(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】飲料を製造するためのポーションパック
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20240130BHJP
A47J 31/02 20060101ALI20240130BHJP
B65D 77/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
A47J31/06 160
A47J31/02
B65D77/00 E
(21)【出願番号】P 2021542214
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2020051139
(87)【国際公開番号】W WO2020152049
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】102019101533.2
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517010507
【氏名又は名称】メリッタ シングル ポーションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Melitta Single Portions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Marienstrasse 88, D-32425 Minden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ケアスティン フェルナンデス デ カルヴァーリョ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン パーンケ
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー フェルトマン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-169924(JP,A)
【文献】実開昭57-189519(JP,U)
【文献】実開昭61-169014(JP,U)
【文献】特表2016-539766(JP,A)
【文献】特開2013-035597(JP,A)
【文献】実開昭63-097624(JP,U)
【文献】実開昭58-049725(JP,U)
【文献】米国特許第05605710(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
B65D 77/00
B65D 5/00-5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲
料を製造するためのポーションパック(1,1’,1’’)であって、内部に抽出材料が配置されているフィルタ材料製の容器(2)と、前記フィルタ材料に結合された支持体(3,3’,3’’)とを備え、前記支持体(3,3’,3’’)は、複数の旋回可能なアーム(7,7’)を有し、該アーム(7,7’)は、前記容器(2)を閉鎖する位置から、前記容器(2)を開放する位置に旋回可能である、ポーションパック(1,1’,1’’)において、
前記支持体(3,3’,3’’)の前記旋回可能なアーム(7,7’)は、前記ポーションパック(1,1’,1’’)の閉鎖された位置において少なくとも2つの平面で互いに上下に配置されて
おり、
前記アーム(7,7’)は、端側に閉鎖手段(10,10’)を有し、
それぞれ少なくとも2つのアーム(7,7’)が、前記閉鎖手段(10,10’)を介して互いに機械的にロックされており、
前記ポーションパック(1)の前記閉鎖された位置において、少なくとも2つのアーム(7,7’)の互いにロックされた前記閉鎖手段(10,10’)は、第2の平面における少なくとも2つの別のアーム(7,7’)の互いにロックされた閉鎖手段(10,10’)よりも上側の第1の平面に配置されていることを特徴とする、
ポーションパック(1,1’,1’’)。
【請求項2】
前記ポーションパック(1,1’,1’’)は、前記閉鎖された位置で角錐形に形成されており、前記アーム(7,7’)は、角錐の先端(4)とは反対側に位置している側に設けられていることを特徴とする、請求項
1記載のポーションパック。
【請求項3】
各アーム(7,7’)は、実質的に三角形のフラップとして形成されていることを特徴とする、請求項1
または2記載のポーションパック。
【請求項4】
前記支持体(3,3’)は一体に製作されていて、各アーム(7,7’)を
