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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】合成クォーツ製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/42 20060101AFI20240130BHJP
   C23C 16/453 20060101ALI20240130BHJP
   C04B 35/14 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
C23C16/42
C23C16/453
C04B35/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022090403
(22)【出願日】2022-06-02
(65)【公開番号】P2022185594
(43)【公開日】2022-12-14
【審査請求日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0071263
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522220496
【氏名又は名称】ビーシーエンシー カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BCnC Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】25, Maso-ro 57beon-gil, Sindun-myeon, Icheon-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドンハン
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-208242(JP,A)
【文献】特開2019-006617(JP,A)
【文献】特表2018-503594(JP,A)
【文献】特開2002-114530(JP,A)
【文献】特表2013-530920(JP,A)
【文献】特開平08-151220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/42
C23C 16/453
C04B 35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の蒸着部材の外面に沿って酸化ケイ素微粒子粉末を所定の厚さで蒸着させて母材を形成する蒸着段階;
前記母材を熱処理を通じて焼結させてインゴットを形成する焼結段階;および
前記インゴットを分離する脱型段階;を含み、
前記焼結段階及び脱型段階に用いられるカーボン材質モールドの外壁は、2重に形成され、前記モールド及びコアは、インゴットが容易に脱型できるように脱型される方向に行くほど内径が増加され、前記モールドの外壁は、斜線で切り取られて分かれた形状を有し、分かれたモールドの外壁は、所定の間隔離隔するように配置されることを特徴とする、合成クォーツ(quartz)製造方法。
【請求項2】
前記蒸着部材は、
Graphite、AluminaまたはSilicon Carbideで構成された群から選択された1種以上のセラミック材質群またはStainless Steel、TungstenまたはMolybdenumで構成された群から選択された1種以上の金属材質群で備えられることを特徴とする、請求項1に記載の合成クォーツ(quartz)製造方法。
【請求項3】
前記蒸着部材は、
円柱、円形管、円錐台または坩堝(crucible)の形状で備えられることを特徴とする、請求項1に記載の合成クォーツ(quartz)製造方法。
【請求項4】
前記蒸着段階は、
二酸化ケイ素前駆体、酸素および水素をガス形態で噴出するバーナーを通じてケイ素化合物前駆体を酸水素炎の中で燃焼させて前記微粒子粉末を形成および蒸着させることを特徴とする、請求項1に記載の合成クォーツ製造方法。
【請求項5】
前記バーナーは前記蒸着部材の外周面に沿って移動され、前記蒸着部材は回転運動することによって前記蒸着部材の外面に母材を前記所定の厚さで均一に蒸着させることを特徴とする、請求項4に記載の合成クォーツ製造方法。
【請求項6】
前記二酸化ケイ素前駆体は、
OMCTS(C24Si)、メタン(CH)または四塩化珪素(SiCl)であることを特徴とする、請求項4に記載の合成クォーツ製造方法。
【請求項7】
前記焼結段階は、
前記母材を予め設定された所定の第1内径を有するモールド内部に位置させた後、熱処理を通じて焼結させてインゴットを形成することを特徴とする、請求項1に記載の合成クォーツ(quartz)製造方法。
【請求項8】
