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  • 特許-平面ガラスを製造する装置および方法 図1A
  • 特許-平面ガラスを製造する装置および方法 図1B
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  • 特許-平面ガラスを製造する装置および方法 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】平面ガラスを製造する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 23/037 20060101AFI20240130BHJP
   C03B 17/06 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
C03B23/037
C03B17/06
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022003539
(22)【出願日】2022-01-13
(62)【分割の表示】P 2020523250の分割
【原出願日】2018-10-17
(65)【公開番号】P2022050613
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】102017125290.8
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フランク ビュレスフェルト
(72)【発明者】
【氏名】ドリス モーゼラー
(72)【発明者】
【氏名】アクセル オーリンガー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ラングスドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ローター ヴィルメス
【審査官】若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/047210(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/088868(WO,A1)
【文献】特開2016-056060(JP,A)
【文献】特表2014-517805(JP,A)
【文献】特開2017-186227(JP,A)
【文献】特許第7011062(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 1/00-40/04
C03C 1/00-29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面ガラスにおいて、
ファイヤポリッシュされた少なくとも2つの表面および0.01-3×10-5×(1/K)×(Va-EW)+2.8×10-8×(1/K)×(Va-EW)未満の相対的なTTVを有しており、前記Vaは加工温度であり、前記EWは軟化点であり、
前記平面ガラスは、0.5mm未満の厚さを有し、最高5重量%のAlを有し、最大6nmの最大断面高さRtを有する、
平面ガラス。
【請求項2】
前記平面ガラスは、10から1000mm、少なくとも50mm、少なくとも100mmまたは少なくとも200mmの幅を有する、
請求項1記載の平面ガラス。
【請求項3】
前記相対的なTTVは、0.01未満、0.009未満、0.007未満または0.005未満である、
請求項1または2記載の平面ガラス。
【請求項4】
前記相対的なTTVは、0.01未満であり、
EWとVaの間隔は、500K未満、450K未満または150K未満である、
請求項1から3までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項5】
前記平面ガラスは、最大5nm、最大3nmまたは最大1nmの二乗平均平方根粗さ(Rq)と、最大4nmまたは最大2nmの最大断面高さRtと、を有する、
請求項1から4までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項6】
前記平面ガラスは、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ゲルマネートガラス、カルコゲナイドガラス、アルカリケイ酸塩ガラス、アルカリ土類ケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、チタンケイ酸塩ガラス、ランタンホウ酸塩ガラス、フルオロリン酸塩ガラス、重フリントガラス、色ガラスおよびホウケイ酸ガラスを含む群から選択されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項7】
前記平面ガラスは、
-少なくとも20重量%および最高85重量%のSiO
-少なくとも3重量%のアルカリ金属酸化物、
-最高15重量%のB
および/または
-最高3重量%のZrOを有している、
請求項1から6までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項8】
以下の成分
【表1】
を含む、
請求項1から7までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項9】
以下の成分
【表2】
を含む、
請求項1から7までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項10】
以下の成分
【表3】
を含み、
ΣROは、アルカリ土類酸化物とZnOの和であり、
ΣR Oは、アルカリ金属酸化物の和である、
請求項1から6までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項11】
以下の成分
【表4】
を含み、
ΣROは、アルカリ土類酸化物とZnOの和であり、
ΣR Oは、アルカリ金属酸化物の和である、
請求項1から6までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項12】
前記平面ガラスは、1000ppm未満、500ppm未満または100ppm未満のPb、Cd、NiおよびAsを含む、
請求項1から11までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項13】
前記平面ガラスは、ガラス帯材、ガラス板またはガラスウェハとして設計されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の平面ガラス。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の平面ガラスを含むガラス物品であって、
前記ガラス物品は、炉遮蔽体、OLEDカバー、光学フィルタおよび光学構成素子を含む群から選択されている、
ガラス物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面ガラスを製造する装置および方法ならびに平面ガラスに関する。
【0002】