、折り縁部を介して前記支持体(3)の側方の部分(6,6’)に結合していることを特徴とする、請求項1から
3までのいずれか1項記載のポーションパック。
【請求項5】
前記支持体(3,3’)は、前記フィルタ材料を環状に取り囲んで配置されていることを特徴とする、請求項1から
4までのいずれか1項記載のポーションパック。
【請求項6】
前記支持体(3,3’,3’’)はボール紙から製作されていることを特徴とする、請求項1から
5までのいずれか1項記載のポーションパック。
【請求項7】
前記支持体(3,3’,3’’)は6つのアーム(7,7’)を有し、それぞれ2つまたは3つのアーム(7)が、閉鎖手段(10)を介して互いにロックされており、ロックされた前記アーム(7,7’)は、それぞれ1つの共通の平面を形成していることを特徴とする、請求項1から
6までのいずれか1項記載のポーションパック。
【請求項8】
前記フィルタ材料製の容器(2)は前記アーム(7,7’)に接着されていることを特徴とする、請求項1から
7までのいずれか1項記載のポーションパック。
【請求項9】
前記フィルタ材料製の容器(2)は、側壁で前記支持体(3,3’,3’’)の
側方の部分(6,6’)に接着されていることを特徴とする、請求項1から
8までのいずれか1項記載のポーションパック。
【請求項10】
一番上側の両方の2つの前記アーム(7’)は、互いに係合する案内手段(21,22,23)を端側に備え、該案内手段(21,22,23)は、展開時の方向に沿って案内を生じさせることを特徴とする、請求項1から
9までのいずれか1項記載のポーションパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料、特にコーヒーを製造するためのポーションパックであって、内部に抽出材料が配置されているフィルタ材料製の容器と、フィルタ材料に結合された支持体とを備え、支持体は、複数の旋回可能なアームを有し、これらのアームは、容器を閉鎖する位置から、容器を開放する位置に旋回可能である、ポーションパックに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第268847号明細書に開示されたコーヒーフィルタは、容器に載着可能な保持フレームを有しており、この保持フレームに、上方に向かって開放したフィルタ袋が固定されている。コーヒーを抽出するために、フィルタ袋にコーヒー粉が充填され、次いで、手によって抽出を行うことができる。フィルタ袋への充填および抽出には、比較的手間がかかる。
【0003】
さらに、例えば欧州特許出願公開第1418135号明細書に開示された、コーヒーを製造するために閉鎖されたポーションパックが公知である。液体透過性のフィルタ材料内には、コーヒー粉が入れられており、この場合、コーヒーを調製するために、このコーヒー粉に熱湯を注ぐことができる。このようなポーションパックには、コーヒー粉が抽出過程中に十分に膨張することができず、さらに、新鮮なコーヒーの香りが機械内に留められてしまうという欠点がある。
【0004】
独国特許出願公開第102018101333号明細書に開示されたポーションパックは、支持体によって取り囲まれたフィルタ材料製の容器を備えている。容器は、上側で、多数のフラップによって閉鎖されており、それぞれのフラップは、機械式の閉鎖手段によって、隣接したフラップとロゼットロックの形式でロックされており、フラップは、ロックされた位置で1つの共通に形成された平面に配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゆえに、本発明の課題は、飲料調製のために開放することができ、閉鎖された位置で安定的に配置されている、飲料を製造するためのポーションパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1記載の特徴を有するポーションパックによって解決される。
【0007】
本発明に係るポーションパックは、フィルタ材料製の容器と、支持体とを備え、支持体は、複数の旋回可能なアームを有し、これらのアームは、容器を閉鎖する位置から、容器を開放する位置に旋回可能である。支持体の旋回可能なアームは、閉鎖された位置において少なくとも2つの平面で互いに上下に配置されている。これによって、ポーションパックの閉鎖部を特に安定的に形成することができる。なぜなら、アームが、異なる平面で互いに補強されるからである。アームは、少なくとも部分的に互いに上下に配置されてよく、これによって、ポーションパックは、大きな衝撃荷重にも耐え、誤って開放されることがない。このことは、ポーションパックの取扱いを改善し、ポーションパックは、誤って開放されることなく、満たされた位置で通常の高さから落下させることができる。
