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特許7428686電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル
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  • 特許-電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル 図1A
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  • 特許-電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル 図2A
  • 特許-電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル 図2B
  • 特許-電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル 図3A
  • 特許-電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル 図3B
  • 特許-電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル 図4
  • 特許-電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル 図5
  • 特許-電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】電気分解耐性の空気側電極を含む固体酸化物形電解槽セル
(51)【国際特許分類】
   C25B 11/052 20210101AFI20240130BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20240130BHJP
   C25B 11/067 20210101ALI20240130BHJP
   C25B 11/069 20210101ALI20240130BHJP
   C25B 11/077 20210101ALI20240130BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20240130BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20240130BHJP
   H01M 8/1213 20160101ALI20240130BHJP
【FI】
C25B11/052
C25B9/23
C25B11/067
C25B11/069
C25B11/077
H01M4/86 M
H01M8/12 101
H01M8/1213
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021178525
(22)【出願日】2021-11-01
(65)【公開番号】P2022094309
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】17/120,426
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514116578
【氏名又は名称】ブルーム エネルギー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アームストロング,タッド
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/015671(WO,A1)
【文献】特表2019-521249(JP,A)
【文献】特開2011-207735(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0093884(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00-15/08
H01M 4/00-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体酸化物電解質;
前記電解質の燃料側に配置される燃料側電極;及び
前記電解質の空気側に配置される空気側電極を含み、
前記空気側電極が、
前記電解質の前記空気側に配置され、前記電解質の電気伝導率よりも低い電気伝導率を有する安定化ジルコニア材料と0at%より大きく1at%未満の導電性材料とを含み、前記電解質の電気伝導率よりも低い電気伝導率を有するバリア層;及び
前記バリア層上に配置される機能層を含む、固体酸化物電解槽セル(SOEC)。
【請求項2】
前記機能層は、少なくとも10wt%の導電性材料と、少なくとも10wt%のイオン伝導性材料とを含み
記バリア層は、前記機能層よりも低い電気伝導率を有する、請求項1に記載のSOEC。
【請求項3】
前記機能層の前記イオン伝導性材料は、安定化ジルコニア材料を含み;及び
前記導電性材料は、金属又は導電性金属酸化物を含む、請求項2に記載のSOEC。
【請求項4】
