後述する。
【0047】
ステップS109において、提示部13がユーザ端末2に対して入力項目に対応する質問文を出力すると、ユーザ端末2は画面上に質問文を表示する(ステップS110)。
【0048】
次に、ユーザがユーザ端末2において質問文に対する回答文を入力すると(ステップS111)、抽出部14は、受付部10において受け付けた回答文に対してテキスト解析を行い、回答文に示されている回答項目を抽出する(ステップS112)。なお、はい/いいえ型の質問文に対する回答文に対しては、テキスト解析が不要となる場合がある。また、音声入力の場合には、「はい」の意味の回答として「はい」、「そうです」、「その通りです」など様々な回答パターンがある。この場合には、テキスト解析を行うとよい。
【0049】
次に、抽出部14は、ステップS112において回答文の中から複数の回答項目を抽出したか否かを判定する(ステップS113)。ここで、抽出部14が、複数の回答項目を抽出したと判定した場合には(ステップS113:YES)、ステップS114の処理へ進む。これに対し、抽出部14が、複数の回答項目を抽出していないと判定した場合には(ステップS113:NO)、ステップS120の処理へ進む。
【0050】
図8では、質問文Q12(「出発駅はどこですか?」)に対し、回答文A12(「三田から大手町まで」)が入力されている。回答文A12では、質問対象の入力項目(“出発駅”)に対する回答項目のみならず、他の入力項目(“到着駅”)に対する回答項目を含んでいる。また、「三田」及び「大手町」の部分は、駅名としては曖昧な入力といえる。このような場合には、所定の正規表現方式に基づいて、「三田」を「三田駅」、「大手町」を「大手町駅」として抽出するとよい。
図8において、情報処理装置1は、回答文A12を受けて、質問文Q13(「三田駅から大手町駅は、都営三田線で乗り換えなしで216円です。往復ですか?」)を提示している。
【0051】
ステップS114において、抽出部14は、回答文から抽出した複数の回答項目と入力項目との対応関係が明確であるか否かを判定する。ここで、抽出部14が、回答項目と入力項目との対応関係が明確であると判定した場合(ステップS114:YES)には、ステップS119の処理へ進む。
【0052】
図8の回答文A12では、質問対象の入力項目(“出発駅”)に対する回答項目だけでなく、他の入力項目(“到着駅”)に対する回答項目も含んでいるが、回答文A12をテキスト解析することにより、回答項目と入力項目との対応関係は明確となっている。このため、質問文Q13に示すように、「三田」を“出発駅”に分類し、「大手町」を“到着駅”に分類している。
【0053】
これに対し、抽出部14が、回答項目と入力項目との対応関係が不明確であると判定した場合(ステップS114:NO)には、提示部13は、ユーザ端末2に対して確認用の質問文を出力する(ステップS115)。これを受けて、ユーザ端末2は、質問文を画面上に表示する(ステップS116)。
【0054】
図9では、質問文Q22(「出発駅はどこですか?」)に対して回答文A22(「三田から押上で降りて青砥まで」)が入力されている。回答文A22においては、“出発駅”が「三田駅」であることは明確である。しかし、回答文A22のような文章が未学習である場合には、情報処理装置1において“経由駅”及び“到着駅”については不明確として処理される。すなわち、「押上駅」と「青砥駅」の両方が“到着駅”の候補になり得る。このため、確認用の質問文Q23(「青砥駅が到着駅ですか?」)を提示し、「青砥駅」が“到着駅”に分類されるべきか否かを判定している。確認用の質問文を作成する場合には、質問により合致する回答項目を選択することになる。よって、確認用の質問文は、回答文を機械学習モデルに基づいて分類したときに、入力項目に対する関連度を示す分類スコアが高い方の回答項目から提示することが好ましい。例えば、上述した回答文A22では、「青砥」の直後に「まで」の語句が続くため、“到着駅”に係る分類スコアは「押上駅」よりも「青砥駅」の方が高くなる。
【0055】
次に、ユーザがユーザ端末2において質問文に対する回答文を入力すると(ステップS117)、抽出部14は、回答文に対してテキスト解析を行い、回答文に示されている回答項目を抽出する。これにより、抽出部14は、複数の回答項目と入力項目との対応関係を明確化する(ステップS118)。
【0056】
図9では、質問文Q23に対し、ユーザが「はい」と回答(A23)することにより、「青砥駅」は“到着駅”に対する回答項目となる。また、“経由駅”の回答項目が空白であるため、先の回答(A23)によって除外された「押上駅」は“経由駅”の回答項目として自動的に割り振られる。この結果、最後の質問文Q24(「三田駅から押上駅経由で青砥駅は、・・・」)に示されるように、3つの入力項目(“出発駅”、“経由駅”及び“到着駅”)と回答項目との対応関係が明確化される。