前記モールドは前記所定の第1内径より小さい所定の第2直径を有する円柱状のコアがさらに備えられることを特徴とする、請求項7に記載の合成クォーツ(quartz)製造方法。
【請求項9】
前記焼結段階の熱処理は、誘導コイルを利用した誘導加熱または抵抗加熱を利用し、1,500℃~1,700℃の温度で熱処理されることを特徴とする、請求項1または請求項7に記載の合成クォーツ製造方法。
【請求項10】
前記焼結段階は、
気孔の形成を防止するためのHeガスが投入されることを特徴とする、請求項1または請求項7に記載の合成クォーツ(quartz)製造方法。
【請求項11】
前記蒸着段階で、
前記蒸着部材に蒸着されていない酸化ケイ素微粒子粉末を捕集する捕集装置がさらに備えられることを特徴とする、請求項1に記載の合成クォーツ製造方法。
【請求項12】
前記蒸着部材は地面と垂直または水平方向に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の合成クォーツ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成クォーツ製造方法に関し、詳細には、半導体製造工程中に使われるフォーカスリングまたはエッジリングセラミック部材でウェハーを支持し装着させる用途で使われる合成クォーツ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成クォーツの製造技術は大きく二つに区分されるが、第1は通信用光ファイバ製造工法であって、内部のコア(core)と表皮のクラッド(clad)からなり、屈折率を加味するためにコアにドーパント(dophant)としてゲルマニウム(Ge)を使う。製造されたインゴット(Ingot)は、光ファイバを作るために引抜工程を経て細い光ファイバに製造される。引抜工程前インゴットは略1~2メートル、直径は100~150mmの素材が製造される。
【0003】
第2は光学用レンズ(lens)を製造するための方法であって、光ファイバとは異なってコアとクラッドの区分なしに純粋な二酸化ケイ素(SiCl)で製造され、インゴットの形態はメーカーごとに差が発生する。ニコン(Nikon)の場合は直径600mm、高さが約1000mmであるインゴットが製造され、コーニング(Corning)の場合は高さが約300mm、直径が1500mmに製造され、これをレンズに作るための資材として使っている。
【0004】
合成クォーツの製造工程は二酸化ケイ素の前駆体と酸素水素の火炎で微粒子(Soot)を形成するが、前駆体はOMCTS(OctaMethylCycloTetraSiloxane、C24Si)またはメタン(CH)、四塩化珪素(SiCl)ガスを使う。
【0005】
微粒子(Soot)形成後に熱処理を通じて完全な合成クォーツインゴットが製造されるのであり、最近海外の業者は前記蒸着工程で出てきたSoot Powderを利用して天然の工法で溶かしてシリンダ(Cylinder)タイプの合成クォーツを製造している。
【0006】
前述した従来技術はいずれも問題点を有しており、光ファイバ製造方法の問題は大口径すなわち、直径を400mmまで制作するのが難しく、レンズ製造方法はディスクや扁平(flat)な素材の製造に適合しており、リング(Ring)やシリンダ(Cylinder)の形態に製造するためには別途の中心をドリリングするCore drill作業を経なければならず、8"や6"ウェハー製造工程は生産性の側面でほぼすべての半導体製造装備がなくなってコアリング(Coring)後の内部資材は使用できない廃棄物として処理される。
【0007】
大韓民国公開特許10-2018-0095880号(2018.08.28. 公開)は、合成工程で付着されなかったSoot Powderを回収して二回以上熱処理、すなわち、溶融を進行して内部の気孔を除去する方法でシリンダタイプを製造しているが、これは大気の露出と2回以上の溶融を通じての工程の増加でSootに不純物が吸着および付着されて素材の問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
大韓民国公開特許10-2018-0095880号(2018.08.28. 公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記従来技術の問題点を解決するために、本発明は時間的損失(loss)および量的損失(loss)を最小化し、クォーツ生産速度を大きく増加させて歩留まりの向上に肯定的なシリンダタイプの合成クォーツ製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した問題を解決するために、本発明はシリンダタイプに母材を形成し、これを熱処理して完全な合成クォーツインゴットを製造する。
【発明の効果】
【0011】
