(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、送信装置、受信装置
(51)【国際特許分類】
G01S 1/68 20060101AFI20240130BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240130BHJP
【FI】
G01S1/68
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023102152
(22)【出願日】2023-06-22
【審査請求日】2023-06-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516192925
【氏名又は名称】Tangerine株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】成田 雅弘
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-154292(JP,A)
【文献】特表2019-514231(JP,A)
【文献】特表2022-535763(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0245101(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/00 - 1/68
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を送信する送信装置と、
前記ビーコン情報を受信する携帯型の受信装置と、を備え、
受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、当該アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように構成され
た前記受信装置に、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、予め登録されたそれぞれ異なる前記識別情報を含む2つの前記ビーコン情報を受信したときに、2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得可能なよう当該アプリケーションに通知する機能を設けた、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記送信装置は、前記受信装置に登録されている同一の場所に対応するそれぞれ異なる前記識別情報を含む2つの前記ビーコン情報を送信するよう構成されている、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記送信装置は、2つの前記ビーコン情報を前記一定時間未満の間に送信するよう構成されており、
前記受信装置に、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、前記一定時間未満の間に予め登録されたそれぞれ異なる前記識別情報を含む2つの前記ビーコン情報を受信したときに、2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得可能なよう当該アプリケーションに通知する機能を設けた、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記アプリケーションは、取得した前記識別情報のうち少なくとも1つに、前記受信装置に対応付けられた受信装置側識別情報を関連付けて前記情報処理装置に送信するよう構成されている、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記アプリケーションは、取得した前記識別情報のうちの1つに、前記受信装置側識別情報を関連付けて前記情報処理装置に送信し、取得した前記識別情報のうちの他の1つは前記情報処理装置に送信しないように構成されている、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記アプリケーションは、取得した前記識別情報の両方それぞれに前記受信装置側識別情報を関連付けて前記情報処理装置に送信するよう構成されており、
前記送信装置は、場所を識別する第一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報と、移動体を識別する第二の前記識別情報を含む前記ビーコン情報と、を送信するよう構成されている、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムであって、
前記送信装置は、場所を識別する前記第一の識別情報を含む前記ビーコン情報と、人物を識別する前記第二の識別情報を含む前記ビーコン情報と、を送信するよう構成されている、
情報処理システム。
【請求項8】
同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を送信する送信装置と、
前記ビーコン情報を受信する携帯型の受信装置と、を備えた情報処理システムによる情報処理方法であって、
受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれてお
り、当該アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように
構成された前記受信装置が、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、予め登録されたそれぞれ異なる前記識別情報を含む2つの前記ビーコン情報を受信したときに、2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得可能なよう当該アプリケーションに通知する、