【0057】
次に、提示部13は、入力項目との対応関係が明確化された回答項目に関する質問を省略するように、質問順序を変更する(ステップS119)。
図3Aに示すタスク設定の例では、交通費申請の業務タスクについては、“出発駅(From_station)”の後に“到着駅(To_station)”についての質問が行われる。しかし、
図8の対話例では回答文A12において回答済みであるため、“到着駅”に関する質問は省略されている。また、“経由駅”についても、検索ルートから経由駅(乗り換え駅)が存在しないことから省略されている。
【0058】
次に、抽出部14は、入力項目に対応する回答項目をユーザ回答記憶部15に記憶すると(ステップS120)、業務タスクの実行に必要な全ての入力項目に関して質問が終了したか否かを判定する(ステップS121)。ここで、抽出部14が、全ての入力項目に関して質問が終了したと判定した場合には(ステップS121:YES)、ステップS122の処理へ進む。これに対し、抽出部14が、質問が終了していないと判定した場合には(ステップS121:NO)、ステップS107の処理へ戻る。
【0059】
ステップS122において、RPA実行部18は、業務タスクに係るスクリプトをスクリプト記憶部20から読み出すとともに、ユーザ回答記憶部15から読み出した回答項目を引数としてスクリプトを実行する。
【0060】
ステップS123において、業務システム3は、スクリプトに基づく自動処理を行い、その処理結果を情報処理装置1に出力する(ステップS124)。
【0061】
図10は、第1実施形態に係る情報処理装置1の外部システム連携処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、対話設定記憶部12の入力条件設定において、入力項目に関する質問文の質問形式として、外部システム連携用のスクリプト及び引数が指定されているときに実行される。
【0062】
先ず、RPA実行部18は、スクリプト記憶部20から業務タスクに係るスクリプトを読み出すともに、ユーザ回答記憶部15から引数に設定する回答項目を取得し、スクリプトを実行する(ステップS201)。
【0063】
次に、RPA実行部18は、外部システム4からスクリプトに基づく処理結果を取得し(ステップS202)、その処理結果を提示部13に出力する。
【0064】
そして、提示部13は、処理結果に基づいて入力項目に関する質問文を作成する(ステップS203)。作成された質問文は、ユーザ端末2へ出力される(
図7のステップS109)。
【0065】
上述した
図8の質問文Q13における「都営三田線で乗り換えなしで216円です。」の部分は、回答文A12から抽出した“出発駅”と“到着駅”の回答項目を引数としてスクリプトを実行し、図示しないルート検索システムから得られた処理結果(路線及び片道運賃)に基づいている。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置1によれば、大量のルールを予め登録することなく、自然言語によって入力された文章の意味内容を解釈して所望の業務タスクを自動的に実行できる。
【0067】
また、多くの会社では、複数の業務システム3が導入されているが、業務システム3ごとに操作方法が異なる場合が多い。このような場合には、ユーザがシステムの操作方法に慣れるまでに時間を要していた。これに対し、本実施形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザが共通の対話アプリケーションを介して聞かれた質問に対して自然言語により簡単に答えるだけで、所望の業務システム3に対する処理要求及びデータの入力・指定を受け付け、ユーザに代わって自動的に処理できる。このため、ユーザは、複数の業務システム3の操作方法を習得する必要がなくなる。この結果、業務の効率化が図られる。
【0068】
また、業務システム3に対して所定の処理を実行させるRPAスクリプトを業務タスクごとに記憶するスクリプト記憶部20を備え、RPA実行部18は、業務タスクに対応するRPAスクリプトを読み込み、RPAスクリプト及び回答項目(引数)に基づいて業務タスクを実行する。スクリプトを利用する構成のため、複数の業務システム3に対して実装が容易な利点がある。
【0069】
また、抽出部14が、回答文の中に入力項目に対応する回答項目の他に、他の入力項目に対応する他の回答項目を抽出した場合、提示部13は、他の入力項目に関する質問文の提示を省略する。これにより、未質問の入力項目に関する回答項目が同時に得られたときは、再質問が不要となるため、対話の中で効率的に回答項目を取得できる。
