(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】車種判別システム、及び車種判別方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/015 20060101AFI20240130BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20240130BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G08G1/04 D
G08G1/09 F
(21)【出願番号】P 2020062446
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊吹 友佑
(72)【発明者】
【氏名】尾張 伸行
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
(72)【発明者】
【氏名】小島 洋平
(72)【発明者】
【氏名】山西 直哉
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】池田 慧
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-072932(JP,A)
【文献】特開2019-139636(JP,A)
【文献】特開2016-170461(JP,A)
【文献】特開2004-303164(JP,A)
【文献】特開2018-142234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/015
G08G 1/04
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の料金所の車線を通行する車両のナンバープレート番号を取得するナンバープレート読取装置と、
前記車線を通行する前記車両の車種を判別する車種判別装置と、
前記車両の搭乗者より前記車種判別装置が判別した車種の訂正を要求された場合、前記車種判別装置が車種の判別を完了できず前記搭乗者から車種の入力を要求された場合、又は、前記料金所の監視員により取得した前記ナンバープレート番号が誤っていると判断された場合、正しいナンバープレート番号又は車種に訂正した訂正情報の入力を受け付ける訂正装置と、
複数の料金所それぞれに設置され、前記ナンバープレート読取装置が取得した前記ナンバープレート番号と、前記車種判別装置が判別した前記車種と、前記訂正情報とを関連付けた登録情報を生成し、第1記憶媒体に記憶する料金所サーバと、
複数の前記料金所サーバそれぞれから前記登録情報を収集して第2記憶媒体に記憶する上位サーバと、
を備え、
前記車種判別装置は、取得した前記ナンバープレート番号と関連付けられた登録情報を前記料金所サーバに要求し、前記料金所サーバから要求した登録情報を取得した場合、当該登録情報に基づいて前記車両の車種を判別し、
前記料金所サーバは、前記車種判別装置から要求された登録情報が前記第1記憶媒体に記憶されていない場合、前記上位サーバに当該登録情報の有無を問い合わせ、前記上位サーバから要求した登録情報を受信した場合、当該登録情報を前記車種判別装置に送信する、
車種判別システム。
【請求項2】
前記料金所サーバは、前記上位サーバから受信した登録情報を前記第1記憶媒体に記憶する、
請求項1に記載の車種判別システム。
【請求項3】
前記上位サーバは、
複数の料金所のうち、第1の料金所を利用した車両が利用する可能性の高い第2の料金所を特定し、
前記第1の料金所の前記料金所サーバにより生成された前記登録情報を収集した場合、当該登録情報を前記第2の料金所の前記料金所サーバに送信する、
請求項1又は2に記載の車種判別システム。
【請求項4】
前記上位サーバは、
前記登録情報と、当該登録情報を生成した前記料金所サーバの識別情報とを関連付けて前記第2記憶媒体に記憶し、
前記料金所サーバの前記第1記憶媒体に障害が発生した場合、当該料金所サーバの識別情報と関連付けられた登録情報を、当該料金所サーバに送信して復元させる、
請求項1から3の何れか一項に記載の車種判別システム。
【請求項5】
前記訂正装置は、前記料金所において前記車両から通行料金を収受する収受員により操作される料金収受機、又は、前記料金所の監視を行う監視員により操作される監視装置である、
請求項1から4の何れか一項に記載の車種判別システム。
【請求項6】
ナンバープレート読取装置により有料道路の料金所の車線を通行する車両のナンバープレート番号を取得するステップと、
車種判別装置により前記料金所の車線を通行する前記車両の車種を判別するステップと、
前記車両の搭乗者より前記車種判別装置が判別した車種の訂正を要求された場合、前記車種判別装置が車種の判別を完了できず前記搭乗者から車種の入力を要求された場合、又は、前記料金所の監視員により取得した前記ナンバープレート番号が誤っていると判断された場合、訂正装置により正しいナンバープレート番号又は車種に訂正した訂正情報の入力を受け付けるステップと、
料金所サーバにより、前記ナンバープレート読取装置が取得した前記ナンバープレート番号と、前記車種判別装置が判別した前記車種と、前記訂正情報とを関連付けた登録情報を生成し、第1記憶媒体に記憶するステップと、
上位サーバにより、複数の前記料金所サーバそれぞれから前記登録情報を収集して第2記憶媒体に記憶するステップと、
を実行し、
前記車種を判別するステップは、
取得した前記ナンバープレート番号と関連付けられた登録情報を前記料金所サーバに要求するステップと、
前記料金所サーバから要求した登録情報を取得した場合、当該登録情報に基づいて前記車両の車種を判別ステップと、を実行し、
前記料金所サーバは、
前記第1記憶媒体に要求された登録情報が記憶されていない場合、前記上位サーバに当該登録情報の有無を問い合わせるステップと、
前記上位サーバから要求した登録情報を受信した場合、当該登録情報を前記車種判別装置に送信するステップと、を更に実行する、