情報処理方法。
【請求項9】
送信装置が同一の領域
に送信する、それぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を受信する携帯型の受信装置であって、
受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように構成され
た前記受信装置に、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、予め登録されたそれぞれ異なる前記識別情報を含む2つの前記ビーコン情報を受信したときに、2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得可能なよう当該アプリケーションに通知する機能を設けた、
受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法、送信装置、受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小売店などの店舗において、顧客の来店状況を計測することが行われている。例えば、特許文献1では、ビーコンと呼ばれる無線通信端末と、顧客が所持する携帯型端末と、サーバと、を用いて、店舗における顧客の来店状況を計測している。具体的に、特許文献1では、店舗に設置したビーコンから店舗識別情報を含むビーコン情報を送信し、携帯型端末がビーコン情報を受信してサーバに通知することで、携帯型端末を所持する顧客が店舗に来店したことを検知している。
【0003】
そして、上述したビーコン技術としては、規格化された「iBeacon(登録商標)」が使用される。「iBeacon」の規格では、携帯型端末に搭載された特定のアプリケーションがビーコン情報を受信するためには、携帯型端末のOS(Operating System)に対してアプリケーションが事前にビーコン情報の識別情報を登録しておく必要がある。これにより、携帯型端末のOSがビーコン情報を受信すると、かかるビーコン情報に含まれる識別情報が、当該識別情報に対応するアプリケーションに通知され、アプリケーションからサーバに対する通知が行われることとなる。このとき、OSは、アプリケーションが携帯型端末においてバックグラウンドで実行されている場合にも、ビーコン情報を受信したことを通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような規格化されたビーコン技術では、バックグラウンドで実行されているアプリケーションがビーコン情報の受信を検知することができない場合が生じうる。その結果、人物の動向を計測することが困難となる、という問題が生じる。
【0006】
このため、本開示の目的は、上述した課題である、人物の動向を計測することが困難である、ことを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態である情報処理システムは、
同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を送信する送信装置と、
前記ビーコン情報を受信する携帯型の受信装置と、を備え、
前記受信装置は、当該受信装置が受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、当該アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように構成されており、
前記送信装置は、2つの前記ビーコン情報を前記一定時間未満の間に送信するよう構成されている、
という構成をとる。
【0008】
また、本開示の一形態である情報処理方法は、
同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を送信する送信装置と、
前記ビーコン情報を受信する携帯型の受信装置と、を備えた情報処理システムによる情報処理方法であって、
前記受信装置には、当該受信装置が受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、
前記送信装置が、2つの前記ビーコン情報を一定時間未満の間に送信し、
前記受信装置が、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、前記一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないようにする、
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の一形態である送信装置は、
同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を携帯型の受信装置に送信する送信装置であって、
前記受信装置は、当該受信装置が受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように構成されており、
前記送信装置は、2つの前記ビーコン情報を前記一定時間未満の間に送信するよう構成されている、
という構成をとる。
【0010】
また、本開示の一形態である受信装置は、
送信装置が同一の領域に一定時間未満の間に送信する、それぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を受信する携帯型の受信装置であって、
前記受信装置は、当該受信装置が受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように構成されている、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0011】
