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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】自動電力制御マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240130BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20240130BHJP
   H01H 3/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
H01H3/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021529036
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2019084927
(87)【国際公開番号】W WO2020126834
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】18213522.8
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】リプシュ ヨブ
(72)【発明者】
【氏名】タシニオン トム
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-000288(JP,A)
【文献】特開2016-087376(JP,A)
【文献】登録実用新案第3152585(JP,U)
【文献】実開昭59-021973(JP,U)
【文献】国際公開第2018/215225(WO,A1)
【文献】中国実用新案第203852758(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
H01H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動マスクであって、
スイッチ機構、
電気部品、
前記電動マスクの容易な折り曲げのための折り曲げ線であって、前記折り曲げ線が、折り曲げ可能な材料で形成されるか、又は2つの接続された材料シート間の折り曲げ可能な接続として形成される、折り曲げ線、及び
前記電気部品に給電するための電源
を有、前記スイッチ機構は、
前記電動マスクが前記折り曲げ線の周りで折り曲げられるとき、前記電気部品への電力をオフにする、及び/又は
前記電動マスクが前記折り曲げ線の周りの折り曲げが広げられるとき、前記電気部品への電力をオンにする
ように構成される、電動マスク。
【請求項2】
前記電気部品は、前記電動マスクを換気するための換気ユニットである、請求項1に記載の電動マスク。
【請求項3】
前記スイッチ機構は、前記電動マスク上に配されるか又は前記電動マスク内に組み込まれる、請求項1又は2に記載の電動マスク。
【請求項4】
前記電動マスクは、エアフィルタ材料を有する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の電動マスク。
【請求項5】
前記スイッチ機構は、前記電動マスクが折り曲げられるとき、互いに接合するように配される2つの要素を有し、前記2つの要素は、前記電動マスクの折り曲げが広げられるとき、互いに分離し、前記スイッチ機構は、
前記2つの要素が接合されるとき、前記電動マスクの前記電気部品への電力がオフにされる、及び/又は
前記2つの要素が互いに分離されるとき、前記電動マスクの前記電気部品への電力がオンにされる
ように構成される、請求項1乃至4の何れか一項に記載の電動マスク。
【請求項6】
前記2つの要素は、磁気特性を有し、互いに引き合う、請求項5に記載の電動マスク。
【請求項7】
前記スイッチ機構は、折り曲げ可能であり、前記スイッチ機構は、
前記スイッチ機構が折り曲げられるとき、前記電動マスクの前記電気部品への電力をオフにする、及び/又は
前記スイッチ機構の折り曲げが広げられるとき、前記電動マスクの前記電気部品への電力をオンにする
請求項1乃至4の何れか一項に記載の電動マスク。
【請求項8】
前記スイッチ機構は、前記電動マスクの折り曲がっている状態を決定するセンサを有する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の電動マスク。
【請求項9】
前記センサは、光センサである、請求項8に記載の電動マスク。
【請求項10】
前記センサは、近接センサである、請求項8に記載の電動マスク。
