(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】弾性不織材料を製造するための装置
(51)【国際特許分類】
B32B 37/00 20060101AFI20240130BHJP
B29C 65/08 20060101ALI20240130BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20240130BHJP
D06C 3/06 20060101ALI20240130BHJP
B32B 5/22 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B32B37/00
B29C65/08
A61F13/15 300
D06C3/06 Z
B32B5/22
A61F13/15 355Z
(21)【出願番号】P 2022052898
(22)【出願日】2022-03-29
(62)【分割の表示】P 2019517094の分割
【原出願日】2017-09-28
【審査請求日】2022-03-29
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519092897
【氏名又は名称】デューケイン アイエーエス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベグロウ、ブランドン・レオ
(72)【発明者】
【氏名】ソレンセン、ダニエル・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】エイラト、トーマス・デイビッド
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/109514(WO,A1)
【文献】特表2000-502961(JP,A)
【文献】特開2009-172231(JP,A)
【文献】特開2013-126527(JP,A)
【文献】国際公開第2005/025789(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/160752(WO,A1)
【文献】特開2008-104853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
B29C 65/00-65/82
B32B 1/00-43/00
D04H 1/52
5/06
D06C 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本の弾性ストランドを含む弾性不織材料を製造するための超音波結合装置であって、
ホーンモジュールと、
前記ホーンモジュールに近接して配置可能なアンビルモジュールと、
前記少なくとも1本の弾性ストランドを収容する少なくとも1つのスプールを含む供給ステーションと
を備え、
前記アンビルモジュールは、幅方向に或る幅寸法及び周方向に延在する円周軸を有するフェイスを含み、かつ回転軸の周りを回転可能であり、
前記フェイスは、複数の突条を有し、
前記ホーンモジュール及び前記アンビルモジュールは、前記少なくとも1本の弾性ストランド及び不織材料を受容するように配置され、互いに協働して
前記少なくとも1本の弾性ストランド及び前記不織材料を超音波結合する
ことで前記弾性不織材料を製造するように構成され、
前記少なくとも1つのスプールを含む前記供給ステーションが、前記少なくとも1本の弾性ストランドを、前記アンビルモジュールが回転するとき前記周方向に沿って湾曲する曲線に沿って前記幅方向にわたって誘導するように構成され、
前記供給ステーションは、前記少なくとも1本の弾性ストランドが前記少なくとも1つのスプールから巻き出されるときに、前記少なくとも1本の弾性ストランドを左右動させるように構成されている、超音波結合装置。
【請求項2】
前記突条は、前記少なくとも1本の弾性ストランドを受容するように配列されたノッチ及びランドを有し、
前記ノッチ及び前記ランドは、前記曲線に沿って前記少なくとも1本の弾性ストランドを受容するようにオフセットしている、請求項1に記載の超音波結合装置。
【請求項3】
前記突条は、前記幅方向の一部に沿って延在し、前記周方向に沿って前記曲線に一致するように配列されている、請求項2に記載の超音波結合装置。
【請求項4】
前記複数の突条の内の少なくとも1つは、交互に設けられた複数のランド及び複数のノッチを有し、
前記ランドの各々及び前記ノッチの各々は、前記周方向に平行に、かつ前記複数の突条の少なくとも1つの延長方向に対して斜めに、配置された、請求項1に記載の超音波結合装置。
【請求項5】
不織材料と少なくとも1本の弾性ストランドとを含む弾性不織材料を製造するための方法であって、
少なくとも一方が、幅方向に或る幅寸法及び周方向に延在する円周軸を有するフェイスを含むホーンモジュール及びアンビルモジュールを、前記ホーンモジュールを前記アンビルモジュールに近接して配置するステップと、
前記ホーンモジュール及び前記アンビルモジュールの少なくとも一方を回転するステップと、
供給ステーションから前記弾性ストランドを供給して、前記ホーンモジュール及び前記アンビルモジュールの間に、前記不織材料及び前記少なくとも1本の弾性ストランドを提供するステップと、
前記フェイスの前記幅方向に沿って左右動する態様で前記供給ステーションのスプールから前記弾性ストランドを供給し、前記ホーンモジュール及び前記アンビルモジュールの間で、前記周方向に沿って湾曲する曲線に沿って前記少なくとも1本の弾性ストランドを誘導するステップと、
前記弾性不織材料を第1の領域
及び第2の領域で
、超音波結合により結合するステップ
であって、前記第2の領域で
は、前記弾性不織材料を超音波結合により前記第1の領域と異なる
突条のパターンで結合する
、ステップとを含み、
前記弾性ストランドの少なくとも一部は、前記第1の領域に捕捉され、
前記弾性ストランドの少なくとも一部は、前記第2の領域に捕捉され、
前記弾性ストランドは、前記第1の領域及び前記第2の領域の間を前記曲線に沿って延在する、方法。
【請求項6】
前記曲線に沿って前記弾性ストランドを誘導するステップは、
前記フェイスの
前記突条に画定されたノッチの間に前記弾性ストランドを誘導するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記突条の各々は、交互に設けられた複数のランド及び複数の前記ノッチを有し、
前記ランドの各々及び前記ノッチの各々は、前記周方向に平行に、かつ前記突条の延長方向に対して斜めに配置された、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/402、457号の利益を主張するものであり、当該特許出願の内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、概して弾性材料に関し、より詳細には、弾性不織材料を製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
弾性不織材料は、パーソナルケア用品(例えば、大人用ブリーフ、幼児用おむつ、子供用/大人用プルオンパンツ、体にぴったりした生理用品等)、及び医療用衣類(マスク、キャップ、ガウン、フットウェア等)等の様々な製品で使用されている。弾性不織材料を製造するための少なくともいくつかの従来の方法には、弾性ストランドがテンション(張力)をかけられたときに不織布の層間で弾性ストランドを接着して結合することが含まれている。弾性ストランドが収縮可能になると、それは、不織布が弾性を有して機能するような不織布の領域を集合させる。
【0004】
しかし、これらの従来の方法によって作製された弾性不織材料の耐久性は、接着剤がクリープする傾向にあり、時間と共に弾性の減少をもたらし得るので、所望より少なくなり得る。さらに、これらの従来の方法を使用して弾性不織材料を製造すると、過度な費用がかかり得る。したがって、より費用対効果の高い態様でより耐久性を有する弾性不織材料を製造するためのシステムを提供することが有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、弾性不織材料を製造する装置は、一般的に、第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールを備える。第2の結合モジュールは、第1の結合モジュールに近接して配置可能である。第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールの少なくとも一方は、幅方向に或る幅寸法及び周方向に延在する円周軸を有するフェイスを含み、かつ回転軸の周りを回転可能である。このフェイスは複数の突条を有する。この突条は、少なくとも2つの互いに隣接した突条が周方向(円周軸)に沿って位置が重なり合うように配置されている。
【0006】
