(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】基板処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240130BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240130BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H01L21/02 D
H01L21/304 643B
H01L21/304 648A
H01L21/304 648L
B08B3/02 C
(21)【出願番号】P 2022113748
(22)【出願日】2022-07-15
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111466
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シン チェ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム キ ウン
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-172520(JP,A)
【文献】特開2003-305414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/304
H01L 21/67
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、
前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁と、
前記第1処理バスと前記第2処理バス内に設けられ、前記基板を移動させる移送ユニットと、
前記第1処理バス内に設けられ、前記基板に薬液を提供する薬液供給ユニットと、
前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置されて前記第1隔壁と連結され、前記第1方向と異なる第2方向に沿って配置された多数の排気孔を含み、前記第1処理バス内のミストを排気する第1排気ユニットを含み、
前記第1排気ユニットは前記第2方向に沿って長く設けられたボディと、前記ボディの一端と連結された排気連結管を含み、前記排気連結管と前記ボディは、前記第1方向および前記第2方向によって定義される平面上で互いにオーバーラップしない
、基板処理装置。
【請求項2】
前記多数の排気孔は第1排気孔と第2排気孔を含み、前記第1排気孔は第2排気孔より前記排気連結管に近く、前記第2排気孔のサイズは前記第1排気孔のサイズより大きい、請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第2排気孔の第2方向の幅は、前記第1排気孔の第2方向の幅より大きい、請求項
2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、
前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁と、
前記第1処理バスと前記第2処理バス内に設けられ、前記基板を移動させる移送ユニットと、
前記第1処理バス内に設けられ、前記基板に薬液を提供する薬液供給ユニットと、
前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置されて前記第1隔壁と連結され、前記第1方向と異なる第2方向に沿って配置された多数の排気孔を含み、前記第1処理バス内のミストを排気する第1排気ユニットを含み、
前記第1排気ユニットは、前記第1処理バスに向かって前記第1隔壁より突出した第1側壁と、前記第1側壁と前記第1隔壁を連結する第1連結壁を含み、前記多数の排気孔は前記第1側壁に設けられた
、基板処理装置。
【請求項5】
前記第1排気ユニットは、前記第2処理バスに向かって前記第1隔壁より突出した第2側壁と、前記第2側壁と前記第1隔壁を連結する第2連結壁をさらに含み、
前記第2側壁には前記第2処理バス内のミストを排気するための多数の排気孔が設けられる、請求項
4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1連結壁と前記第1隔壁は鈍角をなす、請求項
4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記排気孔と前記第1連結壁の間の距離は、1mmより大きく10mmより小さい、請求項
4に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1側壁に、前記排気孔のサイズを調節するための排気カバーがさらに設けられた、請求項
4に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1隔壁にはL字形状のドロップ防止構造物を含み、前記第1連結壁に沿って流れ落ちる薬液を受ける、請求項
4に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記ドロップ防止構造物は前記第1隔壁と直接連結された受け部と、前記受け部と直接連結されて前記流れ落ちる薬液を収容するための収容壁を含み、前記受け部と前記第1隔壁は鈍角をなす、請求項
