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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】電気連続制御式直線偏光回転子
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20240130BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1333
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022060517
(22)【出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023151086
(43)【公開日】2023-10-16
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】515031182
【氏名又は名称】国立中央大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】鄭恪亭
(72)【発明者】
【氏名】劉易軒
(72)【発明者】
【氏名】黄濟棠
(72)【発明者】
【氏名】劉鄭楷
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-279380(JP,A)
【文献】特開2003-270610(JP,A)
【文献】特開平08-279645(JP,A)
【文献】特開平01-113743(JP,A)
【文献】特開昭62-229220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平配向されたと共に配向方向が互いに直交となる第1の上基板及び第1の下基板と、前記第1の上基板と前記第1の下基板の間に充填された透明液晶層と、を含む第1の液晶セルと、
水平配向されたと共に配向方向が互いに直交となる第2の上基板及び第2の下基板と、前記第2の上基板と前記第2の下基板の間に充填された透明液晶層と、を含む第2の液晶セルと、を具備する電気連続制御式直線偏光回転子であって、
前記第1の液晶セル及び前記第2の液晶セルは、dΔn/λ=1.2~1.8の関係を満たし、ただし、λが前記第1の液晶セルまたは前記第2の液晶セルに入射する入射光の波長であり、dが前記第1の液晶セルまたは前記第2の液晶セルにおける透明液晶層の厚さであり、Δnが前記第1の液晶セルまたは前記第2の液晶セルにおける透明液晶層の複屈折であり、前記第1の液晶セルは、その第1の下基板が前記第2の液晶セルの前記第2の上基板と対向しながら、前記第1の下基板の配向方向が前記第2の液晶セルの前記第2の上基板の配向方向と直交するように配置され前記第1の液晶セル及び前記第2の液晶セルに電圧をかけることによって、前記第1の液晶セル及び前記第2の液晶セルから出射する出射光の偏光方向を変更させ、
前記第1の上基板、前記第1の下基板、前記第2の上基板、及び前記第2の下基板における面方向に対して印加方向が垂直的な同じ電圧を、前記第1の液晶セル及び前記第2の液晶セルにそれぞれ印加することによって、前記出射光の直線偏光回転角度を0°と180°との間に連続的に変化させる、ことを特徴とする、電気連続制御式直線偏光回転子。
【請求項2】
前記第1の上基板、前記第1の下基板、前記第2の上基板、及び前記第2の下基板は、内面側に透明導電膜が被覆された透明フィルム状構造体である、請求項1に記載の電気連続制御式直線偏光回転子。
【請求項3】
前記透明液晶層は、ポジティブネマチック液晶である、請求項1に記載の電気連続制御式直線偏光回転子。
【請求項4】
水平配向されたと共に配向方向が互いに直交となる第1の上基板及び第1の下基板と、前記第1の上基板と前記第1の下基板の間に充填された透明液晶層と、を含む第1の液晶セルを具備し、
前記第1の液晶セルは、dΔn/λ=1.2~1.8の関係を満たし、ただし、λが前記第1の液晶セルに入射する入射光の波長であり、dが前記第1の液晶セルにおける透明液晶層の厚さであり、Δnが前記第1の液晶セルにおける透明液晶層の複屈折であり、
前記第1の液晶セルに電圧をかけることによって、前記第1の液晶セルから出射する出射光の偏光方向を変更させ、
前記第1の上基板及び前記第1の下基板における面方向に対して印加方向が垂直的な電圧を、前記第1の液晶セルに印加すると共に、前記入射光を前記第1の上基板の前記配向方向に対して0°または90°の角度で偏光するように制限することによって、前記出射光の直線偏光回転角度を0°と90°との間に連続的に変化させる、ことを特徴とする電気連続制御式直線偏光回転子。
【請求項5】
前記第1の上基板及び前記第1の下基板は、内面側に透明導電膜が被覆された透明フィルム状構造体である、請求項4に記載の電気連続制御式直線偏光回転子。
【請求項6】
前記透明液晶層は、ポジティブネマチック液晶である、請求項4に記載の電気連続制御式直線偏光回転子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線偏光回転子に関し、特に、出射光の偏光角度を連続的に回転させ、所望な連続的な直線偏光を実現し得る、電気連続制御式直線偏光回転子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶材料を用いた偏光回転子は、現在広く普及しており、既に製品化されている。