他の実施形態では、弾性不織布を製造するための方法は、一般的に、第1の結合モジュールを第2の結合モジュールに近接して配置するステップを含む。この方法はまた、第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールの間に、不織布と、少なくとも1本の弾性ストランドとを配置するステップを含む。この方法はさらに、不織布に少なくとも1本の弾性ストランドを保持するように、或る結合点において不織布を結合するステップを含む。この方法はさらに、第1切断部及び第2切断部を形成するように少なくとも1本の弾性ストランドを切断するステップを含む。結合点(結合部)は、少なくとも1本の弾性ストランドが結合部の両側部に延出する自由端部を有するように、第1切断部及び第2切断部の間に位置する。
【0007】
さらに他の実施形態では、弾性不織材料を製造するための方法は、一般的に、第1の結合モジュールを第2の結合モジュールに近接して配置するステップを含む。第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールの少なくとも一方は、幅方向に或る幅寸法及び周方向に延在する円周軸を有するフェイスを含む。この方法はまた、第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールの少なくとも一方を回転するステップを含む。この方法はさらに、第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールの間で周方向(円周軸)に沿って湾曲する曲線に沿って弾性ストランドを誘導するステップを含む。この方法はまた、弾性不織材料を第1の領域及び第2の領域で結合するステップを含む。弾性ストランドの少なくとも一部は第1の領域に捕捉され、弾性ストランドの少なくとも一部は第2の領域に捕捉される。弾性ストランドは、第1の領域及び第2の領域の間を曲線に沿って延在する。
【0008】
さらなる他の実施形態では、少なくとも1本の弾性ストランドを含む弾性不織材料を製造するための装置は、一般的に、第1の結合モジュールと、第1の結合モジュールに近接して配置可能な第2の結合モジュールとを備える。第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールの少なくとも一方は、幅方向に或る幅寸法及び周方向に延在する円周軸を有するフェイスを含み、かつ回転軸の周りを回転可能である。このフェイスは、複数の突条を有する。第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールは、少なくとも1本の弾性ストランド及び不織材料を受容するように配置されている。この装置はさらに、少なくとも1本の弾性ストランドを提供するように構成された供給ステーションを備える。少なくとも1本の弾性ストランドは、第1の結合モジュール及び第2の結合モジュールの少なくとも一方が回転するとき周方向(円周軸)に沿って湾曲する曲線に沿って幅方向(幅寸法)にわたって誘導されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】弾性不織材料を製造するためのシステムの概略図
【
図2】
図1のシステムで使用する回転式超音波結合装置の一実施形態の斜視図
【
図3】
図1のシステムで使用する回転式超音波結合装置の他の実施形態の斜視図
【
図5】
図1のシステムで使用する回転式超音波結合装置の他の実施形態の斜視図
【
図6】
図5の装置のピンチングデバイスの拡大側面図
【
図7】
図1のシステムで使用する回転式超音波結合装置のさらなる他の実施形態の斜視図
【
図8】
図2~
図7の装置で使用するアンビルの一実施形態の環状フェイスの展開図(laid-flat illustration)
【
図9】
図8の9―9断面を示す、
図8のアンビルフェイスに画定された突条の一実施形態の断面図
【
図10】
図8の10―10断面を示す、
図8のアンビルフェイスに画定された突条の他の実施形態の断面図
【
図11】
図8の11―11断面を示す、
図8のアンビルフェイスに画定された突条のさらなる他の実施形態の断面図
【
図12】
図2~
図7の装置で使用するアンビルの他の実施形態の環状フェイスの一部の展開図
【
図15】
図1のシステムの一実施形態を使用して製造された弾性不織材料の概略図
【
図16】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の、不連続的な突条を含む環状フェイスの一部の展開図
【
図17】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の、斜軸に沿って延在する突条を含む環状フェイスの一部の展開図
【
図18】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の、異なる形状の突条(discrete ridges)を含む環状フェイスの一部の展開図
【
図19】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の、異なるパターンの突条を含む環状フェイスの一部の展開図
【
図20】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の、対称なパターンの突条を含む環状フェイスの一部の展開図
【
図21】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の、互いに略垂直な角度の方向の突条を含む環状フェイスの一部の展開図
【
図22】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の、突条を含む環状フェイスの一部の展開図
【
図23】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の環状フェイスの一部、及び曲線に沿ってアンビルフェイスの幅方向にわたって延在する弾性ストランドを示す展開図
【
図24】
図2~
図7の装置で使用するアンビルのさらなる他の実施形態の環状フェイスの一部、及び環状フェイスの突条に基づく曲線に沿って受容及び誘導された弾性ストランドを示す展開図
【
図25】
図1のシステムの一実施形態を使用して製造された弾性不織材料、及び断続的な捕捉プロセスの概略図
【0010】
同一の符号は、図の全体に渡って対応するパーツを示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照すると、特に
図1では、弾性不織材料を製造するためのシステムが、全体的に符号100を用いて示されている。図示された本システム100(弾性不織材料を製造するためのシステム)は、全体的に符号102を用いて示された供給ステーションと、全体的に符号104を用いて示された加工ステーションと、全体的に符号106を用いて示された回収ステーションとを備える。他の適切なステーションもまた、本発明の範囲から逸脱することなく意図される。
【0012】
図示された実施形態では、供給ステーション102は、不織布を収容している複数の供給ロールを含む。つまり、第1の供給ロール110は第1の不織布112を収容し、第2の供給ロール114は第2の不織布116を収容している。供給ステーション102はまた、弾性ストランドを収容している供給スプールを含む。つまり、第1の供給スプール118は第1の弾性ストランド120を収容し、第2の供給スプール122は第2の弾性ストランド124を収容し、第3の供給スプール126は第3の弾性ストランド128を収容し、第4の供給スプール130は第4の弾性ストランド132を収容している。弾性ストランド120、124、128、及び132は、それらが本明細書に記載されたような機能を果たせる任意の適切な断面形状を有し得る(例えば、円形、(例えば、比較的平坦な)矩形、正方形等)。
【0013】
図示された加工ステーション104は、以下でより詳しく説明される弾性不織材料134を作製するための、弾性ストランド120、124、128、及び132を不織布112及び116の間で結合する回転式超音波結合装置(全体的に符号200を用いて示される)を含む。回収ステーション106は、弾性不織材料134を回収する任意の適切なデバイス(例えば、巻取りロール136)を含み得る。他の実施形態では、供給ステーション102は、本装置200(回転式超音波結合装置200)が本明細書に記載されたような機能を果たせる任意の適切な構成を有する任意の適切な数の供給ロール及び供給スプールを含み得る。
【0014】
図2~
図7は、回転式超音波結合装置200の様々な実施形態である。図示の実施形態では、本装置200(回転式超音波結合装置200)は、以下でより詳しく説明されるように、不織布112及び116の間に弾性ストランド120、124、128、及び132を結合する操作を実行するために協働するアンビルモジュール202及びホーンモジュール204等の結合モジュールを有する。
【0015】
