(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
A63F5/04 614B
A63F5/04 631
(21)【出願番号】P 2020206354
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2023-10-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】森山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】河江 大輔
(72)【発明者】
【氏名】石井 彰
(72)【発明者】
【氏名】北風 諒馬
(72)【発明者】
【氏名】田中 寛弥
【審査官】温井 脩市
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-155664(JP,A)
【文献】特開2016-137084(JP,A)
【文献】特開2016-016120(JP,A)
【文献】特開2018-183680(JP,A)
【文献】特開2021-186195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
役の入賞
を判定する入賞判定手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と
、
を備え、
入賞した小役の配当に応じた遊技価値が払い出される遊技機であって、
前記複数のリールには、第1リール、第2リール、および第3リールが含まれ、
小役の当選態様として、
複数種類の小役が重複して当選する特定当選態様が複数種類存在し、
複数種類の前記特定当選態様のそれぞれについて正解操作態様が設定されており、前記第2リールを最初に停止させる操作態様が前記正解操作態様となる前記特定当選態様と、前記第3リールを最初に停止させる操作態様が前記正解操作態様となる前記特定当選態様とが存在するが、前記第1リールを最初に停止させる操作態様が前記正解操作態様となる前記特定当選態様が存在せず、
前記リール制御手段は、前記内部抽選で前記特定当選態様が得られた遊技において、
前記特定当選態様に対応する前記正解操作態様で停止操作が行われた場合、1遊技に対してベットされる遊技価値よりも多数の遊技価値が払い出される小役が入賞するように回転中のリールを停止させる制御を行い、
前記特定当選態様に対応する前記正解操作態様とは異なる操作態様である失敗操作態様のうち、前記第1リールを最初に停止させる第1の失敗操作態様で停止操作が行われた場合、1遊技に対してベットされる遊技価値よりも少数の遊技価値が払い出される小役が必ず入賞するように回転中のリールを停止させる制御を行い、
前記失敗操作態様のうち、前記第2リールまたは前記第3リールを最初に停止させる第2の失敗操作態様で停止操作が行われた場合、停止操作のタイミングに応じて、1遊技に対してベットされる遊技価値よりも少数の遊技価値が払い出される小役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合とが存在するように、回転中のリールを停止させる制御を行う
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、この種の遊技機として、リールが停止したときに表示される図柄組合せに応じて演出に係る処理等を行う遊技機が知られている。例えば、特許文献1には、表示される図柄組合せがチャンス目となった場合に、予告演出の実行率が高まる演出高確率状態に制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、遊技価値の獲得性能を好適に調整するための技術が求められている。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、遊技価値の獲得性能を好適に調整可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
役の入賞
を判定する入賞判定手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と
、
を備え、
入賞した小役の配当に応じた遊技価値が払い出される遊技機であって、
前記複数のリールには、第1リール(例えば第1リール20a)、第2リール(例えば第2リール20b)、および第3リール(例えば第3リール20c)が含まれ、
小役の当選態様として、
複数種類の小役が重複して当選する特定当選態様(例えば、打順ベルA青1~青4、打順ベルA赤1~赤4、打順ベルB青1~青4、打順ベルB赤1~赤4)が複数種類存在し、
複数種類の前記特定当選態様のそれぞれについて正解操作態様が設定されており、前記第2リールを最初に停止させる操作態様が前記正解操作態様となる前記特定当選態様と、前記第3リールを最初に停止させる操作態様が前記正解操作態様となる前記特定当選態様とが存在するが、前記第1リールを最初に停止させる操作態様が前記正解操作態様となる前記特定当選態様が存在せず、
前記リール制御手段は、前記内部抽選で前記特定当選態様が得られた遊技において、
前記特定当選態様に対応する前記正解操作態様で停止操作が行われた場合、1遊技に対してベットされる遊技価値よりも多数(例えば13枚)の遊技価値が払い出される小役が入賞するように回転中のリールを停止させる制御を行い、
前記特定当選態様に対応する前記正解操作態様とは異なる操作態様である失敗操作態様のうち、前記第1リールを最初に停止させる第1の失敗操作態様で停止操作が行われた場合、1遊技に対してベットされる遊技価値よりも少数(例えば1枚)の遊技価値が払い出される小役が必ず入賞するように回転中のリールを停止させる制御を行い、
前記失敗操作態様のうち、前記第2リールまたは前記第3リールを最初に停止させる第2の失敗操作態様で停止操作が行われた場合、停止操作のタイミングに応じて、1遊技に対してベットされる遊技価値よりも少数(例えば1枚)の遊技価値が払い出される小役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合とが存在するように、回転中のリールを停止させる制御を行う(例えば、段落[0378]、[図25]参照)。
【0008】
本発明においては、第2リールを最初に停止させる操作態様が正解操作態様となる特定当選態様と、第3リールを最初に停止させる操作態様が正解操作態様となる特定当選態様とが存在するが、第1リールを最初に停止させる操作態様が正解操作態様となる特定当選態様が存在しないので、第1リールを最初に停止させる操作態様で遊技を行う場合の方が、第2リールや第3リールを最初に停止させる操作態様で遊技を行う場合に比べ、特定当選態様が得られ1遊技に対してベットされる遊技価値よりも多数の遊技価値の払い出しを受けることができる確率を低くすることができる(例えば、段落[0378]参照)。
【0009】
また、前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて役が入賞したと判定する入賞判定手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
有効ライン上に表示される図柄組合せに関する図柄情報を記憶する表示図柄情報記憶手段と、
を備え、
前記複数のリールのうち特定のリールを最初に停止させる操作順序である第1の操作順序で遊技を行う場合と、前記特定のリールとは異なるリールを最初に停止させる操作順序である第2の操作順序で遊技を行う場合とで、遊技価値の獲得に対する期待度が異なる遊技機であって、
前記役の当選態様として、所定の遊技状態において得られる第1の当選態様が設定されており、
前記リール制御手段は、前記第1の当選態様を得た遊技において、前記第1の操作順序で遊技が行われた場合に、第1の役が入賞となる第1の図柄組合せが有効ライン上に表示されるように回転中のリールを停止させることが可能であり、
前記第1の図柄組合せは、少なくとも前記所定の遊技状態において、前記内部抽選の結果に関わらず、前記第2の操作順序で遊技が行われた場合には表示されない図柄組合せであり、
前記図柄情報は、図柄組合せの所定の分類毎に予め定義された情報であり、
前記図柄情報として、前記第1の図柄組合せに関する図柄情報が定義されており、
前記指示機能制御手段は、前記表示図柄情報記憶手段に記憶された前記第1の図柄組合せに関する前記図柄情報を利用して指示演出に関する所定の処理を実行することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、第1の操作順序で遊技が行われた場合に表示される第1の図柄組合せについて図柄情報が定義されており、当該図柄情報を利用して指示演出に関する所定の処理が行えるので、いずれの操作順序で操作がされたかを示す情報を参照しなくとも、第1の操作順序で操作がされたことに応じた処理を行うことができる。したがって、本発明によれば、指示演出に関する処理を効率的に実行できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技価値の獲得性能を好適に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図2】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図3】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図4】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図6】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図7】同、2枚掛け遊技で表示される特殊画像の一例を示す図である。
【
図8】同、特殊画像の別の例について説明するための図である。
【
図9】本発明の第2の実施の形態に係るスロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
【
図10】同、スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。
【
図12】同、スロットマシンの概略的な電気的構成を示したブロック図である。
【
図13】同、リールの回転、停止処理を説明するための説明図である。
【
図14】同、リールの回転、停止処理を説明するための説明図である。
【
図15】同、リールの回転、停止処理を説明するための説明図である。
【
図16】同、主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
【
図17】同、主制御基板のリール停止処理を示したフローチャートである。
【
図18】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図20】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図21】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図22】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図24】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図25】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図26】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図27】同、入賞する役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図28】同、指示機能制御手段が実行する処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0014】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0015】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。また、1回の遊技に関して必要な数(規定数)のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0016】
なお、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、後述する遊技状態毎に設定されており、遊技状態に応じて1枚~3枚のいずれか1つまたは複数が設定される。具体的には、規定数は、遊技状態に応じて2枚または3枚に設定されており、2枚または3枚のメダルを投入(ベット)して遊技を実行することが可能となっている。また、本実施形態の遊技機では、2枚のメダルを投入して遊技を行う場合と3枚のメダルを投入して遊技を行う場合とのいずれの場合においても、第1リール20aの中段と、第2リール20bの上段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されるようになっている。なお、メダルの投入数に応じて、異なる有効ラインが設定されるようになっていてもよい。
【0017】
各リール20a~20cの外周面は、一定の間隔で20の領域(コマ)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。また、各リール20a~20cの各コマ(各コマに配置された図柄)には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0018】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0019】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0020】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図2参照)が設けられている。
【0021】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0022】
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0023】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0024】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段90と、サブ側記憶手段92と、を備えている。また、サブ側記憶手段92は、ROMとRAMとを備えている。
【0025】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段90とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段90へ指示を出す。また、演出サブ制御手段90は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段92に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段90で行ってもよく、演出サブ制御手段90で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0026】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0027】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0028】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0029】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態A、RBB内部中状態B、RBB作動中状態AおよびRBB作動中状態Bが設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態、メダルの投入数および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0030】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図3に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0031】
図3に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役35が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「6択ベル1」~「6択ベル6」、「12択ベル1」~「12択ベル12」、「共通ベル」、「チェリー3」、「スイカ」、「チャンス目1」、「チャンス目2」、「小役ALL」および「1枚ALL」が用意されている。また、小役1~小役15、小役32および小役35は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっている。また、小役16は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっている。また、小役17~小役31、小役33および小役34は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」および「12択ベル1」~「12択ベル12」をまとめて打順ベル(択役)と呼ぶこととする。
【0032】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役35)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、全ての1枚役(小役17~小役31、小役33、小役34)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」および当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル12」は、1種類または複数種類の15枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通ベル」は、複数種類の15枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チェリー3」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「スイカ」は、小役16が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目1」は、小役34が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目2」は、複数種類の15枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0033】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ8が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイ1A」~「リプレイ1C」、「リプレイ2A」~「リプレイ2C」、「リプレイ3」、「チェリー1」、「チェリー2A」および「チェリー2B」が用意されている。
【0034】
当選エリア「リプレイ1A」~「リプレイ1C」、「リプレイ2A」~「リプレイ2C」、「リプレイ3」、「チェリー1」、「チェリー2A」および「チェリー2B」は、それぞれ1種類のリプレイが単独で当選する当選エリアまたは複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0035】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、第1ビッグボーナス(RBB1)~第4ビッグボーナス(RBB4)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、RBB1~RBB4のそれぞれが単独で当選する当選エリア「RBB1」~「RBB4」が用意されている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナス(RBB1~RBB4)としていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0036】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0037】
各当選エリアは、遊技状態およびメダルの投入数に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態およびメダルの投入数に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。
図3では、各遊技状態において各投入数で遊技を実行する場合に、各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。
【0038】
すなわち、当選エリア「不当選」は、遊技状態がRBB内部中状態Bであってメダルの投入数が3枚の場合、または遊技状態がRBB作動中状態AもしくはRBB作動中状態Bの場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
【0039】
また、当選エリア「リプレイ1A」~「リプレイ1C」、「リプレイ2A」~「リプレイ2C」、「リプレイ3」、「チェリー1」、「チェリー2A」、「チェリー2B」および「スイカ」は、遊技状態が一般中状態、RBB内部中状態AまたはRBB内部中状態Bの場合に(投入数に関わらず)当選し得るようになっており、RBB作動中状態AおよびRBB作動中状態Bでは当選しないようになっている。
【0040】
また、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」、「12択ベル1」~「12択ベル12」、「共通ベル」、「チェリー3」、「チャンス目1」および「チャンス目2」は、遊技状態が一般中状態、RBB内部中状態AまたはRBB内部中状態Bであって、メダルの投入数が3枚の場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
【0041】
また、当選エリア「小役ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態およびメダルの投入数に関わらずに当選し得るようになっている。
【0042】
また、当選エリア「RBB1」および「RBB2」は、遊技状態が一般中状態であって、メダルの投入数が3枚の場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
【0043】
また、当選エリア「RBB3」および「RBB4」は、遊技状態が一般中状態であって、メダルの投入数が2枚の場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
【0044】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0045】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRBB内部中状態AとRBB内部中状態Bとで、メダルの投入数毎に、小役の当選確率が同一となっている。
【0046】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0047】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(RBB1~RBB4)がある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0048】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0049】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0050】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0051】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段92のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。また、例えば、遊技状態がRBB内部中状態Bである場合に設定値が変更されても遊技状態を初期状態に戻さずRBB内部中状態Bのままとし、それ以外の遊技状態(例えば、RBB内部中状態A等)である場合には、設定値が変更されると遊技状態を初期状態である一般中状態に戻すこととしてもよい。
【0052】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0053】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0054】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0055】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0056】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0057】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0058】
図4に示すように、打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。なお、
図4は、RBB内部中状態(RBB内部中状態AおよびRBB内部中状態B)において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると15枚役が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~小役15、小役32または小役35を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役17~小役31、小役33または小役34を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0059】
具体的には、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」は、正解打順で操作がされると、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0060】
また、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリール20a~20cにおける特定の図柄(第1特定図柄)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば、有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合に、15枚役が入賞するようになっている。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、第1特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。また、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ最初に停止されるリール20a~20cにおける第1特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合には、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0061】
また、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリール20a~20cにおける第1特定図柄とは異なる特定の図柄(第2特定図柄)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合に、15枚役が入賞するようになっている。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、第2特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。また、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ最初に停止されるリール20a~20cにおける第2特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合には、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0062】
また、各打順ベルの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。
【0063】
また、打順ベルの各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば15枚役が入賞する態様(正解打順および所定のタイミング)で停止操作がされた場合であっても、1枚役が入賞する(15枚役が入賞しない)ようになっている。また、打順ベルの各当選エリアは、一般中状態において当選した場合であって、第1停止操作がRBB内部中状態における正解打順に則したものであった場合(第1停止操作が正解であった場合)、1枚役が必ず入賞する(取りこぼしがない)ようになっている。
【0064】
なお、
図4における括弧書きの内容は、その打順(および、前述した第1特定図柄あるいは第2特定図柄が含まれる所定範囲内の図柄が所定の表示位置に位置している所定の状態)で停止操作が行われた場合における、1枚役および15枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、停止操作のタイミングが(前記所定範囲内において)ランダムであることを前提として、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0065】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0066】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0067】
本実施形態の遊技機では、小役1~小役15、小役32または小役35に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役16に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役17~小役31、小役33または小役34に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0068】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0069】
遊技状態制御手段49は、
図5に示すように、一般中状態、RBB内部中状態A(ボーナス成立状態A)、RBB作動中状態A(ボーナス状態A)、RBB内部中状態B(ボーナス成立状態B)、およびRBB作動中状態B(ボーナス状態B)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0070】
一般中状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、規定投入数(規定数)が2枚および3枚に設定されている。また、一般中状態からはRBB内部中状態AおよびRBB内部中状態Bへの移行が可能となっている。具体的には、一般中状態において、RBB1またはRBB2が当選した場合にRBB内部中状態Aに移行し、RBB3またはRBB4が当選した場合にRBB内部中状態Bに移行する。また、一般中状態では、メダルの投入数に応じて、RBB1およびRBB2が抽選対象として設定されている内部抽選テーブル、またはRBB3およびRBB4が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0071】
具体的には、一般中状態においてメダルの投入数が3枚で遊技が行われる場合には、RBB1およびRBB2が抽選対象として設定され、RBB3およびRBB4が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態においてメダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合には、RBB3およびRBB4が抽選対象として設定され、RBB1およびRBB2が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0072】
RBB内部中状態Aは、内部抽選でRBB1またはRBB2に当選したことを契機として移行する遊技状態で、規定投入数が2枚および3枚に設定されている。また、RBB内部中状態Aでは、RBB1~RBB4が抽選対象から除外された複数の内部抽選テーブルのうちから、メダルの投入数に応じて選択される内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0073】
