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特許7428263算出装置、算出システム、算出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】算出装置、算出システム、算出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20240130BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G08B25/04 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022552089
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2021035226
(87)【国際公開番号】W WO2022065462
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2020161647
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】坂井 博敏
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-140296(JP,A)
【文献】特開2019-79369(JP,A)
【文献】特開2019-197294(JP,A)
【文献】特開2020-135219(JP,A)
【文献】特開平10-334146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難所内の端末に向けて応答要求を送信し、前記応答要求に応答した前記端末から、前記端末のユーザの操作に応じた信号を受信する通信手段と、
前記信号を送信した前記端末の数を、前記避難所内の避難者の数として算出する算出手段と、を備える、
算出装置。
【請求項2】
前記通信手段は、前記応答要求を複数回送信し、
前記算出手段は、前記信号を送信した前記端末から前記応答要求に対する応答がない場合、前記端末を前記避難者の数に含めずに、前記避難者の数を算出する、
請求項1に記載の算出装置。
【請求項3】
前記通信手段は、前記信号を送信した前記端末から外部ネットワークへの接続要求を受け付け、前記端末と前記外部ネットワーク間の通信を中継する
請求項1又は2に記載の算出装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記応答要求に応答した前記端末の数を、避難者候補の数として算出する請求項1から3の何れか1項に記載の算出装置。
【請求項5】
設定手段と、
請求項4に記載の算出装置を複数備え、
前記算出装置の各々において、
前記通信手段は、前記算出装置毎に互いに異なる前記避難所内の前記端末に向けて前記応答要求を送信し、
前記算出手段は、前記応答要求に応答した前記端末の数を、前記避難所毎の前記避難者候補の数として算出して、設定手段に出力し、
前記設定手段は、前記算出手段からの前記避難者候補の数に応じて、前記避難所に割り当てる物資の量を設定する
算出システム。
【請求項6】
設定手段と、
請求項4に記載の算出装置を複数備え、
前記算出装置の各々において、
前記通信手段は、前記算出装置毎に互いに異なる前記避難所内の前記端末に向けて前記応答要求を送信し、前記応答要求に応答した前記端末から、前記端末のユーザの操作に応じた信号を受信し
前記算出手段は、前記信号を送信した前記端末の数を、前記避難所毎の前記避難者の数として算出して、設定手段に出力し、
前記設定手段は、前記算出手段からの前記避難者の数に応じて、前記避難所に割り当てる物資の量を設定する
算出システム。
【請求項7】
避難所内の端末に向けて応答要求を送信し、
前記応答要求に応答した前記端末から、前記端末のユーザの操作に応じた信号を受信し、
前記信号を送信した前記端末の数を、前記避難所内の避難者の数として算出する、
算出方法。
【請求項8】
避難所内の端末に向けて応答要求を送信する処理と、
前記応答要求に応答した前記端末から、前記端末のユーザの操作に応じた信号を受信する処理と、
前記信号を送信した前記端末の数を、前記避難所内の避難者の数として算出する処理とを、
情報処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避難所内の避難者の数をより正確に算出することが可能な算出装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
