(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】船舶用の空気供給装置、空気供給装置を含む船舶および空気潤滑装置に空気を供給するための方法
(51)【国際特許分類】
B63B 1/38 20060101AFI20240130BHJP
B63J 3/02 20060101ALI20240130BHJP
B63H 21/14 20060101ALI20240130BHJP
F02B 37/00 20060101ALI20240130BHJP
F02B 37/007 20060101ALI20240130BHJP
F02B 37/18 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B63B1/38
B63J3/02 D
B63H21/14
F02B37/00 500B
F02B37/007
F02B37/18 Z
(21)【出願番号】P 2021557466
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2019057926
(87)【国際公開番号】W WO2020192932
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】522056149
【氏名又は名称】ターボ システムズ スウィッツァーランド リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Turbo Systems Switzerland Ltd
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 71a, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヤリ カイナエネン
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-076783(JP,A)
【文献】特開2009-114952(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0047768(KR,A)
【文献】特開2010-274905(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0079612(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0070814(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 1/38
B63J 3/02
B63H 21/14
F02B 37/00
F02B 37/007
F02B 37/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶用の空気供給装置(100)であって、
主コンプレッサ(111)と、主エンジン(120)の排気ガスによって駆動可能である主タービン(112)とを有する主ターボチャージャ(110)と、
補助コンプレッサ(131)と、前記主タービン(112)から供給される排気ガスによって駆動可能である補助タービン(132)とを有する補助ターボチャージャ(130)と、
前記船舶の抵抗を低減するための空気潤滑装置(140)と
を備え、
前記補助コンプレッサ(131)が、前記空気潤滑装置(140)に空気を供給するために、前記空気潤滑装置(140)に接続されている、空気供給装置(100)。
【請求項2】
前記主タービン(112)が、第1の排気ガス管(11)を介して前記主エンジン(120)の排気ガスレシーバ(122)に接続されており、前記第1の排気ガス管(11)が、前記排気ガスレシーバ(122)から前記主タービン(112)に供給される排気ガス流を制御するためのフローコントローラ(160)に接続されている、請求項1記載の空気供給装置(100)。
【請求項3】
前記補助タービン(132)が、第2の排気ガス管(12)を介して前記主タービン(112)に接続されており、前記第2の排気ガス管(12)が、前記主タービン(112)から前記補助タービン(132)に供給される排気ガス流を制御するためのバイパス弁(170)に接続されている、請求項1または2記載の空気供給装置(100)。
【請求項4】
前記主コンプレッサ(111)が、第1の空気供給管(16)、特に給気冷却器(150)を備える第1の空気供給管(16)を介して前記主エンジン(120)の空気レシーバ(121)に接続されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の空気供給装置(100)。
【請求項5】
前記補助コンプレッサ(131)が、第2の空気供給管(17)を介して前記空気潤滑装置(140)に接続されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の空気供給装置(100)。
【請求項6】
前記フローコントローラ(160)が、前記主タービン(112)を迂回する第1のバイパス配管(13)に設けられている、請求項
2記載の空気供給装置(100)。
【請求項7】
前記バイパス弁(170)が、前記補助タービン(132)を迂回する第2のバイパス配管(14)に設けられている、請求項
3記載の空気供給装置(100)。
【請求項8】
請求項1から
7までのいずれか1項記載の空気供給装置(100)を備える船舶(200)。
【請求項9】
船舶の空気潤滑装置(140)に空気を供給する方法(300)であって、
前記船舶を駆動するための主エンジン(120)に過給するために使用される主ターボチャージャ(110)の主タービン(112)からの排気ガスを使用することによって、補助ターボチャージャ(130)を駆動すること(310)と、