【請求項11】
前記電動マスクは、汚染用マスクである、請求項1乃至10の何れか一項に記載の電動マスク。
【請求項12】
前記電動マスクを装着しているユーザが前記電動マスクの折り曲げを広げる又は折り曲げることを除き介入することなく、自動的に電力のオン又はオフの切り替えることが行われる、請求項1乃至11の何れか一項に記載の電動マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染用マスクのようなマスクに関する。特に、本発明は、ファン付きのマスクのような電動補助マスクの省電力技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンが動作するマスクは、バッテリが動作する装置である。それは、消費電力を最小限に抑えることが望ましい。これらのマスクの問題は、マスクが着用されていないとき、ファンがオンのままになってしまうことである。これは、不要な電力消費につながる。ユーザがマスクを着用するとき、このユーザは通例、ファンの電源を入れるためにスイッチを稼働させる。このスイッチは、マスクのコストを増大させ、場所をとり、オン/オフの切り替えが面倒である。自動的な電子スイッチのオン/オフ機能が、これらの問題を解決するであろう。
【0003】
CN203852758Uは、回転ヒンジを用いてマスクが折り畳まれる、自動的な電子スイッチのオン/オフ機能を備えるマスクを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、マスクが装着されているかどうかの検出を可能にし、装着した状態から装着していない状態への遷移及び/又は装着していない状態から装着した状態への遷移が検出されることを可能にするための、低コストの解決策を持つことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
明細書を通じて、「折り曲げる」について述べている。本明細書において、「折り曲げる」とは、例えば可撓性材料のような材料のある部分が、他の部分を完全に又は部分的に覆うように、前記材料をこの材料自身の上に曲げることを意味する。「折り曲げる」とは、材料の形状をより小さく、より持ち運び可能な形状に変えることを意味する。「折り曲げる」とは、マスクの材料を曲げる又は巻くことを含む。前記材料は、折り曲げ線を横断して連続するシートでよいし、又は接続され、折り曲げ線を画定する2つの材料シートでもよい。折り曲げ線は、例えば、リビングヒンジを形成する一体化した領域又は2つの隣接する材料部分の間の接続線のような前記材料の領域であり、その周りでマスクが選択的に変形する、即ち、ユーザがマスクを折り畳むときに折り曲げる。折り曲げ線は、例えば、ヒンジ線として作用するように直線であるが、追加の機械的ヒンジ構造を必要としない。
【0006】
本発明は、請求項により定義される。
【0007】
第1の態様において、本発明は、電動マスクを提供し、この電動マスクは、
スイッチ機構、
電気部品、
前記マスクの容易な折り曲げのための折り曲げ線、及び
前記電気部品に給電するための電源
を有し、前記スイッチ機構は、
前記マスクが前記折り曲げ線の周りで折り曲げられるとき、前記電気部品への電力をオフにする、及び/又は
前記マスクが前記折り曲げ線の周りの折り曲げを広げるとき、前記電気部品への電力をオンにする
ように構成される。
【0008】
本発明のこの第1の態様において、マスクが折り曲げ線の周りで折り曲げられるとき、前記マスクの電力をオフにする、及び/又はマスクの折り曲げを広げるとき、前記マスクの電力をオンにするように構成される機構(すなわちスイッチ機構)を有する電動マスクが提示される。
【0009】
従って、ある実施形態において、マスクが折り曲げられるとき、前記マスクの電気部品への電力をオフにするように構成される機構を有する電動マスクが提示される。
【0010】
もう1つの実施形態において、マスクの折り曲げを広げるとき、前記マスクの電気部品に電力をオンにするように構成される機構を有する電動マスクが提示される。
【0011】
もう1つの実施形態において、マスクが折り曲げられるとき、前記マスクの電気部品への電力をオフにする、及びマスクの折り曲げを広げるとき、前記マスクの電気部品への電力をオンにする、ように構成される機構を有する電動マスクが提示される。
【0012】
一実施形態によれば、前記電気部品は、マスクを換気するための換気ユニットである。
【0013】
一実施形態によれば、前記機構は、マスク上に配されるか又はマスク内に組み込まれ、例えばマスクの材料内に組み込まれる。
