IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トプコンテクノハウスの特許一覧

<>
  • 特許-計測装置及び計測装置の防塵方法 図1
  • 特許-計測装置及び計測装置の防塵方法 図2
  • 特許-計測装置及び計測装置の防塵方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】計測装置及び計測装置の防塵方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/50 20060101AFI20240130BHJP
   G01J 3/18 20060101ALI20240130BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240130BHJP
   G01J 3/02 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G01J3/50
G01J3/18
H05K7/20 H
G01J3/02 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020055477
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021156668
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502052653
【氏名又は名称】株式会社トプコンテクノハウス
(74)【代理人】
【識別番号】100107010
【弁理士】
【氏名又は名称】橋爪 健
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡政義
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-277742(JP,A)
【文献】特開2016-157906(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101713730(CN,A)
【文献】特開平10-176951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00 - G01J 3/52
G01N 21/00 - G01N 21/61
G01N 21/84 - G01N 21/958
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部を有する電気系と測定光を取得するための光学系とを内部に有する第1の空間と、前記第1の空間と隔離され仕切られた第2の空間を内部に有する筐体と、
L字型板を有し、前記L字型板の一方の側は前記第1の空間の前記発熱部に接触し、前記L字型板の他方の側は前記第2の空間に接して配置され、前記第1の空間の前記発熱部からの発熱を前記第2の空間へ伝導するための熱伝導部と、
記第2の空間の内部に、前記熱伝導部の前記L字型板の前記他方の側に設けられた冷却部と
前記第2の空間を前記第1の空間と仕切りをして密閉するためのシール部材と、
前記第2の空間の仕切りを形成する筐体側面の両側にそれぞれ設けられ、前記第2の空間に通気する空気が一方から他方へ一直線状又は略一直線状に流れるように構成した第1及び第2の通気口と、
前記第1及び第2の通気口のいずれかひとつ又は両方に設けられたファンと、
を備え
前記熱伝導部の前記L字型板の他方の側が、前記第2の空間の外側で前記第1の空間側に接し、前記シール部材は前記冷却部を囲み密閉し、
前記シール部材は、前記冷却部が配置された前記第2の空間を形成する仕切りを覆い、前記第1の空間を前記筐体と仕切りをして密閉し、前記第1の空間と前記第2の空間の仕切りを密閉し、
前記発熱部からの発熱を、前記熱伝導部の前記L字型板の一方の側から吸熱し、密閉した前記第2の空間に熱を伝導し、前記L字型板の他方の側に取付けられた前記冷却部に前記ファンからの風を当て冷却する、
ことを特徴とする計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の計測装置において、
前記第1及び第2の通気口は、前記第2の空間を仕切る筐体の両側面にそれぞれ設けられ、位置が同一若しくは略同一の位置又は筐体の側面に平行な中心面に対して両側面の対象な位置に、通気する空気が一方から他方へ一直線状又は略一直線状に流れるように構成したことを特徴とする計測装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の計測装置において、
