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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】タッチフリーディスペンサー
(51)【国際特許分類】
   A47K 5/12 20060101AFI20240130BHJP
   F04B 49/06 20060101ALI20240130BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20240130BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20240130BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
A47K5/12 A
F04B49/06 321A
A61L2/26
A61L2/18
B65D83/00 K
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020524511
(86)(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 US2018058460
(87)【国際公開番号】W WO2019089756
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】62/581,830
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マックナルティー, ジョン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】チバレーラ, ニック イー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス, ダニエル エム
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル, アーロン ディー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, ドナルド アール
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-529330(JP,A)
【文献】米国特許第08240508(US,B2)
【文献】特開2017-094308(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0049276(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0071058(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01780411(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0190558(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 5/12
F04B 49/06
A61L 2/26
A61L 2/18
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサーであって、
ハウジングと、
容器を受けるための受け部と、
石鹸、消毒剤またはローションを含む流体の容器と、
前記容器と流体連通するポンプと、
電源と、
モーターであって、
前記ポンプが連結する、モーターと、
前記電源および前記モーターと回路通信するパルス幅変調回路であって、
最初に、選択された用量の流体を選択された速度で分注するように設定される、パルス幅変調回路と、
前記流体の実際の分注速度を示すパラメータを検出するセンサーと、を備え、
流体の前記実際の分注速度が前記選択された速度よりも遅いか、または前記選択された速度よりも速い場合、前記パルス幅変調回路はルス幅を調整して、後続の流体の分注速度を前記選択された速度に近づける、石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサー。
【請求項2】
パラメータを検出するための前記センサーが、前記ポンプまたはモーターの回転を検出する、請求項1に記載の石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサー。
【請求項3】
パラメータを検出するための前記センサーが、光学センサーである、請求項1に記載の石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサー。
【請求項4】
前記パルス幅変調回路が、前記実際の分注速度が前記選択された速度の閾値を超えているときに、前記パルス幅を調整する、請求項1に記載の石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサー。
【請求項5】
前記閾値は、前記選択された速度のプラスマイナス約5%である、請求項4に記載の石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサー。
【請求項6】
前記パルス幅変調回路が、事前選択された数の流体の分注後に、前記パルス幅を調整する、請求項1に記載の石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサー。
【請求項7】
前記パルス幅変調回路が、事前選択された時間の経過後に、前記パルス幅を調整する、請求項1に記載の石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサー。
【請求項8】
前記パルス幅変調回路が、事前選択された流体の分注数、および経過時間の関数として前記パルス幅を調整する、請求項1に記載の石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、2017年11月6日に出願され、「TOUCH-FREE DISPENSERS」と題された、米国仮特許出願第62/581830号の利益および優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にタッチフリーの石鹸、消毒剤またはローションのディスペンサーシステムに関し、特にタッチフリーディスペンサー用の電力システムに関する。
【背景技術】
【0003】