地震などの災害の発生時には、自治体は、被災者が避難する避難所の運営を開始する。自治体は、例えば、避難者の人数に応じた分量の物資を避難所に対して提供するために、避難所にいる避難者の数を正確に把握する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、端末の位置情報に対応する位置が避難所の範囲内である場合に、当該端末のユーザが避難所に避難しているとみなすことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-183419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、避難所には、避難者以外にも、自治体の係員やボランティアのスタッフ等もいることが多い。そのため、特許文献1に開示されている技術では、避難者の端末だけでなく自治体の係員やボランティアのスタッフの端末も、避難者の端末としてみなすため、自治体が、避難者の数を正確に把握することができなかった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、避難者の数をより正確に把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の算出装置は、
避難所内の端末に向けて応答要求を送信し、前記応答要求に応答した前記端末から、前記端末のユーザの操作に応じた信号を受信する通信手段と、
前記信号を送信した前記端末の数を、前記避難所内の避難者の数として算出する 算出手段と、を備える。
【0008】
本発明の算出方法は、
避難所内の端末に向けて応答要求を送信し、
前記応答要求に応答した前記端末から、前記端末のユーザの操作に応じた信号を受信し、
前記信号を送信した前記端末の数を、前記避難所内の避難者の数として算出する。
【0009】
本発明の記憶媒体は、
避難所内の端末に向けて応答要求を送信する処理と、
前記応答要求に応答した前記端末から、前記端末のユーザの操作に応じた信号を受信する処理と、
前記信号を送信した前記端末の数を、前記避難所内の避難者の数として算出する処理とを、
情報処理装置に実行させるプログラムを記憶する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、避難所内の避難者の数をより正確に算出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態における算出システムの構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態における算出システムの動作例を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1の実施形態における算出システムの動作例を示すフローチャートである。
図4】本発明の第1の実施形態における算出システムの動作例を示すフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態における算出装置の構成例を示すブロック図である。
図6】本発明の第2の実施形態における算出装置の動作例を示すフローチャートである。
図7】本発明の第1および第2の実施形態における算出装置等を実現する情報処理装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
第1の実施形態における算出システム1について、図1図2図3及び図4に基づき説明する。図1は、算出システム1の構成例を示すブロック図である。図2図3及び図4は、算出システム1の動作例を示すフローチャートである。
【0013】
算出システム1の構成について説明する。算出システム1は、端末10A、10B、10C、算出装置20A、20B及び設定手段30を有する。算出装置20A、20Bの各々は、避難所A及びBの各々に対して設けられている。なお、以下の説明において、端末10A、10B、10Cの各々を区別しない場合は、端末10A、10B、10Cの各々を端末10と称する。また、以下の説明において、算出装置20A、20Bの各々を区別しない場合は、算出装置20A、20Bの各々を算出装置20と称する。
【0014】
端末10は、算出装置20(具体的には後述の通信手段21)からの応答要求を受信したことに応じて、算出装置20に対して応答する。具体的には端末10は、応答要求を受信した場合に、自身の識別情報を算出装置20に送信することで、応答要求に応答する。識別情報とは、端末10に含まれるSIM(Subscriber Identity Module)カードのID番号や電話番号から生成された固有の情報を指す。端末10は、例えば、避難者が所持する通信端末である。
【0015】
また、端末10は、端末10の所持者からの指示に応じて、自身の識別情報を含む認証要求を算出装置20に対して送信する。例えば、端末10Aのユーザは、避難所Aに到着した際に、認証要求を算出装置20Aに送信するように、端末10Aに指示を出す。
【0016】
算出装置20は、通信手段21、取得手段22、認証手段23及び算出手段24を備える。算出装置20は、例えば、自治体などによって各避難所内に配置されるサーバである。
【0017】
通信手段21は、避難所内の端末10に向けて応答要求を送信する。通信手段21は、例えば、避難所に向けられたアンテナを介して、応答要求を重畳した無線信号を送信する。この際、無線信号の強度を、避難所の広さに合わせて設定することにより、通信手段21からの応答要求は、避難所内の端末10のみにより受信される。通信手段21は、例えば、所定の周期や予め定められたタイミングで、応答要求を送信する。また、通信手段21は、応答要求に応答した端末10から、端末10のユーザの操作に応じた信号(前述の認証要求)を受信する。