前記補助ターボチャージャ(130)の補助コンプレッサ(131)から前記空気潤滑装置(140)に空気を供給すること(320)と、
を含む方法(300)。
【請求項10】
特に前記主タービン(112)を迂回する第1のバイパス配管(13)に設けられているフローコントローラ(160)を使用すること(331)によって、前記主タービン(112)に供給される排気ガス流を制御して、前記補助ターボチャージャ(130)の回転速度を制御することにより、前記空気潤滑装置(140)に供給される空気の量を制御すること(330)をさらに含む、請求項9記載の方法(300)。
【請求項11】
補助タービン(132)を迂回する第2のバイパス配管(14)に設けられているバイパス弁(170)を使用すること(332)によって、前記補助タービン(132)に供給される排気ガス流を制御して、前記補助ターボチャージャ(130)の回転速度を制御することにより、前記空気潤滑装置(140)に供給される空気の量を制御すること(330)をさらに含む、請求項9または10記載の方法(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、水の摩擦抵抗を低減するための空気潤滑型の船舶の空気供給装置に関する。さらに、本開示の実施形態は、船舶の空気潤滑装置に空気を供給する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、船舶は、航海中に船底の潜水表面で水の摩擦抵抗を受ける。特に、例えば貨物船舶のような大型船舶の場合、船体の抵抗の大部分は、船底での外側の水の相対的な流れによって生じる摩擦抵抗に起因する。
【0003】
船体の摩擦抵抗を低減するために、特に船体の周囲に空気を排出することによって、空気潤滑を利用することができる。摩擦抵抗の低減は、燃費向上効果が大きく、ひいては、船舶のCO2排出量を削減する効果的な手段となる。
【0004】
技術水準では、船体潤滑用の気泡を発生させるための様々なシステムおよびアプローチが存在する。例えば、船体潤滑のための気泡の生成のために、従来技術は、駆動エンジンの排気ガスを直接使用するか、または別個の電気コンプレッサまたは電気送風機を使用することを教示している。しかしながら、船体潤滑の既知のシステムは、特にエネルギー消費の点で幾つかの欠点を有している。
【0005】
したがって、上記を考慮すると、船舶用の空気供給装置および船舶の空気潤滑装置に空気を供給する方法を改良して、特にエネルギー消費に関する技術水準の問題を少なくとも部分的に克服することが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みて、独立請求項に記載の、船舶用の空気供給装置および船舶の空気潤滑装置に空気を供給する方法が提供される。更なる態様、利点および特徴は、従属請求項、明細書および添付の図面から明らかである。
【0007】
本開示の一態様によれば、船舶用の空気供給装置が提供される。空気供給装置は、主コンプレッサと主タービンとを有する主ターボチャージャを含む。主タービンは、主エンジンの排気ガスによって駆動可能である。付加的に、空気供給装置は、補助コンプレッサと補助タービンとを有する補助ターボチャージャを含む。補助タービンは、主タービンから供給される排気ガスによって駆動可能である。さらに、空気供給装置は、船舶の抵抗を低減するための空気潤滑装置を含む。補助コンプレッサは、空気潤滑装置に空気を供給するために、空気潤滑装置に接続されている。
【0008】
したがって、本開示の空気供給装置は、空気潤滑型の船舶に使用される従来の装置と比較して改良されている。特に、本明細書に記載の空気供給装置の実施形態は、エネルギー効率に関して改善されている。より詳細には、本明細書に記載の実施形態により、主ターボチャージャの下流に補助ターボチャージャを備えた空気供給装置を提供することにより、空気潤滑装置用の低圧圧縮空気の塊を高いエネルギー効率で発生させることができるという利点が得られる。したがって、より一般的に言えば、ターボチャージャ付き船舶用エンジンには、エンジンの主ターボチャージャで膨張した後の排気ガスに関連したエネルギーを補助ターボチャージャの駆動に有利に使用することができるように、補助ターボチャージャを装備することができる。補助ターボチャージャは、低圧の空気を大量に圧縮し、続いて、船舶の、水と船体との摩擦を低減するために、船体の下に気泡を生成させるための空気潤滑装置に供給するために使用される。船体の摩擦が少ないため、船舶のエネルギー使用量が全体的に削減される。
【0009】
さらに、従来では、主ターボチャージャからの排気ガスが排気管を通して捨てられることに留意されたい。したがって、主ターボチャージャからの排気ガスを使用して、空気潤滑装置に空気を供給するために使用される補助ターボチャージャを駆動することにより、船舶の燃料効率を大幅に改善することができる。換言すれば、本開示の実施形態は、船舶の全体的なエネルギー効率を向上させて燃料を節約し、それによって、運用コストを削減する可能性を有利に提供する。
【0010】
本開示の更なる態様によれば、本明細書に記載のいずれかの実施形態による空気供給装置を含む船舶が提供される。
【0011】
本開示の別の態様によれば、船舶の空気潤滑装置に空気を供給する方法が提供される。この方法は、主ターボチャージャの主タービンからの排気ガスを使用することによって、補助ターボチャージャを駆動することを含む。主ターボチャージャは、船舶を駆動するための主エンジンに過給するために使用される。さらに、この方法は、補助ターボチャージャの補助コンプレッサから空気潤滑装置に空気を供給することを含む。
【0012】