【0008】
1つの共通の平面を形成するアームは、好ましくは互いにロックされていて、互いに保持され合っているものの、ルーズに互いに上下に位置しているのではない。ルーズに互いに上下に位置している2つのアームは、2つの異なる平面に配置されている。
【0009】
好ましくは、アームは、端側に閉鎖手段を有する。閉鎖手段としては、例えば機械式のロックが働くことができ、このロックでは、それぞれ少なくとも2つのアームが互いにロックされている。ロックは、機械的に摩擦力によって行うことができ、ロック手段は、開放のために案内縁部に沿って一緒に旋回することができる。これは、閉鎖された位置におけるアームの機械的な固定のために役立ち、しかも、抽出過程のために、アームが均等に一緒に開放することを可能にする。閉鎖手段がポーションパックの材料から形成されていることは、生態系の観点からも経済的にも合理的である。追加的に、例えばステッカまたは接着点のような追加的な部分を使用することも可能であり、これによって、アームの少なくとも一部、例えば一番上側の平面に配置されたアームを、その上に接触させて固定することができる。
【0010】
好適な構成では、ポーションパックの閉鎖された位置において、少なくとも2つのアームの互いにロックされた閉鎖手段は、第2の平面における別の2つのアームを用いて互いにロックされた閉鎖手段よりも上側の第1の位置に配置されている。たとえ衝撃荷重が加えられて外側平面におけるアームが幾分開放したとしても、第2の平面におけるアームが容器を閉鎖状態に保つことができ、これによって、抽出材料がこぼれ出ることを阻止することができる。
【0011】
ポーションパックは、閉鎖された位置で、好ましくは角錐形に形成されている。このとき、旋回可能なアームは、角錐の先端とは反対側に位置している側に設けられている。各アームは、実質的に三角形のフラップとして形成されていてよく、これらのフラップは、開放された位置で容器の開口を開放している。
【0012】
支持体は一体に形成されていてよく、各アームは、折り縁部を介して支持体の側方の部分に結合されていてよい。支持体は、フィルタ材料を外側で環状に取り囲んで配置されていてもよいし、代替的には、内側でフィルタ材料内に配置されていてもよい。
【0013】
支持体がボール紙から製作されていると、ポーションパックの開放過程を、液体、特に熱湯を注ぐことによって行うことができる。これにより、折り縁部の湿潤によって、膨潤プロセスを開始することができ、この膨潤プロセスによって、アームまたはフラップの変形および開放旋回が引き起こされる。膨潤過程は、ボール紙または厚紙のような膨潤可能な材料では、折り縁部で相応の旋回運動を生じさせることができる。アームは、フィルタ材料に、特に接着によって結合されていてよく、これによって、フィルタ材料は、アームまたはフラップと一緒に開放された位置に旋回する。
【0014】
次に本発明の一実施例について、添付の図面を参照しながら詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ポーションパックを、開放された位置で示す斜視図である。
【
図2】ポーションパックを、閉鎖された位置で示す斜視図である。
【
図3】
図1に示したポーションパックの開放過程を示す図である。
【
図4】
図1に示したポーションパックの開放過程を示す図である。
【
図5】
図1に示したポーションパックの開放過程を示す図である。
【
図6】
図1に示したポーションパックの開放過程を示す図である。
【
図7】
図1に示したポーションパックの開放過程を示す図である。
【
図8】
図2~
図7に示したポーションパックのための支持体のカットを示す図である。
【
図9】ポーションパックを、部分的に開放された位置で示す断面図である。
【
図10A】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【
図10B】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【
図10C】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【
図10D】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【
図10E】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【
図10F】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【
