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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/02 20060101AFI20240130BHJP
   B66B 25/00 20060101ALI20240130BHJP
   B66B 27/00 20060101ALI20240130BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B66B31/02 A
B66B25/00 Z
B66B27/00 Z
B66B31/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021149159
(22)【出願日】2021-09-14
(65)【公開番号】P2023042076
(43)【公開日】2023-03-27
【審査請求日】2021-09-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-25
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大恵 淳
(72)【発明者】
【氏名】富永 保介
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】吉田 昌弘
【審判官】尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-121664(JP,A)
【文献】特開2020-91586(JP,A)
【文献】特開2019-52021(JP,A)
【文献】特開2019-151431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 23/24
B66B 31/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺ベルトを有する欄干部と、
前記手摺ベルトに紫外線を照射する紫外光源と、
人を検出する人検出部と、
前記手摺ベルトの走行を制御する制御装置と、を備え、
前記欄干部は、前記手摺ベルトに紫外線を照射していることを表示する表示装置を備え、
前記表示装置は、光を放射する表示光源と、前記表示光源の光を前記表示装置の外部へ向けて透過する透過部と、を備え、
前記制御装置は、前記人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記手摺ベルトの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記手摺ベルトの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、
前記制御装置は、前記第1速度状態である場合に、前記紫外光源及び前記表示光源を点灯する、マンコンベヤであって、
前記欄干部は、横方向へ延びる一対の端部と、前記一対の端部の間に配置され、前記横方向に対して傾斜する方向へ延びる傾斜部と、を備え、
前記透過部は、前記傾斜部に配置され、
前記制御装置は、前記第2速度状態である場合に、前記表示光源を消灯する一方で、前記第2速度状態が設定期間を超えた場合に、前記紫外光源を消灯する、マンコンベヤ。
【請求項2】
手摺ベルトを有する欄干部と、
前記手摺ベルトに紫外線を照射する紫外光源と、
人を検出する人検出部と、
前記手摺ベルトの走行を制御する制御装置と、を備え、
前記欄干部は、前記手摺ベルトに紫外線を照射していることを表示する表示装置を備え、
前記表示装置は、光を放射する表示光源と、前記表示光源の光を前記表示装置の外部へ向けて透過する透過部と、を備え、
前記制御装置は、前記人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記手摺ベルトの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記手摺ベルトの走行速度が前記第1速度よりも遅く且つゼロよりも大きい第2速度である第2速度状態とし、
前記制御装置は、前記第1速度状態である場合に、前記紫外光源及び前記表示光源を点灯する、マンコンベヤであって、
前記欄干部は、横方向へ延びる一対の端部と、前記一対の端部の間に配置され、前記横方向に対して傾斜する方向へ延びる傾斜部と、を備え、
前記透過部は、前記傾斜部に配置され
前記制御装置は、前記第2速度状態が設定期間を超えた場合に、前記紫外光源及び前記表示光源を消灯する、マンコンベヤ。
【請求項3】
手摺ベルトを有する欄干部と、
前記手摺ベルトに紫外線を照射する紫外光源と、
人を検出する人検出部と、
前記手摺ベルトの走行を制御する制御装置と、を備え、
前記欄干部は、前記手摺ベルトに紫外線を照射していることを表示する表示装置を備え、
前記表示装置は、光を放射する表示光源と、前記表示光源の光を前記表示装置の外部へ向けて透過する透過部と、を備え、