9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記ドロップ防止構造物は第2方向に沿って長く配置され、前記受け部は傾いている、請求項
10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第1隔壁に設けられ、前記出入口のサイズを調節できるカバーをさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第1隔壁は前記出入口を基準として上部に位置する上部隔壁と、下部に位置する下部隔壁を含み、前記カバーは前記上部隔壁に設けられた第1カバーと、前記下部隔壁に設けられた第2カバーを含む、請求項
12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、
前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁と、
前記第1処理バスと前記第2処理バス内に設けられ、前記基板を移動させる移送ユニットと、
前記第1処理バス内に設けられ、前記基板に薬液を提供する薬液供給ユニットと、
前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置されて前記第1隔壁と連結され、前記第1方向と異なる第2方向に沿って配置された多数の排気孔を含み、前記第1処理バス内のミストを排気する第1排気ユニットと、
前記第2処理バスの一面に配置された補助排気孔
と、を含む
、基板処理装置。
【請求項15】
第3処理バスをさらに含み、前記第1方向に前記第2処理バス、前記第1処理バスおよび前記第3処理バスの順に配置され、
前記第1処理バスと前記第3処理バスの間に配置され、前記基板が通過するための出入口が形成された第2隔壁と、
前記第1処理バスと前記第3処理バスの間に配置されて前記第2隔壁と連結され、前記第1方向と異なる第3方向に沿って配置された多数の排気孔を含み、前記第1処理バス内のミストを排気する第2排気ユニットをさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項16】
第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、
前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁と、
前記第1処理バスと前記第2処理バス内に設けられ、前記基板を移動させる移送ユニットと、
前記第1処理バス内に設けられ、前記基板に薬液を提供する薬液供給ユニットと、
前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置されて前記第1隔壁と連結された第1排気ユニットを含み、
前記第1排気ユニットは、前記第1方向と異なる第2方向に沿って長く設けられたボディと、前記ボディに形成された多数の排気孔を含み、
前記ボディは、前記第1処理バスに向かって前記第1隔壁より突出し、前記多数の排気孔が形成された第1側壁と、前記第1側壁と前記第1隔壁を連結する第1連結壁を含み、
前記第1連結壁と前記第1隔壁は鈍角をなす、基板処理装置。
【請求項17】
前記第1排気ユニットは、前記ボディの一端と連結された排気連結管をさらに含み、前記多数の排気孔は前記第2方向に沿って配置された第1排気孔と第2排気孔を含み、前記第1排気孔は第2排気孔より前記排気連結管に近く、前記第2排気孔のサイズは前記第1排気孔のサイズより大きい、請求項
16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記第1隔壁にはL字形状のドロップ防止構造物を含み、前記第1連結壁に沿って流れ落ちる薬液を受ける、請求項
16に記載の基板処理装置。
【請求項19】
第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置されて前記第1隔壁と連結された第1排気ユニットを含み、前記第1隔壁に設けられるL字形状のドロップ防止構造物を含み、前記第1排気ユニットは前記第1方向と異なる第2方向に沿って長く設けられたボディと、前記ボディに形成された多数の排気孔を含み、前記ボディは前記第1処理バスに向かって前記第1隔壁より突出し、前記多数の排気孔が形成された第1側壁と、前記第1側壁と前記第1隔壁を連結する第1連結壁を含む基板処理装置を提供し、
前記多数の排気孔を通じて第1処理バス内の薬液ミストが排気し、
前記第1側壁に付いた薬液は前記第1連結壁および前記第1隔壁に沿って流れ落ちて前記ドロップ防止構造物に入ることを含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置はウエハまたはディスプレイ用基板を処理する装置である。例えば、ディスプレイ用基板を処理する装置は順次隣接して配置された多数の処理バスを含む。ディスプレイ用基板が多数の処理バスを通過しながら、ディスプレイ用基板に洗浄液、エッチング液、現像液など多様な薬液が噴射されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、処理バスには噴射された薬液を外部に排気するための排気システムが適用されている。排気システムが最適化されていないと噴射された薬液が処理バス内でミスト(mist)形態で動き回り、ミスト形態の薬液がディスプレイ用基板に再安着して工程不良の原因となる恐れがある。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、処理バス内のミストを制御して工程不良を最小化させ得る基板処理装置を提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、処理バス内のミストを制御して工程不良を最小化させ得る基板処理方法を提供することにある。
