(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】運転者支援システム、および、自動車両の支援される動作のための方法
(51)【国際特許分類】
B60W 40/02 20060101AFI20240130BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240130BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240130BHJP
【FI】
B60W40/02
G08G1/16 C
B60W60/00
(21)【出願番号】P 2021532416
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(86)【国際出願番号】 EP2019083697
(87)【国際公開番号】W WO2020115145
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-06-01
(31)【優先権主張番号】102018131470.1
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521246194
【氏名又は名称】ツェット・エフ・アクティブ・セーフティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,トーマス
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-122859(JP,A)
【文献】特開2003-200753(JP,A)
【文献】特開2007-253748(JP,A)
【文献】特開2009-143402(JP,A)
【文献】特開2010-64614(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0164810(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲センサシステムと、制御器と、査定モジュールとを含む、自動車両に対する運転者支援システムであって、前記制御器は、前記周囲センサシステムにより記録される周囲データに基づいて支援機能制御信号を確定することであって、前記支援機能制御信号は、少なくとも1つの支援システムパラメータ、および、前記記録される周囲データとのあらかじめ決定された機能的関係性を有すること、ならびに、支援機能を提供するように、前記支援機能制御信号を使用して前記車両を制御することを行うように、設計および意図され、前記査定モジュールは、基準情報を基にして前記支援機能制御信号に対する成功値を確定すること、および、前記成功値が成功しきい値の値未満に低下するならば、前記少なくとも1つの支援システムパラメータの最適化を始動させることを行うように、設計および意図され
、
ユーザインターフェイスをさらに含み、前記査定モジュールは、前記成功値を確定するために、ユーザ問い合わせを出力し、ユーザ入力を受信するように前記ユーザインターフェイスを制御するように、設計および意図される、運転者支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の運転者支援システムにおいて、前記査定モジュールは、運転動力学センサおよび/または周囲センサシステムに接続され得るものであり、前記運転動力学センサを使用して記録される車両応答データ、および/または、前記周囲センサシステムを使用して記録される周囲データから前記基準情報を確定するように、設計および意図される、運転者支援システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の運転者支援システムにおいて、前記制御器は、記録時間において周囲データを記録すること、ならびに、基準情報時間において車両応答データおよび/または周囲データを記録することを行うように、設計および意図される、運転者支援システム。
【請求項4】
請求項1から3の一項に記載の運転者支援システムにおいて、絶対位置センサと、絶対車両位置と関連付けられる周囲データおよび/または車両応答データを内包するメモリとを含み、前記査定モジュールは、前記絶対位置センサを使用して測定される現在の車両位置に対する、前記メモリの周囲データおよび/または車両応答データから基準情報を形成するように、設計および意図される、運転者支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の運転者支援システムにおいて、前記査定モジュールは、前記成功値を確定するために、前記絶対位置センサを使用して測定される現在の車両位置に対する、前記メモリ内に存在する周囲データおよび/もしくは車両応答データを、前記記録される周囲データおよび/もしくは車両応答データと、あらかじめ規定された順序で比較すること、少なくとも1つの目標判定基準に関して車両応答データを査定すること、ならびに/または、ユーザ問い合わせを出力し、ユーザ入力を受信するようにユーザインターフェイスを制御することを行うように、設計および意図される、運転者支援システム。
【請求項6】
請求項1から
5の一項に記載の運転者支援システムにおいて、前記成功値、基準情報、車両応答データ、周囲データ、絶対位置データ、および時間データのうちの1つまたは複数に基づいて、前記支援システムパラメータを修正するように、設計および意図される、最適化モジュールを含む、運転者支援システム。
【請求項7】
請求項
6に記載の運転者支援システムにおいて、前記最適化モジュールは、場所固有の、および/または、時間固有の様式で前記支援システムパラメータを修正するように、設計および意図される、運転者支援システム。
【請求項8】
請求項1から
7の一項に記載の運転者支援システムにおいて、前記周囲センサシステムは、レンズと、撮像センサとを有するカメラを含み、前記制御器は、共通の収納箱内に、前記レンズおよび前記撮像センサとともに配置構成される、運転者支援システム。
【請求項9】
制御器と、周囲センサシステムとを含む運転者支援システムの支持を伴う自動車両の支援される動作のための方法であって、
前記周囲センサシステムは、周囲データを記録し、
前記制御器が、少なくとも1つの支援機能制御信号を確定するために、