前記制御装置は、前記人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記手摺ベルトの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記手摺ベルトの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、
前記制御装置は、前記第1速度状態である場合に、前記紫外光源及び前記表示光源を点灯する、マンコンベヤであって、
前記欄干部は、横方向へ延びる一対の端部と、前記一対の端部の間に配置され、前記横方向に対して傾斜する方向へ延びる傾斜部と、を備え、
前記透過部は、前記傾斜部に配置され、
前記表示光源は、前記紫外光源と、電気的に直列に接続される、マンコンベヤ。
【請求項4】
前記表示装置は、前記透過部から前記表示装置の外部へ向けて、紫色光及び青色光の少なくとも一方の光を放射する、請求項1~3の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、手摺ベルトと、手摺ベルトに紫外線を照射する紫外光源と、紫外光源の点灯に連動して点灯する表示光源とを備えている。そして、マンコンベヤに乗る人が存在する場合に、ステップ及び手摺ベルトの走行速度は、通常速度となり、マンコンベヤに乗る人が存在しない場合に、ステップ及び手摺ベルトの走行速度は、通常速度よりも遅い低速度となる(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、特許文献1に係るマンコンベヤにおいては、ステップ及び手摺ベルトの走行速度が低速度である場合に、紫外光源及び表示光源が点灯し、ステップ及び手摺ベルトの走行速度が通常速度である場合に、紫外光源及び表示光源が消灯する。これにより、人がマンコンベヤに乗っているときに表示光源が消灯しているため、マンコンベヤに乗った人に対して、手摺ベルトに紫外線を照射していることを認識させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-52021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、マンコンベヤに乗った人に対して、手摺ベルトに紫外線を照射していることを認識させることができるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤは、手摺ベルトを有する欄干部と、前記手摺ベルトに紫外線を照射する紫外光源と、人を検出する人検出部と、前記手摺ベルトの走行を制御する制御装置と、を備え、前記欄干部は、前記手摺ベルトに紫外線を照射していることを表示する表示装置を備え、前記表示装置は、光を放射する表示光源と、前記表示光源の光を外部へ向けて放射する表示部と、を備え、前記制御装置は、前記人検出部の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記手摺ベルトの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記手摺ベルトの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、前記制御装置は、前記第1速度状態である場合に、前記表示光源を点灯する。
【0007】
また、マンコンベヤにおいては、前記表示装置は、表示部から外部へ向けて、紫色光及び青色光の少なくとも一方の光を放射する、という構成でもよい。
【0008】
また、マンコンベヤにおいては、前記表示光源は、前記紫外光源と、電気的に直列に接続される、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤにおいては、前記制御装置は、前記第2速度状態である場合に、前記表示光源を消灯し、前記制御装置は、前記第1速度状態である場合に、前記紫外光源を点灯し、前記第2速度状態が設定期間を超えた場合に、前記紫外光源を消灯する、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤにおいては、前記欄干部は、横方向へ延びる一対の端部と、前記一対の端部の間に配置され、前記横方向に対して傾斜する方向へ延びる傾斜部と、を備え、前記表示部は、前記傾斜部に配置される、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るマンコンベヤの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係るマンコンベアの全体図である。
図3図3は、同実施形態に係るマンコンベヤの要部図である。
図4図4は、図3のIV-IV線の要部拡大断面図である。
