(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】不動産物件内見システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240130BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2022040871
(22)【出願日】2022-03-16
(62)【分割の表示】P 2021167331の分割
【原出願日】2021-10-12
【審査請求日】2023-05-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年10月29日付け発明の新規性の例外の規定の適用を受けるための証明書(1)乃至(5)に記載の行為で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518279303
【氏名又は名称】ショウタイム24株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136847
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成
(72)【発明者】
【氏名】市川 達也
(72)【発明者】
【氏名】打山 誠彦
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第7048135(JP,B1)
【文献】特開2020-024666(JP,A)
【文献】特開2017-207998(JP,A)
【文献】特許第6865992(JP,B1)
【文献】特許第6923992(JP,B1)
【文献】特開2004-013217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0228839(US,A1)
【文献】栗山 勝宏,CX戦略起点のサービス革新,知的資産創造 Vol.28 No.2 Knowledge Creation and Integration,日本,株式会社野村総合研究所 Nomura Research Institute,2020年01月20日,第28巻,第36-43頁
【文献】ジャイアン鈴木,取りつけ方から使い勝手まですべてわかった スマートロックを自宅で大実験,週刊アスキー 第27巻 通巻1028号,日本,株式会社KADOKAWA,2015年05月12日,第27巻,第88-93頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子錠の種別毎に設けられており、外部の情報処理装置から送信されてくる
API連携情報に基づいて、不動産物件に取り付けられた前記電子錠を操作することが可能な複数の電子錠サーバをネットワーク上に備えており、取引の対象となる前記不動産物件に設置された前記電子錠を、ユーザが使用するユーザ端末又は管理者が使用する管理者端末からの指示に基づいて、操作することが可能な不動産内見システムであって、
前記不動産物件に設置された前記電子錠と、
前記不動産物件に設置された前記電子錠の種別に応じて、前記電子錠の操作に必要な
API連携情報を登録する管理サーバとを備え、
前記管理サーバは、前記外部の情報処理装置であり、前記ユーザ端末又は前記管理者端末からの指示によって操作対象となっている前記電子錠の種別に対応した前記電子錠サーバに対して、前記電子錠の操作に必要な前記
API連携情報を送信し、
前記
API連携情報を受信した前記電子錠サーバは、前記管理サーバからの指示に応じて、前記ネットワークを介して、前記電子錠を操作することを特徴とする、不動産内見システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、前記ユーザ端末からの内見予約を受け付け、予約時刻の到来に合わせて、前記ユーザ端末に前記電子錠の解錠を可能とするボタンを表示させ、前記ユーザによって、前記ボタンが押下された場合に、前記電子錠サーバに対して、前記
API連携情報と共に、解錠指示を送信し、
対応する前記電子錠サーバが、前記管理サーバからの指示に応じて、前記ネットワークを介して、前記電子錠を操作することを特徴とする、請求項1に記載の不動産内見システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、予約の時間が終了した場合、前記ユーザ端末に表示されていた前記ボタンを無効にすることを特徴とする、請求項2に記載の不動産内見システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記不動産物件毎に、少なくとも1つの識別コードを割り振っており、
前記識別コードは、URLを示すものであり、
前記管理者端末は、割り振られた前記識別コードに対する説明情報を、前記管理サーバに登録することができ、
前記管理サーバは、前記識別コードに対応して登録された説明情報を示すWEBページを、前記URLに対応させて、生成することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の不動産内見システム。
【請求項5】
前記説明情報は、文章、合成音声、画像、及び動画の少なくともいずれか1つであることを特徴とする、請求項4に記載の不動産内見システム。
【請求項6】
前記識別コードは、印刷されて、前記不動産物件に設置されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の不動産内見システム。
【請求項7】
前記不動産物件には、ネットワークカメラが設置されており、
前記管理サーバは、前記ネットワークカメラへアクセスするための情報を登録しており、
前記管理者端末は、前記管理サーバを介して、前記ネットワークカメラからの画像を視聴することができることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の不動産内見システム。