タッチフリー(またはハンズフリー)ディスペンサーでは、液体ポンプまたは泡ポンプが駆動サイクルを介して駆動アクチュエータによって作動し、流体の用量を分注する。駆動アクチュエータは、ギアまたはその他の公知の機械的構成要素で形成された駆動トレインを有する直流(DC)モーターによって電力供給される。駆動トレイン(モーターを含む)は、ポンプをストロークまたはスピンさせる。モーターは通常、電池によって電力供給される。モーターに送達される電力は、モータードロー(またはモーターの負荷)および電源の電力容量によって決定される。ディスペンサーは通常、ユーザーセンサーからの信号を受信するコントローラまたはマイクロプロセッサを使用して、流体の用量を分注し、スイッチ装置(例えば、電力トランジスタまたはリレー)に信号を送信する。スイッチ装置は、作動サイクルの間、電源をモーターに接続する。モーターは、必要に応じて電源から電力(または電流)を引き出し、電源は提供できるレベルで電力を供給する。典型的なディスペンサーは、モーター速度を制御したり、電源から送達される電力を制限したりしない。
【発明の概要】
【0004】
例示的な石鹸、消毒剤およびローションのディスペンサーが本明細書に開示されている。例示的ディスペンサーは、ハウジング、容器を受けるためのレセプタクル、石鹸、消毒剤またはローションを含む流体の容器、容器と流体連通するポンプ、電源、モーターに連結されたポンプと、電源およびモーターと回路通信するパルス幅変調回路を含む。パルス幅変調回路は最初に、選択された用量の流体を選択された速度(基底速度)で分注するように設定される。流体の分注の実際の速度を示すパラメータを検出するためのセンサーも含まれる。流体の分注の実際の速度が選択された速度(基底速度)よりも遅いか、または選択された速度(基底速度)よりも速い場合、パルス幅変調回路は電圧のパルス幅を調整して、後続の流体分注速度を選択された速度(基底速度)に近づける。
【0005】
別の例示的ディスペンサーは、ハウジング、容器を受けるためのレセプタクル、石鹸、消毒剤またはローションを含む流体の容器、容器と流体連通するポンプ、電源、ポンプに連結されたモーター、保存された分注速度を保存するためのメモリ、電源およびモーターと回路通信するパルス幅変調回路、ポンプまたはモーターの回転を感知するセンサー、およびセンサーからの信号を受信し、流体の用量を分注する速度を決定するためのプロセッサを含む。プロセッサは、パルス幅回路に、事前選択された数の分注後にモーターに印加される電圧パルスの幅を調整させ、後続の分注速度がほぼ保存された分注速度であるようにする。
【0006】
別の例示的ディスペンサーは、ハウジング、容器を受けるためのレセプタクル、石鹸、消毒剤またはローションを含む流体の容器、容器と流体連通するポンプ、電源、ポンプに連結されたモーター、プロセッサ、および電源およびモーターと回路通信するパルス幅変調回路を含む。パルス幅変調回路は最初に、選択された用量の流体を選択された時間にわたって分注するように設定される。選択された用量の流体を示すパラメータを検出するためのセンサーも含まれる。プロセッサは、分注される流体の選択された用量および分注時間を示すパラメータを使用して、パルス幅変調回路に電圧パルスの幅を調整させ、後続の流体の分注を選択された時間にわたって分注させる。
【0007】
別の例示的なディスペンサーは、ハウジング、容器を受けるためのレセプタクル、石鹸、消毒剤またはローションを含む流体の容器、容器に固定されたキーを含む。キーには、分注速度と分注時間を決定するために使用されるパラメータを示すデータが含まれる。キー上のデータを読み取るためのリーダー、プロセッサ、パルス幅変調回路、モーター、モーターに連結されたポンプ、および電源がディスペンサーに含まれる。プロセッサは、パルス幅変調回路に、キーから読み取られたデータの関数として選択されるパルス幅を有するモーターに電圧を送達させ、所望の速度で所望の分注時間にわたって分注させる。
【0008】
別の例示的ディスペンサーは、ハウジング、容器を受けるためのレセプタクル、石鹸、消毒剤またはローションを含む流体の容器、通信ポート、プロセッサ、メモリ、パルス幅変調回路、モーター、モーターに連結されたポンプ、および電源を含む。通信ポートは、分注速度および分注時間を設定するための一つまたは複数の信号を受信するように構成される。プロセッサは、パルス幅変調回路に、一つまたは複数の信号の関数として選択されるパルス幅を有するモーターに電圧を送達させ、所望の速度で所望の分注時間にわたって分注させる。
【0009】
別の例示的なディスペンサーは、ハウジング、容器を受けるためのレセプタクル、レセプタクルの下に位置する貯蔵部を含み、貯蔵部は入口を有し、貯蔵部は出口を有する。入口および出口は互いにオフセットされる。貯蔵部出口に接続された入口を有するポンプが含まれる。モーターがポンプに連結され、電源も含まれる。貯蔵部は、容器を含む再充填ユニットから充填され、ポンプは貯蔵部から流体を引き出す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、以下の記述および添付図面に関してより良く理解されるであろう。
【0011】
図1図1は、再充填ユニットを有する例示的なディスペンサーシステムの説明的な概略図である。
【0012】
図2図2および図3は、パルス幅変調負荷サイクルの例示的図である。
図3】同上。
【0013】
図4図4は、再充填ユニットを有する例示的なディスペンサーシステムの説明的な概略図である。
【0014】
図5図5は、再充填ユニットを備えた例示的なタッチフリーディスペンサーシステムである。
【0015】
図6図6は、再充填ユニットがディスペンサーから取り外された、図5の例示的なタッチフリーディスペンサーおよび再充填ユニットである。
【0016】
図7図7図9は、ディスペンサーを較正するための例示的手順である。
図8】同上。
図9】同上。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下は、本開示全体で使用される例示的用語の定義を含む。すべての用語の単数形および複数形の両方が、それぞれの意味の範囲内にある。特に明記されない限り、すべての用語の大文字および小文字の形態は、それぞれの意味の範囲内にある。
【0018】
