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特許7428350加工条件推奨装置、加工条件推奨方法、プログラム、金属構造体製造システム及び金属構造体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】加工条件推奨装置、加工条件推奨方法、プログラム、金属構造体製造システム及び金属構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/34 20140101AFI20240130BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20240130BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20240130BHJP
   C22C 38/00 20060101ALN20240130BHJP
   C22C 38/24 20060101ALN20240130BHJP
【FI】
B23K26/34
B23K26/00 N
B23K26/21 Z
C22C38/00 302Z
C22C38/24
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021090839
(22)【出願日】2021-05-31
(65)【公開番号】P2021186883
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2020095193
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発/人工知能技術の適用領域を広げる研究開発のうちレーザ加工の知能化による製品への応用開発期間の半減と、不良品を出さないものづくりの実現に係る委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000183347
【氏名又は名称】住友重機械ハイマテックス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】317006683
【氏名又は名称】地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】石川 毅
(72)【発明者】
【氏名】薩田 寿隆
(72)【発明者】
【氏名】森 清和
(72)【発明者】
【氏名】中村 紀夫
(72)【発明者】
【氏名】福山 遼
(72)【発明者】
【氏名】奥田 誠
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和仁
(72)【発明者】
【氏名】横田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健太郎
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-15944(JP,A)
【文献】特表2020-527475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0188346(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/34
B23K 26/00
B23K 26/21
B23K 9/04
B23K 9/032
B23K 10/02
C22C 38/00
C22C 38/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材に積層される付加材と、積層体の厚さ及び許容される欠陥を含む要求性能と、前記積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む要求品質と、を示すデータを取得する取得部と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量を、積層体の厚さ及び欠陥レベルのそれぞれと関連付ける第1予測モデルを用いて、付加材ごとに、前記要求性能を満たし得る当該付加材の供給量及び熱源からの入熱量の領域を算出する第1推定部と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量に応じて積層体内部の熱履歴を算出する第2予測モデルを用いて、前記第1推定部において算出された供給量及び入熱量の領域に属する加工条件の下で、積層体内部の保持時間及び冷却速度を予測する第2推定部と、
積層体の熱履歴を、積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質に関連付ける第3予測モデルを用いて、前記加工条件の下で、付加材の成分組成ごとに加工品質の予測値を算出する第3推定部と、