あらかじめ決定された機能的関係性を、前記記録される周囲データ、および、少なくとも1つの支援システムパラメータに基づいて評価
し、
前記制御器が、前記支援機能制御信号を使用して
前記車両を制御
し、
前記制御器が、前記支援機能制御信号に関係する基準情報
を記録
し、
前記制御器が、前記支援
機能制御信号に対する成功値
を確定
し、
前記制御器が、前記成功値が成功しきい値の値未満に低下するならば、前記支援システムパラメータの最適化
を始動
し、
前記制御器は、前記成功値を確定するために、ユーザ問い合わせを出力し、ユーザ入力を受信するようにユーザインターフェイスを制御する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者支援システムであって、上記運転者支援システムを備え付けられる自動車両(自車両(ego vehicle))のための運転者支援システムに、および、自動車両の支援される動作のための方法に関係する。自動車両は、好ましくは、自動車またはトラックなどの車輪付き自動車両である。
【背景技術】
【0002】
知られている運転者支援システムは、車両の運転者を、その運転者の車両制御課業(タスク)に関して支援するために、または、これらの課業を少なくとも部分的に引き継ぐために、周囲センサシステムを使用して、それらの運転者支援システムの周囲を記録する。1つの知られている運転者支援システムは、非常制動支援機構(emergency braking assistant)であって、他の道路使用者との、上記非常制動支援機構を備え付けられる自車両の衝突を防止または軽減する、非常制動支援機構である。この最終目的のために、非常制動支援機構は、例えばカメラおよび/またはレーダによって記録される周囲データに基づいて、車両の周囲内の物体、その物体の、運動の方向、および、運動の速度を検出する。非常制動支援機構は、物体との、衝突の確率、および、可能性のある衝突までの時間を確定する。可能性のある衝突までの時間が、しきい値であって、それ未満では、現在の速度から衝突を回避するための制動処置のための十分な時間がもはや存しない、しきい値未満に低下するならば、非常制動支援機構は、支援される、または自動的な制動を開始する。衝突を回避するために制動処置により要される時間は、例えば、現在の車両速度、および、車両の最大可能減速度から算出される。最大可能減速度、または、しきい値であって、それから非常制動処置が開始される、しきい値は、支援システム内に永続的に導入され得る、ならびに、所定の条件のもとでの所望されるシステム性能に対して、経験的データおよび/または物理的モデルを基にして、運転者支援システムの開発の間に較正される、パラメータである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大部分の知られている運転者支援システムにおいて、機能および性能は、制限される数の経験的データ、物理的モデルを基にして、および/または、特定の機能的筋書に対して、運転者支援システムの開発の間に較正される、1つまたは複数の支援システムパラメータに依存する。開発のために使用されるデータ、および、考慮に入れられる機能的筋書は、それでも、現実の道路現況の完全な像を与えることはできず、モデルは常に、良くも悪くも物理的現実に対する近似を単に表すので、1つまたは複数の支援システムパラメータは、少なくとも個々の運転または周囲状況に関して、変わらないままである、または、準最適にとどまる。それぞれの運転者支援システムに依存して、このことは、運転者に対する支援においての弱点につながり、これらの弱点は、普通は、それらが体系的(システムの)原因に少なくとも部分的に原因を帰し得るとき、個別の場所および/または時間において再現され得る。
【0004】
本発明の目的は、従来技術の不利な点を克服すること、特に、可能な限り多くの交通状況において、信頼性の高い、および、誤りのない様式で動作する運転者支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1において請求されるような運転者支援システムにより達成される。請求項1によれば、自動車両に対する運転者支援システムは、周囲センサシステムと、制御器と、査定モジュールとを含み、制御器は、周囲センサシステムにより記録される周囲データに基づいて支援機能制御信号を確定することであって、その支援機能制御信号は、少なくとも1つの支援システムパラメータ、および、記録される周囲データとのあらかじめ決定された機能的関係性を有する、確定すること、ならびに、支援機能制御信号を使用して車両を制御して、車両応答を達成することを行うように、設計および意図され、査定モジュールは、支援機能制御信号に対する成功値を確定すること、および、成功値が成功しきい値の値未満に低下するならば、支援システムパラメータの最適化を始動させることを行うように、設計および意図される。
【0006】
目的は、さらには、運転者支援システムの支持を伴う自動車両の支援される動作のための方法であって、運転者支援システムは、制御器と、周囲センサシステムとを含み、周囲センサシステムは、周囲データを記録し、少なくとも1つの支援システムパラメータと、記録される周囲データとの間のあらかじめ決定された機能的関係性が、支援機能制御信号を確定するために評価され、車両は、支援機能制御信号を使用して制御され、支援機能制御信号に対する成功値が確定され、成功値が成功しきい値の値未満に低下するならば、支援システムパラメータの最適化が始動させられる、方法により達成される。
【0007】
運転者支援システムは、支援機能制御信号、または、同時に、もしくは連続して確定される複数の支援機能制御信号を使用して、交通標識認識、または、自動化された周囲に基づく車台調整などの支援機能を提供するために、自動車両のさらなる構成要素を制御する。さらなる構成要素は、運転者支援システムの中に内包され、または、車台制御器、ユーザインターフェイス、もしくはエンジン制御器などの、自動車両のシステム基本設計とは別個のモジュール、および/もしくは、独立型モジュールとして設計され得る。周囲データに基づいて支援機能制御信号を確定するために、制御器は、あらかじめ決定された機能的関係性にアクセスする。機能的関係性は、周囲データと、支援機能制御信号と、達成されることになる支援機能との間の決定論的関係性を確立する、少なくとも1つの計算規則を含む。代替案として、または加うるに、機能的関係性を評価するための制御器は、方法によって動作し、および/または、制御ループを使用する。機能的関係性、特に計算規則、方法、および/または制御ループは、支援システムパラメータ、または、複数の支援システムパラメータを含む。支援システムパラメータは、周囲データを基にして機能的関係性から結果的に生じる支援制御信号、およびかくして、システム性能に影響力を及ぼす。
