(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】資料表示装置、資料表示システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20240130BHJP
【FI】
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2019200324
(22)【出願日】2019-11-01
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】500046759
【氏名又は名称】株式会社ネオジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【氏名又は名称】増田 良範
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 利直
(72)【発明者】
【氏名】竹迫 裕真
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-045180(JP,A)
【文献】特開2011-065288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資料配付装置から配付された
会議の資料を
当該会議の参加者に表示する資料表示装置であって、
前記会議のプレゼンタによる
プレゼンタ用資料表示装置に表示された前記資料に対する操作内容を示すプレゼンタ操作情報を取得するプレゼンタ操作情報取得手段と、
前記参加者の操作内容を示す参加者操作情報を取得する参加者操作情報取得手段と、
前記資料を表示する表示手段と、
前記プレゼンタ操作情報および
前記参加者操作情報に基づいて、表示モードを、
前記資料の表示を
前記プレゼンタ用資料表示装置と同期させる共有モードと同期させない個別モードとのいずれかに切り替えて設定する表示モード切替手段と、
前記表示モード切替手段による表示モードの設定に応じて、前記表示手段による
前記資料の表示を制御する表示制御手段と、を備え
、
前記表示モードの切り替えは、前記プレゼンタ用資料表示装置からも可能であり、
前記表示手段は、前記資料が、前記プレゼンタが現在参照している資料であるかどうかを示す第1のアイコンと、前記プレゼンタ用資料表示装置で前記共有モードが維持されているかどうかを示す第2のアイコンと、をさらに表示する、
資料表示装置。
【請求項2】
前記表示モード切替手段は、
前記共有モードを解除するための共有モード解除条件を満たすか否かに基づいて、前記表示モードを設定する、
請求項1に記載の資料表示装置。
【請求項3】
前記資料に対するメモをテキストデータで編集可能なテキスト編集手段、を更に備える、
請求項1または2に記載の資料表示装置。
【請求項4】
前記資料の任意のページにしおりを登録し、しおりを選択することにより、選択したしおりに対応する位置に表示をジャンプさせる手段、を更に備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の資料表示装置。
【請求項5】
会議の資料を配付する資料配付装置と、
前記資料配付装置から配付された
前記資料を表示し、
前記会議の参加者が閲覧する資料表示装置と、
を備え、
前記資料表示装置は、
前記会議のプレゼンタによるプレゼンタ用資料表示装置に表示された
前記資料に対する操作内容を示すプレゼンタ操作情報を取得するプレゼンタ操作情報取得手段と、
前記参加者の操作内容を示す参加者操作情報を取得する参加者操作情報取得手段と、
前記資料を表示する表示手段と、
前記プレゼンタ操作情報および
前記参加者操作情報に基づいて、表示モードを、
前記資料の表示を
前記プレゼンタ用資料表示装置と同期させる共有モードと同期させない個別モードとのいずれかに切り替えて設定する表示モード切替手段と、
前記表示モード切替手段による表示モードの設定に応じて、前記表示手段における
前記資料の表示を制御する表示制御手段と、を備え
、
前記表示モードの切り替えは、前記プレゼンタ用資料表示装置からも可能であり、
前記表示手段は、前記資料が、前記プレゼンタが現在参照している資料であるかどうかを示す第1のアイコンと、前記プレゼンタ用資料表示装置で前記共有モードが維持されているかどうかを示す第2のアイコンと、をさらに表示する、
資料表示システム。
【請求項6】
コンピュータを、
会議のプレゼンタによる
プレゼンタ用資料表示装置に表示された前記会議の資料に対する操作内容を示すプレゼンタ操作情報を取得するプレゼンタ操作情報取得手段、
前記会議の参加者の操作内容を示す参加者操作情報を取得する参加者操作情報取得手段、
前記資料を表示する表示手段、
前記プレゼンタ操作情報および
前記参加者操作情報に基づいて、表示モードを、
前記資料の表示を
前記プレゼンタ用資料表示装置と同期させる共有モードと同期させない個別モードとのいずれかに切り替えて設定する表示モード切替手段、
前記表示モード切替手段による表示モードの設定に応じて、前記表示手段における
前記資料の表示を制御する表示制御手段、として機能させ
、
前記表示モードの切り替えは、前記プレゼンタ用資料表示装置からも可能であり、
前記表示手段は、前記資料が、前記プレゼンタが現在参照している資料であるかどうかを示す第1のアイコンと、前記プレゼンタ用資料表示装置で前記共有モードが維持されているかどうかを示す第2のアイコンと、をさらに表示する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資料表示装置、資料表示システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議、打合せ、講習等のイベントにおいて、PC(Personal Computer)や携帯端末等をネットワークを介して相互に接続し資料等の電子データを共有するシステムが利用されている。このようなシステムでは、一般的に、プレゼンタ(発表者)が使用する端末装置と、プレゼンタ以外の参加者が使用する端末装置とを同期させることにより、プレゼンタが使用する端末装置の表示画面の表示内容(資料の表示ページ等)が、プレゼンタ以外の参加者が使用する端末装置の表示画面に表示される。
【0003】
例えば、特許文献1は、端末装置の画面上に表示された同期ボタンをユーザが押した場合は、他の端末装置の表示内容が同期して表示され、ユーザが端末装置の画面上に表示された非同期ボタンを押した場合は、他の端末装置の表示内容とは異なる内容が表示されることにより、ユーザが端末装置上で同期または非同期を相互に切り替えることが可能な電子会議システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1が開示する電子会議システムは、他の端末装置に同期して表示される端末装置において、端末装置のユーザによる同期または非同期の切り替え操作が常に必要であり、煩雑であるため、利便性に優れているとはいえない。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、参加者の資料の閲覧における利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る資料表示装置は、
資料配付装置から配付された会議の資料を当該会議の参加者に表示する資料表示装置であって、
前記会議のプレゼンタによるプレゼンタ用資料表示装置に表示された前記資料に対する操作内容を示すプレゼンタ操作情報を取得するプレゼンタ操作情報取得手段と、
前記参加者の操作内容を示す参加者操作情報を取得する参加者操作情報取得手段と、
前記資料を表示する表示手段と、
前記プレゼンタ操作情報および前記参加者操作情報に基づいて、表示モードを、前記資料の表示を前記プレゼンタ用資料表示装置と同期させる共有モードと同期させない個別モードとのいずれかに切り替えて設定する表示モード切替手段と、
前記表示モード切替手段による表示モードの設定に応じて、前記表示手段による前記資料の表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示モードの切り替えは、前記プレゼンタ用資料表示装置からも可能であり、