【請求項8】
前記管理サーバは、前記電子錠の施錠の状態を前記管理者端末が確認できるように、前記管理者端末に表示することを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の不動産内見システム。
【請求項9】
前記管理サーバを介して、前記ユーザ端末と前記管理者端末とは、チャット及び/又はビデオ通話を行うことができることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の不動産内見システム。
【請求項10】
前記管理サーバは、前記ユーザ端末に対して、申し込み希望の物件を選択できるようにする表示を行い、前記ユーザ端末によって、物件の申し込みが入力された場合、前記管理者端末に対して、物件の申し込みがあった旨を通知することを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の不動産内見システム。
【請求項11】
前記管理サーバは、前記ユーザ端末によって、前記物件の申し込みがあった場合、当該不動産物件の内見の予約又は申し込みができないようにすることを特徴とする、請求項10に記載の不動産内見システム。
【請求項12】
前記管理者端末は、前記ユーザ端末に対して、重要事項説明書及び/又は契約書を、前記管理サーバを介して、送信することが可能であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の不動産内見システム。
【請求項13】
前記管理者端末と前記ユーザ端末との間で、重要事項説明書及び/又は契約書の説明のために、前記管理サーバを介して、チャット及び/又はビデオ通話を行うことができることを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の不動産内見システム。
【請求項14】
前記管理サーバは、ユーザからの契約書を前記管理者端末に送信することが可能であることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の不動産内見システム。
【請求項15】
前記管理サーバは、前記不動産物件の取引のための決済手段を、前記ユーザ端末に提供することが可能であることを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の不動産内見システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産物件を内見するためのシステムに関し、より特定的には、オーナーや売主、仲介業者など(以下、「管理者」という。)が立ち会うことなく、入居希望者や購入希望者など(以下、「ユーザ」という。)が内見することができるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の不動産物件内見システムは、内見される物件が、物件管理者端末(4)(かっこ内の符号は特許文献に記載の符号である。以下同様。)との間で双方向通信可能な通信手段を有する玄関錠(5)と、当該物件内部に設けられた物件管理者端末に画像送信可能な撮像装置(6)とを備える。当該不動産物件内見システムでは、当該玄関錠(5)を備えることで、管理者が現地に赴かなくても、玄関錠が解錠され、且つ施錠されることとなるので、管理者の負荷が減り、不動産業者等にとって、人件費等のコスト低減が可能となる。また、当該不動産物件内見システムでは、撮像装置(6)によって、室内の様子の画像が、管理者に送信されるので、管理者が内見者の行動をチェックでき、内見者の勝手な行動を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遠隔で操作可能な電子錠が種々開発されているが、取引の対象となる不動産物件(以下、「取引物件」という。)の玄関扉の形状等によっては、設置できない電子錠も存在する。たとえば、取引物件に現在付いているサムターンの形状や位置によっては、設置できない電子錠もあれば、設置できる電子錠もある。また、当該不動産物件に、電子錠が予め備え付けられていたり、又は、管理者が電子錠を所有していたりする場合もある。
【0005】
そのため、不動産内見システムが、様々な種類の電子錠に対応していれば、管理者不在の無人での内見を、さらに普及させることが期待できる。
【0006】
しかし、玄関錠(4)として様々な種類の電子錠を用いるために、どのような構成とすべきかについては、特許文献1には、記載がない。
【0007】
それゆえ、本発明は、様々な種類の電子錠に対応することが可能な不動産内見システムを提供することを目的とする。
【0008】
また、無人での内見システムでは、管理者がいないので、取引物件の設備やアピールポイントなどを、ユーザに向けて説明することができない。特許文献1では、ユーザのスマートフォン等に電話して管理者が説明することについて記載されているが、完全に無人の状態でのこのようなアピールポイントの説明について、特許文献1には、記載されていない。
【0009】
それゆえ、本発明は、取引物件でのアピールポイントを、管理者不在の無人でも、ユーザが確認できる不動産内見システムを提供することを目的とする。
【0010】
また、近年では、チャットやビデオ通話が普及しており、従来のように、電話で説明するよりも、チャットやビデオ通話で説明する方が、ユーザにアピールしやすい場合がある。
【0011】
しかし、特許文献1には、スマートフォン等に電話することしか記載されていない。
【0012】
それゆえ、本発明は、チャットやビデオ通話による説明を可能とする不動産内見システムを提供することを目的とする。
【0013】
さらに、無人で内見したあと、取引物件の申し込みから重要事項説明、契約までも、非対面で行うことができれば、管理者及びユーザの双方にとってのメリットがある。
【0014】
しかし、従来、無人での内見のあとの契約までをも、非対面で行うことが可能なシステムは、存在しなかった。