【0008】
査定モジュールは、運転者支援システムの制御器上で、または、それ自体の車両ネットワークアドレスを用意された制御器などの、空間的に別個である、および/もしくは、システム基本設計とは別個である制御器上で実行される、あらかじめ決定された方法によって動作するソフトウェアモジュールとして設計され得る。支援機能制御信号を基にして運転者支援システムの現在のシステム性能を査定することは、システムの機能的段階を経る帰還ループを可能にする。運転者支援システムの劣った性能の事象において、システムの支援機能は、少なくとも1つの支援システムパラメータを改善することにより改善される。1つまたは複数の支援システムパラメータの、改善される較正、または、別の型の最適化が、システム性能においての改善、増大される利用可能性、または、改善される信頼性につながる。
【0009】
1つの好まれる実施形態において、査定モジュールは、運転動力学センサおよび/または周囲センサシステムに接続され得るものであり、運転動力学センサからの車両応答データ、および/または、周囲センサシステムからの周囲データから成功値を確定するように、設計および意図される。査定モジュールは、特に、それが運転動力学センサから車両応答データを受信するように、加速度、車輪速度、および/または、回転の角度センサなどの、複数の運転動力学センサに接続され得る。査定モジュールは、特に、あらかじめ規定された査定規則によって、測定される車両応答データおよび/または周囲データが目標判定基準と相関させられることによって成功値を確定するように、設計および意図される。物理的査定測定される変数が、好ましくは、車両応答データおよび/または周囲データから確定される。例として、査定測定される変数は、特に加速度センサおよび/もしくはカメラによって記録される、ならびに/または、それぞれの他の車両応答データおよび/もしくは周囲データと比較される、空間内の方向のうちの1つにおいての車両の加速度または変位である。
【0010】
査定モジュールは、特に、応答時間において記録される車両応答データおよび/または周囲データから成功値を確定する。支援機能制御信号が確定された際に基にした周囲データは、特に、記録時間において記録される。応答時間および/または記録時間は、さらには、運転者支援機能に依存して、継続期間であり得る。区別が、特に、応答時間と記録時間との間で行われる。応答時間は、特に、少なくとも、記録時間の後のシステム応答継続期間に始まる。車両応答データは、好ましくは、周囲データとは異なる物理的変数のデータを含み、その変数は、計算規則を使用して比較のための査定モデルによる車両応答データと相関させられ、および/または、別の物理的原理によって記録される。
【0011】
1つの好まれる実施形態において、運転者支援システムは、メモリを有し、制御器は、記録時間において周囲データを記録すること、ならびに、車両応答時間において車両応答データおよび/または周囲データを記録することを行うように、設計および意図される。記録時間において記録される周囲データは、機能的関係性から支援機能制御信号を確定するために、運転者支援システムにより評価される。車両応答を決定するための周囲データが、例えば、記録される車両応答データの妥当性を検査するために、または、それらのデータをセンサ障害の事象において置換するために、より後期の車両応答時間において追加的に記録され得る。
【0012】
1つの好まれる実施形態において、運転者支援システムは、絶対位置センサと、特により早期のそれぞれの車両応答時間において記録される、絶対車両位置と関連付けられる周囲データおよび/または車両応答データを内包するメモリとを含み、査定モジュールは、絶対位置センサを使用して測定される現在の車両位置に対する、メモリの周囲データおよび/または車両応答データから基準情報を形成するように、設計および意図される。記憶される周囲データおよび/または車両応答データは、好ましくは、より早期のそれぞれの車両応答時間において確定された成功値を割り当てられる。査定モジュールは、基準情報を比較すること、および/または、相関させることにより、記録時間において記録される周囲データに基づいて確定される支援制御信号に対する成功値を確定する。
【0013】
メモリ内のそれぞれの支援システムパラメータは、特に、さらには、車両応答によってより高い成功値を達成した支援システムパラメータが、この車両位置においての支援機能制御信号の将来の確定に対してメモリから検索され得るように、車両応答データと関連付けられる。メモリ内の関連付けられる支援システムパラメータは、好ましくは、最適化が査定モジュールにより始動させられると直ちに検索される。
【0014】
1つの好まれる実施形態において、運転者支援システムは、ユーザインターフェイスを含み、査定モジュールは、成功値を確定するために、ユーザ問い合わせを出力し、ユーザ入力を受信するようにユーザインターフェイスを制御するように、設計および意図される。ユーザインターフェイスを使用して、運転者支援システムのユーザは、支援制御信号により引き起こされる車両応答を査定することができる。ユーザ入力は、排他的に成功値を形成し、または、査定モジュールによる成功値の確定へと組み込まれる。査定モジュールは、好ましくは、成功値を確定するときに、ユーザインターフェイスを介して受信されるユーザ入力に優先権を与える。
【0015】
1つの好まれる実施形態において、査定モジュールは、成功値を確定するために、絶対位置センサを使用して測定される現在の車両位置に対する、メモリ内に存在する周囲データおよび/もしくは車両応答データを、記録される周囲データおよび/もしくは車両応答データと、あらかじめ規定された順序で比較すること、少なくとも1つの目標判定基準に関して車両応答データおよび/もしくは周囲データを査定すること、ならびに/または、ユーザ問い合わせを出力し、ユーザ入力を受信するようにユーザインターフェイスを制御することを行うように、設計および意図される。査定モジュールは、特に、まず第1に、メモリが、基準情報として役立ち得る、これらの位置に対する周囲データおよび/または車両応答データを内包するかどうかを検査する。