【0006】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面(aspect)は、第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁と、前記第1処理バスと前記第2処理バス内に設けられ、前記基板を移動させる移送ユニットと、前記第1処理バス内に設けられ、前記基板に薬液を提供する薬液供給ユニットと、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置されて前記第1隔壁と連結され、前記第1方向と異なる第2方向に沿って配置された多数の排気孔を含み、前記第1処理バス内のミストを排気する第1排気ユニットを含む。
【0008】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の面は、第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁と、前記第1処理バスと前記第2処理バス内に設けられ、前記基板を移動させる移送ユニットと、前記第1処理バス内に設けられ、前記基板に薬液を提供する薬液供給ユニットと、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置されて前記第1隔壁と連結された第1排気ユニットを含み、前記第1排気ユニットは、前記第1方向と異なる第2方向に沿って長く設けられたボディと、前記ボディに形成された多数の排気孔を含み、前記ボディは、前記第1処理バスに向かって前記第1隔壁より突出し、前記多数の排気孔が形成された第1側壁と、前記第1側壁と前記第1隔壁を連結する第1連結壁を含み、前記第1連結壁と前記第1隔壁は鈍角をなし得る。
【0009】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置のまた他の面は、第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁と、前記第1処理バスと前記第2処理バス内に設けられ、前記基板を移動させる移送ユニットと、前記第1処理バス内に設けられ、前記基板に薬液を提供する薬液供給ユニットと、前記第1隔壁の前記出入口の上側に設けられ、前記第1隔壁に沿って流れ落ちる薬液を受けるL字形状のドロップ防止構造物を含み得る。
【0010】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理方法の一面は、第1方向に隣接して配置された第1処理バスと第2処理バスと、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置され、基板が通過するための出入口が形成された第1隔壁、前記第1処理バスと前記第2処理バスの間に配置されて前記第1隔壁と連結された第1排気ユニットを含み、前記第1隔壁に設けられるL字形状のドロップ防止構造物を含み、前記第1排気ユニットは前記第1方向と異なる第2方向に沿って長く設けられたボディと、前記ボディに形成された多数の排気孔を含み、前記ボディは前記第1処理バスに向かって前記第1隔壁より突出し、前記多数の排気孔が形成された第1側壁と、前記第1側壁と前記第1隔壁を連結する第1連結壁を含む基板処理装置を提供し、前記多数の排気孔を通じて第1処理バス内の薬液ミストが排気し、前記第1側壁に付いた薬液は前記第1連結壁および前記第1隔壁に沿って流れ落ちて前記ドロップ防止構造物に入ることを含み得る。
【0011】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【
図2】
図1のA領域を説明するための拡大図である。
【
図3】
図1の第1処理バスと、第1排気ユニットおよび第2排気ユニットの間の関係を説明するための斜視図である。
【
図4】
図1の第1排気ユニットの構造を説明するための正面図である。
【
図5】
図2のB領域を説明するための拡大図である。
【
図6】
図1のドロップ防止構造物を説明するための正面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態による基板処理装置の動作を説明するための図である。
【
図8】本発明の第2実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【
図9】本発明の第3実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【
図10】本発明の第3実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【