【0070】
また、抽出部14が、回答文の中から共通の入力項目について複数の回答項目を抽出した場合に、提示部13は、入力項目に対応する回答項目を確認する質問文を提示する。これにより、最初の質問で入力項目に対応する回答項目を一つに絞り込めなかった場合でも、効率的に再質問を行って入力項目と回答項目との対応関係を明確化することができる。
【0071】
一般に、機械学習で得られた学習モデルは、学習を繰り返すことにより精度を高めることができるが、学習の初期においては精度が低くなる可能性がある。しかし、本実施形態では、分類スコアの順序に基づいて再質問をすることにより、上述した「三田から押上で降りて青砥まで」のような回答文が初めて入力された場合でも、高精度で入力項目に対する回答項目を抽出できる。
【0072】
さらに、回答文から抽出した回答項目と抽出元の回答文を記憶するユーザ回答記憶部15をさらに備える。これにより、ある回答文から入力項目に対応する回答項目を一つに絞り込めなかった場合でも、再質問によって明確化された対応関係を学習データ(教師データ)として記憶し、機械学習に用いることで、同様の回答文が入力された際には高精度で回答項目を抽出することができる。
【0073】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係る情報処理装置1について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第1実施形態と異なる箇所について詳細に説明する。
【0074】
図11は、第2実施形態に係る情報処理装置1の機能を示すブロック図である。第2実施形態に係る情報処理装置1は、監視部21をさらに備える。監視部21は、複数の業務システム3における登録データを監視する。そして、監視部21は、入力項目に関連したデータが複数の業務システム3の間において一致しない場合又は所定の場合(例えばデータが特定のイベント情報に関連する場合)に、データの修正に係る業務タスクを特定する。監視部21がデータの不一致を検出したとき、提示部13は、監視部21が特定した新たな業務タスクの実行を提案するメッセージ(タスクリコメンド文)を提示する。
【0075】
また、抽出部14は、ユーザのユーザ情報を従業員管理システム5(ユーザ情報管理システム)から取得して、ユーザ情報の中から入力項目に対応する回答項目を抽出する。そして、抽出部14は、抽出した回答項目をユーザ回答記憶部15に記憶する。提示部13は、ユーザ情報を利用する場合、ユーザ情報と重複する入力項目に関して質問文の提示を省略する。
【0076】
以下、第2実施形態に係る情報処理装置1の動作を
図12乃至
図14に基づいて説明する。
図12は、第2実施形態における情報処理装置1の一例を示すフローチャートである。また、
図13及び
図14は、第2実施形態におけるユーザ端末2の対話画面の一例を示す図である。
【0077】
先ず、監視部21は、所定の起動イベントを検知したか否かを判定する(ステップS301)。ここで、監視部21は、起動イベントを検知した場合には(ステップS301:YES)、複数の業務システム3の間で同一ユーザに係る登録データを分析する(ステップS302)。起動イベントとしては、監視しているユーザ端末2の起動、ユーザ端末2から業務システム3へのデータの登録・更新イベントが挙げられる。
【0078】
ステップS303において、監視部21は、複数の業務システム3の間で一致しないデータの有無を判定する。ここで、監視部21は、一致しないデータが有ると判定した場合には、データ修正用の業務タスクを特定し、特定した業務タスク及び修正対象の入力項目を提示部13に通知する(ステップS304)。
【0079】
図13に示す業務タスクのリコメンド文TR3(「日電さん、おはようございます。いま、承諾されたA社での会議について、確認させてください。」)は、ユーザ端末2から業務システム3の一つであるスケジュール管理システムにスケジュールを登録したことをトリガーとして提示された文章である。ここでは、ユーザ(日電太郎)が自身でスケジュールを登録した場合を示しているが、ユーザの同僚(上司)がユーザについてのスケジュールを登録する場合もある。監視部21は、スケジュール管理システムにおいて会議終了後のスケジュールが登録されていないことを検知することにより、修正対象の入力項目として提示部13に通知する。
【0080】
次に、提示部13は、業務タスクに関する入力項目と質問文を取得し(ステップS305)、修正対象の入力項目の質問文を選定すると(ステップS306)、ユーザ端末2に質問文を出力する(ステップS307)。