図10G】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【
図10H】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【
図10I】本発明に係るポーションパックの別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ポーションパック1は、
図1に開放状態で示したフィルタ材料製の容器2を含んでおり、この容器2の周囲には支持体3が環状に配置されている。容器2は、液体透過性のフィルタ材料から、特に濾紙から製造されている。容器2は、実質的に角錐形に形成され、使用位置で下に配置された先端4を備えており、この先端4からは、フィルタ材料製の複数の側壁が上方に向かって拡開するように配置されており、これらの側壁は、側縁部5を介して互いに結合されている。
【0017】
支持体3は、ボール紙または厚紙から製作されていてよく、側方の部分6を含んでおり、これらの部分6は、側縁部で容器2のフィルタ材料に、例えば接着によって結合されていてよい。側方の部分6は、条片状に形成され、単に側壁の上側領域にだけ配置されている。これによって、先端4に隣接した領域ではフィルタ材料は、部分6によって覆われていない。
【0018】
支持体3は、側方の部分6に旋回可能なアーム7を含んでおり、これらのアーム7はそれぞれ、折り縁部8を介して側方の部分6に結合されている。図示の実施例では、6つのアーム7が設けられており、これらのアーム7は、実質的に三角形のフラップとして形成されていて、容器2の内室を六角形の形式で取り囲んでいる。アーム7には、フィルタ材料製の部分が、例えば接着によって固定されており、これによって、アーム7の運動時にはフィルタ材料も旋回する。それぞれのアーム7には、開放を容易にするために切欠き18が設けられている。アーム7の領域における切欠き18を省くことも可能である。
【0019】
それぞれのアーム7には、端側に閉鎖手段10が設けられており、この閉鎖手段10は、案内縁部16と係止突出部17とを有している。2つ、3つ、または4つのアーム7の閉鎖手段10は、閉鎖手段10を互いに向かって折ることによって、互いにロックさせることができる。
【0020】
容器2内には、抽出材料、特にコーヒー粉または茶葉が位置している。
【0021】
図2には、ポーションパック1が閉鎖された位置で示してあり、この位置でポーションパック1は、角錐形に形成されている。このようにして、ポーションパック1は、抽出飲料を調製するための機械に挿入することができる。
図1とは異なり、切欠き19は折り縁部8に至るまで延びておらず、幾分小さく形成されており、その他の点に関して
図2の実施例は、
図1の実施例に相当している。
【0022】
開放過程については、
図3~
図7を参照しながら詳説する。ポーションパック1を開放するためには、選択的に、手動でアーム7を開放するか、または液体、特に熱湯を注いでアーム7を開放することが可能であり、後者は、折り縁部8の領域における支持体3での膨潤プロセスを引き起こし、自動的な開放を生じさせる。
【0023】
図3では、3つのアーム7が幾分開放されており、これら3つのアーム7が、閉鎖手段10の領域で互いにオーバラップしていて、一緒にそれぞれの折り縁部8を中心として旋回可能であることを認識することができる。このとき、閉鎖手段10はロック解除されて、案内縁部16に沿って滑動する。別の3つのアーム7は、
図3ではなお閉鎖されたロックされた位置にあり、これによって、この位置でコーヒー粉の進出は、閉鎖された3つのアーム7によって阻止される。開放過程を説明するために、フィルタ材料は、
図3~
図7においてアーム7の領域では省かれている。
【0024】
図4には、
図3のポーションパック1が平面図で示してある。ポーションパック1に、矢印で象徴的に示したように衝撃荷重または押圧荷重が加えられると、場合によっては3つの上側のアーム7が開放するおそれがあり、これらのアーム7の閉鎖手段10は、閉鎖された位置で、3つの下側のアーム7の閉鎖手段10よりも上側に配置されている。しかしながら、ポーションパック1は閉鎖されたままである。なぜなら、3つの下側のアーム7の閉鎖手段10はロックされたままであるからである。剪断荷重によるねじれの場合には、方向に応じて、下側のアーム7または上側のアーム7の閉鎖手段10が閉鎖を安定化させる。なぜなら、案内縁部16および係止突出部17は、それぞれ交互に、一方の方向または他方の方向に向けられているからである。
【0025】
特に好適な構成では、係止されたアームは、