図示された実施形態では、ホーンモジュール204は、円盤状回転ホーン208が配置されたフレーム206(ホーンモジュールフレーム206)と、適切な動力伝達装置212を介して回転するホーン208(円盤状回転ホーン208)を運転するためのモータ210と、ホーン208に振動を引き起こす振動制御ユニット(不図示)の少なくとも一部を収容するハウジング214とを有する。ホーン208は、略連続的な外形輪郭のフェイス216を有する(すなわち、ホーンフェイス216(円盤状回転ホーン208のフェイス216)は、その表面積の全域にわたって略滑らかな(すなわち途切れない)外形輪郭を有する)。他の実施形態では、ホーンフェイス216は、ホーン208が本明細書に記載されたような機能を果たせる任意の適切な外形輪郭を有し得る。
【0016】
ある実施形態では、(不図示ではあるが)振動制御ユニットは、コンバータに機械的に接続された少なくとも1つのブースタ(例えば、ドライブブースタ及びインテグラルブースタ)を有する。また、コンバータは、ジェネレータに電気的に接続可能である。コンバータは、ジェネレータによって供給された高い周波数の電力を、ブースタを通過してホーン208に選択的に伝わる力学的エネルギー(すなわち振動)へと変換可能である。ブースタは、以下でより詳しく説明するように、結合操作中にホーン208が回転している間にホーン208(特に、ホーン208のフェイス216)が振動するように、コンバータからホーン208へ伝わる振動を変更(すなわち、増加または減少)する機能を有する。ホーンモジュール204は、ホーン208が本明細書に記載されたような機能を果たせる任意の適切な態様で配列された任意の適切な操作構成要素を有し得ることも意図される。
【0017】
図示された実施形態では、アンビルモジュール202は、円盤状回転アンビル220と、該アンビル220(円盤状回転アンビル220)の回転を適切な動力伝達装置224を介して運転するモータ222とを配置されたフレーム218(アンビルモジュールフレーム218)を有する。アンビル220は、環状フェイス226を有し、その外形輪郭は以下でより詳しく説明されるように不連続的(すなわち、途切れる)である。アンビルモジュール202は、アンビルフェイス226(環状フェイス226、円盤状回転アンビル220のフェイス226)がホーンフェイス216に近接して回転可能なように、またはホーンフェイス216がアンビルフェイス226に近接して回転可能なように、ホーンモジュール204に対して配置されている。それによって、以下でより詳しく説明されるように、弾性ストランド120、124、128、及び132が本装置200(回転式超音波結合装置200)を通過して張力を保持されたとき、それらを不織布112及び116の間で超音波結合することが可能となる。本明細書で使用されている用語「近接(close proximity)」は、ホーン208が超音波振動を発生していないときに、アンビルフェイス226がホーンフェイス216に接触するか、またはわずかに離間しているかのいずれかの状態であることを指している。
【0018】
ある実施形態では、本装置200は、アンビルモジュール202及びホーンモジュール204の少なくとも一方が他方に対して、(A)弾性不織材料製造システム100がオフラインで、かつホーン208が停止しているとき(すなわち、ホーン208が回転及び振動していないとき)、または(B)弾性不織材料製造システム100がオンラインで、かつホーン208が稼動しているとき(すなわち、ホーン208が回転及び振動しているとき)のいずれかの場合で操作可能な適切な変位メカニズムを介して変位可能なように構成され得る。
【0019】
特に
図2の実施形態に関して、本装置200は、連続的に噛み合う装置(continuous-nip apparatus)として構成可能であり、ホーンモジュール204が、(A)弾性不織材料製造システム100がオンラインで、かつホーン208が稼動しているとき、アンビルモジュール202に対する位置で固定されている状態となり、(B)弾性不織材料製造システム100がオフラインで、かつホーン208が停止しているとき、アンビルモジュール202に対して変位可能な状態となる。このような変位は、フレーム206及びフレーム218を互いに接続する選択的に作動可能な空気圧シリンダー228(または他の適切なリニアアクチュエータ)によって容易になる。この態様では、ホーンフェイス216及びアンビルフェイス226間の間隔は、主に本システム100がオフラインのときに本装置200を修理(servicing)するために調節可能である。
【0020】
図3及び
図4の実施形態を参照すると、本装置200は、断続的に噛み合う装置(intermittent-nip apparatus)としても構成可能であり、本システム100がオンラインであり、かつホーン208が稼動しているとき、ホーンモジュール204がアンビルモジュール202に対して回転カムデバイス230を介して変位可能とされている。回転カムデバイス230は、ホーンモジュールフレーム206に配置されたフォロワー232と、アンビルモジュールフレーム218に配置されサーボモータ236を介して回転可能なカムホイール234とを有する。カムホイール234は、それがサーボモータ236を介して回転するとき、フォロワー232が不規則なカム表面238に沿って乗り上げて、その結果、規定の頻度でアンビルモジュールフレーム218に対してホーンモジュールフレーム206を循環的に変位させるような、不規則なカム表面238を有する。この態様では、ホーンフェイス216及びアンビルフェイス226間の間隔、及び/またはホーンフェイス216がアンビルフェイス226に接触する頻度は、選択的に調節可能である。ホーンモジュール204及びアンビルモジュール202の他の変位可能な配列もまた、本発明の範囲から逸脱することなく意図される。
【0021】
図5及び
図6の実施形態で示されているように、回転式超音波結合装置200はまた、ピンチングデバイス260(pinching device)を有し得る。図示された実施形態では、ピンチングデバイス260は、基部262と、少なくとも1つのバイアス要素266を介して基部262に対してフローティングして配置されたローラ264とを含む。ピンチングデバイス260はまた、ホーンモジュールフレーム206及びアンビルモジュールフレーム218の少なくとも一方に配置されたブラケットアセンブリ265を有する。基部262及びローラ264は、異なる寸法のアンビル220と共にピンチングデバイス260を使用可能にするために、アンビル220に対して(以下でより詳しく説明されるように)少なくとも2の自由度をもって調節可能である。
【0022】
図示されたブラケットアセンブリ265は、第1のブラケット267及び第2のブラケット268を有する。第1のブラケット267は、少なくとも1つの直線状スロット269を有する。直線状スロット269には、それを通じて(ホーンモジュール204のフレーム206、またはアンビルモジュール202のフレーム218のいずれかに固定される)ボルト271が延在可能である。また、ボルト271は、直線状スロット269に沿って摺動可能である。したがって、直線状スロット269によって、第1のブラケット267は、フレーム206及び/またはフレーム218に対して平行移動することが可能な状態とされている。第2のブラケット268は、少なくとも1つの略アーチ状のスロット272を有する。略アーチ状のスロット272には、(第1のブラケット267に固定される)ボルト270が延在可能である。また、ボルト270は、アーチ状のスロット272に沿って摺動可能である。したがって、アーチ状のスロット272によって、第2のブラケット268は、第1のブラケット267に対して回転可能な状態とされている。基部262は、該基部262(及び、その結果としてローラ264)が、第1の自由度をもって第2のブラケット268の回転を介して回転するように調節可能であり、かつ第2の自由度をもって第1のブラケット267の平行移動を介して平行移動可能なように調節可能なように、第2のブラケット268に配置されている。
【0023】
基部262の位置、及びその結果としてローラ264の位置は、該ローラ264とアンビルフェイス226との間で所望のピンチング接触(pinching contact)を達成するように、ボルト270及びボルト271を介して固定可能である。例えば、図示された実施形態では、基部262及びローラ264は、バイアス要素266がアンビル220の回転軸に略垂直な方向のバイアス力を適用するような方向にされている(
図6参照)。他の実施形態では、ピンチングデバイス260は、それが本明細書で説明されたピンチング動作を実行可能に組み立てられた任意の適切な態様で配列され、移動可能(例えば、平行移動可能及び/または回転可能)な任意の適切な構成要素(例えば、基部262及びローラ264が、2の自由度をもって平行移動する、または1の自由度をもって平行移動し、1の自由度をもって回転する等の、少なくとも2の自由度をもって調節可能とした任意の適切なブラケットアセンブリ)を有し得る。