したがって、本開示の実施形態は、空気供給装置、空気供給装置を含む船舶および船舶の空気潤滑装置に空気を供給する方法を提供し、これらは、運用コストを削減することができるようにエネルギー効率に関して改良されていることを理解されたい。特に、本明細書に記載の実施形態を採用することにより、エネルギー効率を5%~10%またはそれ以上向上させることができる。
【0013】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができる。添付の図面は、本開示の実施形態に関連し、以下に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本明細書に記載の実施形態による空気供給装置の概略図である。
【
図2】本明細書に記載の更なる実施形態による空気供給装置の概略図である。
【
図3】本明細書に記載の実施形態による、船舶の空気潤滑装置に空気を供給する方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、様々な実施形態を詳細に参照し、その1つ以上の例を各図に示す。各例は説明のために提供されており、限定を意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示または記載された特徴は、他の任意の実施形態でまたは他の任意の実施形態と組み合わせて使用されて、さらに別の実施形態を生み出すことができる。本開示は、そのような修正および変形を含むことが意図されている。
【0016】
以下の図面の説明内で、同一の参照番号は、同一のまたは類似のコンポーネントを指す。全体的に、個々の実施形態に関する相違のみが説明されている。別段の指定がない限り、一実施形態における部品または態様の説明は、別の実施形態における対応する部品または態様にも適用することができる。
【0017】
図1および
図2を例示的に参照して、本開示による空気供給装置100について説明する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、空気供給装置100は、主コンプレッサ111と主タービン112とを有する主ターボチャージャ110を含む。典型的には、主コンプレッサ111は、第1の空気供給管16を介して主エンジン120に接続されている。主タービン112は、典型的には、第1の排気ガス管11を介して主エンジン120に接続されている。主タービン112は、主エンジン120の排気ガスによって駆動可能である。
【0018】
より詳細には、
図2に例示的に示されているように、主コンプレッサ111は、第1の空気供給管16を介して主エンジン120の空気レシーバ121に接続することができる。特に、第1の空気供給管16は、
図2に概略的に示されているように、給気冷却器150を含むことができる。
【0019】
付加的に、
図1および
図2に例示的に示されるように、空気供給装置100は、補助コンプレッサ131と補助タービン132とを有する補助ターボチャージャ130を含む。補助タービン132は、主タービン112から供給される排気ガスによって駆動可能である。特に、典型的には、補助タービン132は、第2の排気ガス管12を介して主タービン112に接続されている。
図1および
図2に例示的に示されるように、典型的には、主コンプレッサ111および補助コンプレッサ131に空気を供給するために、空気取入口18が設けられている。また、排気ガス出口配管15を設けることもできる。特に、排気ガス出口配管15は、補助タービン132に接続することができる。
【0020】
また、
図1および
図2に概略的に示すように、空気供給装置100は、船舶の抵抗を低減するための空気潤滑装置140を含む。補助コンプレッサ131は、空気潤滑装置140に空気を供給するために、特に第2の空気供給管17を介して空気潤滑装置140に接続されている。特に、空気潤滑装置140は、船体潤滑のための気泡を生成するために構成されている。より詳細には、典型的には、空気潤滑装置は、喫水線の下の船体の外面に空気を排出することによって、船体の底面に空気層を生成または形成するように構成されている。これにより、船舶と水との間の摩擦抵抗を有利に低減することができる。
【0021】
したがって、本明細書に記載の空気供給装置の実施形態は、空気潤滑型の船舶に使用される従来の装置と比較して、改良されたエネルギー効率を有利に提供する。特に、主ターボチャージャの下流に補助ターボチャージャを備えた空気供給装置を提供することにより、空気潤滑装置用の低圧圧縮空気の塊を高いエネルギー効率で発生させることができるという利点が得られる。さらに、本明細書に記載の実施形態による空気供給装置は、自己調整可能であるという利点を有する。より詳細には、船舶を速く駆動するほど、主ターボチャージャから補助ターボチャージャへの圧力が高くなり、空気潤滑装置への空気供給が増加し、ひいては船体の下でより多くの気泡が生成され、船舶の、水と船体との摩擦が低減する。
【0022】
図2を例示的に参照すると、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、主タービン112は、例えば第1の排気ガス管11を介して、主エンジン120の排気ガスレシーバ122に接続されている。特に、
図2に示すように、第1の排気ガス管11は、排気ガスレシーバ122から主タービン112に供給される排気ガス流を制御するためのフローコントローラ160に接続することができる。フローコントローラ160は、主タービン112を迂回する第1のバイパス配管13に設けることができる。したがって、有利には、主エンジン120から主タービン112に供給される排気ガスの量を制御することができる。その結果、フローコントローラ160を使用して、主タービン112の速度ひいては主タービン112から補助タービン132に供給される排気ガスの量を制御し、それによって、補助ターボチャージャ130の速度を制御することができる。したがって、補助ターボチャージャ130の速度を制御することによって、補助コンプレッサ131から空気潤滑装置140に供給される空気の量を制御することができる。