前記第3推定部において算出された品質の予測値を前記要求品質と比較し、比較結果に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を決定する決定部と、
を具備することを特徴とする加工条件推奨装置。
【請求項2】
前記第1予測モデルは、付加材の供給量及び熱源からの入熱量と、当該供給量及び当該入熱量の下で作製された積層体の厚さ及び欠陥の計測結果と、を教師データとして機械学習された学習済みモデルであること、
を特徴とする請求項1に記載の加工条件推奨装置。
【請求項3】
前記第2予測モデルは、付加材の供給量及び熱源からの入熱量と、当該供給量及び当該入熱量の下における熱伝導シミュレーションの結果と、を教師データとして機械学習された学習済みモデルであること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の加工条件推奨装置。
【請求項4】
前記第3予測モデルは、付加材の成分組成及び積層体の熱履歴と、当該成分組成及び当該熱履歴の下における積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質の計測結果と、を教師データとして機械学習された学習済みモデルであること、
を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の加工条件推奨装置。
【請求項5】
コンピュータに、
母材に積層される付加材と、積層体の厚さ及び許容される欠陥を含む要求性能と、前記積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む要求品質と、を示すデータを取得する取得処理と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量を、積層体の厚さ及び欠陥レベルのそれぞれと関連付ける第1予測モデルを用いて、付加材ごとに、前記要求性能を満たし得る当該付加材の供給量及び熱源からの入熱量の領域を算出する第1推定処理と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量に応じて積層体内部の熱履歴を算出する第2予測モデルを用いて、前記第1推定処理において算出された供給量及び入熱量の領域に属する加工条件の下で、積層体内部の保持時間及び冷却速度を予測する第2推定処理と、
積層体の熱履歴を、積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質に関連付ける第3予測モデルを用いて、前記加工条件の下で、付加材の成分組成ごとに加工品質の予測値を算出する第3推定処理と、
前記第3推定処理において算出された品質の予測値を前記要求品質と比較し、比較結果に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を決定する決定処理と、
を実行させることを特徴とする加工条件推奨方法。
【請求項6】
コンピュータに、
母材に積層される付加材と、積層体の厚さ及び許容される欠陥を含む要求性能と、前記積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む要求品質と、を示すデータを取得する取得処理と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量を、積層体の厚さ及び欠陥レベルのそれぞれと関連付ける第1予測モデルを用いて、付加材ごとに、前記要求性能を満たし得る当該付加材の供給量及び熱源からの入熱量の領域を算出する第1推定処理と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量に応じて積層体内部の熱履歴を算出する第2予測モデルを用いて、前記第1推定処理において算出された供給量及び入熱量の領域に属する加工条件の下で、積層体内部の保持時間及び冷却速度を予測する第2推定処理と、
積層体の熱履歴を、積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質に関連付ける第3予測モデルを用いて、前記加工条件の下で、付加材の成分組成ごとに加工品質の予測値を算出する第3推定処理と、
前記第3推定処理において算出された品質の予測値を前記要求品質と比較し、比較結果に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を決定する決定処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載の加工条件推奨装置と、
母材に付加材を積層するための熱源と、
を含む金属構造体製造システム。
【請求項8】
請求項5に記載の加工条件推奨方法に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を取得する工程と、
