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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】リモコン保持用ウォールマウント
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240130BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H04Q9/00 371Z
A47G29/00 G
A47G29/00 J
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019125832
(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公開番号】P2020022738
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10 2018 116 490.4
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518226097
【氏名又は名称】エフエム マーケティング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FM MARKETING GMBH
【住所又は居所原語表記】Schalkham 77, 5202 Neumarkt am Wallersee Austria
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マイアー フェルディナンド
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-218281(JP,A)
【文献】特開2017-179764(JP,A)
【文献】特開2015-027914(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0118173(US,A1)
【文献】中国実用新案第207140967(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
A47G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持室(6)のジャケット側を少なくとも部分的に取り囲むジャケット壁(12)と、
前記保持室(6)内に向けられた内側(16)、および、前記内側(16)と対向する外側(18)を有し、前記保持室(6)のベース側で前記ジャケット壁(12)に隣接する底壁(14)と、
リモコン(4)が貫通して前記保持室(6)内に挿入できる、前記保持室(6)のカバー側の挿入開口部(20)とを備え、
2つの貫通開口部(22、24)が前記底壁(14)を貫通して案内され、それぞれの貫通開口部を介して前記底壁(14)を支持体に固定するための固定具を案内することができ、および
2つのチャンバー(26、28)が前記外側(18)から前記底壁(14)へ凹んで配置され、それぞれのチャンバーに、リモコン(4)を前記保持室(6)内に保持するための磁石(10、11)を有する、
リモコン(4)を支持体上の円筒形の保持室(6)内に保持するためのウォールマウント(2)。
【請求項2】
前記磁石(10、11)がそれぞれのチャンバー(26、28)内にポジティブロック方式で保持されている、請求項1に記載のウォールマウント(2)。
【請求項3】
フォームフィットのために、リング(30)が、それぞれの磁石(10、11)が収容されているそれぞれのチャンバー(26、28)の壁(34)から距離(32)を置いて、各チャンバー(26、28)内に配置されている、請求項2に記載のウォールマウント(2)。
【請求項4】
追加的なチャンバー(36)が2つの前記貫通開口部(22、24)の間に形成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のウォールマウント(2)。
【請求項5】
前記チャンバー(26、28、36)が、前記底壁(14)から前記保持室(6)内へ突出する円周方向の囲い壁(38)により取り囲まれている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のウォールマウント(2)。
【請求項6】
前記囲い壁(38)が、前記底壁(14)から見たときに、前記チャンバー(26、28、36)よりも大きく(40)、したがって、前記囲い壁(38)が、前記チャンバー(26、28、36)の上方に、カバー(44)を装着できる挿入スペース(42)を画定する、請求項5に記載のウォールマウント(2)。
【請求項7】