【0024】
この態様では、ピンチングデバイス260によって、結合操作中にホーン208及びアンビル220の間で分断(切断)される弾性ストランド120、124、128、及び132の跳ね返りが制限されている。さらに具体的には、ピンチングデバイス260は、破損した弾性ストランド120、124、128、及び132がそれらのそれぞれの供給スプール118、122、126、及び130へ跳ね返ることを防止するために、ローラ264及びアンビル220の間で破損した弾性ストランド120、124、128、及び132を捕らえる効果を有する。その上、ローラ264がアンビル220に接触することによって回転するため、あらゆる破損した弾性ストランド120、124、128、及び132は、ローラ264及びアンビル220の接触部で捕らえられ、ホーン208及びアンビル220の間の接触部へ自動的に返される。したがって、ピンチングデバイス260は、破損した弾性ストランド120、124、128、及び132のためのセルフスレッディングデバイス(self-threading device)としての役目を果たす。
【0025】
とりわけ、本装置200は、それが本明細書に記載された機能を果たせるような、互いに協働する任意の適切な数のアンビルモジュール202及び/またはホーンモジュール204を有し得る。例えば、
図7の実施形態で示されているように、本装置200は、1対のアンビル220が配置されたアンビルドラム274と一体となって構成され得る。アンビルドラム274は、互いに離間して配置された1対の予め画定された環状フェイス226を有する。この態様では、互いに離間したホーンモジュール204のホーン208は、そのようなアンビルフェイス226のそれぞれに対して専用に設けられている。したがって、一部にのみ弾性が必要な、より大きな不織布において範囲を限定した結合操作が容易になる(例えば、このより大きな不織布における弾性が不要なセグメントは、アンビルドラム274の非接触領域277に沿って動かして、関連するホーン208と相互作用し得る)。
【0026】
結合操作中にホーン208及びアンビル220の間で切断される弾性ストランド120、124、128、及び132の発生を最少化できるように、不織布112及び116がホーン208及びアンビル220の間で互いに結合されている間、アンビルフェイス226のノッチの中の所定の位置で弾性ストランド120、124、128、及び132を保持することが望ましい。少なくとも以下の操作パラメータが、結合操作中に切断される弾性ストランド120、124、128、及び132の発生を最少化することに寄与する(A)固有のエネルギー源(例えば、アンビル220に接触するときのホーン208の振動の振幅及びその圧力)、(B)エネルギーディレクタ(例えば、アンビルフェイス226の形状)、及び(C)材料システム(例えば、弾性ストランド120、124、128、及び132のデシテックス(太さ)及び張力、並びに不織布112及び116の坪量)。
【0027】
このようなパラメータの1つ(すなわち、アンビルフェイス226の形状)に関して、
図8は、本装置200のアンビルフェイス226の一実施形態の展開図(laid-flat illustration)である。図示された実施形態では、アンビルフェイス226は、周方向に延在する円周軸276と、それと垂直な方向の幅方向に或る幅寸法278とを有する。アンビルフェイス226の外形輪郭は、アンビルフェイス226が円周上に離間した複数の突条280を画定しているため、円周軸276に沿って不規則(すなわち、不連続的)である。例えば、ある実施形態では、互いに隣接した対の突条280のそれぞれは、約2.54mm(0.10インチ)~約25.4mm(1.00インチ)(例えば、約5.08mm(0.20インチ)~約12.7mm(0.50インチ))の、円周軸276に沿って区画された間隔(すなわちピッチ)を有し得る。図示された実施形態ではアンビルフェイス226上で全ての互いに隣接する対の突条280が互いに略均等に離間して配置されているが、互いに隣接した対の突条280間の間隔は、他の実施形態では円周軸276に沿って変化し得ることも意図される。
【0028】
図示された実施形態では、突条280は、アンビルフェイス226の幅方向の略全域に広がるために、円周軸276を略直線的に横切って延在している。突条280は、円周軸276に対して斜め方向の延長軸282を有する。
図9で示されているように、突条280は、延長軸282に沿って互いに離間して配置された複数のランド284を有する。互いに隣接した対のランド284のそれぞれは、ノッチ286に基づいて(すなわちその側方に)互いに離間して配置されている。
図8では、ランド284及びノッチ286が、選択したいくつかの突条280のみに示されているが、アンビルフェイス226の全ての突条280が、同様にそれぞれの延長軸282に沿ってランド284及びノッチ286の組を有することを理解されたい。とりわけ、突条280における互いに隣接したランド284のそれぞれは、それらの間に画定された対応するノッチ286が、円周軸276に対して略平行な方向となるように形成されている(すなわち、突条280及びノッチ286は、図示された実施形態では円周軸276に略平行な方向に長さ寸法298を有する)。
【0029】
ある実施形態では、アンビルフェイス226は、連続的な捕捉結合操作(continuous entrapment bonding operation)のために構成され得る。さらに具体的には、このような実施形態では、突条280は、少なくとも1つのノッチ286を有する。ノッチ286は、それぞれの突条280の対応するノッチ286と幅寸法278で整列している。また、整列したノッチ286のそれぞれの側方に位置するランド284は、不織布112及び116に幅方向隣接結合部を形成するように、互いに離間して配置されている。この幅方向隣接結合部は、張力をかけて結合された弾性ストランド120、124、128、及び132を恒久的に保持するように、幅寸法278において互いに十分に接近している。結果として、結合操作が完了し、不織布112及び116が本システム100から取り除かれた後は、弾性ストランド120、124、128、及び132の少なくとも1本は、それ以後、弾性ストランド120、124、128、及び132が延在する幅方向隣接結合部の間ではなく、円周上に隣接した結合部の列の間で収縮するようになる。したがって、この捕捉結合操作は、弾性ストランド120、124、128、及び132の少なくとも1本が、それらが延在する幅方向隣接結合部のそれぞれの対の間で恒久的に張力を保持するようになるという意味で、連続的(continuous)であると言える。
【0030】
アンビルフェイス226の連続的な捕捉形態の一実施形態では、突条280のランド284及びノッチ286は、互いに対してアンビルフェイス226上の全ての他の突条280と略同じ寸法(及び、したがって、間隔)を有する。ノッチ286は、概ねU型、または概ねV型である。ノッチ286の側方に位置するランド284の側壁は、
図9で示されたようなノッチ286の断面形状からみると、約1°~約140°(例えば、約60°~約100°)のくさび角度(wedge angle)をそれらの間に形成し得る。他の形状のノッチ286もまた考えられる。例えば、ある実施形態では、側壁は、約0°(すなわち、側壁は互いに概ね平行となり得る)で形成され得る。
【0031】
特定の一実施形態では、弾性ストランド120、124、128、及び132が約300~約1240デシテックス(dtex)を有し、かつ不織布112及び116が約8~約30g/m2(gsm)を有する場合、ランド284は、それらのピークで約0.254mm(0.01インチ)~約6.35mm(0.25インチ)の長さ(例えば、約0.762mm(0.03インチ)~約1.52mm(0.06インチ))と、それらのピークで約0.203mm(0.008インチ)~約1.27mm(0.05インチ)の幅(例えば、約0.254mm(0.01インチ)~約0.762mm(0.03インチ))とを有し得る。また、その例では、ノッチ286は、それらの側方に存在するランド284のピークから計測された約0.0508mm(0.002インチ)~約1.02mm(0.04インチ)の深さ(例えば、約0.102mm(0.004インチ)~約0.508mm(0.02インチ))と、それらの側方に存在するランド284のピークから計測された約0.152mm(0.006インチ)~約0.406mm(0.016インチ)の幅(例えば、約0.203mm(0.008インチ)~約0.381mm(0.015インチ))と、それらの底部から測定された約0.0508mm(0.002インチ)~約0.508mm(0.02インチ)の幅(例えば、約0.102mm(0.004インチ)~約0.381mm(0.015インチ))とを有し得る。
【0032】