【0016】
メモリが、現在の車両位置に対する何らのデータも内包しないならば、測定される車両応答データおよび/または周囲データが、成功値を確定するために、目標判定基準を基にして査定される。支援機能に依存して、車両応答データおよび/または周囲データに対する目標判定基準は、データ値、データ平均値、物理的変数、または、データおよび/もしくはフィルタ処理されるデータから導出される値が、最大化もしくは最小化され、および/または、あらかじめ決定された範囲内にあるという事実を内包する。目標判定基準が満たされることによって、査定モジュールは、応答時間において記録される車両応答データおよび/または周囲データに影響力を及ぼした支援制御信号に成功値を割り当てる。
【0017】
1つの好まれる実施形態において、制御器は、成功値が成功しきい値の値以上であるとき、メモリから周囲データおよび車両応答データを消去するように、設計および意図される。
【0018】
査定モジュールは、特に、連続的な番号などの一意的な識別特徴部によって、メモリ内の、記録時間において記憶される周囲データ、および/または、車両応答時間において記憶される車両応答データと成功値を関連付けるように、設計および意図される。
【0019】
1つの好まれる実施形態において、運転者支援システムは、成功値、基準情報、車両応答データ、周囲データ、絶対位置データ、および時間データのうちの1つまたは複数に基づいて、支援システムパラメータを修正するように、設計および意図される、最適化モジュールを含む。最適化モジュールは、査定モジュールにより始動させられる様式で、特に、少なくとも1つの支援システムパラメータをメモリから検索する。最適化モジュールは、特に、査定モジュールが、少なくとも3、5、または10回、同じ絶対位置において、少なくとも1つの支援システムパラメータの最適化を始動させた際に直ちに、最適化される支援システムパラメータを確定する。最適化モジュールは、好ましくは、ニューラルネットワークなどの機械学習方法を使用して、特に同じ絶対位置に対する、メモリ内に存在する周囲データおよび/または車両応答データおよび/または成功値に基づいて、少なくとも1つの支援システムパラメータを最適化する。
【0020】
1つの好まれる実施形態において、最適化モジュールは、場所固有の、および/または、時間固有の様式で支援システムパラメータを修正するように、設計および意図される。この最終目的のために、最適化モジュールは、個別の絶対位置に対して最適化される支援システムパラメータの関連付けを記憶する。割り当ては、さらには、支援システムパラメータが、場所依存および時間依存の両方の様式で運転者支援システムに対してあらかじめ規定されるように、時間次元を有し得る。
【0021】
運転者支援システムを参照して本明細書において説明される態様は、類似的に、例えば制御器により実現され得る開示される方法に適用される。この方法は、自動車両と関連付けられるメモリに対する適切な書き込みおよび読み出しアクセス動作を履行することにより遂行され得る。方法は、特に、ハードウェアまたはソフトウェア、さもなければ、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせの形で、自動車両の中で実現される。ハードウェアは、特に、デジタル信号処理器、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、ならびに、他の適したスイッチングおよび計算構成要素を含む。本発明による運転者支援システムは、特に、本発明による方法によって動作する。
【0022】
本発明のさらなる利点、特徴、および特性が、図を参照して、本発明の好まれる実施形態の説明を基にして解説される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による運転者支援システムの1つの例示的な実施形態の概略的な例解を示す図である。
【
図2】本発明による1つの例示的な実施形態による査定モジュールへの、および、査定モジュールからのデータ流れの概略的な例解を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1において示されるような、本発明による運転者支援システム100は、周囲センサシステム110に接続される制御器120を含む。運転者支援システム100は、自車両内に、すなわち、上記運転者支援システムを備え付けられる様態で設置され、自車両の運転者を、車両を運転することの課業から部分的に、または十二分に解放する、1つまたは複数の支援機能を実行する。
【0025】
周囲センサシステム110は、特に、車両内へと統合されるビデオカメラもしくは複数のビデオカメラ、赤外線カメラ、レーダセンサ、ライダセンサ、超音波センサ、および/または衛星支援絶対位置センサを含む。周囲センサシステム110を使用して取得される周囲データは、特に、物体、空間内の複数の方向においての物体位置、物体速度、物体縁、物体画像、物体距離、および、自車両とそれぞれの物体との間の、それらのデータから確定され得る相対的データである。物体は、道路標示、交通標識、または道路表面などの交通と関連性のある静的道路交通構成要素、および、人または車両などの運動構成要素の両方を意味すると理解される。制御器120は、周囲センサシステム110から、運転者支援システムにより処理され得る形式で、自動車両の周囲を表す周囲データを受信する。
【0026】
制御器120は、ユーザインターフェイス130に接続される。ユーザインターフェイス130は、タッチ感応画面であり得るものであり、あるいは、タッチ感応動作素子、ボタン、画面、光もしくは画像投影モジュール、拡声器、または触覚作動器などの、1つまたは複数の入力および/または出力装置を有するシステムにより形成され得る。
【0027】
制御器120は、運転者支援システム100の支援機能を実現する、適応性車台などの車両駆動機システム150に出力される支援機能制御信号を生成する。支援機能が、運転者への指示が支援機能制御信号によって始動させられることを可能とするならば、支援機能制御信号は、運転者支援システム100のユーザに支援情報を提供するユーザインターフェイス130に送信される。
【0028】
制御器120は、運転動力学センサ170から車両応答データを受信する。車両応答データは、空間内の様々な方向においての自速度、加速度、車輪速度、車輪スリップデータ、および/または操舵角などの、現在の車両状態および車両運動に関する情報を含む。