【0015】
それゆえ、本発明は、無人での内見のあとの契約までをも、非対面で行うことが可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、電子錠の種別毎に設けられており、外部の情報処理装置から送信されてくるAPI連携情報に基づいて、不動産物件に取り付けられた電子錠を操作することが可能な複数の電子錠サーバをネットワーク上に備えており、取引の対象となる不動産物件に設置された電子錠を、ユーザが使用するユーザ端末又は管理者が使用する管理者端末からの指示に基づいて、操作することが可能な不動産内見システムであって、不動産物件に設置された電子錠と、不動産物件に設置された電子錠の種別に応じて、電子錠の操作に必要なAPI連携情報を登録する管理サーバとを備える。
【0017】
管理サーバは、上記の外部の情報処理装置であり、ユーザ端末又は管理者端末からの指示によって操作対象となっている電子錠の種別に対応した電子錠サーバに対して、電子錠の操作に必要なAPI連携情報を送信する。API連携情報を受信した電子錠サーバは、管理サーバからの指示に応じて、ネットワークを介して、電子錠を操作する。
【0018】
好ましくは、管理サーバは、ユーザ端末からの内見予約を受け付け、予約時刻の到来に合わせて、ユーザ端末に電子錠の解錠を可能とするボタンを表示させ、ユーザによって、ボタンが押下された場合に、電子錠サーバに対して、情報と共に、解錠指示を送信する。対応する電子錠サーバが、管理サーバからの指示に応じて、ネットワークを介して、電子錠を操作する。
【0019】
好ましくは、管理サーバは、予約の時間が終了した場合、ユーザ端末に表示されていたボタンを無効にする。
【0020】
好ましくは、管理サーバは、不動産物件毎に、少なくとも1つの識別コードを割り振っている。識別コードは、URLを示すものである。管理者端末は、割り振られた識別コードに対する説明情報を、管理サーバに登録することができる。管理サーバは、識別コードに対応して登録された説明情報を示すWEBページを、URLに対応させて、生成する。
【0021】
好ましくは、説明情報は、文章、合成音声、画像、及び動画の少なくともいずれか1つである。
【0022】
好ましくは、識別コードは、印刷されて、不動産物件に設置されている。
【0023】
好ましくは、不動産物件には、ネットワークカメラが設置されている。管理サーバは、ネットワークカメラへアクセスするための情報を登録している。管理者端末は、管理サーバを介して、ネットワークカメラからの画像を視聴することができる。
【0024】
好ましくは、管理サーバは、電子錠の施錠の状態を管理者端末が確認できるように、管理者端末に表示する。
【0025】
好ましくは、管理サーバを介して、ユーザ端末と管理者端末とは、チャット及び/又はビデオ通話を行うことができる。
【0026】
好ましくは、管理サーバは、ユーザ端末に対して、申し込み希望の物件を選択できるようにする表示を行い、ユーザ端末によって、物件の申し込みが入力された場合、管理者端末に対して、物件の申し込みがあった旨を通知する。
【0027】
好ましくは、管理サーバは、ユーザ端末によって、物件の申し込みがあった場合、当該不動産物件の内見の予約又は申し込みができないようにする。
【0028】
好ましくは、管理者端末は、ユーザ端末に対して、重要事項説明書及び/又は契約書を、管理サーバを介して、送信することが可能である。
【0029】
好ましくは、管理者端末とユーザ端末との間で、重要事項説明書及び/又は契約書の説明のために、管理サーバを介して、チャット及び/又はビデオ通話を行うことができる。
【0030】
好ましくは、管理サーバは、ユーザからの契約書を管理者端末に送信することが可能である。
【0031】
好ましくは、管理サーバは、不動産物件の取引のための決済手段を、ユーザ端末に提供することが可能である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、複数のメーカーの電子錠毎に、操作に必要な情報を管理サーバに格納しておいて、管理サーバが管理者端末又はユーザ端末からの指示を受けたら、管理サーバが電子錠サーバに対して、電子錠の操作を指示して、電子錠を操作することができる。そのため、様々な種類の電子錠に対応することが可能な不動産内見システムが提供されることとなる。
【0033】
また、ユーザからの内見予約を受け付けて、予約時間が到来した場合に、ボタンを表示してユーザが解錠できるようにすることで、予約時間以外に、ユーザが不動産物件に入室できないようにできる。
【0034】
予約時間が終了した場合に、ボタンを無効にすれば、ユーザが、予約時間以外に、ユーザが不動産物件に入室できないようにできる。
【0035】
管理サーバが識別コードに対応して登録された説明情報を示すWEBページをURLに対応させて生成することで、説明情報を識別コードという簡易な方法で登録できる。
【0036】
また、合成音声や文字、写真、動画なで、ユーザ端末から容易に閲覧等ができる構成とすることで、不動産物件でのアピールポイントを、管理者不在の無人でも、ユーザが確認できる不動産内見システムが提供されることとなる。
【0037】
ネットワークカメラを用いて、管理者端末から室内の様子を閲覧できるようにすることで、ユーザに心理的圧力をかけて、いたずらの防止など、防犯効果を高めることができる。
【0038】
電子錠の施錠の状態を管理者端末で確認できるようにすることで、管理者は安心できる。
【0039】
また、本発明によれば、チャットやビデオ通話による説明を可能とする不動産内見システム1が提供される。
【0040】
また、本発明によれば、無人での内見のあとの契約までをも、非対面で行うことが可能な不動産内見システム1が提供されることとなる。