【0081】
次に、抽出部14は、ユーザ端末2において質問文に対して入力された回答文を取得すると、回答文に対してテキスト解析を行うことで回答文から回答項目を抽出する(ステップS308)。抽出部14は、抽出した回答項目をユーザ回答記憶部15に記憶する(ステップS309)。
【0082】
次に、抽出部14は、業務タスクの実行に必要な全ての入力項目に関し、質問が終了したか否かを判定する(ステップS310)。ここで、抽出部14が、全ての入力項目に関して質問が終了したと判定した場合には(ステップS310:YES)、ステップS311の処理へ進む。これに対し、抽出部14が、質問が終了していないと判定した場合には(ステップS310:NO)、ステップS306の処理へ戻る。
【0083】
ステップS311において、RPA実行部18は、業務タスクに係るスクリプトをスクリプト記憶部20から読み出す。そして、RPA実行部18は、ユーザ回答記憶部15から読み出した回答項目の設定値を引数としてスクリプトを実行する。
【0084】
図13の例では、はい/いいえ型の質問文Q31(「会議終了後は自社に戻りますか?」)を提示し、回答文A31(「はい、戻ります」)が入力されている。情報処理装置1は、質問の終了に伴い、メッセージM32(「ありがとうございます。では、暫定の移動時間をスケジューラに追加しておきますね。」)をユーザ端末2に提示している。メッセージM32は、スケジュール登録の業務タスクに係るスクリプトを実行し、スケジュール管理システムに暫定のスケジュールを登録することを示している。
【0085】
続いて、
図14の対話例について説明する。この対話は、会議の翌日に情報処理装置1がユーザ端末2の起動を検知したときに起動されたものである。先ず、業務タスクのリコメンド文TR4(「日電さん、おはようございます。昨日の交通ルートと運賃を確認します。よろしいですか?」)が提示されている。これは、スケジュール管理システムにおいて会議の場所及び時間帯が登録されているため、交通費申請をユーザにとって必要な業務タスクとして特定したことを示している。
【0086】
質問文Q41(「昨日は会議後の会社への入場記録がありませんでした。予定が変わりましたか?」)は、スケジュール管理システム(スケジューラ)と入退室管理システムとの間でデータの矛盾が検出されたことを示す質問である。リコメンド文TR4に対する回答文A40によって交通費申請の業務タスクが親タスクとして特定されている。また、親タスクと関連してスケジュール修正の業務タスクを子タスクとして特定し、提示できることが示されている。
【0087】
質問文Q41に対する回答文A41(「会議が1時間延びたので、直帰しました」)が入力されると、メッセージM42(「それではスケジューラを修正し、勤怠管理システムの昨日の終業に「直帰」を登録しますね。」)が提示されている。メッセージM42は、回答文A41を解析し、スケジュール管理システム及び勤怠管理システムの両方についてデータ修正を自動的に行うことを示している。
【0088】
質問文Q43(「A社からの帰りの交通ルートは下記でしょうか?」)では、A社とユーザの自宅との間の交通ルートの検索結果を提示している。交通ルートは、外部システム4であるルート検索システムに対して“出発駅”及び“到着駅”を引数として検索処理を要求することで取得される。
【0089】
図14に示す対話例では、“出発駅”については、例えばスケジュール管理システムの登録データから会議の場所(「大手町」)を抽出するとともに、“到着駅”については、例えばユーザ情報管理システムからユーザの自宅の最寄駅(「武蔵小杉」)を抽出して、自動的に設定した場合を示している。
【0090】
すなわち、情報処理装置1は、予めユーザ情報管理システムからユーザに関連するシステム保有情報を取得し、所定の回答項目に関連付けてユーザ回答記憶部15に記憶しておくものとする。取得する際には、例えば社員番号などをキーとする。なお、データの取得先となるシステムはユーザ情報管理システムには限られない。具体例を挙げると、人事情報管理システムからはユーザ固有の情報として「自宅最寄駅」、「会社最寄駅」、「承認者情報」、「戸籍上の名称」、「役職」、「自宅住所情報」などを取得できる。同様に、取引会社の情報を管理するシステムがある場合には、他社の会社情報や住所情報などを取得できる。これらの取得情報は、各種の業務システム3において業務タスクの実行時の入力項目となる場合に利用できる。
【0091】