【0029】
査定モジュール160が、制御器120、運転動力学センサ170、および周囲センサシステム110に接続される。査定モジュールは、データ送信のために、制御器120への接続を介して、運転者支援システムのユーザインターフェイスおよびメモリ180に接続され得る。
【0030】
最も単純な場合において、制御器120は、それぞれの支援機能の機能的関係性を全体として含む、あらかじめ決定されたプログラムコードによって、周囲センサシステム110からの周囲データを評価する。機能的関係性は、運転者支援システム100が出荷されるときに、システムが開発されるときに確定される標準値(標準支援システムパラメータ)を伴って、あらかじめ加えられる、複数の支援システムパラメータを内包する。評価の結果は、例えば非常制動を開始するために車両駆動機システム150に制御器120が送信する支援制御信号である。代替案として、または加うるに、制御器は、支援機能に依存して、支援制御信号をユーザインターフェイス130に送信する。
【0031】
支援機能制御信号に基づいて、車両からの応答があり、これは、制動、又はユーザインターフェイス130を介しての警告信号の出力であり得る。車両の応答の間、すなわち、応答時間において、査定モジュール160は、制御器120を経て、または、運転動力学センサ170もしくは周囲センサシステム110から直接的に、支援機能制御信号により始動させられる車両応答に関係する車両応答データおよび/または周囲データを受信する。ユーザインターフェイス130に関しては、指示の成功裏の出力に関する確認が、査定モジュール160において受信され得る。査定モジュール160は、車両応答を表す車両応答データ、および/または、周囲データを、支援機能に固有の基準情報と相関させ、支援制御信号により生じさせられる車両応答が、基準情報により表される目標状態にどれだけ近くなるかを確定する。この査定は、査定モジュール160により確定される成功値を結果的に生じさせる。
【0032】
成功値に対して、しきい値の値が、査定モジュール160に対してあらかじめ規定され、査定モジュールは、上記しきい値の値がそれ未満への低下を受けるとき、支援機能の最適化を始動させる。最適化は、少なくとも1つの支援システムパラメータを調整することにより遂行される。
【0033】
支援システムパラメータの最適化は、制御器120内で実現され得る最適化モジュールにより引き受けられる。最適化モジュールは、知られている最適化方法、機械学習方法を使用して、または、1つもしくは複数の支援システムパラメータに対するあらかじめ決定された最適化規則によって動作する。
【0034】
第2の例示的な実施形態によれば、運転者支援システム100は、自動化された車台調整システムとして設計される。下記で別段に明示的に説述されない、または、上述の説明と矛盾しない限り、この例示的な実施形態は、上述で説明された例示的な実施形態と同一の様式で動作する。
【0035】
自動化された車台調整システムの周囲センサシステム110は、少なくともカメラと、衛星支援絶対位置センサとを含む。カメラは、車台調整システムに対する画像データを提供する。車台調整システムの制御器120は、前もって道路凹凸に関してカメラからの画像データを評価し、改善される運転快適性のために車台を自動的に調整する。光学モデルを使用して、制御器120は、画像データから、道路凹凸、および、車両に関するそれらの凹凸の位置を確定する。制御器120は、さらには、例えば、絶対位置センサ、例えばGPSモジュール、および/またはオドメトリを使用して、自車両の位置を決定する。自車両が、凹凸が記録された位置に達するならば、制御器120は、最も小さい可能なローリング運動によって凹凸を越えて車両を運動させるために、支援機能制御信号を車台制御器に出力する。車台は、運転者により手動で調整される必要がない。自動化された車台調整システムは、周囲データと支援制御信号との間の、または換言すれば、記録される凹凸と車台の調整との間の、認識アルゴリズム、制御アルゴリズム、および論理構成要素から形成される、支援機能関係性に対する利得因子、時間定数、およびしきい値の値などの、複数の支援システムパラメータを含む。自動化された車台調整システムの機能的関係性は、運転動力学モデルを含み得るものであり、そのモデルから、車両運動が、運転動力学データを基にして確定され得る。運転動力学モデルは、車両および/または周囲パラメータなどの定数モデルパラメータに関する想定を内包する。測定可能な車両応答データに物理的に結び付けられる、1つまたは複数のモデルパラメータは、本発明によれば、最適化可能な支援システムパラメータとして設計される。
【0036】
査定モジュール160は、制御器120上で、または、車台調整システムのさらなる制御器内で実現され、運転動力学センサ170からのデータなどの車両応答データ、例えば、x、y、およびz方向においての加速度、車輪速度、または、車輪スリップを検索することにより、基準情報を記録する。査定モジュール160は、あらかじめ規定された査定規則を使用して、車両応答データからの自動化された車台調整に対する成功値、すなわち、どれだけ良好に凹凸が補償されたかに関する指標を確定する。査定規則は、例えば、あらかじめ決定された最大加速度および/または位置的変位値が超過されたかどうかを検査することを含む。査定規則は、支援機能に対する目標判定基準、例えば、自動化された車台調整システムの場合においては、1つまたは複数の方向においての車両の変位の観点において測定される、有意なローリング運動の回避を内包する。査定規則を車両応答データに適用することの結果は、どれだけ良好に支援機能がそれぞれの支援状況において働いたか、ここでは、どれだけ良好に道路凹凸が補償されたかを指示する成功値である。
【0037】
代替案として、または加うるに、査定モジュール160は、ユーザインターフェイス130を介して支援システムのユーザに問い合わせを出力し、そのユーザインターフェイスにおいて、上記ユーザは、そのユーザが現在の状況において支援機能性によって満足させられたかどうかを査定することができる。ユーザ問い合わせが、ユーザインターフェイス130を介してユーザにより応答されないならば、車両応答データを基にした、上述で説明されたような成功値の自動化された確定が使用される。問い合わせが、ユーザインターフェイス130を介して追加的に行われるならば、査定規則は、車両応答データの査定を、ユーザ入力の形式でユーザインターフェイス130を介して受信される査定と組み合わせる。
