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特許7428673危険度検出システム、危険度検出装置、危険度検出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】危険度検出システム、危険度検出装置、危険度検出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240130BHJP
【FI】
G06T7/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021018077
(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公開番号】P2022120980
(43)【公開日】2022-08-19
【審査請求日】2022-03-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】306029774
【氏名又は名称】ビッグローブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(74)【復代理人】
【識別番号】100187230
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晶司
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 康平
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-182278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段と、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識手段と、
物体についてウイルスまたは菌またはダニまたはハウスダストまたは花粉または黄砂が付着している危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースと、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識手段にて認識された物体の危険度を判定する判定手段と、
前記判定手段にて判定された危険度を表示する表示手段とを有する、危険度検出システム。
【請求項2】
撮影手段と、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識手段と、
物体についてウイルスまたは菌またはダニまたはハウスダストまたは花粉または黄砂が付着している危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースと、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識手段にて認識された物体の危険度を判定する判定手段と、
前記判定手段にて判定された危険度を表示する表示手段とを有し、
前記データベースには、前記撮影手段にて撮影されて前記認識手段にて認識された旨を示す履歴情報が、前記危険度に関するデータとして物体毎に登録されており、
前記判定手段は、前記認識手段にて認識された物体の前記履歴情報に基づいて当該物体の危険度を判定する、危険度検出システム。
【請求項3】
請求項2に記載の危険度検出システムにおいて、
前記判定手段は、前記認識手段にて物体が認識された場合、前記履歴情報に基づいて、当該物体が前記認識手段にて前回認識されたタイミングからの経過時間に応じた危険度を、当該物体の危険度として判定する、危険度検出システム。
【請求項4】
撮影手段と、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識手段と、
物体についてウイルスまたは菌またはダニまたはハウスダストまたは花粉または黄砂が付着している危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースと、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識手段にて認識された物体の危険度を判定する判定手段と、
前記判定手段にて判定された危険度を表示する表示手段とを有し、
前記データベースには、物体の使用状況が前記危険度に関するデータとして物体毎に登録されており、
前記判定手段は、前記認識手段にて認識された物体の使用状況に基づいて当該物体の危険度を判定する、危険度検出システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の危険度検出システムにおいて、
前記データベースには、物体の材質または用途に応じた危険度が前記データとして物体毎に登録されている、危険度検出システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の危険度検出システムにおいて、
前記データベースには、前記危険度が判定された場合の対処方法が物体毎に登録されており、
前記認識手段にて認識された物体について前記判定手段にて危険度が判定された場合の対処方法を前記データベースから抽出する対処方法抽出手段を有し、
前記表示手段は、前記対処方法抽出手段にて抽出された対処方法を表示する、危険度検出システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の危険度検出システムにおいて、
前記データベースには、屋内空間に置かれる物体についての危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されており、
前記判定手段は、前記認識手段にて過去に認識された物体を基に、前記屋内空間に存在する既存の物体ではない物が含まれているか、または、過去に認識された物体の位置を基に、前記屋内空間の存在する位置以外に物体が存在しているか、または、過去に認識された物体の形状を基に、前記屋内空間に存在する物体が異なる形状になっているかを、当該物体の危険度として判定を行う、危険度検出システム。
【請求項8】
撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体の危険度を、物体についてウイルスまたは菌またはダニまたはハウスダストまたは花粉または黄砂が付着している危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースを参照して検出する危険度検出装置であって、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識手段と、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識手段にて認識された物体の危険度を判定する判定手段とを有する、危険度検出装置。
【請求項9】
撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体の危険度を、物体についてウイルスまたは菌またはダニまたはハウスダストまたは花粉または黄砂が付着している危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースを参照して検出する危険度検出方法であって、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識ステップと、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識ステップにて認識された物体の危険度を判定する判定ステップとを有する、危険度検出方法。
【請求項10】
撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体の危険度を、物体についてウイルスまたは菌またはダニまたはハウスダストまたは花粉または黄砂が付着している危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースを参照して検出するコンピュータに実行させるプログラムであって、
コンピュータに、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識手順と、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識手順にて認識された物体の危険度を判定する判定手順とを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影された画像に含まれる物体の危険度を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地球上では感染症の元となる様々な菌やウィルスが発生しており、それに応じた様々な対策がなされている。近年では、感染力が強いウィルスが発生、蔓延する場合もある。菌だけでなく、感染力が強いウィルスは、感染者が触れた物体に何時間も生きたまま付着しているため、その後、非感染者がその物体に触れた場合、菌やウィルスに感染してしまう確率が高くなってしまう。
【0003】
そのため、従来は、ドアノブ等の多くの人が触れる箇所については、多くの人は、それ以前に誰が触れたかを気にせず触れていたものの、近年では、人が触れる箇所から、他人に感染を拡大させる要因となってしまうことがある。
【0004】
特許文献1~3には、自車の走行状態や位置情報と物体の位置情報とに基づいて危険度を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-10800号公報
【文献】特開2006-219077号公報
【文献】特開平5-52608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような物体を介しての菌やウィルスの感染は、その物体の材質や用途あるいは使用頻度等によってその確率が異なる。しかしながら、特許文献1~3に開示された技術は、自車の走行状態や位置情報と物体の位置情報とに基づいて危険度を検出するものであるため、物体そのものについて菌やウィルスの付着等といった外的要因によって生じる危険性を示す危険度を検出することができないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、物体そのものについて菌やウィルスの付着等といった外的要因によって生じる危険性を示す危険度を検出することができる、危険度検出システム、危険度検出装置、危険度検出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の危険度検出システムは、
撮影手段と、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識手段と、
物体についての危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースと、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識手段にて認識された物体の危険度を判定する判定手段と、
前記判定手段にて判定された危険度を表示する表示手段とを有する。
【0009】
また、本発明の危険度検出装置は、
撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体の危険度を、物体についての危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースを参照して検出する危険度検出装置であって、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識手段と、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識手段にて認識された物体の危険度を判定する判定手段とを有する。
【0010】
また、本発明の危険度検出方法は、
撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体の危険度を、物体についての危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースを参照して検出する危険度検出方法であって、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識ステップと、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識ステップにて認識された物体の危険度を判定する判定ステップとを有する。
【0011】
また、本発明のプログラムは、
撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体の危険度を、物体についての危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されたデータベースを参照して検出するコンピュータに実行させるプログラムであって、
コンピュータに、
前記撮影手段にて撮影された画像に含まれる物体を認識する認識手順と、
前記データベースに登録されたデータに基づいて、前記認識手順にて認識された物体の危険度を判定する判定手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、物体そのものについて菌やウィルスの付着等といった外的要因によって生じる危険性を示す危険度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の危険度検出システムの第1の実施の形態を示す図である。
図2図1に示したスマートフォンの構成を示す図である。
図3図1に示した危険度検出サーバーの構成を示す図である。
図4図1図3に示した危険度検出システムにおける基本的な処理を説明するためのフローチャートである。
図5図1に示したデータベースに登録された危険度データの一構成例を示す図である。
図6図1に示した危険度検出システムにおいて危険度検出サーバーから送信された表示データを基に、スマートフォンにて表示される危険度表示画面の例を示す図である。
図7図1に示したデータベースに登録された危険度データの他の例を示す図である。
図8図1図3に示した危険度検出システムにおいてデータベースに登録された物体の履歴情報に基づいてその物体の危険度を判定する処理を説明するためのフローチャートである。
図9図1に示したデータベースに登録された対処方法データの例を示す図である。
図10図1図3に示した危険度検出システムにおいてスマートフォンの表示部に危険度が表示された物体に対する対処方法を表示する処理を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の危険度検出システムの第2の実施の形態を示す図である。
図12図11に示した危険度検出システムにおける処理を説明するためのフローチャートである。
図13図11に示したデータベースに登録されたデータの一構成例を示す図である。
図14図11に示した危険度検出システムにおいて危険度検出サーバーから送信されてパソコンにて表示される危険度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の危険度検出システムの第1の実施の形態を示す図である。図2は、図1に示したスマートフォン10の構成を示す図である。図3は、図1に示した危険度検出サーバー30の構成を示す図である。
【0016】
本形態による危険度検出システムは図1に示すように、スマートフォン10と、危険度検出サーバー30と、データベース40とを有している。
【0017】
スマートフォン10は、利用者が所持する携帯端末である。スマートフォン10は、屋内空間である部屋1内にいる利用者が、部屋1内を撮影し、部屋1内に置かれた物体についての危険度を表示する。なお、「部屋1内に置かれた物体」には、部屋1に備え付けられた物体や部屋1の壁に掛けられた物体、部屋1の天井に吊るされた物体、部屋1を構成する天井もしくは壁、床など一部品も含まれる。また、物体には、液体も含まれてもよい。
【0018】
スマートフォン10は図2に示すように、通信部11と、撮影部12と、表示部13と、操作部14と、記憶部15と、制御部16とを有している。
【0019】
通信部11は、例えば、4GやLTE、5G、無線LAN等の通信方式によってアクセスポイント20にアクセスし、通信回線50を介して危険度検出サーバー30と通信を行う。なお、アクセスポイント20は、部屋1外に設置された基地局等でもよいし、部屋1内に設置された無線LANルーター等でもよい。通信部11は、例えば、各通信方式のネットワークインターフェースカードまたはネットワークインターフェースコントローラー等から構成されている。
【0020】
撮影部12は、利用者の操作によって部屋1内を撮影するためのものである。撮影部12は、例えば、レンズやイメージセンサー、画像処理回路等から構成されている。
【0021】
表示部13は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネル等から構成されている。表示部13は、記憶部15にインストールされたアプリケーションプログラムによる情報や操作ボタン、さらには、撮影部12にて撮影された画像や危険度検出サーバー30から送信されてきた危険度を含む情報を表示する。
【0022】
操作部14は、例えば、表示部13上に積層されたタッチパネル等から構成されており、利用者からの指示が入力される。
【0023】
記憶部15は、例えば、RAMまたはフラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)等から構成されている。記憶部15は、事前にインストールされた各種OSやアプリケーションプログラム、データを記憶する。
【0024】
制御部16は、例えば、CPUまたはSoC等から構成されている。制御部16は、通信部11、撮影部12、表示部13、操作部14及び記憶部15に対する信号のやりとりを制御することで、スマートフォン10全体の動作を制御する。
【0025】
データベース40には、物体についての危険性を示す危険度に関するデータが物体毎に登録されており、その詳細は後述する。
【0026】
危険度検出サーバー30は、本願発明における危険度検出装置となるものである。危険度検出サーバー30は、スマートフォン10にて撮影された画像に含まれる物体を認識し、データベース40を参照することでその物体についての危険性を示す危険度を判定し、スマートフォン10に送信する。
【0027】
危険度検出サーバー30は図3に示すように、通信部31と、記憶部32と、データベースアクセス部33と、認識部34と、判定部35と、対処方法抽出部36と、制御部37とを有している。
【0028】
通信部31は、例えば、各種ネットワークインターフェースカード、またはネットワークインターフェースコントローラー等から構成されている。通信部31は、スマートフォン10と通信回線50を介して通信し、スマートフォン10から送信されてきた画像を受信する。また、通信部31は、データベース40を参照して判定された物体の危険度を通信回線70を介してスマートフォン10に送信する。
【0029】