また、RBB内部中状態Aでは、RBB1またはRBB2が入賞するまでRBB1またはRBB2に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、RBB1またはRBB2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態AからRBB作動中状態Aへ移行させる。また、本実施形態では、RBB1およびRBB2は、メダルの投入数が3枚である場合に限って有効なボーナスとなっており、RBB内部中状態Aにおいて投入数3枚で遊技を行う場合にはRBB1またはRBB2を入賞させることが可能であるが、RBB内部中状態Aにおいて投入数2枚で遊技を行う場合にはRBB1およびRBB2を入賞させることができないようになっている。
【0074】
RBB内部中状態Bは、内部抽選でRBB3またはRBB4に当選したことを契機として移行する遊技状態で、規定投入数が2枚および3枚に設定されている。また、RBB内部中状態Bでは、RBB1~RBB4が抽選対象から除外された複数の内部抽選テーブルのうちから、メダルの投入数に応じて選択される内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
【0075】
また、RBB内部中状態Bでは、RBB3またはRBB4が入賞するまでRBB3またはRBB4に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、RBB3またはRBB4の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態BからRBB作動中状態Bへ移行させる。また、本実施形態では、RBB3およびRBB4は、メダルの投入数が2枚である場合に限って有効なボーナスとなっており、RBB内部中状態Bにおいて投入数2枚で遊技を行う場合にはRBB3またはRBB4を入賞させることが可能であるが、RBB内部中状態Bにおいて投入数3枚で遊技を行う場合にはRBB3およびRBB4を入賞させることができないようになっている。
【0076】
RBB作動中状態Aは、RBB1またはRBB2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、規定投入数が3枚に設定されている。また、RBB作動中状態Aでは、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態Aでは、RBB作動中状態Aにおいて払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、66枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態Aを終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態Aの終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態Aでの遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。
【0077】
RBB作動中状態Bは、RBB3またはRBB4の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、規定投入数が3枚に設定されている。また、RBB作動中状態Bでは、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態Bでは、RBB作動中状態Bにおいて払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、2枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態Bを終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態Bの終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態Bでの遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。
【0078】
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知して15枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13に実行させるようになっている。
【0079】
遊技区間制御手段80は、
図6に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0080】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0081】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0082】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、15枚のメダルの払い出しがあった場合には「15」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0083】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0084】
演出状態制御手段81は、
図6に示すように、非有利区間演出状態、非AT演出状態、CZ演出状態およびAT演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。また、AT演出状態には、特別演出状態および通常AT演出状態が含まれる。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0085】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を非AT演出状態に移行させる。
【0086】
非AT演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、非AT演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。
【0087】
また、非AT演出状態は、AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0088】
演出状態制御手段81は、非AT演出状態における所定の契機で演出状態をCZ演出状態に移行させる。本実施形態の遊技機では、非AT演出状態における遊技の回数には、上限(いわゆる天井)が設定されており、非AT演出状態において所定回数(例えば、500回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。また、天井としての非AT演出状態における遊技回数の上限は、非AT演出状態が開始される際に抽選で決定されるようになっている。本実施形態の遊技機では、当該抽選により、200回、300回、400回または500回の中から非AT演出状態での遊技回数の上限が決定されるようになっている。なお、非AT演出状態において実行された遊技の回数(天井までの残り遊技回数)は、例えば、当該遊技回数をカウントするためのカウンタを記憶手段60のRAMに設けて管理してもよい。なお、非AT演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、CZ演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行い、CZ抽選に当選した場合に演出状態制御手段81が演出状態をCZ演出状態へ移行させることとしてもよい。
【0089】
CZ演出状態は、非AT演出状態よりもAT演出状態への移行の期待度が高い演出状態となっている。換言すると、CZ演出状態は、非AT演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。本実施形態の遊技機では、非AT演出状態およびCZ演出状態において、複数(所定数)の達成条件を達成すると、特典付与手段82が特典としてのAT演出状態への移行の権利を付与するようになっており、非AT演出状態よりもCZ演出状態の方が、各達成条件が達成される期待度が高くなっている。なお、例えば、非AT演出状態およびCZ演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行い、AT抽選に当選した場合に特典としてのAT演出状態への移行の権利を付与することとしてもよく、この場合に、非AT演出状態よりもCZ演出状態の方が、AT抽選の当選期待度が高く設定されていてもよい。
【0090】
また、CZ演出状態は、AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0091】
非AT演出状態またはCZ演出状態において、AT演出状態への移行が決定されると(移行の権利が付与されると)、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態に移行させる。AT演出状態においては、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。また、打順ナビ演出の実行が決定されると演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解打順を表示させる。
【0092】
AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたATストック数カウンタ66とAT遊技数カウンタ67とに基づいて管理されている。特典付与手段82は、非AT演出状態またはCZ演出状態において、AT演出状態への移行の権利の付与を決定すると、ATストック数カウンタ66に所定値「1」を加算する。また、非AT演出状態またはCZ演出状態においてATストック数カウンタ66の記憶値が「1」以上である場合、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。具体的には、演出状態制御手段81は、演出状態を特別演出状態へ移行させる。
【0093】
特別演出状態は、AT演出状態が開始される際に基本的に移行する演出状態となっている。特別演出状態では、特典付与手段82は、毎遊技、内部抽選の結果に応じてATポイントを付与するか否かを決定する抽選(ATポイント付与抽選)を行い、ATポイント付与抽選の結果に応じてATポイントを付与するようになっている。また、ATポイントは、記憶手段60のRAMに設けられたATポイントカウンタ68に蓄積されるようになっており、ATポイントカウンタ68の記憶値が所定値「100」に達すると、特典付与手段82は、ATストック数カウンタ66に所定値「1」を加算するとともに、ATポイントカウンタ68の記憶値から所定値「100」を減算する。なお、ATポイント付与抽選では、ATポイントを付与するか否かを決定するだけでなく、付与する場合に何ポイント付与するかまで決めており、決定されたポイント数に応じた値がATポイントカウンタ68の記憶値に加算されるようになっている。また、ATポイント付与抽選(ATポイントの付与)は、通常AT演出状態でも実行されるが、特別演出状態は、通常AT演出状態に比べ、ATポイントの付与に対する期待度が高くなっており、通常AT演出状態に比べ、ATポイントを獲得しやすい演出状態となっている。換言すると、特別演出状態は、通常AT演出状態に比べ、AT演出状態のストック数が増加しやすい(AT演出状態の継続期間が増加しやすい)演出状態となっている。
【0094】
特別演出状態は、保障遊技数が10回に設定されており、必ず10回以上の遊技が実行されるようになっている。また、特別演出状態においては、10回の遊技が実行された後は、内部抽選で打順ベルが当選する毎に特別演出状態を終了させるか否かを決定する抽選(特別演出状態終了抽選)を行っており、特別演出状態終了抽選に当選すると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。
【0095】
演出状態制御手段81は、通常AT演出状態を開始する際に、ATストック数カウンタ66から所定値「1」を減算するとともに、1セット分の遊技の回数に相当する値「20」をAT遊技数カウンタ67に設定する。また、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態において遊技が実行される毎に、AT遊技数カウンタ67の記憶値から「1」を減算する。また、通常AT演出状態においてAT遊技数カウンタ67の記憶値が「0」に達すると(通常AT演出状態において1セット分の遊技が実行されると)、演出状態制御手段81は、ATストック数カウンタ66の記憶値を参照する。参照したATストック数カウンタ66の記憶値が「1」以上であれば、演出状態制御手段81は、ATストック数カウンタ66の記憶値から所定値「1」を減算するとともに、1セット分の遊技の回数に相当する値「20」をAT遊技数カウンタ67に設定して、再度1セットの通常AT演出状態を開始させる。一方、参照したATストック数カウンタ66の記憶値が「0」であれば、演出状態制御手段81は、通常AT演出状態を終了させ、他の演出状態に移行させる。ここで、通常AT演出状態においてATストック数カウンタ66の記憶値が「0」に達することは、AT演出状態の終了条件のうちの1つとなっており、ATストック数カウンタ66の記憶値が「0」に達した場合において、AT演出状態を継続可能とする他の条件が成立していない場合には、演出状態制御手段は、演出状態を通常AT演出状態から非有利区間演出状態へ移行させる。また、このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。
【0096】
なお、本実施形態の遊技機では、AT演出状態の継続を、AT演出状態における遊技回数(通常AT演出状態のセット数)によって管理しているが、AT演出状態において獲得したメダルの枚数、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数、あるいは打順ナビ演出の回数等に基づいて管理してもよい。
【0097】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、ATストック数カウンタ66の記憶値、AT遊技数カウンタ67の記憶値、ATポイントカウンタ68の記憶値および指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0098】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、打順ベルが当選すると、正解打順を報知して15枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、指示演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず15枚役が入賞して15枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、指示演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0099】
本実施形態の遊技機では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技では、指示機能に係る抽選(CZ抽選やAT抽選等のAT演出状態への移行に係る抽選等)や打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、メダルの投入数を2枚として行われる遊技では、指示機能に係る抽選や打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。以下、指示機能に係る抽選や打順ナビ演出(指示演出)等を、指示機能に係る処理という。
指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態Bである場合には指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態、RBB内部中状態A、RBB作動中状態AまたはRBB作動中状態Bである場合には、指示機能に係る処理を行わないようになっている。本実施形態の遊技機では、遊技状態がRBB内部中状態Bであって、かつ、メダルの投入数を3枚として遊技が行われる場合にのみ指示機能に係る処理が実行されるようになっており、他の遊技状態および投入数では、指示機能に係る処理が実行されないようになっている。換言すると、RBB作動中状態Bにおいて、メダルの投入数を2枚として行われる遊技は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べて、指示機能(指示演出)に関する性能(メダルの獲得に関する期待度)が低くなっている。さらに換言すると、メダルの投入数を2枚として行われる遊技は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べ、指示演出に基づくメダルの獲得に関する期待度が低くなっている。
【0100】
本実施形態の遊技機では、AT演出状態において、メダルの投入数を3枚として行われる遊技では指示演出が実行され得るが、AT演出状態において、メダルの投入数を2枚として行われる遊技では指示演出が実行されないようになっている。なお、本実施形態の遊技機では、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合には、打順ベルに当選しないので(
図3参照)、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合に打順ナビ演出が実行されることはないが、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合に打順ベルに当選し得る構成であったとしても、メダルの投入数を2枚として遊技が行われる場合には打順ナビ演出を実行しないこととしてもよい。
【0101】
指示機能に係る処理には、有利区間移行抽選や、有利区間移行抽選の当選に基づき遊技区間を有利区間へ移行させる処理等がある。なお、有利区間移行抽選や有利区間移行抽選の当選に基づき有利区間へ移行させる処理を、有利区間移行に係る処理と称してもよい。本実施形態の遊技機では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、非有利区間においてメダルの投入数を3枚として行われる遊技では、内部抽選の結果に応じて有利区間に係る処理を行うが、非有利区間においてメダルの投入数を2枚として行わる遊技では、内部抽選の結果いずれの当選態様を得た場合であっても、有利区間に係る処理を行わないようになっている。したがって、メダルの投入数を2枚として行われる遊技では、指示演出が実行され得る有利区間への移行が決定することがない。換言すると、メダルの投入数を2枚として行われる遊技は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べて、指示演出に関する性能が低くなっている。
【0102】
また、指示機能制御手段51は、メダルの投入数を3枚として行われる遊技において、CZ抽選、AT抽選、ATポイント付与抽選等の抽選を行い得るが、メダルの投入数を2枚として行われている遊技では、これらの抽選を行わないようになっている。また、指示機能制御手段51は、メダルの投入数を3枚として行われている遊技において、非AT演出状態の天井までの残り遊技回数をカウントするカウンタや、ATストック数カウンタ66、AT遊技数カウンタ67、ATポイントカウンタ68等の記憶値の更新を行い得るが、メダルの投入数を2枚として行われている遊技では、これらのカウンタの更新を行わないようになっている。
【0103】
なお、メダルの投入数を2枚として行われる遊技において、指示機能に係る処理が行われることがあってもよい。ただし、その場合であっても、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べて指示演出に関する性能が低くなっているものとする。指示演出に関する性能が低くなっているとは、例えば指示機能に係る処理をAT抽選とする場合、AT抽選が実行される頻度が低くなっていることや、AT抽選が実行される頻度は同一であるがその当選確率が低くなっていること等がある。
【0104】
演出制御手段100は、演出装置の1つである表示装置13における画像の表示に関する制御を行う。本実施形態に係る遊技機では、所定の遊技において、メダルの投入数を第1規定数(3枚)または第2規定数(2枚)のいずれかとし、遊技を行うことが可能である。当該所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のメダルが投入(ベット)されると、スタートレバー24の操作が有効化される。次に、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技(1遊技)が開始される。次に、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次に、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合(当選役に入賞したと判定された場合)、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行されて、1遊技が終了する。一方、内部抽選の結果がハズレ(不当選)であった場合、または内部抽選で当選した当選役に入賞しなかったと判定された場合、各リール20a~20cが停止したことをもって1遊技が終了する。以下、第1規定数(3枚)のメダルが投入されて行われる遊技を「3枚掛け遊技」といい、第2規定数(2枚)のメダルが投入されて行われる遊技を「2枚掛け遊技」という。
【0105】
演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる(報知する、示す、示唆する)特殊画像を表示装置13に表示させる。特殊画像の例は後述するが、2枚掛け遊技であることを知らせるとは、その旨が直接表示されていることや、その旨が直接表示されていなくても2枚掛け遊技専用の特殊な表示であること等を指し、2枚掛け遊技であることを遊技者が認識できるものとする。
【0106】
演出制御手段100は、第2規定数のメダルの投入によって有効化されたスタートレバー24が操作されると、当該スタートレバー24の操作を契機として、特殊画像を表示させる。2枚掛け遊技の開始に伴い特殊画像が表示され、2枚掛け遊技が行われていることが報知されることで、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。
【0107】
(特殊画像)
ここで、
図7を用いて、特殊画像(2枚掛け遊技画像)の例をいくつか示す。なお、特殊画像は静止画に限らず、動きを伴うもの(動画)であってもよい。
図7(a)は、特殊画像の一例を示す図である。この特殊画像は、特殊な背景画像となっている。背景画像は、風景、建物、自動車、キャラクタ、もしくは記号等、またはそれらの組合せが描かれた画像である。
図7(b)は、特殊画像の別の一例を示す図である。この特殊画像は、
図7(a)で示した特殊画像と、「2枚掛け遊技中」という文字(特殊文字画像)と、を有する画像である。なお、
図7(b)の特殊画像のように「2枚掛け遊技中」という特殊文字画像を有する場合には、背景画像は、2枚掛け遊技演出以外の演出で用いられるものであってもよい。
なお、特殊画像を表示させる/表示させない、という場合、
図7(a)または
図7(b)で示した特殊画像を表示させる/表示させないものとするが、
図7(b)で示した特殊文字画像(のみ)を特殊画像と捉え、当該特殊画像を表示させる/表示させない、としてもよい。また、図示は省略するが、
図7(b)のように特殊文字画像を含む特殊画像の場合、背景画像は単色(例えば白や黒)としてもよい。
【0108】
次に、特殊画像を表示させない状態とするタイミングについて説明する。以下、「画像を表示させない状態とする」という場合、画像自体を非表示とする場合の他、当該画像が配置(描画)されているレイヤよりも上位のレイヤに別画像を配置して、画像を重ねることによって下位のレイヤに配置されている画像を視認できない状態とする場合を含むものとする。
【0109】
2枚掛け遊技において内部抽選の結果、リプレイに当選した場合、各リールが所定の停止態様で停止すると(リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると)、その後、2枚掛け遊技で投入された枚数と同数のメダル(すなわち2枚)が自動投入され、次遊技のスタートレバー24の操作が有効化されることとなる。換言すると、停止図柄に基づいて入賞判定が行われ、リプレイに入賞したと判定されると、役に対応する処理(リプレイ処理)が行われ、次遊技のスタートレバー24の操作が有効化される。なお、リプレイに当選した遊技について、リールが停止し、リプレイに入賞したと判定された時点(すなわち実際の自動投入の前)を当該遊技の終了としてもよく、リプレイ処理が完了した時点(すなわち実際の自動投入が行われた後)を当該遊技の終了としてもよい。
この場合において、仮に、リプレイに当選した2枚掛け遊技において、2枚掛け遊技が終了したこと(各リールが所定の停止態様(リプレイに対応する停止態様)で停止したこと)を契機として、特殊画像を表示させない状態とした場合、リプレイに当選して次遊技も2枚掛け遊技となることが決定したにも関わらず、その旨が報知されない状態(隠された状態)となる。したがって、遊技者が違和感を抱くおそれがある。
【0110】
そこで、本実施形態の遊技機では、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、リールが所定の停止態様で停止した後も(リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに表示された後も)、特殊画像の表示を継続させる。よって、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合に、リールが所定の停止態様で停止した後も特殊画像の表示が継続されるため、遊技者が、上記のような違和感を抱くのを防止できる。
【0111】
なお、2枚掛け遊技において内部抽選の結果、小役に当選し、かつ小役に入賞した場合(小役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合)、その小役に対応する入賞処理(払出処理)が行われると、当該2枚掛け遊技は終了する。また、小役に当選したが入賞しなかった場合、各リールが停止したことをもって当該2枚掛け遊技は終了する。よって、仮に、当該2枚掛け遊技の終了を契機として、特殊画像を表示させない状態としても、リプレイに当選した場合のように遊技者が違和感を抱くことはない。ただし、本実施形態の遊技機では、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選した場合、小役に入賞したか否か(小役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されたか否か)に関わらず、当該2枚掛け遊技が終了した後も特殊画像の表示を継続させる。
このように構成する場合、2枚掛け遊技を行ったことに起因して、遊技者に不利な現象が起こった場合(遊技者にとって不利な結果となった場合)に、当該現象の原因が2枚掛け遊技を行ったことにあることが容易に特定できる。具体的に説明する。所定の遊技において、小役に当選し、かつ小役に入賞した場合(小役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合)にAT演出状態への移行が決定する場面を考える。そして、当該遊技において小役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されたが、3枚掛けではなく2枚掛けであったためにAT演出状態への移行が決定しなかったものとする。このとき、本実施形態のように、リールが所定の停止態様で停止した後も特殊画像の表示が継続される構成とすれば、当該遊技においてAT演出状態への移行が決定しなかったことの原因が、2枚掛けで遊技を行ったためであると容易に特定できる。なお、所定の遊技において、リプレイに当選し、かつリプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに表示された場合にAT演出状態への移行が決定するという場面において、3枚掛けではなく2枚掛けで遊技を行った場合も同様である。
【0112】
また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で内部抽選の結果が不当選であった場合、リールが所定の停止態様で停止した後も、特殊画像の表示を継続させる。なお、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でボーナスに当選した場合、ボーナスに入賞したか否か(ボーナスに対応する図柄組合せが有効ラインに表示されたか否か)に関わらず、リールが所定の停止態様で停止した後も、特殊画像の表示を継続させることとしてもよい。また、当該2枚掛け遊技でボーナスに入賞した場合には、当該入賞が判定されたことを契機として特殊画像を表示させない状態とするとともに、ボーナスに入賞したことを報知する画像を表示させてもよい。
【0113】
内部抽選の結果や所定の役に入賞したか否かに関わらず、2枚掛けの遊技の終了後も(リールが所定の停止態様で停止した後も)特殊画像の表示を継続させるという処理で統一する場合、構成を簡易なものとできるため、開発効率を上げるとともに記憶容量の圧迫を防ぐことができる。
【0114】
次に、特殊画像の表示を、例えば、次遊技に関する所定の操作が行われるまで継続させる場合を考える。その場合、2枚掛け遊技の終了後に遊技者が遊技をやめた場合に、当該所定の操作が行われるまでの間、特殊画像の表示が継続されることとなる。この特殊画像の表示は指示演出に関する性能が低い遊技が行われたことを報知するものであるが、不利な状態である(ペナルティが課されているかの)ような印象を抱かせるおそれがあり、他の遊技者が、特殊画像が表示されているのを見て、その遊技機で遊技を行うことを回避するおそれがある。指示機能に係る処理が行われないのは2枚掛けで行った当該遊技(2枚掛け遊技)のみであり、次遊技では(3枚掛け遊技であれば)指示機能に係る処理は行われる(すなわちペナルティは持ち越されない)。しかし、2枚掛け遊技終了後も特殊画像が表示され続けている場合、次遊技も指示機能に係る処理が行われないかのような印象を与え得る。
なお、上記では、2枚掛けで行った当該遊技のみ指示機能に係る処理が行われないとしたが、2枚掛けで行った当該遊技の次遊技以降について、例えば複数回の遊技にわたって指示機能に係る処理が行われないようにしてもよい(すなわちペナルティが持ち越されるものであってもよい)。
【0115】
本実施形態の遊技機では、演出制御手段100は、2枚掛け遊技の終了後に(リールが所定の停止態様で停止した後に)特殊画像の表示を継続させている状態で、所定の条件を満たすと、デモ演出を実行し、特殊画像を表示させない状態とするとともに、デモ画像(デモ画面)を表示させる。ここで、所定の条件を満たすとは、デモ画像の表示条件が成立することであり、遊技が終了してから、遊技者が遊技を行っていない状態(遊技機に対する所定の操作が入力されない状態)が所定時間(例えば1分)にわたって継続した場合(遊技が行われずに所定時間が経過した場合)である。なお、デモ画像とは、例えば遊技者の興味を惹きつける画像であって、静止画や動画等がある。このように、特殊画像の表示が継続されている間に所定の条件が成立すると、特殊画像からデモ画像に切り替わるため、遊技者が、特殊画像が表示されているのを見て、遊技を回避する可能性を低減できる。
ここで、デモ画像の表示条件(デモ画像への移行タイミング)について具体的に説明する。ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過すると、デモ画像の表示条件が成立し、デモ画像が表示される。ストップボタンの第3停止操作が行われてから、とあるのは、最後のストップボタンの押下が検出されたタイミングから、であってもよく、最後のストップボタンの押下を離したことが検出されたタイミングから、であってもよく、また、すべてのリールの回転の停止が検出されたタイミングから、であってもよく、また、最後のストップボタンの押下を離したことが検出されたことを契機として実行される演出の終了時から、等であってもよい。
【0116】
なお、上記では、所定の条件の成立を、デモ画像の表示条件の成立としたが、次のものとしてもよい。すなわち、所定の条件の成立を、電源断(電断)からの復帰を検出したこと、としてもよい。演出制御手段100は、2枚掛け遊技の終了後に特殊画像の表示を継続させている状態で、電断からの復帰を検出した場合には、特殊画像を表示させない状態とするとともに、通常画像(通常画面)を表示させる。なお、通常画像とは、特殊画像やデモ画像とは異なる画像であって、例えば滞在中の演出状態において、基本的に表示される画像(表示される比率(確率)の最も高い画像)、あるいはその演出状態の開始時に表示させる画像等である。換言すると、通常画像とは、滞在中の演出状態において、3枚掛け遊技と3枚掛け遊技との間に表示される画像である。
【0117】