前記推奨値に基づいて母材に付加材を積層する工程と、
を含む金属構造体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属の付加材を用いた積層造形における、付加材の組成及び加工条件の設定に関する。
【背景技術】
【0002】
金属材料による構造体の全部または一部を形成する場合に、付加材(例えば金属ワイヤ、金属粉末など)を熱源(例えばレーザ、電子ビーム、アーク、プラズマなど)により溶融し、構造体上に所定の形状に積層する技術が用いられる。溶融された付加材は、母材及び先行して積層された部位を一部溶融し、強固な金属結合となって積層される。
【0003】
このようにして積層された金属の物性(例えば硬度、耐摩耗性、耐腐食性、靭性など)は、付加材の組成、熱源の加工条件及び熱履歴(予熱温度、熱容量、熱伝導率などで決まる加熱・冷却の状態)に影響を受ける。
【0004】
また、積層造形された部位には、要求される寸法精度に対しての誤差、熱による変形、不適切な加工条件による穴明き欠陥、割れ、表面状態の過剰な酸化など、多くの品質欠陥が発生する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-48309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、積層造形部を要求範囲の寸法精度で欠陥なく加工するための付加材の組成及び加工条件には、多数の複雑なパラメータが存在する。適切なパラメータを設定するためには、従来、熟練技術者が経験に基づいて試作を行うことが必要であり、試作品の品質を評価して何度かの試行錯誤を行っていた。熟練技術者が減少する昨今、このことは製品の効率的な作製に大きな影響を及ぼす。
【0007】
よって、本発明は、金属の付加材を用いた積層造形において、製品に要求される精度・品質レベルに応じた好適な付加材の組成及び加工条件を簡便に得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明の第1の態様は、
母材に積層される付加材と、積層体の厚さ及び許容される欠陥を含む要求性能と、前記積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む要求品質と、を示すデータを取得する取得部と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量を、積層体の厚さ及び欠陥レベルのそれぞれと関連付ける第1予測モデルを用いて、付加材ごとに、前記要求性能を満たし得る当該付加材の供給量及び熱源からの入熱量の領域を算出する第1推定部と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量に応じて積層体内部の熱履歴を算出する第2予測モデルを用いて、前記第1推定部において算出された供給量及び入熱量の領域に属する加工条件の下で、積層体内部の保持時間及び冷却速度を予測する第2推定部と、
積層体の熱履歴を、積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質に関連付ける第3予測モデルを用いて、前記加工条件の下で、付加材の成分組成ごとに加工品質の予測値を算出する第3推定部と、
前記第3推定部において算出された品質の予測値を前記要求品質と比較し、比較結果に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を決定する決定部と、
を具備することを特徴とする加工条件推奨装置を提供する。
ここで、第1推定部において成分組成を仮決めし、第3推定部で推奨の成分組成を決めたら、第1推定部に戻ってやり直す、というように、第1~第3推定部における処理を繰り返し実施してもよいものとする。
【0009】
本発明の加工条件推奨装置においては、前記第1予測モデルが、付加材の供給量及び熱源からの入熱量と、当該供給量及び当該入熱量の下で作製された積層体の厚さ及び欠陥の計測結果と、を教師データとして機械学習された学習済みモデルであること、が好ましい。
【0010】
また、本発明の加工条件推奨装置においては、前記第2予測モデルが、付加材の供給量及び熱源からの入熱量と、当該供給量及び当該入熱量の下における熱伝導シミュレーションの結果と、を教師データとして機械学習された学習済みモデルであること、が好ましい。
【0011】
また、本発明の加工条件推奨装置においては、前記第3予測モデルが、付加材の成分組成及び積層体の熱履歴と、当該成分組成及び当該熱履歴の下における積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質の計測結果と、を教師データとして機械学習された学習済みモデルであること、が好ましい。
【0012】
本発明の第2の態様は、
コンピュータに、