このように、第2実施形態に係る情報処理装置1によれば、業務システム3に蓄積されているデータを監視することで、異なる業務システム3の間で関連性を有する入力項目についてデータの不一致(矛盾や齟齬)を検出した場合に、ユーザにとって必要な業務タスクを推定して提示することができる。これにより、最終的にはデータの不一致を是正することができる。上述の例では、スケジュール管理システムと交通費申請システムの両システムの間でデータが一致している。また、業務タスクの実行のために必要な情報を業務システム3側から自動的に抽出して、利用できるため、ユーザ端末2に提示する質問の数を抑え、業務タスクを効率的に実行することもできる。
【0092】
また、監視部21は、システム間でデータが不一致の場合だけでなく、データが特定のイベント情報に関連するような場合にも、業務タスクをリコメンドする。例えば、スケジュール管理システムに出張先として「A社」などの社名あるいは「大手町」などの地名のデータが登録され、施設予約システムに「234会議室」などの会議室名があるときには、社外会議のイベントを検出し、必要なデータを修正・登録する。
【0093】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態に係る情報処理装置1の動作を
図15及び
図16に基づいて説明する。
図15は、第3実施形態における情報処理装置1の一例を示すフローチャートである。
図16は、第3実施形態におけるユーザ端末2の対話画面の一例を示す図である。なお、
図16に示すマイクのマークは、音声入力により回答が入力されていることを示している。
【0094】
情報処理装置1の抽出部14は、ユーザ端末2において入力された回答文を解析して(ステップS401)、回答文の中に訂正表現を含むか否かを判定する(ステップS402)。ここで、抽出部14は、訂正表現を含むと判定した場合(ステップS402:YES)には、回答文から訂正対象の回答項目を特定し(ステップS403)、訂正後の回答項目を抽出する(ステップS404)。回答文の中から「じゃなくて」、「ではなくて」、「は間違いで」などの訂正表現を検出する方法としては、正規表現に基づいてルールベースで検出する方法や機械学習による方法がある。なお、同一の回答文の中で直ちに訂正を表明した場合だけでなく、同一の業務タスクに係る対話の中で、回答済みの入力項目について後から訂正を表明した場合も、同様に処理される。
【0095】
これに対し、抽出部14が、回答文に訂正文が含まれないと判定した場合(ステップS402:NO)には、回答文の中から入力項目に対応する回答項目を抽出する(ステップS405)。
ステップS406において、抽出部14は、抽出した回答項目をユーザ回答記憶部15に記憶する。
【0096】
図16に示す対話例では、交通費申請の業務タスクが特定され、入力項目に対応する質問文が複数提示されているが、音声入力された回答文A52(「三田から武蔵小杉 じゃなくて三田から大手町まで」)の中に“到着駅”を「武蔵小杉」から「大手町」に訂正する訂正表現(「武蔵小杉 じゃなくて三田から大手町まで」)が含まれている。なお、回答文の内容が「三田から武蔵小杉 じゃなくて大手町」であった場合には、情報処理装置1において「大手町」が「三田」と「武蔵小杉」のどちらを訂正する項目なのか判定できない場合が考えられる。回答文の内容が複数の意味で解釈できる場合には、例えば「三田駅から大手町駅ですか?」のように再質問を行うものとする。
【0097】
回答文A52を受けた次の質問文Q53(「三田駅から大手町駅は、都営三田線で乗り換えなしで216円です。往復ですか?」)は、訂正文の中から“到着駅”の回答項目として「大手町駅」が抽出され、ルート検索が実行されたことを示している。
【0098】
第3実施形態に係る情報処理装置1によれば、対話の中で回答された回答項目について簡単に訂正を行うことができる。特に、ユーザ端末2と情報処理装置1との間で音声を介して対話処理を行う場合には、回答内容を消すことができず、言い直す必要があるため効果的である。
【0099】
[第4実施形態]
以下、第4実施形態に係る情報処理装置1の動作を
図17及び
図18に基づいて説明する。本実施形態は、先に実行した業務タスクにおいて取得した情報を後に実行する業務タスクにおいて利用する点で上述した実施形態とは異なっている。
図17は、第4実施形態における情報処理装置1の一例を示すフローチャートである。ここでは、業務システム3が配送管理システムの場合を示している。
【0100】
先ず、情報処理装置1の特定部11は、ユーザ端末2から入力されたタスク特定文から業務タスクを特定するともに(ステップS501)、業務タスクIDの分類先のシナリオIDを取得する(ステップS502)。
【0101】
次に、抽出部14は、対話設定記憶部12を参照し、同一のシナリオIDに関連付けされた業務タスクの中から共通の入力項目(以下、「共通入力項目」という。)を検索する(ステップS503)。