【0023】
さらに、
図2に例示的に示されるように、第2の排気ガス管12は、主タービン112から補助タービン132に供給される排気ガス流を制御するためのバイパス弁170に接続することができる。より詳細には、バイパス弁170は、補助タービン132を迂回する第2のバイパス配管14に設けることができる。したがって、有利には、主タービン112から補助タービン132に供給される排気ガスの量を制御することができる。その結果、バイパス弁170を使用して、補助ターボチャージャ130の速度ひいては補助コンプレッサ131から空気潤滑装置140に供給される空気の量を制御することができる。
【0024】
したがって、
図1および
図2から、本開示の別の態様によれば、本明細書に記載のいずれかの実施形態による空気供給装置を含む船舶200が提供されることを理解されたい。したがって、水と船体との摩擦を低減するためのよりエネルギー効率の高いシステムを備えた船舶を提供することができ、その結果、全体的な運用コストを削減することができる。
【0025】
図3に示されるフローチャートを例示的に参照して、本開示による船舶の空気潤滑装置に空気を供給する方法300の実施形態が説明する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、この方法は、主ターボチャージャ110の主タービン112からの排気ガスを使用することによって、補助ターボチャージャ130を駆動すること(
図3のブロック310で表されている)を含む。主ターボチャージャ110は、船舶を駆動するための主エンジン120に過給するために使用される。さらに、方法300は、補助ターボチャージャ130の補助コンプレッサ131から空気潤滑装置140に空気を供給すること(
図3のブロック320によって表されている)を含む。
【0026】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、方法300は、補助ターボチャージャ130の回転速度を制御することによって、空気潤滑装置140に供給される空気の量を制御すること(
図3のブロック330で表されている)をさらに含む。補助ターボチャージャ130の回転速度は、例えば、フローコントローラ160を使用すること(
図3のブロック331によって表されている)により、主タービン112に供給される排気ガス流を制御することによって制御することができる。特に、フローコントローラ160は、
図2に例示的に示されるように、主タービン112を迂回する第1のバイパス配管13に設けることができる。付加的または代替的に、補助タービン132に供給される排気ガス流は、
図2に例示的に示されるように、バイパス弁170を使用すること(
図3のブロック332によって表されている)によって制御することができる。バイパス弁170は、補助タービン132を迂回する第2のバイパス配管14に設けることができる。
【0027】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、船舶の空気潤滑装置に空気を供給する方法300は、本開示に記載されているいずれかの実施形態による空気供給装置を使用することによって実行することができることを理解されたい。
【0028】
したがって、上記を考慮して、技術水準と比較して、本明細書に記載の実施形態は、燃料を節約してCO2排出量を削減することができるように、船舶のエネルギー効率を、特に10%以上向上させることを有利に提供することを理解されたい。したがって、本開示の実施形態を採用することにより、運用コストの削減を達成することができる。
【0029】
さらに、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、ターボチャージャ付き船舶用エンジンには、エンジンの1つ以上の主ターボチャージャで膨張した後の残りの排気ガス圧力を主にまたは部分的に使用する1つ以上の補助ターボチャージャを装備することができる。1つ以上の補助ターボチャージャを使用して、低圧空気(~1.0bar)を大量に圧縮することができる。圧縮空気は、船体に対する滑り摩擦が水よりも小さい気泡として船体の下に供給することができるため、船体全体の滑り摩擦を低減することができる。船体潤滑が作用すると、船体の摩擦が低減し、船速が増加し、必要なプロペラ出力が削減される。これにより、船舶のより速い速度とより良い燃費とを達成することができる。
【0030】
前述の内容は実施形態を対象としているが、他の更なる実施形態は、基本的な範囲から逸脱することなく創作することができ、範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0031】
11 第1の排気ガス管
12 第2の排気ガス管
13 第1のバイパス配管
14 第2のバイパス配管
15 排気ガス出口配管
16 第1の空気供給管
17 第2の空気供給管
18 空気取入口
100 空気供給装置
110 主ターボチャージャ
111 主コンプレッサ
112 主タービン
113 シャフト
120 主エンジン
121 空気レシーバ
122 排気ガスレシーバ
130 補助ターボチャージャ
131 補助コンプレッサ
132 補助タービン
140 空気潤滑装置
150 給気冷却器
160 フローコントローラ
170 バイパス弁
200 船舶
300 空気潤滑装置に空気を供給する方法
310,320,330,331,332 本開示に記載されている方法のステップを表すブロック