【0041】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態における不動産内見システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、管理サーバ2の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3(a)は、管理サーバ2の記憶部2eに記憶されている物件管理者情報の一例を示す図である。
図3(b)は、管理サーバ2の記憶部2eに記憶されている物件情報の一例を示す図である。
図3(c)は、管理サーバ2が管理者端末3に対して提供する識別コードに対応する説明情報の入力画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、管理者端末3での物件情報の入力動作を行うときの管理者端末3での動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、取引物件6での作業工程を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、管理サーバ2での情報の登録動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、管理者端末3からの指示で電子錠6bが操作させる場合の管理者端末3、管理サーバ2、電子錠サーバ5、通信機器6a、及び電子錠6bの動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ユーザ端末4での予約からユーザの退室までのユーザ端末4、管理サーバ2、及び管理者端末3の動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、申し込みから、重要事項説明、契約、及び決済までのユーザ端末4、管理サーバ2、及び管理者端末3の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1において、不動産内見システム1は、管理サーバ2と、複数の管理者端末3と、複数のユーザ端末4と、複数の電子錠サーバ5(ここでは、一例として、電子錠サーバA及び電子錠サーバBを図示)と、複数の取引物件6と、各取引物件6に設置された通信機器6a(ここでは、電子錠サーバA及び電子錠サーバBに対応して通信機器A及び通信機器Bを図示)、電子錠6b(ここでは、電子錠サーバA及び電子錠サーバBに対応して電子錠A及び電子錠Bを図示)、及びIoT家電6cと、ネットワーク7とを備える。また、取引物件6には、ネットワークカメラ6dが設置されている。ネットワークカメラ6dは、通信機器6aを介して、ネットワーク7に接続されてもよいし、通信機器6aとは別の手段で、ネットワーク7に接続されてもよい。
【0044】
管理サーバ2は、不動産内見システム1の全体の動作を制御している。管理サーバ2は、通常のコンピュータ装置に、必要なプログラムをインストールしたものである。
図2に示すように、管理サーバ2は、通常のコンピュータ装置と同様、制御部2aと、出力部2bと、入力部2cと、通信部2dと、記憶部2eとを備える。
【0045】
記憶部2eには、本実施形態を実現するために、ユーザ向けプログラム、管理者向けプログラム、管理プログラム、物件管理者情報、及びユーザ情報が格納されている。
【0046】
ユーザ向けプログラムは、ユーザが取引物件の内見を予約したり、予約時間になったら解錠の操作をしたり、管理者との間でチャットやビデオ通話をしたり、契約の申し込み等をしたりするためのプログラムである。ここでは、ユーザ向けプログラムは、WEBアプリとして提供されることとしており、ユーザがログインすることで、ユーザは、ユーザ向けプログラムを利用できるようにしている。ただし、ユーザ向けプログラムは、WEBアプリに限定されず、スマホアプリのように、ユーザ端末4に、インストールされた上で、管理サーバ2とユーザ端末4とがやりとりして、実行されるプログラムであってもよい。
【0047】
管理者向けプログラムは、管理者が取引物件の情報を登録したり、取引物件の予約状況を確認したり、取引物件の施錠の様子を確認したり、ネットワークカメラ6dの画像を確認したり、ユーザとの間でチャットやビデオ通話をしたり、契約に関する書類をユーザに送信したりするためのプログラムである。ここでは、管理者向けプログラムは、WEBアプリとして提供されることとしており、管理者がログインすることで、管理者は、管理者向けプログラムを利用できるようにしている。ただし、管理者向けプログラムは、WEBアプリに限定されず、スマホアプリのように、管理者端末3に、インストールされた上で、管理サーバ2と管理者端末3とがやりとりして、実行されるプログラムであってもよい。
【0048】
管理プログラムは、管理サーバ2において、全てのユーザや管理者、取引物件の情報を管理したり、電子錠6bの操作を電子錠サーバ5に指示したり、ネットワークカメラ6dからの画像を管理者毎に閲覧できるようにしたり、ユーザの予約状況を管理したり、ユーザと管理者とのチャットやビデオ通話を実現したりするためのプログラムである。
【0049】
物件管理者情報は、管理者毎に紐付けられた情報である。
図3(a)に一例を示すように、たとえば、物件管理者情報には、管理者基本情報と、物件リストと、内見予約リストと、契約申し込みリストとが含まれている。管理者基本情報は、管理者に関する連絡先などの基本的な情報である。物件リストには、物件情報が含まれている。内見予約リストには、予約者、物件名、及び予約年月日などの情報が含まれている。契約申し込みリストには、契約者、物件名、契約年月日、及び入居予定日などの情報が含まれている。
【0050】
図3(b)の一例に示すように、物件情報には、基本情報と、設備・条件・特徴情報と、電子錠情報と、説明情報と、ネットワークカメラ情報と、IoT家電情報とが含まれている。基本情報には、物件の住所や広さなどの基本的な情報が含まれている。設備・条件・特徴情報には、物件の設置設備や入居条件、特徴などの情報が含まれている。
【0051】