【0003】
また、特許文献CN100437266号明細書第13ページの3~5行目に記載される「液晶層に所定電圧以上の電界を印加すると、液晶層は実質的に90°のねじれが起こされる。したがって、このような実施形態では、電界が印加されている場合には偏光回転子が動作し、電界が印加されていない場合には偏光回転子が非動作となる」のように、互いに平行となる基板に電界をかけることで出射光の直線偏光の方向を制御する、電気制御式直線偏光回転子が開示される。
【0004】
しかし、従来の電子制御によるネマチック液晶のねじれは、出射光の偏光回転角をOn/Offの間で切り替えるだけで、連続性はなかった。また、従来の連続性を有する偏光回転子では、入射光の直線偏光方向と初層の液晶層となす角度を0°または90°に固定しないと効果は得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国特許公開第100437266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上記の技術的な不備に対し、特定のツイストネマチック配列液晶セルを含むことで、所定の電圧値以上の電圧を印加すると、出射光の回転角度を連続的に回転させながら良好な偏光を有する直線偏光を出力することが可能である、電気連続制御式直線偏光回転子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明が採用した技術的解決策の1つは、次のような電気連続制御式直線偏光回転子を提供することである。
【0008】
本発明における一実施形態にかかる電気連続制御式直線偏光回転子は、
水平配向された、配向方向が互いに直交となる第1の上基板及び第1の下基板と、前記第1の上基板と前記第1の下基板の間に充填された透明液晶層と、を含む第1の液晶セルと、
水平配向された、配向方向が互いに直交となる第2の上基板及び第2の下基板と、前記第2の上基板と前記第2の下基板の間に充填された透明液晶層と、を含む第2の液晶セルと、
を具備する。
前記第1の液晶セル及び前記第2の液晶セルは、dΔn/λ=1.2~1.8の関係を満たす(ただし、λが前記第1の液晶セルまたは前記第2の液晶セルに入射する入射光の波長であり、dが前記第1の液晶セルまたは前記第2の液晶セルにおける透明液晶層の厚さであり、Δnが前記第1の液晶セルまたは前記第2の液晶セルにおける透明液晶層の複屈折である)。前記第1の液晶セルは、その第1の下基板が前記第2の液晶セルの前記第2の上基板と対向しながら、前記第1の下基板の配向方向が前記第2の液晶セルの前記第2の上基板の配向方向と直交するように配置される。
前記第1の液晶セル及び前記第2の液晶セルに電圧をかけることによって、前記第1の液晶セル及び前記第2の液晶セルから出射する出射光の偏光方向を変更させる。
【0009】
本発明における別の一実施形態にかかる電気連続制御式直線偏光回転子は、
水平配向された、配向方向が互いに直交となる第1の上基板及び第1の下基板と、前記第1の上基板と前記第1の下基板の間に充填された透明液晶層と、を含む第1の液晶セルを具備する。
前記第1の液晶セルは、dΔn/λ=1.2~1.8の関係を満たす(ただし、λが前記第1の液晶セルに入射する入射光の波長、dが前記第1の液晶セルにおける透明液晶層の厚さ、Δnが前記第1の液晶セルにおける透明液晶層の複屈折)。
前記第1の液晶セルに電圧をかけることによって、前記第1の液晶セルから出射する出射光の偏光方向を変更させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明における第1の液晶セル及び第2の液晶セルを示す斜視模式図である。
図2図1のII-II線に沿った断面を示す断面模式図である。
図3】本発明において、第1の液晶セルの前方にポラライザーが、第2の液晶セルの後方にアナライザーが設けられた例を示す斜視分解模式図である。
図4】本発明において、夾角β=0°に設定し、印加電圧の大きさを連続的に変化させることによって、出射光の偏光角度を180°から0°に連続的に変化させる実験結果を示す。
図5】本発明において、夾角β=22.5°に設定し、印加電圧の大きさを連続的に変化させることによって、出射光の偏光角度を180°から0°に連続的に変化させる実験結果を示す。
図6】本発明において、夾角β=45°に設定し、印加電圧の大きさを連続的に変化させることによって、出射光の偏光角度を180°から0°に連続的に変化させる実験結果を示す。
図7】本発明において、夾角β=67.5°に設定し、印加電圧の大きさを連続的に変化させることによって、出射光の偏光角度を180°から0°に連続的に変化させる実験結果を示す。
図8】本発明にかかる電気連続制御式直線偏光回転子を操作する場合の変化推移を示す模式図。
図9】本発明にかかる第2の実施形態を示す斜視模式図である。
図10図9のX-X線に沿った断面を示す断面模式図である。