本明細書で使用される「回路通信」は、装置間の通信可能な関係を示す。直接の電気接続、電磁接続および光学接続、ならびに間接の電気接続、電磁接続および光学接続は、回路通信の例である。信号が他の装置によって変調されるかどうかにかかわらず、二つの装置は、一方の信号が他方によって受信された場合、回路通信している。例えば、増幅器、フィルター、変圧器、光アイソレータ、デジタルまたはアナログバッファ、アナログインテグレータ、他の電子回路、光ファイバートランシーバまたはサテライトのうちの一つまたは複数によって分離された二つの装置は、信号が中間装置によって変調されても、一方からの信号が他方に通信されている場合、回路通信している。別の例として、電磁センサーは、信号から電磁放射を受ける場合、信号と回路通信している。最後の例として、互いに直接接続されていないが、例えば、どちらもCPUなどの第三の装置とインターフェースすることができる二つの装置は、回路通信している。
【0019】
また、本明細書で使用される場合、デジタル化された電圧を表す電圧および値は、本出願の目的では同等であると考えられ、従って本明細書で使用される場合、「電圧」という用語は、信号、または信号を表すプロセッサ内の値、または信号を表す値から決定されるプロセッサ内の値のいずれかを指す。
【0020】
「信号」は、本明細書で使用される場合、一つまたは複数の電気信号、アナログまたはデジタル信号、一つまたは複数のコンピュータ命令、ビットまたはビットストリームなどを含むが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書で使用される場合、「回路」と同義語の「ロジック」は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/または機能または動作を実行するためのそれぞれの組み合わせを含むが、これらに限定されない。例えば、所望の用途またはニーズに基づいて、ロジックは、ソフトウェア制御マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)またはその他のプログラムされたロジック装置などの個別ロジックを含みうる。ロジックはまた、ソフトウェアとして完全に具体化されうる。本明細書で識別および説明される回路は、所望の機能を実施するために多くの異なる構成を有し得る。
【0022】
詳細な説明で識別された値は例示的であり、特定のディスペンサーおよび/または再充填設計のために必要に応じて決定される。従って、本明細書で開示および特許請求される本発明の概念は、本明細書に開示される実施形態を説明するために使用される特定の値または値の範囲に限定されない。
【0023】
図1は、その中に取り付けられた再充填ユニット110を有する例示的なディスペンサー100を図示する。ディスペンサー100はハウジング102を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング102は、再充填ユニット110を取り囲む。いくつかの実施形態では、再充填ユニット110は、ハウジング102内に部分的に位置する。いくつかの実施形態では、再充填ユニット110は、ハウジング102の上部に接続される。ハウジング102内に位置するのは、システム回路130である。
【0024】
システム回路130は、単一の回路基板上または複数の回路基板上にあってもよい。さらに、回路130の一部は、別個に、すなわち、回路基板上に配置されずに取り付けられてもよく、必要に応じて他の構成要素に電気的に接続されてもよい。この実施形態では、システム回路130は、プロセッサ132、メモリ133、ディスペンサーをプログラムするために使用され得る任意のヘッダ134、電源136、電圧調節器138、オブジェクトセンサー142、パルス幅変調回路180、スイッチング装置182、任意の無線通信回路140、および速度センサー190を含む。さまざまな実施形態で、これらの構成要素のすべてが必要というわけではない。いくつかの実施形態では、パルス幅変調回路180は、電力制御回路であってもよい。パルス幅変調は、モーターに印加される電圧のパルス幅を変化させることによって、モーターに送達される電力を変化させる。その他の電力制御回路は、例えば、電圧または電流を変化させるための回路を含んでもよい。パルス幅変調回路に関して本明細書で説明されるすべての実施形態はまた、パルス幅変調回路に関して本明細書に説明される機能を実施するための電力制御回路を開示すると解釈されるべきである(通信ポートと呼ばれることもある)。
【0025】
プロセッサ132は、例えば、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)など個別ロジック、その他のプログラムされたロジック装置など、任意のタイプのプロセッサであってもよい。プロセッサ132は、任意のヘッダ134と回路通信している。ヘッダ134は、ユーザーがシステム回路130に接続して、回路をプログラムし、回路上の診断を実行する、および/または回路から情報を取得することを可能にする回路接続ポートである。
【0026】
プロセッサ132は、メモリ133と回路通信している。必要に応じて、メモリ133は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ、磁気ディスクまたはテープ、CD-ROMおよびDVD-ROMなどを含む任意に読み取り可能な媒体、または異なるタイプのメモリの組み合わせなどのいかなるタイプのメモリであってもよい。いくつかの実施形態では、メモリ133はプロセッサ132とは分離し、いくつかの実施形態では、メモリ133はプロセッサ132上またはその内部に存在する。
【0027】
例えば、一つまたは複数の電池などの電源136も提供される。電源136は、任意の電圧調節回路138と回路通信している。いくつかの例示的な実施形態では、電圧調節回路138は、プロセッサ132、オブジェクトセンサー142、無線通信回路140への制御電力を提供する。
【0028】
任意の無線通信回路140は、本明細書に開示されたディスペンサーおよび/または本明細書に開示されたディスペンサーの無線プログラムとの無線通信を可能にするように構成された、例えば、無線RF、Bluetooth(登録商標)、ANT(登録商標)、赤外線など、任意のタイプの無線送信および/または受信回路であり得る。
【0029】
プロセッサ132はまた、物体が分注領域内に存在するかどうかを検出するための任意のオブジェクトセンサー142とも回路通信している。オブジェクトセンサー142は、例えば、赤外線センサーおよび検出器、近接センサー、撮像センサー、熱センサーなど、任意のタイプの受動的または能動的オブジェクトセンサーであってもよい。
【0030】