前記表示手段は、前記資料が、前記プレゼンタが現在参照している資料であるかどうかを示す第1のアイコンと、前記プレゼンタ用資料表示装置で前記共有モードが維持されているかどうかを示す第2のアイコンと、をさらに表示する。
【0008】
例えば、前記表示モード切替手段は、前記共有モードを解除するための共有モード解除条件を満たすか否かに基づいて、前記表示モードを設定する。
【0009】
前記資料に対するメモをテキストデータで編集可能なテキスト編集手段、を更に備えてもよい。
【0010】
前記資料の任意のページにしおりを登録し、しおりを選択することにより、選択したしおりに対応する位置に表示をジャンプさせる手段、を更に備えてもよい。
【0011】
この発明の資料表示システムは、
会議の資料を配付する資料配付装置と、
前記資料配付装置から配付された前記資料を表示し、前記会議の参加者が閲覧する資料表示装置と、
を備え、
前記資料表示装置は、
前記会議のプレゼンタによるプレゼンタ用資料表示装置に表示された前記資料に対する操作内容を示すプレゼンタ操作情報を取得するプレゼンタ操作情報取得手段と、
前記参加者の操作内容を示す参加者操作情報を取得する参加者操作情報取得手段と、
前記資料を表示する表示手段と、
前記プレゼンタ操作情報および前記参加者操作情報に基づいて、表示モードを、前記資料の表示を前記プレゼンタ用資料表示装置と同期させる共有モードと同期させない個別モードとのいずれかに切り替えて設定する表示モード切替手段と、
前記表示モード切替手段による表示モードの設定に応じて、前記表示手段における前記資料の表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示モードの切り替えは、前記プレゼンタ用資料表示装置からも可能であり、
前記表示手段は、前記資料が、前記プレゼンタが現在参照している資料であるかどうかを示す第1のアイコンと、前記プレゼンタ用資料表示装置で前記共有モードが維持されているかどうかを示す第2のアイコンと、をさらに表示する。
【0012】
この発明のプログラムは、コンピュータを、
会議のプレゼンタによるプレゼンタ用資料表示装置に表示された前記会議の資料に対する操作内容を示すプレゼンタ操作情報を取得するプレゼンタ操作情報取得手段、
前記会議の参加者の操作内容を示す参加者操作情報を取得する参加者操作情報取得手段、
前記資料を表示する表示手段、
前記プレゼンタ操作情報および前記参加者操作情報に基づいて、表示モードを、前記資料の表示を前記プレゼンタ用資料表示装置と同期させる共有モードと同期させない個別モードとのいずれかに切り替えて設定する表示モード切替手段、
前記表示モード切替手段による表示モードの設定に応じて、前記表示手段における前記資料の表示を制御する表示制御手段、として機能させ、
前記表示モードの切り替えは、前記プレゼンタ用資料表示装置からも可能であり、
前記表示手段は、前記資料が、前記プレゼンタが現在参照している資料であるかどうかを示す第1のアイコンと、前記プレゼンタ用資料表示装置で前記共有モードが維持されているかどうかを示す第2のアイコンと、をさらに表示する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、資料の閲覧における利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る資料配付システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す資料配付装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す資料配付装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示す閲覧端末(資料表示装置)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示す閲覧端末うちの専用プログラムインストール済みのものの機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示す閲覧端末うちの専用プログラム未インストールのものの機能構成を示すブロック図である。
【
図10】(A)資料の更新の詳細を表示させる操作画面を示す図である。(B)更新履歴確認画面の一例を示す図である。
【
図11】ユーザアカウントテーブルの一例を示す図である。
【
図15】ゲストユーザ参加可否テーブルの一例を示す図である。
【
図17】会議室のトップページの一例を示す図である。
【
図19】「仮認証情報」を発行したときの、プレゼンタ画面の一例を示す図である。
【
図20】「仮認証情報」が入力されたログイン画面の一例を示す図である。
【
図21】ゲスト入室後のプレゼンタ画面の一例を示す図である。
【
図22】共有モード解除条件テーブルの一例を示す図である。
【
図23A】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図であり、非共有モードでの画面の例である。
【
図23B】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図であり、共有モードの画面での例である。
【
図24A】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図24B】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図24C】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図24D】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図25A】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図25B】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図26A】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図26B】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図27A】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図27B】会議参加者の閲覧端末の画面例を示す図である。
【
図28】資料と手書きメモ及びテキストメモの保存形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る資料配付システムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
本発明の実施の形態に係る資料配付システム1は、講習、会議、打ち合わせ等の各種イベントにおいて用いられる資料(電子データ)を参加者が使用する端末装置に配付するシステムである。資料配付システム1は、
図1に示すように、イベントの参加者が使用する閲覧端末(資料表示装置)100と、閲覧端末100の各々に対してイベント主催者等により登録されたイベント資料を配付する資料配付装置200とを含む。
【0017】
なお、本実施の形態では、イベントとして会議を例にとって説明する。
【0018】
閲覧端末100の各々と、資料配付装置200とは、ネットワークNWを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNWは、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成され得る。通信プロトコルは、周知の有線および無線の通信規格から選択され、例えば、無線通信プロトコルとしては、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)が適用される。
【0019】