図11】本発明にかかる第2の実施形態の電気連続制御式直線偏光回転子を操作する場合の変化推移を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図8を参照されたい。図1図8は、本発明にかかる第1の実施形態の電気連続制御式直線偏光回転子100を示す。
【0012】
電気連続制御式直線偏光回転子100は、水平配向された、配向方向14が互いに直交となる第1の上基板11及び第1の下基板12と、第1の上基板11と第1の下基板12の間に充填された透明液晶層13と、を含む第1の液晶セル10を具備する。
【0013】
そして、電気連続制御式直線偏光回転子100は、水平配向された、配向方向24が互いに直交となる第2の上基板21及び第2の下基板22と、第2の上基板21と第2の下基板22の間に充填された透明液晶層23と、を含む第2の液晶セル20を具備する。
【0014】
第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20は、dΔn/λ=1.2~1.8の関係を満たす。ただし、λが第1の液晶セル10または第2の液晶セル20に入射する入射光の波長であり、dが第1の液晶セル10または第2の液晶セル20における透明液晶層13、23の厚さ、Δnが第1の液晶セル10または第2の液晶セル20における透明液晶層13、23の複屈折である。第1の液晶セル10の第1の下基板12が前記第2の液晶セル20の前記第2の上基板21と対向して対応的に配置される。また、第1の液晶セル10の第1の下基板12の配向方向14は、第2の液晶セル20の前記第2の上基板21との配向方向24と直交する。第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20に電圧をかけることによって、第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20から出射する出射光Cの偏光方向を変更させる。
【0015】
上記を踏まえて、本発明の実施形態及びそれによる効果の詳細を説明する。本実施形態における第1の液晶セル10は、その第1の下基板12が第2の液晶セル20の第2の上基板21と対向するように対応的に配置され、かつ、第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20はdΔn/λ=1.2~1.8の関係を満たすため、同じ電圧を第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20にそれぞれ印加すると、電気制御で透明液晶層13、23の複屈折特性を変化させることによって、入射光Bが第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20を通したことによって生成した出射光Cは直線偏光が回転変化する。
【0016】
図3に示すように、本実施形態における第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20は、光の進行方向に沿って前後配列されている。第1の液晶セル10の前方にポラライザー30が、第2の液晶セル20の後方にアナライザー40が配置される。ここでは、第1の上基板11の配向容易軸111と入射光Bの偏光方向15となす夾角βをそれぞれβ=0°、β=22.5°、β=45°、β=67.5°にする場合、入射光Bが第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20から通してなされた出力光Cをアナライザー40で分析した結果を、図4図7のチャートに表示する。
【0017】
図4図7のチャートでは、横座標は印加電圧の変化をボルトで表しており、縦座標は左側が偏光回転方位角(偏光回転角度)、右側が直線偏光度を表している。そして、図4図7のチャートでは、アナライザーで受光した出射光Cの直線偏光度の変化を暗い点線で、アナライザーで受光した出射光C直線偏光度の回転角度変化は明るい点線で示されている。なかでも、β=0°の場合では、図4に示すように、印加電圧が1~1.5ボルトである場合の出射光Cの直線偏光の回転角度は図4の双方向矢印に示すように180°であった。そして、印加電圧を1.5ボルトからさらに2ボルトまで調整すると、出射光Cの直線偏光の回転角度は、例えば、図4の双方向矢印に示すように、150°から120°、さらに90°まで急激に下げられた。続いて、印加電圧を2ボルトからさらに3ボルトまで調整すると、出射光Cの直線偏光の回転角度は下がり勢いが僅かに緩和で、例えば、図4の双方向矢印に示すように、60°に下げられてから30°までに下げられた。続いて、印加電圧を3ボルトから4ボルトに調整すると、出射光Cの直線偏光の回転角度は0°に徐々に下げられた。
【0018】
同じように、β=22.5°、β=45°、β=67.5°にした場合の実験結果は、図5~7のチャートに示された。明るい点線で示されているアナライザーで受光した出射光C直線偏光度の回転角度変化によれば、印加電圧を1ボルトから4ボルトまで調整することで、出射光Cの直線偏光の回転角度を、から180°から0°に徐々に変化させることが可能であることは看取し得る。
【0019】