さらに、プロセッサ132は、パルス幅変調回路180と回路通信している。パルス幅変調回路180は、スイッチング装置182と回路通信している。いくつかの実施形態では、パルス幅変調回路180およびスイッチング装置182は、一つの回路として組み合わされる。いくつかの実施形態では、パルス幅変調回路180は、電圧調整回路(図示せず)、または本明細書で特許請求する機能を実行するために、電圧または電流の上げ下げを調整するために使用され得る電流調整回路(図示せず)で置き換えることができる。
【0031】
スイッチング装置182は、電源136およびモーター150と回路通信している。作動中、プロセッサ132は、パルス幅変調回路180に信号を提供し、これによってパルス幅回路180はスイッチング装置182を制御し、電源136によって供給される電力を変調して、モーター150を駆動する。変調の詳細については、以下に説明する。いくつかの代替的な実施形態では、スイッチング装置182は電圧を調整し、その他いくつかの代替的な実施形態では、スイッチング装置は電流を調整する。
【0032】
プロセッサ132は、ディスペンサー100の出力を生成することに相関する要素の速度を測定する速度センサー190と回路通信している。いくつかの実施形態では、速度センサー190は、モーター150および/またはポンプ116の回転速度を決定する。従って、速度センサー190は、回転またはモーター150および/またはポンプ116を示すフィードバック信号を提供する任意のタイプのセンサーであってもよい。いくつかの実施形態では、速度センサー190は、一定時間にわたってモーター150および/またはポンプ116の回転を感知し、いくつかの実施形態では、速度センサー190は回転速度を感知する。本明細書に記載の例示的な実施形態は、回転ポンプを有するが、いくつかの実施形態では、ポンプはピストンポンプである。ピストンポンプの場合、速度センサー190は、出力ピストンの直線動作を感知し得る。いくつかの実施形態では、速度センサー190は、点Aから点Bへのピストンの動きを感知する。いくつかの実施形態では、速度センサー190は光学センサーである。いくつかの実施形態では、速度センサー190は電界を感知する。いくつかの実施形態では、速度センサーは磁場を感知する。いくつかの実施形態では、速度センサー190は静電容量を感知する。いくつかの実施形態では、速度センサー190はインダクタンスを感知する。いくつかの実施形態では、速度センサー190は、速度を示す信号を提供するための圧力を感知する。いくつかの実施形態では、速度センサー190は、一つまたは複数の電流波形に基づく速度を決定する。いくつかの実施形態では、速度センサー190は、ポンプまたはモーターの回転数を決定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、速度センサー190は、磁気リードであってもよい。
【0033】
この例示的な実施形態では、再充填ユニット110が、図1のディスペンサー100に挿入されて示されている。再充填ユニット110は、ディスペンサー100に挿入され、ユニットとしてディスペンサー100から取り外される。再充填ユニット110は、容器112、閉鎖部192、出口弁(図示せず)およびいくつかの実施形態では、空気入口弁(図示せず)または通気弁を含む。いくつかの実施形態では、再充填ユニット110はまた、例えば、発泡性石鹸、消毒剤、ローション、保湿剤または個人の衛生に使用されるその他の液体などの発泡性液体を含む。いくつかの実施形態では、再充填ユニット110は、泡ディスペンサーではなく、液体ディスペンサーで使用するためのものであり、発泡していない液体で充填される。
【0034】
プロセッサ132が、オブジェクトセンサー142を介して、物体が分注ゾーン内にあると判断すると、プロセッサ132は、パルス幅変調回路180およびスイッチング装置182を介して、モーター150を作動させる。流体は、容器112から液体入口194を介して、モーター150によって駆動するポンプ116内に引き出される。この例示的な実施形態では、ポンプ116は、一つの液体ポンプチャンバと3つの空気ポンプチャンバとを含む、逐次的に作動するマルチダイヤフラムポンプである。いくつかの例示的な実施形態は、複数の液体ポンプチャンバ/ダイヤフラム、3つを超える空気ポンプチャンバ/ダイヤフラム、または3つ未満の空気ポンプチャンバ/ダイヤフラムを含む。いくつかの例示的な実施形態では、ピストンポンプを使用して、流体を送り出す。
【0035】
連続的に作動するマルチダイヤフラムポンプの例示的な実施形態は、2017年2月10日に出願され、「HIGH QUALITY NON-AEROSOL HAND SANITIZING FOAM」と題された米国非仮出願番号第15/429,389号;2016年12月5日に出願され、「SEQUENTIALLY ACTIVATED MULTI-DIAPHRAGM FOAM PUMPS, REFILL UNITS AND DISPENSER SYSTEMS」と題された米国非仮出願番号第15/369,007号;2016年11月18日に出願され、「SEQUENTIALLY ACTIVATED MULTI-DIAPHRAGM FOAM PUMPS,REFILL UNITS AND DISPENSER SYSTEMS」と題された米国非仮特許出願番号第15/355,112号;2016年11月14日に出願され、「IMPROVED FOAMING CARTRIDGE」と題された米国非仮出願番号第15/350,190号;2016年11月21に出願され、「FOAM DISPENSING SYSTEMS,PUMPS AND REFILL UNITS HAVING HIGH AIR TO LIQUID RATIOS」と題された米国非仮出願番号第15/356,795号;および2017年4月6日に出願され、「FOAM DISPENSING SYSTEMS,PUMPS AND REFILL UNITS HAVING HIGH AIR TO LIQUID RATIOS」と題された、米国非仮出願番号第15/480,711号に示され、開示されており、それぞれはその全体が本明細書に組み込まれている。
【0036】
さらなる例示的なディスペンサーならびにタッチフリーディスペンサーの回路についての詳細は、2013年2月19日に出願され、「Power Systems for Touch Free Dispensers and Refill Units Containing a Power source」と題された米国特許出願番号第13/770,360号でより完全に説明および示される場合があり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0037】