図5図5は、同実施形態に係るマンコンベヤの制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1図5を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1及び図2に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、人を検出する人検出部6と、紫外線を放射する紫外光源7と、制御装置8とを備えていてもよい。
【0014】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0015】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0016】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって無端回転する環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとすることができる。
【0017】
また、例えば、走行部3aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0018】
欄干部4は、例えば、本実施形態のように、無端回転する環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うガード部4cとを備えていてもよい。欄干部4は、例えば、第2横方向D2へ延びる一対の端部4d,4dと、一対の端部4d,4dの間に配置され、第2横方向D2に対して傾斜する方向へ延びる傾斜部4eとを備えていてもよい。
【0019】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、駆動源(例えば、モータ)5aと、ステップ3bが反転するように走行部3aが巻き掛けられ、第1横方向D1を軸にして回転する一対の第1回転部5b,5bと、手摺ベルト4aが巻き掛けられ、第1横方向D1を軸にして回転する第2回転部5cと、駆動源5aの駆動を第1回転部5b及び第2回転部5cに伝達する伝達部5dとを備えていてもよい。
【0020】
これにより、走行部3a及び手摺ベルト4aは、共通の駆動源5aからの駆動を受けることによって、走行している。したがって、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期している。そして、手摺ベルト4aの走行速度は、ステップ3bの走行速度に比例している(具体的には、ステップ3bの走行速度と同じである)。
【0021】
人検出部6は、マンコンベヤ1に乗る人を検出するために、例えば、乗降部1aに人が存在するか否かを検出してもよい。特に限定されないが、人検出部6は、例えば、本実施形態のように、欄干部4のガード部4cの内部に配置される光電センサとしてもよく、また、例えば、上方及び側方から撮像するカメラとしてもよく、また、例えば、下方から人の荷重を検出するロードセルとしてもよい。
【0022】
紫外光源7は、例えば、本実施形態のように、ガード部4cの内部で、手摺ベルト4aへ向けて紫外線を放射していてもよい。そして、紫外線が手摺ベルト4aに照射されることによって、例えば、手摺ベルト4aを除菌、抗ウイルス化等することができる。なお、紫外光源7の構成は、特に限定されないが、紫外光源7は、例えば、LEDとしてもよく、また、例えば、冷陰極管としてもよい。
【0023】
図2図4に示すように、ガード部4cは、例えば、内部空間を形成するように、欄干本体部4bに対して着脱可能な複数のパネル4f~4iを備えていてもよい。そして、複数のパネル4f~4iは、例えば、第1横方向D1の内側に配置される内パネル4f,4gと、第1横方向D1の外側に配置される外パネル4h,4iとを備えていてもよい。
【0024】
内パネル4f,4gは、例えば、ガード部4cの上面を構成する内上面パネル4fと、ガード部4cの側面を構成する内側面パネル4gとを備えていてもよい。なお、内上面パネル4fと内側面パネル4gとは、例えば、互いに分割可能であってもよく、また、例えば、互いに分割不能に一体であってもよい。
【0025】
外パネル4h,4iは、例えば、ガード部4cの上面を構成する外上面パネル4hと、ガード部4cの側面を構成する外側面パネル4iとを備えていてもよい。なお、外上面パネル4hと外側面パネル4iとは、例えば、互いに分割可能であってもよく、また、例えば、互いに分割不能に一体であってもよい。
【0026】
欄干部4は、紫外光源7によって手摺ベルト4aを除菌等していること、即ち、紫外光源7が手摺ベルト4aに紫外線を照射していること、を表示する表示装置9を備えている。表示装置9は、例えば、本実施形態のように、光(以下「放射光」ともいう)L1を放射する表示光源9aと、外部へ向けて光(以下「表示光」ともいう)L2を放射する表示部9bとを備えている、という構成でもよい。
【0027】