また、例えば、所定の演出状態(例えばAT演出状態)において、2枚掛け遊技が行われて特殊画像の表示を継続させている場合には、たとえ所定の条件(デモ画像の表示条件)が成立したとしても、特殊画像の表示を継続させる(すなわちデモ画面に移行しない)こととしてもよい。AT演出状態に滞在している間は遊技者にとって有利であり遊技者が遊技をやめる可能性が低いため、次の遊技者のことを配慮して特殊画像を隠す必要性が乏しい。そのため、特殊画像を隠すよりも2枚掛け遊技が行われたことの報知を優先させてもよい。なお、所定の演出状態としてAT演出状態を挙げたが、例えばAT演出状態以外の演出状態において、AT演出状態への移行が決定したか否かの結果を報知するために実行される演出の実行中であってもよい。また、ボーナスに入賞した後、ボーナスの作動中状態において、仮に2枚掛け遊技が行われて特殊画像の表示を継続させている場合に、所定の条件が成立しても、特殊画像の表示を継続させるようにしてもよい。以上のような構成とした場合、デモ画面に移行せずに長時間(例えば1分以上)にわたり特殊画像が表示されている状態が、遊技者を惹き付け得る。なお、2枚掛け遊技において、リールが所定の停止態様で停止してボーナスに入賞した後に特殊画像の表示を継続させている状態で、所定の条件が成立したとしても、特殊画像の表示を継続させるようにしてもよい。ボーナスに入賞しているため、遊技者が遊技をやめる可能性が低く、次の遊技者のことを配慮して特殊画像を隠す必要性が乏しいためである。
【0118】
なお、所定の演出状態(例えばAT演出状態)等において2枚掛け遊技が行われて特殊画像の表示を継続させている場合に、デモ画像の表示条件が成立すると、デモ画像を表示させずに特殊画像の表示を継続させ、かつ自動消音して演出音(BGM)等が出力されないようにしてもよい。このとき、2枚掛け遊技の終了後であってデモ画像の表示条件が成立する前に電断からの復帰を検出している場合には所定の演出状態(AT演出状態)での通常画像が表示されていることとなるが、その状態でデモ画像の表示条件が成立すると、デモ画像を表示させずに当該通常画像の表示を継続させ、自動消音する。
なお、所定の演出状態(例えばAT演出状態)等において2枚掛け遊技が行われて特殊画像の表示を継続させている場合に、デモ画像の表示条件が成立すると、特殊画像を表示させない状態とするとともにデモ画像を表示させ、かつ自動消音するようにしてもよい。このとき、2枚掛け遊技後であってデモ画像の表示条件が成立する前に電断からの復帰を検出している場合には所定の演出状態(AT演出状態)での通常画像が表示されていることとなるが、その状態でデモ画像の表示条件が成立すると、当該通常画像を表示させない状態とするとともにデモ画像を表示させ、かつ自動消音する。
【0119】
次に、2枚掛け遊技の終了後(リールが所定の停止態様で停止した後)、特殊画像の表示を継続させている間に所定の条件を満たし、特殊画像とは異なる画像(デモ画像とする)を表示させている場合の処理について説明する。
(あ)2枚掛け遊技でリプレイに当選したことに基づく特殊画像を経由してデモ画像を表示させている場合。
演出制御手段100は、デモ画像を表示させている状態で(すなわち特殊画像を表示させない状態としている間に)、次遊技の開始操作(次遊技の開始契機となる操作)がされると、その開始操作を契機としてデモ画像を表示させない状態とするとともに、特殊画像を表示(再表示)させる。ここでの次遊技とは、2枚掛け遊技でのリプレイ当選に基づく2枚掛け遊技である。また、開始操作とは、スタートレバー24の操作(傾動、押下)である。演出制御手段100は、スタートレバー24の操作を検出すると、デモ画像を表示させない状態とするとともに、特殊画像を表示させる。なお、デモ画像ではなく通常画像(電断復帰後の通常画像)を表示させていた場合における処理も同様である。
【0120】
このように、次遊技(2枚掛け遊技)の開始操作時に再び特殊画像が表示されるため、遊技者は当該遊技が2枚掛け遊技であることを認識できる。特に、2枚掛け遊技でリプレイに当選した後、次遊技の開始操作をする前の状態で遊技者が遊技をやめていた場合に、次の遊技者は、前の遊技者が2枚掛け遊技を行いリプレイに当選していたことを認識できる。
【0121】
また、上記では、デモ画像を表示させている場合における処理を示したが、デモ画像の表示を開始後、次遊技が開始されるまでの間に、所定契機(例えば所定時間の経過(1ターンのデモ画像の終了))に伴い、通常画像を表示させてもよい。このようにデモ画像を経由しての通常画像を表示させている場合にも同様に、次遊技の開始操作がされると、その開始操作を契機として通常画像を表示させない状態とするとともに、特殊画像を表示させる。
【0122】
(い)2枚掛け遊技で小役に当選または不当選であったことに基づく特殊画像を経由してデモ画像を表示させている場合。
演出制御手段100は、デモ画像を表示させている状態で(すなわち特殊画像を表示させない状態としている間に)、3枚掛けで次遊技の開始操作(スタートレバー24の操作)がされると、その開始操作を契機としてデモ画像を表示させない状態とするとともに、3枚掛け遊技の実行中に表示される画像(3枚掛け遊技画像)を表示させる。なお、デモ画像ではなく通常画像(電断復帰後の通常画像)を表示させていた場合には、その開始操作を契機として当該通常画像を表示させない状態とするとともに、3枚掛け遊技画像を表示させる。
一方、演出制御手段100は、デモ画像を表示させている状態で、(再び)2枚掛けで次遊技の開始操作(スタートレバー24の操作)がされると、その開始操作を契機としてデモ画像を表示させない状態とするとともに、特殊画像を表示させる。なお、デモ画像のではなく通常画像(電断復帰後の通常画像)を表示させていた場合における処理も同様である。
【0123】
また、上記では、デモ画像を表示させている場合における処理を示したが、デモ画像の表示を開始後、次遊技が開始されるまでの間に、所定契機(例えば、メダルの投入(ベット)や所定時間の経過(1ターンのデモ画像の終了))に伴い、通常画像(または特殊画像)を表示させてもよい。このようにデモ画像を経由しての通常画像(または特殊画像)を表示させている場合にも、3枚掛けで次遊技の開始操作がされると、その開始操作を契機として3枚掛け遊技画像を表示させ、一方、2枚掛けで次遊技の開始操作がされると、その開始操作を契機として、特殊画像を表示させる。
【0124】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、前記リールが所定の停止態様で停止した後も前記特殊画像の表示を継続させ、
前記特殊画像の表示を継続させている間に所定の条件を満たすと、前記特殊画像を表示させない状態とし、
前記特殊画像を表示させない状態としている間に、次遊技の開始操作が入力されると、前記特殊画像を表示させる。
【0125】
本実施形態の遊技機は、第2規定数での遊技に関する情報の報知を適切に制御できる。(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)また、第2規定数での遊技でリプレイに当選した場合には、リールが所定の停止態様で停止した後も(リプレイに対応する図柄組合せが表示された後も)特殊画像の表示が継続されるため、リプレイに当選したにも関わらず(次遊技も2枚掛け遊技であるにも関わらず)特殊画像が表示されない状態となることにより、遊技者が違和感を抱くのを防止できる。(3)また、特殊画像の表示を継続させている間に所定の条件を満たすと特殊画像が表示されない状態となるため、2枚掛け遊技でリプレイに当選した後に遊技者が遊技をやめた場合に特殊画像が表示され続けることによって、他の遊技者が遊技を回避してしまう可能性を低減できる。(4)また、特殊画像を表示させない状態としている間に、次遊技を開始させる操作が入力されると再び特殊画像が表示されるため、遊技者は当該遊技が第2規定数での遊技であることを認識できる。
【0126】
(変形例1)
次に本実施形態に係る遊技機の変形例1について説明する。
演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像を表示装置13に表示させる。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の(最後のストップボタンの押下操作以降の)所定のタイミング(第1所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態とする。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の(最後のストップボタンの押下操作以降の)所定のタイミング(第2所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態とする。なお、ストップボタンの押下操作は、ストップボタンの押し込み操作と言い換えてもよい。
【0127】
以下、ストップボタンの第3停止操作以降の(最後のストップボタンの押下操作以降の)所定のタイミングという場合、ストップボタンの第3停止操作の押下の開放(離したこと)が検出されたタイミングを含むものとする。後述する変形例でも同様である。
なお、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイ(小役)に当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態とするとしたが、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイ(小役)に当選し、かつリプレイ(小役)に入賞した場合に(リプレイ(小役に)入賞したと判定されると)、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態とする、としてもよい。
【0128】
変形例1の具体例を示す。以下の具体例では、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作の押下を離した(開放した)ことが検出されたタイミングとする。ただし、これに限らず、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングは、例えば、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定の時間(例えば1分)が経過したタイミング(デモ画像移行タイミング)であってもよい。また、第1所定タイミングと第2所定タイミングとは同一のタイミングであるものに限らず、ずれがあってもよい。
【0129】
2枚掛け遊技が開始されて
図7(a)に示す特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態となる。また、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態となる。
【0130】
本変形例1は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とし、
前記第2規定数での遊技で小役に当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とする。
【0131】
この変形例1によれば、
(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合であっても小役に当選した場合であっても、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで特殊画像が表示されない状態となる。換言すると、2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合であっても小役に当選した場合であっても、ストップボタンの第3停止操作後に、特殊画像が表示され続けることがない。このため、2枚掛け遊技の終了後に特殊画像が表示され続けることに起因して他の遊技者(次の遊技者)が遊技を回避する可能性を低減できる。(3)また、リプレイに当選した場合であっても小役に当選した場合であっても所定のタイミングで特殊画像を表示させない状態とするという同一の処理とするため、処理を簡易なものとでき、開発効率を上げるとともに、記憶容量の圧迫を防ぐことができる。
【0132】
なお、特殊画像を
図7(b)に示したものとする場合、2枚掛け遊技が開始されて当該特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで、特殊画像としての特殊文字画像が表示されない状態となり、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで、特殊画像としての特殊文字画像が表示されない状態となるようにしてもよい。
【0133】
また、特殊画像を特殊文字画像のみからなるものとする場合、2枚掛け遊技が開始されると、
図8に示すように、実行中の演出に基づく画像と重ねるようにして、特殊画像(特特殊画像としての特殊文字画像)が表示されるようにしてもよい。この場合、2枚掛け遊技が開始されて当該特殊画像(特殊文字画像)が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像(特殊文字画像)が表示されない状態となり、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像(特殊文字画像)が表示されない状態となるようにしてもよい。
【0134】
(変形例2)
次に本実施形態に係る遊技機の変形例2について説明する。
演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像を表示装置13に表示させる。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミング(第1所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態としない(すなわち特殊画像の表示を継続させる)。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミング(第2所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態とする。
なお、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態としないとしたが、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選し、かつリプレイに入賞した場合に(リプレイに入賞したと判定されると)、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態としない、としてもよい。
また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態とするとしたが、演出制御手段100は、2枚掛け遊技で小役に当選し、かつ小役に入賞した場合に(小役に入賞したと判定されると)、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態とする、としてもよい。
【0135】
変形例2の具体例を示す。次の具体例では、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングとする。ただし、これに限らず、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングは、例えば、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定の時間(例えば1分)が経過したタイミング(デモ画像移行タイミング)であってもよい。また、第1所定タイミングと第2所定タイミングとは同一のタイミングであるものに限らず、ずれがあってもよい。
【0136】
2枚掛け遊技が開始されて
図7(a)に示す特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態とならない(すなわち特殊画像の表示が継続させる)。一方、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態となる。
なお、前者(リプレイ当選時)において、特殊画像が表示されている状態で、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミングとなったとしても、特殊画像の表示が継続される(デモ画面に移行しない)。
【0137】
次の2つの具体例では、第1所定タイミングおよび第2所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間が経過したタイミングとする。
【0138】
2枚掛け遊技が開始されて
図7(a)に示す特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミングで特殊画像が表示されない状態とならない(すなわち特殊画像の表示が継続され、デモ画面に移行しない)。一方、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミングで特殊画像が表示されない状態となる(すなわちデモ画面に移行する)。これは、リプレイに当選した場合について、小役に当選した場合であればデモ画像が表示されるタイミングとなっても、デモ画像が表示されない、ともいえる。
なお、前者(リプレイ当選時)において、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングでも、特殊画像が表示されない状態とならない。また、後者(小役当選時)において、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングでは特殊画像が表示されない状態とならない。
【0139】
2枚掛け遊技が開始されて
図7(b)に示す特殊画像が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば40秒)が経過したタイミングで特殊画像(少なくとも背景画像)が表示されない状態とならない(すなわち特殊画像の表示が継続され、デモ画面に移行しない)。
一方、当該2枚掛け遊技で小役に当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば40秒)が経過したタイミングで特殊画像(少なくとも背景画像)が表示されない状態となる(すなわちデモ画面に移行する)。
なお、前者(リプレイ当選時)において、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで、特殊画像(背景画像)は表示されない状態とならないが、特殊文字画像のみ表示されない状態となるようにしてもよい。
また、後者(小役当選時)において、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで、特殊文字画像のみが表示されない状態となるようにしてもよい。さらに、デモ画面移行タイミングで表示されない状態とした特殊画像(少なくとも背景画像)を、所定契機(例えば次遊技におけるメダルの投入)で表示させることとしてもよい。
【0140】
本変形例2は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態としないが、
前記第2規定数での遊技で小役に当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とする。
【0141】
この変形例2によれば、
(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、特殊画像が表示されない状態とならない(特殊画像の表示が継続される)。このため、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合に、リプレイに当選したにも関わらず(次遊技も2枚掛け遊技であるにも関わらず)特殊画像が表示されない状態となることに起因して、遊技者が違和感を抱くのを防止できる。(3)また、2枚掛け遊技において小役に当選した場合、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、特殊画像が表示されない状態となる。このため、2枚掛け遊技において小役に当選した状態で遊技者が遊技をやめた場合に特殊画像が表示され続けることによって、他の遊技者(次の遊技者)が遊技を回避してしまう可能性を低減できる。
【0142】
(変形例3)
次に本実施形態に係る遊技機の変形例3について説明する。
演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像を表示装置13に表示させる。また、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミング(第1所定タイミングとする)で、特殊画像を表示させない状態としない(すなわち特殊画像の表示を継続させる)。また、演出制御手段100は、第1所定タイミング以降のタイミングで精算処理(後述する)が実行された場合、その精算処理が完了(終了)した後にも、特殊画像を表示させる。
なお、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態としないとしたが、演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選し、かつリプレイに入賞した場合に(リプレイに入賞したと判定されると)、当該2枚掛け遊技でのストップボタンの第3停止操作以降の所定のタイミングで、特殊画像を表示させない状態としない、としてもよい。
【0143】
図示を省略するが、本実施形態に係る遊技機の前扉には、精算ボタン(精算操作部)が設けられている。この精算ボタンは、押下操作可能に形成されており、メダル(遊技価値)を払い出す精算処理の実行に用いられる。精算ボタンの操作に基づく精算処理では、ベットまたはクレジットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが払い出される。換言すると、精算ボタンの操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合、精算ボタンの操作に基づく精算のパターンは、例えば次の2つのパターンがある。1つ目のパターンは、1回の精算ボタンの操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して払い出される精算パターンである。2つ目のパターンは、1回目の精算ボタンの操作によってベットに設定されているメダルのみが払い出され、ベットに設定されているメダルの精算後における2回目の精算ボタンの操作によってクレジットに設定されているメダルが払い出される精算パターンである。
【0144】
精算処理という場合、精算ボタンの押下に基づき、ブロッカーが不許可位置に移動してから、メダルが払い出され、所定時間の経過後に、ブロッカーが許可位置に移動するまでの間を指すものとしてもよい。また、精算ボタンの押下が開始されてから(またはブロッカーが不許可位置に移動してから)、精算の完了を報知する音声(精算完了音声)(例えば「精算しました」)の出力が終了するまでの間を精算処理としてもよい。さらに、精算完了音声の出力後、一定時間の無音期間が設けられている場合には、その無音期間が経過するまでの間を精算処理としてもよい。
【0145】
演出制御手段100は、2枚掛け遊技でリプレイに当選すると、当該2枚掛け遊技で第3停止操作がされた以降の所定のタイミング(最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミング)で特殊画像を表示させない状態とせずに、特殊画像の表示を継続させる。また、演出制御手段100は、前記所定のタイミング以降のタイミングで精算処理が開始されると(精算処理が開始されたことを検出すると)、精算処理に係る演出の実行を開始し、特殊画像を表示させない状態とするとともに、精算処理の実行中であることを報知する画像(精算画像、精算画面)を表示装置13に表示させる。そして、演出制御手段100は、精算処理が完了すると(精算処理が完了したことを示す信号を受信すると)、特殊画像を表示装置13に表示させる。
【0146】
変形例3の具体例を示す。第1所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作の押下を離した(開放した)ことが検出されたタイミングとする。2枚掛け遊技が開始されて特殊画像(
図7(a))が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミングで特殊画像が表示されない状態とならずに、特殊画像の表示が継続される。そして、精算処理が開始されると、特殊画像が表示されない状態となるとともに、精算画像(図示せず)が表示される。そして、精算処理が完了すると、精算画像が表示されない状態となるとともに、特殊画像が表示される。
【0147】
また、第1所定タイミングを、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミングとする。2枚掛け遊技が開始されて特殊画像(
図7(a))が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミング(他の役(例えば小役)に当選した場合であればデモ画像の表示が開始されるタイミング)で特殊画像が表示されない状態とならずに、特殊画像の表示が継続される。そして、精算処理が開始されると、特殊画像が表示されない状態となるとともに、精算画像(図示せず)が表示される。そして、精算処理が完了すると、精算画像が表示されない状態となるとともに、特殊画像が表示される。
【0148】
なお、上記の2つの例では精算処理中に精算画像が表示されるものとしたが、次のようになっていてもよい。2枚掛け遊技が開始されて特殊画像(
図7(a))が表示され、当該2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合、ストップボタンの第3停止操作の押下を離したことが検出されたタイミング(または、ストップボタンの第3停止操作が行われてから所定時間(例えば1分)が経過したタイミング)で特殊画像が表示されない状態とならずに、特殊画像の表示が継続される。そして、精算処理が開始されても、精算画像が表示されずに特殊画像の表示が継続され、精算処理が完了した後も、特殊画像が表示される。本例において、精算処理が実行されている間、精算画像は表示されないが、精算処理の実行中であることを報知する所定の音声(精算報知音声)が出力される。このように、精算処理中に精算画像は表示されないが精算報知音声が出力されることで、遊技者は精算が実行されていることを認識できる。
【0149】
本変形例3は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させ、
前記第2規定数での遊技でリプレイに当選すると、最後の前記ストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、前記特殊画像を表示させない状態とせず、
前記所定のタイミング以降のタイミングで精算処理が実行された場合に、前記精算処理が完了した後にも前記特殊画像を表示させる。
【0150】
この変形例3によれば、
(1)第2規定数での遊技が開始されると特殊画像が表示されるため、遊技者は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを認識できる。(2)2枚掛け遊技においてリプレイに当選した場合、最後のストップボタンの押下操作以降の所定のタイミングで、特殊画像が表示されない状態とならない(特殊画像の表示が継続される)。このため、2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合に、リプレイに当選したにも関わらず(次遊技も2枚掛け遊技であるにも関わらず)特殊画像が表示されない状態となることに起因して、遊技者が違和感を抱くのを防止できる。(3)また、2枚掛け遊技後に特殊画像が表示されている状態で精算処理が実行された場合、精算処理の完了後にも特殊画像が表示される。精算処理の完了とともに遊技者が遊技をやめた場合であっても、精算処理の完了後に特殊画像が表示されるため、他の遊技者(次の遊技者)は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われたことを認識できる。
【0151】
(第3停止操作押下中)
ここで、第3停止操作、すなわち最後のストップボタン操作を押下したままの状態とすることを、第3停止操作押下中という。次に、2枚掛け遊技が開始され特殊画像が表示されている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生した場合の処理について説明する。
(α)2枚掛け遊技でリプレイに当選した場合。
(α1)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合に、特殊画像ではなく通常画像を表示させる。電断復帰後に特殊画像ではなく通常画像が表示されることで、仮に遊技者が遊技をやめた場合に、特殊画像が表示され続けることに起因して他の遊技者が遊技を回避する可能性を低減できる。
(α2)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合には、特殊画像を表示させる。電断復帰後に再び特殊画像が表示されるため、リプレイに当選したにも関わらず特殊画像が表示されないことに起因して遊技者が違和感を抱くのを防止できる。
(α3)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像(
図8における特殊文字画像)を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合には、特殊画像(特殊文字画像)を表示させない。特殊画像(特殊文字画像)が表示され続けることに起因して他の遊技者が遊技を回避する可能性を低減できる。
(β)2枚掛け遊技で小役に当選した場合。
(β1)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合には、特殊画像ではなく通常画像を表示させる。電断復帰後に特殊画像ではなく通常画像が表示されることで、仮に遊技者が遊技をやめた場合に、特殊画像が表示され続けることに起因して他の遊技者が遊技を回避する可能性を低減できる。
(β2)演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始され特殊画像(
図8における特殊文字画像)を表示させている状態で、第3停止操作押下中に電断が発生し、その第3停止操作押下中に電断から復帰した場合には、特殊画像(特殊文字画像)を表示させない。特殊画像(特殊文字画像)が表示され続けることに起因して他の遊技者が遊技を回避する可能性を低減できる。
【0152】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものである。換言すると、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、遊技状態に応じて2枚または3枚に設定されており、2枚または3枚のメダルを投入(ベット)して遊技を実行することが可能となっている。第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0153】
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技者によるメダル(遊技価値)のベットおよびスタートレバーの操作に応じて、当選役の抽選を行うとともに、種々の図柄が記された複数のリールが回転する。そして、抽選結果と遊技者によるストップボタンの操作に応じてリールが順次停止され、払い出しの対象となるライン上である有効ライン上に、当選役に対応する図柄組合せが表示されると、所定枚数のメダルが払い出されるなど、遊技上の利益(遊技利益)が遊技者に付与されることとなる。このようなスロットマシンにおいては、遊技者による遊技の進行速度を制限すべく、例えば、前回遊技においてストップボタンの操作を有効化してから、次の遊技においてストップボタンの操作を有効化するまで、少なくとも規定のウェイト時間分、待たなければならない。
【0154】
また、ストップボタンが操作されると、そのストップボタンに対応するリールの停止制御に基づいて他のストップスイッチの操作が一旦無効化されるので、遊技者は、他のストップスイッチの操作が有効化されるまで、次の操作を行うことができない。例えば、複数のリールのうちの任意の一つに対する停止操作が行われたタイミングから所定時間が経過し、かつ、全相励磁中のリールが2未満になっていなければ、次のリールの停止を許可しない技術が知られている。このように各リールが停止するまで、回転している他のリールに対応するストップスイッチを操作できないとなると、遊技時間が長くなる。特に、遊技者が、当選役を早期に把握するために、また、当選役を把握した後に把握した当選役の取りこぼしを回避するために、所定のリールの所定の図柄が有効ライン上に停止するように目押しを行う場合があり、目押しを慎重に行おうとすることで遊技時間が長くなる場合がある。
【0155】
このような遊技時間の長期化を回避するために、全てのリールが停止する前に、入賞判定を行い、遊技結果を報知したり、メダルを払い出すことが考えられる。しかし、遊技者が1遊技を終えたと判断する前に、遊技結果の報知やメダルの払い出しが行われると、遊技者に不信感や違和感を与えてしまう。本実施形態では、遊技者の不信感を払拭することが可能な遊技機を提供する。
【0156】