車種判別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車種判別システム、及び車種判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路では、車両の車種に応じた通行料金を収受する場合がある。このような有料道路の料金所には、車両の外形的特徴(車長、車高、車幅、車軸数等)に基づいて車種を判別する車種判別装置が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両の形状は多種多様であり、車種判別装置による車種の誤判別を完全になくすことは困難である。車種の誤判別が発生すると、車両の搭乗者は、料金所を通行する度に、料金所の収受員等に車種の訂正をしてもらう必要がある。そうすると、料金所におけるサービスタイムが増加し、利用者の利便性が低下する可能性があった。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであって、車種の誤判別を低減することができる車種判別システム、及び車種判別方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、車種判別システムは、有料道路の料金所の車線を通行する車両のナンバープレート番号を取得するナンバープレート読取装置と、前記車線を通行する前記車両の車種を判別する車種判別装置と、取得した前記ナンバープレート番号又は判別された前記車種が誤っていた場合、正しいナンバープレート番号又は車種に訂正した訂正情報の入力を受け付ける訂正装置と、複数の料金所それぞれに設置され、前記ナンバープレート読取装置が取得した前記ナンバープレート番号と、前記車種判別装置が判別した前記車種と、前記訂正情報とを関連付けた登録情報を生成し、第1記憶媒体に記憶する料金所サーバと、複数の前記料金所サーバそれぞれから前記登録情報を収集して第2記憶媒体に記憶する上位サーバと、を備える。前記車種判別装置は、取得した前記ナンバープレート番号と関連付けられた登録情報を前記料金所サーバに要求し、前記料金所サーバから要求した登録情報を取得した場合、当該登録情報に基づいて前記車両の車種を判別し、前記料金所サーバは、前記車種判別装置から要求された登録情報が前記第1記憶媒体に記憶されていない場合、前記上位サーバに当該登録情報の有無を問い合わせ、前記上位サーバから要求した登録情報を受信した場合、当該登録情報を車種判別装置に送信する。
【0007】
本開示の一態様によれば、車種判別方法は、ナンバープレート読取装置により有料道路の料金所の車線を通行する車両のナンバープレート番号を取得するステップと、車種判別装置により前記車線を通行する前記車両の車種を判別するステップと、訂正装置により取得した前記ナンバープレート番号又は判別された前記車種が誤っていた場合、正しいナンバープレート番号又は車種に訂正した訂正情報の入力を受け付けるステップと、料金所サーバにより、前記ナンバープレート読取装置が取得した前記ナンバープレート番号と、前記車種判別装置が判別した前記車種と、前記訂正情報とを関連付けた登録情報を生成し、第1記憶媒体に記憶するステップと、上位サーバにより、複数の前記料金所サーバそれぞれから前記登録情報を収集して第2記憶媒体に記憶するステップと、を実行する。前記車種を判別するステップは、取得した前記ナンバープレート番号と関連付けられた登録情報を前記料金所サーバに要求するステップと、前記料金所サーバから要求した登録情報を取得した場合、当該登録情報に基づいて前記車両の車種を判別ステップと、を実行する。前記料金所サーバは、前記第1記憶媒体に要求された登録情報が記憶されていない場合、前記上位サーバに当該登録情報の有無を問い合わせるステップと、前記上位サーバから要求した登録情報を受信した場合、当該登録情報を前記車種判別装置に送信するステップと、を更に実行する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る車種判別システム、及び車種判別方法によれば、車種の誤判別を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係る車種判別システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る車種判別システムの機能構成を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る登録情報の一例を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る車種判別システムの処理の一例を示す第1のフローチャートである。
【
図5】本開示の一実施形態に係る車種判別システムの処理の一例を示す第2のフローチャートである。
【
図6】本開示の一実施形態に係る車種判別装置、料金機械、訂正装置、料金所サーバ、及び上位サーバのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態に係る車種判別システム1について、図を参照しながら説明する。
【0011】
(車種判別システムの構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る車種判別システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、車種判別システム1は、複数の料金所T1,T2,T3,…それぞれに設けられた車種判別装置10、料金機械20、訂正装置30、及び料金所サーバ40と、複数の料金所サーバ40それぞれと通信可能に接続される上位サーバ50と、を備えている。
【0012】
車種判別装置10は、料金所の車線Lを通行する車両Aの車種を判別する。
図1に示すように、車種判別装置10は、例えば車両検知器11、車高検知器12、車長検知器13、ナンバープレート読取装置14(以下、「NP読取装置」とも記載する。)、及び踏板15等のセンサ機器と、判別処理部16とにより構成される。