これにより、表示装置9は、表示光源9aが点灯することによって、即ち、表示部9bから外部へ向けて表示光L2が放射されることによって、手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることを表示している。なお、表示光源9aの構成は、特に限定されず、例えば、ランプやLEDとしてもよい。また、特に限定されないが、紫外光源7及び表示光源9aのそれぞれは、図示されていない支持部材によって、構造体2又は欄干本体部4bに支持されていてもよい。
【0028】
ところで、欄干部4の端部4dでは、ステップ3bに乗り降りするために歩く人が多いことに対して、欄干部4の傾斜部4eでは、ステップ3bの上で立ち止まる人が多い。そこで、本実施形態においては、表示部9bは、傾斜部4eに配置されている。これにより、マンコンベヤ1に乗った人に対して、表示部9bが認識され易くなる。
【0029】
また、特に限定されないが、表示部9bは、例えば、本実施形態のように、マンコンベヤ1によって人が搬送される搬送方向へ長尺に延びていることが好ましい。これにより、マンコンベヤ1に乗った人に対して、表示部9bが認識され易くなる。
【0030】
また、図3及び図4に示すように、表示部9bは、ステップ3bに乗った人から視認可能に、例えば、ガード部4cに配置されていてもよい。特に限定されないが、表示部9bは、例えば、本実施形態のように、内上面パネル4fに配置されていることが好ましい。これにより、ステップ3bに乗った人に対して、表示部9bが認識され易くなる。
【0031】
また、表示装置9においては、例えば、本実施形態のように、表示光源9aは、ガード部4cの内部に配置され、表示部9bは、表示光源9aからの放射光L1を透過する透光部9cと、文字、記号及び図柄の少なくとも一つを用いて情報を表示する情報部9dとを備えている、という構成でもよい。
【0032】
これにより、表示光源9aから放射された放射光L1のうち、少なくとも一部の表示光L2が、透光部9cを透過し、表示装置9の外部へ放射される。なお、表示光L2は、例えば、表示光源9aから放射された放射光L1が直接に透光部9cを透過してもよく、また、例えば、表示光源9aから放射された放射光L1がパネル4f,4g等で反射した後に透光部9cを透過してもよい。
【0033】
また、特に限定されないが、表示光L2は、表示部9bの所定領域の全体、例えば、透光部9cの全体から放射されていてもよい。即ち、透光部9cは、搬送方向へ長尺に形成されており、表示光L2は、搬送方向に長尺である所定領域の全体から、放射されていてもよい。
【0034】
また、特に限定されないが、表示部9bから外部へ向けて放射される表示光L2は、例えば、紫色光及び青色光の少なくとも一方であることが好ましく、また、例えば、紫色光を含むことがさらに好ましい。なお、紫色光は、例えば、波長が380nm~450nmの光であり、青色光は、例えば、波長が450nm~485nmの光である。
【0035】
これにより、マンコンベヤ1に乗った人に対して、表示部9bから放射される表示光L2が紫外線L3を含む光であると想像させることができる。したがって、マンコンベヤ1に乗った人に対して、手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることをさらに認識させることができる。
【0036】
表示装置9の構成は、特に限定されない。例えば、表示光源9aは、青色光を放射し、透光部9cは、表示光源9aからの青色光を全て透過する、という構成でもよい。斯かる構成においては、透光部9cは、無色透明の硬質樹脂板としてもい。また、例えば、表示光源9aは、可視光(例えば、白色光)を放射し、透光部9cは、表示光源9aからの可視光のうち、青色光のみを透過する、即ち、フィルターの機能を有する、という構成でもよい。斯かる構成においては、透光部9cは、青色透明の硬質樹脂板としてもよい。
【0037】
また、特に限定されないが、表示光源9aは、紫外光源7と、電気的に直列に接続されていることが好ましい。これにより、制御を行うことなく、紫外光源7の点灯は、表示光源9aの点灯と連動する。しかも、紫外光源7が異常(例えば、経年劣化等)によって点灯できなくなった場合に、表示光源9aも点灯しないため、例えば、紫外光源7の異常を把握することができる。
【0038】
情報部9dは、例えば、手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることを認識させる情報を記載していてもよい。なお、情報部9dの構成は、特に限定されず、情報部9dは、例えば、透光部9cの周囲に配置されるラベルとしてもよい。
【0039】
図5に示すように、マンコンベヤ1は、各種情報が入力される入力部10と、各種情報が出力される出力部11とを備えていてもよい。特に限定されないが、例えば、入力部10に入力される情報として、運転モード情報(手動運転選択、自動運転選択)、運転指示情報(運転開始指示、運転停止指示)、ステップ走行方向情報(上側搬送選択、下側搬送選択)、ステップ走行速度(定格速度運転選択、低速度運転選択)等としてもよい。
【0040】