母材に積層される付加材と、積層体の厚さ及び許容される欠陥を含む要求性能と、前記積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む要求品質と、を示すデータを取得する取得処理と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量を、積層体の厚さ及び欠陥レベルのそれぞれと関連付ける第1予測モデルを用いて、付加材ごとに、前記要求性能を満たし得る当該付加材の供給量及び熱源からの入熱量の領域を算出する第1推定処理と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量に応じて積層体内部の熱履歴を算出する第2予測モデルを用いて、前記第1推定処理において算出された供給量及び入熱量の領域に属する加工条件の下で、積層体内部の保持時間及び冷却速度を予測する第2推定処理と、
積層体の熱履歴を、積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質に関連付ける第3予測モデルを用いて、前記加工条件の下で、付加材の成分組成ごとに加工品質の予測値を算出する第3推定処理と、
前記第3推定処理において算出された品質の予測値を前記要求品質と比較し、比較結果に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を決定する決定処理と、
を実行させることを特徴とする加工条件推奨方法を提供する。
ここで、第1推定処理において成分組成を仮決めし、第3推定処理で推奨の成分組成を決めたら、第1推定処理に戻る、というように、第1~第3推定処理を繰り返し実施してもよいものとする。
【0013】
本発明の第3の態様は、
コンピュータに、
母材に積層される付加材と、積層体の厚さ及び許容される欠陥を含む要求性能と、前記積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む要求品質と、を示すデータを取得する取得処理と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量を、積層体の厚さ及び欠陥レベルのそれぞれと関連付ける第1予測モデルを用いて、付加材ごとに、前記要求性能を満たし得る当該付加材の供給量及び熱源からの入熱量の領域を算出する第1推定処理と、
付加材の供給量及び熱源からの入熱量に応じて積層体内部の熱履歴を算出する第2予測モデルを用いて、前記第1推定処理において算出された供給量及び入熱量の領域に属する加工条件の下で、積層体内部の保持時間及び冷却速度を予測する第2推定処理と、
積層体の熱履歴を、積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質に関連付ける第3予測モデルを用いて、前記加工条件の下で、付加材の成分組成ごとに加工品質の予測値を算出する第3推定処理と、
前記第3推定処理において算出された品質の予測値を前記要求品質と比較し、比較結果に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を決定する決定処理と、
を実行させるためのプログラムを提供する。
ここで、第1推定処理において成分組成を仮決めし、第3推定処理で推奨の成分組成を決めたら、第1推定処理に戻る、というように、第1~第3推定処理を繰り返し実施してもよいものとする。
【0014】
本発明の第4の態様は、
上記のいずれかに記載の加工条件推奨装置と、
母材に付加材を積層するための熱源と、
を含む金属構造体製造システムを提供する。
【0015】
本発明の第5の態様は、
上記に記載の加工条件推奨方法に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を取得する工程と、
前記推奨値に基づいて母材に付加材を積層する工程と、
を含む金属構造体製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
上記本発明により、金属の付加材を用いた積層造形において、製品に要求される精度・品質レベルに応じた好適な付加材の組成及び加工条件を簡便に得ることができる。また、得られた付加材の組成及び加工条件に基づいて効率的に金属構造体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】加工条件推奨手法の基本概念を示す図である。
図2】機械学習の一例としてのニューラルネットワークの構成図である。
図3】付加材の供給量及び熱源からの入熱量から要求性能を満たし得る領域Sを抽出する手法の概略図である。
図4】探索アルゴリズムを用いて要求性能を満たし得る領域Sを抽出する手法の概念図である。
図5】積層体の熱履歴の推定手法の概略図である。
図6】付加材の成分組成と積層体の部位ごとの予測硬度との関係を例示する図である。