前記機能層の前記安定化ジルコニア材料は、スカンジア、セリア、イットリア、イッテルビア、又はそれらの任意の組み合わせで安定化され;及び
前記導電性材料は、ランタンストロンチウムマンガナイトを含む、請求項3に記載のSOEC。
【請求項5】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、スカンジア、イットリア、イッテルビア、又はそれらの任意の組み合わせで安定化され;及び
前記バリア層は、0at%より大きく0.5at%以下の導電性材料、及び、0~1at%のセリアを含む、請求項4に記載のSOEC。
【請求項6】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、式:(ZrO2)0.9+y-x(Sc2O3)0.1-y(Y2O3)xによって表され、式中、yは0~0.05の範囲であり、xは0.01~(0.05+y)の範囲である、請求項1に記載のSOEC。
【請求項7】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、式:(ZrO2)0.9-x(Sc2O3)0.1(Y2O3)xによって表され、式中、xは0.01~0.05の範囲である、請求項6に記載のSOEC。
【請求項8】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.1(Y2O3)0.01を含む、請求項7に記載のSOEC。
【請求項9】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、式:(ZrO2)0.91-x(Sc2O3)0.09(Y2O3)xによって表され、式中、xは0.01~0.06の範囲である、請求項6に記載のSOEC。
【請求項10】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、式:(ZrO2)0.9+y-x(Sc2O3)0.1-y(Yb2O3)xによって表され、式中、yは0~0.05の範囲であり、xは0.01~(0.05+y)の範囲である、請求項1に記載のSOEC。
【請求項11】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、式:(ZrO2)1-x(Y2O3)xによって表され、式中、xは、0.02~0.12の範囲である、請求項1に記載のSOEC。
【請求項12】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、式:(ZrO2)1-x(Y2O3)xによって表され、式中、xは、0.08~0.11の範囲である、請求項11に記載のSOEC。
【請求項13】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08を含む、請求項12に記載のSOEC。
【請求項14】
前記機能層は、ランタンストロンチウムマンガネートと、式:(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08で表されるイットリア安定化ジルコニアとを含む、請求項13に記載のSOEC。
【請求項15】
前記バリア層の前記安定化ジルコニア材料は、式:(ZrO2)1-x(Y2O3)xで表され、式中、xは0.03~0.05の範囲である、請求項11に記載のSOEC。
【請求項16】
前記機能層は、ランタンストロンチウムマンガネートとイットリア安定化ジルコニアとを含み;及び
前記バリア層は、1at%未満のランタンストロンチウムマンガネートを有するイットリア安定化ジルコニアからなる、請求項1に記載のSOEC。
【請求項17】
前記空気側電極は、前記機能層上に配置された導電性接触層をさらに含む、請求項1に記載のSOEC。
【請求項18】
前記SOECは、燃料電池モード及び電気分解モードで交互に作動するように構成される固体酸化物再生燃料セルを含む、請求項1に記載のSOEC。
【請求項19】
インターコネクト;及び
複数の、前記インターコネクトによって分離される請求項1に記載のSOECを含む、固体酸化物電解槽セル(SOEC)スタック。
【請求項20】
前記SOECスタックは、燃料電池モード及び電気分解モードで交互に作動するように構成される、請求項19に記載のSOECスタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して固体酸化物形電解槽セル、より具体的には、電気分解耐性の空気側電極を含む電解槽セルを対象とする。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物可逆燃料電池(SORFC)システムは、燃料電池モードで作動して、燃料を酸化することによって電気を生成することができる。SORFCシステムはまた、電気分解モードで作動して、水を電気分解することによって水素を生成することもできる。しかしながら、従来技術のSORFCは、電気分解過程中に起こり得るセル電圧の上昇のために、空気側電極の劣化を被る可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態によると、固体酸化物形電解槽セル(SOEC)は、固体酸化物電解質、該電解質の燃料側に配置される燃料側電極、及び、該電解質の空気側に配置される空気側電極を含む。該空気側電極は、該電解質の空気側に配置され、且つ、該電解質の電気伝導率よりも低い電気伝導率を有する安定化ジルコニア材料と0at%より大きく1at%未満の導電性材料とを含み、前記電解質の電気伝導率よりも低い電気伝導率を有するバリア層と、該バリア層上に配置される機能層とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A図1Aは、本開示の様々な実施形態による、SOECスタックの斜視図である。