【0013】
車両検知器11は、料金所の車線Lの最も上流側(-X側)に配置される。車両検知器11は、いわゆる透過型の光学センサであって、車線Lの両側に敷設されたアイランドI上において高さ方向(±Z方向)に延在し、車線Lを車線幅方向(±Y方向)に挟んで対向する投光塔及び受光塔を有する。そして、車両検知器11は、投光塔から投光される検知光を受光塔で受光するか否かに基づき、車両Aの進入、退出(存在、非存在)を検出する。
【0014】
車高検知器12は、車線方向(±X方向)において車両検知器11と同じ位置に配置され、車両検知器11が車両Aの存在を検知している間、当該車両Aの車高を検出する。
【0015】
車長検知器13は、車両検知器11よりも車線方向の下流側(+X側)に配置され、車両検知器11が車両Aの存在を検知している間、当該車両Aの車長を検出する。
【0016】
NP読取装置14は、車両検知器11よりも車線方向の下流側(+X側)に配置され、車両検知器11が車両Aの存在を検知したタイミングで当該車両Aのナンバープレートを含む画像を撮影する。また、NP読取装置14は、撮影した画像に所定の画像処理を施すことにより、車両Aのナンバープレート番号(以下、「NP番号」とも記載する。)を取得する。
【0017】
踏板15は、車線方向(±X方向)において車両検知器11と同じ位置の車線Lに埋設され、車両検知器11が車両Aの存在を検知している間、当該車両Aの車軸数を検出する。また、踏板15は、更に車両Aの輪幅、輪距等を検出してもよい。
【0018】
判別処理部16は、各センサ機器11~15が取得したセンサ情報から特定された車両Aの外形的特徴(車長、車高、車軸数等)及びNP番号に基づいて、車両Aの車種を判別する。
【0019】
料金機械20は、車種判別装置10よりも車線方向の下流側(+X側)に配置され、車両Aから車種に応じた通行料金を収受するための装置である。本実施形態では、料金機械20は、無人の料金所に設置され、車両Aの搭乗者から自動的に通行料金を収受する料金自動収受機である。
【0020】
料金自動収受機20は、車両Aの搭乗者により通行券を挿入されると、通行券に記録された情報(車両Aが通過した入口料金所の場所及び日時を示す入口情報等)と、車種判別装置10が判別した車両Aの車種とに基づいて、車両Aの通行料金を算出する。料金自動収受機20は、通行券を挿入されたときに車種判別装置10による車種判別が完了していなかった場合、車種判別装置10のセンサ機器の検出結果が矛盾する場合、或いは、車両Aの搭乗者が車種の誤りに気付いた場合、車両Aの搭乗者の操作(例えば、収受員の呼出しボタンの押下)を受け付けて、車両Aの車種の訂正を訂正装置30に要求する。なお、車種判別装置10のセンサ機器の検出結果が矛盾する例としては、NP読取装置14の検出結果が示す車種候補(例えば、大型車以上の車種)と、車高検知器12の検出結果が示す車種候補(例えば、普通車以下の車種)とが一致しない状態等がある。
【0021】
訂正装置30は、料金所事務所に設置され、料金所事務所に駐在する監視員の操作を受け付ける監視装置を構成する一装置である。訂正装置30は、NP読取装置14が取得したNP番号又は車種判別装置10が判別した車種が誤っていた場合、監視員による誤りを訂正した訂正情報の入力を受け付ける。
【0022】
料金所サーバ40は、複数の料金所T1,T2,T3,…それぞれの料金所事務所に一台ずつ設置される。料金所サーバ40は、車両Aの車種又はNP番号が訂正された場合、料金自動収受機20を通じて当該車両Aの訂正前のNP番号及び車種と、訂正情報(訂正後のNP番号及び車種)とを関連付けた登録情報を生成して記憶する。
【0023】
上位サーバ50は、複数の料金所サーバ40それぞれから登録情報を収集して記憶する。なお、
図1には、上位サーバ50は同一路線の複数の料金所サーバ40から登録情報を収集する例が示されているが、これに限られることはない。他の実施形態では、上位サーバ50は、異なる路線の料金所それぞれに設置された料金所サーバ40から登録情報を収集してもよい。
【0024】
図2は、本開示の一実施形態に係る車種判別システムの機能構成を示す図である。
以下、
図2を参照しながら、車種判別装置10、料金自動収受機20(料金機械)、訂正装置30、料金所サーバ40、及び上位サーバ50の機能構成について説明する。
【0025】
(車種判別装置の機能構成)
図2に示すように、車種判別装置10は、各センサ機器11~15と、判別処理部16とにより構成される。
【0026】
判別処理部16は、NP読取装置14からNP番号を取得すると、当該NP番号に関連付けられた登録情報を、料金自動収受機20を通じて料金所サーバ40に要求する。判別処理部16は、料金所サーバ40から要求した登録情報を取得した場合、当該登録情報に基づいて、車両Aの車種を判別する。また、判別処理部16は、料金所サーバ40から登録情報を取得できなかった場合、各センサ機器11~15から取得したセンサ情報に基づいて車両Aの車種を判別する。
【0027】
(料金自動収受機の機能構成)
図2に示すように、料金自動収受機20は、呼出しボタン21、カメラ22、及び収受処理部23を有している。
【0028】
呼出しボタン21は、監視員を呼び出すためのボタンである。車両の外形的特徴は多種多様であるため、車種判別装置10は、センサ情報に基づいて車両の車種を一意に特定することが困難な場合がある。また、例えば路線バスのような特殊な車両の場合、外形的特徴から特定される車種(例えば、「特大」)と、通行料金の計算に用いられる車種(例えば、「大型」)とが異なる場合がある。更に、ナンバープレートに汚れが付着していることにより、NP読取装置14がNP番号を正確に読み取れない場合がある。このような理由により、車種判別装置10が判別した車種が誤っていた場合、車両Aの搭乗者は、呼出しボタン21を操作して監視員を呼び出すとともに、監視員に車種の訂正を要求する。