図7】加工条件推奨装置10の概略図である。
図8】加工条件推奨の手順を示すフローチャートである。
図9】金属構造体製造システム20の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の代表的な実施形態に係る加工条件推奨装置、加工条件推奨方法、プログラム、金属構造体製造システム及び金属構造体の製造方法を説明する。また、本発明は図示されるものに限られるものではない。また、図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために比や数を誇張又は簡略化して表している場合もある。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
【0019】
本実施形態では、積層加工の一例としてレーザによる肉盛加工を挙げるが、本発明はこれに限られない。ここでは、レーザによる肉盛加工の一例として、2種類の粉末状の付加材(例えば熱間工具鋼と高速度工具鋼)を混合した混合粉末を母材に積層することを挙げるが、付加材はワイヤ等の他の形態でもよい。
【0020】
1.加工条件推奨の枠組み
図1を参照して、本実施形態における加工条件の推奨又は提示の全体的な枠組みを説明する。
【0021】
本実施形態において、加工条件推奨装置10及び加工条件推奨方法は、次の機能を実行することで、要求される積層体の厚さ(肉盛り高さ)及び品質(硬度等)などの入力から、出力として、付加材の成分組成(混合比又は配合比)及び加工条件等の推奨値を得ることができる。
(1) 条件仮決め機能: 予め選定した付加材ごとに、要求性能(積層厚さ、欠陥レベルなど)に見合う付加材の供給量及び熱源からの入熱量の領域を算出し、基本条件を仮決めする。
(2) 熱履歴推定機能: 上記(1)で仮決めした基本条件の下で付加材の組成と加工条件から積層体の熱履歴を予測する。
(3) 物性推定機能: 上記(2)で算出した熱履歴から、付加材の成分組成に対応する加工品質(硬度、耐摩耗性、靭性など)を予測する。
必要に応じて、上記機能のうち少なくとも1つを複数回利用して処理することができ、これにより更に高い精度の推奨条件を得ることができる。例えば、条件仮決め機能において成分組成を仮決めし、物性推定機能で推奨の成分組成を決めたら、第1推定処理に戻る、というように、条件仮決め機能から物性推定機能までの各機能を繰り返し実施するとよい。
【0022】
これら機能は、機械学習により学習済みの予測モデルを用いて実行される。機械学習としては、ニューラルネットワークやランダムフォレストなどのアルゴリズムを用いることができる。上記(1)(3)については実験データを、上記(2)については熱伝導シミュレーションの結果を、それぞれ教師データとすることができる。教師データの要素としては、付加材の組成、比重、比熱、熱伝導度、母材の材質、熱容量、熱源の出力、エネルギ密度、加工速度、積層パスの順序が挙げられる。
以下、上記機能を実行する加工条件推奨装置を詳細に説明する。
【0023】
2.加工条件推奨装置について
まず物理構成を説明すると、加工条件推奨装置10は、CPU、RAM、ROM、入力装置、出力装置及び必要な通信インターフェイスを含むコンピュータとして構成される。加工条件推奨装置10は、1台のコンピュータでもよいし、複数台のコンピュータで構成されてもよい。また、加工条件推奨装置10は、外部に接続あるいは依存せずに単独で機能してもよいし、ネットワークを通じて外部と通信可能に接続されてもよい。更に、加工条件推奨装置10は、クラウドコンピューティング環境下に置かれてもよい。
【0024】
各構成部品については、CPUは、各種プログラム及び各種データをRAMに読み出したうえで、各種演算を実行し、演算結果をROMに記憶することで、後述する各機能を実行する。ROMは、各種プログラム及び各種データを記憶するとともに、演算結果を記憶する。入力装置は、キーボード、マウス、タッチパネルなどであり、出力装置は、ディスプレイ、プリンタなどである。
【0025】
次いで機能構成を説明すると、図7に示すように、加工条件推奨装置10は、取得部11、条件仮決め部12、熱履歴推定部13、品質推定部14及び決定部15の各機能部を含んで構成される。
【0026】
取得部11は、ユーザ操作等に応じて各種データを取得する。具体的には、取得部11は、母材情報としての材質及び熱容量、付加材情報としての付加材名及び組成、要求性能としての積層体厚さ、欠陥レベル(例えばブローホールの数・大きさ、割れの有無)、要求品質としての硬度、耐摩耗性及び靭性、加工パス情報、加工機スペックとしての最大出力及びスポット面積、などを示すデータを取得できる。かかるデータは、ユーザ入力によるものでもよいし、加工機等の外部装置から出力されたものでもよい。
【0027】