本開示は、以上のように構成されることにより、人物の動向を計測することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態1における情報処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に開示した情報処理システムの動作を示す図である。
【
図3】
図1に開示した情報処理システムの動作を示す図である。
【
図4】
図1に開示した顧客端末の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の実施形態2における情報処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本開示の第1の実施形態を、
図1乃至
図4を参照して説明する。
図1は、情報処理システムの構成を説明するための図であり、
図2乃至
図4は、情報処理システムの処理動作を説明するための図である。
【0014】
[構成]
本実施形態における情報処理システムは、施設Tにおいて、施設Tに訪れた顧客U(人物)の動向を計測するために利用するものである。
図1に示すように、情報処理システムは、施設Tに設置される送信装置10と、顧客Uが所持する顧客端末20と、ネットワークNに接続された管理サーバ30と、を備えて構成されている。
【0015】
なお、本実施形態では、施設Tは、例えば、商品を販売したりサービスを提供する店舗である。但し、施設Tは、店舗に限らず、所定の広さの領域を有するいかなる施設であってもよい。一例として、施設Tは、複数店舗からなるショッピングモールなどの商業施設であったり、ビル全体によって形成される施設やテーマパークなどの施設であってもよい。以下、各構成について詳述する。
【0016】
送信装置10は、施設T内に設置されており、Bluetooth(登録商標)といった近距離無線通信にて一定の時間間隔や任意のタイミングでビーコン情報を送信するよう構成されている。例えば、送信装置10は、施設Tの壁や天井、柱などの固定部材に設置されたり、施設Tの従業員などの人物により所持されている。これにより、送信装置10は、施設T内の領域にビーコン情報を送信する。
【0017】
具体的に、送信装置10は、
図1に示すように、第一ビーコン装置11と、第二ビーコン装置12と、を備えている。そして、第一ビーコン装置11及び第二ビーコン装置12は、iBeacon(登録商標)により規格化された通信プロトコルにてビーコン情報を送信するものである。このため、第一ビーコン装置11が送信するビーコン情報(以下、「第一ビーコン情報」、と称する)、及び、第二ビーコン装置12が送信するビーコン情報(以下、「第二ビーコン情報」、と称する)は、iBeacon規格によるビーコン情報である旨の情報を含んでおり、受信装置が受信するためには、当該受信装置が、Bluetooth(登録商標)による受信設定がオンであり、位置情報サービスの利用がオンに設定されている必要がある。これにより、受信装置は、後述するように、受信装置に装備された送受信装置及びOS(Operating System)により受信可能となる。
【0018】
そして、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とは、施設Tを識別する識別情報(施設識別情報:施設ID)を含むビーコン情報を送信するよう構成されている。つまり、第一ビーコン装置11が送信する第一ビーコン情報と、第二ビーコン装置12が送信する第二ビーコン情報とは、同一の施設Tである同一の場所を表す施設識別情報といった識別情報を含んでいる。但し、第一ビーコン情報が含む識別情報である第一識別情報(UUID1)と、第二ビーコン情報が含む識別情報である第二識別情報(UUID2)とは、それぞれが異なる情報で構成されている。つまり、第一識別情報と第二識別情報とは、同一の施設Tを識別する識別情報であるものの、その情報(UUID1とUUID2)の内容が異なっている。このため、後述するように、第一ビーコン情報と第二ビーコン情報とを受信する受信装置である顧客端末20は、それぞれに含まれる識別情報(UUID1,UUID2)が異なっているため、異なるビーコン情報として受信することとなる。
【0019】
なお、上述した第一識別情報と第二識別情報とは、相互に異なる情報であって、施設Tに対応付けられている情報であれば、いかなる内容の情報であってもよい。例えば、第一識別情報は、施設Tを識別する施設識別情報であり、第二識別情報は、施設Tに対応付けられた当該施設T内の従業員などの人物を識別する人物識別情報であってもよい。この場合、送信装置10である第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とは、それぞれ別々の装置で構成されており、例えば、第一識別情報を含む第一ビーコン情報を送信する第一ビーコン装置11は施設Tの壁などに固定設置されており、第二識別情報を含む第二ビーコン情報を送信する第二ビーコン装置12は施設Tの従業員などの人物により所持されている。また、第二識別情報は、人物を識別する識別情報に限らず、施設Tに対応付けられた、当該施設T内で移動するカートや車椅子などの移動体を識別する識別情報であってもよい。この場合、第二ビーコン装置12は、移動体に搭載されることとなる。
【0020】
また、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とは、Bluetooth(登録商標)といった近距離無線通信による送信距離がほぼ同一に設定されていることとし、これにより、同一の施設T内にそれぞれ第一ビーコン情報と第二ビーコン情報とを送信することが可能となっている。
【0021】