前記発熱部は、リニアアレイセンサ、アナログユニット、A/Dコンバータ、CPU、DC電源ユニットのいずれかひとつ又は複数を含むことを特徴とする計測装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれかに記載の計測装置において、
前記シール部材は、ポリエチレン、プロロプレン、両面テープ、クッション材のいずれかを用いることを特徴とする計測装置。
【請求項5】
計測装置の防塵方法であって、
前記計測装置は、
発熱部を有する電気系と測定光を取得するための光学系とを内部に有する第1の空間と、前記第1の空間と隔離され仕切られた第2の空間を内部に有する筐体と、
L字型板を有し、前記L字型板の一方の側は前記第1の空間の前記発熱部に接触し、前記L字型板の他方の側は前記第2の空間に接して配置され、前記第1の空間の前記発熱部からの発熱を前記第2の空間へ伝導するための熱伝導部と、
前記第2の空間の内部に、前記熱伝導部の前記L字型板の前記他方の側に設けられた冷却部と、
前記第2の空間を前記第1の空間と仕切りをして密閉するためのシール部材と、
前記第2の空間の仕切りを形成する筐体側面の両側にそれぞれ設けられ、前記第2の空間に通気する空気が一方から他方へ一直線状又は略一直線状に流れるように構成した第1及び第2の通気口と、
前記第1及び第2の通気口のいずれかひとつ又は両方に設けられたファンと、
を備え、
前記熱伝導部の前記L字型板の他方の側が、前記第2の空間の外側で前記第1の空間側に接し、前記シール部材は前記冷却部を囲み密閉し、
前記シール部材は、前記冷却部が配置された前記第2の空間を形成する仕切りを覆い、前記第1の空間を前記筐体と仕切りをして密閉し、前記第1の空間と前記第2の空間の仕切りを密閉し、
前記発熱部からの発熱を、前記熱伝導部の前記L字型板の一方の側から吸熱し、密閉した前記第2の空間に熱を伝導し、前記L字型板の他方の側に取付けられた前記冷却部に前記ファンからの風を当て冷却する、
ことを特徴とする計測装置の防塵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測装置及び計測装置の防塵方法に係り、特に、LEDバックライト、LCD、OLED(Organic Light Emitting Diode)等のディスプレイデバイスを非接触で視準し、その分光分布・輝度・色度・相関色温度等の測定・管理に用いられる計測装置及び計測装置の防塵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1~3の分光輝度計やプロジェクタなどの電子機器には、ランプや制御基板、電気変換機等の発熱部品が搭載されている。
特許文献1では、「従来はメーカサイドの工場やサービス拠点等でしか事実上行えなかった分光輝度計の波長及び感度の校正を、ユーザサイドでも行うことができるようにするための校正用基準光源を用いた校正方法、及び校正システムの動作プログラム」(段落0007)が記載されている。
特許文献2では、「軸流ファン61、62は、相互に隣接した状態で排気口の近傍に複数配置され、前記気流を一方向に整流した状態で排気口から筐体10の外部へと排出するとともに、排出後の気流が排気口から逆流するのを阻止するように機能する」ことにより、「ランプや電源基板等の発熱部品をきわめて効果的に冷却することができる冷却構造を備えた電子機器」(要約)が記載されている。
特許文献3では、「ランプと,ランプを収納するランプハウスと,電源とバラストを収容する電源カバーとが,電源冷却用のファンの冷却風吹出し口方向、又は電源冷却風吸気口の開口面に対して一直線の配置になっていないプロジェクタ装置において、ランプハウスと電源カバーとの間で冷却風をバイパスするダクトを持つことを特徴とする」(要約)、パワーアシスト機能付き鋏が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許4400448号公報
【文献】特開2006-98734号公報
【文献】特開2014-48354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、分光分布・輝度・色度・相関色温度等の測定・管理に用いられる計測装置では、モータやリニアアレイセンサ等を有する電気系と、レンズや回折格子等を有する光学系を備える。そのため、特に外気のほこり・ゴミ・塵等が光学系のほうにまで飛んでしまう(例えば、飛散、浮遊、移動等)ことが想定され、レンズ・ミラー等の光学系に付着したり曇らせたりする場合や光路に浮遊する場合等が考えられる。このような場合、出力が変動したり精度に影響することが考えられ、分光分布、輝度、色度・相関色温度等を精密に測定・管理することが難しい又は出来ない場合が想定される。