本発明による平面ガラスはとりわけ、例えばOLEDカバー、光学フィルタもしくは別の光学構成素子、MEMS、センサ用基板、ディスプレイまたはカバーガラスの製造に適した薄平面ガラスおよび極薄平面ガラスである。このようなガラスは延伸法により製造される。ガラスが薄いほど、均一な厚さ-つまり小さなTTV-を有する平面ガラスを得ることは難しくなる。ガラス製品の厚さの不均一性の1つの理由は、熱間成形中の温度変動に見ることができる。ガラスの粘度は温度に左右されるため、温度が変動すると、結果的に粘度も変動することになる。延伸過程中のガラス体の粘度の変動は、極度に高いTTVを招くことになる。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、特に小さなTTVを有する平面ガラスを製造するための様々な手段が講じられた。このためには、熱間成形領域を周囲から可能な限り十分に隔離すべき遮蔽体も使用された(国際公開第2017095791号、国際公開第2012166446号参照)。
【0004】
遮蔽体は従来技術において、熱間成形領域への汚れの侵入を回避するためにも使用された(国際公開第2016085778号参照)。
【0005】
上述した使用分野のための平面ガラスの1つの重要な特性は、無傷の表面である。特にダウンドロー、オーバフローフュージョンおよびリドロー等の延伸法で製造され得る平面ガラスの表面は、特に無傷の特性という点において優れている。「ファイヤポリッシュされた」表面と言われる。これらの無傷の表面を保護するために、装置部分と延伸されたガラス帯材との如何なる接触も回避される。よって、遮蔽体とガラス帯材との間の望ましくない接触を排除するために、従来技術では遮蔽体開口が常に比較的大きく保たれた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、厚さの均一性に関して、従来技術に基づくガラスよりも優れた平面ガラスが入手可能になる装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、特許請求項の対象により解決される。
【0008】
方法
本発明では、ファイヤポリッシュされた少なくとも2つの表面を備えた平面ガラスを製造する方法において、熱間成形ゾーンが設けられており、熱間成形ゾーン内でガラス帯材のガラスが、ガラスの加工温度Vを有する温度領域を通走するようにし、ガラス帯材のガラスがその加工温度Vaを有する領域と、ガラスがその転移温度Tgを有する領域と、の間のガス空間を熱的に分離するための遮蔽体が設けられており、遮蔽体は、ガラス帯材を通して移動させることができる開口を形成している。当該方法は、遮蔽体を高温のガラス帯材に、少なくとも2つの面における少なくとも各1つの点において接触させることを特徴とする。
【0009】
本発明では、当該方法は好適には、成形可能なガラス部分に対する引張り力の作用に基づき、ガラス帯材から薄くされたガラス帯材を得る成形ステップを有している。好適には、ガラスの加工温度Vを有する温度領域をガラスが通走する熱間成形ゾーンが設けられている。好適には、熱間成形ゾーンは、熱間成形ゾーンのガス空間を熱的に分離するための少なくとも1つの遮蔽体を有しており、この場合、遮蔽体は、ガラス帯材を通して移動させることができる開口を形成しており、遮蔽体は、少なくとも2つの面における少なくとも各1つの点において、ガラス帯材に接触する。
【0010】
「平面ガラス」は、定義的にはその幅および長さが、その厚さよりも大幅に大きなガラス体である。厚さは、本発明では好適には特に5mm未満、より好適には2mm未満、さらに好適には1mm未満、より好適には750μm未満、さらに好適には500μm未満、特に好適には250μm未満である。幅は、好適には少なくとも100mm、さらに好適には少なくとも200mm、より好適には少なくとも300mm、特に好適には少なくとも400mmである。長さは、基本的には制限されていない。それというのも、多くの延伸法において極めて長いガラスが製造可能だからである。典型的には、長さは100mm超、好適には250mm超、特に好適には500mm超である。本発明による平面ガラスは、矩形の基底面を有していてよいが、本発明による丸形のまたは任意に成形された平面ガラスも存在する。
【0011】
本発明により好適には当該方法の最中にガラス帯材の成形可能なガラス部分に作用する引張り力は、好適には少なくとも1N、特に少なくとも5Nまたは少なくとも10Nである。ガラス帯材を十分に変形させるためには、最小の引張り力が好適である。所要引張り力は、選択された温度におけるガラスの粘度に左右される。ガラスが極度に大きな引張り力でもって延伸させられると、所望のガラス厚さは得られず、ガラス帯材が裂断する恐れがある。よって、最大引張り力は、好適には400N、特に200N、特に好適には100Nに制限されている。
【0012】
本発明による方法では、特にガラス帯材から薄くされたガラス帯材が得られる。この場合、ガラス帯材は、あらゆる任意の形態を有していてよい。リドロー法の枠内で、「ガラス帯材」という用語には、成形過程において引き出され、薄くされたガラス帯材を形成する、いわゆるプリフォームが含まれる。ダウンドロー法またはオーバフローフュージョン法の枠内で、ガラス帯材は、スリットが設けられた延伸槽からの流出(ダウンドロー)もしくは延伸槽の端部における合流(オーバフローフュージョン)または延伸槽の下側での合流(新ダウンドロー)後に、最初はまだ液状である、溶融ガラスである。薄くされたガラス帯材は、場合により存在する後加工ステップ前の、特に辺縁部の切断および/または分離前の熱間成形の産物である。
【0013】
特に好適な実施形態では、本発明による方法はリドロー法であり、ガラス帯材はプリフォームである。この場合、プリフォームは初期厚さDおよび初期幅Bから目標厚さdおよび目標幅bに延伸される。延伸法でガラスはより薄くなるため、dはDよりも大幅に小さくなっている。幅Bは、厚さDに比べて減少が少ない。つまりD/dは、B/bよりも大きい、と言える。
【0014】
加工温度Vは、ガラス帯材を成すガラスが10dPasの粘度を有する温度である。軟化温度EWは、ガラス帯材を成すガラスが107.6dPasの粘度を有する温度に相当する。転移温度Tgは、ガラスが1013dPasの粘度を有する温度である。
【0015】
本発明では、-好適には実質的に水平に配置された-遮蔽体はガラス帯材に、少なくとも2つの面において接触する。これにより、当該方法の最中に、ガラス帯材に対する遮蔽体の間隔が一定に保たれると共に、遮蔽体の上下のガス空間が十分に離されている、ということが達成される。これにより、2つのガス空間の間の鉛直方向の対流が制限されひいては温度変動が小さくなる。ガラス帯材-および特に薄くされたガラス帯材-は、製造方法の最中にその位置を変化させやすい傾向にある。このことは一方では、この場合に関係する延伸法では既に空気の動きによりその位置に影響が及ぼされることもある極薄のガラス帯材が製造可能である、ということに起因する。他方では、当該方法において使用する装置は一般に少なくとも部分的に、熱の影響下で比較的大幅に膨張する金属から構成されている。これにより、装置におけるガラス帯材の位置変化が生じることになる。本発明の枠内で好適なリドロー法の場合にはさらに、プリフォームの厚さの絶対的な変動が著しい場合があるため、予熱ゾーンと熱間成形ゾーンとの間の遮蔽体については、前記変動を考慮する必要がある。従来技術では、ガラス体の、熱間成形ゾーンへの流入および/または熱間成形ゾーンからの流出を可能にした開口は、ガラス帯材が遮蔽体にぶつかること無しに前記位置変化を可能にするように、適当な大きさに選択する必要があった。本発明による構成手段では、遮蔽体とガラス帯材との間に、常に均一な間隔が保証されている。