記憶部32は、例えば、ハードディスクまたはRAM、ソリッドステートドライブ(SSD)等から構成されており、インストールされた各種OSやソフトウェアプログラム、データを記憶する。
【0030】
データベースアクセス部33は、例えば、外部バスインターフェースコントローラーまたはネットワークインターフェースコントローラー等から構成され、データベース40とケーブルやLAN等を介して接続されている。
【0031】
認識部34は、スマートフォン10から送信されてきた画像に含まれる物体を認識する。
【0032】
判定部35は、データベース40に登録されたデータに基づいて、認識部34にて認識された物体の危険度を判定する。
【0033】
対処方法抽出部36は、認識部34にて認識された物体がスマートフォン10にて指定された場合、その物体についての対処方法をデータベースアクセス部33を介してデータベース40から抽出する。認識部34や判定部35、対処方法抽出部36は、例えば、記憶部32に記憶されたソフトウェアプログラムが制御部37によって、実行されたプログラム等から構成されている。
【0034】
制御部37は、例えば、CPUまたはSoC等から構成されている。制御部37は、通信部31、記憶部32、データベースアクセス部33、認識部34、判定部35及び対処方法抽出部36に対する信号のやりとりを制御することで、危険度検出サーバー30全体の動作を制御する。
【0035】
以下に、上記のように構成された危険度検出システムにおける処理について説明する。
【0036】
図4は、図1図3に示した危険度検出システムにおける基本的な処理を説明するためのフローチャートである。
【0037】
まず、スマートフォン10の利用者が、部屋1にて操作部14を操作することで、スマートフォン10の制御部16は、撮影部12を起動させて部屋1内を撮影し(ステップS1)、撮影した画像を通信部11を介して危険度検出サーバー30に送信する(ステップS2)。なお、撮影部12における撮影と通信部11における画像の送信は、例えば、専用のアプリケーションプログラムをスマートフォン10にインストールしておき、操作部14への操作を検出した制御部16が、このアプリケーションプログラムを起動させ、更に、アプリケーションプログラムにより表示部13に表示されたシャッターボタンへの操作を検出することで撮影部12にて撮影した画像を通信部11を介して危険度検出サーバー30に送信する。または、スマートフォン10が、予めインストールされたWEBブラウザにて危険度検出サーバー30の所定のURLに対応するWebページにアクセスすることにより、危険度検出サーバー30は、画像を受け付ける画像受付領域を含むWEBページをスマートフォン10に送信し、スマートフォン10は、受信した画像受付領域を含むWEBページを表示部13に表示し、制御部16が、その画像受付領域に対して、撮影部12にて事前に撮影して記憶部15に保存された画像をそのWebページの画面領域にドラッグ&ドロップする操作を検出した際に、画像を通信部11を介して危険度検出サーバー30に送信する様にしてもよい。さらには、スマートフォン10制御部16が、撮影部12にて予め撮影して記憶部15に保存された画像をメールに添付し、危険度検出サーバー30の所定のメールアドレスに送信する操作部14への操作を検出した際に、通信部11を介してその画像を危険度検出サーバー30にメール送信する様にしてもよい。
【0038】
スマートフォン10から送信された画像は、通信回線50を介して危険度検出サーバー30の通信部31にて受信される(ステップS3)。
【0039】
すると、危険度検出サーバー30においてはまず、認識部34において、スマートフォン10から送信されてきた画像に含まれる物体とその画像内における位置を認識する(ステップS4)。認識される物体は、例えば、テーブルやドアノブ等の部屋1や店舗などの屋内空間に置かれるものであり、危険度が検出されるものとして予めその色や形状データ等とそれに対応する物体を特定する識別子(本実施形態では、物体毎に付与され、その物体を一意に特定するIDを識別子として説明するが、識別子として物体の名称などを使用する場合は、IDは無くてもよい。)に対応づけられ物体データとして、データベース40に登録されており、認識部34においては、データベースアクセス部33を介してデータベース40にアクセスし、スマートフォン10から送信されてきた画像中に、物体データに登録された物体が存在するかどうかを、例えば、周知の画像認識技術を用いて判断し、物体を認識することになる。また、認識部34における画像認識にAIを用いれば、認識される物体としてその形状が登録されていないものであっても、学習データを用いることで物体を認識することができるようになる。なお、認識される物体は、ソファーの肘掛けなどの物体を構成する一部であってもよい。画像内における位置は、例えば、画像内の物体の輪郭線または物体の中心点などが画像内でどの位置にあるかを示す位置情報として認識される。また、物体の認識は、スマートフォン10による撮影場所が特定されている場合は、画像内の物体の配置位置を予め登録しておき、その位置を認識することで行ってもよい。また、撮影部12にて撮影された画像に含まれる物体を危険度検出サーバー30にて認識するのではなく、スマートフォン10にて認識してもよい。その場合、認識部34は、スマートフォン10が有しているが、認識するためのデータも、ネットワーク経由で接続可能なデータベース40に記憶されていても、スマートフォン10が記憶していてもよい。なお、ここでは認識部34にて認識された物体として、物体を特定するIDが出力される。
【0040】
次に、判定部35が、データベースアクセス部33を介してデータベース40にアクセスし、データベース40に登録された危険度データに基づいて、認識部34にて認識された物体のIDに対応する危険度を判定する(ステップS5)。
【0041】
図5は、図1に示したデータベース40に登録された危険度データの一構成例を示す図である。
【0042】