図1B図1Bは、図1Aのスタックの一部の断面図である。
図2A図2Aは、本開示の様々な実施形態による、インターコネクトの空気側の平面図である。
図2B図2Bは、図2Aのインターコネクトの燃料側の平面図である。
図3A図3Aは、本開示の様々な実施形態による、SOECセルの空気側の平面図である。
図3B図3Bは、図3AのSOECセルの燃料側の平面図である。
図4図4は、空気電極の層間剥離を示す写真である。
図5図5は、本開示の様々な実施形態による、電気分解耐性のSOECセルを含むSOECスタックの断面図である。
図6図6は、例示の及び比較のSOECセルに対する電圧応答を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
添付の図面を参照して、様々な実施形態を詳細に説明する。可能な限り、同じ又は同様の部品を参照するために図面全体を通して同じ参照番号を使用する。特定の実施例及び実施形態への言及は、例示を目的とするものであり、本発明又は特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0006】
要素もしくは層が他の要素もしくは層「の上にある」又は「に接続される」と言及される場合、それは他の要素もしくは層の直接上にあり得る又は他の要素もしくは層に直接接続され得るか、あるいは、介在する要素もしくは層が存在する可能性があることを理解されよう。対照的に、要素が他の要素もしくは層「の直接上にある」又は「に直接接続される」と言及される場合には、介在する要素もしくは層は存在しない。本開示の目的のために、「X、Y、及びZの少なくとも1つ」とは、Xのみ、Yのみ、Zのみ、又は2つ以上の項目X、Y、及びZの任意の組み合わせ(例えば、XYZ、XYY、YZ、ZZ)として解釈され得ることが理解されよう。
【0007】
値の範囲が示されている場合、文脈が明確に他に定義しない限り、下限の単位の小数点第一位までの、記載された範囲の間に介在する各値、及びその記載された範囲内の任意の他の記載された値又は介在する値は、本発明に含まれると理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、このより小さい範囲内に独立して含まれてもよく、記載された範囲内で具体的に除外される限界値に応じて、本発明に含まれる。記載された範囲が限界値の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も本発明に含まれる。また、「約」という用語は、例えば5~10%のマイナーな測定誤差を指す場合があることも理解されよう。さらに、本明細書で使用される重量パーセント(wt%)及び原子パーセント(at%)は、それぞれ、対応する組成物の総重量のパーセント又は総原子数のパーセントを指す。
【0008】
「その後」、「それから」、「次」などの単語は、必ずしも工程の順序を限定することを意図したものではなく、これらの単語は、方法の説明を通して読み手をガイドするために使用され得る。さらに、例えば、冠詞「a」、「an」又は「the」を使用した、単数形のクレーム要素への言及は、クレーム要素を単数形に限定すると解釈されるべきではない。
【0009】
本明細書で使用される「電解槽セルスタック」という用語は、任意選択で共通の水入口及び排気通路又はライザを共有することのできる、複数の積み重ねられた電解槽セルを意味する。本明細書で使用される「電解槽セルスタック」は、電力調整装置に直接接続される2つのエンドプレートとスタックのパワー(すなわち、供給電力)入力とを含む別個の電気エンティティを含むか、又は、電気入力を提供する端子板を含む電解槽セルカラムの一部を含む。
【0010】
図1Aは、本開示の様々な実施形態による、電解槽セルスタック100の斜視図であり、図1Bは、本開示の様々な実施形態による、スタック100の一部の断面図である。図1A及び1Bを参照すると、スタック100は、インターコネクト10によって分離された固体酸化物電解槽セル1を含む固体酸化物電解槽セル(SOEC)スタックであり得る。図1Bを参照すると、各電解槽セル1は、空気側電極3、固体酸化物電解質5、及び燃料側電極7を含む。
【0011】
電解槽セルスタックは、多くは、平面状要素、管、又はその他の形状の形をした、多数の電解槽セル1から構築される。図1の電解槽セルスタック100は垂直に向けられているが、電解槽セルスタックは水平に向けることもできるし、又は任意の他の方向に向けることもできる。例えば、水は、各インターコネクト10及び電解槽セル1に形成された水導管22(例えば、水ライザ開口部)を通して供給され得、一方、酸素は、スタックの側面の、インターコネクト10の空気側リブの間から供給され得る。