前述の例示の寸法を有するランド284及びノッチ286を設けたことにより、アンビルフェイス226は、ノッチ286において、弾性ストランド120、124、128、及び132の把持性が向上する。したがって、ノッチ286から抜け出して脱落するそれらを保護して、分断される弾性ストランド120、124、128、及び132の発生を削減できるようになる。ランド284及びノッチ286の他の適切な寸法もまた、本発明の範囲から逸脱することなく意図される。
【0033】
他の実施形態では、アンビルフェイス226は、断続的な捕捉結合操作(intermittent entrapment bonding operation)のために構成され、少なくとも1つのノッチ286の側方に位置するランド284は、不織布112及び116に幅方向隣接結合部を形成するように、互いに離間して配置されている。この幅方向隣接結合部は、張力をかけて結合された弾性ストランド120、124、128、及び132を恒久的に保持することがないように、幅寸法278において互いに十分に離間することとなる。結果として、結合操作が完了し、不織布112及び116が本システム100から取り除かれた後は、対応する弾性ストランド120、124、128、及び132は、これ以後、弾性ストランド120、124、128、及び132の幅方向隣接結合部の間でそれらの張力が概ね解放されるようにそれらが延在する幅方向隣接結合部の間で収縮するようになる。したがって、この捕捉結合操作は、弾性ストランド120、124、128、及び132の少なくとも1本が、それらが延在する幅方向隣接結合部の全ての対の間で恒久的に張力を保持しないという意味で、断続的(intermittent)であると言える。
【0034】
アンビルフェイス226の断続的に捕捉する構成の一実施形態では、アンビルフェイス226には、少なくとも1つの円周領域288における突条280のノッチ286(及び、したがって、それの側方に位置するランド284)の寸法が、少なくとも1つの他の円周領域288における突条280の幅方向に配列されたノッチ286(及び、したがって、それの側方に位置するランド284)の寸法と比較して異なるような、複数の異なる円周領域288を有し得る。
【0035】
例えば、複数の第1の円周領域290及び296における突条280は、少なくとも1つのノッチ286を有し得る。(第1の円周領域290及び296における突条280の)ノッチ286は、第1の円周領域290及び296の間に互いに離間して配置された複数の第2の円周領域292及び294における突条280上で、(第1の円周領域290及び296における突条280の)ノッチ286と幅方向において整列した少なくとも1つのノッチ286(第2の円周領域292及び294における突条280のノッチ286)と比較して異なる寸法とされている。この例では、第1の円周領域290及び296の中で、ノッチ286は、弾性ストランド120、124、128、及び132がその後、第1の円周領域290及び296における突条280の幅方向に隣接したランド284の位置に設けられた幅方向隣接結合部にわたって捕捉された(entrapped)状態とならない(すなわち、間で解放(slip)可能である)ように、より大きな幅を有する寸法となり得る。一方で、第2の円周領域292及び294の中で、ノッチ286は、弾性ストランド120、124、128、及び132が、第2の円周領域292及び294で突条280の幅方向に隣接したランド284の位置に設けられた幅方向隣接結合部にわたって捕捉された状態となる(すなわち、その後、間で解放できない)ように、より小さな幅を有する寸法となり得る。
【0036】
さらに具体的には、この例では、第2の円周領域292及び294における少なくとも1つの突条280は、連続的な捕捉を例示するために上述した態様における寸法とされたノッチ286を有する。一方で、第1の円周領域290及び296における少なくとも1つの突条280は、(ノッチ286の側方に位置するランド284のピークで測定して)約0.254mm(0.01インチ)~約6.35mm(0.25インチ)(例えば、ある実施形態では約0.762mm(0.03インチ)~約1.52mm(0.06インチ)、または特定の一実施形態では約0.889mm(0.035インチ))の幅を有する寸法とされたノッチ286を有する。したがって、第1の円周領域290及び296における少なくとも1つの突条280を横切って弾性ストランド120、124、128、及び132を適切に解放可能にすることが容易となる。特に、弾性ストランド120、124、128、及び132が、約300~約1240デシテックス、不織布112及び116が約8g/m2(gms)~約30g/m2(gms)を有するときに適切に解放可能にすることが容易となる。
【0037】
連続的な捕捉構成及び断続的な捕捉構成の両方で、アンビルフェイス226は、複数の異なる幅方向セグメント281を有し得る。幅方向セグメント281のそれぞれは、比較すると異なる寸法のランド284及び/またはノッチ286を有する。例えば、
図11で示された特定の一実施形態では、アンビルフェイス226は、第1のデシテックスの弾性ストランド120、124、128、及び132を適合するように、第1の幅のノッチ286を画定するランド284を有する第1の幅方向セグメント283と、第1のデシテックスより少ない第2のデシテックスの弾性ストランド120、124、128、及び132を適合するように、第1の幅より狭い第2の幅のノッチ286を画定するランド284を有する第2の幅方向セグメント285とを有し得る。したがって、幅方向セグメント281は、連続的に捕捉するために構成されているか、または断続的に捕捉するために構成されているかに関わらず、異なる寸法の弾性ストランド120、124、128、及び132を適応するような寸法とされ得る。
【0038】
さらに他の実施形態では、アンビルフェイス226は、円周軸276を非直線的に横切って延在する突条280を有し得る。例えば、
図12~
図14で示された特定の一実施形態では、アンビルフェイス226には、曲線軸(curvilinear axis)(例えば、略アーチ状の曲線軸287)を有する複数の突条280が画定されている。とりわけ、非直線状の突条280を有するこれらの実施形態は、略直線状に延在する突条280に対して上述したような円周領域288及び幅方向領域281(幅方向セグメント281)と共通する同様な寸法変化を含め、上述の略直線状に延在する突条280に関するランド284及びノッチ286と同様な寸法を有し得る。
【0039】
図15では、本システム100(弾性不織材料を製造するためのシステム)を使用して製造した弾性不織材料300が示されている。図示の実施形態では、断続的な捕捉結合プロセスが、上述の本装置200(回転式超音波結合装置200)の一実施形態を使用して不織布112及び116(と、それらの間に挟まれた弾性ストランド120及び124)に実行されている。弾性不織材料300を製造するために用いたアンビル220の一実施形態は、上述のある実施形態で説明した円周領域288にわたって寸法を変えたノッチ286を有するアンビルフェイス226を有する。この態様では、不織布112及び116、並びに弾性ストランド120及び124に、本装置200を通過して張力を保持しつつ、ホーンフェイス216及びアンビルフェイス226が、アンビルフェイス226のランド284と一致する位置で結合部302を設けている。
【0040】
次に、結合された不織布112及び116(並びにそれらの間に挟まれた弾性ストランド120及び124)が本システム100から取り除かれると、弾性ストランド120及び124における張力は、弾性ストランド120及び124のセグメントが収縮できるように部分的に解放され、その結果弾性不織材料300が作製される。さらに具体的には、弾性ストランド120及び124の第1のセグメント304は、より幅が狭いノッチ286が画定された突条280に対応する結合部302の隣接した列の間で捕捉(entrapped)されるようになる。一方で、弾性ストランド120及び124の第2のセグメント306は、より幅が広いノッチ286が画定された突条280に対応する列において、幅方向隣接結合部302にわたって解放(slip)可能となる。この態様では、不織布112及び116は、弾性を有する材料300(弾性不織材料300)を有効に提供するために、互いに近接して離間した幅方向隣接結合部302を有する弾性不織材料300のエリア308をギャザーにする(しかし、互いに大きく離間した幅方向隣接結合部302を有するエリア310には無い)。とりわけ、連続的な捕捉操作が断続的な捕捉操作の代わりに使用された場合、弾性不織材料300は、解放可能にされた第2のセグメント306を有さず、代わりに不織布112及び116が弾性不織材料300の全体でギャザーとなるように第1のセグメント304のみを有するであろう。
【0041】
図16~
図24は、
図2~
図7で示された本装置200(回転式超音波結合装置200)で使用するためのアンビル220の実施形態の環状フェイス226の一部を示した展開図である。
図16~