図5に示すように図1に示したデータベース40には、部屋1などの居室や店舗などの屋内空間に置かれ、認識部34にて認識される物体のそれぞれを特定するための識別子として予め付与されたIDと、その物体の名称と、その危険性を示す危険度とが危険度データとして登録されている。ここでは、物体の識別子としてIDが使用され、物体の名称も危険度データに登録されているが、IDと物体の名称の対応関係が危険度データとは別のデータとしてデータベース40に登録されている場合は、危険度データに物体の名称は無くてもよい。以下の説明で出てくる表形式のデータでも同様であるが、説明のわかりやすさのため各表のデータにIDとともに物体の名称も記載している。また、物体の識別子として物体の名称が使用されている場合は、IDは無くてもよいのも同様である。この危険度は、物体の材質や用途に応じて予め設定されている。例えば、テーブルについては、人が話をする時に飛沫が付着する可能性が高いと考えられるものであるため、危険度が“高”に設定されている。また、リビングのドアノブについては、人が頻繁に触れやすいものであるため、危険度が“高”に設定されている。また、ハンガーかけは、人がそれほど頻繁に触れるものではないと考えられるため、危険度が“中”に設定されている。また、ソファーは、その材質がウィルスが長時間生存しにくいものであると考えられるため、危険度が“低”に設定されている。なお、危険度は、低から高までの3段階以外の度合いを持たせてもよい。ただ、危険度は、複数の度合いがあることが好ましい。物体の材質も認識可能な場合は、材質別に物体を細分化してデータベース40に記憶しておいてもよい。また、本実施形態の説明では、危険度の対象をウィルスを例にして説明しているが、危険度の対象は、菌やダニ、ハウスダスト、花粉、黄砂などでもよく、危険度の対象毎に危険度を細分化して、データベース40に記憶しておいてもよい。
【0043】
判定部35は、上記のようなデータベース40を参照し、認識部34にて認識された物体のそれぞれのIDについて対応する危険度を判定し、危険度を示す表示データを生成する。表示データは、部屋を撮影した画像にて認識された物体の位置に対応させて危険度を表示するためのデータである。判定部35は、認識部34において認識された物体の画像内における位置を示す位置情報と危険度とを対応付けて表示データを作成する。なお、危険度検出サーバー30が、部屋撮影した画像に、認識された物体の位置に対応させて危険度が表示されるように合成した表示データを作成(表示データに部屋を撮影した画像が含まれる)してもよいし、部屋を撮影した画像は表示データに含めずに、スマートフォン10の表示部13に表示されている部屋撮影した画像に、認識された物体の位置に対応させて危険度が合成されて、表示部13に表示されるようにした表示データを作成(スマートフォン10側で危険度が合成される)してもよい。また、表示データに、認識された物体のIDや物体の名称も物体の位置と危険度に対応付けて作成してもよい。
【0044】
制御部37は、判定部35にて判定された危険度を含む表示データを通信部31からスマートフォン10へ送信する(ステップS6)。スマートフォン10は、通信回線50を介して表示データを通信部11にて受信する(ステップS7)。
【0045】
その後、スマートフォン10の制御部16は、危険度検出サーバー30から送信されて通信部11にて受信された表示データを基にした危険度が表示された危険度表示画面をスマートフォン10の表示部13に表示する(ステップS8)。
【0046】
図6は、図1に示した危険度検出システムにおいて危険度検出サーバー30から送信された表示データを基に、スマートフォン10にて表示される危険度表示画面の例を示す図である。なお、図6においては、スマートフォン10にて実際に表示される危険度表示画面をイラストとして記載している。
【0047】
危険度検出サーバー30から送信されて通信部11にて受信された表示データは、スマートフォン10の表示部13に危険度表示画面として表示されることになるが、その際、上述したように、表示データには、その物体の画像内における位置を示す位置情報が危険度に対応づけられているため、図6に示すように、危険度検出サーバー30から送信されて通信部11にて受信された表示データに含まれる危険度が、撮影部12にて撮影された画像上にて、その危険度が判定された物体の位置に合成して表示し、更に、例えば、認識された物体の位置を示すために認識された物体を赤枠で囲む等して強調表示する。認識された物体の位置は、この他に、認識された物体の中心に点や矢印で示したり、認識された物体の輪郭線を示したりしてもよい。また、危険度検出サーバー30にて、危険度に対応させて認識された物体の名称を表示データに含めて作成することにより、画像上の物体の位置に危険度とともに物体の名称をスマートフォン10で表示してもよい。これにより、スマートフォン10の利用者とって、撮影部12にて撮影した部屋1内に置かれた物体のそれぞれの危険度がわかりやすくなる。ここで、表示データに撮影された画像が含まれない場合は、撮影部12にて撮影され続ける現在の動画像にて、危険度が判定された物体の位置が変わっても、その認識された物体の位置に合わせて、危険度を追従させて表示させる位置を変更して表示するようにしてもよい。その際は、表示データにスマートフォン10が画像から物体を認識するための色や形状の特徴データも含まれることが望ましい。また、表示データに撮影された画像が含まれる場合でも、スマートフォン10が部屋を撮影した画像を危険度検出サーバー30に送信し、危険度検出サーバー30が、危険度が表示されるように部屋を撮影した画像に合成した画像をスマートフォン10に送信するということを高速に処理すれば、同様のことはできる。
【0048】
このように、本形態においては、スマートフォン10の撮影部12にて部屋1内を撮影した場合、撮影された画像に含まれる物体が危険度検出サーバー30の認識部34にて認識され、危険度検出サーバー30の判定部35において、データベース40が参照されて認識部34にて認識された物体の危険度が判定され、その後、スマートフォン10の表示部13において、判定部35にて判定された危険度が表示されるので、物体そのものについて菌やウィルスの付着等といった外的要因によって生じる危険性を示す危険度を検出することができる。
【0049】
図1図3に示した危険度検出システムにおいては、上述したように、データベース40に、物体の材質または用途に応じた危険度が物体毎に登録されており、これに基づいて、認識部34にて認識された物体の危険度を判定するだけではなく、データベース40に登録された物体の履歴情報に基づいてその物体の危険度を判定することもできる。
【0050】
図7は、図1に示したデータベース40に登録された危険度データの他の例を示す図である。
【0051】
図7に示すように図1に示したデータベース40において、さらに、認識部34にて認識され、IDが付与された物体のそれぞれについて、危険度の代わりに履歴情報として、スマートフォン10の撮影部12にて撮影されて危険度検出サーバー30の認識部34にて認識された前回の時刻が登録された構成も考えられる。