図9に示すように幾分内方に向かって傾けられている。このようになっていると、支持体3に対する押圧荷重を簡単に内方に向かって誘導することができる。したがって、一部開放されたポーションパック1でさえ、開放することなく、大きな押圧荷重に耐えることができる。なぜなら、アーム7は内方に向かって抽出材料に支持されることができるからである。この効果は、閉鎖手段の両平面が内方に向かって方向付けられている場合にさらに強くなる。
【0026】
図5では、3つの上側のアーム7が、90°を越えて旋回しているのに対して、3つの下側のアーム7は、閉鎖手段10を介してなおロックされている。図面から認識できるように、3つの下側のアーム7は、容器2をなお実質的に閉鎖しており、フィルタ材料は、下側のアーム7の領域において追加的にポーションパック1における開口をシールしている。
【0027】
図6で、下側のアーム7は幾分開放された位置で示してある。この位置で閉鎖手段10はロック解除される。
図7で、ポーションパック1は完全に開放された位置で示してあり、開放機構がより良好に見えるようにするために、アーム7の領域においてフィルタ材料は示してない。さらに、ポーションパック1もまた抽出材料によって満たされていない。
【0028】
ポーションパック1が、液体による膨潤プロセスによって開放されると、6つのアーム7はほぼ同時に開放し、下側のアーム7の閉鎖手段10よりも上側に配置されている上側の閉鎖手段10を備えたアーム7が、下側のアーム7よりも短時間だけ早く開放される。膨潤プロセスによってアーム7は、次いで、ほぼ同時に旋回する。
【0029】
図8には、支持体3のカットが示してある。支持体3は、ボール紙製の一体の部材として製作されていて、6つのアーム7を含んでおり、これらのアーム7は、それぞれ折り縁部8を介して側方の部分6に結合されている。側方の部分6は、環状に折り縁部33に沿って折ることができ、1つの端側の部分6には、結合ウェブ30が一体成形されており、この結合ウェブ30は、反対側に位置している側方の端部6に、例えば接着によって結合することができる。結合ウェブ30には切欠き31が設けられており、この切欠き31は、接着時における支持体3の方向付けのために、端側の側方の部分6における切欠き32と合致させることができる。フィルタ材料製のカットは、同様に一体に製作されていてよく、結合部分に沿って互いに接着されているか、または型押し加工によって結合されていてよく、これによって、バッグ形状の容器2を製造することができる。支持体3は、好ましくはフィルタ材料の外側に取り付けられ、しかしながら、追加的に、支持体3はフィルタ材料の内側にも設けられてよい。さらに、アーム7の数も変化させることができる。
【0030】
また、支持体3を単にアーム7の領域でだけフィルタ材料に、特に接着によって結合し、側方の部分6を単にルーズにフィルタ材料の周りに配置することも可能である。このようにすると、接着剤による抽出飲料に対する味覚的な影響が確実に回避される。
【0031】
図10A~10Dには、組立て時における変化形態によるポーションパック1’の別の実施例が示してある。液体透過性のフィルタ材料製の、特に濾紙製の容器2は、多数の三角形の側壁を含んでおり、これらの側壁は、折られた側縁部5’を介して互いに結合されている。容器2’は、組み立てられた位置で角錐形に形成され、下方に向けられた先端4’を備えている。それぞれの側壁は、上端部で折り縁部12を介して、フラップ状のカバー9に結合されている。折り縁部12は、使用位置で実質的に環状に配置されている。それぞれのカバー9は、側縁部5’の1つの部分を介して隣接したカバー9に結合されており、側縁部5’に隣接して三角形の部分11を有している。この部分11は、閉鎖された位置へのカバー9の折り動作を容易にする。容器2のカットには、さらに、結合ウェブ13が形成されており、この結合ウェブ13には、カットの、互いに反対側に位置している2つの端部を、特に接着によって互いに固定することができる。
【0032】
ポーションパック1’は、さらに、側方の部分6’を備えた支持体3’を含んでいる。側方の部分6’は、折り縁部8’を介して、実質的に三角形に形成されたそれぞれ1つの旋回可能なアーム7’に結合されている。アーム7’には、それぞれ1つまたは複数の開口または切欠き19’が形成されており、これらの切欠き19’は、容器2内への水の進入を容易にする。隣接したアーム7’は、それぞれ折り縁部33’を介して互いに結合されており、これらの折り縁部33’は、容器2’の側縁部5’に対して平行に配置されている。
【0033】