【0016】
1つの実施形態では、遮蔽体はガラス帯材に、2つの面においてのみ接触している。遮蔽体が接触する面は、特に最大表面、ここでは上面および下面と呼ぶ。このために遮蔽体は、ガラス帯材の各面に接触する複数の接触部分を有していてよい。この場合、接触部分は、ガラス帯材に向かって遮蔽体のスペース部分および特に他の全ての構成部分を越えて突出しておりひいては遮蔽体の他の部分もガラス帯材と接触すること無しにガラス帯材と接触可能な、遮蔽体の構成部分である。接触部分は、ガラスの高い温度に耐えかつガラスの汚染を回避する、あらゆる材料から製造されていてよい。接触部分用の好適な材料は、六方晶窒化ホウ素、酸化アルミニウム、溶融石英、石英ガラスまたはこれらの組合せである。
【0017】
1つの実施形態では、遮蔽体は、ガラス体の上面および下面に対して各2つ以上の接触部分を有している。択一的または追加的に、遮蔽体は、遮蔽体開口を通走するガラス帯材の2つの狭幅側に対して各1つ以上の接触部分を有していてもよい。1つの実施形態では、遮蔽体は、6つの接触部分、つまり上面および下面に対して各2つの接触部分および各狭幅側に対して各1つの接触部分を有している。接触部分は、ガラス帯材に向かって突出している構成部分であってよく、これらの構成部分は基本的には任意の形状を有していてよく、好適には傾斜させられていてよい(ガイド突起)、つまり接触部分は、ガラス帯材に向かって下降する少なくとも1つの面を有している。
【0018】
遮蔽体は、1つの択一的な実施形態では、ロール、管または棒等の、円筒形の遮蔽体構成部材を有していてよく、この場合、接触部分は特に、このような遮蔽体構成部材の、より大きな円筒直径を有する領域により形成される。間隔領域は、この実施形態では好適には、接触部分の領域におけるよりも小さな横断面直径を有する領域により形成される。ガラス帯材とスペース部分との間の空隙幅は、この構成では特に、接触部分の領域の横断面直径とスペース部分の領域の横断面直径との間の差の1/2に等しい。円筒形の構成は、円筒がロール状にガラス帯材に接触し、結果的に特に小さな抵抗を有することになる、という利点を有している。それというのも、ガラス帯材の移動に際して円筒はガラス帯材の表面に接して転動するからである。円筒形の遮蔽体構成部材は、ガラス帯材に向かって下降する傾斜面を有する支持体上に配置されていてよく、これにより、常に最小の空隙幅が得られるようになっている。この構成は、生産過程への介入を必要とすること無しに、遮蔽体構成部材が常に正しく位置調整されている、ということを可能にする。
【0019】
接触部分がガラス帯材に接触する接触面は、好適には最小限である。特にガラス帯材の幅方向における接触面の延在長さは、接触部分毎に10cm未満、特に5cm未満、より好適には2cm未満または1cm未満である。特に好適な実施形態では、幅方向における延在長さは、接触部分毎に0.5cm以下またはそれどころか0.3cm以下である。ガラス帯材の長手方向における延在長さは、接触部分毎に好適には10cm未満、特に5cm未満、より好適には2cm未満または1cm未満である。特に好適な実施形態では、長手方向における延在長さは、接触部分毎に0.5cm以下またはそれどころか0.3cm以下である。接触面が小さいほど、延伸運動に対する接触部分の抵抗も小さくなる。
【0020】
好適には、遮蔽体はガラス帯材の縁部において、特にガラス帯材の縁部から、薄くされたガラス帯材の全幅の最大30%または最大20%、特に最大15%、より好適には最大10%または最大5%にそれぞれ相当する幅にわたって延在する領域に接触する。ガラス帯材の縁部は、特に高度な表面クオリティおよび特に高度な厚さ均一性を目標とする延伸法では廃棄される。それというのも、ガラス帯材の縁部は中間部分に比べ、より大きな厚さを有しているからである(辺縁部)。この理由から、特に本発明による方法で製造された平面ガラスのTTVの改良が極めて大幅に顕著になるため、遮蔽体構成部材と、ガラス帯材の前記領域との接触は許容され得る。薄くされたガラス帯材の縁部は、後加工ステップにおいて分離されてよい。よって好適には、接触部分はガラス帯材に、正味範囲以外で接触する。
【0021】
遮蔽体は、好適には接触部分とスペース部分とを有している。好適には、遮蔽体の接触部分がガラス帯材に接触し、遮蔽体は、ガラス体には接触せずにガラス帯材と遮蔽体のスペース部分との間に空隙を形成するスペース部分を有しており、この場合、空隙は、好適には最大5mm、特に最大4mm、好適には最大3mm、より好適には最大2mmの幅を有している。1つの特に好適な実施形態では、空隙は2mm未満、より好適には1mm未満、特に好適には0.5mm未満またはそれどころか0.1mm未満である。空隙の幅は、ガラス帯材と遮蔽体のスペース部分との間の水平方向の間隔を表す。スペース部分とガラス帯材との間の特に小さな空隙は、対流を減少させると共に、熱間成形ゾーンと、遮蔽体を越えた側の熱間成形ゾーン以外の領域との間に、特に急な温度勾配をもたらす。対流の減少により、特に小さなTTVが可能になる。急な温度勾配は、特に短い熱間成形ゾーンを用いた当該方法の運用を可能にし、このことは、ガラス帯材の幅収縮に抗して作用しひいては収量を増大させることになる。
【0022】
1つの実施形態では、当該方法はダウンドロー法またはオーバフローフュージョン法である。特に当該方法がダウンドロー法またはオーバフローフュージョン法として構成された好適な実施形態では、遮蔽体は、熱間成形ゾーンのハウジングのガラス流出開口に配置されている。熱間成形ゾーンからの延伸方向に位置するガラス流出開口における遮蔽体は、熱間成形ゾーンの下側の領域を熱的に遮蔽するため、ガラス帯材を、熱間成形ゾーンからの流出直後に管理して冷却することができるようになっている。これにより、例えば特に迅速な冷却が実現され得る。もちろんこのことは、リドロー法に関しても有利であり得る。
【0023】
好適な実施形態では、本発明による方法はリドロー法である。リドロー法はまさに、遮蔽体の本発明による構成から恩恵を受ける。それというのも、リドロー装置は、一般に熱の影響下で膨張しひいてはプリフォームの位置を変化させる金属要素を有する、プリフォーム用の保持部を必要とするからである。遮蔽体の本発明による構成でもって、前記位置変化を考慮することができる。
【0024】
当該方法の好適な構成手段では、遮蔽体は、特にガラスがその転移温度Tgを有しているゾーンと熱間成形ゾーンとの間の、熱間成形ゾーンのハウジングのガラス流入開口に配置されている。ガラス流入開口における遮蔽体の配置は、リドロー法に関して特に好適である。プリフォームはリドロー法の枠内で、好適には熱間成形ゾーンへの流入前に、予熱ゾーンにおいて予熱される。予熱ゾーンにおいて、ガラスは特に、熱間成形ゾーン内の温度および特に加工温度を下回るが転移温度は上回る温度に加熱される。まず熱間成形ゾーン内での均一な熱間成形を、予熱ゾーンから熱間成形ゾーンを熱的に効果的に分離することにより達成するためには、ここで説明する遮蔽体を使用することが有利である、ということが判った。