【0014】
一実施形態によれば、前記マスクは、マスクの容易な折り曲げのための1つ以上の折り曲げ線を有する。例えば、折り曲げ線は、マスクの容易な折り曲げを可能にする単一又は複数の線でもよい。
【0015】
一実施形態によれば、前記マスクは、エアフィルタ材料を有する。
【0016】
一実施形態によれば、前記機構は、マスクが折り曲げられるとき、これら2つの要素が接合又は結合する、及びマスクの折り曲げを広げるとき、前記2つの要素が互いに離れる又は分離されるように、前記マスク内/上に配される又は位置決められる2つの要素を有し、前記機構は、前記2つの要素が接合又は結合されるとき、マスクの電力がオフにされ、及び/又は前記2つの要素が互いに離れる又は分離されるとき、マスクの電力がオンにされるように構成される。
【0017】
従って、一実施形態によれば、前記機構は、マスクが折り曲げられるとき、前記2つの要素が接合又は結合する、及びマスクの折り曲げを広げるとき、前記2つの要素が互いに離れる又は分離されるように配される2つの要素を有し、前記機構は、前記2つの要素が接合又は結合されるとき、マスクの電力がオフにされるように構成される。ある実施形態によれば、前記機構は、前記マスクが折り曲げられるとき、前記2つの要素が接合又は結合され、及び前記マスクの折り曲げを広げるとき、前記2つの要素が互いに離れる又は分離されるように配される2つの要素を有し、前記機構は、前記2つの要素が互いに離れる又は分離されるとき、前記マスクの電力がオンにされるように構成される。
【0018】
一実施形態によれば、前記機構は、前記マスクが折り曲げられるとき、前記2つの要素が互いに接合又は結合し、及び前記マスクの折り曲げを広げるとき、前記2つの要素が互いに離れる又は分離するように配される2つの要素を有し、前記機構は、前記2つの要素が接合又は結合されるとき、前記マスクの電力がオフにされ、及び前記2つの要素が互いに離れる又は分離されるとき、前記マスクの電力がオンにされるように構成される。
【0019】
一実施形態によれば、前記2つの要素は、磁気特性を有し、それにより、これら要素が互いに引き合うように、互いの容易な取り付けを可能にする。
【0020】
一実施形態によれば、前記機構は、折り曲げ可能又は曲げ可能であり、前記機構は、機構自身が折り曲げ又は曲げられるとき、マスクの電力をオフにする、及び/又は前記機構は、前記機構の折り曲げを広げるとき、マスクの電力をオンにする。
【0021】
従って、一実施形態によれば、前記機構は、折り曲げ可能又は曲げ可能であり、前記機構は、前記機構が折り曲げ又は曲げられるとき、マスクの電力をオフにする。ある実施形態によれば、前記機構は、折り曲げ可能又は曲げ可能であり、前記機構の折り曲げを広げるとき、前記機構は、マスクの電力をオンにする。一実施形態によれば、前記機構は、前記機構は、折り曲げ可能又は曲げ可能であり、前記機構が折り曲げ又は曲げられるとき、前記機構は、マスクの電力をオフにする、及び前記機構の折り曲げを広げるとき、前記機構は、マスの電力をオンにする。
【0022】
一実施形態によれば、前記機構は、マスクを折り曲げた状態を決定するためのセンサを有し、前記マスクは、折り曲げられる又は折り曲げが広げられる。折り曲げの状態に依存して、マスクの電力は、オン又はオフにされる。一実施形態によれば、前記センサは光センサである。一実施形態によれば、前記センサは近接センサである。
【0023】
一実施形態によれば、マスクは、汚染用マスク、例えばスタンドアロン型の汚染用マスクである。
【0024】
本発明の第2の態様において、電動マスクの電力を制御する方法が提示され、この方法は、
マスクが折り曲げられた状態又は折り曲げを広げた状態であるかを決定するステップ、
を有し、前記マスクが折り曲げられていると決定される場合、前記マスクの電力をオフにする、及び/又は前記マスクの折り曲げが広げられていると決定される場合、前記マスクの電力をオンにする。
【0025】
従って、ある実施形態において、前記方法は、マスクが折り曲げられた状態又は折り曲げを広げた状態であるかを決定するステップを有し、前記マスクが折り曲げられている場合、前記マスクの電力をオフにする。もう1つの実施形態において、前記方法は、マスクが折り曲げられた状態又は折り曲げを広げた状態であるかを決定するステップを有し、前記マスクの折り曲げが広げられている場合、前記マスクの電力をオンする。もう1つの実施形態において、前記方法は、マスクが折り曲げられた状態又は折り曲げを広げた状態であるかを決定するステップを有し、前記マスクが折り曲げられている場合、前記マスクの電力をオフにする、及び前記マスクの折り曲げが広げられている場合、前記マスクの電力をオンする。