また、特に限定されないが、入力部10は、例えば、スイッチ(押しボタンスイッチ、セレクトスイッチ等)、タッチパネル等とすることができる。また、特に限定されないが、出力部11は、例えば、音声出力部(例えば、ブザー、スピーカ)等とすることができる。
【0041】
制御装置8は、例えば、本実施形態のように、各情報(データ)を取得する取得部12と、各情報を記憶する記憶部13と、各情報を演算する演算部14と、各部5,7,9a,11を制御する制御部15とを備えていてもよい。
【0042】
制御装置8は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、制御装置8の各部12,13,14,15は、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0043】
なお、制御装置8は、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部14、制御部15)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部12、記憶部13)、各種インターフェイス(例えば、取得部12)等を備えるコンピュータである。そして、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、制御装置8の各部12,13,14,15が実現されている。
【0044】
演算部14は、例えば、本実施形態のように、マンコンベヤ1に乗る人の有無を判定する有人判定部14aを備えていてもよい。制御部15は、例えば、本実施形態のように、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行を制御するために、駆動部5を制御する駆動制御部15aと、紫外光源7及び表示光源9aの点灯を制御する光源制御部15bと、出力部11を制御する出力制御部15cとを備えていてもよい。
【0045】
有人判定部14aは、例えば、人検出部6の検出に基づいて、マンコンベヤ1に乗る人の有無を判定してもよい。特に限定されないが、例えば、人検出部6が人を検出した場合に、有人判定部14aは、乗る人が存在する(有人)と判定し、人検出部6が最後に人を検出した後に、所定時間(例えば、ステップ3bが1/2周の距離を走行する時間+30秒)が経過した場合に、有人判定部14aは、乗る人が存在しない(無人)と判定する、という構成でもよい。
【0046】
駆動制御部15aは、例えば、自動運転制御中において省エネルギーを図る等を目的として、有人判定部14aの判定に基づいて、駆動部5を制御してもよい。これにより、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行速度は、有人判定部14aの判定に基づいて、制御される。
【0047】
例えば、本実施形態においては、有人判定部14aが有人と判定した場合に、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行速度が第1速度(例えば、定格速度)である第1速度状態となり、有人判定部14aが無人と判定した場合に、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行速度が第1速度よりも遅い第2速度(例えば、低速度)である第2速度状態となる。
【0048】
なお、第1速度は、一つの速度に限られない。例えば、第1速度は、複数の速度を有し、マンコンベヤ1に乗る人の多さ等に基づいて、変更されてもよい。また、第2速度は、一つの速度に限られない。例えば、第2速度は、複数の速度を有し、時間等に基づいて、変更されてもよい。なお、第2速度は、例えば、0m/sよりも大きい低速度であってもよく、また、例えば、0m/sである停止速度(ゼロ速度)であってもよい。
【0049】
光源制御部15bは、第1速度状態である場合に、表示光源9a及び紫外光源7を点灯する。これにより、マンコンベヤ1に乗る人が存在する場合に、表示部9bから外部へ表示光L2が放射されるため、マンコンベヤ1に乗った人に対して、手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることを認識させることができる。
【0050】
しかも、人がマンコンベヤ1に乗っているときに、手摺ベルト4aが人に触れられることに対して、マンコンベヤ1に乗る人が存在する場合に、手摺ベルト4aに紫外線L3が照射される。これにより、手摺ベルト4aに紫外線L3を適切に照射することができる。
【0051】
そして、光源制御部15bは、第2速度状態が設定期間を超えた場合(例えば、設定時間を経過した場合、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行距離が設定距離を超えた場合等)に、紫外光源7及び表示光源9aを消灯する、という構成でもよい。即ち、紫外光源7及び表示光源9aは、第1速度状態である期間の全体と、第2速度状態である期間の少なくとも一部とで、点灯する、という構成でもよい。
【0052】