なお、本実施の形態では、資料配付システム1には、N台の閲覧端末100-1,100-2,...100-Nが含まれるものとして説明する。なお、Nは2以上の整数である。また、閲覧端末100の追加・加入、一部の閲覧端末100の離脱も可能である。
なお、閲覧端末100-1,...100-Nの各々を特に区別しない場合、または、これらを総称する場合には、閲覧端末100と称する。
【0020】
閲覧端末100は、会議のプレゼンタが資料を閲覧しつつ会議を進め、或いは、会議の参加者が配付された資料を閲覧するために使用する電子機器であり、例えば、ノート型パソコン、タブレット型端末、スマートフォン等から構成される。閲覧端末100は、資料表示装置の一例である。
【0021】
閲覧端末100のなかには、資料配付システム1にアクセスして利用するための登録情報であるアカウントを有する登録ユーザが使用するものと、アカウントを有していない非登録ユーザ(以下、ゲストユーザ)が使用するものとが混在する。また、閲覧端末100の1台が、会議の進行役であるプレゼンタ用として使用され、他の閲覧端末100が参加者用となる。
【0022】
登録ユーザは、閲覧端末100を用いて、1)会議を設定することができる、2)会議参加者に資料を配付及び提示しながら会議を進行することができる、3)会議に参加し、プレゼンタが提示する資料のページ単位のイメージデータをダウンロードし、閲覧することができる、4)会議開始前或いは会議終了後に、会議で使用する或いは会議で使用した資料を、ファイル単位で、ダウンロードすることができる。
【0023】
一方、非登録ユーザは、1)仮認証情報(フラッシュシェアコード)を用いて資料配付装置200にログインすることにより、会議に参加し、プレゼンタが提示する資料のページ単位のイメージデータをダウンロードし、閲覧することができる、2)認められている場合には、会議終了後に、資料を、ファイル単位で、ダウンロードすることができる。
【0024】
(資料配付装置200のハードウェア構成)
次に、資料配付装置200について説明する。
資料配付装置200は、1)会議を登録し、2)会議で使用する資料をファイル単位で受け付け、3)会議中は、プレゼンタの操作に応答して、資料をページ単位で会議参加者の各閲覧端末100に提供(ダウンロード)し、4)資料のファイル単位で閲覧端末100に提供(ダウンロード)する。
【0025】
資料配付装置200は、物理的には、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、補助記憶装置204、表示装置205、入力装置206、通信装置207を備える。これらの各部は、バスラインBLを介して相互に電気的に接続されている。
【0026】
CPU201は、ROM202や補助記憶装置204からプログラムをRAM203上に読み出して実行することにより、資料配付装置200の各種機能を実現する演算装置である。
【0027】
ROM202は、CPU201が実行する各種プログラムやプログラム実行の際に使用する各種固定データ等を記憶する不揮発性メモリである。
【0028】
RAM203は、ROM202や補助記憶装置204から読み出されたプログラムやデータを一時的に保持する揮発性メモリであり、CPU201の作業領域として使用される。
【0029】
補助記憶装置204は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶内容が書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置204は、例えば、CPU201が実行するプログラム、そのプログラム実行の際に用いられるデータ、そのプログラム実行により生成されたデータを記憶する。補助記憶装置204は、後述する資料配付処理に係るプログラムを記憶する。
【0030】
表示装置205は、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置であり、CPU201の制御に従って、各種画像を表示する。
【0031】
入力装置206は、キーボード、マウス、スイッチボタン等の操作入力装置であり、利用者による各種操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作信号をCPU201に供給する。なお、入力装置206は、表示装置205の表示画面とこれに重ねて設けられたタッチセンサとを有するタッチパネルであってもよい。この場合、入力装置206は、タッチパネルにおける利用者の接触動作に係る接触位置や接触態様等のタッチセンサによる検出結果に応じた操作信号をCPU201に供給する。
【0032】
通信装置207は、閲覧端末100の各々と通信するための通信インタフェースである。通信装置207は、CPU201の制御に従って、ネットワークNWを介して閲覧端末100の各々との間で各種データを送受信する。
【0033】
(資料配付装置200の機能構成)
資料配付装置200は、機能的には、
図3に示すように、制御部210、記憶部220、表示部230、操作部240、通信部250を備える。各機能部は、CPU201が、補助記憶装置204に記憶されている資料配付処理プログラムをRAM203をワークエリアとして実行することにより、実現される。
【0034】
制御部210は、資料配付装置200の各構成部位を制御する。制御部210は、機能的には、認証部211、仮認証情報発行部212、資料管理部213、資料配付部214、プレゼンタ操作情報通知部215、を有する。
【0035】
認証部211は、閲覧端末100から受信したログイン要求に含まれる認証情報に基づいて、正当なアクセス権限を有するユーザであることを認証する。具合的には、認証部211は、記憶部220に、ユーザ別に記憶された認証情報(アカウント:IDとパスワード)と、閲覧端末100から送信された認証情報(IDとパスワード)とを照合し、双方が一致する場合には、この資料配付システム1の登録ユーザであるとして認証成功と判断する。
また、認証部211は、仮認証情報発行部212が発行した仮認証情報を、発行から所定時間内に閲覧端末100から受信した場合には、その認証情報の送信元である閲覧端末100のユーザをゲストユーザであるとして認証成功と判断する。
【0036】
仮認証情報発行部212は、プレゼンタの閲覧端末100での所定の要求操作に応じて、そのプレゼンタが進行役の特定の会議(のみ)に参加(ログイン)するための仮認証情報(フラッシュシェアコード)を要求元の閲覧端末100に発行する。仮認証情報は、例えば、一定時間に限り有効で且つ一度しか使うことのできないパスワードである。
【0037】
資料管理部213は、イベント毎及びファイル毎に、資料を管理する。管理の内容は、配付許可期間の管理、備考情報の管理、ダウンロード情報、ステータス情報の管理などである。配付許可期間は、資料の配付を認める期間を言う。備考情報は、各資料に関し、管理者が入力した備考情報・メモ情報である。ダウンロード情報は、その資料を誰がファイル単位でダウンロードしたかを示す情報である。ステータス情報は、資料の更新の有無、バージョンなどを示す情報である。
【0038】
資料配付部214は、認証されたユーザが所有する閲覧端末100に対して、対応する資料をダウンロードする。
ダウンロードにはページ単位とファイル単位の2つの態様が存在する。
まず、会議中は、プレゼンタの会議の進行に併せて、プレゼンタが参照している資料の参照しているページのイメージデータを各閲覧端末100に配付する。配付処理の詳細については、後述する。
【0039】
また、資料配付部214は、登録ユーザに関しては、会議の開始前又は終了後、資料のファイル単位のダウンロードの要求を受け付けると、要求された資料を要求元の閲覧端末100に送信する。その資料に、会議中に作成されたプレゼンタの手書きメモ(コメント)、ユーザ自身の手書きメモが付されている場合には、資料配付部214は、オリジナルの資料の画像のレイヤと、プレゼンタの手書きメモの画像のレイヤと、ユーザ自身の手書きメモの画像のレイヤとを合成して、例えば、PDF形式のファイルを生成して、これを閲覧端末100に提供する。また、資料に、ユーザのテキストメモ(コメント)が付されている場合には、資料配付部214は、資料のファイルと共にテキストメモのファイルを閲覧端末100に提供する。