また、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とによるビーコン情報の送信タイミングは、送信装置10により制御される。具体的に、送信装置10は、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とからそれぞれ100ms間隔でビーコン情報を送信するよう制御するが、このとき、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とで送信タイミングをずらして送信するよう制御する。例えば、送信装置10は、
図2に示すように、第一ビーコン装置11から第一ビーコン情報を100ms間隔で送信するよう制御し、第二ビーコン装置12からは第一ビーコン情報を送信した50ms後に第二ビーコン情報を送信するよう制御する。これにより、第一ビーコン情報と第二ビーコン情報とは、交互に、かつ、少なくとも50ms以上の同一の時間範囲に、施設T内に送信される。
【0022】
ここで、第一ビーコン情報と第二ビーコン情報とが送信される同一の時間範囲は、後述するように顧客端末20で設定されている一定時間である「受信停止時間」未満に設定される。例えば、後述するように「受信停止時間」は30秒であり、かかる30秒未満の間に、第一ビーコン情報と第二ビーコン情報とを送信するよう、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とによるビーコン情報の送信タイミングが設定されている。換言すると、第一ビーコン情報が「受信停止時間」(30秒)以上連続して送信され、かつ、その間に第二ビーコン情報が送信されない、あるいは、第二ビーコン情報が「受信停止時間」(30秒)以上連続して送信され、かつ、その間に第一ビーコン情報が送信されない、という送信タイミングには設定されていない、こととなる。なお、第一ビーコン情報と第二ビーコン情報との送信間隔は、上述した時間間隔であることに限定されず、いかなる時間間隔であってもよい。また、第一ビーコン情報と第二ビーコン情報とは、必ずしも交互に送信されることに限定されない。例えば、第一ビーコン情報が複数回連続で送信され、その後、第二ビーコン情報が複数回連続で送信されることを繰り返してもよく、一方が複数回連続で送信され、その後、他方が1回送信される、というような送信タイミングであってもよい。
【0023】
なお、上述した送信装置10による第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とからのビーコン情報の送信制御機能は、送信装置10が装備する演算装置にプログラムが組み込まれることで実現される。また、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とが別々の装置で構成されている場合には、各装置11,12の演算装置に組み込まれたプログラムによって各ビーコン情報を送信する制御機能が構成されてもよい。このとき、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とがそれぞれが連動せずに第一ビーコン情報や第二ビーコン情報を送信している場合であっても、第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とはそれぞれ上述した「受信停止時間(例えば、30秒)」未満の間に第一ビーコン情報や第二ビーコン情報を送信するよう設定されている。
【0024】
ここで、上述した第一ビーコン装置11及び第二ビーコン装置12は、必ずしもiBeacon(登録商標)により規格化されていることに限定されず、他の規格化された通信プロトコルにてビーコン情報を送信するものであってもよい。
【0025】
顧客端末20(受信装置)は、演算装置、記憶装置、送受信装置等を備えた一般的な情報処理装置にて構成される。特に、本実施形態では、顧客端末20は、顧客Uが所持するスマートフォンなどの携帯型情報処理端末である。ここで、顧客Uは、施設Tに対して事前に顧客登録を行っていることとする。このため、顧客Uには、顧客Uを識別する顧客識別情報が付与されており、かかる顧客識別情報を含む顧客情報が管理サーバ30や、当該管理サーバ30に接続されたデータベースなどに登録されていることとする。なお、顧客情報は、顧客Uの氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報や、顧客Uの性別、年齢、嗜好などの属性情報などを含む。さらに、顧客情報は、施設Tに対する顧客Uの利用状況を表す利用情報を含む。
【0026】
そして、顧客端末20は、OS(Operating System)21と、当該OS上に構築された通信制御部22と、OS上で実行される施設Tが提供する顧客用アプリケーション23と、を備えている。OS21、通信制御部22、顧客用アプリケーション23は、顧客端末20に装備された演算装置がプログラムを実行することで顧客端末20上で実現される。そして、顧客端末20は、顧客Uが操作することにより、通信制御部22上において、Bluetoothによる情報の受信を許可する(オン)か否か(オフ)を表す受信設定が行われる。そして、Bluetoothによる情報の受信がオン設定である場合には、後述するようにOS21がビーコン情報を受信可能となる。
【0027】
顧客端末20に組み込まれた顧客用アプリケーション23には、顧客Uがログイン操作などを行うことで、かかる顧客Uの顧客識別情報が設定される。また、顧客用アプリケーション23では、顧客端末20に組み込まれた際に、顧客端末20において位置情報の提供を許可する(オン)か否か(オフ)を表す位置情報の利用設定が行われる。このとき、顧客用アプリケーション23は、位置情報サービスを利用するオン設定の場合には、バックグラウンドにおいて実行されている場合であっても、後述するようにOS21の通信制御部22が受信したiBeacon規格によるビーコン情報またはビーコン情報に含まれる識別情報を当該通信制御部22から取得可能となる。但し、顧客用アプリケーション23は、必ずしも位置情報サービスを利用するオン設定の場合のみOS21(通信制御部22)からビーコン情報またはビーコン情報に含まれる識別情報を取得可能となることに限定されず、位置情報サービスを利用しないオフ設定であっても、ビーコン装置の規格やOSの機能によっては、バックグラウンドにおいてOS21(通信制御部22)からビーコン情報又はビーコン情報に含まれる識別情報を取得可能であってもよい。