【0012】
空気側電極3、固体酸化物電解質5、及び燃料側電極7には、様々な材料を使用することができる。例えば、燃料側電極7は、金属含有相とセラミック相とを含むサーメット層を含み得る。金属含有相は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、銅(Cu)、それらの合金などの金属触媒を含むことができ、電子伝導体として動作する。金属触媒は、金属状態であっても、酸化物状態であってもよい。例えば、金属触媒は、酸化された状態にある場合は金属酸化物を形成する。したがって、燃料側電極7は、電解槽セル1の作動の前に還元雰囲気中でアニールされて、酸化された金属触媒を金属状態に還元することができる。
【0013】
金属含有相は、還元状態のニッケルのみで構成されていてもよい。このニッケル含有相は、酸化された状態にある場合、酸化ニッケルを形成することができる。したがって、燃料側電極7は、好ましくは、作動前に還元雰囲気中でアニールされて、酸化ニッケルをニッケルに還元する。
【0014】
燃料側電極7のセラミック相には、ガドリニアドープセリア(GDC)、サマリアドープセリア(SDC)、イッテルビアドープセリア(YDC)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、イッテルビアセリアスカンジア安定化ジルコニア(YbCSSZ)などが含まれ得るが、これらに限定されない。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,580,456号に開示されるように、YbCSSZにおいて、スカンジアは、9~11mol%に相当する量、例えば、10mol%で存在することができ、セリアは、0より大きく(例えば、少なくとも0.5mol%)、2.5mol%以下の量、例えば、1mol%で存在することができ、イットリア及びイッテルビアの少なくとも1つは、0より大きく2.5mol%以下の量、例えば、1mol%で存在することができる。
【0015】
固体酸化物電解質5は、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジアセリア安定化ジルコニア(SCSZ)、スカンジアセリアイットリア安定化ジルコニア(SCYSZ)、スカンジアセリアイッテルビア安定化ジルコニア(SCYbSZ)などの安定化ジルコニアを含み得る。あるいは、電解質5は、サマリアドープセリア(SDC)、ガドリニアドープセリア(GDC)、又はイットリアドープセリア(YDC)などの他のイオン伝導性材料を含み得る。
【0016】
空気側電極3は、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)などの導電性ペロブスカイト材料などの導電性材料の層を含み得る。ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムコバルトマンガナイト(LSCM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムフェライト(LSF)、La0.85Sr0.15Cr0.9Ni0.1(LSCN)などの他の導電性ペロブスカイト、又はPtなどの金属を使用することもできる。
【0017】
いくつかの実施形態では、空気側電極3は、導電性材料とイオン伝導性材料との混合物を含み得る。例えば、空気側電極3は、前述した導電性材料(例えば、LSMなど)を約10wt%~約90wt%、及び、イオン伝導性材料を約10wt%~約90wt%含み得る。好適なイオン伝導性材料には、ジルコニア系及び/又はセリア系の材料が含まれる。例えば、イオン伝導性材料は、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、セリア、及び、イットリア及びイッテルビアの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、イオン伝導性材料は、式:(ZrO1-w-x-z(Sc(CeO(Y(Ybで表すことができ、式中、0.09≦w≦0.11、0<x≦0.0125、a+b=z、及び0.0025≦z≦0.0125である。いくつかの実施形態では、0.009<x≦0.011及び0.009≦z≦0.011、及び、任意選択で、a又はbの一方がゼロに等しくない場合、a又はbの他方はゼロに等しくてよい。
【0018】
さらに、必要に応じて、追加の接触層又は集電体層を、空気側電極3及び燃料側電極7の上に配置することができる。例えば、Ni又はニッケル酸化物アノード接触層、及び、LSM又はLSCoカソード接触層を、燃料側電極7及び空気側電極3の上に、それぞれ形成することができる。
【0019】
各インターコネクト10は、スタック100内の隣接する電解槽セル1同士を電気的に接続する。特に、インターコネクト10は、1つの電解槽セル1の燃料側電極7を隣接する電解槽セル1の空気側電極3に電気的に接続することができる。図1Bは、下側の電解槽セル1が2つのインターコネクト10の間に配置されていることを示す。Niメッシュ(図示せず)を使用して、インターコネクト10を隣接する電解槽セル1の燃料側電極7に電気的に接続することができる。