本実施形態に係る遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき当選種別抽選を行う当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールの回転を開始し、有効化された所定のストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、少なくとも、全ての前記リールが停止完了し、かつ、操作された特定の前記ストップスイッチの操作が解除されると、入賞判定を行う判定手段と、を備える。
【0157】
本実施形態に係る遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき当選種別抽選を行う当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールの回転を開始し、有効化された所定のストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、少なくとも、全ての前記リールが停止完了し、かつ、操作された特定の前記ストップスイッチの操作が解除されると、入賞判定に基づく処理を実行する判定実行手段と、を備える。
【0158】
本実施形態に係る遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき当選種別抽選を行う当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールの回転を開始し、有効化された所定のストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、少なくとも、最後に停止操作された前記ストップスイッチに対応する前記リールが停止完了し、かつ、操作された特定の前記ストップスイッチの操作が解除されると、入賞判定を行う判定手段と、を備える。
【0159】
本実施形態に係る遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき当選種別抽選を行う当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールの回転を開始し、有効化された所定のストップスイッチの操作に応じ、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、少なくとも、最後に停止操作された前記ストップスイッチに対応する前記リールが停止完了し、かつ、操作された特定の前記ストップスイッチの操作が解除されると、入賞判定に基づく処理を実行する判定実行手段と、を備える。
【0160】
(スロットマシン100の機械的構成)
図9および
図10に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cの外周面には、
図11の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
【0161】
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ(ベットボタン)116、スタートスイッチ(スタートレバー)118、ストップスイッチ(ストップボタン)120、演出スイッチ(演出ボタン)122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技価値としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
【0162】
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止操作といい、第1停止の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止操作といい、第2停止の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止操作という。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
【0163】
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
【0164】
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
【0165】
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
【0166】
また、筐体102内には、後述する主制御基板200に、図示しない設定キーおよび設定変更スイッチ(これらを合わせて設定値設定手段という)が設けられている。スロットマシン100では、設定キーに所定の鍵(操作キー)が挿入されてOFFの位置からONの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。設定値は、遊技者の有利度合(機械割)を段階的に示したものであり、例えば、1~6の6段階で表され、一般に、設定値の数値が大きいほど遊技全体として有利度合が高い(期待獲得枚数が高い)ように設定されている。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば、6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キーを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
【0167】
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。
【0168】
遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
【0169】
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
【0170】
(スロットマシン100の電気的構成)
図12は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。
図12に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200(主制御部)と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202(副制御部)とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
【0171】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
【0172】
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
【0173】
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
【0174】
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
【0175】
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ120a、120b、120cの操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、リール110a、110b、110cを多彩な態様で回転させるリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
【0176】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
【0177】
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数(価値量)だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
【0178】
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
【0179】
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
【0180】
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
【0181】
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
【0182】
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
【0183】
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。なお、演出には、補助演出(指示演出)も含まれる。補助演出は、当選種別抽選において、正解役(特定の役)と不正解役とが重複した選択当選種別に当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの正解操作態様を報知する演出である。かかる補助演出により、遊技者は、正解役に対応する図柄組み合わせを、有効ライン上に容易に表示させることができる。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
【0184】
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。また、補助演出を実行可能な主報知手段および他報知手段を合わせて補助演出実行手段という場合もある。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、補助演出を補助演出実行手段に実行させる。
【0185】
本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ライン上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ライン上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ライン上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ライン上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ライン上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ライン上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示可能に停止制御する。
【0186】
いずれかの当選エリアに当選すると、それぞれの当選エリアに対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選エリアに当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ライン上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選エリアに当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RBB」が含まれる当選エリアに当選した場合には、RBB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるまで、RBB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイが含まれる当選エリアに対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選エリアに含まれるリプレイのうちのいずれかのリプレイに対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインに表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。
【0187】
(リールの回転、停止処理)
スロットマシン100においては、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120等の各スイッチの操作を通じて、各リール110a、110b、110cが回転および停止され、遊技者は、その停止結果に応じてメダルを獲得することができる。ここでは、スタートスイッチ118とストップスイッチ120a、120b、120cの操作に対する各リール110a、110b、110cの回転、および、停止処理を詳述する。
【0188】
遊技者によって、スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、リール110a、110b、110cそれぞれの回転を開始する(以下、リール110の回転を開始することを、回転開始という)。そして、リール制御手段306は、リール110a、110b、110cそれぞれの回転速度が増加し(以下、回転速度が増加している状態を、加速状態という)、所定の速度(80rpm/min未満)に到達すると、その所定の速度を維持する(以下、速度を維持して回転している状態を、定速状態という)。そして、リール110a、110b、110cそれぞれの位置を特定するインデックスが全て検出されると、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。なお、遊技者は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効であるか無効であるかを、ストップスイッチ120a、120b、120cそれぞれのバックライトの発光色によって判断できる。例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効であれば、ストップスイッチ120a、120b、120cのバックライトを青に発光させ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が無効であれば、ストップスイッチ120a、120b、120cのバックライトを赤に発光させる。かかる発光色および発光タイミングについては後程フローチャートに基づいて詳述する。
【0189】
ただし、リール制御手段306は、インデックスの検出のみならず、所定の許可条件を満たしていた場合にのみストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。以下、許可条件について説明する。
【0190】
上述したように、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120は、スロットマシン100に対し、操作し易いように露出して設けられ、遊技者は、何時でも接触することができる。ただし、遊技者が各スイッチを操作したとしても、そのスイッチの操作が有効化されていなければ、その操作は有効に処理されない。例えば、1遊技が終了すると、ベットスイッチ116の操作が有効化され、メダルのベットが為されると、スタートスイッチ118の操作が有効化され、スタートスイッチ118が操作されると、リール110a、110b、110cが回転開始し、リール110a、110b、110cを停止できる状態になるとストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化され、リール110a、110b、110cそれぞれの停止操作が為される。
【0191】
したがって、遊技者は、スタートスイッチ118を操作した後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化されるのを待ち、有効化されたストップスイッチ120a、120b、120cを操作してリール110a、110b、110cを停止させる。ストップスイッチ120は何時でも操作できるので、遊技者は、スタートスイッチ118の操作が有効化された後、まだ有効化されていないストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかを操作(押止)しながら、スタートスイッチ118を操作することができる。しかし、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化されていない場合、その操作は有効に処理されず、スタートスイッチ118の操作のみが有効に処理され、リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じてリール110a、110b、110cを回転開始する。そして、リール110a、110b、110cそれぞれのインデックスを全て検出し、1遊技におけるストップスイッチ120の操作を有効化するタイミングになると、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。しかし、かかるタイミングで既にストップスイッチ120が操作され、その操作が解除されていないと(ON状態が維持されていると)、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化された途端、その操作が有効に受け付けられ、リール110の停止が開始される。
【0192】
このように、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化された途端、操作が受け付けられると、以下の問題が生じ得る。すなわち、リール110a、110b、110cの回転開始位置に基づいて、リール110a、110b、110cの停止位置が決まるので、遊技者は、前回の遊技において、予めリール110a、110b、110cの回転開始位置を調整し、何ら目押しを行うことなくリール110a、110b、110cを所望した位置で停止させる、所謂、目押し補助を行うことができる。
【0193】
また、ストップスイッチ120が操作されている状態(ON状態)に固定されたまま故障している場合であっても、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化された途端、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効に受け付けられるので、ストップスイッチ120a、120b、120cが不具合のまま遊技が進行してしまう。
【0194】
さらに、遊技者が何らかの原因で誤ってストップスイッチ120を押止したままスタートスイッチ118を操作してしまった場合であっても、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効に受け付けられるので、本来操作すべきストップスイッチ120や操作しようとしていたストップスイッチ120とは異なる、誤って操作したストップスイッチ120に対応するリール110が停止してしまう。この結果、例えば、演出状態が擬似ボーナス演出状態(AT演出状態)であった場合に、正解操作態様と異なる停止操作となってしまい、本来の遊技利益を得られないこともあり得る。
【0195】
そこで、本実施形態では、リール制御手段306が、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作された(押下操作が維持された)状態で、1遊技におけるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するタイミング、すなわち、リール110a、110b、110cのインデックスを全て検出した場合、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていなければ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化しないこととする。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作された状態で、リール110a、110b、110cのインデックスを全て検出し、操作されているストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されると、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。したがって、上述した許可条件は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されている(操作されていない)こととなる。
【0196】
図13~
図15は、リール110a、110b、110cの回転、停止処理を説明するための説明図であり、
図13ではストップスイッチ120およびリール110の動作タイミングを、
図14、
図15ではその表示態様を表している。なお、
図14、
図15における矢印は各リール110が回転中であることを示し、操作が無効なストップスイッチ120をクロスハッチングで示し、操作が有効なストップスイッチ120を白抜きで示す。ここでは、説明の便宜上、リール110a、リール110b、リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの打順、所謂、順押しの打順で操作された場合を説明するが、操作可能な全通り(ここでは6通り)のいずれの打順にも適用できることは言うまでもない。
【0197】
図13の時点(a)において、遊技者がストップスイッチ120aを操作(押止)し、
図14(a)のように、押止状態(ON状態)を維持したまま、
図13の時点(b)において、スタートスイッチ118を操作したとする。スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、
図14(b)のように、リール110a、110b、110cに対応するステッピングモータ152を1-2相励磁し、リール110a、110b、110cそれぞれを回転開始する。そして、リール制御手段306は、リール110a、110b、110cが、加速状態を経由し、例えば167msec後の時点(c)において、所定の速度(80rpm/min未満)に到達すると、1-2相励磁を継続して、定速状態に移行する。
【0198】
ここで、リール110a、110b、110cが定速状態となった後、
図13の時点(d)において、リール110a、110b、110cのインデックスが全て検出されたとする。リール制御手段306は、リール110a、110b、110cのインデックスが全て検出されると、本来、一点鎖線で示したように、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。しかし、時点(d)においては、ストップスイッチ120aの押止状態が維持されているので(許可条件を満たしていないので)、リール制御手段306は、
図14(c)のように、ストップスイッチ120aの押止状態が維持されている間、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化しない。したがって、遊技者は、ストップスイッチ120a、120b、120cを通じてリール110a、110b、110cを停止することができない。
【0199】
そして、
図13の時点(e)において、遊技者が、ストップスイッチ120aの押止状態を解除すると、リール制御手段306は、リール110a、110b、110cのインデックスが全て検出され、かつ、許可条件を満たしたことにより、
図14(d)のように、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。こうして、遊技者は、ストップスイッチ120a、120b、120cを通じてリール110a、110b、110cを停止することが可能となる。なお、ここでは、ストップスイッチ120aを挙げ、ストップスイッチ120aが操作された状態で、リール110a、110b、110cのインデックスを全て検出し、操作されているストップスイッチ120aの操作が解除されると、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、他のストップスイッチ120b、120cについても、同処理が行われるのは言うまでもない。
【0200】
このように、許可条件を満たすまで、ストップスイッチ120の操作を有効化しない構成により、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化された途端、即座に、ストップスイッチ120a、120b、120c(ここではストップスイッチ120a)の操作が有効に受け付けられ、リール110aの停止が開始されることはない。したがって、遊技者は、所謂、目押し補助を行うことはできない。また、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかが故障した場合、そのストップスイッチ120a、120b、120cを有効に操作できなくなるので、ストップスイッチ120a、120b、120cが壊れたまま遊技が進行するのを回避できる。さらに、遊技者が、本来操作すべきストップスイッチ120や操作しようとしていたストップスイッチ120とは異なる、誤って操作したストップスイッチ120があったとしても、その操作が受け付けられることなく、適切に遊技を進行できる。
【0201】
なお、ここでは、リール制御手段306が、ストップスイッチ120が操作された状態で、リール110a、110b、110cのインデックスを全て検出し、かつ、許可条件(ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されている)が満たされると、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する例を挙げて説明した。しかし、インデックスを検出しなくても、加速状態の終了や定速状態の開始が把握できる場合、例えば、加速状態の開始から、少なくとも加速が完了するのに必要な時間を計時することで、加速状態の終了や定速状態の開始を把握できる場合、インデックスを検出する代わりに、加速状態の終了や定速状態の開始を採用することができる。
ここで、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作された状態で、リール110a、110b、110cの加速状態が終了した場合、許可条件(ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されている)が満たされていなければ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化せず、許可条件が満たされていれば、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。あるいは、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作された状態で、リール110a、110b、110cの定速状態が開始した場合、許可条件(ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されている)が満たされていなければ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化せず、許可条件が満たされていれば、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化する。
【0202】
また、ストップスイッチ120が操作された状態では、そもそもインデックスを全て検出させないようにすることでも、同処理を実現できる。具体的に、リール制御手段306は、ストップスイッチ120が操作された状態では、インデックスを検出しない、または、インデックスを検出したとしてもそのインデックスの検出を無効とする。こうして、許可条件が満たされるか否かに拘わらず、ストップスイッチ120が操作された状態では、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が有効化されることを回避することができる。
【0203】
このようなストップスイッチ120a、120b、120cの操作の有効化に応じ、遊技者が、
図13の時点(f)において、ストップスイッチ120aを操作すると、リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120a、および、まだ、停止処理が行われていないリール110b、110cに対応するストップスイッチ120b、120cの操作(すなわち、全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作)を無効化する。そして、リール制御手段306は、操作時において引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し(滑りコマ数を決定し)、当該停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する。したがって、ストップスイッチ120aの操作から滑りコマ数分回転するのに、操作検出や割込処理の反応時間も含めて0~189msec(190msec以内の所定時間)の時間を費やす。
【0204】
続いて、リール制御手段306は、リール110aが、
図13の時点(g)において、決定された停止図柄を有効ライン上に停止可能な停止位置に到達すると、リール110aに対応するステッピングモータ152を全相励磁し、励磁する相が切り換わらないように、リール110aの停止処理を開始する(以下、全相励磁により停止処理を開始することを、停止開始という)。こうして、リール110aは、回転速度が減少し(以下、回転速度が減少している状態を、減速状態という)、
図15(a)に示すように、停止処理の開始から約13msec後の時点(h)において停止し(以下、停止開始の結果、回転速度が減少してリール110が停止したことを、停止完了という)、停止した状態を維持する(以下、停止を維持している状態を、停止状態という)。かかる全相励磁は、200msecの間継続された後、時点(i)において開放される。全相励磁の開放に伴い、リール制御手段306は、まだ、停止処理が行われておらず、回転しているリール110b、110cに対応するストップスイッチ120b、120cの操作を有効化する。なお、リール110の動作状態を示す回転状態は、上述した、加速状態、定速状態、減速状態、停止状態のいずれかで表される。
【0205】
続いて、遊技者が、
図13の時点(j)において、ストップスイッチ120bを操作すると、ストップスイッチ120a操作時同様、リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120bおよび、まだ、停止処理が行われていないリール110cに対応するストップスイッチ120cの操作を無効化する。そして、リール制御手段306は、操作時において引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し、当該停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する。
【0206】
続いて、リール制御手段306は、リール110bが、
図13の時点(k)において、決定された停止図柄を有効ライン上に停止可能な停止位置に到達すると、リール110bに対応するステッピングモータ152を全相励磁し、励磁する相が切り換わらないように、リール110bの停止処理を開始する。こうして、リール110bは、
図15(b)に示すように、停止処理の開始から約13msec後の
図13の時点(l)において停止する。ただし、全相励磁は、200msecの間継続され、時点(m)において開放される。全相励磁の開放に伴い、リール制御手段306は、まだ、停止処理が行われていないリール110cに対応するストップスイッチ120cの操作を有効化する。
【0207】
なお、ここでは、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたか否かを判定しているが、後述する、遊技者がストップスイッチ120a、120b、120cを連続して操作することができる所謂スライドプッシュを採用していない場合、ストップスイッチ120の第3停止が可能となった時点では、必ず、第1停止されたリール110および第2停止されたリール110が停止完了している。したがって、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたか否かを判定する代わりに、第3停止した(最後に停止操作された)ストップスイッチ120に対応するリール110について全相励磁が開放されたか否かを判定するとしてもよい。また、ここでは、全相励磁が開始されてから200msecを計時し、200msec経過後に励磁開放され、励磁開放に伴って、停止処理が行われていないリール110cに対応するストップスイッチ120cの操作を有効化する例を挙げている。しかし、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたか否か判定する代わりに、全相励磁から200msec経過したか否かを判定し、これに応じて停止処理が行われていないリール110cに対応するストップスイッチ120cの操作を有効化してもよい。かかる停止完了条件の置き換えは、以下で説明する全ての処理においても適用できる。
【0208】
次に、遊技者が、
図13の時点(n)において、ストップスイッチ120cを操作すると、ストップスイッチ120b操作時同様、リール制御手段306は、操作されたストップスイッチ120cの操作を無効化する。そして、リール制御手段306は、操作時において引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し、当該停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する。続いて、リール制御手段306は、リール110cが、