電子錠情報には、物件で使用されている電子錠の種別や、開閉に必要な情報が含まれている。開閉に必要な情報は、電子錠の種別毎に異なる。たとえば、A社の電子錠を用いる場合は、電子錠Aに紐付けられた通信機器Aの識別情報(シリアルナンバーなど)を用いる。たとえば、B社の電子錠を用いる場合は、電子錠Bに通信機器Bを紐付けた後、スマートフォンの専用アプリを使って、電子錠サーバBと電子錠Bとを紐付けることで、API連携情報を入手できるようになっている。このような場合は、当該API連携情報が、開閉に必要な情報として、電子錠情報に登録されている。
【0052】
電子錠情報としてどのような情報を用いるかは、電子錠6bのメーカー毎によって異なるが、本発明では、メーカー毎の電子錠情報を管理サーバ2に格納しておいて、管理サーバ2が、操作したい電子錠6bに対応する電子錠サーバ5に対して、電子錠情報及び操作指示内容(解錠や施錠など)を送信することで、各メーカーの電子錠に対応できるようにしている点に特徴がある。電子錠サーバ5は、典型的には、API(Application Programming Interface)の技術を使って、このような外部からの指令を受け取って、正当な権限を有する者からの電子錠6bの操作を許容している。なお、このような外部からの指示の受け取り方法は、APIの技術に限るものではないことは言うまでもなく、周知のあらゆる手法を用いることができる。
【0053】
説明情報は、管理サーバ2が取引物件6に割り振った少なくとも1つの識別コードと、当該識別コードに紐付けされて登録された文章、合成音声、画像、及び動画の少なくともいずれか1つの情報とを含む。識別コードは、URLを示している。識別コードとしては、典型的には、2次元バーコードであるとよいが、それに限られるものではない。管理サーバ2は、当該URLに対応するWEBページを生成する。たとえば、
図3(c)に示すように、リモートカメラを説明する情報が、音声テキストや表示テキストで示されている。音声テキストで示された文字が合成音声で、当該WEBページから出力される。また、表示テキストで示された文字が、当該WEBページに表示される。また、表示画像や動画などが、当該WEBページに表示される。管理者は、当該識別コードを印刷して、パンフレットや取引物件6の内部に掲載しておく。ユーザは、手持ちのスマートフォンなどを使って、当該識別コードを読み取る。すると、当該WEBページが表示されて、詳細な説明を見たり聞いたりすることができる。
【0054】
ネットワークカメラ情報は、ネットワークカメラからの画像を得るために必要な情報である。
【0055】
IoT家電情報は、IoT家電を操作するために必要な情報である。
【0056】
IoT家電6cやネットワークカメラ6dを操作するためのシステムやサービスは種々実用化されており、将来提供されるものも含めて、どのようなシステムやサービスを使って実現してもよい。管理サーバ2を介して、管理者端末3が、ネットワークカメラ6dがIoT家電6cを操作する場合に限られない。
【0057】
IoT家電6cは、管理者端末3から操作できるようにしてある。たとえば、内見の予約に合わせて、エアコンや照明のスイッチをオンにしておくように、管理者は、IoT家電を遠隔操作するとよい。
【0058】
ユーザ情報は、ユーザの氏名や連絡先、身分証明書などを含む。
【0059】
管理者端末3は、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、管理者が使用するコンピュータ装置である。不動産内見システム1を使用する方法として、代表的には、2つの方法がある。1つは、管理サーバ2がWEBアプリケーションを提供しており、管理者端末3を用いて、管理サーバ2のWEBアプリケーションにログインして、不動産内見システム1のサービスをユーザが利用できるようにする方法である。もう一つは、管理者端末3に、専用のアプリケーションをインストールして、管理者端末3を用いて、インストールされたアプリケーションを実行して、不動産内見システム1のサービスをユーザが利用できるようにする方法である。当然、管理者端末3での操作が可能な方法であれば、本発明においては、これ以外の方法が用いられてもよいことは言うまでもない。
【0060】
ユーザ端末4は、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、ユーザが使用するコンピュータ装置である。不動産内見システム1を使用する方法として、代表的には、2つの方法がある。1つは、管理サーバ2がWEBアプリケーションを提供しており、ユーザ端末4を用いて、管理サーバ2のWEBアプリケーションにログインして、不動産内見システム1のサービスをユーザが利用できるようにする方法である。もう一つは、ユーザ端末4に、専用のアプリケーションをインストールして、ユーザ端末4を用いて、インストールされたアプリケーションを実行して、不動産内見システム1のサービスをユーザが利用できるようにする方法である。当然、ユーザ端末4での操作が可能な方法であれば、本発明においては、これ以外の方法が用いられてもよいことは言うまでもない。
【0061】
電子錠サーバ5は、電子錠6bの各メーカーのコンピュータ装置である。電子錠サーバ5は、通信機器6aを介して、電子錠6bを操作することができる。
【0062】
通信機器6aは、電子錠6bの各メーカーの指定するゲートウェイなどである。ただし、電子錠6bのメーカーがゲートウェイ以外の方法で、電子錠6bの操作を可能としているのであれば、当該メーカーの指定する通信機器6aが取引物件に設置される。
【0063】
電子錠6bは、典型的には、サムターンに対して後付けすることができるものであるが限定されない。当然、電子錠6bは、ドアに埋め込まれているなど、元々取り付けられており、ネットワーク7を介して、電子錠サーバ5が操作可能な電子錠であってもよい。
【0064】