【0028】
また、顧客用アプリケーション23は、顧客端末20に組み込まれた際に、OS21の通信制御部22に対して取得を要求するビーコン情報に含まれる識別情報を登録する。本実施形態の場合、顧客用アプリケーション23は、上述した施設Tに対応付けられた2つの識別情報を通信制御部22に対して登録する。具体的に、顧客用アプリケーション23が登録する2つの識別情報は、第一ビーコン装置11から送信される第一ビーコン情報に含まれる第一識別情報(UUID1)と、第二ビーコン装置12から送信される第二ビーコン情報に含まれる第二識別情報(UUID2)とである。これにより、顧客用アプリケーション23は、後述するように、バックグラウンドにおいて実行されている場合であっても、OS21の通信制御部22が第一識別情報又は第二識別情報を含む第一ビーコン情報又は第二ビーコン情報を受信した場合に、かかる通信制御部22から第一ビーコン情報(第一識別情報)又は第二ビーコン情報(第二識別情報)を取得可能となる。
【0029】
そして、顧客用アプリケーション23は、顧客端末20が第一ビーコン情報又は第二ビーコン情報を受信して、OS21の通信制御部22から第一ビーコン情報又は第二ビーコン情報を取得した際には、ビーコン情報に含まれる識別情報(UUID1,UUID2)と、顧客端末20を所持する顧客Uの顧客識別情報と、を関連付けたビーコンログを、送受信装置を介してネットワーク上の管理サーバ30に送信する。これにより、顧客端末20の顧客が、施設Tに位置していることが記録されることとなる。
【0030】
ここで、顧客端末20のOS21が備える通信制御部22は、受信したビーコン情報に対して以下のように処理する機能を有する。まず、通信制御部22は、Bluetoothによる情報の受信を許可するオン設定である場合には、施設T内で送信されていて受信可能なビーコン情報を受信する。例えば、施設T内において上述した第一ビーコン情報と第二ビーコン情報とを受信する。そして、通信制御部22は、受信したビーコン情報に含まれている識別情報が、上述したように顧客用アプリケーション23にて登録されているかを調べ、登録されている場合には、受信したビーコン情報あるいはビーコン情報に含まれる識別情報を顧客用アプリケーション23に通知する。このとき、OS21の通信制御部22は、通知先となっている顧客用アプリケーション23にて位置情報サービスを利用するオン設定となっている場合には、顧客用アプリケーション23がバックグラウンドにおいて実行されている場合であっても通知する。
【0031】
一方で、OS21の通信制御部22には、受信するビーコン情報について「受信停止時間」が設定されており、例えば、受信停止時間として30秒が設定されている。そして、通信制御部22は、「受信停止時間」(30秒)以上連続して同一のビーコン情報、つまり、同一の識別情報を含むビーコン情報を受信した場合には、かかるビーコン情報又はビーコン情報に含まれる識別情報をバックグラウンドで実行されている顧客用アプリケーション23に通知しないように構成されている。このため、通信制御部22は、例えば
図3(3-1)に示すように、第一識別情報(UUID1)を含む第一ビーコン情報のみを30秒以上連続して受信した場合には、その後に第一ビーコン情報(第一識別情報UUID1)を受信したとしても、顧客用アプリケーションに通知しないこととなる。また、第二識別情報(UUID2)を30秒以上連続して受信した場合も同様である。一方で、通信制御部22は、例えば
図3(3-2)に示すように、ビーコン情報(UUID1)を受信してから受信停止時間である30秒未満の間であれば、同一の識別情報(UUID1)を含むビーコン情報や異なる識別情報(UUID2)を含むビーコン情報を受信した場合には、受信したビーコン情報(識別情報:UUID1,UUID2)を顧客用アプリケーション23に通知することとなる。そして、通信制御部22は、30秒未満の間に異なる識別情報のビーコン情報を受信すると、その都度、受信停止時間(例えば30秒)をリセットしてカウントを開始するため、常に受信したビーコン情報(当該ビーコン情報に含まれる識別情報)を、バックグラウンドで実行されている顧客用アプリケーション23に通知することとなる。
【0032】
管理サーバ30は、演算装置、記憶装置、送受信装置等を備えた1台又は複数台の一般的な情報処理装置にて構成される。管理サーバ30は、ネットワークNを介して顧客端末20に接続されている。なお、管理サーバ30の機能は、演算装置が記憶装置に格納された各機能を実現するためのプログラムを実行することにより実現することができる。
【0033】
管理サーバ30は、上述したように施設Tにて第一ビーコン情報あるいは第二ビーコン情報を受信した顧客端末20から、受信したビーコン情報に含まれる施設識別情報と、顧客端末20を所持する顧客Uの顧客識別情報と、が関連付けられたビーコンログを送受信装置を介して取得する。そして、管理サーバ30は、取得した関連付けられた施設識別情報及び顧客識別情報からなるビーコンログを記憶装置に記憶する。
【0034】
[動作]
次に、上述した構成による情報処理システムの動作、特に、顧客端末20の動作を、
図4のフローチャートを参照して説明する。なお、この例では、顧客端末20では、顧客用アプリケーション23がバックグラウンドで実行されていることとする。また、施設T内では、送信装置10の第一ビーコン装置11及び第二ビーコン装置12から、上述したように第一ビーコン情報及び第二ビーコン情報が送信されていることとする。