図11】本発明の第4実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0014】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0015】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0016】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数形は文面で特記しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0017】
他に定義のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解される意味として使用される。また、一般に用いられる辞典に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0018】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0019】
図1は本発明の第1実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
図2は
図1のA領域を説明するための拡大図である。
図3は
図1の第1処理バスと、第1排気ユニットおよび第2排気ユニットの間の関係を説明するための斜視図である。
図4は
図1の第1排気ユニットの構造を説明するための正面図である。
図5は
図2のB領域を説明するための拡大図である。
図6は
図1のドロップ防止構造物を説明するための正面図である。
図7は本発明の第1実施形態による基板処理装置の動作を説明するための図である。
【0020】
まず
図1を参照すると、本発明の第1実施形態による基板処理装置1は第1処理バス101、第2処理バス102、第3処理バス103、第4処理バス104、第5処理バス105、移送ユニット110、第1薬液供給ユニット120、第1排気ユニット210、第2排気ユニット310等を含む。
【0021】
第1方向Xに隣接して、第5処理バス105、第4処理バス104、第2処理バス102、第1処理バス101、第3処理バス103の順に配置される。
【0022】
隣接する処理バス101~105の間には隔壁250,350,250aが配置され、隔壁250,350,250aによって処理バス101~105が区分される。例えば、第1処理バス101と第2処理バス102の間に、第1隔壁250が設けられ、第1処理バス101と第3処理バス103の間に、第2隔壁350が設けられ、第2処理バス102と第4処理バス104の間に第3隔壁250aが設けられる。隔壁250,350,350aには基板が通過するための出入口(
図2の299参照)が形成されている。
【0023】
移送ユニット110は多数の処理バス101~105内に設けられ、基板を移送させる。図示するように、移送ユニット110は一定間隔に配置されたローラを含み、各ローラは移送シャフト(transfer shaft)と連結される。移送シャフトの回転によりローラが回転し、ローラ上で基板が移送される。移送ユニット110はローラに限定されない。例えば、移送ユニット110はエアーフローティングシステムを含むこともできる。
【0024】
第1薬液供給ユニット120は第1処理バス101内に設けられ、基板に薬液を供給する。第1薬液供給ユニット120は薬液(例えば、純水(deionized water))を強い圧力で基板に供給する。第1薬液供給ユニット120は純水の打力により基板上に存在するパーティクルを除去するようにすることができる。
【0025】
第2薬液供給ユニット131a,131bは第2処理バス102内に設けられる。第2薬液供給ユニット131a,131bは基板の上面および下面に薬液を噴射して、基板がウエット(wetting)された状態を維持するようにする。
【0026】
同様に、第3薬液供給ユニット132a,132bは第3処理バス103内に設けられ、基板の上面と下面に薬液を噴射する。
【0027】
第4薬液供給ユニット140は第4処理バス104内に設けられ、基板をプレウェッティング(pre-wetting)する。
【0028】
エアカーテン150は第5処理バス105の入口に設けられ、処理バス101~105内の空間と外部を遮断する。第5処理バス105の天井にはファンフィルタユニット(FFU,Fan Filter Unit,199)が設けられている。ファンフィルタユニット199の内部にはファンと共に高性能フィルタが設けられ、清浄空気を処理バス101~105内に供給する。
【0029】
第2処理バス102の一面には第2処理バス102内のミストを除去するための補助排気孔102aが形成される。第4処理バス104の一面には第4処理バス104内のミストを除去するための補助排気孔104aが形成され得る。
【0030】
ここで、
図1および
図2を参照すると、第1排気ユニット210は第1処理バス101と第2処理バス102の間に配置され、第1隔壁250と連結される。
第1排気ユニット210は第2方向Yに沿って長く設けられたボディ220,230を含み、ボディ220,230の一端と連結された排気連結管(
図3の229参照)を含む。
【0031】