モーター150およびポンプ116の回転は、速度センサー190によって検出される。この特定の実施形態では、速度センサー190は、モーター150、一つまたは複数のギア(図示せず)および/またはポンプ116の回転を決定する。この例示的な実施形態では、流体の一回の「用量」は、モーター150および/またはポンプ116の選択された回転数によって生成される。この例示的な実施形態では、ディスペンサー100は、選択された時間にわたって選択された用量の流体を分注するように設定される。例えば、ディスペンサーは、例えば、1.5mLの流体の用量を、例えば1.5秒の選択された時間で分注するように設定され得る。パルス幅変調回路180は、制御スイッチング装置182が、選択されたパルス幅を有する電圧を、モーター150に提供するように設定される。元の選択されたパルス幅は、例えば、50%負荷サイクルパルス幅であり得る。元のパルス幅は、例えば、完全に充電された電源、新しいモーター、流体でいっぱいの容器など、元の仕様に基づいて選択することができる。
【0038】
ディスペンサー100が、選択された用量の流体を分注するたびに、または定期的に、モーター150および/またはポンプ116が、選択された回転数を回転させて、選択された用量の流体を分注するのにかかる分注時間は、プロセッサ132によって決定され、分注時間および/または速度はメモリ133に保存される。分注時間および/または速度は、将来の分注のパルス幅を調整するために使用され得る。例えば、パルス幅が、元々50%負荷サイクルに設定され、例えば1.5mlなどの選択された流体の用量が、例えば、1.5秒などの選択された時間に分注され、プロセッサ132が、選択された流体の用量を分注するのに1.6秒かかったと判断する場合、パルス幅を、例えば55%に増加させ、選択された流体の用量を分注する時間を減少させるモーターの速度を増加させることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、パルス幅の再較正またはリセットは、各分注イベントの後に行われるが、再較正は定期的に行われることが好ましい。いくつかの実施形態では、再較正は、例えば、20回の分注、30回の分注、40回の分注、50回の分注、または任意の所望の数の分注など、選択された数の分注後に行われる。いくつかの実施形態では、再較正は、例えば、1日後、5日後、10日後、20日後、30日後など、選択された時間後に行われる。いくつかの実施形態では、再較正は、分注数と一定時間との組み合わせ後に行われる。いくつかの実施形態では、再較正は無作為に行われる。
【0040】
いくつかの実施形態では、再計算は、例えば、電圧などのパラメータの関数として行われる。いくつかの実施形態では、パラメータは電圧であり、電圧が、例えば、所定量だけ変化する場合、電源の電圧は、選択された閾値だけ変化し、例えば、設定された量または設定された割合だけ落ちると、再計算が行われる。いくつかの実施形態では、パラメータは電流ドローである。例えば、モーターの電流ドローが設定した量または設定した割合だけ増加すると、再計算が行われる。いくつかの実施形態では、パラメータが連続して複数の分注の閾値を超えない限り、再計算は行われない。従って、ディスペンサー100は、例えば、モーターの摩耗、効率、ポンプの剛性および摩耗、環境要因など、ディスペンサー構成要素の変化に自己調整または自動調整して、選択された流体の用量を、例えば、設定された分注時間内などの選択されたパラメータ内で、一貫して分注できるようにすることができる。
【0041】
図2および図3は、パルス幅変調回路180およびスイッチング装置182による例示的な波形出力を示す。これらの例示的な実施形態では、電圧は5ボルトであり、一サイクルは0.2秒である。図2の波形は、25%の負荷サイクルを表し、これは、モーターが約5ボルトで約0.05秒間の電圧パルスに続いて、実質的に電圧がない0.15秒の電圧パルスを受けることを意味する。同様に、図3は、50%の負荷サイクルを表し、これは、モーターが約5ボルトで約0.1秒間の電圧パルスに続いて、実質的に電圧がない0.1秒の電圧パルスを受ける波形を示す。任意の適切な負荷サイクルを、本出願で使用することができる。一般に、負荷サイクルは、10%の負荷サイクルよりも大きい。本明細書で使用される場合、負荷サイクルは、電圧が印加されるユニットの割合に適用される。例えば、100%負荷サイクルは、電圧が常に印加されることを意味する。90%負荷サイクルとは、電圧がサイクルの90%の間オンになり、サイクルの10%の間オフになることを意味する。40%負荷サイクルとは、電圧がサイクルの40%の間オンになり、サイクルの60%の間オフになることを意味する。
【0042】
さらに、いくつかの実施形態では、電圧の変化は、同じ結果を達成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、パルス幅変調回路は、電圧増加回路/電圧減少回路を含み得る。
【0043】
さらに、ディスペンサー100は、調節可能なディスペンサーである。言い換えれば、ディスペンサー100は、顧客の所望の出力または処方の変化に合わせて調整され得る。例えば、いくつかの実施形態では、顧客はより小さな用量の流体を希望する。いくつかの実施形態では、顧客はより乾燥した泡の出力を希望する。いくつかの実施形態では、顧客はより湿った泡の出力を希望する。ディスペンサー100は、これらの例、およびそれ以上の例に対応するように構成される。
【0044】