【0035】
まず、顧客Uが施設Tを訪れると、施設Tに送信されているビーコン情報を顧客端末20のOS21が受信する(ステップS1)。このとき、例えば、第一ビーコン装置11から送信された第一ビーコン情報を受信したとする。すると、顧客端末20のOS21は、受信停止時間のカウントを開始し(ステップS2)、受信した第一ビーコン情報に含まれる第一識別情報(UUID1)を顧客用アプリケーション23に通知する(ステップS3)。第一識別情報の通知を受けた顧客用アプリケーション23は、かかる第一識別情報(UUID1)と、顧客端末20を所持する顧客Uの顧客識別情報と、を関連付けたビーコンログを、送受信装置を介してネットワーク上の管理サーバ30に送信する(ステップS4)。これにより、ビーコンログが管理サーバ30に記録され、顧客端末20の顧客Uが施設Tを訪れたことが記録されることとなる。
【0036】
その後、顧客Uが施設Tに居続けている場合には、さらに施設Tにて送信されているビーコン情報を顧客端末20のOS21が受信する(ステップS5)。このとき、例えば、第二ビーコン装置12から送信された第二ビーコン情報を受信したとする。すると、顧客端末20のOS21は、今回受信した第二ビーコン情報に含まれる第二識別情報(UUID2)が前回に受信した第一識別情報(UUID1)と異なるかを調べる(ステップS6)。この場合、今回受信した第二識別情報(UUID2)は前回受信した第一識別情報(UUID1)とは異なるため(ステップS6でYes)、OS21は受信停止時間をリセットして再度カウントを開始し(ステップS7)、受信した第二ビーコン情報に含まれる第二識別情報(UUID2)を顧客用アプリケーション23に通知する(ステップS9)。第二識別情報の通知を受けた顧客用アプリケーション23は、かかる第二識別情報(UUID2)と、顧客端末20を所持する顧客Uの顧客識別情報と、を関連付けたビーコンログを、送受信装置を介してネットワーク上の管理サーバ30に送信する(ステップS10)。これにより、ビーコンログが管理サーバ30に記録され、顧客端末20の顧客Uが施設Tに居続けていることが記録されることとなる。
【0037】
なお、例えば、顧客端末20が第一ビーコン装置11から送信された第一ビーコン情報を連続で受信した場合には(ステップS6でNo)、OS21は受信停止時間(例えば、30秒)が経過しているかを調べ(ステップS8)、経過していなければ(ステップS8でNo)、受信した第一ビーコン情報に含まれる第一識別情報(UUID1)を顧客用アプリケーション23に通知する(ステップS9)。第一識別情報の通知を受けた顧客用アプリケーション23は、かかる第一識別情報(UUID1)と、顧客端末20を所持する顧客Uの顧客識別情報と、を関連付けたビーコンログを、送受信装置を介してネットワーク上の管理サーバ30に送信する(ステップS10)。これにより、ビーコンログが管理サーバ30に記録され、顧客端末20の顧客Uが施設Tに居続けていることが記録されることとなる。
【0038】
そして、本実施形態では、送信装置10から第一ビーコン情報と第二ビーコン情報とが受信停止時間未満にそれぞれ送信されているため、同一のビーコン情報が受信停止時間以上連続で受信されることがないため、上述した処理が繰り返されることとなる(ステップS5~S10)。つまり、顧客端末20のOS21は、いずれかのビーコン情報に含まれる識別情報(UUID1,UUID2)を常に顧客用アプリケーション23に通知することとなる。これにより、顧客用アプリケーション23は、顧客Uが施設Tに滞在している間は、常に施設Tに対応する識別情報(UUID1,UUD2)を取得し、識別情報(UUID1,UUD2)と顧客識別情報とを関連付けたビーコンログを管理サーバ30に送信することとなる。その結果、顧客Uが施設Tに居続ける限りは、そのことが管理サーバ30に記録され続けることとなり、顧客Uである人物の動向を容易に計測することができる。
【0039】
なお、本実施形態とは異なり、仮に施設Tにおいて1つのビーコン情報しか送信されていない場合には、OS21は、同一のビーコン情報が受信停止時間以上連続して受信されることとなり(ステップS8でYes)、その後、OS21は受信したビーコン情報に含まれる識別情報を顧客用アプリケーション23に通知しないこととなる(ステップS11)。すると、顧客用アプリケーション23からはビーコンログが管理サーバ30に送信されなくなり、顧客Uが施設Tに居続けたとしても、そのことが記録されなくなる。
【0040】
なお、上記では、顧客用アプリケーション23は、第一ビーコン情報及び第二ビーコン情報それぞれに含まれる第一識別情報及び第二識別情報(UUID1,UUD2)を取得した場合に、両方の識別情報を顧客識別情報に関連付けて管理サーバ30に送信しているが、いずれか一方の識別情報のみに顧客識別情報を関連付けて管理サーバ30に送信してもよい。例えば、第一識別情報を取得した場合には、第一識別情報に顧客識別情報を関連付けて管理サーバ30に送信し、第二識別情報を取得した場合には、かかる第二識別情報は管理サーバ30に送信しないこととしてもよい。このようにしても、顧客用アプリケーション23は、顧客Uが施設Tに滞在している間は、常に施設Tに対応する第一識別情報(UUID1)を取得し続けるため、第一識別情報(UUID1)と顧客識別情報とを関連付けたビーコンログを管理サーバ30に送信することとなり、そのことが管理サーバ30に記録され続けることとなる。
【0041】