【0038】
ユーザインターフェイス130を介してユーザにより帰還させられる成功値、車両応答データを査定することにより自動的に確定される成功値、または、組み合わせて確定される成功値を確定する後、査定モジュール160は、制御器120を促して、査定される状況に対する記録時間において記録される周囲データ、応答時間において記録される周囲データおよび/または車両応答データ、それぞれのデータに対するそれぞれの絶対車両位置および時間、ならびに、確定される成功値を、バッファメモリから長期メモリに移動させる。バッファメモリおよび長期メモリは、メモリ180の部分領域の形式で、制御器120により論理的に組織され得る。長期メモリの内容は、車両が非活動化されるときに維持され、制御器120の消去指令に応答して使用可能にされる。
【0039】
長期メモリへの、各々の新しい記入(entry)を機に、または、あらかじめ決定された数の記入の後に続いて周期的に、制御器120は、複数個の記入が、長期メモリ内に同じ場所に対して存在するかどうかを検査する。代替案として、または加うるに、制御器120は、各々の新しい記入を機に、または周期的に、車両応答データに対するしきい値超過の頻度など、記入の場所と無関係に、記憶されるデータにおいての相関に対して検査する。
【0040】
制御器120は、同じ場所においての複数個の記入の存在、または、高いz位置オフセットの場合においての少なくとも5回の劣った成功値の出現などの、最適化条件が存在するかどうかを検査し、最適化条件が満たされるならば、支援システムパラメータの最適化を開始する。自動化された車台調整システムは、制御アルゴリズムの利得因子などの、まさに1つの支援システムパラメータが調整されるように設計され得る。制御器120は、特に、車両応答データを使用して、複数の支援システムパラメータのうちのどれが最適化されるべきであるかを決定する。この最終目的のために、制御器120は、あらかじめ決定された割り当て、および、最適化規則を有し得る。例として、z方向においての加速度を表す車両応答データは、支援システムパラメータとして、z方向においての制振制御アルゴリズムに対する利得因子を割り当てられ得る。例として、規則として、それぞれの方向においての制振制御に対する利得因子が、それぞれの方向においての高い位置的オフセットの事象において、あらかじめ決定された値だけ増大されるということを実現することは可能である。代替案として、最適化されることになる支援システムパラメータは、制御器120上で実現されるニューラルネットワークにより確定される。選択される最適化規則、または、選択される機械学習方法に依存して、長期メモリ内に存在するすべてのデータを処理することは可能である。成功裏の最適化の場合において、最適化モジュールは、機能的関係性においての少なくとも1つの支援システムパラメータを、少なくとも1つの最適化された支援システムパラメータによって置換する。
【0041】
例示的な実施形態の1つの変形例において、支援システムパラメータは、時間的および/または局所的に制限される様式で調整される。成功しきい値の値がそれ未満への低下を複数個の回数受けた個別の場所に対して、この場所に対する支援システムパラメータが、かくして調整されることになる。代替案として、または加うるに、支援システムパラメータは、時刻および/または時期に固有の様式で調整され得る。例として、このことは、個別の時間固有の、および/または、場所固有の照明条件に起因して、カメラにより生起させられる系統的記録誤りの場合において好都合であり得る。潜在的可能性として調整され得る支援システムパラメータは、周囲データから道路凹凸を抽出する画像処理アルゴリズムにおいて照明条件に結び付けられるパラメータである。支援システムパラメータに対する場所固有の、および/または、時間固有の調整される値は、割り当て表内に記憶される。制御器120は、車両が同じ絶対位置にあるならば、標準支援システムパラメータよりも、割り当て表からの支援システムパラメータに優先権を与える。標準支援システムパラメータは、このパラメータが、少なくともそれがことによると最適化モジュールにより修正されるまで、何らの制限もなく、局所的および時間的に有効であるということを意味すると理解されるべきである。
【0042】
時間的および/または局所的に制限される調整に対して、代替案として、または加うるに、標準支援システムパラメータは、最適化モジュールにより修正される。このことは、総体的なシステム挙動を変化させることの効果を有する。制御器120は、複数の最適化条件を含み得るものであり、第1の最適化条件が存在するときに、支援システムパラメータの時間的および局所的に制限される調整を初期化すること、ならびに、第2の最適化条件が存在するときに、1つまたは複数の標準支援システムパラメータを最適化することを行うように設計され得る。
【0043】
さらなる例示的な実施形態によれば、運転者支援システムは、非常制動支援機構として設計される。下記で別段に明示的に説述されない、または、上述の説明と矛盾しない限り、この例示的な実施形態は、上述で説明された例示的な実施形態と同一の様式で動作する。周囲センサシステム110は、非常制動支援機構に対して、周囲データとして自車両の周囲内で記録される物体に関する距離データを提供する少なくとも1つの距離センサを含み、それらのデータを自車両に提供する。非常制動支援機構は、距離データ、および、自車両の速度から、衝突のおそれが存するかどうかを確定する。非常制動が非常制動システムにより始動させられるかどうか、および、いつ始動させられるかは、物体と自車両との間の距離、相対的速度、および、自車両の減速度能力などの、あらかじめ規定された判定基準を基にして、非常制動システムの制御器120により決定される。非常制動を始動させる支援機能制御信号を決定するとき、非常制動支援機構の制御器120は、相対的速度と、距離と、減速度能力との間の機能的関係性を処理する。減速度能力は、支援システムパラメータとして非常制動支援機構内に記憶され得るものであり、または、道路と自車両の車輪との間のあらかじめ規定された摩擦係数、もしくは、制動システムの摩耗状態などの、支援システムパラメータを含むモデルにより表され得る。支援システムパラメータは、自車両の出荷状態において、非常制動支援機構の開発の間に決定された標準支援システムパラメータを伴って、あらかじめ加えられる。
