(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】基準信号報告を取り扱うデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20240130BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240130BHJP
H04W 72/542 20230101ALI20240130BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W16/28
H04W72/542
(21)【出願番号】P 2022135845
(22)【出願日】2022-08-29
【審査請求日】2022-08-29
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509352749
【氏名又は名称】宏碁股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】羅 立中
(72)【発明者】
【氏名】李 建民
(72)【発明者】
【氏名】陳 仁賢
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-531654(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0259703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準信号(RS)報告を取り扱う通信デバイスであって、
少なくとも1つの記憶デバイスと、
前記少なくとも1つの記憶デバイスに結合される少なくとも1つの処理回路と、を含み、
前記少なくとも1つの記憶デバイスは、命令を格納し、前記少なくとも1つの処理回路は、
ネットワークから少なくとも1つのRSを受信すること、
前記少なくとも1つのRSに従って少なくとも1つの測定を行って、少なくとも1つの測定結果を生成すること、
前記少なくとも1つの測定結果に従って前記少なくとも1つのRSからRSを選択すること、および
前記RSを前記ネットワークに報告するかどうかを決定すること、
の命令を実行するように構成され
、
当該通信デバイスは、カウンタが第1の閾値以上であるならば、前記RSを前記ネットワークに報告するよう決定し、前記カウンタは、当該通信デバイスが不安定なビームの数を計上するためのものである、
ことによって特徴付けられる、
通信デバイス。
【請求項2】
当該通信デバイスは、第1の閾値が値
0以上であるならば、前記RSを前記ネットワークに報告するよう決定することによって特徴付けられる、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項3】
当該通信デバイスは、前記RSの同一性(ID)、前記RSの品質または前記カウンタのうちの少なくとも1つを前記ネットワークに送信することを介して、前記RSを前記ネットワークに報告することによって特徴付けられる、請求項2に記載の通信デバイス。
【請求項4】
当該通信デバイスは、第2の閾値が所定の値以下であるならば、前記RSを前記ネットワークに報告するよう決定
し、前記第1の閾値は、前記第2の閾値よりも小さいことによって特徴付けられる、請求項
1に記載の通信デバイス。
【請求項5】
当該通信デバイスは、前記ネットワークから前記RSを報告するためのアクティブ化コマンドを受信するならば、前記RSを前記ネットワークに報告するよう決定することによって特徴付けられる、請求項
1に記載の通信デバイス。
【請求項6】
前記RSを前記ネットワークに報告することの命令は、
複数のアップリンク(UL)リソースのうちの第1のULリソースを介して、前記ネットワークへの前記RSと関連付けられる第1のUL送信を行うことを更に含み、
前記少なくとも1つのRSは、前記複数のULリソースと関連付けられることによって特徴付けられる、
請求項1~
5のうちのいずれか1項に記載の通信デバイス。
【請求項7】
前記第1のULリソースは、第1のランダムアクセスチャネル(RACH)リソース、第1の物理的アップリンク共用チャネル(PUSCH)リソース、第1の物理的アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースまたは第1の音声基準信号(SRS)リソースのうちの少なくとも1つを含むことによって特徴付けられる、請求項
6に記載の通信デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの処理回路は、
前記複数のULリソースのうちの第2のULリソースを介して、前記ネットワークへの前記第1のUL送信と関連付けられる第2のUL送信を行うこと、
の命令を実行するように更に構成され、
前記第2のULリソースは、第2のRACHリソース、第2のPUSCHリソース、第2のPUCCHリソースまたは第2のSRSリソースのうちの少なくとも1つを含むことによって特徴付けられる、
請求項
6に記載の通信デバイス。
【請求項9】
前記第2のPUSCHリソースは、周波数領域の情報、前記第1のULリソースに対応する前記周波数領域のオフセット、時間領域のリソース割当てまたは前記第1のULリソースに対応する前記時間領域のオフセットのうちの少なくとも1つを含むことによって特徴付けられる、請求項