これにより、手摺ベルト4aへの紫外線の照射が十分に行われた後で、マンコンベヤ1に乗る人が存在しない場合に、手摺ベルト4aへの紫外線L3の照射が停止される。斯かる構成においては、第2速度状態で手摺ベルト4aに紫外線L3を照射するために、手摺ベルト4aを走行させる必要があるため、第2速度は、低速度(0m/sよりも大きい速度)である。
【0053】
また、斯かる構成に限られず、例えば、光源制御部15bは、第1速度状態から第2速度状態に切り替わった場合に、紫外光源7及び表示光源9aを直ぐに消灯する、という構成でもよい。即ち、紫外光源7及び表示光源9aは、第1速度状態である期間の全体で、点灯し、第2速度状態である期間の全体で、消灯する、という構成でもよい。
【0054】
以上より、本実施形態のように、マンコンベヤ1は、手摺ベルト4aを有する欄干部4と、前記手摺ベルト4aに紫外線L3を照射する紫外光源7と、人を検出する人検出部6と、前記手摺ベルト4aの走行を制御する制御装置8と、を備え、前記欄干部4は、前記手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることを表示する表示装置9を備え、前記表示装置9は、光L1を放射する表示光源9aと、前記表示光源9aの光L2を外部へ向けて放射する表示部9bと、を備え、前記制御装置8は、前記人検出部6の検出に基づいて人の有無を判定し、有人と判定した場合に、前記手摺ベルト4aの走行速度が第1速度である第1速度状態とし、無人と判定した場合に、前記手摺ベルト4aの走行速度が前記第1速度よりも遅い第2速度である第2速度状態とし、前記制御装置8は、前記第1速度状態である場合に、前記表示光源9aを点灯する、という構成が好ましい。
【0055】
斯かる構成によれば、有人と判定された場合に、手摺ベルト4aの走行速度が第1速度となり、表示光源9aが点灯される。これにより、マンコンベヤ1に乗る人が存在する場合に、表示部9bから外部へ光L2が放射される。したがって、マンコンベヤ1に乗った人に対して、手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることを認識させることができる。
【0056】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1においては、前記表示装置9は、前記表示部9bから外部へ向けて、紫色光及び青色光の少なくとも一方の光L2を放射する、という構成が好ましい。
【0057】
斯かる構成によれば、紫色光及び青色光の少なくとも一方の光L2が、表示部9bから外部へ向けて放射されるため、マンコンベヤ1に乗った人に対して、当該光L2が紫外線L3を含む光であると想像させることができる。これにより、マンコンベヤ1に乗った人に対して、手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることをさらに認識させることができる。
【0058】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1においては、前記表示光源9aは、前記紫外光源7と、電気的に直列に接続される、という構成が好ましい。
【0059】
斯かる構成によれば、表示光源9aの点灯が紫外光源7の点灯と連動するため、手摺ベルト4aに紫外線L3が照射されているときに、表示部9bから外部へ向けて光L2を放射することができる。しかも、手摺ベルト4aの走行速度が第1速度である場合に、表示光源9aだけでなく、紫外光源7も、点灯される。これにより、マンコンベヤ1に乗る人が存在する場合に、手摺ベルト4aに紫外線L3を適切に照射することができる。
【0060】
しかも、表示光源9aが紫外光源7と電気的に直列に接続されるため、第1速度状態において、紫外光源7が異常(例えば、経年劣化等)によって点灯できない場合に、表示光源9aも点灯できなくなる。したがって、第1速度状態において、表示光源9aが点灯していない場合に、例えば、紫外光源7の異常を把握することができる。
【0061】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1においては、前記欄干部4は、横方向D2へ延びる一対の端部4d,4dと、前記一対の端部4d,4dの間に配置され、前記横方向D2に対して傾斜する方向へ延びる傾斜部4eと、を備え、前記表示部9bは、前記傾斜部4eに配置される、という構成が好ましい。
【0062】
斯かる構成によれば、欄干部4の端部4dでは、ステップ3bに乗り降りするために歩く人が多く、欄干部4の傾斜部4eでは、ステップ3bの上で立ち止まる人が多いことに対して、表示部9bは、傾斜部4eに配置されている。これにより、マンコンベヤ1に乗った人に対して、表示部9bが認識され易くなるため、手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることを効果的に認識させることができる。
【0063】