【0052】
図8は、図1図3に示した危険度検出システムにおいてデータベース40に登録された物体の履歴情報に基づいてその物体の危険度を判定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0053】
図4に示したステップS1~S4における処理と同様に、撮影部12にて部屋1内が撮影され、撮影された画像に含まれる物体が認識部34にて認識された後(ステップS11~S14)、判定部35においてはまず、データベースアクセス部33を介してデータベース40にアクセスし、認識部34にて認識された物体について、スマートフォン10の撮影部12にて撮影されて危険度検出サーバー30の認識部34にて認識された前回の時刻を確認する(ステップS15)。そして、判定部35において、前回の時刻によるタイミングから今回認識した時刻までの経過時間に応じた危険度を、その物体の危険度として判定する(ステップS16)。これは、前回、撮影部12にて撮影され、認識部34にて認識された物体については、その際に利用者によって清掃等の処理が行われたものと推定することができるためである。そのため例えば、前回、撮影部12にて撮影されて認識部34にて認識されたタイミングからの経過時間が短ければ危険度が低いと判定され、撮影部12にて撮影されて認識部34にて認識されたタイミングからの経過時間が長ければ危険度が高いと判定されることになる。また、清掃等の処理を行うべき間隔を、その物体毎にその材質や用途に応じて有する危険度によって予め設定しておき、撮影部12にて撮影されて認識部34にて認識されたタイミングからの経過時間を、認識された物体毎に、この設定された間隔と比較することで危険度を判定してもよい。その場合、撮影部12にて撮影されて認識部34にて認識されたタイミングからの経過時間がその物体について設定された間隔よりも短い場合は、危険度が低いと判定され、撮影部12にて撮影されて認識部34にて認識されたタイミングからの経過時間がその物体について設定された間隔と同じ場合は、危険度があると判定され、撮影部12にて撮影されて認識部34にて認識されたタイミングからの経過時間がその物体について設定された間隔よりも長い場合は、危険度が高いと判定されることが考えられる。例えば、使用回数や使用人数が多い物体は、短い間隔が設定され、使用回数や使用人数が少ない物体は、長い間隔が設定される。
【0054】
その後、データベース40が登録された物体の前回の時刻を今回認識した時刻に更新し、判定部35にて判定された危険度は、図4に示したステップS6~S8における処理と同様に、表示データとして通信部31から送信され、スマートフォン10の表示部13に表示されることになる(ステップS17~S19)。
【0055】
これにより、物体の清掃等の処理が行われた間隔に応じてその危険度を検出することができる。なお、清掃ではなく、利用者によって使用されたものと推定することにした場合の変形例として、データベース40において、IDが付与された物体のそれぞれについて、履歴情報として、スマートフォン10の撮影部12にて撮影されて危険度検出サーバー30の認識部34にて認識された回数が登録された構成も考えられる。認識部34にて認識された際に、データベース40が認識した物体に対応する回数を1つ増やして更新し、判定部35において、その回数に応じた危険度を、その物体の危険度として判定する(ステップS16)。この変形例では、撮影部12にて撮影されて認識部34にて認識された回数は、使用回数と推測されるため、例えば、判定部35は、この回数が予め設定した回数より少なければ危険度が低いと判定され、この回数が予め設定した回数より多ければ危険度が高いと判定することになる。上記と同様に、設定回数は、認識された物体毎に設けてもよい。
【0056】
図1図3に示した危険度検出システムにおいては、さらに、スマートフォン10の表示部13に危険度が表示された物体に対する対処方法を表示部13に表示する構成とすることもできる。
【0057】
図9は、図1に示したデータベース40に登録された対処方法データの例を示す図である。図9に示す例では、データベース40に登録された危険度データとIDと物体の名称で紐づけられた対処方法が別のテーブルとなった対処方法データの例を示しているが、危険度データのテーブルに対処方法の項目が追加されたデータであってもよい。
【0058】
図9に示すように図1に示したデータベース40において、さらに、認識部34にて認識され、IDが付与された物体のそれぞれについて、判定部35にて危険度が判定された場合の対処方法が登録された構成も考えられる。対処方法は、例えば、その物体に合わせた掃除や汚染防止、感染防止などの仕方やそれらに使用する商品の紹介などのうち、少なくとも1つである。なお、商品の紹介の他、その商品を購入できるECサイトへのリンクやスマートフォン10のGPS機能を用いてその商品を取り扱っている近隣の店舗を示す地図を表示部13に表示してもよい。
【0059】
図10は、図1図3に示した危険度検出システムにおいてスマートフォン10の表示部13に危険度が表示された物体に対する対処方法を表示する処理を説明するためのフローチャートである。なお、ここでは、危険度検出サーバー30は、その物体に付与されたIDを危険度と位置情報に対応付けて表示データを作成したとして説明している。
【0060】
上述したようにスマートフォン10の表示部13に物体の危険度が表示された状態(例えば、図4に示したステップS8)において、所望の物体またはその物体の危険度がタッチ等によって指定されると(ステップS21)、指定された物体の位置情報またはその物体の危険度に対応付けられた物体のIDが通信部11から危険度検出サーバー30に送信される(ステップS22)。ここで、上述したように、判定部35にて判定された危険度の表示データが危険度検出サーバー30にて作成される際、認識部34において認識された物体の画像内における位置を示す位置情報と、危険度ともに、認識された物体のIDとが対応づけられて表示データが作成され、その表示データが危険度検出サーバー30からスマートフォン10に送信されているため、スマートフォン10においては、表示部13に表示された物体またはその物体の危険度が指定された場合、その物体に付与されたIDを認識することができる。
【0061】