図24で示されたアンビルフェイス226は、本装置200を操作しているときにアンビル220及びホーン208が連続的な走行接触(continuous running contact)を提供可能なパターンで配列された突条280を含む。本明細書で使用されている用語「連続的な走行接触(continuous running contact)」は、アンビル220の環状フェイス226が、本装置200の操作の全体を通じて概ね連続的にホーン208から力を受けるように構成されていることを意味する。例示的な実施形態では、連続的な走行接触をすることで、アンビル220及びホーン208が、操作の全体を通じて略均一な力を受けるようになる。したがって、本装置200の操作に必要な消費エネルギーが削減される。さらに、ホーン208及びアンビル220を設けると、既知のシステムと比較して(操作に必要な消費エネルギーが)削減される。その上、本装置200の操作に関連する振動及び/または騒音が削減できる。
【0042】
環状フェイス226の実施形態は、弾性不織材料における弾性ストランドの結合点間の間隔を増加可能にしており、弾性不織布に関わる弾性ストランド120、124、128、及び132のそれぞれがさらに独立して動けるようになる。したがって、弾性ストランド120、124、128、及び132は、弾性特性が増加されており、非結合の弾性ストランドと同様に機能し得る。例えば、環状フェイス226は、弾性ストランドの結合点を最大約150mm、すなわち約100mm~約150mmの範囲で互いに離間して配置可能とし得る。代替の実施形態では、弾性ストランド120、124、128、及び132は、それらが本明細書に記載されたように機能できる任意の弾性ストランドの結合点を有し得る。ある実施形態では、不織布同士の結合点は、弾性ストランドを結合せずに弾性ストランド120、124、128、及び132を誘導するために、弾性ストランドの結合点の間で使用され得る。さらに、不織布同士の結合点は、連続的な走行接触を提供するために使用され得る。
【0043】
図16は、突条280及び間隙279を有するアンビルフェイス226の一実施形態の展開図である。図示された実施形態では、突条280は、円周軸276を略直線的に横切って延在し、アンビルフェイス226の幅寸法278の一部に広がる。さらに、突条280は、互いに隣接した該突条280の間に間隙279が画定されるような、不連続的なものである。間隙279は、互いに隣接する突条280の間で円周軸276を略直線的に横切って延在し、アンビルフェイス226の幅寸法278の一部に広がる。したがって、間隙279は、ホーン208からの力を受けるアンビルフェイス226の表面積を削減している(
図2~
図7参照)。結果として、本装置200の操作中に、不織布において結合部を形成するために必要な力は、削減されている。さらに、弾性ストランド120、124、128、及び132(
図1参照)は、それらが幅寸法278において均一に結合された場合と比較して、互いに対してより独立して動き得る。
【0044】
突条280は、円周軸276に対して斜め方向の延長軸282を有する。さらに、突条280は、該突条280が円周軸276に沿って互いに隣接する突条280のそれぞれと位置が重なり合うように配置されている。その結果、突条280は、本装置200(
図2~
図7参照)の操作中にホーン208及びアンビル220の間(
図2~
図7参照)に連続的な走行接触を提供するように構成されている。加えて、斜めの延長軸282によって、突条280間の間隔が増加できる。また、突条280が追加の接触点を必要とせずに連続的な走行接触を提供するので、アンビル220のホーン208から力を受ける部分は、減少し得る。
【0045】
さらに、図示された実施形態では、突条280が延長軸282に沿って整列され、突条280及び間隙279の交互に入れ替わるパターンが延長軸282に沿って延在する。代替の実施形態では、突条280は、アンビルフェイス226が本明細書に記載したような機能を果たせる任意のパターンで配列されている。例えば、ある実施形態では、少なくともいくつかの互いに隣接した突条280は、互いに対して所定の角度で配置され得る。
【0046】
ある実施形態では、突条280は、距離が約1.5mm~約10mmの範囲で、それぞれの延長軸282に沿って延在し得る。間隙279は、距離が約0.5mm~約20mmの範囲で、それぞれの延長軸282に沿って延在し得る。代替の実施形態では、突条280及び間隙279は、アンビルフェイス226が本明細書に記載された機能を果たせる任意の距離で延在し得る。
【0047】
図17は、(
図1~
図7で示された)本装置200のアンビルフェイス226の他の実施形態の展開図である。このアンビルフェイス226は、第1の領域312に第1の突条311を有し、第2の領域314に第2の突条313を有する。第1の領域312では、第1の突条311は、延長軸316(第1の斜軸)に沿って延在している。延長軸316は、該延長軸316及び円周軸276が所定の角度318を画定するように、円周軸276に対して斜め方向とされている。第2の領域314では、突条313は、延長軸320(第2の斜軸)に沿って延在している。延長軸320は、円周軸276及び該延長軸320が所定の角度322を画定するように、円周軸276に対して斜め方向とされている。延長軸320は、延長軸316に対して斜め方向とされている。さらに、第1の領域312の突条311は、第2の領域314の突条313からオフセットしている。結果として、第1の突条311及び第2の突条313の間隔は増加可能であり、第1の突条311及び第2の突条313が連続的な走行接触をするように構成可能である。
【0048】
図18は、(
図1~
図7で示された)本装置200のアンビルフェイス226のさらなる他の実施形態の展開図である。このアンビルフェイス226は、第1の突条311及び第2の突条313を有する。図示された実施形態では、第1の突条311は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向とされた延長軸316を有する。さらに、第1の突条311のそれぞれは、幅寸法278において隣接した第1の突条311、及び円周軸276に沿って隣接した第1の突条311から離間して配置されている。第2の突条313は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向とされた延長軸320を有する。また、第2の突条313のそれぞれは、幅寸法278において隣接した第2の突条313、及び円周軸276に沿って隣接した第2の突条313から離間して配置されている。その上、第1の延長軸316は、第2の延長軸320に対して斜め方向とされている。代替の実施形態では、アンビルフェイス226は、それが本明細書に記載されたような機能を果たせるような、任意の第1の突条311及び第2の突条313を有し得る。
【0049】
第1の突条311及び第2の突条313は、アンビルフェイス226の全体にわたって混在している。例えば、第2の突条313は、第1の突条311の間に画定された間隙279を介して延在している。また、第1の突条311は、第2の突条313の間に画定された間隙279を介して延在している。したがって、第1の突条311は、円周軸276及び幅寸法278に沿って互いに隣接した第2の突条313と位置が重なり合う。第2の突条313は、円周軸276及び幅寸法278に沿って互いに隣接した第1の突条311と位置が重なり合う。
【0050】
第1の突条311及び第2の突条313は、アンビルフェイス226上にパターンを画定する。ある実施形態では、第1の突条311及び第2の突条313のパターンは、弾性不織材料の所望の特性を提供するように構成されている。例えば、位置が重なり合う第1の突条311及び第2の突条313のパターンは、所望の特性(寸法、間隔、張力等)を有する波模様(ruffling)を形成するように構成され得る。結果として、波模様は、弾性不織材料の1または複数の区画における(1)美観の品質(例えば、外観、柔らかさ)、及び/または(2)機能的な性質(例えば、ウエストバンド、パネル、レッグカフ等に用いられる)を提供し得る。代替の実施形態として、第1の突条311及び第2の突条313は、アンビルフェイス226が本明細書に記載されたような機能を果たせる任意のパターンで配置され得る。
【0051】
また、ある実施形態では、第1の突条311及び/または第2の突条313は、円形、多角形、矩形、正弦曲線形、卵形の少なくとも1つを有し得る。さらなる実施形態では、第1の突条311及び/または第2の突条313は、弾性不織材料に図形及び/または英数字(文字)を画定するように構成され得る。このような実施形態では、第1の突条311及び/または第2の突条313のいくつかは、弾性不織材料に所望の外観を形成できるように、略連続的なフェイスを有し得る。
【0052】
図19は、複数のパターンで配置された突条280を含む(
図1~
図7で示された)本装置200のアンビルフェイス226の他の実施形態の展開図である。