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0064】
(1)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、表示装置9は、搬送方向に長尺である所定領域の全体から、表示光L2を放射する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、表示装置9は、情報を有する形状となるように、表示光L2を放射する、という構成でもよい。即ち、表示装置9は、例えば、電光表示板としてもよい。
【0065】
(2)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、表示光源9aは、紫外光源7と、電気的に直列に接続され、表示光源9aの点灯は、紫外光源7の点灯と連動する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、表示光源9aは、紫外光源7と、電気的に並列に接続され、表示光源9aの点灯と紫外光源7の点灯とは、個別に制御される、という構成でもよい。
【0066】
そして、表示光源9aの点灯・消灯の状態と紫外光源7の点灯・消灯の状態とが異なる期間が、存在している、という構成でもよい。即ち、「手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることを表示する」とは、現在に手摺ベルト4aに紫外線L3を照射することを表示する場合だけでなく、過去に手摺ベルト4aに紫外線L3を照射したことを表示する場合や、将来に手摺ベルト4aに紫外線を照射することを表示する場合を含む。
【0067】
(2-1)例えば、制御装置8は、第1速度状態である場合に、表示光源9a及び紫外光源7を点灯し、第2速度状態である場合に、表示光源9aを消灯し、第2速度状態が設定期間を超えた場合に、紫外光源7を消灯する、という構成でもよい。即ち、第1速度状態である期間の全体で、表示光源9aが点灯し、第2速度状態である期間の全体で、表示光源9aが消灯する一方で、第1速度状態である期間の全体だけでなく、第2速度状態である期間の少なくとも一部でも、紫外光源7が点灯する、という構成でもよい。
【0068】
斯かる構成によれば、マンコンベヤ1に乗る人が存在しなくなった場合でも、手摺ベルト4aへの紫外線L3の照射を継続する必要があることが多いため、第2速度状態の設定期間だけ紫外光源7を点灯することによって、手摺ベルト4aへの紫外線の照射を継続することができる。一方で、マンコンベヤ1に乗る人が存在しない場合に、手摺ベルト4aに紫外線L3を照射していることを表示する必要がないため、第2速度状態で設定期間が経過した後に、表示光源9aを消灯することによって、例えば、省エネルギーを図ることができる。
【0069】
(3)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、表示光源9aは、紫外光源7と別の光源である、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、表示光源9aは、紫外光源7と共通の光源である、即ち、紫外光源7と表示光源9aとは、一つの光源である、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、紫外光源7は、紫外線L3及び可視光(紫色光、紫色光及び青色光)を放射し、透光部9cは、可視光のみを通過させて表示装置9の外部へ放射する、という構成としてもよい。
【0070】
(4)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、表示部9bは、欄干部4の傾斜部4eのガード部4cに配置されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。表示部9bは、例えば、欄干部4の端部4dに配置されていてもよく、また、例えば、欄干部4の欄干本体部4bに配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…マンコンベヤ、1a…乗降部、2…構造体、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…ガード部、4d…端部、4e…傾斜部、4f…内上面パネル、4g…内側面パネル、4h…外上面パネル、4i…外側面パネル、5…駆動部、5a…駆動源、5b…第1回転部、5c…第2回転部、5d…伝達部、6…人検出部、7…紫外光源、8…制御装置、9…表示装置、9a…表示光源、9b…表示部、9c…透光部、9d…情報部、10…入力部、11…出力部、12…取得部、13…記憶部、14…演算部、14a…有人判定部、15…制御部、15a…駆動制御部、15b…光源制御部、15c…出力制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、L1…放射光、L2…表示光、L3…紫外線
図1
図2
図3
図4
図5