スマートフォン10の通信部11から送信されたIDが通信回線50を介して危険度検出サーバー30の通知部31にて受信されると(ステップS23)、危険度検出サーバー30の対処方法抽出部36が、データベースアクセス部33を介してデータベース40にアクセスし、通信部31にて受信されたIDが付与された物体に対する対処方法をデータベース40の対処方法データから抽出する(ステップS24)。
【0062】
対処方法抽出部36にてデータベース40から抽出された対処方法は、通信部31から送信され(ステップS25)、通信回線50を介してスマートフォン10の通信部11にて受信される(ステップS26)。
【0063】
その後、危険度検出サーバー30から送信されて通信部11にて受信された対処方法がスマートフォン10の表示部13に表示される(ステップS27)。なお、認識された物体のIDが表示データに含まれていない場合でも、スマートフォン10は、指定された物体の画像内での位置情報を危険度検出サーバー30に送信することで、危険度検出サーバー30は、認識部34において認識された物体の画像内における位置を示す位置情報は把握しているので、対処方法抽出部36が受信した位置情報を基に対応する物体のIDを判別することはできる。この場合、認識された物体のIDは表示データに無くてもよい。
【0064】
これにより、利用者は、スマートフォン10で撮影した部屋1内に置かれた物体のそれぞれについて、危険度:高などの気になる危険度が検出された場合にそれに対する対処方法を知ることができる。
【0065】
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の危険度検出システムの第2の実施の形態を示す図である。
【0066】
本形態による危険度検出システムは図11に示すように、図1に示したものに対して、スマートフォン10を用いて部屋1内に置かれた物体の危険度を検出するのではなく、カメラ60とパソコン70とを用いて、屋内空間である店舗101内に置かれた物体の危険度を検出するものである。
【0067】
カメラ60は、本願発明における撮影手段であって、店舗101内に設置されている。カメラ60は、店舗101内の画像を撮影する、いわゆる防犯カメラのような機能を有する。カメラ60は、撮影した画像を通信回線50を介して危険度検出サーバー30またはパソコン70に送信する。カメラ60は、図2に示したスマートフォン10の撮影部12と同様の役割を果たす。また、カメラ60は、撮影した画像を、パソコン70を経由して危険度検出サーバー30に送信しても、パソコン70を経由せずに、直接、危険度検出サーバー30に送信してもよい。または、パソコン70と危険度検出サーバー30の両方に送信するようにしてもよい。なお、カメラ60とパソコン70が無線LAN等の店舗内の通信回線により通信可能な構成でもよく、その場合、通信回線50は、無線LAN等の店舗内の通信回線と、4GやLTE、5G、光回線等の店舗外の通信回線などの複数の通信回線で構成されている。
【0068】
パソコン70は、本願発明における表示手段となるディスプレイを有するものであって店舗101内あるいは店舗101を管理するエリアに設置されている。パソコン70は、カメラ60が撮影した画像と、危険度検出サーバー30が判定し危険度とを通信回線50を介して受信し、カメラ60で撮影された画像に、危険度検出サーバー30が判定した危険度を重ねて表示する。パソコン70は、図2に示したスマートフォン10の撮影部12以外と同様の役割を果たす。つまり、カメラ60とパソコン70にて、図2に示したスマートフォン10と同様を果たす。そのため、危険度検出サーバー30も含めて、第1の実施の形態で説明した同様の点は、省略して説明する。
【0069】
危険度検出サーバー30及びデータベース40の構成は、図3に示したものと同様である。
【0070】
以下に、上記のように構成された危険度検出システムにおける処理について説明する。
【0071】
図12は、図11に示した危険度検出システムにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【0072】
店舗101内において、カメラ60によって店舗101内の画像が撮影されており、撮影された画像は通信回線50を介してパソコン70または危険度検出サーバー30に送信される。撮影は、常時もしくは既定の時間帯で動画として撮影しても、既定の間隔や既定のタイミング(例:センサーで動きを感知した時など)で静止画として撮影してもよい。また、撮影された画像に変化が起きた際に送信されるようにしてもよい。
【0073】
ここで、カメラ60で撮影された画像をパソコン70経由で、危険度検出サーバー30に送信する場合、パソコン70は、カメラ60から撮影された画像を受信すると、図1図3に示したスマートフォン10と同様に、通信回線50を介して危険度検出サーバー30に送信する。
【0074】
危険度検出サーバー30においては、カメラ60又はパソコン70から、カメラ60で撮影された画像が、通信回線50を介して通信部31にて受信されると、図1図3に示したものと同様に、認識部34において、カメラ60から送信されてきた画像に含まれる物体とその画像内における位置を認識する。
【0075】
また、認識部34は、認識した物体について、カメラ60で撮影された画像に基づいて、その使用状況も認識し、使用状況となる使用回数をデータベース40に登録していく。
【0076】
図13は、図11に示したデータベース40に登録されたデータの一構成例を示す図である。
【0077】
図13に示すように図11に示したデータベース40には、認識部34にて認識した物体のそれぞれについて、その使用回数が登録されている。この使用回数は、例えば、テーブルについては、ある時点の画像で、店舗101に来店した客が席に座ってテーブルを使用したことを認識し、その後の画像で、席から出ていったことを認識部34が認識した場合に、テーブルについての使用回数が1回加算されるようにして登録されていく。ドアノブやトイレなどのように、小さくて判別しにくい物体や隠れて不明確な物体などの使用状況は、ドアなどの出入りした人数を認識して、使用回数を推定してもよい。
【0078】
このように、認識部34にて認識される物体のそれぞれについて、その使用回数がデータベース40に登録されていく状態において、危険度検出サーバー30の判定部35は、データベース40を参照し、データベース40に登録されていく使用回数をカウントする(ステップS31)。
【0079】