【0025】
当該方法の好適な実施形態では、熱間成形ゾーンにおける温度の均一性は、2K未満、より好適には1.5K未満、特に好適には1K未満の四分位数間範囲により特徴付けられている。このように小さな四分位数間範囲を生ぜしめることで、本発明により目標とされる小さなTTVがもたらされる、ということが判った。四分位数間範囲を求めるためには、熱間成形ゾーン内の温度が熱電対、特に迅速に反応する熱電対により測定される。このためには、例の部分において使用した熱電対が適している。これらの熱電対は、0.1mm未満の線材厚さおよび0.3mm未満の接合点直径という点において優れている。小さな熱慣性を有する温度センサが使用されてよい。特にこのようなセンサは、600℃に温度調節された炉から出された後に、20℃の温度を有する周囲空気中にもたらされ、5K/s超の初期冷却速度で冷える。
【0026】
この場合、熱電対は、遮蔽体から40mm未満だけ離されると共に、ガラス縁部からは20mm未満だけ離されて、ガラス平面内に配置されている。択一的に熱電対は、変形ゾーンの中央において、ガラス縁部から20mm未満のガラス帯材面内に配置されていてもよい。しかしまた、ガラス帯材の変形ゾーン内の、ガラス帯材から20mm未満の間隔を有するあらゆる別の位置も可能である。
【0027】
当該方法の1つの好適な構成手段では、遮蔽体は少なくとも部分的に、熱間成形ゾーンのハウジングに対して相対的に可動である。従来技術では、遮蔽体は一般に、例えば熱間成形ゾーンのハウジング等の延伸装置と固く結合されている。熱間成形ゾーンのハウジングに対して相対的に可動の遮蔽体の本発明による好適な構成に基づき、遮蔽体の最適な位置調整を常に生ぜしめることが可能になるため、抜群のクオリティの平面ガラスが製造可能である。遮蔽体は、例えば板上を摺動可能であってよいかもしくは板上をスライド可能であり、必要とされる位置へ移動させることができるので、遮蔽体はいわばガラス帯材の運動に追従するようになっており、空隙幅が変化することはない。前記板は、熱間成形ゾーンのハウジングの一部であってよい。
【0028】
装置
前記方法の説明において説明した、装置の特徴に反映される特徴は、それらを以下で再度説明しなくとも、好適には装置の特徴をも成すものである。当該装置は、特に本発明による方法を実施しかつ本発明による平面ガラスを製造するために適しておりかつ規定されている。
【0029】
本発明では、平面ガラスを製造する装置が、少なくとも1つのガラスリザーバ、少なくとも1つの熱間成形ゾーン、当該装置においてガラス帯材に引張り力を加えることに適した少なくとも1つの延伸装置を備えており、熱間成形ゾーンは、熱間成形ゾーンのガス空間を熱的に分離する少なくとも1つの遮蔽体を有しており、遮蔽体は、ガラス帯材を通して案内することができる開口を形成しており、かつ遮蔽体は、ガラス帯材の少なくとも2つの面における少なくとも各1つの点に接触するように構成された接触部分を有している。好適には、当該装置はリドロー装置、ダウンドロー装置またはオーバフローフュージョン装置である。
【0030】
「遮蔽体」は、熱間成形ゾーンと、その上および/またはその下の領域と、の間に熱的な分離を生ぜしめることができる、あらゆる構成部材である。遮蔽体は、1つまたは複数の部分から成っていてよい。好適な構成では、遮蔽体は、ガラス帯材に対してスペースをあけて配置された複数のスペース部分を有しており、これにより、ガラス帯材とスペース部分との間には、空隙が形成されている。好適には、遮蔽体は少なくとも部分的に、熱間成形ゾーンのハウジングに対して相対的に可動である。特に好適な構成では、遮蔽体は1つまたは複数の、特に2つの円筒形の遮蔽体構成部材、特にロールを有しており、これらのロールは支持体上に配置されており、この場合、支持体は、ガラス帯材に向かって下降する傾斜面を有している。
【0031】
好適には、遮蔽体は、熱間成形ゾーンのハウジングのガラス流出開口に配置されておりかつ/または遮蔽体は、熱間成形ゾーンのハウジングのガラス流入開口に配置されている。好適な実施形態では、熱間成形ゾーンへの流入開口と、熱間成形ゾーンからの流出開口の両方に、ここで説明した形式の遮蔽体が配置されており、これにより、可能な限り均一な温度分布ひいては本発明による好適な四分位数間範囲を生ぜしめることができる。
【0032】
延伸装置は、好適にはガイド手段を有している。ガイド手段は、好適にはロール、無限軌道、ローラ、グリッパまたはこれらの組合せである。好適には、ガイド手段は円筒形の基本形状を有している。特に、ガイド手段は少なくとも1つの接触面を有しており、この接触面でもってガイド手段はガラス帯材に接触する。
【0033】
当該装置は、好適にはガラス帯材を加熱する加熱装置を有している。加熱装置は、好適には抵抗加熱装置、IRヒータ、バーナおよびレーザならびにこれらの組合せから選択されている。1つの好適な実施形態では、当該装置は、ガラス帯材を変形後に冷却するために、冷却装置を有している。
【0034】
加熱装置は、ガラスに対して所定の間隔を有している。この間隔に基づき生じる空間は、ガス、一般には空気で満たされており、ここではガス空間と呼ぶ。このガス空間内には、温度勾配に基づき対流が生じる。ただしガス空間は必ずしも、加熱装置が設けられていることを前提とはしない。むしろ「ガス空間」という用語は、ガラスが真空中に位置するのではなく、ガスで(特に空気で)満たされた空間内に位置しており、対流が発生し得る、ということを表すだけに過ぎない。このガス空間は、加熱装置によりまたは別の形式で画定されていてよい。本発明にとって特に重要なのは、遮蔽体の上下のガス空間が遮蔽体により熱的に分離され、これにより、鉛直方向の対流が2つのガス空間の間で制限されひいては温度変動が小さくなる、という点である。
【0035】
1つの実施形態では、当該装置はリドロー装置であり、よってリドロー装置では、ガラスリザーバはガラスから成るプリフォームから形成されるもしくは当該装置は、ガラスから成るプリフォーム用の保持部を有している。1つの別の実施形態では、当該装置は、ガラスリザーバが延伸槽により形成されるダウンドロー装置またはオーバフローフュージョン装置である。ダウンドロー装置の場合、延伸槽はその下端部にスリットノズルを有している。当該装置は、1つまたは複数のガイド体を、スリットノズルの下の領域に有していてよい。
【0036】
さらに当該装置は、当業者に周知の、ここに詳細には説明しない別の構成部材を有していてよい。これには特に少なくとも1つの冷却装置が含まれる。ダウンドロー法またはオーバフローフュージョン法の場合はさらに、例えば溶融るつぼまたは溶融槽等の溶融装置が設けられていてよい。
【0037】
当該方法には、所望の特性を備えた平面ガラスを得るために、1つまたは複数の後加工ステップ、特にガラスの長さ短縮、切断および/または規格化が含まれていてよい。
【0038】
平面ガラス
以下に説明する、ガラスの材料特性である特徴は、当該方法の最終製品としての平面ガラスだけでなく、当該方法において初期材料として用いられるガラスにも当てはまる。当該平面ガラスは、好適には本発明による方法により製造可能でありかつ/または製造されている。