8に記載の通信デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの処理回路は、
前記RSを報告することに応答して、前記ネットワークから検索空間と関連付けられる情報を受信すること、
の命令を実行するように更に構成されることによって特徴付けられる、
請求項
6に記載の通信デバイス。
【請求項11】
前記検索空間の空間準共局在(QCLed)された仮定が、前記RSと関連付けられることによって特徴付けられる、請求項
10に記載の通信デバイス。
【請求項12】
前記情報は、ダウンリンク(DL)リソースを介してDL受信をスケジューリングするために、DL制御情報(DCI)内に送信構成インジケータ(TCI)フィールドを含み、前記DLリソースは、前記TCIフィールドが「利用可能でないもの」の情報または所定の値を含むならば、前記RSでQCLedされ、当該通信デバイスは、前記TCIフィールドが前記「利用可能でないもの」の情報または前記所定の値を示すならば、前記第1のUL送信のための空間フィルタを介して、前記ネットワークへの第3のUL送信を行
い、前記「利用可能でないもの」の情報は、当該通信デバイスが前記RSを報告しないことを示すことによって特徴付けられる、請求項
10に記載の通信デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの処理回路は、
タイマが終了するまで、或いは前記少なくとも1つのRSから別のRSを選択するときに、前記RSを前記ネットワークに報告することを停止すること、
の命令を実行するように更に構成されることによって特徴付けられる、
請求項
1に記載の通信デバイス。
【請求項14】
前記タイマは、前記RSを連続的に報告することの第1の数が第3の閾値以上であるときに動作を開始し、前記第3の閾値は、
「同じRS」の連続的な報告の最小数であることによって特徴付けられる、請求項
13に記載の通信デバイス。
【請求項15】
前記タイマは、前記選択されないRSを連続的に報告することの第2の数が第4の閾値以上であるときに動作を開始し、前記第4の閾値は、「選択されないRS」の連続的な報告の最小数であることによって特徴付けられる、請求項
13に記載の通信デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つのRSと前記複数のULリソースとの間の複数の空間的関係情報が、複数の媒体アクセス制御要素(MAC CE)によってアクティブ化される、或いは複数の無線リソース制御(RRC)メッセージによって構成される、複数のTCI状態によって示され、前記複数の空間的関係情報の各々は、障害検出リソース、前記第1のUL送信のための前記空間フィルタ、最も低い制御リソースセット(CORESET)、IDまたはSRSリソースインジケータのうちの少なくとも1つを含むことによって特徴付けられる、請求項
12に記載の通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおいて使用されるデバイスおよび方法に関し、より具体的には、基準信号報告(reference signal reporting)を取り扱うデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標):3rd Generation Partnership Project)Rel‐8規格および/または3GPP(登録商標) Rel‐9規格をサポートするロングタームエボリューション(LTE:long-term evolution)システムが、ユーザの増加するニーズを満足させるようユニバーサル移動体通信システム(UMTS:universal mobile telecommunication system)の性能をさらに強化するために、UMTSの後継として3GPP(登録商標)によって開発されている。LTEシステムは、新しい無線インターフェースと、高いデータレート、低い待ち時間、パケット最適化、ならびに改良されたシステム容量およびカバレッジ(範囲)を提供する新しい無線ネットワークアーキテクチャとを含む。LTEシステムでは、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E‐UTRAN:evolved universal terrestrial radio access network)として知られる無線アクセスネットワークは、少なくとも1つのユーザ機器(UE:user equipment)と通信するための、ならびに非アクセスストラタム(NAS:Non-Access Stratum)制御のための移動管理エンティティ(MME:mobility management entity)、サービスゲートウェイなどを含むコアネットワークと通信するための、少なくとも1つの進化型ノードB(eNB:evolved Node-B)を含む。
【0003】