モーター150およびポンプ116の速度は、泡の質を調整するように調整され得る。この例示的な実施形態では、ポンプ116は、連続的に作動するマルチダイヤフラム泡ポンプである。ポンプ116は、三つの空気ポンプダイヤフラムおよび単一の液体ポンプダイヤフラムを有し、これは組み込まれた一つまたは複数の参考資料に示され、説明されている。ポンプダイヤフラム間の相互作用のため、ポンプ116の速度が変化すると、泡の出力における液体/空気の比は一貫しない。例えば、ポンプ116が、0.9秒に1.1mLの液体を含む泡を分注する速度で運転される場合、泡はより湿った泡である。ポンプ116が、0.7秒に1.1mLの液体を含む泡を分注する速度で運転される場合、泡は中程度の湿り具合である。ポンプ116が、0.5秒に1.1mLの液体を含む泡を分注する速度で運転される場合、泡は乾燥した泡である。従って、逐次的に作動するマルチダイヤフラム泡ポンプの泡特性は、ポンプ116の速度に基づいて変更することができる。いくつかの実施形態では、ユーザーは、携帯プログラミング装置をヘッダ134に接続し、モーター150およびポンプ116を所望の速度に変更して、泡特性を調整することができる。いくつかの実施形態では、無線通信回路140を使用して、モーター速度を設定し、泡特性を変更することができる。さらに、分注用量当たりの流体の体積は、ポンプをより長く運転することによって変更できる。いくつかの実施形態では、パルス幅変調回路は、速度を制御するために使用され得る。パルス幅変調は、パルス幅を変化させることによって、モーターに送達される電力を変化させる。その他の電力制御回路は、電圧または電流を変化させるための回路を含み、速度を制御するために使用され得る。パルス幅変調回路に関して本明細書で説明されるすべての実施形態はまた、パルス幅変調回路に関して本明細書に説明される機能を実施するための電力制御回路を開示すると解釈されるべきである。
【0045】
図4は、別の例示的なディスペンサー400を図示する。ディスペンサー400は、ディスペンサー100と同様であり、同様の構成要素は同一の数字識別子を有し、本明細書では再度説明されない。ディスペンサー400は、自動較正ディスペンサーである。この例示的な実施形態では、再充填ユニット112はキー420を含む。キー420は、例えば、RFID装置などのリーダー410によって読み取られ得る電子キーであることが好ましい。いくつかの実施形態では、キー410は、リーダー410で読み取ることができるカラーキーである。いくつかの実施形態では、キー420は、再充填特性を示す物理的しるしを含む、機械的キーである。従って、キー420は、無線で、またはリーダー410を介した物理的しるしの一つまたは複数のセンサーを介して、読み取られる。
【0046】
キー420から読み取られたデータの関数として、プロセッサ132は、再充填部410から流体を分注するための動作パラメータを決定する。例えば、再充填ユニット410は、石鹸、濃縮石鹸、ローション、消毒剤または別のタイプの流体を含み得る。これらの異なるタイプの流体はそれぞれ、異なる分注パラメータまたは要件を有してもよい。例えば、再充填ユニット410がより多い量の空気を必要とする濃縮石鹸を含む場合、ディスペンサー400は、モーター150をより高速で操作して、流体出力の空気対液体比を高め、ディスペンサー400をより短時間操作して、より少ない液体を分注することができる。再充填ユニット410が非濃縮石鹸を含む場合、ディスペンサーは、より長い時間、より遅い速度で動作し得る。さらに、再充填ユニット410が消毒剤を含む場合、ディスペンサーは、さらに別の長さの間、さらに別の速度で動作し得る。従って、ディスペンサー400は、キー420から読み取られたデータの関数として、例えば、速度、時間、体積など、その動作特性を自動較正する能力を有する。さらに、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは、空気または液体ポンプチャンバの体積を変化させることなく、また液体ポンプチャンバまたは空気ポンプチャンバの圧縮膨張ストロークを物理的に変化させることなく、泡出力の空気対液体比を変更し得る。
【0047】
図5および図6は、ディスペンサー501および再充填ユニット550を有する、ディスペンサーシステム500の例示的な実施形態を図示する。図5では、再充填ユニット550はディスペンサー501に挿入されている。図6では、再充填ユニット550はディスペンサー501の上に位置する。再充填ユニット550は、閉鎖部552を有する容器512を含む。容器512は、液体が容器512から引き出されたときにその形状を維持するように設計された半剛性容器であり、また本明細書では潰れない容器と呼ばれる場合がある。容器が潰れる、または許容できない真空圧の増加を防ぐために、閉鎖部552内に位置するのは、液体が流出するときに容器内に空気が流入し、容器512がその形状を維持し、液体が容器512から流出することを可能にする通気弁554である。通気弁554は、容器512を変形または潰れさせる真空圧を生成するのを防ぐのに十分に低いクラッキング圧力を有するように選択される。
【0048】
また、閉鎖部552内に位置するのは、出口弁556である。出口弁556は、容器512がディスペンサー501に挿入されていない時に、流体形態が容器512から流出するのを防止するように構成される。いくつかの実施形態では、出口弁556は穿刺弁である。言い換えれば、出口弁556は、ディスペンサー501に挿入されるまで開口部のない固体であるが、出口弁556は、再充填ユニット550がディスペンサー501に挿入されると、液体入口導管532によって穿孔される。いくつかの実施形態では、出口弁556は、スリット弁であるか、または通常は閉じていて、液体入口導管532上に押し付けられると開く、小さな開口部を有する。いくつかの実施形態では、出口弁556は弾性であってもよい。いくつかの実施形態では、出口弁556は、ゴム、シリコン、またはこれに類するもので作製され得る。いくつかの実施形態では、出口弁532は、可動部分(図示せず)およびシート(図示せず)を含み、再充填ユニット550がディスペンサー501に挿入されると、可動部分がシートから外れて、流体が容器512から液体入口532に流れ込むことができる。例示的再充填ユニットは、2016年11月11日に出願され、「DISPENSERS,REFILL UNITS,AND REUSABLE/REPLACEABLE PUMP ASSEMBLIES」と題された米国仮特許出願第62/420927号、および2017年11月10日に出願されたPCT出願第PCT/US17/61013号に示され、説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0049】
ディスペンサー501は、ハウジング502およびレセプタクル610を有する。再充填ユニット550は、レセプタクル610に適合する。レセプタクル610は、再充填ユニット550と係合し、再充填ユニット550がレセプタクル610から取り外されるのを防ぐ捕捉機構(図示せず)を含む。リリース機構(図示せず)は、再充填ユニット550をディスペンサー501から取り外すために使用される。レセプタクル610の底部に位置するのは、液体入口導管556である。液体入口導管536は、貯蔵部630と流体連通している。
【0050】