【0040】
また、資料配付部214は、ゲストユーザに関しては、会議終了後、閲覧端末100から、資料のダウンロードの要求を受け付けた場合に、その資料のダウンロードが許可されている場合、要求された資料を要求元の閲覧端末100に送信する。なお、その資料に、会議中に作成されたプレゼンタの手書きメモ、ユーザ自身の手書きメモが付されている場合には、資料配付部214は、オリジナルの資料の画像のレイヤと、プレゼンタの手書きメモの画像のレイヤと、ユーザ自身の手書きメモの画像のレイヤとを合成して、これを閲覧端末100に提供する。また、資料に、ユーザのテキストメモが付されている場合には、資料配付部214は、資料のファイルと共にテキストメモのファイルを閲覧端末100に提供する。
【0041】
プレゼンタ操作情報通知部215は、会議中に、プレゼンタ(会議進行者)が閲覧端末100に成した操作の内容を示す操作情報を会議に参加している全参加者の閲覧端末100に供給する。操作情報とは、例えば、プレゼンタが、1)ある資料を選択したときにその操作、2)プレゼンタが資料の特定のページを開いたときに、その操作、3)プレゼンタが資料のページを進め或いは戻したときに、その操作、を示す情報である。また、プレゼンタ操作情報通知部215は、プレゼンタがスタイラスペン、マウスなどで、資料に手書きのメモを書いた時に、描かれたメモ(画像)を特定するベクトルデータをプレゼンタ以外の会議参加者の閲覧端末100に供給する。
【0042】
プレゼンタ操作情報通知部215の作用により、会議参加者が共通の資料の共通のページを閲覧しながら会議を進行することができる。
【0043】
(閲覧端末100のハードウェア構成)
図1に示す閲覧端末100は、
図4に示すように、実質的に、資料配付装置200と同様に、CPU101、ROM102、RAM103、補助記憶装置104、表示装置105、入力装置106、通信装置107を備える。これらの各部は、バスラインBLを介して相互に電気的に接続されている。
各部の機能は、資料配付装置200を構成する各部と実質的に同一である。
【0044】
(閲覧端末100の機能構成)
資料配付装置200に予め登録されている閲覧端末100は、資料配付装置200から専用アプリケーションをダウンロードして、補助記憶装置104にインストールした状態にある。専用アプリケーションをインストールした閲覧端末100は、機能的には、
図5に示すように、制御部110、記憶部120、表示部130、操作部140、通信部150を備える。
【0045】
制御部110は、CPU101が記憶部120に格納された動作プログラムをRAM103をワークメモリとして実行することにより実現される。制御部110は、機能的には、操作情報通知部111、資料取得部112、資料管理部113,表示制御部114,テキスト編集部115、表示モード切替部116,グラフィック部117,しおり部118を有する。
【0046】
操作情報通知部111は、閲覧端末100へのユーザの操作内容を示す情報を資料配付装置200に通知する。この操作情報は、例えば、閲覧端末100のキー入力操作、マウス操作、アイコン操作、資料読み出し操作、ページ指定操作、ページ送り操作、ページ戻り操作、ページジャンプ操作等を示す情報である。
【0047】
資料取得部112は、会議中に、プレゼンタが閲覧する資料及びその閲覧ページを特定する情報を資料配付装置200から受信し、同一の資料の同一ページのイメージデータの提供を資料配付装置200に要求する。これにより、各閲覧端末100は、プレゼンタと同期したイメージを閲覧することができる。
また、資料取得部112は、資料配付装置200から、資料をファイル単位でダウンロードする。
【0048】
また、資料管理部113は、ダウンロードした資料を管理する。例えば、提供されている資料のうち、どの資料がダウンロード済みで、どの資料がダウンロードしていないかを管理する。
【0049】
表示制御部114は、資料、会議にプレゼンタが提供する画像等の画面表示を制御する。
【0050】
テキスト編集部115は、テキストメモなどの、ユーザが入力したテキスト情報を編集する。
【0051】
表示モード切替部116は、閲覧端末100の表示をプレゼンタの表示と同期させる共有モードと、プレゼンタの表示とは非同期とする固有モードと、の間で切り替える。
【0052】
グラフィック部117は、ユーザがスタイラスペン、マウスなどを用いて描いた画像、例えば、手書きメモのベクトルデータを生成する。このベクトルデータは、手書きメモを構成する線を、線の資料のページ上の始点位置、中間点の位置、...終点の位置、線の色、線の太さ等で表すデータである。
【0053】
しおり部118は、ユーザの操作に従って、資料の任意の位置を記憶する。しおり部118は、記憶位置の何れかにジャンプして、表示することができる。
【0054】
一方、一部のユーザの閲覧端末100には、専用アプリケーションはインストールされていない。このため、閲覧端末100は携帯端末の一般的な機能を備えるのみであり、
図6に示すように、ブラウズ機能121、テキスト編集部122、表示モード切替部123,グラフィック部124、しおり部125、を備える。ブラウズ機能121は、様々なデータを描画し表示する機能である。テキスト編集部122は、ユーザが入力したテキスト情報を編集する。表示モード切替部123は、閲覧端末100の表示をプレゼンタの表示と同期させる共有モードと、プレゼンタの表示とは非同期とする固有モードと、の間で切り替える。グラフィック部124は、ユーザが入力した手書きメモのベクトルデータを生成する。また、ベクトルデータで表された手書きメモを再生する。しおり部125は、資料の参照した場所を示すしおり情報を生成する。
【0055】
次に、上記構成を有する資料配付システム1の動作、即ち、資料配付システム1を使って会議を進める方法を説明する。
なお、会議は、参加者の少なくとも一部が会場に集合し、ウエブを活用して行う会議と、ネット上だけで行われる会議とのいずれでもよい。
以下の説明では、プレゼンタと参加者が会場に集合して行う会議を想定する。また、閲覧端末100に専用のプログラムがインストールされているとする。
【0056】
(ユーザ登録)
資料配付システム1を使用することを予定している者は、予め、自己のアカウント(IDとパスワード)をシステムにユーザ登録する。登録したユーザの氏名、ID、パスワードは、
図11に例示するように、資料配付装置200の記憶部220に記憶されているユーザアカウントテーブルT1に登録される。ユーザIDは、利用者を特定できる情報であれば任意であり、メールアドレス等でもよい。パスワードは、生体情報等の任意の認証情報でもよい。
【0057】
(会議の準備)
会議開催前に、会議の開催者の担当者(以下、単に担当者)は、ネット上に会議室(区別のため、仮想会議室)を設置する。
【0058】
この仮想会議室設置のため、担当者は、閲覧端末100を操作して、資料配付装置200にアクセスし、次に、操作情報通知部111の機能により、IDとパスワードとを資料配付装置200に送信する。資料配付装置200の認証部211は、ユーザを認証し、認証成功すれば、アクセスを許可する。
【0059】
認証に成功したユーザは、閲覧端末100を操作して、資料配付装置200の資料管理部213を起動し、表示部130に
図7に例示する登録・変更画面30を表示させる。図示するように、この登録・変更画面30は、会議名入力欄31、概要入力欄32、利用予定日欄33、配付資料欄34、管理設定欄35を含む。
【0060】
担当者は、会議名入力欄31に会議名を、概要入力欄32に会議の概要を、それぞれ、テキストで入力する。また、利用予定日欄33に資料の利用予定日時を、配付資料欄34に配付する資料を、管理設定欄35に管理内容を、それぞれ、登録する。
【0061】
さらに、担当者は、配付資料欄34に、資料名、配付期間、備考、ファイル単位でのダウンロードの可否、を設定する。資料管理部213は、登録された各配付資料について、ダウンロード可能の可否を「可」(○)とし、ステータスを「新着」とする。担当者は、個々の資料について、配付期間を設定し、また、備考欄に、任意のテキスト列を入力する。