ボディ220,230は側壁221,231と連結壁222,232を含み、側壁221,231と連結壁222,232により内部空間が定義される。第1側壁221は第1処理バス101に向かって第1隔壁250より突出する。第2側壁231は第2処理バス102に向かって第1隔壁250より突出する。第1連結壁222は第1側壁221と第1隔壁250を連結して、第2連結壁232は第2側壁231と第1隔壁250を連結する。
【0032】
第1側壁221には排気孔225が設けられ、排気孔225を通じて第1処理バス101内のミストが吸い込まれる。第2側壁231にも排気孔235が設けられ、排気孔235を通じて第2処理バス102内のミストが吸い込まれる。
【0033】
また、第1隔壁250にはL字形状のドロップ防止構造物280が形成される。ドロップ防止構造物280は第1連結壁222および第1隔壁250に沿って流れ落ちる薬液を受ける(receive)。ドロップ防止構造物280は出入口299の上側に配置され、出入口299を通過する基板に薬液が落ちることを防止することができる。
【0034】
ここで、
図5を参照すると、このようなドロップ防止構造物280は第1隔壁250と直接連結された受け部281と、受け部281と直接連結されて流れ落ちる薬液を収容するための収容壁282を含む。
図5に示すように、受け部281と第1隔壁250がなす角(θ2)は鈍角であり得る。収容壁282に薬液が付いても、前記薬液が直接下に落ちず、鈍角を有する受け部281に沿って流れるようにする。このようにすることで薬液が落ちても薬液が有する位置エネルギを最小化することができる。
【0035】
ここで
図6を参照すると、ドロップ防止構造物280は第2方向Yに沿って長く配置され、ドロップ防止構造物280(特に、受け部281)が傾いている(角度(θ3)参照)。
図6に図示するように、ドロップ防止構造物280(特に、受け部281)の延長方向と出入口299の延長方向がなす角(θ3)は鋭角であり得る。受け部281に集まった薬液は傾いた受け部281に沿って第1処理バス101の外部に除去され得る。
【0036】
再び
図2を参照すると、一方、第1連結壁222と第1隔壁250の間の角度(θ1)は鈍角であり得る。排気孔225と第1連結壁222の間の第1側壁221に付いた薬液が第1連結壁222および第1隔壁250に沿って流れ、ドロップ防止構造物280に容易に集まるようにするためである。
【0037】
第1連結壁222と第1隔壁250の間の角度(θ1)が鈍角ではない場合は、第1側壁221に付いた薬液が、重力によって下方に直接落ち得る。このように落ちる薬液が基板に直接落ちると不良の原因となる恐れがある。
【0038】
ここで、排気孔225と第1連結壁222の間の距離dは1mmより大きく10mmより小さい。距離dは排気孔225の最下側のエッジ(edge)と、第1連結壁222の最上側のエッジの間の距離であり得る。距離dが10mmより大きいと、排気孔225と第1連結壁222の間の第1側壁221に付いた薬液が第1連結壁222に沿って流れず、重力によって下方に直接落ち得る。距離dを最小化することによって、第1側壁221に付いた薬液が第1連結壁222に安定的に誘導されることができる。また、第1側壁221に排気孔225を形成する工程を安定的にするために、距離dを1mmより大きくする。
【0039】
ここで、
図3および
図4を参照すると、ボディ220は第2方向Yに沿って長く設けられ、ボディ220の一端には排気連結管229が設けられる。図示するように、排気連結管229とボディ220は、第1方向Xおよび第2方向Yにより定義される平面上で互いにオーバーラップしない。
【0040】
ボディ220(または第1側壁221)には多数の排気孔2251,2252,2253,2254が形成される。図示するように、第2方向Yに沿って第1排気孔2251、第2排気孔2252、第3排気孔2253、第4排気孔2254が順に配置される。
【0041】
第1排気孔2251は排気連結管229に最も近く、第4排気孔2254は排気連結管229から最も遠い。
【0042】
第1排気孔2251、第2排気孔2252、第3排気孔2253、第4排気孔2254を通じて、第1処理バス101のミストP1,P2,P3,P4が吸い込まれる。ボディ220,230の内部空間に入ってミストは、排気連結管229を通過して外部に排気する。
【0043】
ここで、排気連結管229は一側に片寄っているので、多数の排気孔2251,2252,2253,2254での圧力が異なる。したがって、多数の排気孔2251,2252,2253,2254での圧力を実質的に同様にするように、排気連結管229から遠くなるほど排気孔2251,2252,2253,2254のサイズが大きくなる。例えば、第2排気孔2252のサイズは第1排気孔2251のサイズより大きく、第3排気孔2253のサイズは第2排気孔2252のサイズより大きく、第4排気孔2254のサイズは第3排気孔2253のサイズより大きくてもよい。
【0044】
排気孔2251,2252,2253,2254の高さが同じであれば、排気孔2251,2252,2253,2254の幅が異なってもよい。すなわち、排気連結管229から遠くなるほど排気孔2251,2252,2253,2254の幅が大きくなってもよい。例えば、第2排気孔2252の幅W2は第1排気孔2251の幅W1より大きく、第3排気孔2253の幅W3は第2排気孔2252の幅W2より大きく、第4排気孔2254の幅W4は第3排気孔2253の幅W3より大きくてもよい。