【0026】
本発明の特定の及び好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、必要に応じて及び請求項に明示的に述べられているだけでなく、独立請求項の特徴と他の従属請求項の特徴とを組み合わされてもよい。
【0027】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかであり、これら実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、ユーザより装着される、本開示に説明されるマスクを示す。
図2図2は、マスクの構成要素のブロック図を示す。
図3図3は、本開示に説明されるような、折り曲げを広げたマスクを示す。
図4図4は、本開示で説明されるような、折り曲げられたマスクを示す。
図5図5は、マスクの電力を制御する方法のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面は、単に概略的であり、非限定的である。図面において、要素の幾つかのサイズは、例示を目的に誇張され、縮尺通りに描かれていない。
【0030】
請求項における参照符号は、その範囲を限定するものと解釈してはならない。
【0031】
異なる図面において、同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を指す。
【0032】
本開示は、マスクが折り曲げられる又は折り曲げを広げたときの、マスクの電源の自動的な稼働及び/又は非稼働を提供する電動マスクを提示する。従って、特定の実現に依存して、前記マスクは、マスクの折り曲げ状態に依存して、自動的な電源OFF機能、自動的な電源ON機能、又は自動的な電源ON及び電源OFF機能の両方を含んでもよい。詳細な実施形態が以下に説明される。
【0033】
本発明の第1の態様において、電動マスクが提示される。このマスクは、汚染用マスクでもよく、そのため、マスクは、マスクに入る空気をろ過するエアフィルタを有する。ある実施形態において、マスクは、エアフィルタ材料から作られる。このようなエアフィルタ材料は、例えば交通公害、PM2.5又は大きな粒子、例えば花粉のような有害汚染物質を空気からろ過することが可能である。このフィルタは、細菌、ウイルスまたは他の微生物をろ過することが可能である。マスクは、ユーザの口及び/又は鼻を覆ってよい。装着されるとき、マスクは、使用者の顔と共に密閉されるマスクチャンバを形成する。
【0034】
ある実施形態において、マスクは、マスクが折り曲げられるとき、このマスクの電力をオフにする、特に、マスクの電気部品への電力の供給をオフにするように構成される機構を有する。従って、ユーザがマスクを外して、折り曲げるとき、ユーザから他の如何なる介入も必要とすることなく、電源が自動的にオフになる。
【0035】
ある実施形態において、マスクは、マスクの折り曲げを広げるとき、マスクの電力をオンにするように構成される機構を有する。従って、ユーザがマスクの折り曲げを広げるとき、マスクの電力は、ユーザから他の如何なる介入も必要とすることなく、自動的にオンにされる。
【0036】
ある実施形態において、マスクは、このマスクが折り曲げられるとき、マスクの電力をオフにするように構成される機構を有し、この機構は、マスクの折り曲げを広げるとき、マスクの電力をオンにするように構成される。
【0037】
上記した機構は、ユーザがマスクを装着又は取り外す度に、マスクをオン又はオフにするユーザの負担を軽減する。さらに、マスク上の機械的なオン/オフスイッチの必要性を排除し、これはマスクのコストを低減し、寿命を延ばす。さらに、ユーザが手動でマスクをオフする必要がないので、不注意による電力の損失がない。
【0038】
マスクは、マスクの容易な折り曲げのための折り曲げ線を有する。
【0039】
ある実施形態において、前記マスクは、縫い合わされる材料の異なる部分から製造されることができる。この縫い合わせは、縫い合わせ線上でのマスクの容易な折り曲げを可能にする。従って、この例において、折り曲げ線は縫い合わせ線を有する。例えば、マスクは、縫い合わされる2つ以上の部品から製造されてもよい。マスクが縫い合わせ線上で折り曲げられるとき、前記2つ以上の部分は、互いに少なくとも部分的に覆い合う。代わりに、材料の選択に依存して、接着剤、加熱プレス又は超音波を用いて、前記マスクの異なる部分が互いに取り付けられる。この場合、得られるマスク構造は、折り曲げ線の周りで変形する連続的なシートである。これらの取り付け技術の各々は、異なる部品の取り付け領域がマスクの容易な折り曲げを可能にするために使用されるように実施される。