合成クォーツの優秀性は検証済みであり、これをシリンダタイプに製造する場合、ロスを最小化しクォーツ生産速度を大きく増加させて歩留まりの向上に肯定的な結果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る合成クォーツ製造方法を概略的に示した図面である。
図2】合成クォーツと天然クォーツ素材の内部の気孔の存在を確認する実験写真である。
図3】合成クォーツと天然クォーツのプラズマ条件でマイクロ気孔爆発現象を示した写真である。
図4】本発明に係る合成クォーツ部材の製造工程を示したものである。
図5】本発明に係る合成クォーツ製造方法以後の加工段階を示したものである。
図6】本発明に係る合成クォーツ製造方法のための設備を簡略に示した図面である。
図7】本発明に係る合成クォーツ製造方法を示したフローチャートである。
図8a】本発明に係る蒸着段階を示したものである。
図8b】本発明に係る蒸着段階を示したものである。
図9】本発明に係る焼結段階を示した図面である。
図10】本発明に係る焼結段階を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付された図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は多様な異なる形態で具現され得、以下で記載されまたは図面に図示される実施例に限定されない。また、図面で本発明を明確に説明するために本発明にかかわらない部分は省略したし、図面で同一または類似する符号は同一または類似する構成要素を指し示す。
【0014】
本発明の目的および効果は下記の説明によって自然に理解またはより明白となり得、下記の記載にのみ本発明の目的および効果が制限されるものではない。以下、添付された図面を参照して本発明に係る実施例を詳細に説明することにする。
【0015】
本発明を簡略に説明すると、半導体製造工程中に使われるフォーカスリング(focus ring)セラミック部材でウェハーを支持し装着させる用途で使われる合成クォーツの製造方法に関する。以下、各図面を参照して本発明を詳細に説明することにする。
【0016】
図2および図3を参照して従来の問題点および本発明の目的をより詳細に要約して説明することにする。図2は光を透過させて合成クォーツと天然クォーツ素材の内部の気孔の存在を確認する実験写真であり、図3は合成クォーツと天然クォーツのプラズマ条件でマイクロ気孔爆発現象を示した写真である。
【0017】
半導体ウェハー製造工程に使われるクォーツ(Quartz)部材は、固体状の二酸化ケイ素を火炎と電気を利用してモールドで溶かして生産する天然クォーツ(Natural Quartz)があるが、これは固体状の二酸化ケイ素の精製が難しく、高純度の二酸化ケイ素に制作するのができないためクォーツの内部に不純物が存在することになり、不純物だけでなく素材の内部にマイクロ気孔(Micro pore)が多く存在している。この気孔は半導体製造工程用チャンバーの内部で真空雰囲気のプラズマ下でクォーツの表面が削られていく食刻がなされることになると、気孔の界面がオープンされる時点で微細爆発を起こして雰囲気を阻害し、SiO、SiO形態の微細パーティクル(particle)を誘発させてウェハーの上に付着されることによってチップ(chip)の生産性に影響を及ぼすことになる。
【0018】
図3は天然クォーツおよび合成クォーツをRF power 3,000W、真空10mm torr以下、使用gasはNF、Arプラズマ条件で90分の間テストした写真である。天然クォーツは微細爆発が起きた跡が現れた反面、合成クォーツは微細爆発の跡がないことが分かる。
【0019】
このような問題を解決するために、マイクロ気孔がなく、不純物が少ない高純度合成クォーツ(Synthetic Quartz)を利用して半導体製造用装備部材としてで使っており、この使用量は急激に増加している。
【0020】
合成クォーツが高純度である理由は出発物質が液体や気体を利用するためであり、これは個体より精製が容易であるため高純度の達成が容易であり、液体は気化器を通じて気体に変わりこのすべての気体は精製器(purifier)を通じてもう一度精製され、インゴットを形成するための最適の条件で各ガス(gas)を供給するvalveを装着し、調節は手動やコンピュータを通じて調節が可能である。
【0021】
合成クォーツの殆どは輸入された製品を使用しており、製造形状は内部があるディスク(disc)や棒(Rod)の形態を有している。したがって、半導体製作用部材として使うためには内径を掘り出した後にリング(Ring)タイプに作らなければならない。そこで、本発明は最初からリングタイプ素材の合成クォーツを蒸着し熱処理までして不要な加工工程を省略することを特徴とする。
【0022】
図4は、本発明を含むクォーツ部材の製造工程を示したものである。
【0023】