条件仮決め部12は、第1推定部に相当する機能部であり、予測モデル(第1予測モデル)を用いて上述した条件仮決め機能を実行する。この予測モデルは、加工条件推奨装置10のROMに記憶されていてもよいし、例えばAPIとしてネットワーク経由で提供されてもよい。予測モデルは、例えば、次の手順で生成される。
【0028】
まず、付加材の供給量と熱源からの入熱量との種々の組合せについてレーザ肉盛り加工を実施し、積層厚さ及び性能・品質(例えばブローホールの大きさ・数、耐摩耗試験の数値、割れの有無など)を含む実験データを得る。ここで、熱源からの入熱量は、例えば、温度センサ又は光センサによる溶融した付加材の計測結果、熱源へ投入した電力量などに基づいて算出することができる。また、性能・品質は、例えば断面観察及びX線透過試験を通じて求めることもできる。なお、機械学習のために、性能は、ブローホールの数に、その大きさで重みをつけた欠陥スコアで表されてもよい(図3参照)。
【0029】
この実験データを教師データとして教師あり学習を行い、学習済みモデルを得る。例えば、付加材の供給量及びレーザ加工条件によって求められる入熱量を説明変数(x)とし、積層厚さ及び数値化された性能を目的変数(y)とする。機械学習のアルゴリズムとしては、図2に例示するニューラルネットワークのほか、ランダムフォレストが挙げられる。
【0030】
機械学習のアルゴリズムとしてニューラルネットワークが用いられる場合、入力層のユニットx及び出力層のユニットyの個数は適宜設定されてよく、中間層(隠れ層)の層数及びその各ユニットzの個数もまた適宜設定されてよい。
【0031】
このとき、第l層に属するj番目のユニットの入力u (l)は次式で表される。
【数1】
ただし、wji (l)は第(l-1)層のユニットiと第l層のユニットjとの間の結合の重みである。
このユニットの出力zj (l)は、入力u (l)にユニット固有のバイアスb (l)を加え、更に活性化関数f(l)を作用させて
【数2】
で与えられる。活性化関数f(l)としては、例えばシグモイド関数、正規化線形関数(ReLU)などの既知の活性化関数を用いることができる。
【0032】
そして、例えば次式で表される誤差関数(損失関数)Eを最小化するようにパラメータwを決定する。
【数3】
ただし、yは教師データ、y(ハット)は出力(予測値)である。
【数4】
かかる最小化問題を解くために、例えば逆誤差伝播法などの既知の手法を用いることができる。
【0033】
このようにして機械学習させて得た学習済みモデルを用いて、所定範囲における付加材の供給量及び熱源からの入熱量に対して、積層厚さ及び性能レベルの推定値(又は予測値)を算出する。ここで、所定範囲は、例えば利用可能な加工設備のスペック(最大レーザ出力、付加材の供給量など)に応じて決定されてよい。また、算出された推定値は、例えば図3に示す等高線図のように可視化して出力されてもよい。
【0034】
算出された積層厚さ及び品質レベルの推定値のうち、予め設定された積層厚さ及び性能レベルを満足する推定値に対応する供給量及び入熱量の範囲を、仮の又は暫定的な加工条件として選択する。積層厚さ及び品質レベルが可視化される場合には、例えば図3のように、両方の等高線図を重ね合わせ、求められる積層厚さ及び品質レベルに該当する供給量及び入熱量の範囲(例えば図3の領域S)を暫定的な推奨条件として仮決めする。
【0035】
なお、第1予測モデルは、良好領域の推定のために、ガウス過程を用いたベイズ推論を更に用いることができる。より具体的には、多数のガウス分布を線形回帰し、観測データによる分布の更新後もガウス分布になっているガウス過程に、測定したデータが従っていると仮定し、観測データによりモデルの確率分布を更新することによって、期待値と分散の分布を得られる手法である。この手法を用いることで、比較的少ない(実用的には数百点程度)データ点数でも、例えばブローホールの発生確率を予測して、良好な加工条件範囲を決定できる。
【0036】
又、図4のように、目的変数毎に機械学習させて得た学習済みモデルを用いて、探索アルゴリズムによって要求性能を満たし得る加工条件や粉末組成を抽出してもよい。具体的には、各目的変数の要求性能値と学習済みモデルの予測値の誤差を標準化し、標準化した値それぞれに重みWを掛けて、それらの和を評価指標EIとし、評価指標が最小となるような説明変数(粉末供給量、レーザ出力、加工速度など)を抽出する。探索アルゴリズム(例えばベイズ最適化)を用いて、次の条件探索、モデルから予測値を出力、評価指標の算出を繰り返し実施する。
【数5】
ただし、Nは目的変数の個数、zは要求性能値、z(ハット)は学習済みモデルの予測値である。標準化関数stは、学習データの平均値と標準偏差を用いて計算する。
【0037】