【0005】
本発明では、以上の点に鑑み、分光分布、輝度、色度・相関色温度等を精密に測定・管理することができる計測装置及び計測装置の防塵方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の解決手段によると、
発熱部を有する電気系と測定光を取得するための光学系とを内部に有する第1の空間と、前記第1の空間と隔離され仕切られた第2の空間を内部に有する筐体と、
L字型板を有し、前記L字型板の一方の側は前記第1の空間の前記発熱部に接触し、前記L字型板の他方の側は前記第2の空間に接して配置され、前記第1の空間の前記発熱部からの発熱を前記第2の空間へ伝導するための熱伝導部と、
記第2の空間の内部に、前記熱伝導部の前記L字型板の前記他方の側に設けられた冷却部と
前記第2の空間を前記第1の空間と仕切りをして密閉するためのシール部材と、
前記第2の空間の仕切りを形成する筐体側面の両側にそれぞれ設けられ、前記第2の空間に通気する空気が一方から他方へ一直線状又は略一直線状に流れるように構成した第1及び第2の通気口と、
前記第1及び第2の通気口のいずれかひとつ又は両方に設けられたファンと、
を備え
前記熱伝導部の前記L字型板の他方の側が、前記第2の空間の外側で前記第1の空間側に接し、前記シール部材は前記冷却部を囲み密閉し、
前記シール部材は、前記冷却部が配置された前記第2の空間を形成する仕切りを覆い、前記第1の空間を前記筐体と仕切りをして密閉し、前記第1の空間と前記第2の空間の仕切りを密閉し、
前記発熱部からの発熱を、前記熱伝導部の前記L字型板の一方の側から吸熱し、密閉した前記第2の空間に熱を伝導し、前記L字型板の他方の側に取付けられた前記冷却部に前記ファンからの風を当て冷却する、
ことを特徴とする計測装置が提供される。
【0008】
本発明の第の解決手段によると、
計測装置の防塵方法であって、
前記計測装置は、
発熱部を有する電気系と測定光を取得するための光学系とを内部に有する第1の空間と、前記第1の空間と隔離され仕切られた第2の空間を内部に有する筐体と、
L字型板を有し、前記L字型板の一方の側は前記第1の空間の前記発熱部に接触し、前記L字型板の他方の側は前記第2の空間に接して配置され、前記第1の空間の前記発熱部からの発熱を前記第2の空間へ伝導するための熱伝導部と、
前記第2の空間の内部に、前記熱伝導部の前記L字型板の前記他方の側に設けられた冷却部と、
前記第2の空間を前記第1の空間と仕切りをして密閉するためのシール部材と、
前記第2の空間の仕切りを形成する筐体側面の両側にそれぞれ設けられ、前記第2の空間に通気する空気が一方から他方へ一直線状又は略一直線状に流れるように構成した第1及び第2の通気口と、
前記第1及び第2の通気口のいずれかひとつ又は両方に設けられたファンと、
を備え、
前記熱伝導部の前記L字型板の他方の側が、前記第2の空間の外側で前記第1の空間側に接し、前記シール部材は前記冷却部を囲み密閉し、
前記シール部材は、前記冷却部が配置された前記第2の空間を形成する仕切りを覆い、前記第1の空間を前記筐体と仕切りをして密閉し、前記第1の空間と前記第2の空間の仕切りを密閉し、
前記発熱部からの発熱を、前記熱伝導部の前記L字型板の一方の側から吸熱し、密閉した前記第2の空間に熱を伝導し、前記L字型板の他方の側に取付けられた前記冷却部に前記ファンからの風を当て冷却する、
ことを特徴とする計測装置の防塵方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のように、分光分布、輝度、色度・相関色温度等を精密に測定・管理することができる計測装置及び計測装置の防塵方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態の計測装置の構成図(斜視図)。
図2】計測装置のブロック構成図。
図3】第2の実施の形態の計測装置の構成図(斜視図)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.概要

本発明及び/又は本実施の形態の計測装置では、例えば、発熱部(発熱部品)を配置する空間(部、領域、エリア)をシール部材等密閉し、その空間内で空気を一直線(一直線状)又は略一直線(一直線状)に通気させる構成とした。