【0102】
次に、抽出部14は、共通入力項目の入力項目IDに基づいてユーザ回答記憶部15を参照し、共通入力項目に対する回答項目が既に登録・記憶されているか否かを判定する(ステップS504)。ここで、抽出部14は、共通入力項目に対する回答項目が既に記憶されていると判定した場合(ステップS504:YES)には、ユーザ回答記憶部15から共通入力項目に対する回答項目のデータを取得するとともに(ステップS505)、ステップS501で特定された業務タスクに必要な質問の順序を変更する(ステップS506)。すなわち、共通入力項目に対しては回答項目が確定していることから、質問を省略する。
【0103】
次に、情報処理装置1は、対話形式で業務タスクに必要な入力項目に対応する回答項目を抽出し、業務タスクを実行する(ステップS507)。
【0104】
そして、業務システム3に対する業務タスクの実行が完了すると、共通入力項目に対応する回答項目、回答項目を設定した時間をシナリオIDに関連付けて記憶し(ステップS508)、処理を終了する。
【0105】
図18は、第4実施形態におけるユーザ端末2の対話画面の一例を示す図である。なお、配達日時確認と配達日時変更の業務タスクは同一のシナリオIDに分類され、「伝票番号」が二つの業務タスクにおいて共通入力項目であることを前提として説明する。
【0106】
図18においては、先ず、ユーザからタスク特定文T6(「配達日時を確認したい」)が入力され、配達日時確認の業務タスクが特定されることで、配達日時確認に関する質問文Q61(「伝票番号を入力してください。」)が提示されている。
【0107】
ユーザが質問文Q61に対して伝票番号を含む回答文A61を入力すると、情報処理装置1はメッセージM62(「本日10月31日(火)の19時~21時のお届け予定です。」)を提示して、配達日時確認の業務タスクを完了している。
【0108】
続いて、配達日時確認の業務タスクを実行した日に、時間を空けて新たなタスク特定文T7(「配達日時を変更したい」)が入力されている。タスク特定文T7を受けて配達日時確認の業務タスクが特定されることで、配達日時変さらに関する質問文Q63(「ご希望の配達日時は?」)が提示されている。新たなタスク特定文T7が入力されているため、本来は「伝票番号を入力してください。」の質問文が最初に提示されるところ、同日に配達日時確認の業務タスクが実行され、伝票番号が既に入力されていることから、伝票番号の入力は省略されている。
【0109】
そして、質問文Q63に対する回答文A63(「明日の19時」)が解析されることで、最後の質問文Q64(「11月1日(水)の19時~21時に変更しますが、よろしいですか?」)が提示されている。
【0110】
第4実施形態に係る情報処理装置1によれば、同一のシナリオIDに分類される別の業務タスクが既に実行されていた場合には、共通入力項目に対応する回答項目の設定値を新たな業務タスクの実行時に再利用することができる。このため、新たなタスク特定文が入力された場合、共通入力項目に関する質問文を提示する必要はなくなるため、関連する業務タスクを連続して効率的に実行できる。
【0111】
[第5実施形態]
図19は、第5実施形態における情報処理装置1の機能を示すブロック図である。ここでは、受付部10がテキスト認識部10A、音声認識部10B及び音声生成部10Cを備えている。また、ユーザ端末2は、チャットアプリケーション2Aと音声アプリケーション2Bの他に、音声入力用のマイク2C、音声出力用のスピーカ2Dを備えている。なお、マイク2C及びスピーカ2Dは、ヒアラブルデバイス(無線イヤホン)として一体化したものを含むものとする。
【0112】
受付部10のテキスト認識部10Aは、ユーザ端末2のチャットアプリケーション2Aから送信されたテキスト情報を認識し、特定部11及び抽出部14へ出力する。音声認識部10Bは、ユーザ端末2のマイク2Cから入力された音声を認識し、テキスト情報に変換して特定部11及び抽出部14へ出力する。特定部11及び抽出部14における処理は、テキスト認識部10Aからテキスト情報が入力された場合と同様である。音声生成部10Cは、提示部13においてタスク特定文に基づいて業務タスクに対応する質問文を決定したとき、質問文のテキスト情報から音声ファイルを生成する。そして、音声生成部10Cは、提示部13を介して音声ファイルをユーザ端末2へ出力する。これに伴い、ユーザ端末2では、音声アプリケーション2Bを介してスピーカ2Dから音声ファイルの音声が出力される。
【0113】
すなわち、本実施形態では、ユーザ端末2と情報処理装置1との間で、タスク特定文の入力、質問の提示、回答の入力が音声を介して行える。本実施形態によれば、ユーザ端末2においてテキスト情報を手動操作で入力する必要がなくなり、より簡単に業務タスクを実行することができる。