【0020】
各インターコネクト10は、燃料チャネル8Aを少なくとも部分的に画定する燃料側リブ12Aと、酸化剤(例えば、空気)チャネル8Bを少なくとも部分的に画定する空気側リブ12Bとを含む。インターコネクト10は、スタック内の1つのセル1の燃料側電極に流れる水を、スタック内の隣接するセル1の空気側電極から流れる酸素から分離するセパレータとして機能することができる。スタック100のいずれかの端部に、空気エンドプレート又は燃料エンドプレート(図示せず)があってもよい。
【0021】
各インターコネクト10は、セル内の固体酸化物電解質の熱膨張係数と同様の熱膨張係数(例えば、差が0~10%)を有する、金属合金(例えば、クロム-鉄合金)などの導電性材料でできているか、又はそれを含み得る。例えば、インターコネクト10は、金属(例えば、4~6重量パーセントの鉄(例えば、5wt%の鉄)、任意選択で1重量パーセント以下のイットリウム、及び残余クロム合金などのクロム-鉄合金)を含むことができ、1つの電解槽セル1の燃料側電極7を隣接する電解槽セル1の空気側電極3に電気的に接続することができる。
【0022】
図2Aは、本開示の様々な実施形態による、インターコネクト10の空気側の上面図であり、図2Bは、本開示の様々な実施形態による、インターコネクト10の燃料側の上面図である。図1B及び図2Aを参照すると、空気側は、インターコネクト10の対向する第1の縁部及び第2の縁部から延びる空気チャネル8Bを含む。酸素は、隣接する電解槽セル1の空気側電極3から空気チャネル8Bを通って流れる。リングシール20は、水が空気側電極3に接触するのを防ぐために、インターコネクト10の燃料孔22A,22Bを取り囲むことができる。ストリップ状の周辺シール24が、インターコネクト10の空気側の周辺部分に配置される。これらシール20,24は、ガラス又はガラスセラミック材料で形成され得る。周辺部分は、リブ又はチャネルを含まない隆起した高台状であってもよい。周辺領域の表面は、リブ12Bの頂部と同一平面上にあってもよい。
【0023】
図1B及び2Bを参照すると、インターコネクト10の燃料側は、燃料チャネル8A及び燃料マニホールド28を含み得る。水は、燃料孔22Aの1つ(例えば、燃料入口ライザの一部を形成する入口燃料孔)から、隣接するマニホールド28へと流れ込み、燃料チャネル8Aを通って、隣接する電解槽セル1の燃料側電極7に至る。過剰な水は、他方の燃料マニホールド28に流れ込み、その後、出口燃料孔22Bに流れ込むことができる。インターコネクト10の燃料側の周辺領域には、フレームシール26が配置される。周辺領域は、リブ又はチャネルを含まない隆起した高台状であってもよい。周辺領域の表面は、リブ12Aの頂部と同一平面上にあってもよい。
【0024】
図3Aは、本開示の様々な実施形態による、電解槽セル1の空気側の平面図であり、図3Bは、本開示の様々な実施形態による、電解槽セル1の燃料側の平面図である。図1A、2A、3A、及び3Bを参照すると、電解槽セル1は、入口燃料孔22A、出口燃料孔22B、電解質5、及び空気側電極3を含み得る。空気側電極3は、電解質5の空気側に配置することができる。燃料側電極7は、電解質5の反対側の燃料(例えば、水)側に配置することができる。
【0025】
燃料孔22A、22Bは、電解質5を通って延在することができ、電解槽セルスタック100に組み立てられたときに、インターコネクト10の燃料孔22A、22Bと重なるように配置することができる。空気側電極3は、電解槽セルスタック100に組み立てられたときに、リングシール20及び周辺シール24と重ならないように、電解質5上にプリントされ得る。燃料側電極7は、空気側電極3と同様の形状を有し得る。燃料側電極7は、スタック100に組み立てられたときに、フレームシール26と重ならないように配置することができる。言い換えると、電極3,7は、電解質5の対応する縁領域が対応するシール20,24,26に直接接触できるように、電解質5の縁部から後退させることができる。
【0026】
一実施形態では、電解槽セルスタック100は、電気分解モードでのみ作動できる。したがって、電解槽セルスタック100は、燃料電池モードで作動して、燃料側電極及び空気側電極にそれぞれ供給される燃料及び空気から電力を生成することはない。あるいは、電解槽セルスタック100は、固体酸化物再生(すなわち、可逆)燃料電池(SORFC)スタックを構成し得る。SORFCは、燃料側電極及び空気側電極にそれぞれ供給される燃料及び空気から電気を生成するために、燃料電池(FC)モード(例えば、発電モード)で作動することができ、燃料側電極7に供給された水から水素及び酸素を製造するために、電解槽セル(EC)モード(例えば、電気分解モード)で作動することができる。FCモードでは、酸素イオンが、SORFCの空気側(例えば、カソード)電極3からSORFCの燃料側(例えば、アノード)電極7へと運ばれて、燃料(例えば、水素及び/又は天然ガスなどの炭化水素燃料)を酸化し、電気を生成する。ECモードでは、セルの空気側に正の電位が印加され、酸素イオンが燃料側電極7の水から電解質5を通って空気側電極3に運ばれる。したがって、水は、燃料側電極7で水素と、空気側電極3で酸素とに電気分解される。