IoT家電6cは、ネットワーク7を介して、管理者端末3が操作可能な家電である。本発明において、IoT家電6cは、任意の構成であり、必須ではない。管理サーバ2上に、IoT家電6cを操作できるプログラムが導入されていてもよいし、管理サーバ2とは別なサービスを利用して、管理者が、管理者端末3を使って、IoT家電6cを操作できるようにしてよい。
【0065】
ネットワークカメラ6dは、ネットワーク7を介して、管理者端末3が操作可能な撮像手段である。本実施形態では、管理サーバ2にログインした管理者端末3が、ログイン画面の中で、ネットワークカメラ6dからの画像を視聴できるようにしているが、必須ではない。管理サーバ2とは別なサービスを利用して、管理者が、管理者端末3を使って、ネットワークカメラ6dからの画像を視聴してもよい。
【0066】
以上のように構成された不動産内見システム1において、
図4~
図9を参照しながら、各フェーズでの各装置の動作について説明する。
【0067】
まず、
図4を参照しながら、管理者端末3での物件情報の入力動作を行うときの管理者端末3での動作について説明する。管理者は、管理者端末3を用いて、管理サーバ2の提供する管理者向けプログラムにログインして、物件情報の入力を開始する(ステップS101)。管理者端末3を用いて、管理者は、基本情報を入力し(ステップS102)、設備・条件・特徴情報を入力する(ステップS103)。
【0068】
次に、管理者は、管理者端末3を用いて、希望する電子錠の種別(電子錠のメーカー名でもよい)を入力する(ステップS104)。この入力は、不動産内見システム1がその時点で提供可能なメーカーの電子錠を選択するように、選択式で行われるとよいが、限定されるものではない。なお、ステップS104の動作は、別途、管理サーバ2側で、設定するようにしてもよい。
【0069】
電子錠の種別によっては、取引物件の玄関扉に取り付けられない場合がある。したがって、管理者は、取引物件の玄関扉に取り付けることができる電子錠を選択する必要がある。従来のように、一社のメーカーの電子錠だけしか取扱いできないというのであれば、そのメーカーの電子錠が取り付けられない玄関扉には、不動産内見システム1を導入できないということになってしまう。しかし、不動産内見システム1では、複数のメーカーの電子錠の中から最適な電子錠を選択することができるようにしているので、取引物件の取扱い件数を多くすることが可能となるのである。
【0070】
次に、管理者は、管理者端末3を用いて、説明情報を入力する(ステップS105)。全ての入力が終わると、管理者端末3は、入力された物件情報を管理サーバ2へ送信する(ステップS106)。
【0071】
このような管理者端末3の動作によって、物件情報の入力が完了する。
【0072】
図5を参照しながら、取引物件での作業工程について説明する。まず、管理者又は不動産内見システム1の提供者(以下、「管理者等」という。)は、選択した電子錠6bを設置する(ステップS201)。次に、管理者等の提供者は、当該電子錠6bに対応する通信機器6aを設置する(ステップS202)。次に、管理者等は、電子錠6bと通信機器6aとを紐付ける(ステップS203)。A社の電子錠であれば、Bluetooth(登録商標)を用いて、電子錠6bと通信機器6aとをペアリングすることで、紐付けが完了する。B社の電子錠であれば、通信機器6aと電子錠6bとを専用のスマホアプリを使って紐付ける。通信機器6aは、ネットワーク7を介して、自社の電子錠サーバ5と通信可能となっている。
【0073】
次に、管理者等は、電子錠6bの開閉操作に必要な情報を取得する(ステップS204)。電子錠6bの開閉操作に必要な情報は、A社の電子錠であれば、通信機器6aのシリアル番号であり、B社の電子錠であれば、専用のスマホアプリに表示されるAPI連携情報である。
【0074】
次に、管理者等は、説明情報に対応する識別コードを取引物件に掲載するなどして、説明用のPOPを設置する(ステップS205)。次に、管理者等は、ネットワークカメラ6dを設置する(ステップS206)。
【0075】
このようにして、実際の取引物件において、電子錠6b及び通信機器6aが設置され、電子錠6bの開閉に必要な情報が取得される。なお、ここでは、電子錠6bの開閉に必要な情報を、取引物件の現場で取得することとしているが、これに限られるものではない。たとえば、メーカーから、電子錠と通信機器を入手した段階で、取引物件とは別な場所で、予め電子錠と通信機器とを紐付けておいて、取引物件に設置する前に、事前に、電子錠6bの開閉に必要な情報が取得されていてもよい。
【0076】
図6を参照しながら、管理サーバ2での情報の登録動作について説明する。まず、管理サーバ2は、情報を登録したい物件情報を読み込む(ステップS301)。次に、管理サーバ2は、設置した電子錠6bの種別を選択させる(ステップS302)。次に、管理サーバ2は、設置した電子錠6bに応じて、電子錠6bの開閉に必要な情報を登録させる(ステップS303)。たとえば、管理サーバ2は、A社の電子錠であれば、通信機器6aのシリアル番号を登録させ、B社の電子錠であれば、専用のスマホアプリに表示されるAPI連携情報を登録させる。
【0077】
次に、管理サーバ2は、ネットワークカメラ6dにアクセスするための情報を登録させる(ステップS304)。全ての登録が完了したら、管理サーバ2は、管理者に通知する(ステップS305)。この完了通知の後、管理者は、管理者端末3を用いて、管理サーバ2にログインして、電子錠6bの操作やネットワークカメラ6dからの画像を視聴することが可能となる。
【0078】
図7を参照しながら、管理者端末3からの指示で電子錠6bが操作させる場合の管理者端末3、管理サーバ2、電子錠サーバ5、通信機器6a、及び電子錠6bの動作について説明する。
【0079】
管理者端末3は、管理サーバ2の管理者向けプログラムにログインしてから、電子錠を操作したい物件を選択する(ステップS401)。物件が選択されると、管理サーバ2は、電子錠サーバ5に問い合わせて、電子錠6bの状態(施錠状態又は解錠状態)の情報を得て、管理者向けプログラムに状態を表示させる(この一連の流れについては、