貯蔵部630は、ハウジング612によって部分的に形成されてもよい。ハウジング612は、環状突起部614を含む。貯蔵部630は、ハウジング612に接続する貯蔵部ハウジング632を含む。貯蔵部ハウジング632の一端に位置するのは、任意のシール638を含む液体出口634である。シール638は、ポンプ入口導管540の周りを密封する。例えば、ウェルド接続などのその他の方法を使用して、導管を貯蔵部ハウジング632に接続することができる。貯蔵部液体入口導管556は、貯蔵部液体出口導管634からオフセットされる。
【0051】
貯蔵部630は、再充填ユニット550が交換される時に流体の予備を提供する。いくつかの実施形態では、流体の予備は、再充填ユニット550が交換される時にプライムの損失を防止するのに役立つ。さらに、いくつかの実施形態では、貯蔵部630は、ポンプ520およびモーター510をハウジング502内に配置するための柔軟性を可能にする。いくつかの実施形態では、ポンプ入口導管540は、貯蔵部ハウジング632を回転させるだけで、複数の位置に配置することができる。さらに、液体出口634は、貯蔵部ハウジング34上の異なる位置に移動してもよい。
【0052】
ポンプ520は、例えば、本明細書に組み込まれた上述のものなどの任意のポンプであってもよく、液体ポンプチャンバ522および複数の空気ポンプダイヤフラム524(一つのみ図示)を含む。ポンプ520は、第一の液体入口弁542、第二の液体入口弁542、混合チャンバ546、発泡部材548、および出口549を含む。ディスペンサー500は、本明細書に記載または組み込まれるその他の実施形態で説明されるように動作し得る。いくつかの実施形態では、第一の液体入口弁542は、第一のクラッキング圧力を有し、第二の入口弁542は、第二のクラッキング圧力を有する。いくつかの実施形態では、第一のクラッキング圧力は、第二のクラッキング圧力よりも高い。二つの液体入口弁を有する例示的な実施形態は、2017年11月6日に出願され、「Double Inlet Valve for Enhanced Pump Efficiency」と題された米国仮出願番号第62/581,820号に示され、説明されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0053】
本明細書に開示される手順は、追加的なステップまたはより少ないステップを含み得る。さらに、ブロックの配列の順序は限定されず、また配列は異なる順序またはさまざまな順序で実行されてもよい。図7は、ディスペンサーを制御して、再充填ユニットの寿命を通して一貫した出力を確保するための例示的手順700である。例示的手順700は、ブロック702で開始する。ブロック704で、分注イベントが検出される。分注イベント中、ディスペンサーは一定量の流体を分注する。いくつかの実施形態では、ディスペンサーは、設定された時間内に一定量の流体を分注するように元々較正されている。例えば、ディスペンサーは0.7秒で1.1mLの流体を分注するように設定され得る。分注の所望の速度/時間を達成するために、パルス幅変調回路は、例えば25%の負荷サイクルなどのベースまたはセットポイントで最初に設定される。言い換えれば、サイクルが0.2秒である場合、25%に設定された変調回路を備えたパルスは、選択された用量の流体を分注するために、選択された時間の0.2秒のサイクルまたは時間枠から、0.05秒の電圧パルスをモーターへ送達することになる。
【0054】
分注イベントが行われるたびに、例えば、分注イベントの時間および/速度などの分注パラメータが、ブロック706で決定される。上述のように、測定することのできる分注時間および/または用量サイズを示す他のパラメータには、例えば、ディスペンサー電圧、電流ドローなどが含まれる。さらに、上述のように、いくつかの実施形態では、分注パラメータは、選択された数の分注の後、またはいくつかの他の基準が満たされた後に決定される。
【0055】
分注のための時間および/または速度などのパラメータは、ブロック708に保存される。ブロック710で、パラメータは閾値と比較される。望ましいパラメータが分注の数である場合、手順は、分注の数が閾値の分注の数を超えたかどうかを判断する。閾値が時間の場合、手順は設定された時間が経過したかどうかを判断する。パラメータが更新され、閾値に達していない場合、手順はブロック704に戻る。閾値に達している場合、パラメータが許容範囲内にあるか、または設定された閾値内にあるかを判断する。例えば、パラメータが速度の場合、速度が許容範囲内または閾値内にあるかについて判断される。そうである場合、手順はブロック704に戻る。そうでない場合、モーターに電力供給する電圧パルスの幅が調整される。いくつかの実施形態では、上記のブロックのうち一つまたは複数は使用されない。いくつかの実施形態では、追加のブロックが使用される。
【0056】
いくつかの実施形態では、ディスペンサーは、各分注後に再較正され、ブロック710は不要である。いくつかの実施形態では、ディスペンサーは2回以上の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは5回の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは10回の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは15回の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは20回の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは25回の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは30回の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは35回の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは40回の分注後に再較正され、いくつかの実施形態では、ディスペンサーは45回以上の分注後に再較正される。
【0057】
いくつかの実施形態では、パラメータは時間であり、いくつかの実施形態では、再較正は、例えば、1日後、5日後、10日後、20日後、30日後など、選択された時間後に行われる。いくつかの実施形態では、再較正は、分注数と一つまたは複数の一定時間との組み合わせの関数として行われる。例えば、ディスペンサーは通常、25回の分注後に、それ自体を再較正することができるが、最後の再較正から、例えば、5日などの設定期間が経過した場合、再較正をトリガーするためには10回の分注のみが必要であり得る。いくつかの実施形態では、ディスペンサーは、選択された数の分注または選択された期間のいずれか早い方の後に再較正し得る。