LTE‐advanced(LTE‐A)システムは、その名前が暗示するように、LTEシステムの進化である。LTE‐Aシステムは、電力状態間のより速いスイッチングを目標とし、eNBのカバレッジエッジでの性能を向上させ、ピークデータレートおよびスループットを増加させ、キャリア集約(CA:carrier aggregation)、協調マルチポイント(CoMP:coordinated multipoint)送信/受信、アップリンク(UL:uplink)マルチ入力マルチ出力(multi-input multi-output)(UL‐MIMO)、(例えば、LTEを使用する)ライセンス付き支援アクセス(LAA:licensed-assisted access)などのような、先進技法を含む。UEおよびeNBがLTE-Aシステム内で互いに通信し合うために、UEおよびeNBは、3GPP(登録商標) Rel-1X規格またはそれ以降のバージョンのような、LTE-Aシステムのために開発される規格をサポートしなければならない。
【0004】
次世代無線アクセスネットワーク(NG‐RAN:next generation radio access network)が、LTE‐Aシステムをさらに強化するために開発されている。NG-RANは、1つ以上の次世代ノードB(gNBs:next generation Node-Bs)を含み、より広い動作帯域、異なる周波数範囲についての異なる数秘学(numerologies)、大容量(massive)MIMO、先進チャネルコーディングなどの特性を有する。
【0005】
UEは、gNBが報告されるRSに従ってビーム調整を行うために、ビーム成形(例えば、ULマルチユーザ(multi-user)MIMO(MU-MIMO))をgNBで作動するときに、複数の基準信号(RSs:reference signals)をgNBに報告することがある。しかしながら、UEが高速であり、gNBが旧式のRSに従ってビーム調整を不適切に実行することがあるときに、報告されるRSは、旧式であることがある。従って、ビーム障害(beam failure)の確率は増加し、ビーム成形の性能は劣化する。よって、ビーム成形を操作するときに、旧式のRSを報告するという問題を解決することは、重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これを念頭に置いて、本発明は、上述の問題を解決するために、基準信号(RS)報告を取り扱うデバイスおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、独立項に従ったRS報告を取り扱うデバイスおよび方法によって達成される。従属項は、対応するさらなる開発及び改良に関する。
【0008】
後続の詳細な記述からより明確に分かるように、基準信号(RS)報告を取り扱うための特許請求する通信デバイスは、少なくとも1つの記憶デバイスと、少なくとも1つの記憶デバイスに結合される少なくとも1つの処理回路とを含み、少なくとも1つの記憶デバイスは、命令を格納し、少なくとも1つの処理回路は、ネットワークから少なくとも1つの基準信号(RS)を受信することと、少なくとも1つのRSに従って少なくとも1つの測定を実行して、少なくとも1つの測定結果を生成することと、少なくとも1つの測定結果に従って少なくとも1つのRSからRSを選択することと、RSをネットワークに報告するかどうかを決定することと、の命令を実行するように構成される。
【0009】
以下、以下の図面を参照して、本発明を一例として更に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一例に従った無線通信システムの概略図である。
【
図2】本発明の一例に従った通信デバイスの概略図である。
【
図3】本発明の一例に従ったプロセスのフローチャートである。
【
図4】本発明の一例に従ってRSを報告するトリガ条件の概略図である。
【
図5】本発明の一例に従ってRSを報告するタイミング図である。
【
図6】本発明の一例に従ってRSを報告するタイミング図である。
【
図7】本発明の一例に従ってRSを報告するタイミング図である。
【
図8】本発明の例に従ったTCIフィールド-TCI状態マッピングテーブルの概略図である。
【
図9】本発明の一例に従ってRSを報告するタイミング図である。
【
図10】本発明の例に従ってRSを報告するタイミング図である。
【
図11】本発明の例に従ってRSを報告するタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一例による無線通信システム10(wireless communication network)の概略図である。無線通信システム10は、ネットワーク12と複数の通信デバイス14とで簡単に構成される。無線通信システム10は、時分割二重化(TDD:time-division duplexing)モード、周波数分割二重化(FDD:frequency-division duplexing)モード、TDD-FDDジョイント動作モード、非地上ネットワークモード(NTN:non-terrestrial network)、またはライセンス付き支援アクセス(LAA:licensed-assisted access)モードをサポートすることがある。すなわち、ネットワーク12および通信デバイス14は、FDDキャリア、TDDキャリア、ライセンス付きキャリア(ライセンス付きサービスセル)および/またはライセンスなしキャリア(ライセンスなしサービスセル)を介して、互いに通信することがある。加えて、無線通信システム10は、キャリア集約(CA:carrier aggregation)をサポートすることがある。すなわち、ネットワーク12および通信デバイス14は、一次セル(PCell)(例えば、一次コンポーネントキャリア)および少なくとも1つの二次セル(SCell)(例えば、二次コンポーネントキャリア)を含む複数のサービスセル(例えば、複数のサービスキャリア)を介して、互いに通信することがある。