【0114】
[第6実施形態]
図20は、第6実施形態に係る情報処理装置7の機能を示すブロック図である。第6実施形態に係る情報処理装置7は、業務システムに対する処理要求を受け付ける受付部71と、処理要求に基づき、業務システムにおいて実行する業務タスクを特定する特定部72と、処理要求をテキスト解析し、処理要求の中から業務タスクの実行時に必要な入力項目に対応する回答項目を抽出する抽出部73と、回答項目に基づいて業務タスクを実行する実行部74と、を備える。
【0115】
第6実施形態に係る情報処理装置7によれば、大量のルールを予め登録しなくても、入力された自然言語を高精度で解析でき、かつ、業務システムを操作する上で必要な入力項目を自動的に設定できる。
【0116】
[変形実施形態]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者が理解し得る様々な変形をすることができる。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を、他の実施形態に追加した実施形態、あるいは他の実施形態の一部の構成と置換した実施形態も本発明を適用し得る実施形態であると理解されるべきである。
【0117】
例えば、上述の実施形態では、業務タスクを実行する業務システム3が交通費申請システム又は配送管理システムの場合を説明したが、対象となる業務システム3はこれに限られない。以下、幾つかのユースケースを説明する。
(1)施設予約システムの場合には、業務タスクとして、会議室などの施設の空き状況の検索、施設の予約、予約の確認、予約のキャンセルなどが挙げられる。テキスト又は音声を介した対話処理によって業務タスクを特定して実行することで、施設の使用効率の向上を図ることができる。
(2)勤怠管理システムの場合には、業務タスクとして、ユーザ本人あるいはユーザの上司による勤務実績の確認、勤務実績の承認、休暇申請、及び休暇申請の承認などが挙げられる。
(3)入館申請システムの場合には、業務タスクとして、入館申請、入館申請の取消、入館申請の変更などが挙げられる。(1)~(3)のいずれの場合においても、ユーザが業務システム3の入力画面に直接アクセスして必要な入力項目を手動で設定する必要はなく、対話の中で自動的に入力項目を設定して業務タスクを簡単かつ効率的に実行できる。
【0118】
また、上述の各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のコンピュータプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのコンピュータプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0119】
該記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0120】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0121】
(付記1)
業務システムに対する処理要求を受け付ける受付部と、
前記処理要求に基づき、前記業務システムにおいて実行する業務タスクを特定する特定部と、
前記処理要求をテキスト解析し、前記処理要求の中から前記業務タスクの実行時に必要な入力項目に対応する回答項目を抽出する抽出部と、
前記回答項目に基づいて前記業務タスクを実行する実行部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0122】
(付記2)
前記抽出部は、前記テキスト解析として含意認識処理を行う
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0123】
(付記3)
前記業務システムに対して所定の処理を実行させるスクリプトを前記業務タスクごとに記憶する記憶部
をさらに備え、
前記実行部は、前記業務タスクに対応する前記スクリプト及び前記回答項目に基づいて前記業務タスクを実行する
ことを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
【0124】
(付記4)
前記特定部が特定した前記業務タスクに対応する前記入力項目を特定し、前記入力項目に関する質問文を提示する提示部
をさらに備え、
前記受付部は、前記質問文に対する回答文を受け付け、
前記抽出部は、前記回答文を前記テキスト解析し、前記回答文の中から前記入力項目に対応する前記回答項目を抽出する