本発明及び/又は本実施の形態の計測装置によると、例えば、電気変換機等の発熱部品を冷却するための冷却部が配置された空間を、電気系(電気系部)及び光学系(光学系部)が配置された空間と隔離し、シール部材等で密閉するとともに、その空間を仕切る装置本体の両側面に設けられた通気口の位置が同一又は略同一(両側面で中心線に対して対象位置)で、通気する空気が一方の通気口(吸気口)から他方の通気口(排気口)へ一直線(一直線状)又は略一直線(一直線状)に進行できる(流れる)ように構成する。このような構成により、ほこり・ゴミ・塵等(以下、ほこり等という場合がある。)が光学系のほうにまで飛んでいくこと(例えば、飛散、浮遊、移動等)がなく、レンズ・ミラー・光路等の光学系は汚れず又は影響を受けず、精密に分光分布、輝度、色度・相関色温度を精密に測定・管理することができる。
【0012】
本発明及び/又は本実施の形態の計測装置及び計測装置の防塵方法は、例えば、分光輝度計や分光放射輝度計に適用でき、また、これに限らず、光学系と電気系を備える様々な計測装置及び計測装置の防塵方法に提供することができる。
【0013】
B.第1の実施の形態の計測装置及びその防塵方法

図1に、第1の実施の形態の計測装置の構成図(斜視図)を示す。
本実施の形態の計測装置は、一例として、分光放射計に適用した場合を示すが、これに限られない。本発明及び/又は本実施の形態の計測装置は、主にLEDバックライト、LCD、OLED(Organic Light Emitting Diode)等のディスプレイデバイスを接触・非接触で視準し、その分光分布・輝度・色度・相関色温度の測定・管理に用いられる。また、従来の回折格子駆動方式に比べ高速測定が可能となることから、一般的な測定需要に使用される頻度が増えることが期待されると共に、色彩輝度計の輝度色度管理用マスタ器としての利用や、様々な研究機関での測定器として利用が見込まれる。
【0014】
計測装置は、筐体10の内部が第1の空間(部、領域、エリア)1と第2の空間(部、領域、エリア)2に仕切られて隔離されている。第2の空間2を密閉して第1の空間1と隔離する又は仕切る。第2の空間2の仕切り(仕切板)としては、例えば、一部の面を筐体10を形成する面(板)を併用するようにしても良いし、筐体10とは別の面(板)で第2の空間2を形成し、筐体10を形成する面(板)と2重に形成するようにしてもよい。
【0015】
第1の空間1は、主に測定光からデータの取得・解析・管理等を行うための発熱部121(発熱部品)を有する電気系12と、主に測定光の取得等を行うための光学系11とを含む(後述の図2及びその説明箇所等参照)。
熱伝導部3は、一方の側は第1の空間1において電気系12の発熱部121(例、発熱部品)に接触し、他方の側は隔離された第2の空間2に配置され、発熱部121からの発熱を伝導する(発熱部121に関しては、後述を参照。)。この実施の形態では、熱伝導部3の一例として、L字型板による熱伝導板を用いている。
冷却部4が、第2の空間2の内部に、熱伝導部3の他方の側に設けられる。冷却部4には適宜形状のヒートシンクを用いることができるが、これ以外にも、適宜の冷却部材を用いることができる。
【0016】
シール部材5により、第2の空間2を第1の空間1と隔離又は仕切って密閉する(図中、太線参照)。例えば、冷却部4が配置された第2の空間2を形成する仕切り(仕切板)をシール部材5で覆う。さらに、第1の空間1を形成する筐体10との仕切り(仕切板)、第1の空間1と第2の空間2の仕切り(仕切板)をシール部材5で密閉する。シール部材5としては、例えば、ポリエチレン、プロロプレン、クッション材、両面テープ(例えば、防水両面テープ等)などを用いることができる。なお、図では、熱伝導部3の一例として用いられたL字型板による熱伝導板が、第2の空間2の外側(第1の空間1側)に接してある場合を示し、冷却部4を囲むシール部材5が備えられているが、L字型板による熱伝導板が第2の空間2の内側にある場合は、冷却部4を囲むシール部材5は省略することができる。
【0017】
通気口6が、第2の空間2を仕切る筐体10の両側面にそれぞれ設けられ、通気する空気が一方から他方へ一直線(一直線状)又は略一直線(略一直線状)に進行できる(流れる)。一方の通気口6(吸気口)から侵入した空気は一直線(一直線状)又は略一直線(略一直線状)に通り、他方の通気口6(排気口)から排出される。
通気口6の位置は、例えば、第2の空間2を仕切る筐体10の両側面に、位置が同一又は略同一の位置(筐体10の側面に平行な中心面に対して両側面の対象位置)に設けることができる。通気口6は、図示のように、筐体10の側面から見て、第2の空間2の中央又は中央付近に配置しても良いし、左右上下の適宜の位置に設けても良い。その他にも、通気口6は、図示の筐体10の側面から見て、第2の空間2に対して、通気する空気が、筐体10の正面上側から背面下側、正面右側から背面左側、正面右上から背面左下、正面右下から背面左上など適宜の方向に一直線(一直線状)に進行するように構成することができる。