【0062】
担当者は、配付期間、ダウンロードの許可、配付停止、削除などを任意に設定及び変更可能である。なお、各配付資料について個別に入力・設定することができる。
【0063】
また、プルダウンメニューを選択することにより、複数の資料セットを構成する全資料について、一括で、入力・設定することも可能である。例えば、プルダウンメニューを開くと、
図8に示すように、「配付時間の変更」、「ダウンロード許可」、「配付停止」、「削除」が選択できるようになっている。例えば、「配付時間の変更」を選択して、期間を指定すると、すべての資料について、その配付期間が設定される。また、「ダウンロード許可」を選択すれば、すべての資料について、ダウンロード許可の設定が成される。また、「配付停止」を選択すれば、資料自体は残したまま、すべての資料について、ダウンロードが禁止となり、配付が停止される。この場合、ファイル名と配付期間に抹消線が引かれ、ステータスが「停止」とされる。また、「削除」を選択すれば、すべての資料が削除され、表示されなくなる。
【0064】
担当者は、資料を配付する対象の人物を特定する情報を、管理設定欄35の登録ユーザ欄36に登録する。ここに登録したユーザが、会議の参加者になる。登録可能なユーザは、ユーザアカウントテーブルT1に登録されているアカウントを有するユーザである。
【0065】
また、ゲストユーザ欄37に、i)この会議にゲストの参加を認めるか否かの設定、ii)参加を認める場合に、ゲストユーザに資料のダウンロードをさせるか否かを設定する。前述のように、ゲストユーザとは、ユーザアカウントテーブルT1に登録されていないユーザ或いは事前登録ができず、参加予定者として登録されなかったユーザである。
【0066】
さらに、担当者は、プレゼンタ設定欄38に、プレゼンタ(進行役)となる人物を特定する。プレゼンタは、登録ユーザ欄36に登録されている会議に参加する予定の登録ユーザのうちから選択される。
【0067】
さらに、担当者は、資料セット管理者欄39に、資料管理者を登録し、各管理者について、権限(登録・削除)を設定する。権限は、資料の登録(新規登録と更新登録)を認めるか否か、削除を認めるか否か等の情報を含む。なお、権限について、個別に入力・設定することも可能であるし、プルダウンメニューを選択することにより、複数の管理者について、一括で設定することも可能である。
【0068】
入力・設定・編集が終了すると、担当者は、登録・変更ボタン40をクリックする。この操作に応答して、制御部110の操作情報通知部111は、通信部150を介して、資料配付装置200に入力された情報及びファイルを送信する。資料配付装置200の資料管理部213は、通信部250を介して入力情報及びファイルを受信し、受信した入力情報から、
図12に例示する会議テーブルT2を生成し、記憶部220に登録する。会議テーブルT2は、会議とその会議に参加する登録ユーザの氏名とユーザID、開催日時、等の会議の情報を対応付けるテーブルである。
【0069】
また、資料管理部213は、配付資料欄34の情報から、
図13に例示する資料テーブルT3を生成し、記憶部220に登録する。資料テーブルT3は、会議とその会議で配付する予定の資料とを対応付けるテーブルである。各資料に関しては、資料名、配付期間、メモ、ダウンロードの可否、ステータス、資料ID等の情報を含む。なお、
図13では、ステータスとして、「更新有」などが表示されているが、最初の登録時は、公開される資料のステータスは「新着」のみである。後述する、追加・編集処理で、資料の更新があった際に、資料管理部213は、ステータスを「更新有」に変更する。
【0070】
また、資料管理部213は、資料を受信すると、その資料のサムネール画像を生成し、資料に対応付けて格納する。
【0071】
資料管理部213は、配付資料欄34の情報から、各資料について、
図14に例示する資料履歴テーブルT4を生成し、記憶部220に登録する。資料履歴テーブルT4は、各資料の履歴を記録したテーブルであり、会議室と、資料と、資料のバージョンと、資料の登録の日付と、資料の格納場所のアドレスと、を対応付ける。なお、
図14では、バージョンが4まで記載されているが、登録当初は、バージョン1のみである。
【0072】
資料管理部213は、ゲストユーザ欄37の情報から、
図15に例示するゲストユーザ参加可否テーブルT5を生成し、記憶部220に登録する。ゲストユーザ参加可否テーブルT5は、会議名とその会議にゲストユーザの参加を認めるか否か、認める場合に資料のダウンロードの可否を示す。
【0073】
担当者は、必要に応じて、閲覧端末100を操作して、適宜、登録・変更画面30を再度表示し、
図9に例示するように、登録事項を編集する。例えば、会議の概要を変更し、会議の期日を変更し、配付予定資料を追加し、更新し、或いは、削除し、配付期間を変更し、ダウンロードの可否を変更し、修正(変更)する。また、ゲストユーザの参加可否・資料のダウンロードの可否を変更し、さらに、資料管理者を追加変更する。
【0074】
ここで、担当者が、登録・変更ボタン40をクリックすると、制御部110の操作情報通知部111は、これを資料配付装置200に送信する。資料配付装置200の資料管理部213は、入力内容に応じて、
図12~
図15に示す会議テーブルT2、資料テーブルT3、資料履歴テーブルT4、ゲストユーザ参加可否テーブルT5を更新する。
【0075】
図9に示す登録・変更画面30上で、ステータスが「更新有」の資料について、更新の履歴或いは過去のバージョンの内容を確認したい場合がある。この場合、担当者は、配付資料欄34の注目する資料のステータスの「更新有」をクリックする。この操作に応答して、資料管理部113は、
図10(A)に示すように、「詳細情報」と「更新履歴」を選択するためのボックス41を表示部130に表示する。
【0076】
担当者が「詳細情報」をクリックすると、制御部110は、この操作情報を資料配付装置200に送信する。操作情報に応答して、資料配付装置200の資料管理部213は、その資料についての、更新内容の詳細情報を読み出し、閲覧端末100に送信する。閲覧端末100の資料管理部113は、受信した詳細情報を表示部130に表示する。
【0077】
一方、担当者が「更新履歴」をクリックすると、制御部110は、この操作情報を資料配付装置200に送信する。操作情報に応答して、資料管理部213は、資料履歴テーブルT4をアクセスし、該当する資料の過去の一連のバージョンのサムネール画像を特定し、記憶部220から読み出してアイコン化し、閲覧端末100に送信する。閲覧端末100の資料管理部113は、受信したアイコンを表示部130に、
図10(B)に示すように一覧表示する。なお、これは、資料BBBのバージョンが、
図14に示すように、4つある場合の具体例である。何れかのサムネールがクリックされると、制御部110は、この操作情報を資料配付装置200に送信する。操作情報に応答して、資料配付装置200の資料管理部213は、資料管理部213は、資料履歴テーブルT4を参照し、該当する資料を記憶部220の該当するアドレスから読み出し、閲覧端末100に送信する。制御部110は、資料を受信し、これを表示部130に表示する。
全資料の全履歴のサムネール画像を一覧表示するモードを設けてもよい。
【0078】
(会議への参加と資料のダウンロード)
登録ユーザは、自己の閲覧端末100を操作して、資料配付装置200にアクセスし、
図16Aに例示する資料配付システム1のログインページを開き、自己のIDを入力し、送信する。認証部211は、データを受信し、
図16Bに示すログイン処理を開始し、まず、入力データが
図11に示すユーザアカウントテーブルT1に登録されているユーザIDであるか否かを判別する(ステップS11)。認証部211は、登録ユーザのユーザIDが入力されたと判別すると(ステップS11:Yes)、パスワード入力画面を閲覧端末100に送信する。閲覧端末100は、パスワード入力画面を表示する(ステップS12)。登録ユーザはパスワードを入力する。閲覧端末100は、入力されたパスワードを資料配付装置200に送信する。認証部211は、先に入力されたIDと今回入力されたパスワードの対がユーザアカウントテーブルT1に登録されているか否かを判別する(ステップS13)。