クォーツ部材の製造工程は合成クォーツ製造工程、加工段階および洗浄段階を含み、本発明では蒸着段階、焼結段階および脱型段階を含む合成クォーツ製造方法について説明する。図5は、本発明に係る合成クォーツ製造方法以後の加工段階をさらに詳細に示したものである。CNC、MCT装備を利用して加工し、面加工を経た後にサイズ(size)および表面状態を検査した後、洗浄および包装の手続きを経てクォーツ部材の完成品が製造される。
【0024】
図6は、本発明に係る合成クォーツ製造方法のための設備を簡略に示した図面である。合成クォーツ製造設備は蒸着チャンバー(Deposition Chamber)、真空ポンプ(Vacuum pump)、燃料ガス圧縮機(FGC)およびガスタンク(Gas tank)を含むことができる。
【0025】
蒸着チャンバーは、蒸着を通じて酸化ケイ素微粒子(soot)を蒸着させて母材を形成するために真空環境を維持するための構成である。好ましくは、蒸着チャンバーは10mm torr以下の真空、NF3およびArプラズマ条件を維持できる蒸着チャンバーが要求される。真空ポンプは前記蒸着チャンバーの真空環境を作るための排気ポンプである。好ましくは、真空ポンプは乾式真空ポンプが使われ得る。
【0026】
蒸着チャンバーの内部にはバーナー(Burner)が備えられ、ガスタンク内部の原料ガス(H、O、N、Ar、SiCl)が燃料ガス圧縮機(FGC)を通じて圧縮された後にバーナーを通じて噴出される。
【0027】
以下、図7図10を参照して前述した問題点を解決するための本発明を詳細に説明することにする。
【0028】
図7は、本発明に係る合成クォーツ製造方法を示したフローチャートである。
【0029】
本発明に係る合成クォーツ製造方法は、母材を形成する蒸着段階(S10);前記母材を焼結させてインゴットを形成する焼結段階(S20);および前記インゴットを前記モールドから分離する脱型段階(S30);を含む。
【0030】
蒸着段階(S10)は酸化ケイ素微粒子(soot)を蒸着部材の外周面に蒸着させて母材を形成する段階である。詳細には、蒸着部材は棒の形状で備えられて外周面に母材が蒸着される。蒸着部材は断面が円形である円柱(cylinder)、円形管、円錐台または坩堝(crucible)の形状で備えられ得、一端が開口されるように備えられ得る。また、外径は12"半導体ウェハーに適合し、加工工程を減らすためにΨ280~290にすることが好ましい。
【0031】
好ましい実施例として、蒸着部材は約1,600℃以上の温度で耐え得るGraphite(グラファイト)、Alumina(アルミナ)またはSilicon carbide(炭化ケイ素)を含むセラミック材質群またはStainless Steel(ステンレス鋼)、Tungsten(タングステン)またはMolybdenum(モリブデン)を含む金属材質群から選択される材質であり得る。これに伴い、前記ケイ素化合物の燃焼反応および後述する焼結温度に対する耐久性を有する。
【0032】
図8は、本発明に係る蒸着段階を示したものである。
【0033】
蒸着部材10は蒸着チャンバー(chamber)の内部に位置して固定される。固定された蒸着部材は回転ができ、回転速度が調節され得る。蒸着部材は微粒子(soot)がよく付着されるように外表面を粗くしたり所定のパターンまたは溝を形成することができる。蒸着部材10の回転は水平または垂直などの多様な方向に具現され得、これに伴い、バーナーも対応するように配置および移動される。詳細には、蒸着部材10が円筒状で備えられるものを一例とし、円筒の蒸着部材10は中心軸が地面と垂直または水平となるように位置し得、中心軸を基準として回転運動されるように備えられ得る。また、バーナーは蒸着部材10の大きさなどにより1個~5個以上形成され得、バーナーの配置は蒸着部材10の中心軸の長さ方向に沿って平行に配列され得る。すなわち、バーナーは垂直または水平配置され得る。
【0034】
一実施例により、蒸着部材は円柱(cylinder)状であることを基準として説明する。バーナー(burner、20)が蒸着部材の外表面に向かってガスを噴射するように位置し、バーナーは上下に移動され得る。
【0035】
OMCTS(C24Si)または四塩化珪素(SiCl)のうちいずれか一つであるケイ素化合物がバーナーを通じて酸水素炎の中で燃焼する。本発明では前記ケイ素化合物は四塩化珪素であることを基準として説明する。
【0036】
四塩化珪素は燃焼して次の化学式により酸化ケイ素、好ましくは二酸化ケイ素(SiO)微粒子(soot)を形成し、微粒子が蒸着部材の外表面に蒸着される。
[化学式]
2H + O + SiCl → SiO + 4HCl
【0037】
蒸着部材を回転させながらバーナーを点火し、ガス流量を調節して蒸着を進行する。この時、蒸着部材またはバーナーが上下に一定の速度で移動され得る。図8の<b>および図8の<c>は、バーナーが微粒子(soot)が蒸着されるにつれて後退しながらバーナーが上下に移動する模式図である。バーナーや蒸着部材が移動されなければ一ヶ所のみが蒸着されるので、長さが長いシリンダ形態を作るためにいずれか一つが上下に動かなければならない。