【0058】
図8は、ディスペンサーを自動較正するための例示的手順800である。いくつかの実施形態では、ディスペンサーは、例えば、石鹸、濃縮石鹸、消毒剤、泡消毒剤、ローションなど、多くの異なるタイプの製品を分注できる。しかし、例えば、流体の量、分注速度、分注の長さなど、一つまたは複数の分注パラメータは、流体のタイプによって異なる。いくつかの実施形態では、一つの処方を有する流体は、例えば、より湿った泡、またはより乾燥した泡、またはより少ない用量の流体、またはより多い用量の流体に対する要望など、顧客の嗜好に基づいて異なるパラメータを用いて分注され得る。
【0059】
例示的手順800は、ブロック802で開始され、ブロック804では、新しい再充填ユニットがディスペンサーに取り付けられているかどうかについての判断が行われる。ディスペンサーに新しい再充填が挿入されない場合、手順はブロック802に戻る。新しい再充填ユニットがディスペンサーに取り付けられている場合、データはブロック806で再充填ユニットから読み取られる。ブロック808で、ディスペンサーは、再充填ユニット内の流体のタイプに合わせてディスペンサーを自動的に較正する。いくつかの実施形態では、ブロック808の後で手順を終了する。こうした実施形態では、ディスペンサーは、一つのタイプの流体に対してのみ較正できる。これにより、作業者が誤ったタイプの流体をディスペンサーに誤って挿入することを防ぐ。例えば、ディスペンサーが病院で使用され、手指消毒剤が必要な場合、最初に消毒剤ディスペンサーとして設定された後に、ローションをディスペンサーから分注できない。いくつかの実施形態では、手順は、ブロック808では終了せず、むしろ戻り、新しい再充填ユニットが取り付けられ、再充填ユニットから読み取られたデータが元の再充填ユニットと異なる場合、ブロック808で調整されたパラメータはディスペンサーを無効にする。いくつかの実施形態では、再充填ユニットから読み取られたデータが元の再充填ユニットと異なる場合、ディスペンサーは新しい再充填ユニット用に再較正される。
【0060】
図9は、ディスペンサーの出力を調整するための例示的手順900である。いくつかの実施形態では、ディスペンサーを調整して、流体出力を調整する。例示的手順は、ブロック902で開始する。ブロック904で、例えば、ディスペンサー速度などのディスペンサーパラメータが調整され得る。速度は、例えば、泡出力の湿り度または乾燥度を調整するために調整され得る。速度が高速になると、より湿った泡出力が得られ、より遅い速度でより乾燥した泡が生成される。手順はブロック906に進み、必要に応じて出力量が調整される。例えば、分注間の時間、過度の使用パラメータなど、その他のパラメータを設定することができる。いくつかの実施形態では、ユーザーが短時間に多くの用量の流体を得る能力を制限することが、無駄を防止するのに望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、例えば、設定された時間に誰かがディスペンサーからより多くの流体を取得することを防止するためなど、過度の使用パラメータが設定されてもよい。
【0061】
パラメータは、例えば、ラップトップまたはPDAなどの携帯装置を用いて、ディスペンサーのヘッダまたは通信ポートと接続することによって調整され得る。いくつかの実施形態では、ディスペンサーパラメータは、無線で、例えば、一つまたは複数のネットワークを介して、インターネットを介して、または例えば、スマートフォンなど、PDAへのブルートゥース接続などによって近接して構成される。
【0062】
本発明のさまざまな発明の態様、概念および特徴は、例示的な実施形態で組み合わせて実施されるものとして本明細書で説明および図示されてもよく、これらのさまざまな態様、概念および特徴は、多くの代替的実施形態で、個々に、またはさまざまな組み合わせおよびサブコンビネーションのいずれかで、使用されてもよい。添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制限する、または何らかの方法で制限することは、出願人の意図ではない。本明細書に明示的に除外されない限り、こうしたすべての組み合わせおよびサブコンビネーションは、本発明の範囲内であることが意図されている。さらに、本発明のさまざまな態様、概念、および特徴に関するさまざまな代替実施形態、例えば、代替材料、構造、構成、方法、回路、デバイスとコンポーネント、ソフトウェア、ハードウェア、制御ロジック、形成、適合、および機能に関する代替物などが本明細書で記載され得るが、そのような記載は、現在公知であるか、または後に開発されるかに関わらず、利用可能な代替的実施形態の完全なまたは網羅的なリストであることを意図していない。当業者であれば、このような実施形態が本明細書に明示的に開示されていない場合であっても、本発明の範囲内での本発明の態様、概念または特徴のうち一つまたは複数を追加の実施形態に容易に採用し、使用することができる。さらに、本発明のいくつかの特徴、概念または態様は、好ましい配置または方法であるとして本明細書に説明され得るが、こうした説明は、明示的に述べられない限り、こうした特徴が必要とされるまたは必要であることを示唆する意図はない。さらに、例示的または代表的な値および範囲は、本開示の理解を助けるために含めることができるが、このような値および範囲は、限定的意味で解釈されるべきではなく、明示的に述べられている場合に限り、重要な値または範囲であることを意図している。さらに、さまざまな態様、特徴および概念は、発明性がある、または発明の一部を形成するものとして本明細書に明示的に識別され得るが、このような識別は排他的であるように意図されておらず、むしろそのようなものとして、または特定の発明の一部として明示的に識別されることなく、本明細書で完全に説明される発明の態様、概念、および特徴があり得る。例示的方法またはプロセスの説明は、すべての場合に必要とされるすべてのステップの包含に限定されず、明示的に述べられていない限り、ステップが提示される順序は、必要とされるまたは必要であると解釈されるものでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9