【0027】
SORFCの空気側電極3及び燃料側電極7は、それぞれ、FCモード中はカソード及びアノードとして動作し、ECモード中はそれぞれアノード及びカソードとして動作する(すなわち、FCモードのカソードはECモードのアノードであり、FCモードのアノードはECモードのカソードである)。したがって、本明細書に記載のSORFCは、空気側電極及び燃料側電極を有すると言われる場合がある。
【0028】
ECモードの間、燃料流中の水が還元されて(HO+2e→O2-+H)HガスとO2-イオンを形成し、このO2-イオンは固体電解質を通って運ばれ、その後、空気側電極で酸化されて(O2-がOに酸化される)酸素分子となる。空気及び湿った燃料(例えば、水素及び/又は改質天然ガス)で作動するSORFCの開回路電圧は約0.9~1.0V(水分含有量に依存する)であり得るため、ECモードで空気側電極に印加される正の電圧は、セル電圧を通常の動作電圧である約1.1~1.3Vに上昇させる。定電流モードでは、セルの劣化がある場合、セル電圧は時間の経過とともに上昇する可能性があり、これはオーミックソースと電極分極の両方に起因する可能性がある。
【0029】
最先端の固体酸化物電解槽セルとSORFCが直面する主要なハードルの1つは、高電流密度での空気電極の層間剥離(デラミネーション)である。層間剥離の程度は、電流密度と酸化物イオンの輸送フラックスとともに増加する。特定の理論に拘束されることを望まないが、層間剥離は、電解質/カソード界面での酸素の生成によって引き起こされる可能性があり、これが高圧力につながって空気電極の層間剥離をもたらす可能性があると考えられる。
【0030】
図4は、固体酸化物電解槽セルを高電流密度で長時間、電気分解モードにて作動させた後の空気電極3の層間剥離を示す写真である。図4に示されるように、空気側電極3は、その間の黒い領域によって示されるように、下にある電解質5から分離する可能性がある。
【0031】
図5は、本開示の様々な実施形態による、電気分解耐性の固体酸化物電解槽セル502を含む電解槽セルスタック500の断面図である。電解槽セルスタック500は、図1A~3Bのスタック100と同様であるので、その間の違いについてのみ詳細に説明する。
【0032】
図5を参照すると、電解槽セルスタック500は、インターコネクト10の間に配置された少なくとも1つの電解槽セル502を含み得る。電解槽セル502は、電気分解モードでのみ作動することができる(例えば、セルは固体酸化物電解槽セル(SOEC)を構成し得る)か、又は、燃料電池モード及び電気分解モードの両方で作動することができる(例えば、セル502は、SORFCを構成し得る)。電解槽セル502は、固体酸化物電解質5と、電解質5の空気側に配置される空気側電極3と、電解質5の燃料側に配置される燃料側電極7とを含む。燃料電池モードでは、空気が空気チャネル8Bによって空気側電極3に供給され得るとともに、燃料電池モードでは、燃料が燃料チャネル8Aによって燃料側電極7に供給され得る一方で、電気分解モードでは、水が燃料チャネル8Aによって燃料側電極7に供給され得る。
【0033】
様々な実施形態において、電解質5は、SSZ、YSZ、SCSZ、SCYSZ、SCYbSZなどのような、前述した安定化ジルコニア材料などのイオン伝導性材料又は相を含み得る。あるいは、電解質5は、スカンジア、ガドリニア、又はイットリアをドープしたセリア(すなわち、SDC、GDC又はYDC)を含む、ドープされたセリアなどの他のイオン伝導性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、電解質5は、式:(Z1-w-x-z(Sc(CeO(Y(Ybで表される材料を含むことができ、式中、0.09≦w≦0.11、0<x≦0.0125、a+b=z、及び0.0025≦z≦0.0125である。いくつかの実施形態では、電解質5は、(ZrO0.88(Sc0.1(CeO0.01(Yb0.01又は(ZrO0.88(Sc0.1(CeO0.01(Y0.01を含み得る。あるいは、電解質5は、(ZrO0.89(Sc0.1(CeO0.01を含み得る。
【0034】
空気側電極3は、電解質5の空気側に配置されたバリア層30、バリア層30上に配置された機能層32、及び、機能層32上に配置された任意選択の集電体層34を含むことができる。機能層32は、導電性材料とイオン伝導性材料との混合物を含み得る。例えば、機能層32は、前述した導電性材料(例えば、LSM、LSC、LSCM、LSCF、LSF、LSCN、Ptなど)を約10重量パーセント(wt%)~約90wt%、及びイオン伝導性材料を約10wt%~約90wt%含み得る。適切なイオン伝導性材料には、ジルコニア系の材料が含まれる。例えば、イオン伝導性材料は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、又は、イットリア及び/又はイッテルビアの少なくとも1つ及び任意選択でセリアを含むスカンジア安定化ジルコニア(SSZ)を含み得る。