熱履歴推定部13の説明に移ると、熱履歴推定部13は、第2推定部に相当する機能部であり、予測モデル(第2予測モデル)を用いて、上述した熱履歴推定機能を実行する。すなわち、熱履歴推定部13は、条件仮決め部12において仮決めした加工条件と、加工対象たる製品の熱容量及び粉末の熱的な性質(熱伝導率など)とに基づき、各加工パスの中での焼き入れ・焼き戻し特性を評価し、積層体内部の変態点位以上での保持時間や冷却速度を予測する。予測モデルは、加工条件推奨装置10のROMに記憶されていてもよいし、例えばAPIとしてネットワーク経由で提供されてもよい。この予測モデルは、例えば、次の手順で生成される。
【0038】
具体的には、付加材の種類によっては、後続パスの入熱による焼き入れや焼き戻しの効果により、積層体の物性(硬度等)が変化する。この入熱の影響(熱履歴)は後続パスとの境界面からの距離、予熱温度(直下層温度)、レーザ加工条件、製品の熱容量、レーザ出力、加工速度など多くのパラメータにより変化する。
【0039】
そこで、本実施形態では、実現可能な範囲(図3に領域Sで示される条件範囲よりも広範囲)の加工条件に対応する保持時間及び冷却速度を予め熱伝導シミュレータで計算しておく。例えば、図5では、パスW1~W12が3層に形成された積層体において、パスW11,W12のパス境界から一定距離だけ離れたA点及びB点の間(W11とW12の境界から-0.4、0、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0だけ離れた地点)における温度変化、パス境界からの距離と保持時間及び温度低下時間(冷却速度)との関係が例示的に示されている。
【0040】
そして、加工条件を説明変数(x)とし、保持時間及び冷却速度を目的変数(y)とした教師あり学習を行い、学習済みモデルを得る。機械学習としては、上述したニューラルネットワークやランダムフォレストなどのアルゴリズムを用いることができる。
【0041】
機械学習により得られた学習済みモデルを用いて、先に算出した暫定的な加工条件から保持時間及び冷却速度を予測する。機械学習では学習に時間が掛かるものの、予測は非常に短時間で終了するので、オンデマンドの熱履歴推定が可能となる。この点、従来技術では、これらの条件をモデル化して熱伝導解析を行うが、加工条件が変わるごとに、モデルを定義してメッシュを切るなどのプリプロセスを行って、解析を実行し結果をもとに変態点以上の保持時間や冷却速度を求める必要があるため、オンデマンドで、直ちに結果を求めることはできない。
【0042】
次いで、品質推定部14は、第3推定部に相当する機能部であり、予測モデル(第3予測モデル)を用いて、上述した品質推定機能を実行する。すなわち、品質推定部14は、予め選定した付加材を任意の成分組成で、先の手順で得られた加工条件及び熱履歴から加工品質(硬度等の物性)を予測する。予測モデルは、加工条件推奨装置10のROMに記憶されていてもよいし、例えばAPIとしてネットワーク経由で提供されてもよい。この予測モデルは、例えば、次の手順で生成される。
【0043】
金属の積層造形に適した付加材は、合金工具鋼(例えば高速度工具鋼や熱間工具鋼)、ステンレス系、ステライト系など数種類に限られる。さらに添加剤としてタングステンカーバイドなどが用いられる。積層体の品質(硬度等)は付加材の組成によって大きく影響を受け、割れやブローホール欠陥の発生にも影響を受けるので、要求性能を単一の付加材で満たせる条件は少ない。
【0044】
そこで、本実施形態では、付加材の様々な成分組成の下で積層体の様々な部位の品質又は物性を測定し、実験データを得る。併せて、熱伝導シミュレータで熱履歴を求めておく。そして、付加材の成分組成及び各部位の熱履歴を説明変数(x)とし、各部位の品質を目的変数(y)とした教師あり学習を行い、学習済みモデルを得る。機械学習としては、上述したニューラルネットワークやランダムフォレストなどのアルゴリズムを用いることができる。
【0045】
機械学習により得られた学習済みモデルを用いて、付加材の様々な成分組成に対応する積層体の品質を予測する。例えば、図6は、2種類の粉末状の付加材の混合率(熱間工具鋼に対する高速度工具鋼の割合)を0%から100%まで変化させ、そのときの積層体の部位の硬度(パス境界からの距離に応じた硬度)を予測したものである。硬度を発現するメカニズムが異なるため、2種類の粉末で得られる硬度を混合率で単純に案分したものにはならないが、本実施形態では、機械学習システムで各基本粉末と数種類の混合粉末の実験結果を学習することにより、混合粉末の硬度を高い精度で予測することができる。
【0046】
決定部15は、品質推定部14の算出結果を要求品質と比較し、比較結果に基づいて付加材の成分組成及び熱源条件等の推奨値を決定する。例えば、決定部15は、硬度の予測値のうち、要求硬度に近い予測値に対応する粉末の組成を推奨する。出力される推奨値としては、例えば、付加材情報としての材料名、成分組成及び供給量、加工条件としての予熱温度(直下層温度)、レーザ出力、加工速度及びスポット面積が挙げられるが、これらに限られない。