【0045】
一方、前述したように、第2隔壁350が第1処理バス101と第3処理バス103の間に配置され、基板が通過するための出入口が形成されている。
【0046】
第2排気ユニット310は第1処理バス101と第3処理バス103の間に配置されて第2隔壁350と連結され、第2方向Yに沿って配置された多数の排気孔3251,3252,3253,3254を含み、第1処理バス101内のミストP5,P6,P7,P8を排気することができる。
【0047】
ここで
図5を参照すると、第1隔壁250には、出入口299のサイズを調節できるカバー258が設けられる。
【0048】
第1隔壁250は出入口299を基準として上部に位置する上部隔壁250aと、下部に位置する下部隔壁250bを含む。カバー258は上部隔壁250aに設けられた第1カバー258aと、下部隔壁250bに設けられた第2カバー258bを含む。
【0049】
ここで
図3および
図7を参照して、本発明の第1実施形態による基板処理装置1の動作を整理すると、次のとおりである。
【0050】
図3および
図7を参照すると、第1処理バス101内で発生したミストは第1側壁221の前面に設けられた第1排気ユニット210の多数の排気孔2251,2252,2253,2254を通じて、ボディ210の内部空間に吸い込まれる。ボディ210の内部空間に沿って排気連結管229を介して外部に排気する。
【0051】
また、第1側壁221に付いた薬液B1は、第1連結壁222に沿って移動して(薬液B2を参照)、第1隔壁250に沿って移動してドロップ防止構造物280内に入る(薬液B3を参照)。
【0052】
前述したように、第1処理バス101内にミストを制御して工程不良を最小化することができる。
【0053】
図8は本発明の第2実施形態による基板処理装置を説明するための図である。説明の便宜上、
図1ないし
図7を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0054】
図8を参照すると、本発明の第2実施形態による基板処理装置で、例えば、第2排気孔2252のサイズは第1排気孔2251のサイズと同じであり、第3排気孔2253のサイズは第2排気孔2252のサイズより大きく、第4排気孔2254のサイズは第3排気孔2253のサイズと同じであってもよい。
【0055】
排気孔2251,2252,2253,2254の高さが同じである場合、排気孔2251,2252,2253,2254の幅が異なるように制御されることができる。例えば、第2排気孔2252の幅W2は第1排気孔2251の幅W1と同じであり、第3排気孔2253の幅W3は第2排気孔2252の幅W2より大きく、第4排気孔2254の幅W4は第3排気孔2253の幅W3と同じであってもよい。
【0056】
図9は本発明の第3実施形態による基板処理装置を説明するための図である。説明の便宜上、
図1ないし
図7を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0057】
図9を参照すると、本発明の第3実施形態による基板処理装置で、第1側壁に、排気孔2253,2254のサイズを調節するための排気カバー2253a,2254aが設けられる。
【0058】
排気カバー2253a,2254aを一方向に移動させて、排気孔2253,2254のサイズを調節することができる(図面符号H1,H2参照)。例えば、各排気孔2253,2254での圧力を実質的に同様にするように、排気カバー2253a,2254aを調節して排気孔2253,2254のサイズを調節する。
【0059】
図10は本発明の第3実施形態による基板処理装置を説明するための図である。説明の便宜上、
図1ないし
図7を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0060】
図10を参照すると、本発明の第3実施形態による基板処理装置で、第1排気ユニット210は第1隔壁250の一側にのみ設けられ、第1処理バス101で発生したミストを排気する。第1排気ユニット210は第2処理バス102で発生したミストを排気しなくてもよい。
【0061】
同様に、第2排気ユニット310は第2隔壁350の一側にのみ設けられ、第1処理バス101で発生したミストを排気する。第2排気ユニット310は第3処理バス103で発生したミストを排気しなくてもよい。
【0062】
図11は本発明の第4実施形態による基板処理装置を説明するための図である。説明の便宜上、
図1ないし
図7を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0063】
図11を参照すると、本発明の第4実施形態による基板処理装置で、第1隔壁250には、出入口299のサイズを調節できるカバー258aが設けられる。第1隔壁250は出入口299を基準として上部に位置する上部隔壁250aと、下部に位置する下部隔壁250bを含む。カバー258aは上部隔壁250aにのみ設けられる。
【0064】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。