【0040】
ある実施形態によれば、マスクは、射出成形を使用して製造される。ある実施形態において、射出成形2D線内の軟質材料は、折り曲げ線の破損を防ぐために、それらが疲労することなく何度も折り曲げられ得るように構成される。このとき、折り曲げ線は、マスクの材料からなる一体化した部分であるリビングヒンジでもよい。
【0041】
ある実施形態によれば、図1に示されるように、マスク100は、少なくとも1つの電気部品102を有する。電気部品102は、マスクチャンバに空気を流入させる、及び/又はマスクチャンバから空気を流出させることにより、マスク100を換気する換気装置でもよい。電気部品102は、例えば光センサ、圧力センサ、ガスセンサ等のセンサ構成要素を有してもよい。マスク100は、電気部品102に給電するための電源103を有する。電源103は、マスク100上に配されるのが好ましいが、必ずしもそうではないバッテリである。電源103は、電気部品102に結合される。機構101がマスク上/内に存在し、この機構は、マスク100が折り曲げられるとき、電源103により電気部品102に供給される電源がオフになるように構成される。その代わりに又はそれに加えて、機構101は、マスク100の折り曲げを広げるとき、電気部品102に供給される電源がオンされるように構成される。従って、機構101は、マスク100の折れ曲がった状態を検出する手段を有する。言い換えると、機構101は、マスク100が折れ曲がっているかどうかを検出する手段を有する。図2に示されるように、機構101は、電源103に結合され、電源103をオン又はオフに切り替えることに関して、電源103を制御する。電源103は、給電するために電気部品102に結合される。
【0042】
ある実施形態によれば、機構101は、マスク100上に配されるか、又はマスク内に組み込まれる。例えば、機構101は、マスク100の材料に組み込まれてもよく、例えば、マスク100のエアフィルタの材料に組み込まれてもよい。本発明の利点は、マスク100の可搬性及び使い勝手が向上するので、機構101がマスク100に完全に組み込まれてもよいことである。
【0043】
マスクの容易な折り曲げのための折り曲げ線120が図3に示される。例えば、マスク100は、半硬質材料から作られてもよく、それにより、マスク100は、材料がより圧縮されるか又は材料が部分的に取り除かれるライン120を有し、それにより、折り曲げ線120でマスク100の容易な折り曲げを可能にする折り曲げ線120は、マスク100を横断して延び、それにより、マスク100を、マスク100の容易な折り曲げを可能にする2つ以上の部分に分割する。上述したように、折り曲げ線は、マスク100の縫い合わせ線により形成されてもよい。
【0044】
ある実施形態によれば、図3に示されるように、機構101は、2つの要素101a、101bを有する。これらの要素は、電極でもよい。これらの要素は、図3に示されるように、折り曲げ線120の両側であるが等距離に位置決められる。これらの要素は、マスク100が折り曲げられるとき、2つの要素101a、101bが接合するように配される。従って、ユーザがマスクを折り曲げるとき、2つの要素101a、101bは、互いに直接的又は間接的に接触する。例えば、素子101a、101bがマスク材料内に組み込まれるとき、これら素子101a、101bは、マスク材料がその間に配されているので間接的に接触する。2つの要素101a、101bは、マスク100の折り曲げを広げるとき、互いに離れる。従って、ユーザがマスク100の折り曲げを広げるとき、以前に接合されていた要素101a、101bは、互いに離れる又は分離する。前記機構101a、101bは、2つの要素101a、101bが接合されるとき、電源により供給されるマスク100の電力がオフになるように構成される。その代わりに又はそれに加えて、機構101a、101bは、前記2つの要素101a、101bが互いに離れるとき、マスク100の電力がオンになるように構成される。電源の制御は、制御器、例えばマイクロコントローラにより行われてよく、この制御器は、前記機構(要素101a、101b、例えば電極)及び電源に結合される。制御器が、要素101a、101bが互いに接触している又は結合されていると検出するとき、前記制御器は電源をオフにする。制御器が、要素101a、101bが互いに接触していない又は分離されていると検出するとき、前記制御器は電源をオンにする。