【0044】
制御器120内で実現され得る、または、別個の電子モジュールもしくは制御器として設計され得る、非常制動支援機構の査定モジュール160は、非常制動の間の制動挙動を記録する。例として、XおよびY方向においての減速度、車輪スリップ、ならびに/または、物体との関係においての距離プロファイルが、車両応答データとして記録される。成功値を確定するために、査定モジュール160は、測定もしくは平均化される車両応答データを、対応する標準支援システムパラメータ、例えば、X方向においての減速度と比較し、または、さらなる影響力を及ぼす因子を考慮に入れる査定規則を使用する。例として、査定規則は、非常制動操作によって達成されるような物体までの距離と、物体までの予測される距離との間の差、および、達成される減速度と、予測される減速度との間の差を組み合わせる。非常制動支援機構の成功値が、成功しきい値の値未満に低下するならば、少なくとも1つの支援システムパラメータが、車両応答データおよび/または周囲データを基にして、最適化モジュールにより最適化される。
【0045】
査定モジュール160は、例えば、支援機能制御信号がもはや有効でないということが、変化させられた周囲データに起因して、機能的関係性から明らかになることを理由に、非常制動支援機構の支援制御信号が制御器120により取り消されるかどうかを追加的に監視し得る。このことは、物体の一時的な正しくない認識、および/または、物体に関係する周囲データの正しくない確定により引き起こされ得る。支援制御信号の取り消しは、例えば、終結させられた制動処置、または、制御器120のステータス情報からの、車両応答データに基づいて、査定モジュール160により記録され、成功しきい値の値未満の成功値を加えられ得る。非常制動支援機構が正しくなく動作する状況が、かくして認識され、1つまたは複数の支援システムパラメータを最適化するために使用される。この場合においての最適化モジュールは、特に、正しくない認識の時間において記録される周囲データを処理する。
【0046】
さらなる例示的な実施形態によれば、運転者支援システムは、交通標識認識システムとして設計される。下記で別段に明示的に説述されない、または、上述の説明と矛盾しない限り、この例示的な実施形態は、上述で説明された例示的な実施形態と同一の様式で動作する。周囲センサシステム110は、交通標識認識システムに対して、少なくとも、知られている方法を使用して画像データから交通標識を確定するカメラと、自車両に対する位置データを提供する、GPSモジュールなどの絶対位置センサとを含む。交通標識認識システムは、さらには、車両との関係においての交通標識の位置を確定し得る。
【0047】
例えば他の道路使用者または群葉による、交通標識の一時的な隠しのために、カメラは、交通標識を、劣った程度に認識する、または、全く認識しないことがある。交通標識認識は、周囲データから交通標識を抽出するために、知られている画像処理方法を使用する。支援機能制御信号を生成するために、および、ユーザインターフェイス130を介して支援指示を出力するために、交通標識認識システムの制御器120により使用される、画像処理方法、および、それらの方法に関して展開する表示論理は、少なくとも1つの支援システムパラメータを含む。支援システムパラメータは、例えば、画像処理方法においてのパラメータ、および/または、しきい値の値、それらを基にした、交通標識のうちの1つを出力する、または出力しないための支援機能制御信号である。支援機能制御信号の結果として、認識される、もしくは認識されない交通標識、または、障害メッセージが、車両応答として、出力され、または出力されず、特に、表示され、または表示されない。
【0048】
査定モジュール160は、基準情報に対して、メモリ180、特に長期メモリ内の周囲データにアクセスし、そのメモリ内で、より早期の時間において認識および記憶された交通標識などの、知られている交通標識が、絶対位置と関連付けられる。
【0049】
成功値を確定するために、査定モジュール160は、表示、または、表示の欠如、または、正しくない表示を表す支援制御信号を、メモリ180から提供される基準情報と比較する。代替案として、または加うるに、成功値を確定するために、問い合わせが、ユーザインターフェイス130を介して制御され得る。代替案として、または加うるに、成功値を確定することは、運転動力学センサからの加速度データなどの車両応答データを記録することを含む。後者の測定量は、支援制御信号の結果として、自車両の運転者の挙動を組み込むために使用され得る。支援機能制御信号が、例えば支援機能制御信号に応答した制動処置によって、自車両の運転者が応答することなしに、自車両の現在の速度未満である速度限度の表示を生じさせるならば、このことは、交通標識認識システムにより、正しくない認識の指標として、成功値の確定へと組み込まれ得る。
【0050】
図2は、どのように査定モジュール160が基準情報との比較によって成功値を確定するかを概略的に例解する。査定モジュール160は、制御器120から支援機能制御信号を受信し、基準情報を確定する。自動化された車台調整システムに対して上述で説明されたように、基準情報を確定することは、運転動力学センサ170からの車両応答データが処理されることを含み得る。査定モジュール160は、車両応答データに対して、Z方向においての加速度を最小化することなど、基準情報として目標判定基準を考慮に入れる査定規則を含む。車両応答データは、特に、あらかじめ規定された査定規則を使用して、基準情報に関して査定される。
【0051】
代替案として、または加うるに、基準情報を確定することは、支援制御信号が基づく周囲データを、同じ絶対位置に対してメモリ180内に記憶される周囲データと比較することを含む。あらかじめ規定された基準情報との差は、成功値に関する下落につながり、目標判定基準と整合する、または、目標判定基準に達することは、成功値においての増大につながる。基準情報を確定することが、複数の上で述べられた代替案を含むならば、それぞれの個々の格付けが、互いに関して重み付けされる様式で考慮に入れられ得る。
【0052】
代替案として、または加うるに、ユーザインターフェイス130を介しての支援制御信号の運転者制御される査定が、査定モジュール160により制御され、成功値を確定するときに考慮に入れられ得る。