【0029】
更に、車両検知器11の設置位置から料金自動収受機20の設置位置までの距離よりも車両Aの車長が長い場合、車種判別装置10は、料金自動収受機20が料金収受処理を開始する前に車両Aの車種を判別することができない場合がある。この場合、料金自動収受機20では通行料金の計算ができないため、車両Aの搭乗者は、呼出しボタン21を操作して監視員を呼び出すとともに、監視員に車種の入力を要求する。
【0030】
カメラ22は、車線L上の料金自動収受機20の位置に到来した車両Aの車体等を撮影するカメラである。
【0031】
収受処理部23は、車両Aの通行料金を計算し、車両Aの搭乗者から通行料金を収受する処理を行う。収受処理部23は、まず、車種判別装置10により判別された車種に基づいて通行料金を計算する。また、収受処理部23は、訂正装置30により車種が訂正された場合、訂正後の車種に基づいて通行料金を再計算する。
【0032】
(訂正装置の機能構成)
図2に示すように、訂正装置30は、ディスプレイ31、及び入力装置32を有している。
【0033】
ディスプレイ31は、料金自動収受機20のカメラ22により撮影された車両Aの画像を表示する表示装置である。また、ディスプレイ31には、NP読取装置14が取得したNP番号、車種判別装置10が判別した車種、料金自動収受機20が計算した通行料金等が更に表示されてもよい。
【0034】
入力装置32は、監視員による訂正後の車種及びNP番号の入力を受け付ける。訂正装置30は、入力装置32を通じて入力された訂正後の車種及びNP番号を含む訂正情報を料金自動収受機20に送信する。
【0035】
(料金所サーバの機能構成)
図2に示すように、料金所サーバ40は、第1登録処理部41、及び第1記憶媒体42を有している。
【0036】
第1登録処理部41は、車両Aの車種又はNP番号の少なくとも一方が訂正装置30を通じて訂正された場合、訂正前の車種及びNP番号(車種判別装置10が判別した車種及びNP読取装置が取得したNP番号)と、訂正情報とを含む登録情報を生成して、第1記憶媒体42に記憶するとともに、上位サーバ50に送信する。
【0037】
また、第1登録処理部41は、料金自動収受機20を通じて車種判別装置10からの要求を受け付けると、第1記憶媒体42に記憶された登録情報を車種判別装置10に送信する。なお、第1登録処理部41は、車種判別装置10に要求された登録情報が第1記憶媒体42に記憶されていない場合、上位サーバ50に当該登録情報を要求し、上位サーバ50から取得した登録情報を車種判別装置10に送信する。
【0038】
第1記憶媒体42は、いわゆる補助記憶装置であって、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などである。第1記憶媒体42には、第1登録処理部41により生成された登録情報が記憶されて蓄積される。
【0039】
(上位サーバの機能構成)
図2に示すように、上位サーバ50は、第2登録処理部51、及び第2記憶媒体52を有している。
【0040】
第2記憶媒体52は、いわゆる補助記憶装置であって、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などである。第2記憶媒体52には、複数の料金所サーバ40から収集した登録情報が記憶されて蓄積される。
【0041】
図3は、本開示の一実施形態に係る登録情報の一例を示す図である。
図3に示すように、登録情報には、登録情報を生成した料金所サーバ40を特定可能な識別情報(料金所サーバID)、判定情報、及び訂正情報が含まれている。判定情報には、NP読取装置14が取得したNP番号、及び、車種判別装置10が判別した車種が含まれる。訂正情報には、訂正装置30を通じて監視員が入力した訂正後のNP番号及び訂正後の車種が含まれる。
【0042】
第2登録処理部51は、料金所サーバ40から受信した登録情報を第2記憶媒体52に記憶する。また、第2登録処理部51は、料金所サーバ40からの要求を受け付けて、第2記憶媒体52に記憶された登録情報を料金所サーバ40に送信する。
【0043】
(車種判別システムの処理フロー)
図4は、本開示の一実施形態に係る車種判別システムの処理の一例を示す第1のフローチャートである。
以下、
図4を参照しながら、車種判別システム1の処理の流れについて説明する。
【0044】
車種判別装置10の車両検知器11が車両Aの車線Lへの進入を検出すると、NP読取装置14は当該車両AのNP番号を取得する(ステップS01)。
【0045】
次に車種判別装置10の判別処理部16は、NP読取装置14が取得したNP番号と関連付けられた登録情報を、料金自動収受機20を通じて料金所サーバ40に要求する(ステップS02)。
【0046】
料金所サーバ40の第1登録処理部41は、車種判別装置10からの要求を受け付けると、要求された登録情報が第1記憶媒体42に記憶されているか判断する(ステップS04)。第1登録処理部41は、要求された登録情報が第1記憶媒体42に記憶されている場合(ステップS04:YES)、この登録情報を第1記憶媒体42から読み出して、料金自動収受機20を通じて車種判別装置10に送信する(ステップS05)。
【0047】
一方、第1登録処理部41は、要求された登録情報が第1記憶媒体42に記憶されていない場合(ステップS04:NO)、上位サーバ50にこの登録情報を要求する(ステップS06)。
【0048】
上位サーバ50の第2登録処理部51は、料金所サーバ40からの要求を受け付けると、要求された登録情報が第2記憶媒体52に記憶されているか判断する(ステップS07)。第2登録処理部51は、要求された登録情報が第2記憶媒体52に記憶されている場合(ステップS07:YES)、この登録情報を第2記憶媒体52から読み出して、料金所サーバ40に送信する(ステップS08)。そうすると、料金所サーバ40の第1登録処理部41は、上位サーバ50から受信した登録情報を第1記憶媒体42に記憶するとともに、料金自動収受機20を通じて車種判別装置10に送信する(ステップS09)。このようにすることで、車種判別装置10は、上位サーバ50を通じて他の料金所で登録された登録情報を参照することができる。また、料金所サーバ40は、上位サーバ50から取得した登録情報を第1記憶媒体42に記憶しておくことにより、次に同一の車両Aが通行したときには当該車両Aの登録情報を上位サーバ50から取得するための処理時間を短縮することができる。