図19で示されているように、このアンビルフェイス226は、第1の領域402、第2の領域404、及び第3の領域406を有する。第1の領域402及び第3の領域406では、突条280は、第1のパターンで配列されている。第1のパターンでは、突条280は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向とされた延長軸282を有する。第2の領域404では、突条280は、第2のパターンで配列されている。第2のパターンでは、突条280は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向とされた延長軸316及び320を有する。延長軸316は、延長軸320に対して斜め方向とされている。さらに、第2の領域404では、突条280は、該突条280の間に間隙279を画定し、互いに隣接した突条280が円周軸276に沿って、かつ幅寸法278において位置が重なり合うように混在している。したがって、第1のパターン及び第2のパターンによって、本装置200の操作中に使用されるアンビルフェイス226の部分が増加されている。
【0053】
図20は、対称なパターンの突条280を有する、(
図1~
図7で示された)本装置200のアンビルフェイス226の他の実施形態の展開図である。このアンビルフェイス226は、突条280を有する第1の領域410と、突条280を有する第2の領域412を有する。第1の領域410では、突条280は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向とされた延長軸282を有する。第2の領域412では、突条280は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向とされた延長軸282を有する。対称軸408は、第1の領域410及び第2の領域412の間に延在している。第1の領域410の突条280は、対称軸408に対して第2の領域412の突条280と対称である。さらに、アンビルフェイス226は、突条280が繰り返し対称なパターンを形成するように、複数の対称軸408を有する。図示された実施形態では、対称軸408は、円周軸276に対して斜め方向である。代替の実施形態では、アンビルフェイス226は、それが本明細書に記載されたような機能を果たせる任意の対称軸408を有し得る。
【0054】
図21は、概ね直角を成す第1の突条414及び第2の突条416を有するアンビルフェイス226の他の実施形態の展開図である。このアンビルフェイス226は、第1の突条414及び第2の突条416を有する。第1の突条414は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向とされた延長軸413を有する。第2の突条416は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向とされた延長軸415を有する。第1の突条414の延長軸413は、第2の突条416の延長軸415に対して直角を成す。したがって、第1の突条414及び第2の突条416は、(1)連続的な走行接触を提供し、(2)ホーン208及びアンビル220の接触面積を削減し、かつ(3)アンビル220全体にわたってかかる負荷を分散するパターンを形成している。
【0055】
図22は、第1の突条417及び第2の突条418を有する本装置200のアンビルフェイス226の他の実施形態の展開図である。第1の突条417は、複数のランド419及び複数のノッチ421を有する。第2の突条418は、略連続的な外形輪郭を有し、不織布における不織布同士の結合点を提供している。第1の突条417及び第2の突条418は、このアンビルフェイス226の全体にわたって混在している。具体的には、第1の突条417のそれぞれは、互いに隣接した第2の突条418の間に延在し、第2の突条418のそれぞれは、互いに隣接した第1の突条417の間に延在している。第2の突条418は、第1の突条417間の間隔を増加可能とし、弾性不織材料の結合及び/または連続的な走行接触の増加を提供する。
【0056】
第1の突条417及び第2の突条418は、任意の適切な形状を有し得る。例えば、第1の突条417及び第2の突条418は、直行直線、ドット、楕円、多角形、折れ線、文字、及び/または任意の他の適切な形状を有し得る。図示された実施形態では、第1の突条417及び第2の突条418は、矩形である。
【0057】
さらに、第1の突条417は、円周軸276及び幅寸法278に対して斜め方向に延在している。第2の突条418は、円周軸276に対して平行に延在している。したがって、第1の突条417は、第2の突条418に対して斜め方向である。代替の実施形態では、第1の突条417及び第2の突条418は、本装置200が本明細書に記載されたような操作を行える任意の方向に延在し得る。例えば、ある実施形態では、第2の突条418の少なくともいくつかは、円周軸276及び/または幅寸法278に対して斜め方向に延在し得る。
【0058】
図23は、本装置200のアンビルフェイス226の他の実施形態の展開図である。弾性ストランド420は、円周軸276に沿って湾曲した曲線422に沿って、アンビルフェイス226の幅寸法278にわたって延在する。弾性ストランド420は、(
図1で示された)供給ステーション102によって、曲線422に沿って誘導され得る。例えば、
図1、
図2、及び
図23を参照すると、供給ステーション102は、アンビル220が回転するときに、弾性ストランド420がアンビルフェイス226上の突条280によって受容されるように弾性ストランド420を往復(左右動)して供給する(巻き出す)ように構成され得る。この往復運動に従って、弾性ストランド420は、それが曲線422に沿って誘導されるように突条280の様々な位置で受容され得る。代替の実施形態として、弾性ストランド420は、弾性不織材料が本明細書に記載されたような機能を果たせる任意の態様で誘導され得る。
【0059】
図24は、本装置200のアンビルフェイス226の他の実施形態の展開図である。アンビルフェイス226は、それの幅寸法278の一部にわたって延在する突条280を有する。突条280の配置は、円周軸276に沿って湾曲する曲線424に対応している。突条280は、アンビル220が(
図2で示された)回転をするとき、アンビルフェイス226の幅方向にわたる曲線424に沿って弾性ストランド420を誘導するように構成されている。代替の実施形態では、弾性ストランド420は、弾性不織材料が本明細書に記載されたような機能を果たせる任意の態様で誘導され得る。
【0060】
ある実施形態では、弾性ストランド420は、(
図1で示された)供給ステーション102によって、少なくともある程度誘導され得る。例えば、突条280は、弾性ストランド420を受容するように構成されており、往復運動に対応する曲線424に沿って弾性ストランド420を誘導する。他の実施形態では、供給ステーション102は、静止位置から弾性ストランド420を供給し、弾性ストランド420を任意の適切な手段で曲線424に沿って誘導し得る。
【0061】
弾性ストランド420は、連続的な捕捉プロセス及び/または断続的な捕捉プロセス中に、曲線424に沿って誘導され得る。さらに、弾性ストランド420を、弾性不織材料の一部分で曲線424に沿って誘導することが可能であり、弾性不織材料の全体にわたる必要は無い。
【0062】
図25は、本システム100及び断続的な弾性材捕捉プロセスを使用して製造した弾性不織材料500の概略図である。弾性不織材料500は、少なくとも1本の弾性ストランド504、及び不織布506を含む。弾性不織材料500は、さらに、第1の領域508、第2の領域510、及び第3の領域512を含む。弾性ストランド504は、少なくとも第1の領域508及び第3の領域512で不織布506に保持されている。例えば、弾性ストランド504は、本明細書に記載された本システム及び本方法を使用して不織布506の中に捕捉され得る。
【0063】
図示された実施形態では、弾性ストランド504は、第1の領域508及び第2の領域510の間で、及び第2の領域510及び第3の領域512の間で切断装置514によって分断すなわち切断(分離)され得る。結果として、弾性ストランド504は、第2の領域510では少なくともある程度は自由な状態である。ある実施形態では、弾性ストランド504は、弾性不織材料500の長手方向に対して略垂直な線に沿って切断され得る。他の実施形態では、弾性ストランド504は、長手方向に対して少なくともある程度の斜角をもって、及び/または平行に延在する線に沿って切断され得る。さらなる実施形態では、弾性ストランド504は、曲線に沿って切断され得る。代替の実施形態では、弾性ストランド504は、弾性不織材料500が本明細書に記載された機能を果たせる任意の態様で分断され得る。
【0064】