【0079】
登録されている場合、即ち、認証成功の場合(ステップS13:Yes)、認証部211は、会議テーブルT2を参照し、そのユーザIDをユーザが参加者として登録されている会議の一覧を作成し、閲覧端末100に送信する。閲覧端末100は、会議の一覧を受信し、これを表示する(ステップS14)。ユーザは、表示された一覧の中から、任意の会議を選択する。この操作が資料配付装置200に通知される。
【0080】
資料管理部213は、通知に従って、会議を選択し(ステップS15)、選択した会議用のページを閲覧端末100に送信する(ステップS16)。閲覧端末100は、
図17に例示するように、該当する会議のページを表示する。このページは、会議の開催予定、ファイル単位でダウンロード可能な資料のリストなどを含む。
【0081】
なお、ユーザIDとパスワードとの対がユーザアカウントテーブルT1に登録されてない場合(ステップS13:No)、適当なエラー処理を実行する(ステップS17)。
【0082】
登録ユーザは、提供されたホームページ上で、会議の予定を確認することができる。また、ダウンロード可能な資料を選択し、ファイル単位でダウンロードを指示することができる。
資料をファイル単位でダウンロードする場合、閲覧端末100の資料取得部112は、ユーザの操作に応答して、資料配付装置200に資料のダウンロードを要求する。資料配付装置200の資料配付部214は、閲覧端末100からの要求に応じて、記憶している資料を読み出して、閲覧端末100に送信する。
【0083】
閲覧端末100の資料取得部112は、資料配付装置200から送信されてきた資料を受信し、記憶部120に格納する。閲覧端末100の資料管理部113は、ダウンロードした資料のバージョン、ステータスなどを管理する。
【0084】
ユーザは、閲覧端末100の操作部140を操作して、記憶部120に記憶している資料を表示部130に表示させて、閲覧することができる。テキスト編集部115は、各資料のページ単位に、テキストデータによるメモを配置することができる。
【0085】
(会議開始時の動作)
会議開始時には、各登録ユーザは、前述の認証処理を行って、会議室に入室する。
会議の開始時刻になると、予め登録されているプレゼンタは、資料配付装置200のプレゼンタ用の画面を表示部230に開き、任意の資料を表示して、それを参照しながら、会議を進行する。どの資料のどの部分を表示するかは、プレゼンタの任意である。
【0086】
プレゼンタ用の表示画面は、
図18に示すように、左右2つのウインドウに分割され、さらに、左ウインドウは上下に2つに分割され、上段ウインドウにプレゼンタの情報が、下段ウインドウに、出席者の情報が表示される。
上段ウインドウには、プレゼンタを変更するための変更ボタンが配置されている。
【0087】
さらに、
図15に示すゲストユーザ参加可否テーブルT5に「ゲストユーザの参加可」が設定されている場合、仮認証情報発行部212は、左下段ウインドウに、「仮認証情報発行」ボタン51を配置する。これは、参加者登録をできなかった者に、ゲストとして会議に参加をする機会を与えるためのボタンである。
【0088】
ゲストとして「ABCD会議」に参加することを希望するユーザは、会議に参加したい旨を、口頭、メール等の任意の手段により、プレゼンタに伝える。
【0089】
プレゼンタは、要望があった場合には、「仮認証情報発行」ボタン51をクリックする。
このクリック操作に応答して、制御部110は、仮認証情報発行要求を資料配付装置200に送信する。仮認証情報発行部212は、仮認証情報発行要求に応答し、乱数を発生させること等により、仮認証番号と有効期間を発行し、閲覧端末100に送信する。また、仮認証情報発行部212は、仮認証番号を発行すると、経過時間の計測を開始し、計測時間が設定されている表示期間に達すると、その仮認証番号を無効化する。
【0090】
プレゼンタの閲覧端末100は、資料配付装置200からの仮認証番号と有効期間を受信する。閲覧端末100の表示制御部114は、受信した仮認証番号と有効期間を
図19に示すように表示する。また、表示制御部114は、経過時間の計測を開始し、有効期間の残り時間或いは終了時刻を、例えば、
図19に示すように、棒グラフの形式で表示する。表示制御部114は、計測時間が有効期間に達すると、仮認証情報と有効期間の表示を消去する。
プレゼンタは、表示されている「仮認証情報」と「有効期間」を、口頭、電子メール等で、ゲストに伝える。
【0091】
ゲストは、自己の閲覧端末100で資料配付装置200にアクセスし、そのブラウズ機能121により、
図16Aに示すログイン画面を表示する。
【0092】
ゲストは、
図20に例示するように、ログイン画面に、仮認証情報を入力し、「次へ」をクリックする。操作情報通知部111は、入力された仮認証情報を資料配付装置200に送信する。資料配付装置200の認証部211は、
図16Bに示すログイン処理を開始し、ステップS11でNOと判別し、ステップS18で、入力データが仮認証情報であるか否かを判別する。この例では、仮認証情報であるので、ログイン処理が仮認証情報の有効期限内であれば(ステップS18:Yes)、ステップS16に進み、その仮認証情報を発行した会議の会議用ページを
図17に例示するように生成し、ゲストユーザの閲覧端末100に送信する。閲覧端末100は、受信した会議用ページを表示する。なお、入力されたデータが、ユーザIDでも仮認証情報でも無い場合(ステップS18:No)、適当なエラー処理を実行する(ステップS19)。
【0093】
制御部210の認証部211は、
図21に例示するように、プレゼンタの閲覧端末100の画面の左下ウインドウにゲストの情報(ゲスト01等)を表示する。
【0094】
(会議中の動作)
会議の参加者が揃うと、プレゼンタは会議を開始する。
会議中は、プレゼンタは、資料配付装置200の表示部230に任意の資料の任意のページを表示して、会議を進める。
全ての会議参加者の閲覧端末100は、基本的に、プレゼンタの閲覧端末100の画面と同一の画面を表示する。従って、会議参加者は、同一の資料の同一のページを順次参照しながら、会議を進めることができる。
【0095】
このように、複数の閲覧端末100の表示を同期させる処理について説明する。
プレゼンタが、自己の閲覧端末100で、ある資料を呼び出し、任意のページを開く指示を行うと、これらの操作は全て操作情報通知部111により資料配付装置200に通知される。
【0096】
資料配付装置200の資料管理部213は、プレゼンタの閲覧端末100からの操作情報に応答して、全閲覧端末100に、プレゼンタが特定の資料を読み出す指示をしたこと、特定のページを開く指示をしたことを通知する。
【0097】
各閲覧端末100の資料管理部113は、通知に応答し、資料配付装置200に、通知された資料の通知されたページのダウンロードを要求する要求信号を送信する。
【0098】
資料配付装置200の資料配付部214は、資料要求信号に応答して、要求元の全閲覧端末100に、要求された資料の要求されたページのイメージ画像のデータを生成して、ダウンロードする。
【0099】
各閲覧端末100の表示制御部114は、送信されたイメージ画像を受信し、資料の通知されたページのダウンロードを要求する要求信号を送信する。
【0100】
例えば、プレゼンタが資料BBBの2頁を表示中にページ捲りを指示する操作を行ったと仮定する。この操作は操作情報通知部111により資料配付装置200に通知される。資料配付装置200の資料管理部213は、操作情報に応答して、全閲覧端末100に、プレゼンタが資料BBBの3頁を開く指示をしたことを通知する。各閲覧端末100の資料取得部112は、通知に応答し、資料配付装置200に、資料BBBのページ3のダウンロードを要求する要求信号を送信する。資料配付装置200の資料配付部214は、資料要求信号に応答して、資料BBBのページ3のイメージ画像を合成し、合成したイメージ画像のデータを要求元の閲覧端末100に送信する。各閲覧端末100の表示制御部114は、送信されたページ3のイメージ画像を受信し、これを表示する。
【0101】