図13の時点(o)において、決定された停止図柄を有効ライン上に停止可能な停止位置に到達すると、リール110cに対応するステッピングモータ152を全相励磁し、励磁する相が切り換わらないように、リール110cの停止処理を開始する。こうして、リール110cは、
図15(c)に示すように、停止処理の開始から約13msec後の
図10の時点(p)において停止する。かかる全相励磁は、200msecの間継続され、時点(q)において開放される。
【0209】
そして、判定手段308は、全てのリール110a、110b、110cが停止し、
図13の時点(q)において、所定の停止完了条件が満たされると、すなわち、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放され、かつ、最後に操作(第3停止操作)されたストップスイッチ120(ここではストップスイッチ120c)の操作が解除されているという条件が満たされると、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するか(入賞した当選役)を判定する。
【0210】
続いて、演出制御手段334は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。例えば、当選種別抽選により当選種別「共通ベルA」が決定しており、かつ、停止完了条件が満たされたとき、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」を示していれば、演出制御手段334は、
図15(d)のように、液晶表示部124を通じて当選役「小役1」が入賞した旨を報知する。また、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報の報知としては、液晶表示部124を通じた報知に限らず、それに加え、または、代え、リールバックライトを通じて、入賞した当選役に対応する図柄組み合わせに対応する演出を行ったり、メダルの払い出しに応じて(合わせて)スピーカ128から払出音を出力したりしてもよい。
【0211】
このように、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120(ここではストップスイッチ120c)の操作が解除されていることに応じて、判定処理を実行したり、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」であることを示す画像(図柄「ベル」に対応する画像)の報知を行うことで、遊技者は、その図柄組み合わせを確実に認識することができ、不信感や違和感を覚えることもない。なお、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」であることを示すために液晶表示部124に表示する画像は、遊技結果の誤認防止の観点から、上記のように、有効ライン上に表示された図柄「ベル」に対応する画像としている。
【0212】
また、払出制御手段310は、演出制御手段334同様、例えば、当選種別抽選により当選種別「共通ベルA」が決定しており、かつ、停止完了条件が満たされた後、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」を示していれば、当選役「小役1」に対応する払出枚数11枚のメダルを払い出す。
【0213】
このように、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120(ここではストップスイッチ120c)の操作が解除されていることに応じて、メダルを払い出すことで、まだ、1遊技が終了していない状態でメダルが払い出されることはない。したがって、遊技者が、不信感や違和感を覚えることがなくなる。
【0214】
また、上記のように、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、停止完了条件が満たされたことに応じて、それぞれの処理を遂行している。ここで、判定手段308が、当選種別抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否かの判定を行うこと、演出制御手段334が、有効ライン上に表示された当選役に関する情報を報知すること、払出制御手段310が、有効ライン上に表示された当選役に対応する払出枚数のメダルを払い出すことを、纏めて、停止完了後処理と言う場合がある。また、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、判定手段308の入賞判定に基づく処理を実行するという点に関し、両手段を纏めて判定実行手段と呼ぶ場合がある。
なお、入賞判定に基づく処理としては、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいた次遊技のメダルの自動投入処理、ボーナス役の入賞に基づくボーナス遊技状態(RBB作動中遊技状態)への移行処理、RT遊技状態を遷移させるためのリプレイ役の入賞に基づくRT遊技状態の移行処理、AT演出状態を遷移させるための当選種別抽選の抽選結果の表示に基づくAT演出状態への移行処理等も含む。したがって、遊技者は、停止完了後処理の少なくともいずれかによって、遊技結果を把握することができる。
具体的に、最後のストップスイッチ120を操作(押止)することにより、リール制御手段306は、対応するリール110の停止を開始する。そして、リール110は全相励磁により190msec以内に停止するので、少なくとも停止開始からタイマで計時する200msec後には、リール110a、110b、110cが全て停止しており、遊技者は、その遊技結果を視認する。しかし、その時点で、遊技者がまだストップスイッチ120の操作を解除していなければ(押止し続けていれば)、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、停止完了後処理を遂行しない。ここでは、図柄表示窓108を通じて、遊技者のみが遊技結果を把握することができる。そして、遊技者がストップスイッチ120の操作を解除すると、はじめて、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、停止完了後処理を遂行する。本来、全てのリール110a、110b、110cに対する停止操作が行われていれば、当選種別抽選の結果と、停止操作を行った順番および操作タイミングにより、スロットマシン100の内部では、遊技結果を認識することができる。しかし、全てのリール110a、110b、110cが停止完了する前や、最後のストップスイッチ120の操作が解除されていない状態においては、遊技者が遊技結果を把握(視認)できなかったり、遊技者が当該遊技の遊技操作を終えていない可能性があることから、このような状況下で停止完了後処理を行ってしまうと遊技者に対して不信感や違和感を与えてしまう。ここでは、リール110a、110b、110cが全て停止し、かつ、全てのストップスイッチ120の操作が解除されたことを停止完了条件とすることで、遊技者の不信感や違和感を払拭することができる。また、スロットマシン100全体を視認可能な他の人、および、メダルの払出音を聴くことができる他の人も、その遊技結果を把握することができる。したがって、遊技者は、まだ、停止完了後処理が遂行される前に、遊技結果を自分のみが把握し、優越感に浸ることができる。
【0215】
また、上記では、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cが停止完了し、かつ、操作されたストップスイッチ120の操作が解除されている例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cが停止完了し、かつ、全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていることとしてもよい。
【0216】
この場合、遊技者は、以下のような操作を行うことができる。すなわち、上述したように、遊技者は、最後のストップスイッチ120を操作(押止)し、その押止状態を維持することで、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310による停止完了後処理の実行を遅延させることができる。また、ここでは、停止完了条件として、全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作の解除が含まれている。したがって、遊技者が、最後のストップスイッチ120の押止状態を維持したまま、他のストップスイッチ120を押止し、他のストップスイッチ120の押止状態を維持しつつ、最後のストップスイッチ120の押止状態を解除したとしても、以前、いずれかのストップスイッチ120の操作が解除されていないので(全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていないので)、やはり、停止完了後処理は実行されない。
また、最後のストップスイッチ120に限らず、第1停止または第2停止したストップスイッチ120の押止状態を維持した場合でも停止完了後処理は実行されない。例えば、ストップスイッチ120を第1停止または第2停止すると、その押止状態を維持するか否かに拘わらず、他のストップスイッチ120の操作が有効化される仕様であったとする。ここで、第1停止または第2停止したストップスイッチ120の押止状態を維持したまま、有効化された他のストップスイッチ120を操作し、第1停止または第2停止したストップスイッチ120が解除されていない状態で第3停止が完了したとする。このとき、遊技者が、第1停止および/または第2停止したストップスイッチ120の押止状態を維持したまま、他のストップスイッチ120を押止し、他のストップスイッチ120の押止状態を維持しつつ、第1停止または第2停止したストップスイッチ120の押止状態を解除したとしても、以前、いずれかのストップスイッチ120の操作が解除されていないので(全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていないので)、やはり、停止完了後処理は実行されない。
このように、いずれかのストップスイッチ120a、120b、120cの押止状態が維持されていれば、停止完了後処理が実行されることはなく、遊技者は、押止状態となるストップスイッチ120a、120b、120cを切り替えることでも、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310による停止完了後処理の実行を遅延させることができる。
【0217】
かかる構成により、遊技者の不信感や違和感を払拭することができる。また、遊技者は、まだ、停止完了後処理が遂行される前に、遊技結果を自分のみが把握し、押止状態となるストップスイッチ120a、120b、120cを切り替える動作を堪能しつつ、優越感に浸ることができる。
【0218】
また、ここでは、払出制御手段310が、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放された後にメダルの払い出しを行っている。したがって、リール110の励磁(全相励磁)タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとを異ならせることができるので、主制御基板200が管理するデバイス全体に許容される電流量を超過することがなくなる。したがって、リール110の励磁中にメダル払出装置142を駆動させるための大電流容量の電源を準備する必要がなくなり、コストの削減を図ることができる。
【0219】
また、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放された後でなくても、電源が許容する電流容量によっては、それ以前にメダルの払い出しを開始してもよい。例えば、電源が、1のリール110の励磁タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとの重なりを許容する場合、残りの2つのリール110の励磁タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとが重複しなければよいので、2番目に操作されたストップスイッチ120に対応するリール110について全相励磁が開放された後にメダルの払い出しを開始する。同様に、電源が、複数(例えば2)のリール110の励磁タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとの重なりを許容する場合、全リール数から許容する複数のリール数を減算した数(例えば3-2=1)のリール110の励磁タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとが重複しなければよいので、その減算した数だけリール110(例えば1番目に停止完了したリール110)について全相励磁が開放された後にメダルの払い出しを開始する。
【0220】
また、メダル払出装置142の駆動要否に応じて、払い出しの開始タイミングを切り替えてもよい。例えば、メダル払出装置142の駆動が必要な場合、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放された後や、それ以降の所定タイミングに払い出しを開始し、メダル払出装置142の駆動が不要な場合、例えば、払い出したメダルを全てクレジットに収めることができる(メダルの実際の払い出しを伴わない)場合、判定手段308が遊技結果を判定した後の任意のタイミングで払い出しを開始するとしてもよい。
【0221】
なお、ここで、払出制御手段310は、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることに応じて、メダルを払い出すとしたが、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることを確認した以降の所定のタイミング(例えば、10msec後)にメダルを払い出すとしてもよい。
【0222】
また、ここでは、リール制御手段306は、各リール110a、110b、110cそれぞれに対応するステッピングモータ152を全相励磁して、各リール110a、110b、110cの停止処理を開始する例を挙げて説明したが、停止処理は全相励磁に限らず、励磁しさえすれば足り、1相励磁によって停止処理を開始してもよい。また、回転制御を1相励磁で行う場合または1-2相励磁で行う場合において、最終停止位置を特定の1相の位置とする場合には、当該特定の1相において1相励磁をかけて停止させるようにしてもよい。また、回転制御を1相励磁で行う場合または1-2相励磁で行う場合において、最終停止位置を特定の1相の位置とする場合には、当該特定の1相およびその前後の相を含む3相励磁をかけて停止させるようにしてもよい。また、回転制御を2相励磁で行う場合または1-2相励磁で行う場合において、最終停止位置を特定の2相の位置とする場合には、当該特定の2相において2相励磁をかけて停止させるようにしてもよい。
【0223】
また、ここでは、リール110a、110b、110cの停止完了として、リール110a、110b、110cの全相励磁が開放されたことや、全相励磁が開始されてから200msecが経過したことを挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、例えば、当選種別抽選の結果が、遊技者が把握(視認)できるように、有効ライン上に表示されたことや、決定された停止図柄が有効ライン上に停止したときに対応するステッピングモータ152のステップ数から所定のステップ数の範囲に入ったこと等、リール110a、110b、110cが停止したとみなすことができる様々な状態を停止完了とすることができる。
【0224】
また、ここでは、リール制御手段306が、3つのリール110a、110b、110cを制御する例を挙げて説明したが、リール110の数は、かかる場合に限らず、2以下であっても、4以上であってもよい。なお、リール110の数に拘わらず、任意のリール110が停止するまで、回転している他のリール110に対応するストップスイッチ120を操作できないとなると、以下のように、遊技時間が長くなるおそれがある。例えば、当選役を早期に把握するために、また、当選役を把握した後に把握した当選役の取りこぼしを回避するために、所定のリールの所定の図柄が有効ライン上に停止するように遊技者が目押しを慎重に行う場合や、配当が高い当選役が入賞し、例えば、11枚のメダルが順次払い出された場合である。その結果、1遊技における遊技時間がウェイト時間(4.1秒)以上となり、遊技の進行自体が遅れるおそれが生じる。ここでは、ストップスイッチ120の操作が有効になってから、他のストップスイッチ120の操作状態(操作有無)、および、それに対応するリールの回転状態(加速状態、定速状態、減速状態、停止状態)に拘わらず、いずれのストップスイッチ120も操作することができるので、リール110の数に拘わらず、1遊技における遊技時間がウェイト時間(4.1秒)以上とならずに遊技を行える可能性が高くなる(フルウェイトで遊技できる)。
【0225】
また、ここでは、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることに応じて、判定手段308が有効ライン上に表示された図柄組み合わせを判定し、その判定結果に応じて、演出制御手段334が、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知し、払出制御手段310が、当選役に対応する払出枚数のメダルを払い出す例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に拘わらず、判定手段308は、ストップスイッチ120が最後に操作された時点で、有効ライン上に表示された図柄組み合わせを判定できるので、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることに応じて、演出制御手段334が、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知し、払出制御手段310が、当選役に対応する払出枚数のメダルを払い出すとしてもよい。こうして、遊技者の不信感や違和感を払拭することができる。
【0226】
また、ここでは、判定手段308、演出制御手段334、払出制御手段310が、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放され、かつ、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることを条件に停止完了後処理を遂行する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたことをもって(最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていなくとも)停止完了後処理を遂行してもよい。かかる構成により、遊技者のストップスイッチ120の操作開始から操作解除までの操作時間に拘わらず、早期に、遊技結果を報知することが可能となる。
【0227】
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0228】
(主制御基板200のメイン処理)
図16は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120a、120b、120c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
【0229】
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
【0230】
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段316は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
【0231】
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別または不当選を抽選結果として決定する。また、遊技状態制御手段312は、当選種別抽選において当選役「RBB」が決定されると、遊技状態を非内部遊技状態からRBB内部中遊技状態に移行させる。
【0232】
また、コマンド送信手段316は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
【0233】
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速(定常)回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
【0234】
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれかを停止制御する。また、コマンド送信手段316は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。かかるリール停止処理S500については、後程詳述する。
【0235】
(ステップS600)
次に、判定手段308は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するか(入賞した当選役)を判定し、詳しくは後述するように、その図柄組み合わせに応じて、有利区間中であり、小役が入賞していれば純増枚数カウンタを更新する。また、遊技状態制御手段312は、RBB内部中遊技状態において、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせであれば、遊技状態をRBB内部中遊技状態からRBB作動中遊技状態に移行させる。また、コマンド送信手段316は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせや、有効ライン上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。
【0236】
(ステップS700)
また、払出制御手段310は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせ(リール110の停止態様)に基づき、例えば、有効ライン上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ライン上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、コマンド送信手段316は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
【0237】
(ステップS800)
遊技状態制御手段312は、RBB作動中遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をRBB作動中遊技状態から非内部遊技状態に移行させる。また、演出状態制御手段314は、演出状態の変更や、有利区間と非有利区間との変更を行う。また、コマンド送信手段316は、遊技状態または演出状態が変更された場合、変更された遊技状態または演出状態等を含む遊技移行コマンドを生成し、生成された遊技移行コマンドを副制御基板202に送信する。このように、移行処理S800が終了することで、当該1遊技が終了する。
【0238】
ここでは、擬似ボーナス演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段314は、リール制御手段306に、上述した擬似ボーナス演出状態へ移行することを示す第1リール演出を実行させ、その次の遊技から、擬似ボーナス演出状態を開始する。
【0239】
ステップS200からステップS800までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS800までを繰り返すこととなる。
【0240】
(リール停止処理S500)
図17は、上記ステップS500のリール停止処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0241】
(ステップS501)
まず、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作の有効または無効を判断するための仮スイッチ発光フラグ(所定のフラグ)を初期化する。ここで、仮スイッチ発光フラグは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、有効=1(ON)、無効=0(OFF)で表される。したがって、リール制御手段306は、仮スイッチ発光フラグの初期化として、仮スイッチ発光フラグの全てのビットを0にすることとなる。なお、ここでは、有効=1(ON)、無効=0(OFF)としたが、有効=0(ON)、無効=1(OFF)としてもよい。
【0242】
(ステップS502)
次に、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cそれぞれの仮スイッチ発光フラグを参照し、仮スイッチ発光フラグの内容に基づいてスイッチ発光フラグを更新する(スイッチ発光フラグの内容を仮スイッチ発光フラグの内容で上書きする)。ここで、スイッチ発光フラグは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、有効=1(ON)、無効=0(OFF)で表される。スイッチ発光フラグは、仮スイッチ発光フラグに準じて動作する。そして、リール制御手段306は、並行して動作している、1.49msec毎の割込処理において、更新されたスイッチ発光フラグを参照し、出力ポートを通じて、スイッチ発光フラグが1であれば、すなわち、ストップスイッチ120の操作が有効であれば、そのストップスイッチ120のバックライトを青に発光させ、スイッチ発光フラグが0であれば、すなわち、ストップスイッチ120の操作が無効であれば、そのストップスイッチ120のバックライトを赤に発光させる。遊技者は、かかるストップスイッチ120のバックライトを視認することで、ストップスイッチ120の操作が有効であるか無効であるか判断できる。ここで、仮スイッチ発光フラグの内容でスイッチ発光フラグを更新するのは、当該リール停止処理S500の割り込みにおいて一旦仮スイッチ発光フラグを設定し、その次の割り込みにおいてストップスイッチ120のバックライトの発光に反映させるためであり、また、上述した、リール110の回転が開始される前からストップスイッチ120が操作されている状態が維持されている場合の対策のためである。
【0243】
(ステップS503)
続いて、リール制御手段306は、エラーが生じているか否か確認する。例えば、リール制御手段306は、異常状態「払い出し異常エラー」、「逆流エラー」、「投入異常エラー」、「滞留エラー」を確認する。ここで、異常状態「払い出し異常エラー」は、メダルの払い出し以外で、払出メダル検出部(図示せず)の通過センサのON状態が所定時間(例えば6msec)以上継続した場合に生じる。異常状態「逆流エラー」は、メダルの投入を受け付けている状態で、投入メダル検出部114bの2つの通過センサにおいてメダルの通過順序が正しくない場合に生じる。異常状態「投入異常エラー」は、ブロッカー(図示せず)を閉塞してから所定時間(例えば269msec)以上経過後に投入メダル検出部114bの通過センサがON状態の場合、または、メダルの投入を受け付けている状態で、投入メダル検出部114bの2つの通過センサにおいて正しい順序で通過したメダル数と、Rシュートセンサ(図示せず)を通過したメダル数との差が一定以上あった場合に生じる。異常状態「滞留エラー」は、投入メダル検出部114bの通過センサのON状態が所定時間(例えば132msec)以上継続した場合、または、メダル投入口114aの投入検知センサのON状態が所定時間(例えば533msec)以上継続した場合に生じる。
【0244】
(ステップS504)
次に、リール制御手段306は、インデックスフラグを参照し、回転しているリール110a、110b、110cのインデックスを取得する。なお、インデックスフラグは、リール110a、110b、110cが定速回転速度に到達した後にしか立たないので、換言すれば、インデックスフラグが立っているということは、リール110a、110b、110cが定速回転速度に到達していることも示すこととなる。
【0245】
(ステップS505)
ステップS504の結果、リール制御手段306は、全てのリール110a、110b、110cについてインデックスが検出されていれば、ステップS506に処理を移行し、インデックスが検出されていないリール110があれば、ステップS501からの処理を繰り返す。
【0246】
(ステップS506)
続いて、リール制御手段306は、停止リール情報を参照し、遊技者のストップスイッチ120の操作に応じ、停止処理が既に完了もしくは開始しているリール110a、110b、110cを特定する。
【0247】
(ステップS507)
次に、リール制御手段306は、ステップS506の結果から、停止していない回転中のリール110a、110b、110cを特定し、回胴回転中フラグを設定する。ここで、回胴回転中フラグは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのリール110a、110b、110cのいずれかに対応付けられており、定速状態=1、加速状態、減速状態または停止状態=0で表される。また、リール制御手段306は、回転中のリール110a、110b、110cに対応するストップスイッチ120a、120b、120c、すなわち、操作可能なストップスイッチ120a、120b、120cを特定する。
【0248】
(ステップS508)
続いて、リール制御手段306は、上記ステップS507で特定した操作可能なストップスイッチ120a、120b、120cに対応する仮スイッチ発光フラグを1(ON)にする。
【0249】
(ステップS509)
次に、リール制御手段306は、所定の入力ポート(例えばポート番号「0」)を参照し、入力ポートの現在状態値を取得する。かかる入力ポートは、その値が、操作フラグとして機能する。ここで、操作フラグは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、操作されている=1、操作されていない=0)で表される。
【0250】
(ステップS510)
続いて、リール制御手段306は、回胴回転中フラグと操作フラグの論理積を演算する。ここで、リールが回転中であり、かつ、そのリールに対応するストップスイッチ120が操作されていれば、すなわち、操作したストップスイッチ120が有効に回転しているリール110に対応していれば、論理積は1となる。
【0251】
(ステップS511)
ステップS510の結果、論理積が1となったビットが1つでもあれば、すなわち、リール110が回転中であり、かつ、そのリール110に対応するストップスイッチ120が操作されていれば、ステップS512に処理を移し、論理積が1となったビットがなければ、ステップS502からの処理を繰り返す。
【0252】
(ステップS512)
次に、リール制御手段306は、スイッチ発光フラグと操作フラグの論理積を演算する。ここで、ストップスイッチ120が有効であり、かつ、そのストップスイッチ120が操作されていれば、論理積は1となる。
【0253】
(ステップS513)
ステップS512の結果、論理積が1となったビットが1つだけであれば、すなわち、ストップスイッチ120が有効であり、かつ、操作されているストップスイッチ120が1つのみであれば、ステップS514に処理を移し、論理積が1となったビットがない、または、論理積が1となったビットが2以上あれば、ステップS501からの処理を繰り返す。
【0254】
ここで、ステップS511に加えて当該ステップS513を設けている理由は、上述したように、許可条件を満たした場合に限り、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するためである。すなわち、ステップS513を設けていない状態で、リール110の回転が開始される前からストップスイッチ120が操作されている状態が維持されていると、インデックスが検出された途端(S505におけるYES)、回胴回転中フラグと操作フラグの論理積が1となり(S511におけるYES)、即座に停止処理が開始されてしまうからである。
【0255】
ここでは、ステップS513を設けることにより、スイッチ発光フラグが1とはならないので、即座に停止処理が開始されるのを回避できる。具体的に、スタートスイッチ118が操作される前からストップスイッチ120が操作されていると操作フラグが1となり、それが、リール110の回転が開始される前後のいずれであっても、全てのリール110a、110b、110cについてインデックスが検出されれば、ステップS510において回胴回転中フラグと操作フラグとの論理積が1となる(S511におけるYES)。
しかし、リール110の回転が開始される前からストップスイッチ120が操作されている場合、仮スイッチ発光フラグは1となるものの、ステップS511におけるNOの経路を通過することなく、ステップS513におけるNOの経路を繰り返すので、ステップS501において仮スイッチ発光フラグは0(OFF)にリセットされ、スイッチ発光フラグが1(ON)となることはない。そうすると、ステップS513において、スイッチ発光フラグと操作フラグの論理積が1となることはなく、即座に停止処理が開始されることはない。
【0256】