前記底壁(14)から前記保持室(6)内へ突出する支持リブ(46)を備え、前記リモコン(4)が前記支持リブ(46)に配置できるように、前記支持リブ(46)が、前記底壁(14)の上方における前記チャンバー(26、28、36)を超える高さで前記チャンバー(26、28、36)の周りに配置されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のウォールマウント(2)。
【請求項8】
前記支持リブ(46)を前記ジャケット壁(12)および/または前記囲い壁(38)および/またはそれ自体(46)と連結する安定化リブ(48、50、52)を備える、請求項7に記載のウォールマウント(2)。
【請求項9】
前記底壁(14)と前記ジャケット壁(12)との間に開口部(54)を備え、前記リモコンを前記保持室から押し出すためのツールが前記開口部を貫通して案内され受け入れ開口部が前記支持リブ(46)を貫通する、請求項7乃至8のいずれか一項に記載のウォールマウント(2)。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のウォールマウント(2)と、
前記ウォールマウント(2)の保持室(6)内に配置され、チャンバー(26、28)内の磁石(10、11)がリモコン(4)を前記保持室(6)に保持するように、磁化可能な要素が収容されているリモコン(4)と、
を備える、システム(56)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンを支持体上に保持するためのウォールマウント、およびウォールマウントを備えたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウォールマウントは、米国特許US6,975,223B1から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ウォールマウントを改良することである。
【0004】
この課題は、独立請求項の特徴により達成される。好ましい実施形態は従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、リモコンを支持体上の円筒形の保持室内に保持するためのウォールマウントは、保持室のジャケット側を少なくとも部分的に取り囲むジャケット壁と、保持室内に向けられた内側、および、内側と対向する外側を有し、保持室のベース側でジャケット壁に隣接する底壁と、リモコンが貫通して保持室内に挿入できる、保持室のカバー側の挿入開口部とを備え、2つの貫通開口部が底壁を貫通して案内され、それぞれの貫通開口部を介して底壁を支持体に固定するための固定具を案内することができ、および、2つのチャンバーが外側から底壁へ凹んで配置され、それぞれのチャンバーに、リモコンを保持室内に保持するための磁石を有する。
【0006】
提示されたウォールマウントは、特定の機器用のリモコンは、壁上の静止位置から操作される可能性が高いが、ユーザーが別の場所で操作するためにそれを壁から取り外すことはめったにないという考察に基づく。そのような機器の一例として、ホテルの空調システムが挙げられる。リモコンは通常、壁に取り付けられたウォールマウントに保持され、スイッチのように操作されることが多い。例外的な場合にのみ、リモコンが実際に取り外される。
【0007】
冒頭に述べたウォールマウントでは、リモコンはバスケットの中に保持されているが、このバスケットは、リモコンの前面を部分的に覆っているため、リモコンがウォールブラケットの中に保持されているとき、前面全体をキーパッドとして使用することはできない。その代案としては、リモコンをフックまたは他のスナップ機構で保持することもできるが、例えばフックは機械的負荷を受けて破損する可能性があるため、技術的に困難である。
【0008】
磁力によってリモコンを保持することで、この特定のウォールマウントは機械的応力の問題を回避する。したがって、リモコンは摩耗の兆候なしに必要なだけ特定のウォールマウントから取り外すことができる。また、磁石を保持室の後ろのベースプレートに配置することにより、磁石を保持室から取り外すことができないように確保する。これは、特に上記のようなホテルの場合、盗難に対する保護を提供する。
【0009】
前述のウォールマウントの一実施形態では、磁石は、対応するチャンバー内にポジティブロック方式で保持されている。これは、磁石がチャンバー内に動かないように保持され、かつ、リモコンが保持室内に挿入され、磁力が磁石とリモコンとの間に作用しても騒音が発生しないことを意味する。
【0010】