図7での図示を省略している)。管理サーバ2から電子錠サーバ5への問合せの際も、操作に必要な情報が一緒に電子錠サーバ5に送信されて、認証がなされた上で、状態が電子錠サーバ5から管理サーバ2に送信される。その際、電子錠サーバ5は、通信機器6aを通じて、電子錠6bの状態を得た上で、結果を、管理サーバ2に送信する。
【0080】
これに応じて、管理者端末3に、電子錠6bの状態が表示される(ステップS402)。次に、管理者端末3は、管理者からの指示(解錠又は施錠)を受けて(ステップS403)、電子錠6bの操作(解錠又は施錠)の指示を管理サーバ2に送信する(ステップ404)。
【0081】
管理サーバ2は、電子錠6bの操作(解錠又は施錠)の指示を受信して(ステップS501)、電子錠6bの操作(解錠又は施錠)の指示を、操作対象となっている電子錠6bに対応する電子錠サーバ5に送信する(ステップS502)。その際、管理サーバ2は、電子錠6bの操作に必要な情報を一緒に電子錠サーバ5に送信する。
【0082】
電子錠サーバ5は、電子錠6bの操作(解錠又は施錠)の指示を、操作に必要な情報と共に受信して(ステップS601)、当該情報が正しいか否かを認証した上で(ステップS602)、認証ができた場合のみ電子錠6bの操作(解錠又は施錠)の指示を通信機器6aに送信する(ステップS603)。なお、認証できなかった場合については図示していないが、電子錠サーバ5は、管理サーバ2に、認証に失敗した旨を返信し、それに応じて、管理サーバ2は、エラー表示を管理者端末3に送信するとよいが、限定されるものではない。
【0083】
通信機器6aは、電子錠6bの操作(解錠又は施錠)の指示を受信して(ステップS701)、紐付けされた電子錠6bに当該指示を送信する(ステップS702)。電子錠6bは、当該指示に応じて、解錠又は施錠を行う(ステップS801)。電子錠6bの操作が終わると、操作の結果がACK信号として、電子錠6bから返信されて(ステップS802)、通信機器6a、電子錠サーバ5、及び管理サーバ2へとACK信号が送信される(ステップS703,S604,S503)。そして、管理サーバ2は、管理者端末3に表示される電子錠の状態(施錠又は解錠)の表示を更新させる(ステップS405)。
【0084】
なお、電子錠6bの状態として、施錠又は解錠のみ上記では説明したが、他に、玄関扉が開けっぱなしになっている等の情報が電子錠6bの状態として利用されてもよい。
【0085】
図8を参照しながら、ユーザ端末4での予約からユーザの退室までのユーザ端末4、管理サーバ2、及び管理者端末3の動作について説明する。
【0086】
ユーザ端末4は、ユーザ向けプログラムにログインして、ユーザに物件を閲覧させる(ステップS901)。ユーザが内見を予約したい物件を見つけた場合、ユーザによる予約日時などの入力にしたがって、ユーザ端末4は、当該物件の予約の申し込みを管理サーバ2に送信する(ステップS902)。
【0087】
管理サーバ2は、物件の予約の申し込みを受信すると、予約の内容を登録して(ステップS1001)、管理者端末3及びユーザ端末4に通知する(ステップS1002)。管理者端末3は、予約の結果を受信する(ステップS1101)。ユーザ端末4は、予約の結果を受信する(ステップS903)。
【0088】
管理サーバ2は、予約時刻が到来したと判断すると、予約時刻になった旨を、管理者端末3及びユーザ端末4に通知する(ステップS1003)。管理者端末3は、予約時刻になった旨を受信する(ステップS1102)。ユーザ端末4は、予約時刻になった旨を受信する(ステップS904)。
【0089】
管理サーバ2は、予約時刻になったら、ユーザ向けプログラムの画面に表示される解錠対象の物件における解錠ボタンを有効化する表示を行う(ステップS1004)。すると、ユーザ端末4のユーザ向けプログラムの画面には、予約した物件を解錠できる表示がなされる(ステップS905)。この表示を解錠ボタンと呼ぶことにする。そして、ユーザによって、解錠ボタンが押下(クリックやタップなどの意味)されると、ユーザ端末4は、解錠の指示を管理サーバ2へ送信する(ステップS906)。
【0090】
管理サーバ2は、ユーザ端末4からの解錠の指示を受信すると、電子錠サーバ5に対して、予約対象の物件の電子錠6bを解錠するように指示する(ステップS1005)。解錠指示の動作の流れは、
図7に示したステップS502以降の動作の流れと同様であるので、
図7での説明を援用し、説明を省略する。
【0091】
管理サーバ2は、電子錠サーバ5からのACK信号を受信すると(
図7のステップS503に相当)、解錠した旨を、管理者端末3に通知する(ステップS1006)。管理者端末3は、管理サーバ2からの解錠通知を受信する(ステップS1103)。このタイミングで、ユーザ端末4を所持するユーザの入室が可能となる(ステップS907)。
【0092】
その後、ユーザは、当該物件の内見を行う。適宜、ユーザは、ユーザ端末4に説明情報の二次元コードを読み込ませて、説明情報を閲覧したり視聴したりする。また、ユーザ端末4を使って、管理サーバ2を介して、管理者端末3とチャットやビデオ通話などを行うことができる(ステップS908,S1007,及びS1104)。
【0093】
なお、固有名詞は述べないが、チャットやビデオ通話のシステムは、広く一般に普及しているので、その普及しているシステムを使って、ユーザと管理者とがやりとりをする方法でもよい。ただし、その場合、ユーザの個人的なチャットやビデオ通話のアカウント情報を、管理者に教える必要があるので、プライベイトの保護という観点から好ましくないかもしれない。そこで、本実施形態では、管理サーバ2がチャットやビデオ通話の機能を提供するという構成を採用している。チャットやビデオ通話の機能としては、周知の技術を流用すればよいので、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0094】