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0125】
(付記5)
前記抽出部が、前記回答文の中に前記入力項目に対応する前記回答項目の他に、他の入力項目に対応する他の回答項目を抽出した場合に、
前記提示部は、前記他の入力項目に関する前記質問文の提示を省略する
ことを特徴とする付記4に記載の情報処理装置。
【0126】
(付記6)
前記抽出部が、前記回答文の中から共通の前記入力項目について複数の前記回答項目を抽出した場合に、
前記提示部は、前記入力項目に対応する前記回答項目を確認する前記質問文を提示する
ことを特徴とする付記4又は5に記載の情報処理装置。
【0127】
(付記7)
前記提示部は、前記入力項目と前記回答項目との間の関連度を示す分類スコアをそれぞれ算出し、前記分類スコアの順序に基づいて前記質問文を提示する
ことを特徴とする付記6に記載の情報処理装置。
【0128】
(付記8)
前記回答文から抽出した前記回答項目と抽出元の前記回答文を記憶するユーザ回答記憶部
をさらに備える
ことを特徴とする付記4乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0129】
(付記9)
前記抽出部は、前記処理要求を行うユーザに関連して前記業務システムが保有するシステム保有情報を取得して、前記システム保有情報の中から前記入力項目に対応する前記回答項目を抽出するとともに、
前記提示部は、前記システム保有情報と重複する前記入力項目に関する前記質問文の提示を省略する
ことを特徴とする付記4乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0130】
(付記10)
前記入力項目に関連したデータが複数の前記業務システムの間において一致しない場合又は前記データが所定のイベント情報に関連する場合に、前記データを修正する前記業務タスクを特定する監視部
をさらに備え、
前記提示部は、前記監視部が特定した前記業務タスクの実行を提案するメッセージを提示する
ことを特徴とする付記4乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【0131】
(付記11)
前記抽出部は、前記回答文の中に、前記回答項目についての訂正表現が含まれる場合、前記回答文の中から訂正対象の前記回答項目及び訂正後の前記回答項目を特定し、前記訂正対象の前記回答項目を前記訂正後の前記回答項目で置き換える
ことを特徴とする付記4乃至10のいずれかに記載の情報処理装置。
【0132】
(付記12)
業務システムに対する処理要求を受け付けるステップと、
前記処理要求に基づき、前記業務システムにおいて実行する業務タスクを特定するステップと、
前記処理要求をテキスト解析し、前記処理要求の中から前記業務タスクの実行時に必要な入力項目に対応する回答項目を抽出するステップと、
前記回答項目に基づいて前記業務タスクを実行するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【0133】
(付記13)
コンピュータに、
業務システムに対する処理要求を受け付けるステップと、
前記処理要求に基づき、前記業務システムにおいて実行する業務タスクを特定するステップと、
前記処理要求をテキスト解析し、前記処理要求の中から前記業務タスクの実行時に必要な入力項目に対応する回答項目を抽出するステップと、
前記回答項目に基づいて前記業務タスクを実行するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラムが記録された記録媒体。
【0134】
この出願は、2017年11月7日に出願された日本出願特願2017-214979を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0135】
1,7・・・情報処理装置
2・・・ユーザ端末
2A・・・チャットアプリケーション
2B・・・音声アプリケーション
2C・・・マイク
2D・・・スピーカ
3・・・業務システム
4・・・外部システム
5・・・従業員管理システム
10・・・受付部
10A・・・テキスト認識部
10B・・・音声認識部
10C・・・音声生成部
11・・・特定部
12・・・対話設定記憶部
13・・・提示部
14・・・抽出部
15・・・ユーザ回答記憶部
16・・・学習部
17・・・学習モデル記憶部
18・・・RPA実行部
19・・・RPA設定記憶部
20・・・スクリプト記憶部
71・・・受付部
72・・・特定部
73・・・抽出部
74・・・実行部
101・・・CPU
102・・・メモリ
103・・・記憶装置
104・・・通信インタフェース
105・・・入力装置
106・・・表示装置