【0039】
本発明による平面ガラスは、ファイヤポリッシュされた少なくとも2つの表面および0.01-3×10-5×(1/K)×(Va-EW)+2.8×10-8×(1/K)×(Va-EW)未満の相対的なTTVを有しており、この場合、Vaは加工温度であり、EWは軟化点である。
【0040】
本発明ではさらに、平面ガラスはファイヤポリッシュされた少なくとも2つの表面および0.01未満の相対的なTTVを有している。好適には、ガラスの加工点Vaと軟化点EWとの差は少なくとも50K、特に少なくとも100K、少なくとも150Kまたはそれどころか少なくとも200Kである。特に前記差は最大500K、好適には最大450K、特に好適には最大250Kまたは最大150Kである。この特性を有するガラスを用いて、ここに説明した有利な特性、特にここに説明したTTVを有する平面ガラスが得られる、ということが判った。特に好適な構成では、当該平面ガラスはガラス帯材、ガラス板またはガラスウェハである。
【0041】
好適には、当該平面ガラスは、2mm未満、特に0.75mm未満、0.5mm未満または0.25mm未満の厚さを有するガラスである。特に好適な実施形態では、当該平面ガラスは、100μm以下、50μm以下、30μm以下、20μm以下または10μm以下の厚さを有している。好適な実施形態では、当該平面ガラスの幅は、10~1000mm、特に少なくとも50mm、少なくとも100mmまたは少なくとも200mmである。当該板ガラスの幅は、好適には800mm、特に700mm、600mm、450mmまたは304.8mmの値を超過しないことが望ましい。
【0042】
好適なのは、0.009未満、0.007未満または0.005未満の相対的なTTVを有する平面ガラスである。相対的なTTVは、ガラス帯材の中間の2mm幅の線条における、薄くされたガラス体の連続的な厚さ測定により測定され、その都度160mmの長さ区分について算出される。相対的なTTVは、幅が2mmで長さが160mmのこのような区分を、その平均的な厚さで割ったTTVである。平均的な厚さは、幅が2mmで長さが160mmの前記のような区分について測定された全ての厚さ値の平均値を表す。TTVは、幅が2mmで長さが160mmの前記のような区分について測定された最大厚さ値と最小厚さ値との差から得られる。
【0043】
厚さ値は、好適には延伸方向に対して直交する軌道内で測定される。好適には、各軌道内で1ミリメートル毎に測定値が取られる。好適には、軌道は延伸方向において10mmの間隔を有している。つまり上述した、幅が2mmで長さが160mmの区分では、好適には1つの軌道につき2つの厚さ値が(好適にはこの区分の0.5mmおよび1.5mmの幅位置において)測定される。好適には16の軌道が(好適にはこの区分の5mm、15mm、25mm、・・・、155mmの長さ位置において)測定される。つまり、幅が2mmで長さが160mmの区分については、好適には2×16=32の厚さ値が測定される。
【0044】
「ファイヤポリッシュされた表面」は、特に小さな粗さという点において特徴付けられる表面である。本発明に基づく製造方法により、特別な表面特性を有する平面ガラスが製造され得る。平面ガラスは、これを得ることが可能な製造方法に基づき、少なくとも1つ、特に2つのファイヤポリッシュされた表面を有している。機械的な研磨とは異なり、ファイヤポリッシュの場合には表面が削り落とされるのではなく、磨こうとする材料がスムーズに流動する程度に高温に加熱される。よって、ファイヤポリッシュにより平滑な表面を製造するためのコストは、機械的に研磨された表面を製造するためのコストよりも大幅に低い。ファイヤポリッシュされた表面の粗さは、機械的に研磨された表面の粗さよりも小さい。「表面」は、本発明による平面ガラスに関しては上面および/または下面、つまりその他の面に比べると最大の2つの面を意味する。
【0045】
本発明の平面ガラスのファイヤポリッシュされた表面は、好適には最大5nm、好適には最大3nm、特に好適には最大1nmの二乗平均平方根粗さ(RqまたはRMS)を有している。最大断面高さRtは、平面ガラスに関して好適には最大6nm、さらに好適には最大4nm、特に好適には最大2nmである。最大断面高さは、DIN EN ISO 4287に基づき規定される。算術平均粗さRaは、本発明では好適には1nm未満である。
【0046】
機械的に研磨された表面における粗さ値の方が悪い。さらに、機械的に研磨された表面の場合には、原子間力顕微鏡(AFM)下で研磨跡を認めることができる。さらにやはりAFM下で、ダイヤモンド粉末、酸化鉄および/またはCeO等の機械的な研磨材の残りが認められることもある。機械的に研磨された表面は、研磨後に常に洗浄されねばならず、ガラスの表面に特定のイオンの浸出が生じる。特定のイオンのこの減少は、二次イオン質量分析法(ToF-SIMS)を用いて検出され得る。このようなイオンは、例えばCa、Zn、Baおよびアルカリ金属である。
【0047】
ガラスは、好適にはケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ゲルマネートガラスまたはカルコゲナイドガラスの群から選択されている。特に好適なガラスは、ホウケイ酸ガラス、アルカリケイ酸塩ガラス、アルカリ土類ケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、チタンケイ酸塩ガラス、ランタンホウ酸塩ガラスまたはフルオロリン酸塩ガラスである。特に好適には、ガラスは光学ガラス、特に重フリントガラス、色ガラス、またはホウケイ酸ガラスである。
【0048】
好適には、ガラスは
-少なくとも20重量%および最高85重量%のSiO
-少なくとも3重量%のアルカリ金属酸化物、
-最高5重量%のAl
-最高15重量%のB
および/または
-最高3重量%のZrOを有している。
【0049】
特に好適には、ガラスには以下の成分
【表1】
が含まれる。
【0050】
また好適には、ガラスには以下の成分
【表2】
も含まれる。
【0051】
1つの好適な実施形態では、ガラスは色ガラス、特に1つまたは複数の着色成分を含有する青色ガラスである。このような着色成分は、特に銅およびコバルトである。
【0052】
1つの好適な色ガラスには、以下の成分
【表3】
が含まれる。
【0053】
ΣROは、アルカリ土類酸化物とZnOの和である。ΣROは、アルカリ金属酸化物の和である。
【0054】
1つの好適な実施形態では、色ガラスはフッ素を含む色ガラスであり、特に以下の成分
【表4】
を含む。
【0055】
ガラスからは、以下の成分、すなわちPb、Cd、NiおよびAsの有毒性および生態系に対する危険性に基づき、好適にはこれらの成分が除去されている。
【0056】