特定のウォールマウントの追加的な実施形態では、ポジティブロッキング用のリングが、それぞれの磁石が収容されているそれぞれのチャンバー内に、各チャンバーの壁から距離を置いて配置されている。リングは、それぞれのチャンバーの壁までの距離内で拡大することができるので、牽引力に加えて確実な連結を提供する。したがって、例えば、ウォールマウントを取り付ける際に、磁石はチャンバーから落ちることはない。
【0011】
特定のウォールマウントの別の実施形態では、2つの貫通開口部の間に別のチャンバーを有する。この追加的なチャンバーは、一方では安定化効果を有し、他方では、追加的な磁石がこのチャンバー内に収容されることで、保持室内のリモコンの保持力を増大させることができる。
【0012】
特定のウォールマウントの追加的な実施形態では、チャンバーは、底壁から保持室内へ突出する円周方向の囲い壁によって取り囲まれている。この囲い壁は、特定のウォールマウントの安定性を増加し、磁石でチャンバーを互いに固定する。
【0013】
特定のウォールマウントの特定の実施形態では、囲い壁は、底壁から見たときに、チャンバーよりも大きいので、チャンバーの上方に、カバーが挿入できる挿入スペースを画定する。このカバーは、固定具を隠すために使用することができ、したがって、許可なしに支持体からウォールマウントを取り外す誘惑(盗難)を減少させる。
【0014】
さらなる実施形態では、特定のウォールマウントは、底壁から保持室内へ突出する支持リブを備え、リモコンが支持リブに配置できるように、支持リブが、底壁の上方におけるチャンバーを超える高さでチャンバーの周りに配置されている。保持室に保持されたリモコンは、この支持リブに安定して揺れないように載っているので、ユーザーは制限なくリモコンのキーパッドを自由に操作することができる。
【0015】
追加的な実施形態では、特定のリモコンは、支持リブをジャケット壁および/または囲い壁および/またはそれ自体と連結する安定化リブを備える。このようにして、支持リブはねじれから保護されるので、ブラスチック材料でも、比較的薄くすることができる。
【0016】
さらなる実施形態では、特定のウォールマウントは、底壁とジャケット壁との間に開口部を備え、リモコンを保持室から押し出すためのツールが開口部を貫通して案内される。このようにして、リモコンは特定のウォールマウントから容易に取り外すことができる。
【0017】
特定のウォールマウントのさらに好ましい実施形態では、受け入れ開口部が支持リブを貫通して案内されるので、ツールが保持室の奥深くに挿入され、リモコンが押し出されたときに比較的高いテコ力が加えられることができる。
【0018】
特に好ましい実施形態では、特定のウォールマウントは射出成形品として実施される。むろん、磁石は射出成形品の中には含まれず、製造後に射出成形品のチャンバー内に挿入されるだけである。
【0019】
本発明のさらなる態様によれば、システムは、特定のウォールマウントと、チャンバー内の磁石がリモコンを保持室内に保持するように装置の保持室内に配置された磁気ハウジングを有するリモコンとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の上記の特性、特徴および利点並びにそれらの達成方法は、以下図面を参照して詳細に説明される実施形態の記載から明らかになる。
図1】ウォールマウントの斜視図である。
図2】下から見た図1のウォールマウントである。
図3図1のウォールマウントのベース部である。
図4】保持室内でカバーが取り付けられている状態で見られた図1のウォールマウントである。
図5】リモコンが挿入された図1のウォールマウントを備えるシステムである。
【0021】
図面において、同じ技術的要素には同じ符号を付しており、一度だけ説明される。図は単に概略的なものであり、特に実際の幾何学的比例を反映していない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1および図2を参照されたい。図1図2は、図5に見られるリモコン4を図示されていない支持体上の円筒形の保持室6内に保持するためのウォールマウント2を異なる視点から示す。支持体は、例えば、ウォールマウント2が取り付けられた部屋の壁とすることができ、したがって、リモコン4は空調システムまたは類似の機器を制御するように設定することができる。
【0023】
ウォールマウント2は、第一の磁石10および第二の磁石11とがこれから説明する方法で挿入される、図3に示すベース部8を備える。図の磁石内の「S」は、磁石のS極が図面の平面外に位置合わせされていることを示す。ベース部8は、射出成形品など鋳造品として完全に製造することができる。
【0024】
ベース部8は、保持室6の図示されていないジャケット側を少なくとも部分的に取り囲むジャケット壁12を備える。さらに、ベース部8は、保持室6の図示されていないベース側でジャケット壁12に隣接し、保持室6内に向けられた内側16、および内側16と対向する外側18を有する底壁14を備える。最後に、ベース部8は、保持室6の図示されていないカバー側に、リモコン4が図5に示される方法で保持室6内に挿入できる挿入開口部20を含む。