【0053】
さらには
図1の例示的な実施形態に対応する、1つの個別の実施形態において、運転者支援システム100の構成要素のすべては、カメラの共通の収納箱内に、カメラのレンズおよび撮像センサとともに統合される。
【0054】
上述で説明された変形例、ならびに、それらの構造的および動作的態様は、単に、構造、動作の方式、および特性の理解を向上させることに役立つものであり、それらは、本開示を、実例として、述べられた例示的な実施形態に限定しない。この場合において、図において、または、本文において開示される、動作の任意の方式、任意の原理、任意の技術的設計、および、任意の特徴が、自由に、および、所望されるように、本開示または本開示からの結果に内包される、特許請求の範囲、本文においての任意の特徴、動作の他の方式、原理、技術的改良、および特徴のすべてと組み合わされ得るものであり、そのことは、説明される手順のすべての想像可能な組み合わせが包含され得るということを意味する。この場合において、本文においての、すなわち、説明の各々の節においての、特許請求の範囲においての、個々の実施形態のすべての間の組み合わせ、ならびにさらには、本文においての、特許請求の範囲においての、および、図においての、異なる変形例の間の組み合わせが、さらには含まれる。特許請求の範囲は、さらには、本開示、およびかくして、すべての指示される特徴を互いと組み合わせることに対する選択案を制限しない。開示される特徴のすべては、明示的に、さらには、個々に、および、本明細書においての他の特徴のすべてと組み合わせて開示される。
<付記>
[形態1]
周囲センサシステムと、制御器と、査定モジュールとを含む、自動車両に対する運転者支援システムであって、前記制御器は、前記周囲センサシステムにより記録される周囲データに基づいて支援機能制御信号を確定することであって、前記支援機能制御信号は、少なくとも1つの支援システムパラメータ、および、前記記録される周囲データとのあらかじめ決定された機能的関係性を有すること、ならびに、支援機能を提供するように、前記支援機能制御信号を使用して前記車両を制御することを行うように、設計および意図され、前記査定モジュールは、基準情報を基にして前記支援機能制御信号に対する成功値を確定すること、および、前記成功値が成功しきい値の値未満に低下するならば、前記少なくとも1つの支援システムパラメータの最適化を始動させることを行うように、設計および意図される、運転者支援システム。
[形態2]
形態1に記載の運転者支援システムにおいて、前記査定モジュールは、運転動力学センサおよび/または周囲センサシステムに接続され得るものであり、前記運転動力学センサを使用して記録される車両応答データ、および/または、前記周囲センサシステムを使用して記録される周囲データから前記基準情報を確定するように、設計および意図される、運転者支援システム。
[形態3]
形態1または2に記載の運転者支援システムにおいて、前記制御器は、記録時間において周囲データを記録すること、ならびに、基準情報時間において車両応答データおよび/または周囲データを記録することを行うように、設計および意図される、運転者支援システム。
[形態4]
形態1から3の一項に記載の運転者支援システムにおいて、絶対位置センサと、絶対車両位置と関連付けられる周囲データおよび/または車両応答データを内包するメモリとを含み、前記査定モジュールは、前記絶対位置センサを使用して測定される現在の車両位置に対する、前記メモリの周囲データおよび/または車両応答データから基準情報を形成するように、設計および意図される、運転者支援システム。
[形態5]
形態1から4の一項に記載の運転者支援システムにおいて、ユーザインターフェイスをさらに含み、前記査定モジュールは、前記成功値を確定するために、ユーザ問い合わせを出力し、ユーザ入力を受信するように前記ユーザインターフェイスを制御するように、設計および意図される、運転者支援システム。
[形態6]
形態1から5の一項に記載の運転者支援システムにおいて、前記査定モジュールは、前記成功値を確定するために、前記絶対位置センサを使用して測定される現在の車両位置に対する、前記メモリ内に存在する周囲データおよび/もしくは車両応答データを、前記記録される周囲データおよび/もしくは車両応答データと、あらかじめ規定された順序で比較すること、少なくとも1つの目標判定基準に関して車両応答データを査定すること、ならびに/または、ユーザ問い合わせを出力し、ユーザ入力を受信するようにユーザインターフェイスを制御することを行うように、設計および意図される、運転者支援システム。
[形態7]
形態1から6の一項に記載の運転者支援システムにおいて、前記成功値、基準情報、車両応答データ、周囲データ、絶対位置データ、および時間データのうちの1つまたは複数に基づいて、前記支援システムパラメータを修正するように、設計および意図される、最適化モジュールを含む、運転者支援システム。
[形態8]
形態7に記載の運転者支援システムにおいて、前記最適化モジュールは、場所固有の、および/または、時間固有の様式で前記支援システムパラメータを修正するように、設計および意図される、運転者支援システム。
[形態9]
形態1から8の一項に記載の運転者支援システムにおいて、前記周囲センサシステムは、レンズと、撮像センサとを有するカメラを含み、前記制御器は、共通の収納箱内に、前記レンズおよび前記撮像センサとともに配置構成される、運転者支援システム。
[形態10]
制御器と、周囲センサシステムとを含む運転者支援システムの支持を伴う自動車両の支援される動作のための方法であって、前記周囲センサシステムは、周囲データを記録し、あらかじめ決定された機能的関係性が、少なくとも1つの支援機能制御信号を確定するために、前記制御器により、前記記録される周囲データ、および、少なくとも1つの支援システムパラメータに基づいて評価され、前記車両は、前記支援機能制御信号を使用して制御され、前記支援機能制御信号に関係する基準情報が記録され、前記支援制御信号に対する成功値が確定され、前記成功値が成功しきい値の値未満に低下するならば、前記支援システムパラメータの最適化が始動させられる、方法。
【符号の説明】
【0055】
100 運転者支援システム
110 周囲センサシステム
120 制御器
130 ユーザインターフェイス
150 車両駆動機システム
160 査定モジュール
170 運転動力学センサ
180 メモリ