本明細書中に、ガラスからある成分が除去されているまたはガラスはある成分を含まない、と記載されている場合、これは、これらの成分が場合によっては不純物としてガラス中に存在していてもよいことを意味する。つまり、これらの成分は実質的な量で含まれているのではなくかつ/またはガラスにガラス成分としては添加されないことを意味する。非実質的な量は、本発明では1000ppm未満、好適には500ppm未満、最も好適には100ppm未満の量である。好適には、ガラスからは本明細書中でガラス成分として挙げられていない成分も除去されている。1つの好適な実施形態では、ガラスは好適には少なくとも90重量%、さらに好適には少なくとも95重量%、さらに好適には少なくとも97.5重量%、さらに好適には少なくとも99重量%、さらに好適には少なくとも99.5重量%、なおさらに好適には少なくとも99.9重量%までは、ここに挙げた成分から成っている。
【0057】

例1(比較例)
リドロー装置において、寸法が1650mm×340mm×14mmの、重フリントガラス(NSF6)から成る平面ガラスプリフォームが、300μmの中間領域厚さにリドローされる。ガラスは次の組成を有している。すなわち:25重量%のSiO、10重量%のNaO、10重量%のKO、10重量%のCaO、10重量%のBaO、25重量%のTiO、1重量%のZrO、5重量%のNb
【0058】
リドロー装置には、短い変形ゾーンを可能にする加熱装置および冷却装置が設けられており、帯幅の損失は80mm未満である。加熱装置は2つの平行なSiC管から成り、冷却装置は冷却媒体が通流する取付け炉から成る。SiC管の間およびガラスの変形ゾーンの隣には、目下の温度を検出するための高速熱電対が位置している。SiC加熱棒の温度は、ガラス体が5~40Nの力でもって延伸されるように調節される。熱電対における温度ならびにガラスの正味範囲の厚さは、時間に関連して測定される。温度の変動は、5.6Kの四分位数間範囲を示している(図5A図5D参照)。
【0059】
テストにおいて測定された厚さ分布は、幅が2mmで長さが160mmの線条においてそのTTVを調べることにより、延伸方向における変動を評価される。相対的なTTVは、目下のTTV(μm)と正味範囲における平均厚さの商により形成される。例1では、0.015の相対的なTTVが生じている。
【0060】
例2(比較例)
プリフォーム接触無しの炉遮蔽体
リドロー装置において、寸法が1650mm×340mm×14mmの、重フリントガラス(NSF6)から成る平面ガラスプリフォームが、300μmの中間領域厚さにリドローされる。ガラスは次の組成を有している。すなわち:25重量%のSiO、10重量%のNaO、10重量%のKO、10重量%のCaO、10重量%のBaO、25重量%のTiO、1重量%のZrO、5重量%のNb
【0061】
リドロー装置には、短い変形ゾーンを可能にする加熱装置および冷却装置が設けられており、帯幅の損失は80mm未満である。加熱装置は2つの平行なSiC管から成り、冷却装置は冷却媒体が通流する取付け炉から成る。SiC管の間およびガラスの変形ゾーンの隣には、目下の温度を検出するための高速熱電対が位置している。変形ゾーンと予熱ゾーンとの間には、プリフォームに対して3mmの空隙を残して炉に結合された遮蔽体が取り付けられる。SiC加熱棒の温度は、ガラス帯材が5~40Nの力でもって延伸されるように調節される。熱電対における温度ならびにガラスの正味範囲の厚さは、時間に関連して測定される。温度の変動は、2.15Kの四分位数間範囲(IQA)を示している(図5A図5D参照)。
【0062】
テストにおいて測定された厚さ分布は、幅が2mmで長さが160mmの線条においてそのTTVを調べることにより、延伸方向における変動を評価される。相対的なTTVは、目下のTTV(μm)と正味範囲における平均厚さの商により形成される。この例では、0.011の相対的なTTVが生じている。
【0063】
例3
プリフォーム接触ありの炉遮蔽体
リドロー装置において、寸法が1650mm×340mm×14mmの、重フリントガラス(NSF6)から成る平面ガラスプリフォームが、300μmの中間領域厚さにリドローされる。ガラスは次の組成を有している。すなわち:25重量%のSiO、10重量%のNaO、10重量%のKO、10重量%のCaO、10重量%のBaO、25重量%のTiO、1重量%のZrO、5重量%のNb
【0064】
リドロー装置には、短い変形ゾーンを可能にする加熱装置および冷却装置が設けられており、帯幅の損失は80mm未満である。加熱装置は2つの平行なSiC管から成り、冷却装置は冷却媒体が通流する取付け炉から成る。SiC管の間およびガラスの変形ゾーンの隣には、目下の温度を検出するための高速熱電対が位置している。変形ゾーンと予熱ゾーンとの間には、六方晶窒化ホウ素から成る浮動式の遮蔽体が取り付けられ、この遮蔽体は、ガイド突起(接触部分)においてプリフォームの縁部領域に接触し、これによりプリフォームに対して自動的に位置決めすることができるようになっているため、接触ゾーン以外の、ガラス体とスペース部分との間で、プリフォームに対する空隙寸法が1.5mmを超過することはない。SiC加熱棒の温度は、ガラス帯材が5~40Nの力でもって延伸されるように調節される。熱電対における温度ならびにガラスの正味範囲の厚さは、時間に関連して測定される。温度の変動は、0.9Kの四分位数間範囲(IQA)を示している(図5A図5D参照)。
【0065】
テストにおいて測定された厚さ分布は、幅が2mmで長さが160mmの線条においてそのTTVを調べることにより、延伸方向における変動を評価される。相対的なTTVは、目下のTTV(μm)と正味範囲における平均厚さの商により形成される。この例では、0.0085の相対的なTTVが生じている。
【0066】
例4
プリフォーム接触ありの炉遮蔽体、円筒形の遮蔽部材
リドロー装置において、寸法が1650mm×340mm×14mmの、重フリントガラス(NSF6)から成る平面ガラスプリフォームが、300μmの中間領域厚さにリドローされる。ガラスは次の組成を有している。すなわち:25重量%のSiO、10重量%のNaO、10重量%のKO、10重量%のCaO、10重量%のBaO、25重量%のTiO、1重量%のZrO、5重量%のNb
【0067】
リドロー装置には、短い変形ゾーンを可能にする加熱装置および冷却装置が設けられており、帯幅の損失は80mm未満である。加熱装置は2つの平行なSiC管から成り、冷却装置は冷却媒体が通流する取付け炉から成る。SiC管の間およびガラスの変形ゾーンの隣には、目下の温度を検出するための高速熱電対が位置している。変形ゾーンと予熱ゾーンとの間には、ガラス体に対して0.5mmの空隙を残して、図4に示した遮蔽体が取り付けられる。SiC加熱棒の温度は、ガラス帯材が5~40Nの力でもって延伸されるように調節される。熱電対における温度ならびにガラスの正味範囲の厚さは、時間に関連して測定される。温度の変動は、0.5Kの四分位数間範囲を示している。
【0068】
テストにおいて測定された厚さ分布は、幅が2mmで長さが160mmの線条においてそのTTVを調べることにより、延伸方向における変動を評価される。相対的なTTVは、目下のTTV(μm)と正味範囲における平均厚さの商により形成される。この例では、0.0063の相対的なTTVが生じている。
【0069】
例5
プリフォーム接触ありの炉遮蔽体
リドロー装置において、寸法が1650mm×340mm×14mmの、ホウケイ酸ガラス(ボロフロート)から成る平面ガラスプリフォームが、170μmの中間領域厚さにリドローされる。ガラスは次の組成を有している。すなわち:80重量%のSiO、12.5重量%のB、4重量%のNaO、0.5重量%のKO、2重量%のAl