【0018】
例えば、算出装置20Aの通信手段21から送信された応答要求は、避難所A内の端末10Aにより受信されるが、避難所A外の端末10B及び端末10Cにより受信されない。また、例えば、算出装置20Bの通信手段21から送信された応答要求は、避難所B内の端末10Bにより受信されるが、避難所B外の端末10A及び端末10Cにより受信されない。
【0019】
通信手段21は、端末10及び設定手段30と通信可能である。通信手段21は、応答要求を受信した端末10からの識別情報を含む応答を受信し、取得手段22に転送する。また、通信手段21は、端末10からの認証要求を受信し、認証手段23に出力する。
【0020】
取得手段22は、端末10の識別情報を取得する。前述のように端末10は、通信手段21からの応答要求を受信した場合に、自身の識別情報を送信する。取得手段22は、この際に端末10から送信された識別情報を、通信手段21を介して取得する。取得手段22は、取得した識別情報を不図示のメモリに記憶する。ここで、識別情報が記憶された端末10の数が、後述の避難者候補の数として算出される。
【0021】
また、取得手段22は、識別情報が上述のメモリに記憶されている端末10から、応答要求に対する応答が無かった場合に、当該端末10の識別情報をメモリから削除する。例えば、避難所A内の端末10Aが避難所外に移動した際には、端末10Aは、通信手段21からの応答要求を受信できないため、当該応答要求に対して応答できない。この場合、取得手段22は、端末10Aの識別情報をメモリから削除する。なお、通信手段21は、例えば、所定の時間、既に記憶されている識別情報を受信しなかった場合に、応答要求に対する応答がなかったと判断する。
【0022】
認証手段23は、端末10から認証要求があった場合、当該端末10が前述の応答要求に応答しているかどうかに基づいて、端末10を認証するかどうかを判断する。認証手段23は、応答要求に応答した端末10から認証要求があった場合、当該端末10を認証する。一方で、認証手段23は、応答要求に応答していない端末10から認証要求があった場合、当該端末10を認証しない。ここで、認証手段23により認証された端末10の数が、後述の避難者の数として後述の算出手段24により算出される。このように、算出手段24は、応答要求に応答し、ユーザの操作に応じた信号(認証要求)を送信した端末10の数を避難者の数として算出する。
【0023】
なお、認証手段23は、認証要求を送信した端末10が応答要求に応答したものであるかどうかを、認証要求に含まれている識別情報が、取得手段22により記憶された識別情報と一致するかどうかに基づいて判断する。例えば、認証手段23は、端末10Aからの認証要求を受け付けた場合、当該認証要求に含まれている識別情報を抽出する。端末10Aの識別情報は取得手段22により既にメモリに記憶されているので、認証手段23は、端末10Aは応答要求に応答したものであると判断する。また、認証手段23は、端末10Cからの認証要求を受け付けた場合、当該認証要求に含まれている識別情報を抽出する。端末10Cの識別情報は取得手段22により記憶されていないので、認証手段23は、端末10Cは応答要求に応答したものではないと判断する。
【0024】
また、取得手段22が端末10の識別情報をメモリから削除した場合、認証手段23は、当該端末10に対する認証を取り消す。取得手段22は、応答要求に対して応答しなかった端末10の識別情報を削除する。これに応じて、上記のように認証手段23が当該端末10に対する認証を取り消すことで、認証される端末10は、避難所内に位置するものに限られる。このように、認証手段23が、応答要求に対して応答しない端末10の認証を取り消す。これにより、算出手段24は、応答要求に対して応答しない端末を、避難者の数に含めずに、避難者の数を算出する。
【0025】
算出手段24は、応答要求に応答した端末10の数を、避難者候補の数として算出する。具体的には、算出手段24は、取得手段22がメモリに記憶した識別情報の数を、避難者候補の数として算出する。取得手段22がメモリに記憶する識別情報は、避難所内に位置する端末10のものに限られる。これにより、識別情報の数は避難所内に位置する端末10の数と一致するため、算出手段24は、取得手段22がメモリに記憶した識別情報の数を、避難者候補の数として算出することができる。ここで、避難者候補とは、実際の避難者だけでなく、避難所内の自治体の係員なども該当する。
【0026】
算出手段24は、認証手段23により認証されている端末10の数を、避難所内の避難者の数として算出する。認証手段23は、認証要求に含まれている識別情報が、取得手段22によってメモリに記憶された識別情報と一致する場合に、当該認証要求を送信した端末10を認証する。すなわち、認証手段23により認証されている端末10は、避難所内に位置するものであって、更に、認証要求を送信したものに限られる。ここで、例えば、避難所内において、避難者のみに認証要求を送信するようにアナウンスし、避難者以外の人物(例えば自治体の係員)には認証要求を送信しないようにアナウンスすることで、認証手段23により認証される端末は、避難者のものに限られる。そのため、算出手段24は、認証手段23により認証されている端末10の数を、避難所内の避難者の数として算出することができる。