【0049】
一方、上位サーバ50の第2登録処理部51は、要求された登録情報が第2記憶媒体52に記憶されていない場合(ステップS07:NO)、料金所サーバ40に登録情報が記憶されていないことを通知する(ステップS10)。そうすると、料金所サーバ40は、料金自動収受機20を通じて車種判別装置10に、登録情報が記憶されていないことを通知する(ステップS11)。
【0050】
次に、車種判別装置10の判別処理部16は、料金所サーバ40から登録情報を取得した場合(ステップS12:YES)、この登録情報に基づいて車両Aの車種を判別する(ステップS13)。具体的には、判別処理部16は、登録情報に含まれる訂正後の車種を、車両Aの車種として特定する。車種判別装置10は、同一の車両Aについて同様の誤判別を繰り返すことが多い。例えば、
図3の例では、NP番号「1111」の車両Aは、車種判別装置10により「特大」の車種と誤判別されることが多いが、実際には「大型」の車種であったとする。判別処理部16は、NP読取装置14が取得した車両AのNP番号が「1111」であった場合、このNP番号と関連付けられた登録情報を料金所サーバ40から取得する。そうすると、判別処理部16は、登録情報に含まれる訂正後の車種である「大型」を、当該車両Aの車種であると特定する。このようにすることで、判別処理部16は、車種を誤判別しやすい車両Aについて、登録情報に訂正後の車種が登録されている場合は、当該車両Aが料金所の車線Lを通行する度に繰り返し誤判別されることを抑制することができる。
【0051】
一方、判別処理部16は、料金所サーバ40から登録情報が記憶されていないことを通知された場合(ステップS12:NO)、各センサ機器11~15が取得したセンサ情報及びNP番号に基づいて車種を判別する(ステップS14)。センサ情報から車両Aの車種を判別する処理は、既知の処理であるため説明を省略する。
【0052】
次に、判別処理部16は、判別した車両Aの車種を料金自動収受機20に通知する(ステップS15)。そうすると、料金自動収受機20の収受処理部23は、車両Aの車種に応じた通行料金を算出し、車両Aの搭乗者に通知する(ステップS16)。
【0053】
また、料金自動収受機20の収受処理部23は、呼出しボタン21の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS17)。収受処理部23は、呼出しボタン21の操作を受け付けなかった場合(ステップS17:NO)、処理を終了する。一方、収受処理部23は、呼出しボタン21の操作を受け付けた場合(ステップS17:YES)、訂正装置30に通知して監視員を呼び出す。このとき、訂正装置30のディスプレイ31には、料金自動収受機20のカメラ22により撮影された車両Aの画像とともに、NP読取装置14が取得したNP番号、車種判別装置10が判別した車種等の情報が表示される。
【0054】
監視員は、料金自動収受機20及び訂正装置30のインターホン(不図示)を通じて車両Aの搭乗者から車種の訂正を要求されると、ディスプレイ31に表示された車両Aの画像を視認して、車両Aの車種を特定する。そして、監視員は、特定した車種(訂正後の車種)を、訂正装置30の入力装置32を通じて入力する。また、監視員は、NP読取装置14が取得したNP番号が誤っていた場合、正しいNP番号(訂正後のNP番号)を、入力装置32を通じて入力してもよい。このようにすることで、例えば車種を誤判別しやすい車両Aについては、監視員により正しい車種に訂正することができる。また、ナンバープレートに汚れが付着している等の理由により、NP読取装置14がNP番号を正しく読み取れない場合であっても、監視員がナンバープレートを視認して、正しいNP番号に訂正することができる。
【0055】
そうすると、訂正装置30は、監視員から入力された訂正情報(訂正後のNP番号及び車種)を取得して、料金自動収受機20に送信する(ステップS18)。
【0056】
訂正装置30から訂正情報を受信すると、料金自動収受機20の収受処理部23は、訂正前のNP番号及び車種(ステップS01で取得したNP番号、及びステップS13~S14で判別された車種)と、訂正情報に含まれる訂正後のNP番号及び車種とを料金所サーバ40に送信する(ステップS19)。
【0057】
料金所サーバ40の第1登録処理部41は、料金自動収受機20から訂正前及び訂正後のNP番号及び車種を受信すると、これらの情報を含む登録情報を生成して、第1記憶媒体42に記憶するとともに、上位サーバ50に送信する(ステップS20)。このようにすることで、料金所サーバ40は、車種を誤判別しやすい車両Aについて、登録情報として正しい車種を記憶しておくことにより、次に当該車両Aが料金所の車線Lを通行するときに、誤判別することを抑制することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、一台の車両Aについて車種の訂正が2回以上発生した場合、第1登録処理部41が訂正前の登録情報を訂正後の登録情報(最新の登録情報)で上書きする態様であるとする。これにより、第1記憶媒体42の記憶容量の増大を抑制可能である。しかしながら、他の実施形態では、別の態様であってもよい。車両Aの車種は、牽引の有無等により通行の度に変化する場合がある。例えば、「NP番号:1111」の車両Aについて、以前の通行時には車種が「大型」に訂正され、「車種:大型」の登録情報が第1記憶媒体42に記憶済みであったとする。しかしながら、次の通行時には、この「NP番号:1111」の車両Aが被牽引車を牽引しており、車種が「特大」に訂正されたとする。この場合、第1登録処理部41は、「車種:大型」の登録情報、及び「車種:特大」の登録情報の両方を履歴情報として第1記憶媒体42に記憶する。そして、第1登録処理部41は、この「NP番号:1111」の車両Aが通行する度に、判別/訂正された車種(「大型」又は「特大」)の回数を記録し、回数が多い車種を含む履歴情報を当該車両Aの登録情報として第1記憶媒体42に記憶する。なお、第1登録処理部は、判別/訂正された回数が同数の場合、最も新しく判別/訂正された車種を含む履歴情報を当該車両Aの登録情報として第1記憶媒体42に記憶する。これにより、例えばこの車両Aが「特大」(例えば、牽引あり)の状態で走行することが多く、「大型」(例えば、牽引なし)の状態で走行することが少ない場合は、頻度の低い車種が登録情報として記憶されることを抑制することが出来る。