一方、ストップスイッチ120が操作されていない状態で、全てのリール110a、110b、110cについてインデックスが検出されれば、ステップS510において回胴回転中フラグと操作フラグの論理積が0となり(S511におけるNO)、ステップS501を経由することなく、ステップS502からの処理を繰り返す。そうすると、仮スイッチ発光フラグの1が、ステップS501でリセットされることなく、ステップS502において、スイッチ発光フラグに更新される。したがって、ステップS502においてストップスイッチ120のバックライトが青色に発光される。その後、ストップスイッチ120が操作されると、ステップS510において回胴回転中フラグと操作フラグの論理積が1となるとともに、ステップS512においてスイッチ発光フラグと操作フラグの論理積が1となるので(S513におけるYES)、適切に停止処理が開始される。こうして、リール110の回転が開始される前からストップスイッチ120が操作されている状態が維持されていても停止処理を行うことなく、全てのリール110a、110b、110cについてインデックスが検出された後にストップスイッチ120が操作されれば適切に停止処理を遂行することが可能となる。
【0257】
上記の構成を他の観点で見ると、以下のようになる。まず、全てのリール110a、110b、110cのインデックスを検出したステップS508のタイミングで、仮スイッチ発光フラグ(所定のフラグ)をONする。このとき、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されていなければ、ステップS511においてNOとなることはなく、ステップS513のNOを通じ、ステップS501で仮スイッチ発光フラグが0にリセットされてしまう。そして、ステップS502においてスイッチ発光フラグが更新されるので、ストップスイッチ120を操作している間は、スイッチ発光フラグが1になることはない。結局、ステップS501→ステップS502→ステップS508→ステップS513を繰り返し、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作は有効化されない。
【0258】
一方、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作が解除されれば、以下のように動作する。すなわち、ステップS508において、操作可能なストップスイッチ120a、120b、120cに対応する仮スイッチ発光フラグが1(ON)になる。そして、リール110a、110b、110cは回転中であるが、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作されていない状態が1回でもあると、ステップS511におけるNOを通じて、ステップS502の処理に移行し、ステップS501の処理を行うことなく、仮スイッチ発光フラグの1でスイッチ発光フラグを更新できるので、適切に、スイッチ発光フラグが1(ON)の状態を作ることができる。したがって、ステップS508→ステップS511→ステップS502といった経路を通り、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化することができる。
【0259】
また、ここでは、論理積が1となったビットが1つだけであることを条件とし、仮にビットが2つ以上あれば、すなわち、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれか2以上が同時に操作されていれば、以降の停止処理を行うことなく、ステップS501からの処理を繰り返す。こうして、複数のストップスイッチ120が同時に操作された場合に、そのストップスイッチ120に対応するリール110を同時に停止させることがなく、少なくとも1割込時間分(1.49msec)の差がなければ、有効に操作を受け付けないこととなる。ここでは、複数のリール110を同時に停止処理することで、例えば、割込時間内に処理が完了せず、本来実行すべき割込処理を飛ばしてしまう事象を回避することが可能となる。
【0260】
なお、ここでは、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれか2以上が同時に操作されていれば、以降の停止処理を行うことなく、ステップS501からの処理を繰り返し、いずれの操作も無効とするようにした。しかし、かかる場合に限らず、同時に操作された複数のストップスイッチ120を所定の規則に従って停止処理するとしてもよい。所定の規則としては、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cの順で、より左側にあるストップスイッチ120に対応するリール110を優先して停止処理したり、後述する、所謂、AT(アシストタイム)において、本来操作すべき順に操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を優先して停止処理することが考えられる。
【0261】
(ステップS514)
続いて、リール制御手段306は、論理積が1となったビットに対応するリール110の停止処理として、そのリール110の滑りコマ数を決定する。
【0262】
(ステップS515)
次に、リール制御手段306は、20コマの図柄のうち停止すべき図柄の図柄番号である停止図柄番号を取得して所定の記憶領域に保持する。
【0263】
(ステップS516)
続いて、リール制御手段306は、停止要求フラグを1にする。停止要求フラグは、並行して動作するプログラムに対し、対象となるリール110の停止処理を要求するためのフラグであり、停止要求フラグを1とすることで、停止図柄番号に対応する図柄を有効ライン上に停止することが可能となる。かかる停止要求フラグおよび上記の停止図柄番号は、並行して動作するプログラムにより読み出され、停止処理が行われる。なお、停止処理が完了すると、そのプログラムによって、停止要求フラグは0(OFF)にリセットされる。
【0264】
(ステップS517)
次に、リール制御手段306は、停止処理を行ったストップスイッチ120に対応する仮スイッチ発光フラグを0(OFF)にし、仮スイッチ発光フラグの内容でスイッチ発光フラグを0(OFF)に更新する。
【0265】
(ステップS518)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cそれぞれのスイッチ発光フラグを参照し、ステップS517においてビットが0となったストップスイッチ120のバックライトを赤に発光させる。
【0266】
(ステップS519)
次に、リール制御手段306は、当該操作されたストップスイッチ120に対応するリール110の全相励磁が開放しているか否かを判定する。その結果、全相励磁が開放されていれば、ステップS520に処理を移行し、全相励磁が開放されていなければ、ステップS519を繰り返す。このように、ここでは、リール制御手段306が、ストップスイッチ120の操作に応じて、全てのストップスイッチ120a、120b、120cの操作を無効化し、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110の全相励磁が開放されるまでストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化しない。かかる構成により、ストップスイッチ120a、120b、120cの押止順とリール110a、110b、110cの停止順が異なることを回避でき、遊技者が不信感や違和感を覚えることもない。
【0267】
(ステップS520)
続いて、リール制御手段306は、全てのリール110a、110b、110cの停止処理(ステップS514~ステップS519)が完了しているか否か判定する。その結果、停止処理が完了していればステップS521に処理を移行し、停止処理が完了していなければ、ステップS501からの処理を繰り返す。ここでは、まだ停止していないリール110が存在している場合、ステップS501に処理を移すことで、他のリール110の停止処理を即座に実行できるようにし、遊技時間を短縮化している。
【0268】
(ステップS521)
次に、リール制御手段306は、全てのリール110a、110b、110cの全相励磁が開放しているか否かを判定する。その結果、全相励磁が開放されていれば、ステップS522に処理を移行し、全相励磁が開放されていなければ、ステップS521を繰り返す。
【0269】
(ステップS522)
続いて、リール制御手段306は、エラーが生じているか否か確認する。例えば、リール制御手段306は、異常状態「払い出し異常エラー」、「逆流エラー」、「投入異常エラー」、「滞留エラー」を確認する。
【0270】
(ステップS523)
次に、リール制御手段306は、所定の入力ポート(例えばポート番号「0」)を参照し、入力ポートの現在状態値が全て0であるか否か判定する。その結果、全て0であれば、当該リール停止処理S500を終了し、いずれかが1であれば、すなわち、遊技者が操作したストップスイッチ120を解除していなければ、ステップS522の処理を繰り返し、解除を待つ。こうして、ストップスイッチ120の解除を待って以降の判定処理S600を開始させることができる。
【0271】
そして、リール停止処理S500の終了後に判定処理S600が行われ、その後、払出制御手段310は、当選役に対応する払出枚数のメダルを払い出す。また、判定処理S600が行われると、入賞判定の結果を示すコマンドが副制御基板202に送信され、演出制御手段334は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を、液晶表示部124を通じて報知したり、リールバックライトを通じて報知する。また、演出制御手段334は、払出制御手段310によるメダルの払い出しに応じて(合わせて)スピーカ128から払出音を出力してもよい。
【0272】
このように、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたこと、および、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることに応じて、停止完了後処理が行われるので、遊技者は、その図柄組み合わせを確実に認識することができ、不信感や違和感を覚えることもない。
【0273】
また、ここでは、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放された後にメダルの払い出しを行っている。したがって、リール110a、110b、110cの励磁(全相励磁)タイミングとメダル払出装置142が駆動するタイミングとを異ならせることができるので、主制御基板200が管理するデバイス全体に許容される電流量を超過することがなくなる。したがって、リール110の励磁中にメダル払出装置142を駆動させるための大電流容量の電源を準備する必要がなくなり、コストの削減を図ることができる。
【0274】
また、ここでは、遊技者がストップスイッチ120の操作を解除することでメダルの払い出しを行っている。かかる処理により、遊技者の不信感や違和感を払拭することができる。また、スロットマシン100全体を視認可能な他の人および払出音を視聴できる他の人も、その遊技結果を把握することができる。したがって、遊技者は、まだ、処理が遂行される前に、遊技結果を自分のみが把握し、優越感に浸ることができる。
【0275】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0276】
例えば、上述した実施形態では、リール制御手段306が、操作されたストップスイッチ120に対応したリール110の全相励磁が開放されてから、はじめて、他のストップスイッチ120の操作を有効化する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、リール制御手段306が、操作されたストップスイッチ120に対応したリール110の全相励磁が開始されてから、他のストップスイッチ120の操作を有効化するとしてもよい。この場合、
図17におけるステップS519やステップS521の判定対象を全相励磁開始とすることで対応できる。なお、メダル払出装置142からメダルを払い出す際や次遊技のリール110a、110b、110cの回転開始(加速状態の開始)時に、全てのリール110a、110b、110cの励磁開放を待つ(判定)処理を実行する場合、
図14のステップS521を省略することができる。
【0277】
また、ここでは、リール制御手段306が、操作されたストップスイッチ120に対応したリール110の全相励磁が開放されてから、はじめて、他のストップスイッチ120の操作を有効化する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、操作されたストップスイッチ120に対応したリール110が停止する前から他のストップスイッチ120の操作を有効化してもよい。例えば、任意のストップスイッチ(例えば、ストップスイッチ120a)の操作が、他のストップスイッチ(例えば、ストップスイッチ120b、120c)の有効無効に影響を及ぼさないとしてもよい。すなわち、既に他のストップスイッチ120が操作されているか否かに(他のリールが回転しているか停止しているかに)拘わらず、また、停止開始や停止完了を待つことなく、未だ操作されていないストップスイッチ120は全て操作が有効な状態が維持され、そのストップスイッチ120の操作が許容される。そうすると、遊技者は、ストップスイッチ120a、120b、120cを連続して操作することができる(所謂スライドプッシュ)。この場合、リール制御手段306は、当該操作されたストップスイッチ120に対応するリール110の全相励磁が開放していることを待つ必要がないので、
図17におけるステップS519を省略することで実現できる。また、
図17におけるステップS519のみならず、ステップS521も省略することができる。なお、この場合には、上記のように、メダル払出装置142からメダルを払い出す際や次遊技のリール110a、110b、110cの回転開始時に、全てのリール110a、110b、110cの励磁開放を待つ方が望ましい。
【0278】
したがって、リール110a、110b、110cそれぞれの位置を特定するインデックスが全て検出されれば、その後にストップスイッチ120aが操作されたことや、リール110aの回転状態が定速状態のいずれであるかに拘わらず、ストップスイッチ120b、120cの操作が有効化されるので、遊技者は、ストップスイッチ120bやストップスイッチ120cを操作して、リール110bやリール110cを停止させることができる。
【0279】
なお、この場合、以下の事象が生じ得る。例えば、ストップスイッチ120が操作されたタイミングで引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し、当該停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する。したがって、その滑りコマ数が異なる場合、ストップスイッチ120が操作されてから、リール110の停止処理が開始されるまでの時間が、0~189msec(190msec以内の所定時間)といったように、リール110a、110b、110c毎に異なることとなる。例えば、遊技者によって、スタートスイッチ118が操作され、全てのリール110a、110b、110cのインデックスが検出され、遊技者が、ストップスイッチ120a、120b、120cを、
図13で示したように順押しの打順で操作したとする。そうすると、滑りコマ数が等しい場合、リール110a→リール110b→リール110cの順に停止完了することとなるが、滑りコマ数が異なる場合、リール110の停止完了する順が異なる場合がある。例えば、リール110aが最初に停止完了し、滑りコマ数が少ないリール110cが次に停止完了し、滑りコマ数が多いリール110bがリール110cより後に停止完了する場合がある。このように、ここでは、必ずしもストップスイッチ120a、120b、120cの操作順と同じ順番でリール110a、110b、110cが停止完了するとは限らない。そこで、スライドプッシュにおける停止完了条件は、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放され、第3停止した(最後に停止操作された)ストップスイッチ120に対応するリール110について全相励磁が開放され、かつ、最後に操作されたストップスイッチ120の操作が解除されていることになる。そして、判定手段308、演出制御手段334、および、払出制御手段310は、かかる停止完了条件が満たされると、停止完了後処理を実行する。
【0280】
また、スライドプッシュにおける停止完了条件として、第3停止したリール110について全相励磁が開放されているか否かの判定を省略することができる。また、上述したように、停止完了条件として、全てのリール110a、110b、110cや第3停止したリール110について全相励磁が開放されたか否か判定する代わりに、全相励磁から200msec経過したか否かを判定してもよい。この場合、
図17におけるステップS519やステップS521の判定対象をタイマの計時とすることで対応できる。また、停止完了条件として、第3停止したリール110について全相励磁が開放されているか否かの判定を省略しつつ、全てのリール110a、110b、110cについて全相励磁が開放されたか否か判定する代わりに、全相励磁から200msec経過したか否かを判定してもよい。
【0281】
なお、ここでは、結果報知手段として、
図15(d)のように、全てのリール110a、110b、110cが停止したとき、有効ライン上に表示された図柄組み合わせが当選役「小役1」を示していれば、演出制御手段334が、液晶表示部124を通じて、遊技の結果、すなわち、当選役「小役1」が入賞した旨を報知する例を挙げて説明したが、結果報知手段はかかる場合に限らず、液晶表示部124以外のデバイスで行うこともできる。例えば、結果報知手段としてのメダル払出装置142は、当選役の入賞に応じて、当選役に対応する払出枚数分だけメダルを排出することで、遊技の結果として、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。また、結果報知手段としてのメイン払出表示部132やサブ払出表示部136は、遊技の結果として、メダルの払出枚数を表示することで、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。また、結果報知手段としてのリールバックライト(図示せず)は、遊技の結果として、図柄表示窓108に対応する各リール110a、110b、110cを背面から照射(点灯、点滅、消灯、所定パターンのフラッシュ)することで、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。また、結果報知手段としてのスピーカ128は、遊技の結果として、入賞音(単なる効果音および入賞した当選役に対応した音等)を出力することで、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。また、結果報知手段としての演出用ランプ126は、遊技の結果として、入賞に伴って発光(単なる発光、入賞した当選役に対応した色での発光、および、入賞した当選役に対応した点滅パターン等)することで、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する。
【0282】
また、ここでは、停止完了条件として、特定のストップスイッチ120の解除を挙げて説明したが、特定のストップスイッチ120としては、最後に操作(第3停止)されたストップスイッチ120に限らず、全てのストップスイッチ120や、上述したように、最後に操作されたストップスイッチ120ではないが、最後に操作されたストップスイッチ120が解除される時点では押止状態を維持しており、最後に操作されたストップスイッチ120が解除された後に解除されたストップスイッチ120も含まれる。
【0283】
また、ここでは、全てのリールが停止してから、遊技の結果として、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報を報知する例を挙げた。しかし、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに係る情報は、当選役に対応する図柄組み合わせに限らず、当選役を取りこぼした場合の図柄組み合わせや、不当選に相当する(当選役に当選していないことを示す)図柄組み合わせも含まれる。
【0284】
また、ここでは、遊技者によるストップスイッチ120の操作時に引込範囲内に存在している図柄を停止図柄として決定し、単に、停止図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持する例を挙げて説明したが、かかる滑りコマ数分の回転を維持する間、演出制御手段334が任意の演出を実行するとしてもよい。ただし、上述したように、滑りコマ数は、遊技者によるストップスイッチ120の操作タイミングに応じて変化する。したがって、演出制御手段334は、滑りコマ数に応じ、例えば、滑りコマ数が多い場合は、比較的長い演出を行い、滑りコマ数が少ない場合は、比較的短い演出を行う等、演出を変化させてもよい。また、滑りコマ数によっては、演出を行うタイミングを変化させてもよい。例えば、演出制御手段334は、ストップスイッチ120の最初の操作時(第1停止時)に所定の演出を予定していたとする。しかし、かかるストップスイッチ120の滑りコマ数が少なく、演出が予定している時間を十分に確保できない、または、時間が短いため演出を実行したとしても遊技者に演出の内容を十分に伝達することができない場合、かかる演出を他のストップスイッチ120の操作時、例えば、最後のストップスイッチ120の操作時(第3停止時)に行うとしてもよい。こうして、演出の時間を確保し、遊技者に演出の内容を十分に伝達することが可能となる。
【0285】
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
【0286】
また、上述した実施形態では、AT演出状態が1種類のみ設けられるようにしたが、例えば、AT演出状態の継続遊技数の上乗せ特化ゾーンなど、複数種類のAT演出状態が設けられるようにしてもよい。
【0287】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【0288】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【0289】
本実施形態では、主制御基板200が備える演出メイン制御手段(図示せず)と、副制御基板202が備える演出制御手段334(演出サブ制御手段)とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段334へ指示を出す。また、演出サブ制御手段334は、演出メイン制御手段から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、演出メイン制御手段で行う制御は、演出サブ制御手段334で行ってもよく、演出サブ制御手段334で行う制御は、演出メイン制御手段で行ってもよい。また、演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51(第1の実施の形態を参照)で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0290】
次に、第1の実施の形態で説明した2枚掛け遊技と3枚掛け遊技とを行うことができる遊技機において、上述のいわゆるスライドプッシュを採用した場合について説明する。スライドプッシュでは、既に他のストップスイッチ(ストップボタン)が操作されているか否か(他のリールが回転しているか停止しているか)に関わらず、まだ操作されていないストップスイッチは操作が有効な状態が維持される。ここで、遊技者が、ストップスイッチ120a、120b、120cを打順1で操作した(いわゆる順押し操作をした)場合を考える。リールの滑りコマ数が異なる場合、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作順(打順1)と同じ順番でリール110a、110b、110cが停止するとは限らない。例えば、最初にリール110aが停止し、次に、滑りコマ数がリール110bよりも少ない(例えば1コマである)リール110cが停止し、次に、滑りコマ数がリール110cよりも多い(例えば4コマである)リール110bがリール110cよりも後に停止するということが起こり得る。
【0291】
本実施形態の遊技機において、演出制御手段100は、2枚掛け遊技が開始されると、2枚掛け遊技演出を実行し、2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像を表示装置13に表示させる。これにより、遊技者等は、特殊画像の表示を見て、2枚掛け遊技(指示演出に関する性能が低い遊技)が行われていることを把握できる。このとき、仮に、最後のストップスイッチ120cの押下の開放が検出されたことを契機として特殊画像を表示させない状態とすることとすると、スライドプッシュが採用されている場合に、リールの回転が停止するよりも先に(まだ回転しているリールがあるにも関わらず)、特殊画像が表示されなくなるという事象が起こり得る。この場合、遊技者が1遊技を終えたと判断するタイミングよりも前に特殊画像が表示されなくなり、遊技者が違和感や不信感を抱くおそれがある。
【0292】
そこで、本実施形態では、演出制御手段100は、2枚掛け遊技の開始に伴い表示させた特殊画像を、所定の条件が成立すると、表示させない状態とする。所定の条件とは(1)ストップボタンの第3停止操作(最後に操作されたストップボタン)の押下の開放が検出されており、かつ、(2)すべてのリール(リール110a、110b、110c)の回転の停止が検出されていることである。なお、所定の条件とは、少なくとも(1)の要件と(2)の要件とを含むものであって、さらにその他の要件を含むものであってもよい。
【0293】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールに対応して設けられたストップボタンと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、前記ストップボタンの操作を契機として、内部抽選の結果に応じた停止態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
表示装置における画像の表示に関する制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機であって、
所定の遊技において、第1規定数または第2規定数のいずれかの遊技価値の投入で遊技を行うことが可能であり、
前記第2規定数の遊技価値の投入で行われる遊技は、前記第1規定数の遊技価値の投入で行われる遊技よりも、前記指示演出に関する性能が低くなっており、
前記演出制御手段は、
前記第2規定数での遊技が開始されると、前記第2規定数での遊技であることを知らせる特殊画像を前記表示装置に表示させるとともに、所定の条件を満たすと、前記特殊画像を表示させない状態とし、
前記所定の条件は、最後に操作された前記ストップボタンの押下操作が開放されており、かつ、すべての前記複数のリールの回転が停止していることである。
【0294】
本実施形態によれば、いわゆるスライドプッシュが採用されている場合であっても、すべてのリールの回転が停止するよりも前に2枚掛け遊技であることを知らせる特殊画像が表示されない状態となる、という事象は発生しない。したがって、1遊技が終了したと判断するよりも前に特殊画像が表示されなくなることにより、遊技者が違和感や不信感を抱くのを防止できる。さらに、本構成によれば、遊技者は最後のストップスイッチ120cの押下を続けることによって、上記の所定の条件が成立するのを遅らせることができる。つまり、特殊画像が表示されなくなるタイミングを遅らせることができる。これにより、遊技者は、最後のストップスイッチの押下を続けることで特殊画像を堪能することができる。そして、自身の好みのタイミングで当該ストップスイッチの押下を開放して、表示を切り替えることができる。
【0295】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。
【0296】
図18に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0297】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0298】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0299】
各リール20a~20cの外周面には、
図19に示すように、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、特殊図柄A「SPA」、特殊図柄B「SPB」、特殊図柄C「SPC」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、スイカ図柄「WM」およびチェリー図柄「CH」の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0300】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0301】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0302】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図20参照)が設けられている。
【0303】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0304】
図20に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0305】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0306】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0307】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0308】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0309】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0310】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0311】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0312】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図21に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0313】
図21に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役45が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「1枚ALL」、「打順ベルA1」~「打順ベルA12」、「打順ベルB1」~「打順ベルB12」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」、「スイカ」、「共通1枚」および「1枚1」~「1枚8」が用意されている。また、小役1~小役12は入賞すると13枚のメダルが払い出される13枚役となっており、小役41は入賞すると3枚の役が払い出される3枚役となっており、小役13~小役40、小役42~小役45は入賞すると1枚の役が払い出される1枚役となっている。なお、以下では、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA12」および「打順ベルB1」~「打順ベルB12」をまとめて打順ベルと呼ぶこととする。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」をまとめて打順チャンス役と呼ぶこととする。
【0314】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役45)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役13~小役40、小役44および小役45が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA12」および「打順ベルB1」~「打順ベルB12」は、13枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」は、13枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「スイカ」は、1枚役(小役41)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通1枚」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚1」~「1枚8」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0315】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ7が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイ1」、「リプレイ2」、「チャンス目1」、「チャンス目2」、「弱チェリー」および「強チェリー」が用意されている。