いくつかの実施形態では、イオン伝導性材料は、式:(Z1-w-x-z(Sc(CeO(Y(Ybで表すことができ、式中、0≦w≦0.11、0≦x≦0.0125、a+b=z、及び0.0025≦z≦0.11である。いくつかの実施形態では、0≦x≦0.011及び0.009≦z≦0.0125であり、任意選択で、a又はbの一方がゼロに等しくない場合、a又はbの他方はゼロに等しくてよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、機能層32は、LSMと、SSZ、YSZ、スカンジア-セリア-イッテルビア安定化ジルコニア(SCYbSZ)、スカンジア-セリア-イットリア安定化ジルコニア(SCYSZ)、スカンジア-イッテリア安定化ジルコニア(SYSZ)、又は、スカンジア-イッテルビア安定化ジルコニア(SYbSZ)のうちの少なくとも1つとの混合物を含み得る。例えば、YSZはYを8~11at%、及び、ZrOを89~92at%含んでよく、例えば、Yを約8at%、及び、ZrOを約92at%含んでよい。SYSZは、Scを約10at%、Yを約1at%、及び、ZrOを約89at%含んでよい。SCYbSZは、Scを約10at%、CeOを約1at%、Ybを約1at%、及び、ZrOを約88at%含んでよい。
【0036】
集電体層34は、LSMなどの導電性金属酸化物などの導電性材料を含み得る。ただし、LSC、LSCM、LSCF、LSF、LSCNなどの他の導電性ペロブスカイト、又はPtなどの金属を使用することもできる。
【0037】
バリア層30は、電解質5の空気側に焼結させることができ、イオン伝導性材料を少なくとも約95at%、例えば、イオン伝導性材料を約97at%~約100at%、又は、約98at%~約100at%含むことができる。バリア層30は、比較的高いイオン伝導率と比較的低い電気伝導率を有し得る。例えば、バリア層30は、導電性材料を含まないか、又は微量しか含まなくてもよい。例えば、バリア層30は、1at%未満、例えば、0~0.5at%、又は、0~0.25at%の導電性材料(electrically material)、例えば、金属、又は、LSM、LSC、LSCM、LSCF、LSF及びLSCNなどの導電性酸化物と、1at%未満、例えば、0~0.5at%、又は0~0.25at%のセリアとを含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、バリア層30は、電解質5よりも低い電気伝導率を有し得る。特定の理論に拘束されることを望まないが、本発明者らは、そのような電気伝導率の差が、電解槽セル500がECモードで作動されるとき、過電位(例えば、セル電圧の増加)を防止及び/又は低減するように作用し得ると考える。そのようなセルの過電位を防止及び/又は低減することは、EC作動中の空気側電極3の層間剥離を低減及び/又は防止すると考えられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、バリア層30は、スカンジア(Sc)安定化ジルコニア(SSZ)、イットリア(Y)安定化ジルコニア(YSZ)、及び/又は、イッテルビア(Yb)安定化ジルコニア(YbSZ)などの希土類安定化(例えば、ドープされた)ジルコニアなどの安定化又は部分的に安定化されたジルコニア(ZrO)材料を含み得る。様々な実施形態において、バリア層30は、イットリア、イッテルビア、及び/又はスカンジアの任意の組み合わせで安定化されたジルコニアを含み得る。例えば、バリア層30は、スカンジアイットリア安定化ジルコニア(SYSZ)又はスカンジアイッテルビア安定化ジルコニア(SYbSZ)を含み得る。他の実施形態では、バリア層30は、Mg、Ca、La、及び/又はそれらの酸化物で安定化又はドープされたジルコニアを含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、バリア層30は、式:(ZrO1-x(Yによって表されるYSZ材料を含むことができ、式中、xは、0.02~0.12の範囲であり、例えば、0.08~0.11の範囲である。いくつかの実施形態において、バリア層30は、式:(ZrO1-x(Yによって表される部分的に安定化されたYSZ材料を含むことができ、式中、xは、0.02~0.07の範囲であり、例えば、0.03~0.05の範囲である。
【0041】
あるいは、バリア層30は、式:(ZrO0.9+y-x(Sc0.1-y(Yによって表されるSYSZ材料を含むことができ、式中、yは0~0.05の範囲であり、xは0.01~(0.05+y)の範囲である。いくつかの実施形態では、バリア層30は、式:(ZrO0.9-x(Sc0.1(Yによって表されるSYSZ材料を含むことができ、式中、xは0.005~0.1の範囲であり、例えば0.01~0.05の範囲である。例えば、SYSZ材料は、(ZrO0.89(Sc0.1(Y0.01を含み得る。