ここで、上記では、送信装置10がそれぞれ異なる第一識別情報及び第二識別情報(UUID1,UUD2)を含む第一ビーコン情報及び第二ビーコン情報を送信する場合を例示したが、これに加えてさらに異なる識別情報を含む1つ又は複数の他のビーコン情報を、受信停止時間未満の間に送信するよう構成されていてもよい。つまり、送信装置10は、施設Tに対応付けられた、それぞれ異なる識別情報を含む3つ以上のビーコン情報を受信停止未満の間に送信するよう構成されていてもよい。これに応じて、顧客用アプリケーション23は、かかるビーコン情報に対応する3つ以上の識別情報を顧客端末20に登録しておくことで、顧客端末20は、受信停止時間未満の間に3つ以上の識別情報のいずれかを含むビーコン情報を受信することとなり、常にいずれかの識別情報を顧客用アプリケーション23に通知することとなる。これにより、顧客用アプリケーション23は、顧客端末20を所持する顧客Uが施設Tに位置する間は、常に3つ以上の識別情報のいずれかを取得して、かかる識別情報に顧客識別情報を関連付けて管理サーバ30に送信することとなる。
【0042】
<実施形態2>
次に、本開示の第2の実施形態を、
図5を参照して説明する。
図5は、情報処理システムの構成を説明するための図である。
【0043】
本実施形態における情報処理システムは、上述した実施形態1とほぼ同様の構成であるが、送信装置10の構成が異なる。以下、主に実施形態1と異なる構成について説明する。
【0044】
本実施形態における送信装置10である第一ビーコン装置11と第二ビーコン装置12とは、それぞれ別々の装置で構成されている。そして、第一ビーコン装置11は、例えば施設Tの壁などに設置されており、施設Tを識別する施設識別情報(UUID1)を含む第一ビーコン情報を送信するよう構成されている。また、第二ビーコン装置12は、例えば施設Tの従業員といった人物Pが所持する携帯端末にて構成されており、かかる人物Pを識別する人物識別情報(UUID2)を含む第二ビーコン情報を送信するよう構成されている。このとき、人物識別情報は、人物Pである従業員が属する施設Tに対応付けられており、このため、人物識別情報は施設Tを識別する施設識別情報としても機能する。
【0045】
これにより、顧客用アプリケーション23は、顧客Uが施設Tに滞在している間は、常に施設Tに対応する各識別情報(UUID1,UUD2)を取得し、各識別情報(UUID1,UUD2)と顧客識別情報とを関連付けたビーコンログを管理サーバ30に送信することとなる。このため、顧客Uが施設Tに居続ける限りは、そのことが管理サーバ30に記録され続けることとなり、顧客Uが施設Tにいることに加え、顧客Uが人物Pである従業員と一緒にいることが記録されることとなる。その結果、従業員による顧客Uに対する接客状況も記録され、顧客Uである人物の動向を容易に計測することができる。
【0046】
なお、上記では、第二ビーコン装置12は人物Pが所持する携帯端末にて構成されている場合を例示したが、人物Pが所持する携帯型の送信装置で構成されていてもよい。また、第二ビーコン装置12は、必ずしも人物が所持するものであることに限定されず、カートや車椅子などの移動体に装備されてもよく、この場合、第二ビーコン装置12が送信する第二ビーコン情報に含まれる第二識別情報は、装備されている移動体を識別する情報であってもよく、さらに移動体が配備されている施設Tに対応付けられていてもよい。
【0047】
また、上述した第一ビーコン装置11及び第二ビーコン装置12に加えて、これらが出力するビーコン情報に含まれる識別情報とはさらに異なる識別情報を含む他のビーコン情報を送信する1つ又は複数の他のビーコン装置を備えてもよい。つまり、3つ以上のビーコン装置を送信装置として備え、施設Tに対応付けられた、それぞれ異なる識別情報を含む3つ以上のビーコン情報を受信停止未満の間に送信するよう構成されていてもよい。これに応じて、顧客用アプリケーション23は、かかるビーコン情報に対応する3つ以上の識別情報を顧客端末20に登録しておくことで、顧客端末20は、受信停止時間未満の間に3つ以上の識別情報のいずれかを含むビーコン情報を受信することとなり、常にいずれかの識別情報を顧客用アプリケーション23に通知することとなる。これにより、顧客用アプリケーション23は、顧客端末20を所持する顧客Uが施設Tに位置する間は、常に3つ以上の識別情報のいずれかを取得して、かかる識別情報に顧客識別情報を関連付けて管理サーバ30に送信することとなる。
【0048】
以上、上記実施形態等を参照して本開示を説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0049】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0050】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本開示における情報処理システム、情報処理方法、送信装置、受信装置の構成の概略を説明する。但し、本開示は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を送信する送信装置と、
前記ビーコン情報を受信する携帯型の受信装置と、を備え、
前記受信装置は、当該受信装置が受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、当該アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように構成されており、
前記送信装置は、2つの前記ビーコン情報を前記一定時間未満の間に送信するよう構成されている、
情報処理システム。
(付記2)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記受信装置は、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、前記一定時間未満の間にそれぞれ異なる前記識別情報を含む2つの前記ビーコン情報を受信した場合に、2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得可能なよう当該アプリケーションに通知する、