【0027】
また、算出手段24は、避難者候補の数及び避難者の数を、通信手段21を介して外部の通信装置に対して送信する。
【0028】
また、上述の通信手段21は、一般的な基地局の機能を有する。具体的には、通信手段21は、端末10と外部のネットワーク間の通信を中継する。ここで、通信手段21は、認証手段により認証された端末10から外部ネットワークへの接続要求を受け付けた場合に、端末10と外部ネットワーク間の通信を中継する。これにより、避難所内の避難者は、認証手段23により認証された端末10から、通信手段21を介して、外部ネットワークに接続することができる。
【0029】
設定手段30は、複数の算出装置20から通知された避難者の数に応じて、避難所に割り当てる物資の量を設定する。例えば、設定手段30は、水や毛布などの物資の総数を予め記憶しておく。また、避難所Aに設けられた算出装置20A内の算出手段24は、通信手段21を介して、例えば、避難者の数は100であると設定手段30に通知する。また、避難所Bに設けられた算出装置20B内の算出手段24は、通信手段21を介して、例えば、避難者の数は200であると設定手段30に通知する。この場合、設定手段30は、物資を1:2の比で、避難所A及び避難所Bの各々に割り当てる。設定手段30は、割り当ての結果(例えば、避難所Aに割り当てられた毛布の数など)を、ディスプレイやスピーカを介して、自治体の係員に提示する。設定手段30により、自治体の係員は、避難所に送るべき物資の数を自身で算出することなく、適切な数の物資を避難所に送ることができる。
【0030】
上述の避難者数は、応答要求に応答し、且つ認証要求を送信した端末10のユーザをして含む。しかし、実際には、避難者であっても、認証要求の送信を忘れているユーザは、算出システム1において避難者として計上されない。このようなユーザがいる場合は算出装置20から通知される避難者の数は実際の避難者の数よりも少ないため、避難者の数に基づいて物資を割り当てると、各避難所で物資が不足する場合がある。そこで、設定手段30は、避難者候補の数に応じて、避難所に割り当てる物資の量を設定しても良い。避難者候補の数は、応答要求に応答し、認証要求を送信していない端末10のユーザを含む。そのため、認証要求の送信を忘れているユーザも避難者として計上される。そのため、避難者候補の数に応じて物資を割り当てた場合は、認証要求の送信を忘れているユーザがいたとしても、避難所に適切な量の物資を送ることができる。
【0031】
なお、設定手段30が、避難者の数に応じて物資を割り当てるか、避難者候補の数に応じて物資を割り当てるかは、設定手段30を操作するユーザにより選択される。
【0032】
次に、図2図3及び図4を用いて算出システム1の動作について説明する。図2は、避難者候補の数を求める際の、算出システム1の動作を示すフローチャート図である。図3は、避難者の数を求める際の、算出システム1の動作を示すフローチャート図である。図4は、端末10と外部ネットワーク間の通信の中継する際の、算出システム1の動作を示すフローチャート図である。
【0033】
図2に示されるように、通信手段21は、避難所内の端末10に対して応答要求を送信する(S101)。例えば、算出装置20Aの通信手段21は、端末10Aに応答要求を送信する。また、算出装置20Bの通信手段21は、端末10Bに応答要求を送信する。なお、応答要求は、避難者に対して認証要求を送信するように要求するメッセージを含む。この際、応答要求を受信した端末10は、自身の識別情報を通信手段21に送信することで、応答要求に応答する。
【0034】
通信手段21は、送信した応答要求に対する応答があったかどうかを判断する(S102)。
【0035】
応答要求に対する応答がない場合(S102のNo)、算出システム1は動作を終了する。
【0036】
応答要求に対する応答があった場合(S102のYes)、取得手段22は、端末10の識別情報を記憶する(S103)。例えば、算出装置20Aの取得手段22は、端末10Aの識別情報を記憶する。また、例えば、算出装置20Bの取得手段22は、端末10Bの識別情報を記憶する。
【0037】
算出手段24は、取得手段22が記憶した識別情報の数を、避難者候補の数として加算する(S104)。このように、算出システム1は、応答要求に応答した端末の数を避難者候補の数として算出する。
【0038】
また、図3を用いて、算出システム1の動作を説明する。なお、図3の動作の開始時点においては、S101の処理により、端末10は、応答要求を受信した際に、応答要求に含まれる、避難者に対して認証要求を送信するように要求するメッセージをユーザに表示しているものとする。更に、当該メッセージを見たユーザは、自身が避難者であれば認証要求を送信するように、端末10を操作しているものとする。
【0039】
認証手段23は、識別情報を含む認証要求を端末10から取得する(S105)。これにより、例えば、算出装置20Aの取得手段22は、端末10Aから、認証要求を取得する。また、算出装置20Bの取得手段22は、端末10Bから、認証要求を取得する。
【0040】