それで、上記の実験からわかるように、本実施形態では、第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20に対して、同様な印加電圧を大きさで連続的に変化させることで、透明液晶層13、23の複屈折特性を変化させることによって、電気制御方法により第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20を通して出射した出射光Cの直線偏光の回転角度を、180°から0°に連続に変化させることができる。したがって、図8に示すように、入射光Bが第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20を通してなされた出射光Cは、第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20にかけた電圧が矢印Eに沿って上がったのに従って、直線偏光の回転角度Fが180°から0°に連続に変化するようになる。
【0020】
そのため、連続でないON/OFFする2つのモデルしか有しない従来技術の電子制御型ねじれネマチック液晶と比較して、本発明では、第1の液晶セル10と第2の液晶セル20は、dΔn/λ=1.2~1.8の関係を満たし、かつ、第1の液晶セル10の第1の下基板12の配向方向14と第2の液晶セル20の第2の上基板21の配向方向24は、互いに直交していることによって、第1液晶セル10と第2液晶セル20を通過して出射する出射光Cの直線偏光角度を180°から0°までを連続して変化させることができるため、進歩性を有する。
【0021】
さらに、本発明を画素化すれば、空間において任意の位置にかかる直線偏光の方向を制御できる、すなわち偏光専用空間光変調器(Polarization-Only Spatial Light Modulator)の適用が可能になる。従来のSLM(Spatial Light Modulator)は、主に空間内の異なる位置で光電場の位相を調整するものであるが、SLMは空間内の異なる位置で光電場の位相(Phase--Only)を調整することができる。本発明は、空間光変調器を空間偏光角調整の機能を含むように拡張することが可能であるため、進歩性を有することは明らかである。
【0022】
したがって、本発明の第1の実施形態は、第1の液晶セル10と第2の液晶セル20とによって電気連続制御式直線偏光回転子100を構成し、第2の液晶セル20の第1の下基板12と第2の上基板21とを互いに対向配置させ、第1の液晶セル10の第1の下基板12の配向方向14を、第2の液晶セル20の第2の上基板21の配向方向24と互いに直交するように配置させたものである。第1の液晶セル及び第2の液晶セルに電圧を印加すると、第1の液晶セル10及び第2の液晶セル20を通過した入射光Cは、その直線偏光角が0°と180°との間に任意に連続的に変化する。さらに、入射光Bの直線偏光の方向は任意であり、すなわち、入射光Bの直線偏光の方向は制限されない。したがって、入射光Bの偏光方向を配慮する必要はない。
【0023】
以下、第2の実施形態の電気連続制御式直線偏光回転子100の構成要素の特徴について、さらに説明する。上記図9図11において、第1の上基板11および第1の下基板12は、内面側に透明導電膜Aが被覆された透明フィルム状構造体である。
【0024】
さらに、透明液晶層13は、ポジティブネマチック液晶である。
【0025】
最後に、第1の液晶セル10に電圧を印加し、第1の上基板11および第1の下基板12の面方向に対して垂直な電圧を印加することにより、入射光Bが第1の液晶セル10の第1の上基板11の配向方向14に対して0°または90°の角度で偏光していれば、出射光Cの直線偏光回転角度を0°から90°まで連続的に変化させることが可能である。
【0026】
以上のように、本発明は、第1の液晶セル10をその第1の下基板12が第2の液晶セル20の第2の上基板21に直交するように整列させ、かつ、第1の液晶セル10と第2の液晶セル20がdΔn/λ=1.2~1.8の関係を満たすことにより、既存の電子制御型ねじれネマチック液晶による直線偏光回転角度の連続変化を実現できない状況を解決することができ、そのように、以下のような効果を得ることができる。
【0027】
1、第1の液晶セル10および第2の液晶セル20を通して出射した光の直線偏光角度を、0°から180°まで連続的に変化させることができる。
【0028】
2、本発明では動作電圧が低いため、TFTに適用することができると共に、入射光Bの偏光方向を考慮することはない。
【符号の説明】
【0029】
100:電気連続制御式直線偏光回転子
10:第1の液晶セル
11:第1の上基板
111:第1の上基板の配向容易軸
12:第1の下基板
13:透明液晶層
14、24:配向方向
15:入射光の偏光方向
20:第2の液晶セル
21:第2の上基板
22:第2の下基板
23:透明液晶層
30:ポラライザー
40:アナライザー
A:透明導電膜
B:入射光
C:出射光
E:(電圧変化を示す)矢印
F:直線偏光の回転角度
λ:入射光の波長
d:透明液晶層の厚さ
Δn:透明液晶層の複屈折
β:夾角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11