このようにして、表示画像を同期させて会議を進める。このような形態を資料を共有するという意味で共有モードと呼ぶ。
【0102】
ここで、閲覧端末100の表示モード切替部116は、参加者による操作部140の操作に基づいて、資料の表示モードを共有モードと個別モードのいずれかに切り替える。表示モード切替部116は、表示モードの切り替えを指示する直接的な操作に限らず、
図22に示す共有モード解除条件テーブルT6に規定された条件を満たす場合には、共有モードを自動的に解除して表示モードを個別モードに切り替えて設定する。
図22に示す共有モード解除条件テーブルT6には、例えば、1)共有モードにつき、表示部230の画面上に資料が共有されて表示され、参加者が後述するテキスト編集機能を実行している際に、プレゼンタがページ切り替え操作を行ったこと、2)共有モードにつき、表示部230の画面上に資料が共有されて表示され、参加者が後述する手書きメモ機能を実行している際に、プレゼンタがページ切り替え操作を行ったこと、3)共有モード中に参加者がページを切り替えたこと、4)共有モード中に参加者が共有資料以外を選択したこと、が、共有モード解除条件として規定されている。
【0103】
なお、参加者は、
図23Aに示すウインドウ右上部に配置されたプレゼンタ共有ボタンSBを押下することにより、容易に表示モードを共有モードに切り替えることができる。表示モード切替部116は、プレゼンタ共有ボタンSBが押下されたことに応じて、表示モードを共有モードに切り替えるとともに、
図23Bに示すように、ウインドウ内の表示領域に表示される資料を資料Cからプレゼンタが参照している資料Aに切り替える。ここで、
図23Aに示すように、「資料C」の表記には現在プレゼンタが参照していない資料であることを示すアイコンMIが表示される一方、
図23Bに示すように、「資料A」の表記には現在プレゼンタが参照している資料であることを示すアイコンMSが表示される。これにより、参加者は、ウインドウ内に表示されている資料がプレゼンタが現在説明している資料であるか否かを容易に確認することができる。
【0104】
プレゼンタも表示の共有モードを解除することができる。
この場合、プレゼンタは、プレゼンタ画面に配置されている「共有モード一時中断」ボタン(図示せず)をクリックする。この操作は、操作情報通知部111により資料配付装置200に伝達される。資料配付装置200のプレゼンタ操作情報通知部215は、「共有モード一時中断」ボタンが操作されたことが通知されると、プレゼンタ操作情報をプレゼンタ以外の会議参加者の閲覧端末100には通知しなくなる。これにより、表示の同期状態がオフされる。このため、プレゼンタは、会議参加者を意識することなく、資料と頁を適宜変更しながら、資料をチェックすることができる。
【0105】
プレゼンタが画面上の「共有モード」ボタン(図示せず)を操作すると、「共有モード」ボタンが操作されたことが資料配付装置200に通知される。この場合、資料配付装置200のプレゼンタ操作情報通知部215は、その時点でのプレゼンタの閲覧端末100の表示画面と同一の表示画面の表示を要求する操作情報を、プレゼンタ以外の会議参加者の閲覧端末100に送信する。プレゼンタ以外の会議参加者の閲覧端末100は、通知された操作情報を資料配付装置200に送信する。資料配付装置200は、操作情報に応答して、プレゼンタの閲覧端末100が表示中の画面と同一の画面を各閲覧端末100に送信する。これで、同期状態が復活する。以後、資料配付装置200のプレゼンタ操作情報通知部215は、プレゼンタの閲覧端末100からの操作情報を全閲覧端末100に通知する動作を再開する。
【0106】
なお、会議参加者が、プレゼンタが共有モードを維持している状態か中断している状態かを容易に判別できるように、閲覧端末100の表示する画像に、異なる態様のアイコンを表示してもよい。例えば、プレゼンタが共有モードを維持している状態では、水色のアイコンを表示し、中断している状態では、黄色のアイコンを表示する等してもよい。
【0107】
このような表示更新処理の動作を
図29のフローチャートを参照して説明する。
各閲覧端末100の表示制御部114は、資料配付装置200からプレゼンタが表示を更新する旨の通知を受けると、
図29に示す表示更新処理を開始する。
まず、表示制御部114は、画面上の表示モード切替ボタンが操作されたか否かを判別する(ステップS21)。表示モード切替ボタンが操作されたと判別すると(ステップS21:Yes)、表示モード切替部116は、表示モードを共有モードと個別モードとの間で切り替える(ステップS22)。続いて、切り替え後の表示モードが共有モードであるか否かを判別する(ステップS23)。
【0108】
共有モードの場合(ステップS23:Yes)、閲覧端末100の現在の動作状態が共有モード解除条件テーブルT6に登録されている条件に一致するか否かを判別する(ステップS24)。
【0109】
一致しない場合(ステップS24:No)、資料取得部112は、資料配付装置200から受信した操作内容に相当する要求を資料配付装置200に送信する(ステップS25)。例えば、プレゼンタが資料の2頁を表示している状態で、ページ捲りを指示したとすると、資料取得部112は、資料の3頁の画像イメージを要求する要求を資料配付装置200に送信する。
【0110】
一方、ステップS23でNo、即ち、個別モードである場合、処理はステップS26に進む。また、ステップS24で現在の動作状態が共有モード解除条件テーブルT6に登録されている条件に該当すると判別された場合(ステップS24:Yes)、表示モードを個別モードに切り替え、ステップS26に進む。
【0111】
ステップS26において、共有モードボタンが押されたか否かを判別し、押されていなければ(ステップS26:No)、ステップS21に戻り、共有モードボタンが押されていれば、(ステップS26:Yes)、資料配付装置200に、現時点での画面のイメージデータをダウンロードするように要求する(ステップS27)。なお、ステップS21で、Noと判別された場合には、ステップS22をスキップし、ステップS23に進む。
【0112】
このようにして、共有モードと個別モードとを使いわけて、会議に参加することができる。
【0113】
また、表示制御部114は、例えば、参加者によりマルチスクリーン表示の実行が指示された場合には、表示部130の画面上に異なる資料を同時に表示するように制御する。
図24Aに示すように、参加者の表示パターン選択アイコンPSIの押下により、会議で用いられる2種類の資料を並べて表示するマルチスクリーン表示が指示されると、表示制御部114は、左右または上下に並べて表示する表示パターンの選択肢が列挙されたプルダウンメニューPMを表示する。左右に並べて表示する表示パターンが選択され、参加者によって資料選択アイコンDSIが押下されると、表示制御部114は、
図24Bに示すように、ウインドウの左側の左表示領域RLに表示する資料として選択可能な資料が列挙されたプルダウンメニューDMLを表示する。プルダウンメニューDMLから左表示領域に表示する資料が選択されるまで、左表示領域の下方には、「左表示領域に表示する資料を選択してください」という左表示領域RLに表示する資料の選択を促すメッセージが表示される。
【0114】
左表示領域RLに表示する資料として、プレゼンタが参照し(プレゼンテーション中)、共有モードに設定されている資料Aが選択され、資料Aが左表示領域RLに表示された後、再度、参加者によって資料選択アイコンDSIが押下されると、表示制御部114は、
図24Cに示すように、ウインドウの右側の右表示領域RRに表示する資料として選択可能な資料が列挙されたプルダウンメニューDMRを表示する。プルダウンメニューDMRから右表示領域に表示する資料が選択されるまで、左表示領域に表示する資料選択の場合と同様に、右表示領域の下方には、「右表示領域に表示する資料を選択してください」という右表示領域RRに表示する資料の選択を促すメッセージが表示される。右表示領域RRに表示する資料として資料Cが選択されると、
図24Dに示すように、左表示領域RLに資料Cが表示され、マルチスクリーン表示における選択処理は完了する。
【0115】