【0025】
第一の貫通開口部22および第二の貫通開口部24は、底壁14を貫通して案内され、それぞれの貫通開口部を介して底壁14を支持体に固定するための固定具を案内することができる。固定具は必要に応じて選択することができる。ネジは通常、固定手段として使用される。貫通開口部22、及び24は、長円形の穴として設計され、第一の貫通開口部22は第二の貫通開口部24に対して垂直に配置される。このようにして、ベース部8、さらにウォールマウント2の位置は、それ自体公知の方法で支持体に合わせることができる。
【0026】
貫通開口部22、及び24は仮想線上に配置され、外側からベース部8の底壁14へ凹む、第一のチャンバー26および第二のチャンバー28の間に配置されている。2つのチャンバー26、及び28は、2つの貫通開口部22、及び24を通る上記仮想線上に対称的に同じ態様で配置されている。第一のチャンバー26は、前述の第一の磁石10を、第二のチャンバー28は、前述の第二の磁石11を収容する。両方の磁石10、及び11は、対応する磁気対極要素がリモコン4上にある場合、図5に示す方法で磁力によりリモコン4を保持室6内に保持する。この磁気対極要素は、例えば、磁化可能な金属ハウジングであり得る。
【0027】
磁石10、及び11は、それぞれのチャンバー26、及び28内に確実に保持される。この目的のために、それぞれのチャンバー26、及び28の壁34に対して距離32を有するリング30がチャンバー26、及び28内に配置されている。磁石10、及び11はそれぞれのリング30に保持される。
【0028】
2つの貫通開口部22、及び24の間に、原理的には磁石も配置され得る別のチャンバー36が形成されている。しかしながら、本願では、この別のチャンバー36は純粋に安定性の理由で実施されている。
【0029】
3つのチャンバー26、28、及び36は、底壁14から保持室6内へ突出する円周方向の囲い壁38によって閉じ込められまたは取り囲まれる。底壁14から見た囲い壁38はチャンバー26、28、及び36よりも大きい。これは、囲い壁38が突出部40でチャンバー26、28、及び36を超えることを意味する。この突出部40は、チャンバー26、28、及び36の上方の底壁14の内側16から見たときに、図4に示すカバー44が挿入できる挿入スペース42を区切りまたは画定する。
【0030】
さらに、ウォールマウント2のベース部8は、底壁14の内側16に配置され、保持室6内に突出する支持リブ46を備える。支持リブ46は、チャンバー26、28、36の周りおよび囲い壁38の周りに配置され、かつ、突出部40と等しい高さでチャンバー26、28、及び36を超える。これは、囲い壁38および支持リブ46が、底壁14の内側16から見たときに、同じ高さを有することを意味する。支持リブ46のジャケット壁12からの図示されていない平均距離は、チャンバー26、28、36および囲い壁38の図示されていない平均距離より何倍も小さい。このようにして、リモコンは、保持室6内に挿入されたときに、支持リブ46に確実に載せられる。
【0031】
安定性を提供するために、ウォールマウント2のベース部8はさらに、3つの異なる種類の安定化リブを含む。第一の安定化リブ48は、支持リブ46をジャケット壁12に連結する。分かりやすくするために、すべての第一の安定化リブ48が図中にそれら自身の符号を付されているわけではない。第二の安定化リブ50は、支持リブ46を囲い壁38に連結する。分かりやすくするために、すべての第二の安定化リブ50が図中に符号により示されているわけではない。最後に、第三の安定化リブ52は、支持リブ46を互いに連結する。分かりやすくするために、すべての第三の安定化リブ52が図中に符号により示されているわけではない。
【0032】
リモコン4をウォールマウント2から取り外すことを可能にするために、ベース部8は、底壁14とジャケット壁12との間に開口部54を備える。例えばドライバーの形態の図示されていないツールは、開口部54を貫通して案内されることができ、また、リモコン4は保持室6から押し出されることができる。この目的のために、開口部54の縁部をテコ作用点として使用することができ、ツールは押圧されたときに、このテコ作用点を中心に回転する。ツールが受け入れ開口部6内に出来る限り深く挿入されることを確保するために、開口部は、支持リブ48を貫通し、所望により次の第三の安定化リブ52を貫通して案内されることもできる。
【0033】
ウォールマウント2と、ウォールマウント2の保持室に挿入されたモコン4とを備えるシステム56を図5に示す。
図1
図2
図3
図4
図5