そして、使用回数が予め決められた回数である基準となる基準回数以上となった場合(ステップS32)、その物体について、危険性が高いと判定し、例えば清掃が必要等といった危険度を示す情報を表示データとして作成し、その表示データが通信部31から送信され(ステップS33)、データベース40に登録されている使用回数を0にリセットする。その後、表示データが、通信回線50を介してパソコン70にて受信される(ステップS34)。表示データは、図1に示したものと同様に、危険度が送信される物体の画像内における位置を示す位置情報と、危険度とが対応づけられて危険度検出サーバー30で作成される。なお、危険度を判定する基準回数は、物体毎に予め設定され、データベース40に登録されている。それにより、例えば、テーブルは、使用回数が1回ごとに、危険度を表示し、ドアノブは、数回ごとに危険度を表示することができる。また、基準回数は、危険度が低い状態から高い状態まで、複数の段階が設定されており、その段階に応じた危険度を示す情報がデータベース40に登録されており、認識部34にて認識される物体のそれぞれについての危険度を含む表示データを作成してもよい。なお、カメラ60から、直接、危険度検出サーバー30に撮影された画像を受信する(カメラ60からパソコンに撮影された画像が送信されない)場合は、危険度検出サーバー30は、撮影された画像に危険度を合成した表示データを作成する。また、パソコン70経由で、危険度検出サーバー30が撮影された画像を受信する場合は、危険度検出サーバー30は、表示データに撮影された画像を含めても含めなくてもよい。また、第1の実施の形態で説明した処理のために、表示データに物体の名称やIDを含めて作成してもよい。
【0080】
その後、危険度検出サーバー30から送信されて通信部11にて受信された危険度を含む表示データを基に、危険度表示画面がパソコン70のディスプレイに表示される(ステップS35)。
【0081】
図14は、図11に示した危険度検出システムにおいて危険度検出サーバー30から送信されてパソコン70にて表示される危険度を示す図である。なお、図14においては、パソコン70にて実際に危険度を表示する画面をイラストとして記載している。
【0082】
危険度検出サーバー30から送信されてパソコン70にて受信された危険度は、パソコン70のディスプレイに表示されることになるが、その際、上述したように、表示データには、その物体の画像内における位置を示す位置情報が、その物体の危険度とともに含まれているため、図14に示すように、危険度検出サーバー30から送信されてパソコン70にて受信された表示データに含まれる危険度が、カメラ60で撮影された画像上にて、その危険度が判定された物体の位置に合成されて表示され、更に、例えば、認識された物体の位置を表すために、認識された物体を赤枠で囲む等して強調表示する。パソコン70は、第1の実施の形態と同様に、表示データにカメラ60で撮影された画像が含まれて、既に危険度が合成されている場合は、その画像を表示し、表示データにカメラ60で撮影された画像が含まれていない場合は、カメラ60から受信した画像に、危険度を位置情報を用いて合成して表示する。なお、カメラ60で撮影された画像をパソコン70と危険度検出サーバー30の両方に送信する場合は、危険度検出サーバー30で、危険度にカメラ60から受信した画像を特定する受信日時等の情報も対応付けて表示データを作成しておき、パソコン70は、カメラ60から受信した画像と、危険度検出サーバー30から受信した危険度とを受信日時等の情報を用いて同期をとり、合成して表示する。
【0083】
これにより、店舗101内にて撮影された画像に含まれる物体それぞれの使用回数に応じた危険度を知ることができる。
【0084】
また、判定部35は、認識部34にて認識された物体の危険度に関するデータがデータベース40に登録されていない場合、例えば、カメラ60から送信されてきた画像内に、過去に認識された物体を基に、通常は店舗101内に存在する既存の物体ではない物が含まれていると認識した場合や、過去に認識された物体の位置を基に、通常は店舗101内の存在する位置以外に物体が存在していると認識した場合、過去に認識された物体の形状を基に、店舗101内の存在する物体が通常とは異なる形状になっている(つまり、壊れている)と認識した場合、図14に示すように、その物体の危険度として、判定部35が物体の確認を促す判定を行い、その旨がパソコン70のディスプレイに表示されることになる。なお、既存の物体ではない物としては、テーブルや床のごみ汚れ、拭き残し、落とし物、忘れ物、複数の候補が抽出された物体、名称が登録されていない物体等が挙げられる。また、既存の物体ではない物が含まれていると認識された場合に、危険度検出サーバー30は、その物体についての名称や危険度などの情報を入力する入力画面をパソコン70のディスプレイに表示させ、入力画面に入力されたその物体についての情報を随時データベースに登録していくことで、AIを用いて既存の物体ではない物についても危険度を設定していくことも考えられる。入力画面を表示する画面データは、予め表示データに含まれていても、その物体またはその物体の危険度がクリック等によって指定された場合に危険度検出サーバー30がパソコン70に送信してもよい。
【0085】
なお、上述した実施の形態においては、屋内空間として部屋や店舗を例に挙げて説明したが、屋内空間としては、自宅の居室、キッチン、バスルーム、トイレ、玄関等、あるいは、ホテルや旅館等の部屋、オフィスや会議室、店舗等、様々な空間を採用することができ、旅先やワーケーション、シェアオフィスにも活用することが考えられる。
【0086】
また、上述した実施の形態にて示した構成及び処理は、組み合わせて使用することもできる。
【0087】
また、本発明の危険度検出サーバー30にて行われる方法は、コンピュータに実行させるためのプログラムに適用してもよい。また、そのプログラムを記憶媒体に格納することも可能であり、ネットワークを介して外部に提供することも可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 部屋
10 スマートフォン
11,31 通信部
12 撮影部
13 表示部
14 操作部
15,32 記憶部
16,37 制御部
20 アクセスポイント
33 データベースアクセス部
34 認識部
35 判定部
36 対処方法抽出部
40 データベース
50 通信回線
60 カメラ
70 パソコン
101 店舗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14