なお、ステップS908,S1007,及びS1104で提供されるチャット又はビデオ通話の機能は、内見前後の問合せや申し込み、契約時にも利用可能とする。その場合、ユーザ端末4は、ユーザ向けプログラムにログインし、管理者端末3は、管理者向けプログラムにログインした上で、管理サーバ2が提供するチャット又はビデオ通話機能を利用できるものとする。
【0095】
管理者向けプログラムにログインしている管理者端末3は、適宜、ネットワークカメラ6dを使って、当該物件の中の様子を表示して、管理者に室内の様子を視聴させる(ステップS1105)。この際、本実施形態では、管理サーバ2が、ネットワークカメラ6dからの画像データを取得して、管理者向けプログラム上に表示させる構成としている(ステップS1008)。
【0096】
予約時間が終了したら、管理サーバ2は、管理者端末3及びユーザ端末4にその旨を通知する(ステップS1009)。管理者端末3は、予約時刻が終了した旨を受信する(ステップS1106)。ユーザ端末4は、予約時刻が終了した旨を受信する(ステップS909)。ユーザは、退室する(ステップS910)。
【0097】
そして、管理サーバ2は、解錠ボタンを無効化して、ユーザ端末4から、解錠が出来ないようにする(ステップS1010)。管理サーバ2は、電子錠サーバ5に対して、施錠を指示する(ステップS1011)。施錠指示の動作の流れは、
図7に示したステップS502以降の動作の流れと同様であるので、
図7での説明を援用し、説明を省略する。
【0098】
管理者は、管理物件3の管理者向けプログラムの画面を通じて、施錠が終わっていることを確認することができる(ステップS1107)。また、管理者は、ネットワークカメラ6dの画像で、玄関扉部分や窓の部分を見て、施錠されていることを確認することも可能である。
【0099】
図9を参照しながら、申し込みから、重要事項説明、契約、及び決済までのユーザ端末4、管理サーバ2、及び管理者端末3の動作について説明する。
【0100】
ユーザ端末4は、ユーザ向けプログラムにログインして、申し込みたい物件をユーザに選択させ(ステップS1201)、管理サーバ2から提供される物件の申し込みに必要な情報を入力させる(ステップS1202)。
【0101】
申し込みの入力が終わると、管理サーバ2は、申し込みを受領し(ステップS1301)、その旨を管理者端末3に通知する(ステップS1302)。それに合わせて、管理サーバ2は、申し込みがあった物件の内見の予約ができないように設定する(ステップS1303)。管理サーバ2は、当該物件を内見した他の内見者の申し込みもできないように設定する(ステップS1304)。なお、内見予約不可設定及び/又は申し込み不可設定は、申し込みが重ならないようにするための機能であるが、必須の機能ではない。
【0102】
管理者端末3が申し込みを受信すると(ステップS1401)、管理者は、重要事項説明書や契約書等を作成する(ステップS1402)。このような書面の作成は、不動産内見システム1とは別に行なわれてもよいし、不動産内見システム1が、作成支援システムも提供してもよい。
【0103】
作成が終わったら、管理者向けプログラムにログインして、管理者は、管理者端末3を使って、重要事項説明書や契約書などの書面を管理サーバ2に送信する(ステップS1403)。管理サーバ2は、当該書面を受信したら、それをユーザに通知する(ステップS1305)。ユーザは、ユーザ端末4を使って、当該書面を受領する(ステップS1203)。
【0104】
そして、ユーザは、管理サーバ2上の機能を使って、チャットやビデオ通話を利用して、管理者から、重要事項説明書や契約書などの説明を受ける(ステップS1204,S1306,S1404)。
【0105】
その後、ユーザは、ユーザ端末4を使って、契約書等を返信する(ステップS1205)。管理サーバ2は、返信を受け取ったら、管理者端末3に通知する(ステップS1307)。管理者端末3は、返信を受領する(ステップS1405)。そして、最後に、決済処理が実行される(ステップS1308)。決済処理は、クレジットカード決済や電子マネー決済など、周知の手法を用いて実行されるものであるので、詳細な説明は省略する。
【0106】
なお、ユーザと取引者との間での契約書のやりとりは、他のオンライン契約システムを用いるか、不動産内見システム1内にオンライン契約システムを組み込むなどして実現してもよい。
【0107】
このように、本実施形態によれば、複数のメーカーの電子錠毎に、開閉に必要な情報を管理サーバ2に格納しておいて、管理サーバ2が管理者端末3又はユーザ端末4からの操作指示を受けたら、管理サーバ2が電子錠サーバ5に対して、電子錠6bの操作を指示する構成としている。そのため、様々な種類の電子錠に対応することが可能な不動産内見システム1が提供されることとなる。
【0108】
また、本実施形態によれば、説明情報を識別コードという簡易な方法で登録でき、合成音声や文字、写真、動画なで、ユーザ端末4から容易に閲覧等ができる構成となっている。そのため、取引物件でのアピールポイントを、管理者不在の無人でも、ユーザが確認できる不動産内見システム1が提供されることとなる。
【0109】
また、本実施形態によれば、チャットやビデオ通話による説明を可能とする不動産内見システム1が提供される。
【0110】
さらに、本実施形態によれば、無人での内見のあとの契約までをも、非対面で行うことが可能な不動産内見システム1が提供されることとなる。
【0111】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、不動産内見システムであり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 不動産内見システム
2 管理サーバ
2a 制御部
2b 出力部
2c 入力部
2d 通信部
2e 記憶部
3 管理者端末
4 ユーザ端末
5 電子錠サーバ5
6 取引物件
6a 通信機器
6b 電子錠
6c IoT家電
6d ネットワークカメラ
7 ネットワーク