情報処理システム。
(付記3)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記アプリケーションは、前記受信装置に対して2つの異なる前記識別情報を通知するよう登録し、
前記受信装置は、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、前記一定時間未満の間に登録されている2つの前記識別情報をそれぞれ含む2つの前記ビーコン情報を受信した場合に、2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を前記アプリケーションに通知する、
情報処理システム。
(付記4)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記アプリケーションは、取得した前記識別情報のうち少なくとも1つに、前記受信装置に対応付けられた受信装置側識別情報を関連付けて前記情報処理装置に送信するよう構成されている、
情報処理システム。
(付記5)
付記4に記載の情報処理システムであって、
前記アプリケーションは、取得した前記識別情報のうちの1つに、前記受信装置側識別情報を関連付けて前記情報処理装置に送信し、取得した前記識別情報のうちの他の1つは前記情報処理装置に送信しないように構成されている、
情報処理システム。
(付記6)
付記4に記載の情報処理システムであって、
前記アプリケーションは、取得した前記識別情報の両方それぞれに前記受信装置側識別情報を関連付けて前記情報処理装置に送信するよう構成されており、
前記送信装置は、場所を識別する第一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報と、移動体を識別する第二の前記識別情報を含む前記ビーコン情報と、を送信するよう構成されている、
情報処理システム。
(付記7)
付記6に記載の情報処理システムであって、
前記送信装置は、場所を識別する前記第一の識別情報を含む前記ビーコン情報と、人物を識別する前記第二の識別情報を含む前記ビーコン情報と、を送信するよう構成されている、
情報処理システム。
(付記8)
同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を送信する送信装置と、
前記ビーコン情報を受信する携帯型の受信装置と、を備えた情報処理システムによる情報処理方法であって、
前記受信装置には、当該受信装置が受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、
前記送信装置が、2つの前記ビーコン情報を一定時間未満の間に送信し、
前記受信装置が、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、前記一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないようにする、
情報処理方法。
(付記9)
請求項8に記載の情報処理方法であって、
前記受信装置が、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、前記一定時間未満の間にそれぞれ異なる前記識別情報を含む2つの前記ビーコン情報を受信した場合に、2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得可能なよう当該アプリケーションに通知する、
情報処理方法。
(付記10)
同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を携帯型の受信装置に送信する送信装置であって、
前記受信装置は、当該受信装置が受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように構成されており、
前記送信装置は、2つの前記ビーコン情報を前記一定時間未満の間に送信するよう構成されている、
送信装置。
(付記11)
送信装置が同一の領域に一定時間未満の間に送信する、それぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を受信する携帯型の受信装置であって、
前記受信装置は、当該受信装置が受信した2つの前記ビーコン情報にそれぞれ含まれる前記識別情報を取得し、少なくとも1つの前記識別情報をネットワークを介して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、前記アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の前記識別情報を含む前記ビーコン情報を連続して受信したときに、当該ビーコン情報に含まれる前記識別情報を前記アプリケーションが取得できないように構成されている、
受信装置。
【符号の説明】
【0051】
10 送信装置
11 第一ビーコン装置
12 第二ビーコン装置
20 顧客端末
21 OS
22 通信制御部
23 顧客用アプリケーション
30 管理サーバ
U 顧客
T 施設
N ネットワーク
【要約】
【課題】人物の動向を計測することが困難であること。
【解決手段】本開示の情報処理システムは、同一の領域にそれぞれ異なる識別情報を含む2つのビーコン情報を送信する送信装置10と、ビーコン情報を受信する受信装置20と、を備える。受信装置20は、ビーコン情報に含まれる識別情報を取得して所定の情報処理装置に送信するアプリケーションが組み込まれており、アプリケーションがバックグラウンドで実行されている場合に、一定時間以上同一の識別情報を含むビーコン情報を連続して受信したときに識別情報をアプリケーションが取得できないように構成されている。さらに、送信装置10は、2つのビーコン情報を一定時間未満の間に送信するよう構成されている。
【選択図】
図1