【0059】
また、第1登録処理部41は、訂正前の登録情報と、訂正後の登録情報とのうち、上位の車種(通行料金が高い車種)を含む登録情報を第1記憶媒体42に記憶するようにしてもよい。この場合、実際の通行料金よりも低額の通行料金を課金してしまうことを抑制可能である。
【0060】
更に、第1登録処理部41は、訂正前の登録情報と、訂正後の登録情報とのうち、下位の車種(通行料金が安い車種)を含む登録情報を第1記憶媒体42に記憶するようにしてもよい。この場合、実際の通行料金よりも高額の通行料金を課金してしまうことを抑制可能である。
【0061】
また、上位サーバ50は、料金所サーバ40から受信した登録情報を第2記憶媒体52に記憶して蓄積する(ステップS21)。
【0062】
図5は、本開示の一実施形態に係る車種判別システムの処理の一例を示す第2のフローチャートである。
また、上位サーバ50は、
図5に示すように、複数の料金所サーバ40のうち一の料金所サーバ40から受信した登録情報を、他の料金所サーバ40に配信してもよい。
【0063】
具体的には、例えば、料金所T1に設置された料金所サーバ40_1が登録情報を生成し、上位サーバ50に送信したとする(ステップS20)。そうすると、上位サーバ50は、受信した登録情報を第2記憶媒体52に記憶する(ステップS21)。
【0064】
登録情報を記憶すると、上位サーバ50の第2登録処理部51は、料金所T1の料金所サーバ40_1から受信した登録情報を、他の料金所の料金所サーバ40に配信する(ステップS22)。このとき、第2登録処理部51は、予め設定された料金所(例えば、料金所T1と同一路線に属する全ての料金所)の料金所サーバ40に登録情報を配信してもよい。このようにすることで、車両Aが料金所の車線Lを通行したときに、当該車両Aの登録情報を上位サーバ50から取得するための処理時間を短縮することができる。
【0065】
また、第2登録処理部51は、各料金所を利用する車両の統計情報に基づいて、料金所T1(第1の料金所)を利用した車両Aが利用する可能性の高い他の料金所(第2の料金所)を特定し、特定した料金所の料金所サーバのみに登録情報を配信してもよい。例えば、あるNP番号を有する車両Aが、複数の料金所のうち、料金所T1、T2、T3を所定回数以上(又は、所定割合以上)利用していたとする。この場合、第2登録処理部51は、料金所T1、T2、T3のうち、第1の料金所T1の料金所サーバ40_1においてこの車両Aの登録情報が生成された場合、第2の料金所T2、T3の料金所サーバ40_2、40_3にこの登録情報を配信する。なお、第2の料金所T2、T3は、第1の料金所T1とは異なる路線の料金所であってもよい。このようにすることで、料金所サーバ40には、利用する可能性の高い登録情報のみを予め記憶しておくことができるので、第1記憶媒体42のデータ容量の増大を抑制しつつ、登録情報を上位サーバ50から取得するための処理時間を短縮することができる。
【0066】
更に、上位サーバ50は、
図5に示すように、障害が発生して登録情報が消去された料金所サーバ40に登録情報を送信して、料金所サーバ40の第1記憶媒体42を復元させてもよい。
【0067】
例えば、料金所T1の料金所サーバ40_1の第1記憶媒体42に障害が発生し、第1記憶媒体42を初期化して、又は、新しい記憶媒体に交換して障害から復旧させたとする(ステップS31)。そうすると、料金所サーバ40_1の第1登録処理部41は、上位サーバ50に対し、過去に料金所サーバ40_1で登録された全ての登録情報を要求する(ステップS32)。
【0068】
そうすると、上位サーバ50の第2登録処理部51は、第2記憶媒体52に記憶された登録情報のうち、料金所サーバ40_1の料金所IDが関連付けられた登録情報を抽出して、料金所サーバ40_1に送信する(ステップS33)。
【0069】
料金所サーバ40_1の第1登録処理部41は、上位サーバ50から受信した登録情報を第1記憶媒体42に記憶する(ステップS34)。これにより、料金所サーバ40に障害が発生した場合であっても、上位サーバ50に蓄積された登録情報に基づいて、料金所サーバ40の登録情報を復元することができる。
【0070】
(ハードウェア構成)
図6は、本開示の一実施形態に係る車種判別装置、料金機械、訂正装置、料金所サーバ、及び上位サーバのハードウェア構成を示す図である。
以下、
図6を参照しながら、本実施形態に係る車種判別装置10、料金機械20、訂正装置30、料金所サーバ40、及び上位サーバ50のハードウェア構成について説明する。
【0071】
コンピュータ900は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
【0072】
上述の車種判別装置10、料金機械20、訂正装置30、料金所サーバ40、及び上位サーバ50は、それぞれ一つ又は複数のコンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。プロセッサ901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902に確保する。プロセッサ901の例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロプロセッサなどが挙げられる。