【0070】
リドロー装置には、短い変形ゾーンを可能にする加熱装置および冷却装置が設けられており、帯幅の損失は80mm未満である。加熱装置は2つの平行なSiC管から成り、冷却装置は冷却媒体が通流する取付け炉から成る。SiC管の間およびガラスの変形ゾーンの隣には、目下の温度を検出するための高速熱電対が位置している。変形ゾーンと予熱ゾーンとの間には、六方晶窒化ホウ素から成る浮動式の遮蔽体が取り付けられ、この遮蔽体は、ガイド突起においてプリフォームの縁部領域に接触し、これによりプリフォームに対して自動的に位置決めすることができるようになっているため、接触ゾーン以外でプリフォームに対する空隙寸法が1.5mmを超過することはない。SiC加熱棒の温度は、ガラス帯材が5~40Nの力でもって延伸されるように調節される。熱電対における温度ならびにガラスの正味範囲の厚さは、時間に関連して測定される。温度の変動は、0.9Kの四分位数間範囲(IQA)を示している。
【0071】
テストにおいて測定された厚さ分布は、幅が2mmで長さが160mmの線条においてそのTTVを調べることにより、延伸方向における変動を評価される。相対的なTTVは、目下のTTV(μm)と正味範囲における平均厚さの商により形成される。この例では、0.0041の相対的なTTVが生じている。
【0072】
例6
プリフォーム接触ありの炉遮蔽体
リドロー装置において、寸法が800mm×200mm×14mmの、青色ガラス(BG66)から成る平面ガラスプリフォームが、110μmの中間領域厚さにリドローされる。
【0073】
リドロー装置には、短い変形ゾーンを可能にする加熱装置および冷却装置が設けられており、帯幅の損失は80mm未満である。加熱装置は2つの平行なSiC管から成り、冷却装置は冷却媒体が通流する取付け炉から成る。SiC管の間およびガラスの変形ゾーンの隣には、目下の温度を検出するための高速熱電対が位置している。変形ゾーンと予熱ゾーンとの間には、六方晶窒化ホウ素から成る浮動式の遮蔽体が取り付けられ、この遮蔽体は、ガイド突起においてプリフォームの縁部領域に接触し、これによりプリフォームに対して自動的に位置決めすることができるようになっているため、接触ゾーン以外でプリフォームに対する空隙寸法が1.5mmを超過することはない。SiC加熱棒の温度は、ガラス体が5~40Nの力でもって延伸されるように調節される。熱電対における温度ならびにガラスの正味範囲の厚さは、時間に関連して測定される。温度の変動は、0.9Kの四分位数間範囲(IQA)を示している(図5A図5D参照)。
【0074】
テストにおいて測定された厚さ分布は、幅が2mmで長さが160mmの線条においてそのTTVを調べることにより、延伸方向における変動を評価される。相対的なTTVは、目下のTTV(μm)と正味範囲における平均厚さの商により形成される。この例では、0.0094の相対的なTTVが生じている。
【0075】
例7
プリフォーム接触ありの炉遮蔽体
リドロー装置において、寸法が1650mm×400mm×8mmの、ソーダ石灰フロートガラスから成る平面ガラスプリフォームが、200μmの中間領域厚さにリドローされる。ガラスは次の組成を有している。すなわち:71.7重量%のSiO、1.2重量%のAl、0.2重量%のFe、0.1重量%のTiO、0.4重量%のSO、6.7重量%のCaO、4.2重量%のMgO、15重量%のNaO、0.4重量%のKO。
【0076】
リドロー装置には、短い変形ゾーンを可能にする加熱装置および冷却装置が設けられており、帯幅の損失は80mm未満である。加熱装置は2つの平行なSiC管から成り、冷却装置は冷却媒体が通流する取付け炉から成る。SiC管の間およびガラスの変形ゾーンの隣には、目下の温度を検出するための高速熱電対が位置している。変形ゾーンと予熱ゾーンとの間には、六方晶窒化ホウ素から成る浮動式の遮蔽体が取り付けられ、この遮蔽体は、ガイド突起においてプリフォームの縁部領域に接触し、これによりプリフォームに対して自動的に位置決めすることができるようになっているため、接触ゾーン以外でプリフォームに対する空隙寸法が1.5mmを超過することはない。SiC加熱棒の温度は、ガラス体が5~40Nの力でもって延伸されるように調節される。熱電対における温度ならびにガラスの正味範囲の厚さは、時間に関連して測定される。温度の変動は、0.9Kの四分位数間範囲(IQA)を示している(図5A図5D参照)。
【0077】
テストにおいて測定された厚さ分布は、幅が2mmで長さが160mmの線条においてそのTTVを調べることにより、延伸方向における変動を評価される。相対的なTTVは、目下のTTV(μm)と正味範囲における平均厚さの商により形成される。この例では、0.0051の相対的なTTVが生じている。
【0078】
例8
プリフォーム接触ありの炉遮蔽体
リドロー装置において、寸法が800mm×200mm×14mmの、青色ガラス(BG56)から成る平面ガラスプリフォームが、110μmの中間領域厚さにリドローされる。ガラスは次の組成を有している。すなわち:68重量%のP、7重量%のAl、1重量%のLiO、5重量%のNaO、6重量%のKO、4重量%のMgO、2重量%のLa、6重量%のCuO、1重量%のV
【0079】
リドロー装置には、短い変形ゾーンを可能にする加熱装置および冷却装置が設けられており、帯幅の損失は80mm未満である。加熱装置は2つの平行なSiC管から成り、冷却装置は冷却媒体が通流する取付け炉から成る。SiC管の間およびガラスの変形ゾーンの隣には、目下の温度を検出するための高速熱電対が位置している。変形ゾーンと予熱ゾーンとの間には、六方晶窒化ホウ素から成る浮動式の遮蔽体が取り付けられ、この遮蔽体は、ガイド突起においてプリフォームの縁部領域に接触し、これによりプリフォームに対して自動的に位置決めすることができるようになっているため、接触ゾーン以外でプリフォームに対する空隙寸法が1.5mmを超過することはない。SiC加熱棒の温度は、ガラス体が5~40Nの力でもって延伸されるように調節される。熱電対における温度ならびにガラスの正味範囲の厚さは、時間に関連して測定される。温度の変動は、0.9Kの四分位数間範囲(IQA)を示している(図5A図5D参照)。
【0080】
テストにおいて測定された厚さ分布は、幅が2mmで長さが160mmの線条においてそのTTVを調べることにより、延伸方向における変動を評価される。相対的なTTVは、目下のTTV(μm)と正味範囲における平均厚さの商により形成される。この例では、0.0088の相対的なTTVが生じている。
【0081】
例の検討
温度の四分位数間範囲が小さくなるにつれて、TTV値の中央値も低くなる、ということが判った。つまり、最小限の空隙間隔を実現することが、特に有利である。使用した光学ガラスは、817℃の加工点Va(粘度10dPas)および681℃の軟化点EW(107.6dPas)を有している。使用したボロフロートガラスは、1270℃の加工点Va(粘度10dPas)および820℃の軟化点EW(107.6dPas)を有している。
【0082】
以下の表は、結果を再度まとめたものである:
【表5】
【0083】