【0038】
持続的にバーナーを通じてガス(gas)が吐出されながら母材を形成し、母材の外径が大きくなると、その厚さだけバーナーは後退して母材の外径表面とバーナーの終端は一定の距離を維持する。好ましくは、熱処理後約50%の収縮を勘案して蒸着段階を進行する。
【0039】
焼結段階は前記母材を熱処理して焼結させてインゴットを形成する段階である。
【0040】
微粒子(soot)が蒸着された母材は白色を帯び、完全緻密化がなされないため別途の焼結工程を経なければならない。焼結工程を経てこそ完全な合成クォーツインゴットが製造される。
【0041】
焼結工程は蒸着チャンバーでバーナーを後退させて密閉後に温度を上げて熱処理することができ、または別途の熱処理装備を利用して熱処理することができる。別途の熱処理炉で熱処理する場合、母材を熱処理装備に移した後、蒸着チャンバーでは次の生産のための蒸着段階がすぐに進行され得るため生産性が向上し得る。
【0042】
熱処理温度は約1,500~1,700℃の温度で進行される。好ましくは約1,600℃の温度で進行され、インゴットに焼結され多くの収縮をすることになる。この時、素材内部の気孔の形成を防止するために、ヘリウム(He)ガスを一定量投入して母材に気孔の形成を抑制する。通常12"半導体装備用リング部材は内径が296mm、外径は360mmが通常的である。
【0043】
焼結工程は誘導加熱や抵抗加熱のいずれも可能であり、誘導加熱は単結晶シリコン精製工程のように誘導コイルが上下に移動しながら熱処理することであり、この工程後に別途の焼き鈍し工程が必要であり、母材蒸着後に外径が大きい場合は、準備された漏斗状モールド(図示されず、上部の直径が下部の直径より大きい)に装着後熱処理して、外径が収縮すればモールドに入れて形態を完成し、母材蒸着後に外径が小さい場合は垂直モールドに装着して熱処理する。この時、コアは共に熱処理してシリンダに製造するのである。
【0044】
図9および図10は、外径が小さい母材をコアとともにモールドに入れて熱処理する段階を示した図面である。
【0045】
図9を参考すると、母材sを蒸着部材10から分離してコアcが装着されたモールド30に装着させる。
【0046】
図10の(1)はモールド30に母材sを安着させた状態であり、図10の(2)~図10の(5)まで熱処理が進行されるにつれてシリンダ形態のインゴット(cylinder type ingot)に変化することを示す。
【0047】
脱型段階は焼結されたインゴットをモールドから分離する段階である。図10の(6)は脱型後のインゴット(ingot)を示したものである。
【0048】
ここでモールドはカーボン材質で備えられ得、モールドは予め設定された所定の第1内径を有するように形成されるようにすることによって、後から行われる工程での材料損失を最小化することができる。
【0049】
モールドに母材sを装着させる時、蒸着部材10と一体に位置させることができる。詳細には、蒸着完了後そのまま蒸着部材まで共に熱処理することができ、このときモールド内部にはコアが存在しなくてもよい。
【0050】
一方、コアが別途に備えられる場合には、母材から蒸着部材を除去した後に蒸着部材をモールドに装着させる。この時、モールドの内側には母材の内径にコアが挿入される。コアは母材と一体または分離可能なように備えられ得る。詳細には、モールドに母材が装着される時、母材の中心には第1内径より小さい大きさの第2内径を有するコアがさらに備えられ得る。コアは柱状であり、モールドで母材を熱処理してインゴットを形成する時にシリンダ(管)の形状を有させるための構成である。
【0051】
また、脱型を容易にするために、コア(core)とモールドの外壁は2重にすることができ、傾斜を形成してもよい。詳細には、コアまたはモールドは熱処理されたインゴットが容易に脱型され得るように、脱型される上側方向に行くほど内径が増加するようにすることができる。すなわち、モールドまたはコアは逆転した円錐台の形状を有することができる。また。脱型の容易性のために、内周面に離型材を塗布したり離型シート(sheet)を入れることができる。この時、離型シートはカーボン材質で備えられるカーボンシートであり得る。また、モールドは熱処理および熱処理後の過程で、脱型の容易性やモールドまたはインゴットの変形を防止するために、モールドの外壁は切られた形状を有し得る。すなわち、モールドの外壁は斜線に切られて分かれた形状で備えられて所定間隔離隔するように備えられ得る。
【0052】
前術した本発明は一実施例に過ぎず、本技術分野で通常の知識を有する者はこれから多様な変形および均等な他の実施例も可能であり得る。したがって、本発明の権利範囲は前記実施例および添付された図面によって限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10