【0073】
プログラムは、コンピュータ900に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータ900は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ901によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。このような集積回路も、プロセッサの一例に含まれる。
【0074】
補助記憶装置903の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置903は、コンピュータ900のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース904または通信回線を介してコンピュータ900に接続される外部記憶装置910であってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0075】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0076】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る車種判別システム1は、外形的特徴等から車種の誤判別が生じやすい車両Aについて、NP番号と正しい車種(訂正後の車種)とを組み合わせた登録情報を、料金所サーバ40及び上位サーバ50に蓄積しておくことができる。また、車種判別システム1は、次回、車種判別装置10が当該車両Aの車種判別を行う際に、登録情報に基づいて正しい車種を判別することができる。
【0077】
また、料金所サーバ40は、上位サーバ50を通じて他の料金所サーバ40が生成した登録情報を取得、記憶することができる。これにより、車種判別システム1は、車両Aが料金所を利用する度に、料金所サーバ40に蓄積される登録情報を充実させることができる。これにより、料金所サーバ40が毎回、上位サーバ50から登録情報を取得する処理を行う必要がなくなるため、登録情報を検索して車種判別装置10に送信する処理に係る時間を短縮することができる。また、車両Aが利用しない料金所の料金所サーバ40には、この車両Aの登録情報が記憶されないので、料金所サーバ40の第1記憶媒体42のデータ容量の増大を抑制できる。
【0078】
また、上位サーバ50は、統計情報に基づいて、第1の料金所(例えば料金所T1)を利用した車両Aが利用する可能性の高い第2の料金所(例えば料金所T2)を特定し、第1の料金所T1の料金所サーバ40_1が生成した登録情報を、第2の料金所T2の料金所サーバ40_2に配信する。このようにすることで、料金所サーバ40には、利用する可能性の高い登録情報のみを予め記憶しておくことができるので、第1記憶媒体42のデータ容量の増大を抑制しつつ、登録情報を上位サーバ50から取得するための処理時間を短縮することができる。
【0079】
また、上位サーバ50は、料金所サーバ40の第1記憶媒体42に障害が発生した場合、当該料金所サーバ40の料金所IDと関連付けられた登録情報を送信して、料金所サーバ40の第1記憶媒体42を復元させる。これにより、料金所サーバ40の第1記憶媒体42に障害が発生した場合であっても、上位サーバ50に蓄積された登録情報に基づいて、料金所サーバ40の登録情報を復元することができる。
【0080】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
【0081】
例えば、上述の実施形態において、料金機械20が料金自動収受機である態様を例として説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、料金機械20は、料金所において通行料金の収受を行う収受員により操作される料金収受機であってもよい。また、料金機械20は、電子式料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」ともいう)を構成する装置(例えば、車線サーバ)であってもよい。
【0082】
また、料金機械20が収受員により操作される料金収受機である場合、収受員は、料金収受機を通じて車両AのNP番号及び車種を訂正する。したがって、この場合、料金収受機は訂正装置30としても機能する。
【0083】
また、上述の実施形態において、車種判別装置10と料金機械20(料金自動収受機20)とが異なる装置である態様を例として説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、車種判別装置10が料金機械20に内蔵され、料金機械20が車種判別機能と料金収受機能との両方を有する態様であってもよい。この場合、上述の実施形態における「車種判別装置10」は、「車種判別機能を有する料金機械20」と置き換えてもよい。
【0084】
<付記>
上述の実施形態に記載の車種判別システム、及び車種判別方法は、例えば以下のように把握される。
【0085】
本開示の第1の態様によれば、車種判別システム(1)は、有料道路の料金所の車線を通行する車両のナンバープレート番号を取得するナンバープレート読取装置(14)と、前記車線を通行する前記車両の車種を判別する車種判別装置(10)と、取得した前記ナンバープレート番号又は判別された前記車種が誤っていた場合、正しいナンバープレート番号又は車種に訂正した訂正情報の入力を受け付ける訂正装置(30)と、複数の料金所それぞれに設置され、前記ナンバープレート読取装置(14)が取得した前記ナンバープレート番号と、前記車種判別装置(10)が判別した前記車種と、前記訂正情報とを関連付けた登録情報を生成し、第1記憶媒体(42)に記憶する料金所サーバ(40)と、複数の前記料金所サーバ(40)それぞれから前記登録情報を収集して第2記憶媒体(52)に記憶する上位サーバ(50)と、を備える。前記車種判別装置(10)は、取得した前記ナンバープレート番号と関連付けられた登録情報を前記料金所サーバ(40)に要求し、前記料金所サーバ(40)から要求した登録情報を取得した場合、当該登録情報に基づいて前記車両の車種を判別し、前記料金所サーバ(40)は、前記車種判別装置(10)から要求された登録情報が前記第1記憶媒体(42)に記憶されていない場合、前記上位サーバ(50)に当該登録情報の有無を問い合わせ、前記上位サーバ(50)から要求した登録情報を受信した場合、当該登録情報を前記車種判別装置(10)に送信する。