認証手段23は、認証要求に含まれる識別情報が、取得手段22により記憶された識別情報と一致したかどうかを判断する(S106)。例えば、算出装置20Aの認証手段23は、端末10Aから取得した認証要求は、取得手段22により記憶された識別情報と一致するものを含むと判断する。また、算出装置20Bの認証手段23は、端末10Bから取得した認証要求は、取得手段22により記憶された識別情報と一致するものを含むと判断する。この際、認証手段23は、認証した端末10に対して、外部のネットワークとの接続を必要とする場合は接続要求を送信するように要求するメッセージを送信する。
【0041】
認証要求に含まれる識別情報が、取得手段22により記憶された識別情報と一致しないと判断された場合(S106のNo)、算出システム1は動作を終了する。
【0042】
認証要求に含まれる識別情報が、取得手段22により記憶された識別情報と一致すると判断された場合(S106のYes)、算出手段24は、認証手段23が認証した端末10の数を避難者の数として加算する(S107)。このように、算出システム1においては、応答要求に応答し、更に認証要求を送信した端末10の数を避難者の数として算出する。
【0043】
また、図4を用いて、算出システム1の動作を説明する。なお、図4の動作の開始時点においては、S106の処理より、認証手段23は、認証した端末10に対して、外部のネットワークとの接続を必要とする場合は接続要求を送信するように要求するメッセージを、前述のように送信しているものとする。これにより、認証された端末10には、当該メッセージが表示されているものとする。また、このメッセージを見たユーザが、接続要求を送信するように端末10を操作しているものとする。
【0044】
通信手段21は、端末10の識別情報を含む接続要求を、端末10から取得する(S108)。これにより、例えば、算出装置20Aの取得手段22は、端末10Aから、接続要求を取得する。また、算出装置20Bの取得手段22は、端末10Bから、接続要求を取得する。
【0045】
通信手段21は、接続要求を送信した端末10が、認証手段23により認証されているかどうかを判断する(S109)。例えば、算出装置20Aの通信手段21は、端末10Aが、認証手段23により認証されていると判断する。また、算出装置20Bの通信手段21は、端末10Bが、認証手段23により認証されていると判断する。
【0046】
接続要求を送信した端末10が、認証手段23により認証されていない場合(S109のNo)、算出システム1は、動作を終了する。
【0047】
接続要求を送信した端末10が、認証手段23により認証されている場合(S109のYes)、通信手段21は、端末10と外部ネットワーク間の通信を中継する(S110)。例えば、算出装置20Aの通信手段21は、端末10Aと外部ネットワーク間の通信を中継する。また例えば、算出装置20Bの通信手段21は、端末10Bと外部ネットワーク間の通信を中継する(S110)。
【0048】
なお、上述の各動作例において、算出手段24は、算出した避難者候補の数及び避難者の数をディスプレイ等に表示したり、外部装置(例えば、設定手段30など)に送信したりする。また、算出手段24は、S104の処理が完了する度に避難者候補の数を外部装置に送信しても良い。算出手段24は、S107の処理が完了する度に避補者の数を外部装置に送信しても良い。
【0049】
以上のように、算出システム1は、通信手段21及び算出手段24を備える。通信手段21は、避難所内の端末に向けて応答要求を送信し、応答要求に応答した端末から、端末のユーザの操作に応じた信号(認証要求)を受信する。算出手段24は、当該信号(認証要求)を送信した端末の数を、避難所内の避難者の数として算出する。
【0050】
例えば、特許文献1に記載されているように、端末の位置情報に対応する位置が避難所の範囲内である場合に、当該端末のユーザが避難所に避難しているとみなすとする。この場合、避難者の端末だけでなく自治体の係員やボランティアのスタッフの端末も、避難者の端末としてみなすため、自治体が、避難者の数を正確に把握することができなかった。
【0051】
しかし、算出システム1においては、応答要求に応答し、ユーザの操作に応じた信号(認証要求)を送信した端末の数を、避難所内の避難者の数として算出する。これを利用して、例えば、避難所内において、避難者のみに当該信号(認証要求)を送信するようにアナウンスし、避難者以外の人物(例えば自治体の係員)には当該信号(認証要求)を送信しないようにアナウンスすることで、算出手段24は、避難者以外の人物を除いて、避難者の数を算出できる。
【0052】
<第2の実施形態>
第2の実施形態における算出装置20について、図5及び図6を用いて説明する。図5に示されるように、算出装置20は、通信手段21及び算出手段24を備える。算出装置20は、例えば、自治体などによって運営される避難所に設けられる。
【0053】
通信手段21は、避難所内の端末に向けて応答要求を送信する。また、通信手段21は、応答要求に応答した端末から、端末のユーザの操作に応じた信号(認証要求)を受信する。
【0054】
算出手段24は、信号(認証要求)を送信した端末の数を、避難所内の避難者の数として算出する。
【0055】