【0316】
当選エリア「リプレイ1」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「リプレイ2」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目1」は、リプレイ2が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目2」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱チェリー」は、リプレイ7が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強チェリー」は、リプレイ5が単独で当選する当選エリアとなっている。
【0317】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナスが用意されている。
また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビックボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「共通1枚」および「1枚1」~「1枚8」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。
また、当選エリア「共通1枚」および「1枚1」~「1枚8」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0318】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0319】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図21では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA12」、「打順ベルB1」~「打順ベルB12」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」、「スイカ」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「チャンス目1」、「チャンス目2」、「弱チェリー」、「強チェリー」、「共通1枚」および「1枚1」~「1枚8」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0320】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0321】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0322】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0323】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0324】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0325】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0326】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0327】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0328】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0329】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0330】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0331】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」とし、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」とし、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」とする。
【0332】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0333】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0334】
図22に示すように、打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。なお、
図22は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると13枚役が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~12を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役13~小役40を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0335】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA12」および「打順ベルB1」~「打順ベルB12」は、正解打順で操作がされると、13枚役が入賞するようになっている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA12」および「打順ベルB1」~「打順ベルB12」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0336】
また、各打順ベルの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルA7」~「打順ベルA12」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルB7」~「打順ベルB12」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。換言すると、打順ベルには、左押し(打順1または打順2)が正解打順の打順ベルと、中押し(打順3または打順4)が正解打順の打順ベルと、右押し(打順5または打順6)が正解打順の打順ベルと、が用意されている。さらに換言すると、打順ベルには、左押しが不正解打順の打順ベルと、中押しが不正解打順の打順ベルと、右押しが不正解打順の打順ベルと、が用意されている。
【0337】
また、打順ベルの各当選エリアは、一般中状態において当選した場合であって、第1停止操作がRBB内部中状態における正解打順に則したものであった場合(第1停止操作が正解であった場合)、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ようになっている。
【0338】
当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順1または打順2で停止操作がされると13枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順3~打順6のいずれかで停止操作がされると2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
【0339】
なお、
図22における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0340】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(有効ライン上に停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており(
図27参照)、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0341】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0342】
本実施形態の遊技機では、小役1~小役12に入賞すると13枚のメダルが払い出され、小役41に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役13~小役40、小役42~小役45に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0343】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0344】
遊技状態制御手段49は、
図23に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0345】
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0346】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0347】
RBB内部中状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0348】
RBB作動中状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば100枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0349】
図20に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知して13枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0350】
遊技区間制御手段80は、
図24に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0351】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0352】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0353】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、13枚のメダルの払い出しがあった場合には「13」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0354】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0355】
演出状態制御手段81は、
図24に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、CZ演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0356】
(非有利区間演出状態)
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選に当選し有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0357】
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時においては、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。通常演出状態は、CZ演出状態およびAT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。
【0358】
演出状態制御手段81は、通常演出状態における所定の契機で演出状態をCZ演出状態に移行させる。本実施形態では、通常演出状態における遊技の回数には、上限(いわゆる天井)が設定されており、通常演出状態において所定回数(200回、300回、500回または600回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。この天井としての遊技回数は、記憶手段60のROMに予め用意された複数種類のテーブル(移行期待度テーブル)の中から、所定の契機で(例えば、通常演出状態の開始時等に)選択される移行期待度テーブルに基づいて決定される。換言すると、1回の通常演出状態(例えば、通常演出状態が開始されてからCZ演出状態またはAT演出状態に移行するまで)について、複数種類の移行期待度テーブルの中から1の移行期待度テーブルが選択されるようになっており、通常演出状態におけるCZ演出状態(AT演出状態)への移行の期待度は、当該移行期待度テーブルに基づいて決定される。
【0359】
また、通常演出状態においては、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて、CZ演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行う。また、CZ抽選に当選した場合に、演出状態制御手段81は、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。また、本実施形態では、各通常演出状態について選択される移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数とCZ演出状態への移行の期待度との関係が設定されており、テーブル毎に、CZ抽選の当選確率が相対的に高い遊技回数が設定されている。具体的には、天井が600回となる移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が100回~299回または400回~499回となる範囲が、他の遊技回数範囲に比べCZ抽選の当選確率(CZ演出状態への移行期待度)が高く設定されている。また、天井が500回となる移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が100回~199回または300回~399回となる範囲が、他の遊技回数範囲に比べCZ抽選の当選確率(CZ演出状態への移行期待度)が高く設定されている。また、天井が200回となる移行期待度テーブルにおける遊技回数100回~199回の範囲は、他の移行期待度テーブルにおける遊技回数100回~199回の範囲に比べ、CZ抽選の当選確率が高く設定されている。
【0360】
(CZ演出状態)
CZ演出状態(チャンス演出状態)は、通常演出状態よりも、AT演出状態への移行の期待度が高い演出状態となっている。換言すると、CZ演出状態は、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。なお、CZ演出状態は、AT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。
本実施形態では、CZ演出状態において、複数(4個)の達成条件を達成すると、特典付与手段82が特典としてのAT演出状態への移行の権利を付与する。達成条件とは、AT演出状態への移行の権利を付与するために達成すべき条件である。本実施形態では、CZ演出状態において複数回(4回)のバトルそれぞれに勝利するか否かを報知する演出が順次行われる。各達成条件が達成されると、各バトルに勝利するようになっており、複数の達成条件が達成されると(複数回のバトル全てに勝利すると)、AT演出状態への移行の権利が付与される。
【0361】
演出状態制御手段81は、CZ演出状態の終了までにAT演出状態への移行の権利が付与された場合(複数の達成条件が全て達成された場合)、演出状態をAT演出状態へ移行させる。一方、演出状態制御手段81は、CZ演出状態の終了までにAT演出状態への移行の権利が付与されていない場合(複数の達成条件のうちいずれかが達成されずCZ演出状態が終了する場合)、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させ、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、CZ演出状態の終了時にAT演出状態への移行の権利が付与されていない場合であっても、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させずに通常演出状態へと移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。
【0362】
なお、例えば、通常演出状態およびCZ演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に基づいて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行い、AT抽選に当選した場合に特典としてのAT演出状態への移行の権利が付与されるようにしてもよい。その場合、通常演出状態よりもCZ演出状態の方が、AT抽選の当選期待度が高く設定されていてもよい。
【0363】
(AT演出状態)
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に打順ベルが当選すると、正解打順を報知して13枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず13枚役が入賞して13枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0364】
本実施形態では、AT演出状態の継続をAT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理している。特典付与手段82は、AT演出状態が開始されると、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ66の記憶値に所定の差枚数に相当する値を設定する。なお、このときAT終了判定カウンタ66に設定される値は固定値に限らず、抽選等により決定されるものであってもよい。また、このときAT終了判定カウンタ66に設定される値を決める遊技は、複数回にわたって行われることとしてもよい。
【0365】
演出状態制御手段81は、AT演出状態において遊技が行われる毎に、AT終了判定カウンタ66の記憶値から、当該遊技の差枚数に相当する値を減算する処理を行う。当該遊技(1回の遊技)の差枚数は、メダルの払出数に相当する値(例えば、13枚のメダルの払い出しがあった場合には「13」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から、遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して求められる。AT終了判定カウンタ66の記憶値が閾値「0」に達すると、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させ、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、AT演出状態の終了時に有利区間の終了条件が成立していない場合に、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させずに通常演出状態へと移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。
【0366】
なお、本実施形態では、AT演出状態の継続を、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理するものとしたが、AT演出状態の継続を、AT演出状態における遊技回数(AT演出状態のセット数)、AT演出状態において獲得したメダルの枚数、あるいは打順ナビ演出の回数等に基づき管理してもよい。
【0367】
なお、非有利区間演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあるようにしてもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、CZ演出状態に移行させるか、通常演出状態へ移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。なお、非有利区間演出状態または通常演出状態からAT演出状態へ直接移行する確率は、設定1よりも設定6の方が高いというように設定ごとに異ならせてもよく、すべての設定値において同じ確率としてもよい。
【0368】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がボーナス成立状態である場合にAT演出状態に移行し、遊技状態が通常状態やボーナス状態においてはAT演出状態に移行しないようになっていてもよい。換言すると、通常状態やボーナス状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0369】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がボーナス成立状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するボーナス状態の終了後に通常状態を経由して再びボーナス成立状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると打順ナビ演出を止め、再びボーナス成立状態に移行すると打順ナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0370】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、AT終了判定カウンタ66およびポイントカウンタ93の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0371】
なお、本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態である場合には、指示機能に係る抽選(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行に関する抽選)や、指示演出に関する特典(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態である場合には、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。本実施形態では、基本的に遊技者はRBB内部中状態において遊技を行うようにされているため、以下では、基本的に遊技状態はRBB内部中状態であることを前提として説明する。
【0372】
(遊技価値の獲得性能)
本実施形態では、通常演出状態においては、常に左押しで遊技を行う場合の方が、常に中押しまたは右押しで遊技を行う場合に比べ、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与が実行される確率が高くなっている。具体的には、通常演出状態においては、中押しまたは右押しで停止操作を行うことを指示する演出がされた場合を除き、左押しで遊技を行う場合の方が、中押しまたは右押しで遊技を行う場合に比べ、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与が実行される確率が高くなっている。さらに具体的には、通常演出状態においては、中押しまたは右押しで停止操作を行うことを指示する演出がされた場合を除き、中押しまたは右押しで遊技をすると、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与が実行されないようにされている。
【0373】
したがって、通常演出状態においては、基本的に左押しで遊技をした方がAT演出状態への移行の確率が高く、左押しで遊技をすることが推奨される。一方で、これだけだと左押しで遊技を行う場合と、中押しまたは右押しで遊技を行う場合との有利度合いの差が大きくなってしまうため、本実施形態では、左押しで遊技を行う場合の方が、中押しまたは右押しで遊技を行う場合に比べ、出玉率の期待値が低くされている。この点について具体的に説明する。
【0374】
内部抽選テーブルでは、各当選エリアについて値数(置数ともいう)が定められている。ここで、値数とは乱数値の全範囲(例えば、65535)に対して当選となる範囲を示す数値である。換言すると、値数とは、各当選エリアに対応付けられている乱数の数を示すものである。例えば、仮に、当選エリア「リプレイ1」の値数が1000だとすると、当選エリア「リプレイ1」に約1.5%(=1000/65536)の確率で当選することとなる。
【0375】
各遊技状態において値数が割り当てられている各当選エリア(値数が1以上である当選エリア)は、その遊技状態において当選し得る当選エリアである。すなわち、
図21において「〇」印が付された当選エリアは、対応する遊技状態において値数が割り当てられている当選エリアである。
図21に示すように、打順ベルの当選エリアは、RBB内部中状態において値数が割り当てられている。
【0376】
RBB内部中状態について、左押しが正解打順の打順ベルの値数は、中押しが正解打順の打順ベルの値数よりも小さく、また、右押しが正解打順の打順ベルの値数よりも小さくなっている。すなわち、当選エリア「打順ベルA1」、「打順ベルA2」、「打順ベルA7」、「打順ベルA8」、「打順ベルB1」、「打順ベルB2」、「打順ベルB7」および「打順ベルB8」の値数の総和は、当選エリア「打順ベルA3」、「打順ベルA4」、「打順ベルA9」、「打順ベルA10」、「打順ベルB3」、「打順ベルB4」、「打順ベルB9」および「打順ベルB10」の値数の総和よりも小さく、かつ、当選エリア「打順ベルA5」、「打順ベルA6」、「打順ベルA11」、「打順ベルA12」、「打順ベルB5」、「打順ベルB6」、「打順ベルB11」および「打順ベルB12」の値数の総和よりも小さく設定されている。換言すると、本実施形態では、左押しが正解打順の打順ベルに当選する確率は、中押しが正解打順の打順ベルに当選する確率よりも小さく、かつ、右押しが正解打順の打順ベルに当選する確率よりも小さく設定されている。さらに換言すると、本実施形態では、常に左押しで遊技を行った場合の方が、常に中押しで遊技を行った場合または常に右押しで遊技を行った場合に比べ、打順ベルに当選し、13枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が低くなっている。そして、これにより、本実施形態では、左押しで遊技を行う場合の方が、中押しまたは右押しで遊技を行う場合に比べ、出玉率(メダルの投入数に対するメダルの払出数の割合)の期待値が低くなっている。
【0377】
なお、本実施形態では、RBB内部中状態について、各当選エリアの値数の関係は以下のようになっている。すなわち、左押しが正解打順の打順ベル(当選エリア「打順ベルA1」、「打順ベルA2」、「打順ベルA7」、「打順ベルA8」、「打順ベルB1」、「打順ベルB2」、「打順ベルB7」および「打順ベルB8」)の値数(値数の総和)を値数Aとし、リプレイに係る当選エリア(リプレイに係る全ての当選エリア:当選エリア「リプレイ1」、「リプレイ2」、「チャンス目1」、「チャンス目2」、「弱チェリー」および「強チェリー」)の値数(値数の総和)を値数Bとし、通常リプレイ(レア役ではないリプレイ)に係る当選エリア(当選エリア「リプレイ1」および「リプレイ2」)の値数(値数の総和)を値数Cとし、当選エリア「1枚1」~「1枚8」の値数(値数の総和)を値数Dとすると、値数C<値数A<値数B<値数Dの関係となっている。具体的には、値数Aは8440、値数Bは8978、値数Cは7674、値数Dは10614となっている。
なお、レア役とは、他の当選エリア(例えば通常リプレイとしての当選エリア「リプレイ1」、「リプレイ2」)(役)に比べ、当選する確率が相対的に低い当選エリア(役)を意味する。レア役は、他の当選エリア(例えば通常リプレイとしての当選エリア「リプレイ1」、「リプレイ2」)(役)に比べ、当選時に遊技者に有利な処理(例えば抽選)が実行される当選エリア(役)であってもよい。
【0378】
なお、打順ベル毎の値数に差を設ける以外の手法により、所定の操作順序(例えば左押し)で遊技を行う場合の方が、他の操作順序(例えば中押しまたは右押し)で遊技を行う場合に比べ、打順ベルに当選し、13枚のメダルの払い出しを受けることができる確率を低くすることとしてもよい。例えば、
図25に示すように、打順ベルとして、中押しが正解打順の打順ベルと、右押しが正解打順の打順ベルとを用意するとともに、左押しが正解打順の打順ベルを用意しないこととしてもよい。具体的には、例えば、各打順ベルを、左押しの場合には、必ず1枚役が入賞する当選エリアとし、中押しまたは右押しの場合には、正解打順であれば13枚役が入賞し、不正解打順であれば1枚役が入賞するかいずれの役も入賞しない当選エリアとしてもよい。なお、
図25に示す例では、正解打順であっても、停止操作のタイミングに応じて13枚役が入賞する場合と1枚役が入賞する場合といずれの役も入賞しない場合とが設定された打順ベルが用意されている。
【0379】
次に、本実施形態における出玉の調整手法について説明する。前述のように、本実施形態では、常に左押しで遊技を行う場合の方が、常に中押しで遊技を行う場合または常に右押しで遊技を行う場合に比べ、打順ベルに当選し、13枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が低くなっている。換言すると、中押しまたは右押しでの遊技は、13枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が高くなっている。したがって、何らの対策もしない場合、打順ベル当選時に打順ナビ演出が実行されない状況における遊技(例えば、通常演出状態における遊技)を、中押しまたは右押しで消化されてしまうことで、メダルの払い出しが多くなりすぎてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、当選エリア「1枚1」~「1枚8」について、RBB内部中状態における停止操作の態様と入賞する役との関係を
図26のように設定している。
【0380】
図26に示すように、当選エリア「1枚1」~「1枚8」は、当選した場合に左押しで操作がされると、必ず1枚役が入賞するようになっている。一方、当選エリア「1枚1」~「1枚8」は、当選した場合に中押しまたは右押しで操作がされると、停止操作のタイミングに応じて、1/8の確率で1枚役が入賞し、7/8の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ようになっている。すなわち、本実施形態では、常に中押しまたは右押しで遊技を行う場合の方が、常に左押しで遊技を行う場合に比べ、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し、1枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が低くなっている。このように、本実施形態では、打順ベルに当選し13枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が相対的に高い操作態様(中押しおよび右押し)を、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し1枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が相対的に低い操作態様とすることで、操作態様毎のメダルの獲得性能に差が出過ぎないようにしている。
【0381】
また、本実施形態では、演出制御手段100(指示機能制御手段51)は、AT演出状態において、打順ベルに当選した場合には13枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を実行する一方、当選エリア「1枚1」~「1枚8」が当選した場合には1枚役の入賞を補助する指示演出を実行しない。すなわち、本実施形態では、当選エリア「1枚1」~「1枚8」が当選した場合に左押しで遊技を行うことを指示する指示演出を実行すれば、遊技者が確実に1枚役を入賞させることが可能となるが、このような指示演出を実行しない。しかし、本実施形態では、当選エリア「1枚1」~「1枚8」は、左押しで遊技を行うことで確実に1枚役を入賞させることができる当選エリアとなっているので(左押しの方が中押しおよび右押しに比べ1枚役に入賞する確率が高くなっているので)、特定の役の入賞を補助する指示演出が実行されない遊技においては、左押しで遊技を行うことで中押しまたは右押しで遊技を行う場合に比べ、1枚役が入賞となる確率を高くすることができる。すなわち、AT演出状態においては、打順ナビ演出が実行される遊技では打順ナビに従った操作態様で遊技を行うことで13枚役を入賞させることが可能となっているとともに、指示演出が実行されない遊技では左押しで遊技を行うことで1枚役の入賞確率を高めることが可能となっている。換言すると、指示演出が実行されない遊技においては左押しで遊技を行うことでいずれの役にも入賞しない確率(いずれの役の入賞形態でもない図柄組合せが有効ライン上に表示される確率)を低めることができる。したがって、指示演出がされない遊技について左押しで遊技を行う動機を遊技者に与え、左押しでの遊技を促すことができる。このため、遊技全体における指示演出が実行される遊技の比率を低くしつつも、所定の操作態様での操作を促すことができる。また、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選した場合に1枚役の入賞を補助する指示演出しないようにすることで、指示込役物比率に余裕を持たせることが可能となる。すなわち、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選した場合に指示演出をする構成とした方が、一見遊技者には優しいようにも思えるが、このように構成すると、獲得したメダルが、指示込役物比率の算出において指示発生時に獲得したメダルとしてカウントされてしまう。そうすると、打順ベルやボーナスによって獲得できるメダルの枚数を削減しなければならないこととなる上、指示込役物比率を所定の範囲内に収めることが難しくなるおそれもある。特に、本実施形態のように、当選エリア「1枚1」~「1枚8」の値数が大きい場合には、このような問題が生じる。しかし、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に指示演出を行わないようにしたことで、このような問題を回避できる。