【0047】
決定部15はまた、予想される性能として積層厚さ、硬度等の物性及び欠陥レベルを出力してもよい。そして、決定部15は、推奨値等をディスプレイ等の出力装置に表示させたり、通信インターフェイスを介して外部装置(例えば、後述する制御装置21)に出力したりする。
【0048】
3.加工条件推奨方法
したがって、加工条件推奨装置10では、図8に示す次の処理が実行されて加工条件が推奨される。
ステップS1において、取得部11が、母材に積層される付加材と、積層体の厚さ及び許容される欠陥を含む要求性能と、積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む要求品質と、を示すデータを取得する。
ステップS2において、条件仮決め部12が、付加材の供給量及び熱源からの入熱量を、積層体の厚さ及び欠陥レベルのそれぞれと関連付ける第1予測モデルを用いて、付加材ごとに、要求性能を満たし得る当該付加材の供給量及び熱源からの入熱量の領域を算出する。第1予測モデルは、更に、ガウス過程を用いたベイズ推論を用いてもよい。
ステップS3において、熱履歴推定部13が、付加材の供給量及び熱源からの入熱量に応じて積層体内部の熱履歴を算出する第2予測モデルを用いて、ステップS2において算出された供給量及び入熱量の領域に属する加工条件の下で、積層体内部の保持時間及び冷却速度を予測する。
ステップS4において、品質推定部14が、積層体の熱履歴を、積層体の硬度、耐摩耗性及び靭性のうち少なくとも1つを含む加工品質に関連付ける第3予測モデルを用いて、加工条件の下で、付加材の成分組成ごとに加工品質の予測値を算出する。
ステップS5において、決定部15が、ステップS4において算出された品質の予測値を要求品質と比較し、比較結果に基づいて付加材の成分組成及び熱源からの入熱量の推奨値を決定する。
【0049】
このように、機械学習によって得られる汎化性能により、実験を行っていない加工条件や付加材組成に対しても、積層厚さや加工欠陥の程度、積層物の硬度、耐摩耗性、靭性等を予測することができ、加工条件及び付加材組成の推奨値を得ることができる。これにより非熟練技術者であっても、試作品を製作して評価する試行回数を大幅に減少させることができる。
【0050】
つまり、金属積層加工のように相互に影響を及ぼす多くのパラメータが存在する場合、一つの機械学習モデルでは精度の高い解が得られないのに対して、本実施形態では、パラメータの相互依存関係を考慮し、3つの学習ブロックに分割して、学習結果を遷移させていくことにより、精度の高い予測結果に収束させることができる。
【0051】
4.金属構造体の製造装置及び製造方法
加工条件推奨装置10及び加工条件推奨方法の応用例として、この装置及び方法を組み込んだ金属構造体製造装置及び方法を説明する。
【0052】
図9に示すように、金属構造体製造システム20は、加工条件推奨装置10、制御装置21及び熱源23を含み、熱源23で付加材Pを溶融して母材31に積層体33を積層させる。母材31としては、例えば鉄鋼圧延用ロール、各種工具、金型類が挙げられ、金属構造体製造システム20により、例えば、高速度工具鋼を溶接した鉄鋼圧延用ロール等の金属構造体が得られる。
【0053】
熱源23は例えばレーザ光Lの光源である。制御装置21は、加工条件推奨装置10から出力された推奨値に沿って熱源23を制御する。なお、加工条件推奨装置10と制御装置21とは一つの装置でもよいし、内部又は外部のネットワークを介して通信可能に接続されていてもよい。
【0054】
かかる金属構造体製造システム20では、ユーザ操作に応じて加工条件推奨装置10に付加材の種類等が入力されると、加工条件推奨装置10は付加材の成分組成等の加工条件を制御装置21に出力する。制御装置21は、加工条件を受信すると、その加工条件に基づいて熱源23を制御し、これにより金属構造体が製造される。
【0055】
したがって、ユーザは、加工条件の設定のために試行錯誤をする必要がないか、そうでなくとも試行錯誤を大幅に減少させることができる。また、金属構造体の製造効率が大幅に向上する。
【0056】
以上、本発明の代表的な実施形態について図面を参照しつつ説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神及び教示を逸脱しない範囲でその他の改良例や変形例が存在する。そして、かかる改良例や変形例は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
10 加工条件推奨装置
11 取得部
12 条件仮決め部
13 熱履歴推定部
14 品質推定部
15 決定部
20 金属構造体製造システム
23 熱源
31 母材
33 積層体
L レーザ光
P 付加材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9