一般に、1~5mol%のイットリアがドープしている10mol%スカンジアドープジルコニアには、89mol%ZrO-10mol%Sc-1mol%Y、88mol%ZrO-10mol%Sc-2mol%Y、87mol%ZrO-10mol%Sc-3mol%Y、86mol%ZrO-10mol%Sc-4mol%Y、又は、85mol%ZrO-10mol%Sc-5mol%Yの組成物が含まれ得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、バリア層30は、式:(ZrO0.91-x(Sc0.09(Yによって表されるSYSZ材料を含むことができ、式中、xは0.005~0.1の範囲であり、例えば0.01~0.06の範囲である。例えば、SYSZ材料は、(ZrO0.89(Sc0.09(Y0.02を含んでよい。一般に、1~6mol%のイットリアがドープしている9mol%スカンジアドープジルコニアには、90mol%ZrO-9mol%Sc-1mol%Y、89mol%ZrO-9mol%Sc-2mol%Y、88mol%ZrO-9mol%Sc-3mol%Y、87mol%ZrO-9mol%Sc-4mol%Y、86mol%ZrO-9mol%Sc-5mol%Y、又は、85mol%ZrO-9mol%Sc-6mol%Yの組成物が含まれ得る。
【0043】
あるいは、バリア層30は、式:(ZrO0.9+y-x(Sc0.1-y(Ybによって表されるSYbSZ材料を含むことができ、式中、yは0~0.05の範囲であり、xは0.01~(0.05+y)の範囲である。いくつかの実施形態では、バリア層30は式:(ZrO0.9-x(Sc0.1(Ybによって表されるSYbSZ材料を含むことができ、式中、xは0.005~0.1の範囲であり、例えば0.01~0.05の範囲である。例えば、SYbSZ材料は、(ZrO0.89(Sc0.1(Yb0.01を含み得る。一般に、1~5mol%のイッテルビアがドープしている10mol%スカンジアドープジルコニアには、89mol%ZrO-10mol%Sc-1mol%Yb、88mol%ZrO-10mol%Sc-2mol%Yb、87mol%ZrO-10mol%Sc-3mol%Yb、86mol%ZrO-10mol%Sc-4mol%Yb、又は、85mol%ZrO-10mol%Sc-5mol%Ybの組成物が含まれ得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、バリア層30は式:(ZrO0.91-x(Sc0.09(Ybによって表されるSYbSZ材料を含むことができ、式中、xは0.00~0.1の範囲であり、例えば0.01~0.06の範囲である。例えば、SYbSZ材料は、(ZrO0.89(Sc0.09(Yb0.02を含み得る。一般に、1~6mol%のイッテルビアがドープしている9mol%スカンジアドープジルコニアには、90mol%ZrO-9mol%Sc-1mol%Yb、89mol%ZrO-9mol%Sc-2mol%Yb、88mol%ZrO-9mol%Sc-3mol%Yb、87mol%ZrO-9mol%Sc-4mol%Yb、86mol%ZrO-9mol%Sc-5mol%Yb、又は、85mol%ZrO-9mol%Sc-6mol%Ybの組成物が含まれ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、バリア層30は、1~5mol%のY又はYbがドープしている10mol%スカンジアドープジルコニア、1~6mol%のY又はYbがドープしている9mol%スカンジアドープジルコニア、1~7mol%のY又はYbがドープしている8mol%スカンジアドープジルコニア、1~8mol%のY又はYbがドープしている7mol%スカンジアドープジルコニア、1~9mol%のY又はYbがドープしている6mol%スカンジアドープジルコニア、又は、1~10mol%のY又はYbがドープしている5mol%スカンジアドープジルコニアを含むことができる。
【0046】
(非限定的な実施例)
【0047】
タイプA~Gの固体酸化物電解槽セルを製造し、以下の表1に示す機能層材料及び任意選択でバリア層材料を有する空気側電極を含んだ。
【0048】
【表1】
【0049】
各セルは、(ZrO0.88(Sc0.1(CeO0.01(Yb0.01を含む電解質を含んだ。セルタイプA~Gのそれぞれのセルからなる複数のセルを含む電解槽セルスタックを組み立てた。スタックをECモードで850℃の温度、36アンペアの電流でテストした。図6は、各セルタイプの電圧応答を示すチャートである。線は、それぞれ23、62、85、117、139、及び206時間後のセル電圧を示す。
【0050】
図6に示すように、バリア層を持たない、比較のセルタイプA、B、及びGは、206時間の作動後、セル電圧の増加を示した(従って、セル過電位が増加)。しかし、本開示の実施形態の、主にイオン伝導性酸化物材料を含むバリア層を全てが有する例示のセルタイプC~Fは、206時間の作動時点で、なお比較的安定していた。
【0051】
上記は特定の好ましい実施形態に言及しているが、本発明はそれに限定されないことが理解されるであろう。開示された実施形態に対して様々な改良がなされ得、そうした改良は本発明の範囲内であることが意図されることが、当業者には想起されるであろう。本明細書に引用されているすべての刊行物、特許出願及び特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6