次に、図6を用いて算出装置20の動作について説明する。図6は、算出装置20の動作を示すフローチャート図である。
【0056】
通信手段21は、避難所内の端末に向けて応答要求を送信する(S201)。これにより、端末は応答要求に対して応答する。
【0057】
認証手段23は、応答要求に応答した端末から端末のユーザの操作に応じた信号(認証要求)を受信する(S202)。
【0058】
算出手段24は、信号を送信した前記端末の数を、避難所内の避難者の数として算出する(S203)。
【0059】
以上のように、算出装置20は、通信手段21及び算出手段24を備える。通信手段21は、避難所内の端末に向けて応答要求を送信し、応答要求に応答した端末から、端末のユーザの操作に応じた信号を受信する。算出手段24は、当該信号を送信した端末の数を、避難所内の避難者の数として算出する。
【0060】
例えば、特許文献1に記載されているように、端末の位置情報に対応する位置が避難所の範囲内である場合に、当該端末のユーザが避難所に避難しているとみなすとする。この場合、避難者の端末だけでなく自治体の係員やボランティアのスタッフの端末も、避難者の端末としてみなすため、自治体が、避難者の数を正確に把握することができなかった。
【0061】
しかし、算出装置20においては、応答要求に応答し、ユーザの操作に応じた信号を送信した端末の数を、避難所内の避難者の数として算出する。これを利用して、例えば、避難所内において、避難者のみに当該信号を送信するようにアナウンスし、避難者以外の人物(例えば自治体の係員)には当該信号を送信しないようにアナウンスすることで、算出手段24は、避難者以外の人物を除いて、避難者の数を算出できる。
【0062】
また、各装置又はシステムの各構成要素の一部又は全部は、例えば図7に示すような情報処理装置2000とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。図7は、算出システム1を実現する情報処理装置の一例を示す図である。情報処理装置2000は、一例として、以下のような構成を含む。
【0063】
・CPU(Central Processing Unit)2001
・ROM(Read Only Memory)2002
・RAM(Random Access Memory)2003
・RAM2003にロードされるプログラム2004
・プログラム2004を格納する記憶装置2005
・記録媒体2006の読み書きを行うドライブ装置2007
・通信ネットワーク2009と接続する通信インターフェース2008
・データの入出力を行う入出力インターフェース2010
・各構成要素を接続するバス2011
各実施形態における各装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム2004をCPU2001が取得して実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム2004は、例えば、予め記憶装置2005やRAM2003に格納されており、必要に応じてCPU2001が読み出す。なお、プログラム2004は、通信ネットワーク2009を介してCPU2001に供給されてもよいし、予め記録媒体2006に格納されており、ドライブ装置2007が当該プログラムを読み出してCPU2001に供給してもよい。
【0064】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ別個の情報処理装置2000とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置2000とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0065】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、プロセッサ等を含む汎用または専用の回路 (circuitry)や、これらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップ によって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップ によって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0066】
各装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0067】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0068】
この出願は、2020年9月28日に出願された日本出願特願2020-161647を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0069】
1 算出システム
10、10A、10B、10C 端末
20、20A、20B 算出装置
21 通信手段
22 取得手段
23 認証手段
24 算出手段
30 設定手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7