プレゼンタを含む会議参加者は、テキスト編集部115により、各資料の各ページに対してテキストデータによるメモを挿入できる。
【0116】
テキスト編集部115は、
図25Aに示すウインドウの右上に配置された吹き出しアイコンCOIが参加者により押下されると、
図25Bに示すように、ウインドウ右側にテキストメモウインドウTXWを表示し、テキスト編集機能を参加者に提供する。参加者は、テキストメモウインドウTXW内に文章等をキーボード入力することにより、会議中に気づいた事柄等を保存することができる。テキストメモウインドウTXWに入力されたテキストデータは、資料と共に記憶部120に記憶される。
【0117】
また、テキスト編集部115は、
図26Aに示すテキストメモウインドウTXWの上部に配置されたページ指定バーPBが参加者により押下されると、「現在開いているページ」と「すべてのページ」のそれぞれに対応するテキストデータの表示を選択するプルダウンメニューDMが表示される。プルダウンメニューDMにおいて、「現在開いているページ」が選択されると、テキスト編集部115は、現在表示されているページに対して作成されたテキストデータの一覧を表示する。また、プルダウンメニューDMにおいて、「すべてのページ」が選択されると、テキスト編集部115は、
図26Bに示すように、全ページに対してそれぞれ作成されたテキストデータの一覧を表示する。テキスト編集部115は、テキストデータの一覧から選択されたテキストデータを拡大表示させると共に、そのページをジャンプ表示させる。
【0118】
プレゼンタを含む会議参加者は、グラフィック部117により、各資料の各ページの任意の位置に手書きのメモを挿入できる。具体的には、グラフィック部117は、ユーザがスタイラスペン、マウスなどを用いて描いた画像、例えば、手書きメモ、のベクトルデータを生成する。このベクトルデータは、描いた線の資料のページ上の始点位置、中間点の位置、...終点の位置、線の色、線の太さ等で表すデータである。このため、手書きメモは、各ページの任意の位置に記載できる。
【0119】
プレゼンタにより、閲覧端末100に表示されている資料に成された手書きメモは、共通の手書きメモとされ、そのベクトルデータは、グラフィック部117により、資料配付装置200に供給される。資料配付装置200のプレゼンタ操作情報通知部215は、このベクトルデータを全閲覧端末100に送信する。各閲覧端末100のグラフィック部117は、資料配付装置200から受信したベクトルデータを描画することにより、手書きのメモを再生し、表示中のページに重畳して表示する。これにより、プレゼンタの手書きメモを会議参加者全員で共有できる。
【0120】
一方、個々の会議参加者が閲覧端末100に表示されている資料に成された手書きメモは、この参加者固有のものとなる。このベクトルデータは、自閲覧端末100で描画され、表示される。また、このベクトルデータは、資料配付装置200に通知される。資料配付装置200は、通知されたベクトルデータをユーザID及び資料IDに対応付けて記憶する。ただし、他の閲覧端末100には送信しない。
【0121】
資料配付装置200は、会議の終了時点等の任意のタイミングで、
図28に示すように、オリジナルの資料と、テキストメモと手書きメモを別ファイルで保存する。
【0122】
資料配付装置200の資料管理部213は、会議終了後に、何れかの閲覧端末100から資料をファイル単位でダウンロードする要求があった場合には、オリジナルの資料の画像イメージのレイヤと、プレゼンタの手書きメモの画像イメージのレイヤと、そのユーザ自身の手書きメモの画像イメージのレイヤを合成して、新たなファイルを生成し、そのファイルにそのユーザ自身のテキストメモのファイルを添付して閲覧端末100に送信する。資料管理部213は、合成送信手段の一例である。
【0123】
これを受信した閲覧端末100の表示制御部114は、受信したファイルを表示する。表示制御部114は、ユーザの操作に応答して、オリジナルの資料のレイヤとプレゼンタの手書きメモのレイヤとの合成画像、というように3つのレイヤの表示状態を切り替えて参照することができる。
【0124】
しおり部118は、参加者が選択した資料の任意のページのしおり登録を行う。参加者は、
図27Aに示すウインドウ左側に配置されたしおりアイコンBMIを押下することにより、
図27Bに示すしおり登録一覧BMLを表示させる。参加者が任意のしおりをクリックすると、表示制御部114は、クリックされたしおりに対応するページを表示部130に表示する。
【0125】
(ゲストの退出)
会議の途中で、ゲストが会議室から退出する場合がある。
この場合、資料管理部213は、そのゲストの未ダウンロードの資料があるか否かを判別する。
未ダウンロードの資料が残っている場合、「未ダウンロードの資料が残っています。後日ダウンロードしますか?」などの問い合わせ画面を表示する。
ユーザが、「ダウンロードする」を選択した場合には、ユーザにダウンロードサイトのURLと配付期間を通知する。或いは、メールアドレスを問い合わせ、そのメールアドレスにダウンロードサイトのURLと配付期間を記載して送信する。ゲストが、配付期間内に、ダウンロードサイトにアクセスして、要求した場合には、資料管理部213は、要求された資料をファイル単位でダウンロードする。これにより、途中退出のゲストが資料を取得することを可能とする。
【0126】
以上説明したように、資料配付システム1によれば、事前に参加手続きを取ることができなかった者の会議への参加を可能とし、また、資料の取得を可能とする。
【0127】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形と応用が可能である。
【0128】
例えば、上記実施の形態においては、理解を容易にするため「会議」での資料を配付する例を説明したが、資料を配付する対象のイベントは任意である。特定のアカウントを持たないゲストユーザに、セキュアな関係を保ったままデジタル文書を配付する場面では、どのような場面でも使用可能である。
【0129】
また、上記の実施形態では、現実世界でのイベント(会議)と、ネット空間上のイベント(会議)とを連動して、ネット空間上のイベントを進めつつ、現実世界のイベント(会議)を進める例を示した。この発明はこれに限定されず、現実世界のイベントを伴わずネット上のイベントのみでもあってもよい。また、資料の配付に特化し、イベントの進行には無関係としてもよい。
【0130】
上記の実施の形態において、例えば資料配付装置200の制御部210のCPUが実行する制御プログラムは、あらかじめ装置に記憶されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上記の各種処理を実行させるための動作プログラムを、既存の汎用コンピュータや、フレームワーク、ワークステーション等に実装することにより、上記の実施の形態に係る資料配付装置200に相当する装置として機能させてもよい。
【0131】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、コンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM)等に格納して配付してもよいし、インターネットをはじめとするネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
【0132】
また、上記の処理をOS(Operating System)とアプリケーションプログラムとの分担、または、OSとアプリケーションプログラムとの協働によって実行する場合には、アプリケーションプログラムのみを記録媒体やストレージに格納してもよい。また、搬送波にプログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(Bulletin Board System:BBS)に上記プログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行するべく設計してもよい。
【符号の説明】
【0133】
1…資料配付システム、100…閲覧端末、200…資料配付装置