弾性不織材料500は、第1の領域508、第2の領域510、及び第3の領域512において、異なる弾性及び外観を有し得る。例えば、第1の領域508及び第3の領域512では、弾性ストランド504は、張力下にあり、不織布506をギャザーにし得る。第2の領域510では、弾性ストランド504は緩んでおり、不織布506は弾性ストランド504によってギャザーにされていない。
【0065】
不織布506は、弾性ストランド504が切断装置514によって分断されたときに、不織布506に弾性ストランド504を保持するように構成された第2の領域510に少なくとも1か所の結合部516を有する。具体的には、不織布506は、弾性ストランド504の自由端部522が結合部516の両側に延出するように、第1の切断部518及び第2の切断部520の間で結合されている。さらに、結合部516は、自由弾性ストランド504(弾性ストランド504)が、破片として切り分けられ、弾性不織材料500及び(
図1で示された)本装置200を破損させる、またはクラッタ(cluttering)させることを防止する。結果として、結合部516は、弾性不織材料500を製造するコストを削減する。
【0066】
本明細書で説明された回転式超音波結合システム及び方法は、接着剤を使用せずに、張力をかけた弾性素材を不織布に直接捕捉するために利用され、これによって様々な機能的、商業的な利点を提供している。本システム及び本方法は、接着して結合するプロセスに伴う複雑な接着剤送達システム及びコストのかかる接着材料を排除している。また、本システム及び本方法は、より単純な、より清潔な、及びより安全な(例えば、温度がより低い)製造環境を、低電力消費及び低材料コストで提供している。また、従来の接着して結合された材料において一般的な、接着剤の裏抜け(bleed-through)、塗布過多(overspray)、硬化、クリープ等の、接着して結合した材料の様々な機能的欠陥が取り除かれている。したがって、低コストな不織材/フィルム基板(nonwoven/film substrates)及び弾性材料が利用できる。
【0067】
さらに、本明細書で説明された本システム及び本方法は、接着剤に関わるクリーニング操作、接着剤システムの送達性/信頼性の問題、メンテナンスイベント以前の加熱された装置を冷却する時間、冷却開始時間、及び再加熱イベントまたはパージキャリブレートイベント(purge-calibrate events)の少なくとも一部が無くなるので、より連続的な製造シークエンス(production sequence)が容易になる(すなわち、処理稼働時間が増加する)。その上、より連続的な製造シークエンスは、本システムがオンラインのときに分断された弾性ストランドを自動スレッディング(すなわちセルフスレッディング)すること、及び連続的に走行するオーバーザエンド弾性材スプール(over-the-end elastic spools)を使用することによって、さらに容易になる。
【0068】
さらに、本明細書で説明された本システム及び本方法は、切断/裁断プロセス、シーミングプロセス(seaming process)、縁部切り取りプロセス等の他の弾性材加工ステップを実行すると同時に、弾性ストランドを結合する(例えば、捕捉する)ために使用可能である。本システム及び本方法は、さらに、既存の資本的資産ベース(capital asset bases)に適用することができ、それによって、ソフトウェアインタフェースを用いて結合ゾーンの長さを変更するとき、(必要に応じてカスタマイズ可能な構成を用いて)組み込み機能(retrofit capability)、及びより迅速にグレードを変化する機能を提供する。
【0069】
本システム及び本方法はまた、弾性性能を最大化できる。例えば、本システム及び本方法は、他の結合方法と比較すると、伸張するときの張力を下げることができる(例えば、本システム及び本方法は、少なくともある基板が使用されているときの応力に対する張力が、略純粋な弾性反応となることを提供できる)。本システム及び本方法はまた、容易に影響を受ける中間バインダ材料(susceptible intermediate binder material)を有する基板に結合されていることとは対照的に、少なくとも一部では、弾性ストランドを熱可塑性の基板に捕捉できるという事実によって、クリープ(すなわち性能の低下)を最少化できる(例えば、本システム及び本方法は、温度、時間、及びエンドユーザが使用する溶媒(例えば、柔軟剤)に関わらずさらにロバストな弾性材料を生産する)。
【0070】
本システム及び本方法はさらに、美観及び機能的利点のカスタマイズが可能である。例えば、ギャザーは、寸法、形状、及び周期を選択できるように配置した結合パターン及び/またはストランド供給量に基づいて作製される。また、張力が所望の布構成に基づいた(例えば、布内の(レーン間の)所望の幅方向及び/または(レーン内の)所望の長手方向に基づいた)弾性セグメントによって制御可能であるため、区分して張力をかけることが可能である。必要に応じて、結合部を湾曲させることも可能である。さらに、調節可能にフィットするために制御して弾性ストランドを解放すること/クリープすることは、選択可能な基板への弾性材の断続的または連続的な結合を使用することで容易にされており、それによって、存在する弾性セグメント及び非弾性セグメントの配置/区画が可能となる。また、本システム及び本方法は、従来のシステムと比較して、弾性ストランドをさらに正確に隣接して配置することができる。例えば、本システムは、弾性ストランドの互いに対する配置を制限し得る接着剤ディスペンサーを含まず、その結果として、記載されたシステム及び方法は、既知のシステムと比較して、弾性ストランドの配置をより広い幅とすることを提供している。
【0071】
また、本システム及び本方法は、不織布における不織布同士の結合点及び弾性ストランドの結合点を、機械方向(周方向)及び機械と交わる方向(幅方向)における様々な位置に配置可能である。結果として、本システム及び本方法は、弾性ストランドからの力に従って両方向に折りたたまれる不織布を制御する機能を提供している。さらに、本システム及び本方法は、弾性不織布の機能的及び美観的性質の制御を増加している。また、実施形態は、弾性不織材料に機能的及び美観的な図形及び/または文字列特性を設ける機能を提供している。さらには、記載されたシステム及び方法は、起伏を有する係合領域(zones of uneven engagement)を減らすことによって、結合モジュールに着用性を制御する機能を提供し得る。
【0072】
上述された本システム及び本方法の実施形態に加えて、他の実施形態もまた意図される。例えば、回転しない結合のシステム(例えば、不動の(すなわちブレード式の)超音波ホーン、加熱式、加圧式等)が意図される。また、代替の実施形態では、上述した回転式の実施形態と、接着式システムとを組み合わせて使用することができる。さらには、ある実施形態における張力をかけられた弾性材の代わりに、張力が未発生の弾性材(latent elastic)を使用可能となり得る。そしてさらに、本システム及び本方法は、破損の発生を減らしつつ弾性ストランドを曲げる(すなわち変位する)ことが可能である。また、本システム及び方法はさらに、異なるデシテックスの弾性ストランドのマトリクス状の張力(例えば、チェック模様効果)、異なる波模様、デッドゾーン、及び/または同時取り込みの発生を可能とする。
【0073】
とりわけ、本明細書に記載された本システム及び本方法は、パーソナルケア用品(大人用ブリーフ、幼児用おむつ、子供/大人用プルオンパンツ、体にぴったりした生理用品等)または医療用衣類(マスク、キャップ、ガウン、フットウェア等)等の様々な製品で使用可能な様々な弾性不織材料の製造を可能としている。さらに、製品の個別の構成要素(例えば、スクリム/ネット、おむつの耳部(diaper ears)、ディスクリートパネル(discreet panels)等)を、上記のシステム及び方法によって作製された弾性不織材料を用いて製造できる。他の考えられる本発明の不織材料を使用できる製品は、開口部に弾性を有するごみ袋(elastic-topped garbage bags)、非接着の包袋、ヘアネット、ハウスラップ等と同様に、(例えば、波模様またはたるみ(blousing)に関連する)断熱材またはフィルタ等が含まれる。
【0074】
本発明の要素、またはその好ましい実施形態の要素を導入するとき、「ある(a/an)」、「この(the)」、及び「前記(said)」という語句は、1つ以上の要素の存在を意味することを意図している。用語「備える、含む、有する(comprising/including/having)」は包括的であり、記載された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0075】
本発明の範囲から逸脱することなく上記の構成に様々な変更を行うことができるため、上記の説明、または添付の図面での図示に含まれたすべての事柄は例示として解釈されるべきであり、限定する意味ではないことを意図している。