【0086】
これにより、車種判別システムは、外形的特徴等から車種の誤判別が生じやすい車両について、ナンバープレート番号と正しい車種(訂正後の車種)とを組み合わせた登録情報を、料金所サーバ及び上位サーバに蓄積しておくことができる。また、車種判別システムは、次回、車種判別装置が当該車両の車種判別を行う際に、登録情報に基づいて正しい車種を判別することができるので、誤判別が発生する可能性を低減させることができる。
【0087】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様に係る車種判別システム(1)において、前記料金所サーバ(40)は、前記上位サーバ(50)から受信した登録情報を前記第1記憶媒体(42)に記憶する。
【0088】
このように、上位サーバから取得した登録情報を料金所サーバの第1記憶媒体に記憶しておくことにより、料金所サーバは、毎回、上位サーバから登録情報を取得する処理を行う必要がなくなる。このため、料金所サーバが登録情報を検索して車種判別装置に送信する処理に係る時間を短縮することができる。また、車両が利用しない料金所の料金所サーバには、この車両の登録情報が記憶されないので、料金所サーバの第1記憶媒体のデータ容量の増大を抑制できる。
【0089】
本開示の第3の態様によれば、第1又は第2の態様に係る車種判別システム(1)において、前記上位サーバ(50)は、複数の料金所のうち、第1の料金所を利用した車両が利用する可能性の高い第2の料金所を特定し、前記第1の料金所の前記料金所サーバ(40)により生成された前記登録情報を収集した場合、当該登録情報を前記第2の料金所の前記料金所サーバ(40)に送信する。
【0090】
このようにすることで、料金所サーバには、利用する可能性の高い登録情報のみを予め記憶しておくことができるので、第1記憶媒体のデータ容量の増大を抑制しつつ、登録情報を上位サーバから取得するための処理時間を短縮することができる。
【0091】
本開示の第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係る車種判別システム(1)において、前記上位サーバ(50)は、前記登録情報と、当該登録情報を生成した前記料金所サーバ(40)の識別情報とを関連付けて前記第2記憶媒体(52)に記憶し、前記料金所サーバ(40)の前記第1記憶媒体(42)に障害が発生した場合、当該料金所サーバ(40)の識別情報と関連付けられた登録情報を、当該料金所サーバ(40)に送信して復元させる。
【0092】
このようにすることで、料金所サーバの第1記憶媒体に障害が発生した場合であっても、上位サーバに蓄積された登録情報に基づいて、料金所サーバの登録情報を復元することができる。
【0093】
本開示の第5の態様によれば、第1から第4の何れか一の態様に係る車種判別システム(1)において、前記訂正装置(30)は、前記料金所において前記車両から通行料金を収受する収受員により操作される料金収受機、又は、前記料金所の監視を行う監視員により操作される監視装置である。
【0094】
このようにすることで、車種判別システム1は、有人の料金所及び無人の料金所の双方に対し、登録情報に基づいて車種判別を行う処理を適用させることができる。
【0095】
本開示の第6の態様によれば、車種判別方法は、ナンバープレート読取装置(14)により有料道路の料金所の車線を通行する車両のナンバープレート番号を取得するステップと、車種判別装置(10)により前記車線を通行する前記車両の車種を判別するステップと、訂正装置(30)により取得した前記ナンバープレート番号又は判別された前記車種が誤っていた場合、正しいナンバープレート番号又は車種に訂正した訂正情報の入力を受け付けるステップと、料金所サーバに(40)より、前記ナンバープレート読取装置(14)が取得した前記ナンバープレート番号と、前記車種判別装置(10)が判別した前記車種と、前記訂正情報とを関連付けた登録情報を生成し、第1記憶媒体(42)に記憶するステップと、上位サーバ(50)により、複数の前記料金所サーバ(40)それぞれから前記登録情報を収集して第2記憶媒体(52)に記憶するステップと、を実行する。前記車種を判別するステップは、取得した前記ナンバープレート番号と関連付けられた登録情報を前記料金所サーバ(40)に要求するステップと、前記料金所サーバ(40)から要求した登録情報を取得した場合、当該登録情報に基づいて前記車両の車種を判別ステップと、を実行する。前記料金所サーバ(40)は、前記第1記憶媒体(42)に要求された登録情報が記憶されていない場合、前記上位サーバ(50)に当該登録情報の有無を問い合わせるステップと、前記上位サーバ(50)から要求した登録情報を受信した場合、当該登録情報を前記車種判別装置(10)に送信するステップと、を更に実行する。
【符号の説明】
【0096】
1 車種判別システム
10 車種判別装置
11 車両検知器
12 車高検知器
13 車長検知器
14 ナンバープレート読取装置(NP読取装置)
15 踏板
16 判別処理部
20 料金機械(料金自動収受機)
21 呼出しボタン
22 カメラ
23 収受処理部
30 訂正装置
31 ディスプレイ
32 入力装置
40 料金所サーバ
41 第1登録処理部
42 第1記憶媒体
50 上位サーバ
51 第2登録処理部
52 第2記憶媒体
900 コンピュータ