【0018】
ファン7は、図示のように、吸気口又は排気口の一方の通気口6に設けてもよいし、両方の通気口6に設けるようにしてもよい。
【0019】
以上のような構成により、外気からのほこり等が光学系11のほうにまで飛んでいくことがなく、レンズ・ミラー・光路等の光学系11は汚れず又は影響を受けず、分光分布、輝度、色度・相関色温度を精密に測定・管理することができる計測装置及び計測装置の防塵方法を提供することができる。
【0020】
図2に、計測装置のブロック構成図を示す。
さらに、図2を参照して、計測装置のブロック図について説明する。
本発明及び/又は本実施の形態の計測装置は、光学系11からの測定光を、リニアアレイセンサ等を備えた電気系12により受光する。
【0021】
光学系11については、対物レンズに入射した光束はアパーチャミラーを通過し、回折格子で波長分散を行う。波長分散後の光は結像レンズによりリニアアレイセンサ上に結像する。また、アパーチャミラーで反射された光束が接眼レンズにより観察可能となる。
電気系12については、リニアアレイセンサに蓄積された光電量はアナログユニットを経て出力され、A/D変換されて、CPUで分光放射輝度を算出する。
【0022】
筐体10の外観は、アルミニウム等の板金折り曲げ又はプラスチック等の成形により作成し、光学系11を金属・プラスチック等の部品で保持、板金・プラスチック等のブラケットに取り付ける。電気系12の基板も板金・プラスチック等のブラケットに取り付けられる。
【0023】
電気系12の基板は、例えば、DC電源ユニット、リニアアレイセンサ、アナログユニット、A/Dコンバータ、CPU、インタフェース、操作パネル、外部同期入力コネクタを備える。発熱部121としては、例えば、リニアアレイセンサやそれを含むアナログユニット等が考えられるが、リニアアレイセンサ、アナログユニット、A/Dコンバータ、CPU、DC電源ユニット等のいずれかひとつ又は複数の適宜の部品を含むことできる。
【0024】
熱伝導部3として用いられるL字型板の一方の側は発熱部121に接触し、他方の側は隔離された空間に配置される。発熱部121からの発熱は、L字型板の一方の側から吸熱し、密閉した空間に熱を伝導し、他方の側にヒートシンク等の冷却部4を取付ける。ファン7から風をヒートシンク等の冷却部4に当て冷却する。
【0025】
また、周波数同期信号を入力し点滅周波数の検出ができるように、BNC等のコネクタを設置することができる。インタフェースは、RS-232C、USB等の適宜のインタフェースを採用することができる。光学系11の内部機構部分は、例えば、アパーチャミラー切換え、光路遮断シャッタおよびファインダシャッタを備え、アパーチャミラー切換え、光路遮断シャッタはステップモータ駆動による電動切換えタイプ、ファインダシャッタは開閉切換えとすることができる。電気系12の電源供給は、例えば、AC-DCコンバータ等を使用する。
【0026】
測定方法については、ローカル測定とリモート測定とがあり、それぞれ次のような手順により測定する。
(1) ローカル測定
・本体の電源スイッチにより電源を投入し、接眼レンズの視度調整を行った後、対物レンズで測定対象物に合焦する。
・測定角切換えスイッチにより、測定角の選択を行う。
・ファインダシャッタを閉じ、接眼レンズからの迷光を遮り、測定を開始する。
・測定を終了すると、表示部に結果が表示される。
(2) リモート測定
・USB、RS-232Cケーブル等のインタフェースにより本体とコンピュータを接続する。
・コンピュータの電源を投入し、アプリケーションソフトを起動する。
・本体電源を投入し、接眼レンズの視度調整、対物レンズによる合焦および測定角の設定を行った後、ファインダシャッタを閉じる。
・アプリケーションソフトにより、データ収集を行う。
【0027】
C.第2の実施の形態の計測装置及びその防塵方法

図3に、第2の実施の形態の計測装置の構成図(斜視図)を示す。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比べて、熱伝導部3’が、L字型板でなく平板を用いた点が異なる。なお、平板の熱伝導部3’により、冷却部4はその上面に配置される。また、他の構成・作用等は第1の実施の形態と同様であり、計測装置のブロック図も、図2及びその説明箇所と同様である。
【符号の説明】
【0028】
1 第1の空間
2 第2の空間
3、3’ 熱伝導部
4 冷却部
5 シール部材
6 通気口
7 ファン
10 筐体
11 光学系
12 電気系
121 発熱部

図1
図2
図3