【0045】
ある実施形態によれば、要素101a、101bは、両方の要素が互いに引き合うように磁気特性を持ってもよく、前記要素は磁気素子でもよい。これは、要素101a、101bが、マスク100を折り曲げた又はコンパクトな状態に保つ手段として機能する、及びマスク100の折り曲げた状態を検出する機構としても機能するので有利である。故に、マスクを閉じたままにするための追加構成要素は必要とされない。そのような磁気要素は、マスク材料に容易に組み込まれることもできる。2つの要素101a、101bが、マスク100が折り曲げられているかどうかを検出するのに使用されるとき、容易な折り曲げを可能にする折り曲げ線120、例えば縫い合わせ線の存在は、2つの要素の容易な位置合わせを可能にするので有利である。折り曲げられたマスク100が図4に示される。マスク100が折り曲げられ、それにより、要素101が接触している或いは互いに結合される、又は互いに隣接して存在しているとき、要素101は、合致していることが示される。
【0046】
ある実施形態によれば、前記機構は、折り曲げ可能又は曲げ可能である。この機構は、マスクが、例えば、折り曲げ又は縫い合わせ線上で折り曲げられるとき、機構が折れ曲がる又は曲がるように、マスク内に配される。機構が折れ曲がる又は曲がるとき、マスクの電力がオフにされる。その代わりに又は任意で、機構が折れ曲がりを広げられる又は曲げを広げられるとき、マスクの電力がオンにされる。そのような機構の実施は、導波路に結合される光源を有し、それにより、導波路が曲げられるとき、導波路を通り伝達される光が導波路を出るときが検出される。この導波路は、マスクが折り曲げられるとき、導波路が曲がるようにマスク内に配される。光が導波路を出るとき、これはマスクが折り曲げられることを意味するので、電力は中断される。光が導波路から出ないとき、これはマスクの折り曲げが広げられたことを意味するので、電力が稼働してもよい。代わりに、前記機構は、曲げられたとき、故にマスクが折り曲げられたとき、導電性を有さない材料を有してもよい。
【0047】
ある実施形態によれば、前記機構は、マスクの折り曲げた状態を決定するためのセンサを有する。例えば、前記機構は、マスクが折り曲げられるとき、光センサがマスクの材料で覆われるように、マスク内に配される光センサでもよい。従って、マスクは、マスクが折り曲げられるとき、マスクの材料が前記センサを覆うように製造される。検出される光が事前に規定されるしきい値より下であるとき、これはマスクが折り曲げられたことを意味するので、電力がオフにされる。代わりに又は任意で、検出される光が事前に規定されるしきい値より上であるとき、これはマスクの折り曲げが広げられたことを意味するので、電力がオンにされる。記載される全ての実施形態に対し、制御器は、前記センサ及び電源に結合され、このマスクの電力の制御を行う。代わりに、近傍のマスクの材料を検知することが可能である近接センサが使用されてもよい。代わりに、検知機構が使用され、それにより、センサが、検出可能な要素が検出される又はセンサに近接しているかどうかを検出する。検出されるとき、マスクは、折り曲げられた状態であると考えられ、電力が停止される。検出されないとき、マスクの折り曲げが広げられた状態であると考えられ、電力が稼働する。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に示されるような、電動マスクの電源を制御する方法200が提示される。この方法は、折り曲げ線の周りでマスクが折り曲げられているか、又は折り曲げが広げられているかを決定するステップを有し、前記マスクが折り曲げられているとき、電源をオフにする(202)。代わりに又は任意で、マスクの折り曲げが広げられている場合、電源をオンにする(203)。マスクが折り曲げられているかどうかの決定は、上述したように、マスク内の2つの要素が互いに接合されているかどうか調べることにより行われる。代わりに、上述したように、マスクが折り曲げられているとき、検出される光があるしきい値より上にあるか又は下にあるかを調べることにより行われてもよい。マスク内の前記機構が折り曲げられているかどうかを調べることにより行われてもよい。本発明の第1の態様において説明される如何なる技術も、本発明において、マスクの電力を制御するのに使用されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5