つまり本発明により、0.01未満の相対的なTTV(rel. TTV)が達成される。特に本発明は、EWとVaの間隔が500K未満もしくは450K未満もしくは150K未満であるガラスに関して、0.01未満の相対的なTTVの達成を可能にする。VaとEWとの差が小さい程、ガラスの勾配が大きくなる、すなわち、粘度曲線の勾配がより急峻になると共に、TTVが温度変動に対してより敏感になる。
【0084】
(Va-EW)に対する相対的なTTVを描いてみると(図6図7図8)、0.01-3×10-5×(1/K)×(Va-EW)+2.8×10-8×(1/K)×(Va-EW)未満の相対的なTTVは、浮動式の遮蔽体により達成される、ということが認められる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1A】ガラス体が位置する本発明による装置に設けられた遮蔽体ユニットを示す平面図である。
図1B図1Aに示した遮蔽体ユニットの側方断面図である。
図2】本発明による装置に設けられた遮蔽体ユニットの斜視図である。
図3】本発明による装置に設けられた遮蔽体ユニットの概略側面図である。
図4A】本発明による装置に設けられた遮蔽体ユニットを示す側方断面図である。
図4B】本発明による遮蔽体ユニットを備えた装置の斜視断面図である。
図5A】本発明による方法における温度分布に関する測定データを示す図である。
図5B】本発明による方法における温度分布に関する測定データを示す図である。
図5C】本発明による方法における温度分布に関する測定データを示す図である。
図5D】本発明による方法における温度分布に関する測定データを示す図である。
図6】テストで得られた、加工温度と融点との差に関する相対的なTTVを示す図である。
図7】テストで得られた、加工温度と融点との差に関する相対的なTTVを示す図である。
図8】テストで得られた、加工温度と融点との差に関する相対的なTTVを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
以下に説明する本発明の実施形態は具体的な説明に用いるものであって、本発明の対象を限定するものではない。
【0087】
図1A図1Bおよび図2には、1つの可能な実施形態が示されている。六方晶窒化ホウ素から成る本来の遮蔽体は、遮蔽体よりも大きな開口を有する支持板に載置されている。遮蔽体は、支持板上でスライドさせてガラス帯材に対して位置決めすることができる。この構成では、遮蔽体はガラスに接触可能なガイド突起の形態の、6つの突出した接触部分を有している。この場合、ガイド突起には、ガラス帯材に向かって下降する傾斜面が設けられており、これにより、遮蔽体がガラス帯材を正しい位置に移動させることができるようになっている。
【0088】
高温ゾーンの温度は、遮蔽体の下側で、複数のヒータが設けられている場合にはヒータ間で測定される。測定には、0.1mmの線材直径および0.3mm未満の接合点直径を有するK型熱電対が使用される。測定の検出速度は1秒である。この構成は小さな熱慣性を有しており、変形ゾーンの気温変動の検出を可能にする。
【0089】
図1Aには、遮蔽体2の開口内のガラス帯材1が示されている。遮蔽体2は、複数の接触部分3を有しており、これらの接触部分3はガラス帯材1に接触している。接触部分3は、ガイド突起として形成されている。ガラス帯材1の上面および下面には各2つのガイド突起が接触しており、両狭幅側には各1つのガイド突起が接触している。遮蔽体2がガラス帯材1に接触していない場所において、ガラス帯材1と遮蔽体2のスペース部分との間には、空隙が形成されている。図示の遮蔽体2は一体に形成されている。しかしまた本発明では、複数部分から形成された遮蔽体2も存在する。
【0090】
図1Bには、図1Aに示したものと同じ形式の遮蔽体2が示されている。遮蔽体2は、ガイド突起として形成された接触部分3を有している。接触部分3は、ガラス帯材1に向かって傾斜している。図示の遮蔽体ユニットはさらに、覆い板7を有している。遮蔽体2は、熱間成形ゾーン6のハウジング部分である基底板5に載置されている。
【0091】
図2にも同様に、ガラス帯材1が熱間成形ゾーン6に進入しているところが示されている。図示の装置は、遮蔽体2用の基底板5および遮蔽体上に配置された覆い板7を有するハウジングを有している。
【0092】
図3には、図2に示したものと類似の構成および熱間成形ゾーンにおける温度分布を測定するための熱電対8のユニットが示されている。
【0093】
図4には、1つの別の実施形態が示されている。この実施形態は、ガラス帯材の両側に同一の寸法空隙が生じる、という利点を有している。耐熱性材料(酸化アルミニウム、溶融石英、石英ガラス等)から成る丸形の管または棒が、ガラス帯材に向かって傾斜した傾斜面に載置されている。これにより、管または棒は、ガラスに向かって転動するようになっている。これらの管には、ガラス接触材料(例えば六方晶窒化ホウ素)から成るスペーサの形態の、複数の接触部分が設けられており、所定の空隙が調整され得るようになっている。この場合、スペーサは、ガラス帯材の後の正味範囲に接触しないように位置決めされている。正味範囲は、最終製品に利用される、ガラス帯材の上述した縁部を除いた部分である。
【0094】
図4Aには、本発明による遮蔽体ユニットを備えた装置の1つの択一的な構成が示されている。この場合は、ガラス帯材1に向かって下降する傾斜面を備えた支持体10上に配置された、円筒形の遮蔽部材9が使用されている。支持体10もやはり、熱間成形ゾーンのハウジング構成部材を成していてよい基底板5上に配置されている。円筒形の遮蔽部材9は、遮蔽部材9の直径拡大領域として形成された接触部分11を有している。
【0095】
図4Bにも同様に、円筒形の遮蔽部材を備えた装置が示されている。
【0096】
図5A図5Bには、本発明による方法の最中に測定された熱間成形ゾーンにおける温度の、例1~3に関する四分位数間範囲が示されている。この場合、上側の曲線は、例3における、遮蔽体を含む時間的な温度推移を表し、真ん中の曲線は、例2における時間的な温度推移を表し、下側の曲線は、例1における時間的な温度推移を表している。右側には、測定された温度の度数が示されている。分布の幅で、温度値の変動が判る。
【0097】
図6には、ガラスの加工温度Vaと軟化点EWとの差に応じた、相対的なTTVが示されている。相対的なTTVに関する最適な結果は、前記差が大きい程、すなわちガラスが「長くなる」程、達成し易くなる、ということが認められる。しかしまた、与えられたガラスにおいて遮蔽体の種類が、獲得可能な相対的なTTVに重大な影響を及ぼす、ということも認められる。
【0098】
図7には、本発明による平面ガラスを特徴付ける方程式のグラフが示されている。グラフの上側の値は従来技術による遮蔽体により達成される値であり、下側の値は本発明による構成により達成される値である。
【0099】
図8には再度、加工温度と軟化点との差および遮蔽体態様に応じた相対的なTTVが、ここでは本明細書に示す例に対応して示されている。
【符号の説明】
【0100】
1 ガラス帯材
2 遮蔽体
3 接触部分
4 空隙
5 基底板
6 熱間成形ゾーン
7 覆い板
8 熱電対
9 円筒形の遮蔽部材
10 支持体
11 円筒形の遮蔽部材の接触部分
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8