なお、当選エリア「1枚1」~「1枚8」が当選した場合に、1枚役の入賞を補助する指示演出(例えば、左押しで遊技を行うことを指示する指示演出)を実行することとしてもよい。また、当選エリア「1枚1」~「1枚8」が当選した場合であって、左押しで遊技をした場合に入賞する役を、中押しまたは右押しで遊技をした場合に入賞し得る役よりも払い出しの多い役としてもよい。例えば、当選エリア「1枚1」~「1枚8」を、左押しで遊技をした場合に3枚のメダルの払い出しが必ず受けられる当選エリアであって、中押しまたは右押しで遊技をした場合に1枚または0枚のメダルの払い出しが受けられる当選エリアとしてもよい。
【0382】
(表示された図柄組合せに応じた処理)
各当選役の入賞形態を示す図柄組合せを
図27に示す。本実施形態では、リール20a~20cが停止し、有効ライン上に
図27に示す各図柄組合せが表示されると、対応する役が入賞となるか、あるいはいずれの役も入賞しない結果(遊技結果)となる。なお、
図27においてBLK1およびBLK2とは、いずれの役も入賞しない結果となることを意味する。また、
図27において、ANYとは、いずれの図柄が表示されてもよいことを意味する。
【0383】
本実施形態では、打順ベルに当選し、不正解打順で停止操作がされた場合に、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しない(1枚役を取りこぼす)ようになっている。また、打順ベルに当選し不正解打順で停止操作がされた場合に有効ライン上に表示され得る図柄組合せとして、1枚役が入賞となる複数の図柄組合せと、いずれの役も入賞とならない複数の図柄組合せとが用意されている。
【0384】
また、打順ベルに当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、いずれの役も入賞とならない図柄組合せと、打順ベルに当選し中押しまたは右押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、いずれの役も入賞とならない図柄組合せとは、異なる図柄組合せとなっている。換言すると、本実施形態では、打順ベルに当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、いずれの役も入賞とならない図柄組合せとして、打順ベルに当選し中押しまたは右押しがされた場合には表示されない図柄組合せが用意されている。以下では、打順ベルに当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、いずれの役も入賞とならない図柄組合せ(いずれの役も入賞とならない図柄組合せであって、打順ベルに当選し中押しまたは右押しがされた場合には表示されない図柄組合せ)を、「左押し専用ブランク」と呼ぶこととする。本実施形態では、
図27のBLK1、BLK2の図柄組合せが「左押し専用ブランク」となっている。具体的には、BLK1の図柄組合せが後述する第1左押し専用ブランクに相当し、BLK2の図柄組合せが後述する第2左押し専用ブランクに相当する。
【0385】
また、打順ベルに当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、1枚役が入賞となる図柄組合せと、打順ベルに当選し中押しまたは右押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、1枚役が入賞となる図柄組合せとは、異なる図柄組合せとなっている。換言すると、本実施形態では、打順ベルに当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、1枚役が入賞となる図柄組合せとして、打順ベルに当選し中押しまたは右押しがされた場合には表示されない図柄組合せが用意されている。以下では、打順ベルに当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、1枚役が入賞となる図柄組合せ(1枚役が入賞する図柄組合せであって、打順ベルに当選し中押しまたは右押しがされた場合に表示されない図柄組合せ)を、「左押し専用1枚図柄組合せ」と呼ぶこととする。
【0386】
また、打順ベル当選時において、左押しで入賞し得る1枚役と、中押しまたは右押しで入賞し得る1枚役とは異なる1枚役となっている。具体的には、小役13~16は、打順ベル当選時に左押しをした場合に入賞し得る一方、打順ベル当選時に中押しまたは右押しをした場合には入賞しないように設定されている。すなわち、左押し専用1枚図柄組合せは、小役13~16のいずれかの入賞形態を示す図柄組合せとなっている(
図27参照)。
【0387】
なお、左押し専用ブランクおよび左押し専用1枚図柄組合せは、内部抽選の結果に関わらず、中押しまたは右押しで遊技が行われた場合には表示されることがない図柄組合せとなっている。すなわち、小役13~16は、内部抽選の結果に関わらず、中押しまたは右押しでは入賞しない役となっている。なお、左押し専用ブランクおよび左押し専用1枚図柄組合せは、少なくともRBB内部中状態においては、内部抽選の結果に関わらず、中押しまたは右押しで遊技が行われた場合には表示されることがない図柄組合せとなっていることが好ましい。
【0388】
記憶手段60のROMには、図柄情報記憶領域90が設けられている。また、図柄情報記憶領域90には、図柄組合せの所定の分類毎に予め定義(規定)された情報としての図柄情報が記憶されている。具体的には、役(内部抽選で当選し入賞する役)毎に分類された図柄組合せのグループ毎に、図柄情報が定義されている。すなわち、本実施形態では、各役について入賞となる図柄組合せが1または複数用意されているが、役毎に図柄情報が定義されており、同一の役が入賞となる図柄組合せには同一の図柄情報が定義されている。さらに具体的には、小役1~小役45、リプレイ1~リプレイ7およびビッグボーナスそれぞれの入賞形態を示す図柄組合せに対して、役毎に図柄情報が定義されている。例えば、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを示す図柄情報として「0001H」という16ビットのビット列情報が定義されており、リプレイ1の入賞形態を示す図柄組合せを示す図柄情報として「0002H」という16ビットのビット列情報が定義されている。
【0389】
また、本実施形態では、左押し専用ブランクに対して図柄情報が定義(規定)されている。また、本実施形態では、左押し専用ブランクは複数用意されており、このうちの一部の左押し専用ブランク(第1左押し専用ブランク)と、他の左押し専用ブランク(第2左押し専用ブランク)とには、異なる図柄情報が定義されている。具体的には、第1左押し専用ブランク(
図27のBLK1の図柄組合せ)を示す図柄情報として「0020H」という16ビットのビット列情報が定義されており、第2左押し専用ブランク(
図27のBLK2の図柄組合せ)を示す図柄情報として「0040H」という16ビットのビット列情報が定義されている。
【0390】
また、記憶手段60のRAMには、実際に有効ライン上に表示された図柄組合せに関する図柄情報を記憶する表示図柄情報記憶領域91が設けられている。
【0391】
遊技が開始され、第3停止操作がされて全てのリール20a~20cが停止すると、表示図柄情報記憶領域91には、有効ライン上に表示された図柄組合せに対して定義されている図柄情報が格納される。例えば、有効ライン上に、リプレイ1の入賞形態を示す図柄組合せが表示された場合、表示図柄情報記憶領域91には、リプレイ1の図柄情報である「0002H」というビット列情報が格納される。また、例えば、有効ライン上に、第1左押し専用ブランクが表示された場合、表示図柄情報記憶領域91には、第1左押し専用ブランクの図柄情報である「0020H」というビット列情報が格納される。また、例えば、有効ライン上に、第2左押し専用ブランクが表示された場合、表示図柄情報記憶領域91には、第2左押し専用ブランクの図柄情報である「0040H」というビット列情報が格納される。
【0392】
本実施形態では、表示図柄情報記憶領域91には、図柄情報の種類毎に、有効ライン上に表示された図柄組合せの図柄情報を記憶する領域が複数用意されており、有効ライン上に表示された図柄組合せに応じて、表示図柄情報記憶領域91内のどの領域に図柄情報が記憶されるかが異なっている。具体的には、表示図柄情報記憶領域91には、表示ライン上に左押し専用ブランクが表示された場合に、左押し専用ブランクの図柄情報が記憶される第1領域と、表示ライン上に左押し専用1枚図柄組合せが表示された場合に、左押し専用1枚図柄組合せの図柄情報が記憶される第2領域と、が別々に用意されている。
なお、表示図柄情報記憶領域91内の各領域のうち、有効ライン上に表示された図柄組合せに対応する領域以外の領域は、第3停止操作がされて全てのリール20a~20cが停止すると、全てのビットが「0」となるようにされている。また、表示図柄情報記憶領域91内の各領域の各ビットは、各図柄情報(各役)に対応付けられており、有効ライン上に表示された図柄組合せの図柄情報に対応するビットのみが「1」となり、他のビットは「0」となるように各図柄情報が定義されている。
【0393】
なお、本実施形態では、いずれの役も入賞とならない図柄組合せのうち、左押し専用ブランク以外の図柄組合せには、図柄情報が定義されていない。換言すると、いずれの役も入賞とならない図柄組合せのうち、中押しまたは右押しがされた場合に表示される図柄組合せには、図柄情報が定義されていない。したがって、有効ライン上に、いずれの役も入賞とならない図柄組合せのうち、左押し専用ブランク以外の図柄組合せが表示された場合、表示図柄情報記憶領域91は、全てのビットが「0」となる。
【0394】
また、本実施形態では、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報を参照して、有効ライン上に表示された図柄組合せがその遊技において(内部抽選の結果に照らして)表示が許可された図柄組合せであったか否かを判定する処理や、払出処理において払い出すメダルの枚数を決定する処理等を行う。換言すると、本実施形態では、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報に基づいて有効ライン上に表示された図柄組合せを判別する。
なお、このように記憶領域に図柄情報を格納し、格納された図柄情報を参照して、有効ライン上に表示された図柄組合せがその遊技において表示が許可された図柄組合せであったか否かを判定する方法や、払出処理において払い出すメダルの枚数を決定する方法は、周知であるため、説明を省略する。
【0395】
指示機能制御手段51は、第3停止操作がされて全てのリール20a~20cが停止し、有効ライン上に表示された図柄組合せの図柄情報が表示図柄記憶領域91に記憶されると、記憶された図柄情報を利用(参照)して、指示演出に関する処理を実行する。指示機能制御手段51が実行する処理について
図28に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明で登場するAレジスタは、メイン制御基板31のCPUの内部レジスタである。
【0396】
まず、指示機能制御手段51は、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用ブランクの図柄情報であるか否かを判定する(ステップS1)。換言すると、指示機能制御手段51は、有効ライン上に左押し専用ブランクが表示されたか否かを判定する。
【0397】
具体的には、第3停止操作がされて全てのリール20a~20cが停止し、有効ライン上に表示された図柄組合せに対して定義された図柄情報が、表示図柄情報記憶領域91に記憶されると、指示機能制御手段51は、表示図柄情報記憶領域91の第1領域に記憶された図柄情報の下位8ビットをAレジスタに取り出す。そして、指示機能制御手段51は、Aレジスタに格納されたデータ(表示図柄情報記憶領域91の第1領域に記憶された図柄情報の下位8ビット)と、ビット列「01100000B」との論理積が「0」となるか否かを判定する。そして、この論理積が「0」でなければ、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用ブランクの図柄情報であると判定し、この論理積が「0」であれば、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用ブランクの図柄情報ではないと判定する。例えば、有効ライン上に第1左押し専用ブランクが表示された場合、Aレジスタには、第1領域に記憶された図柄情報「0020H」の下位8ビットである「00100000B」が格納されていることとなるため、論理積の結果は「0」とならない。また、有効ライン上に第2左押し専用ブランクが表示された場合、Aレジスタには、第1領域に記憶された図柄情報「0040H」の下位8ビットである「01000000B」が格納されていることとなるため、論理積の結果は「0」とならない。一方、左押し専用ブランク以外の図柄組合せが有効ライン上に表示された場合には、Aレジスタに格納されるデータは「X00XXXXXB」(Xは「0」または「1」とする)となり、論理積の結果は「0」となる。
【0398】
表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用ブランクの図柄情報である場合(ステップS1でYES)、ステップS3の処理に進む。
【0399】
一方、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用ブランクの図柄情報でない場合(ステップS1でNO)、ステップS2の処理に進む。
【0400】
ステップS2では、指示機能制御手段51は、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用1枚図柄組合せの図柄情報であるか否かを判定する。換言すると、指示機能制御手段51は、有効ライン上に左押し専用1枚図柄組合せが表示されたか否かを判定する。なお、当該判定の方法は、ステップS1と同様である。
【0401】
具体的には、第3停止操作がされて全てのリール20a~20cが停止し、有効ライン上に表示された図柄組合せに対して定義された図柄情報が、表示図柄情報記憶領域91に記憶されると、指示機能制御手段51は、表示図柄情報記憶領域91の第2領域に記憶された図柄情報の下位8ビットをAレジスタに取り出す。そして、指示機能制御手段51は、Aレジスタに格納されたデータ(表示図柄情報記憶領域91の第2領域に記憶された図柄情報の下位8ビット)と、所定のビット列との論理積が「0」となるか否かを判定する。そして、この論理積が「0」でなければ、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用1枚図柄組合せの図柄情報であると判定し、この論理積が「0」であれば、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用1枚図柄組合せの図柄情報ではないと判定する。
【0402】
表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用1枚図柄組合せの図柄情報である場合(ステップS2でYES)、ステップS3の処理に進む。
【0403】
一方、表示図柄情報記憶領域91に記憶された図柄情報が、左押し専用1枚図柄組合せの図柄情報でない場合(ステップS2でNO)、ステップS3の処理を行わずに処理を終了する。
【0404】
ステップS3では、指示機能制御手段51は、指示演出に関する所定の処理を実行する。
【0405】
以上のように、本実施形態では、有効ライン上に左押し専用ブランクまたは左押し専用1枚図柄組合せが表示され、表示図柄情報記憶領域91に、左押し専用ブランクまたは左押し専用1枚図柄組合せの図柄情報が記憶されている場合に、指示演出に関する所定の処理が実行されるようになっている。
【0406】
次に、ステップS3における指示演出に関する所定の処理について説明する。
【0407】
本実施形態では、記憶手段60のRAMに設けられたポイントカウンタ93に、指示演出に関するポイントが蓄積されるようになっている。そして、指示機能制御手段51(特典付与手段82)は、所定の状況で(所定契機で)、ポイントカウンタ93に蓄積されたポイントを参照して指示演出に関する所定の抽選(特定抽選)を実行する。具体的には、指示機能制御手段51(特典付与手段82)は、例えば、CZ演出状態において特定抽選として、複数(所定回数)の達成条件(達成条件のうちの1つ、複数または全て)を達成とするか否か決定する抽選を行う。また、指示機能制御手段51(特典付与手段82)は、当該特定抽選において、ポイントカウンタ93に蓄積されたポイントを参照して特定抽選についての遊技者にとっての有利度合いを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51(特典付与手段82)は、ポイントカウンタ93に蓄積されたポイントが所定の値以上であれば、特定抽選として有利度合いが高い抽選を行い、ポイントカウンタ93に蓄積されたポイントが所定の値未満であれば、特定抽選として有利度合いが低い抽選を行うかあるいは特定抽選を実行しない。なお、当該所定の値は、固定値であってもよく、遊技の態様(例えば、いずれの打順で遊技を続けたか)や所定の抽選の結果等に応じて変動するものであってもよい。
【0408】
ステップS3では、指示演出に関する所定の処理として、ポイントカウンタ93に加算するポイント数を決定し、決定されたポイント数のポイントを付与する(ポイントカウンタ93に加算する)処理を実行する。なお、ポイントカウンタ93に加算するポイント数は、0~3ポイントの中から抽選によって決定されるが、固定数となっていてもよい。すなわち、本実施形態では、左押しで遊技を続けると、左押し専用ブランクまたは左押し専用1枚図柄組合せが有効ライン上に表示され、ポイントカウンタ93にポイントが蓄積されるようになっている。一方、中押しまたは右押しで遊技を続けた場合には、左押し専用ブランクおよび左押し専用1枚図柄組合せが有効ライン上に表示されないので、これらの図柄組合せの表示に基づくポイントの蓄積がされないようになっている。すなわち、左押し(所定の操作態様)で遊技を続けると、特定抽選の実行時にポイントカウンタ93に蓄積されたポイントが所定の値以上となりやすく、特定抽選の有利度合いが高くなりやすいようになっている。一方、中押しまたは右押し(所定の操作態様とは異なる操作態様)で遊技を続けると、特定抽選の実行時にポイントカウンタ93に蓄積されたポイントが所定の値未満となりやすく、特定抽選の有利度合いが低くなりやすいようになっている。したがって、遊技者に当該所定の操作態様で遊技を行う動機を与えることが可能となっている。
【0409】
なお、ステップS3における指示演出に関する所定の処理は、指示演出に係る所定の抽選(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行に関する抽選、AT演出状態の継続期間の増加に関する抽選等)や、指示演出に関する特典(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を上昇させる特典、AT演出状態の継続期間を増加させる特典等)の付与等であってもよい。ステップS3でこれらの抽選や特典の付与が実行される場合にも、遊技者に所定の操作態様(例えば、左押し)で遊技を行う動機を与えることができる。
【0410】
本実施形態の遊技機は、有効ライン上に表示される図柄組合せに関する図柄情報を記憶する表示図柄情報記憶領域(表示図柄情報記憶手段)91を備え、複数のリール20a~20cのうち特定のリールを最初に停止させる操作順序である第1の操作順序(例えば、左押し)で遊技を行う場合と、特定のリールとは異なるリールを最初に停止させる操作順序である第2の操作順序(例えば、中押しまたは右押し)で遊技を行う場合とで、遊技価値の獲得に対する期待度が異なる遊技機であって、役の当選態様として、第1の当選態様(例えば、打順ベル)が設定されており、リール制御手段43は、第1の当選態様を得た遊技において、第1の操作順序で遊技が行われた場合に、第1の役(例えば、小役13~16)が入賞となる第1の図柄組合せ(左押し専用1枚図柄組合せ)またはいずれの役も入賞とならない第2の図柄組合せ(左押し専用ブランク)が有効ライン上に表示されるように回転中のリールを停止させることが可能であり、図柄情報は、図柄組合せの所定の分類毎に予め定義された情報であり、図柄情報として、第2の図柄組合せに関する図柄情報が定義されており、指示機能制御手段51は、表示図柄情報記憶領域91に記憶された第2の図柄組合せに関する図柄情報を利用して指示演出に関する所定の処理を実行する。
【0411】
本実施形態では、操作順序に応じて遊技価値の獲得に対する期待度が異なるため、特定の操作順序(例えば、中押しまたは右押し)で遊技を行うことで容易に遊技価値を増加させることが可能となってしまう等の攻略性が生じてしまうおそれがある。これを回避するため、操作順序に応じて指示演出に関する処理を異ならせ、指示演出に関する有利度合いを異ならせている。ここで、所定の操作順序で操作がされたことに応じて指示演出に関する所定の処理を実行する場合、通常であれば、いずれの操作順序で操作がされたかを示す情報を参照する等して処理を実行する必要がある。しかし、本実施形態によれば、第1の操作順序で遊技が行われた場合に表示される図柄組合せであっていずれの役も入賞とならない第2の図柄組合せについて図柄情報が定義されており、当該図柄情報を利用して指示演出に関する所定の処理が行えるので、いずれの操作順序で操作がされたかを示す情報を参照しなくとも、第1の操作順序で操作がされたことに応じた処理を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、指示演出に関する処理を効率的に実行できる。
【0412】
また、本実施形態の遊技機は、有効ライン上に表示される図柄組合せに関する図柄情報を記憶する表示図柄情報記憶領域(表示図柄情報記憶手段)91を備え、複数のリール20a~20cのうち特定のリールを最初に停止させる操作順序である第1の操作順序(例えば、左押し)で遊技を行う場合と、特定のリールとは異なるリールを最初に停止させる操作順序である第2の操作順序(例えば、中押しまたは右押し)で遊技を行う場合とで、遊技価値の獲得に対する期待度が異なる遊技機であって、役の当選態様として、第1の当選態様(例えば、打順ベル)が設定されており、リール制御手段43は、第1の当選態様を得た遊技において、第1の操作順序で遊技が行われた場合に、第1の役(例えば、小役13~16)が入賞となる第1の図柄組合せ(左押し専用1枚図柄組合せ)が有効ライン上に表示されるように回転中のリールを停止させることが可能であり、第1の図柄組合せは、内部抽選の結果に関わらず、第2の操作順序で遊技が行われた場合には表示されない図柄組合せであり、図柄情報は、図柄組合せの所定の分類毎に予め定義された情報であり、図柄情報として、第1の図柄組合せに関する図柄情報が定義されており、指示機能制御手段51は、表示図柄情報記憶領域91に記憶された第1の図柄組合せに関する図柄情報を利用して指示演出に関する所定の処理を実行する。
【0413】
本構成によれば、第1の操作順序で遊技が行われた場合に表示される第1の図柄組合せについて図柄情報が定義されており、当該図柄情報を利用して指示演出に関する所定の処理が行えるので、いずれの操作順序で操作がされたかを示す情報を参照しなくとも、第1の操作順序で操作がされたことに応じた処理を行うことができる。したがって、本発明によれば、指示演出に関する処理を効率的に実行できる。
【0414】
なお、表示図柄情報記憶領域(表示図柄情報記憶手段)91には、第3停止操作がされた後の所定のタイミングにおいては、実際に有効ライン上に表示された図柄組合せに関する図柄情報が格納されていることとなるが、当該図柄情報が格納されるのは、第3停止操作がされ全てのリール20a~20cが停止した後であってもよく、第3停止操作がされ全てのリール20a~20cが停止する前(例えばリールが滑っている間等)であってもよい。換言すると、「有効ライン上に表示される図柄組合せに関する図柄情報を記憶する表示図柄情報記憶領域(表示図柄情報記憶手段)91」とは、第3停止操作がされ全てのリール20a~20cが停止した後に図柄情報(遊技の結果表示される図柄組合せの図柄情報)が表示図柄情報記憶領域(表示図柄情報記憶手段)91に記憶(格納)される構成と、第3停止操作がされ全てのリール20a~20cが停止する前に図柄情報(遊技の結果表示される図柄組合せの図柄情報)が表示図柄情報記憶領域(表示図柄情報記憶手段)91に記憶(格納)される構成との両方を含むものである。
【0415】
また、本実施形態では、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し、左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、1枚役が入賞となる図柄組合せと、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し中押しまたは右押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、1枚役が入賞となる図柄組合せとは、異なる図柄組合せとなっている。換言すると、本実施形態では、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、1枚役が入賞となる図柄組合せとして、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し中押しまたは右押しがされた場合には表示されない図柄組合せが用意されている。以下では、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、1枚役が入賞となる図柄組合せ(1枚役が入賞する図柄組合せであって、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し中押しまたは右押しがされた場合に表示されない図柄組合せ)を、「特定左押し専用1枚図柄組合せ」と呼ぶこととする。
【0416】
また、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時において、左押しで入賞し得る1枚役と、中押しまたは右押しで入賞し得る1枚役とは異なる1枚役となっている。具体的には、小役45は、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しをした場合に入賞し得る一方、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に中押しまたは右押しをした場合には入賞しないように設定されている。すなわち、特定左押し専用1枚図柄組合せは、小役45の入賞形態を示す図柄組合せとなっている(
図27参照)。
【0417】
なお、特定左押し専用1枚図柄組合せは、内部抽選の結果に関わらず、中押しまたは右押しで遊技が行われた場合には表示されることがない図柄組合せとなっている。すなわち、小役45は、内部抽選の結果に関わらず、中押しまたは右押しでは入賞しない役となっている。なお、特定左押し専用1枚図柄組合せは、少なくともRBB内部中状態においては、内部抽選の結果に関わらず、中押しまたは右押しで遊技が行われた場合には表示されることがない図柄組合せとなっていることが好ましい。
【0418】
ここで、打順ベル当選時に左押しで入賞し得る1枚役(小役13~16)と、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しで入賞し得る1枚役(小役45)とは、異なる役となっている。すなわち、打順ベル当選時に左押しで入賞し得る1枚役は、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しをしても入賞することはなく、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しで入賞し得る1枚役は、打順ベル当選時に左押しをしても入賞することはないようにされている。換言すると、特定左押し専用1枚図柄組合せは、左押し専用1枚図柄組合せと異なる図柄組合せとなっている。
【0419】
このように、打順ベル当選時に左押しで入賞し得る1枚役(小役13~16)と、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しで入賞し得る1枚役(小役45)とを異ならせることで(入賞に係る条件装置の種類を異ならせることで)、いずれの操作順序で操作がされたかを示す情報を参照しなくとも、打順ベル当選時に左押しで操作がされた場合と、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しで操作がされた場合とで、指示演出に関する処理を異ならせることができる。すなわち、打順ベル当選時に左押しで操作がされた場合と、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しで操作がされた場合とのうち、一方の場合と他方の場合とで実行する抽選(指示演出に関する抽選)の種類を異ならせたり、一方の場合と他方の場合とで所定の抽選(指示演出に関する抽選)を行うか否かを異ならせたり、一方の場合では停止操作の順序に関わらず所定の抽選(指示演出に関する抽選)を行うが他方の場合では左押しの場合にしか所定の抽選(指示演出に関する抽選)を行わないというように処理を異ならせたりすることが、いずれの操作順序で操作がされたかを参照することなく実現できる。
ただし、打順ベル当選時に左押しで入賞し得る1枚役(換言すると左押し専用1枚図柄組合せ)と、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しで入賞し得る1枚役(換言すると特定左押し専用1枚図柄組合せ)とを(これらの少なくとも一部を)同一としてもよい。このようにすることで、役(入賞に係る条件装置)の数を少なくし、記憶手段60の容量に余裕を持たせることが可能となる。
【0420】
なお、本実施形態では、
図26に示すように、当選エリア「1枚1」~「1枚8」は、当選した場合に左押しで操作がされると、必ず1枚役が入賞するようになっているが、左押しで操作がされた場合に所定の確率で1枚役を取りこぼす(いずれの役も入賞しない)ようになっていてもよい。この場合に、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、いずれの役も入賞とならない図柄組合せと、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し中押しまたは右押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、いずれの役も入賞とならない図柄組合せとを、異なる図柄組合せとしてもよい。以下では、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し左押しがされた場合に表示される図柄組合せであって、いずれの役も入賞とならない図柄組合せ(いずれの役も入賞とならない図柄組合せであって、当選エリア「1枚1」~「1枚8」に当選し中押しまたは右押しがされた場合には表示されない図柄組合せ)を、「特定左押し専用ブランク」と呼ぶこととする。この場合に、左押し専用ブランクと特定左押し専用ブランクとを異なる図柄組合せとしてもよい。このようにすることで、いずれの操作順序で操作がされたかを示す情報を参照しなくとも、打順ベル当選時に左押しで操作がされた場合と、当選エリア「1枚1」~「1枚8」当選時に左押しで操作がされた場合とで、指示演出に関する処理を異ならせることができる。
ただし、左押し専用ブランクと、特定左押し専用ブランクとを(これらの少なくとも一部を)同一の図柄組合せとしてもよい。
【0421】
上述した各実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
【0422】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0423】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0424】
20a,20b,20c リール
42 内部抽選手段
43 リール制御手段
44 入賞判定手段
51 指示機能制御手段
91 表示図柄情報記憶領域(表示図柄情報記憶手段)