ポーションパック1’は、6つのアーム7’を含んでおり、4つのアーム7’のうちそれぞれ2つのアーム7’は、端側の閉鎖手段10’を介して互いに結合されている。それぞれの閉鎖手段10’は、案内縁部16’と、この案内縁部16’に対して角度を成して突出している係止突出部17’とを含んでいる。互いに接触している2つの係止突出部17’は、力によって荷重が加えられた場合に、両アーム7’を互いに支持するために役立つ。
【0034】
互いに反対側に位置している2つのアーム7’は、それぞれ互いにロックされ、これによって一平面に配置されている。別の2つのアーム7’は、既にロックされたアーム7’上にルーズに置かれ、これによって、ロックされた位置で第2の平面を形成する。両平面のそれぞれの平面で、それぞれ2つのアーム7’によって、力による容器2の押込みが回避され、互いにロックされた両アーム7’は、特にその折り縁部8’に対して垂直に支持を生じさせる。
【0035】
最後の2つのアーム7’は、追加的に同様に閉鎖手段10’を有していてよいが、図示の実施例では、単に案内手段だけを備えている。1つのアーム7’が、端側に条片状のウェブ21を有しており、このウェブ21は、他方のアーム7’に設けられた2つの突出部23によって形成された収容部22に挿入可能である。突出部23およびウェブ21によって、開放運動はアーム7’の開放旋回時に単に案内される。ここでは、ロックは、例えば接着ラベルのような別体の要素によって行われ、この要素は、熱湯を注いだ場合に解離可能であり、これによって、接着結合の解離後に、一番上側の両アーム7’を折り縁部8の領域における支持体での膨潤プロセスによって、開放位置に運動させることができる。その後、アーム7’は、カバー9との結合によってカバー9をそれぞれ展開された位置に引っ張る。
【0036】
それぞれの部分6’には、さらに、中央領域に凹部20’が形成されており、これによって、部分6’の下縁部は波形に形成されている。中央領域における凹部20’は、この領域におけるフィルタ材料のより良好な通流可能性を生じさせる。
【0037】
図10Aには、容器2のカットと支持体3’とが離れた状態で示してある。
図10Bでは、フィルタ材料製の容器2は支持体3’内に挿入されており、そこで接着することができ、このとき、接着点40は黒で示してある。フィルタ材料の接着は、部分6’の領域とアーム7’の領域とで行われる。さらに、支持体3’は結合ウェブ30’において接着され、これによって、結合ウェブ30’を最初に折り(
図10C)、次いで、
図10Dに示すように環状に配置することができる。
【0038】
フィルタ材料および支持体3’からブランクが製作された後、いまや、容器2’の内室を、
図10Eに示すように、抽出材料41、特にコーヒー粉によって満たすことができる。次いで、アーム7’の閉鎖が始まる。まず、アーム7’の第1の対が、端側のロック手段10を介してロックされる(
図10F)。ロックされた2つのアーム7’を備えた第1の平面には、いまや、
図10Gに示すように、2つの別のアーム7’がルーズに載置され、互いにロックされ、これによって、第2の平面が2つのアーム7’によって形成されている。
【0039】
いまや両アーム7’上に、互いに係合する案内手段を備えた最後の両アーム7’がルーズに載置される。条片状のウェブ21は、両突出部23の間の収容部22内に挿入され(
図10H)、次いで、最後の両アーム7’は、
図10Iに示すように、水によって解離可能な接着ラベル41を介して互いに固定される。最後の両アーム7’は、ウェブ21における縁部と収容部22における縁部との支持によって、最後の両アーム7’の折り縁部8’に対して垂直な力によって荷重が加えられた場合に補強部を形成する。
【0040】
ポーションパック1’の開放は、図示の実施例におけるように、対を成すアーム7’を相前後して展開することによって行われる。
【0041】
図11A~
図11Cには、ポーションパック1’’の別の実施例が示してある。このポーションパック1’’は、支持体3’’の2つの部分から成る構成を除いて、
図10におけるように形成されており、この支持体3’’は、2つの部分から形成されていて、ゆえに、互いに反対側に位置している2つの結合ウェブ30で接着されて1つの部分を形成する。フィルタ材料製の容器2は、
図10におけるように形成されている。
【符号の説明】
【0042】
1 ポーションパック
2 容器
3,3’,3’’ 支持体
4 先端
5 側縁部
6 部分
7,7’ アーム
8 折り縁部
9 カバー
10,10’ 閉鎖手段
11 部分
12 折り縁部
13 結合ウェブ
16,16’ 案内縁部
17,17’ 係止突出部
18 切欠き
19 切欠き
20’ 凹部
21 ウェブ
22 収容部
23 突出部
24 接着ラベル
30 結合ウェブ
31 切欠き
32 切欠き
33 折り縁部
40 接着点
41 接着ラベル