【0012】
図1において、ネットワーク12及び通信デバイス14は、無線通信システム10の構造を示すために単に利用されている。実際には、ネットワーク12は、ユニバーサル移動通信システム(UMTS:universal mobile telecommunications system)における少なくとも1つのノードB(NB:Node-B)を含むユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN:universal terrestrial radio access network)であってよい。一例において、ネットワーク12は、少なくとも1つの進化型NB(eNB:evolved NB)および/またはロングタームエボリューション(LTE:long-term evolution)システム、LTE-Advanced(LTE-A)システム、LTE-Aシステムの進化などにおける少なくとも1つの中継ノード(relay node)を含む、進化型UTRAN(E-UTRAN:evolved UTRAN)である。一例において、ネットワーク12は、少なくとも1つの次世代ノードB(gNB:next generation Node-B)および/または少なくとも1つの第5世代(5G)基地局(BS)を含む、次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN:next generation radio access network)である。一例において、ネットワーク12は、通信デバイス14と通信するための特定の通信規格に適合する任意のBSである。
【0013】
NR(New Radio)は、より良い性能を持つ統合された空気インターフェースを提供するように5Gシステム(または5Gネットワーク)のために定義された規格である。gNBsは、5Gシステムを実現するために配備され、それは、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communications)などのような、先進構成をサポートする。eMBBは、より大きな帯域幅および低い/適度な待ち時間を有するブロードバンドサービスを提供する。URLLCは、より高い信頼性および低い待ち時間の特性を有する適用(例えば、エンドツーエンド通信)を提供する。適用の例は、産業インターネット、スマートグリッド、インフラストラクチャ保護、遠隔手術および高度道路交通システム(ITS:intelligent transportation system)を含む。mMTCは、何十億もの接続されたデバイスおよび/またはセンサを含む5Gシステムのモノのインターネット(IoT:internet-of-things)をサポートすることができる。
【0014】
更に、ネットワーク12は、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANおよびコアネットワークのうちの少なくとも1つを含んでもよく、コアネットワークは、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)、サービスゲートウェイ(S-GW:Serving Gateway)、パケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)ゲートウェイ(Gateway)(P-GW:)、自己組織化ネットワーク(SON:Self-Organizing Networks)サーバおよび/または無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)などのような、ネットワークエンティティを含んでよい。一例では、ネットワーク12が通信デバイス14によって送信された情報を受信した後に、情報は、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANのみによって処理され、情報に対応する決定が、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANで行われる。一例において、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANは、コアネットワークに情報を転送してよく、情報に対応する決定は、コアネットワークが情報を処理した後に、コアネットワークで行われる。一例において、情報は、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANおよびコアネットワークの両方によって処理され、決定は、調整および協調がUTRAN/E-UTRAN/NG-RANおよびコアネットワークによって実行された後に行われる。
【0015】
通信デバイス14は、ユーザ機器(UE)、低コストデバイス(例えば、MTC(machine type communication)デバイス)、デバイス間(D2D)通信デバイス、狭帯域(narrow-band)モノのインターネット(IoT)(NB-IoT)、携帯電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、電子ブック、ポータブルコンピュータシステム、またはそれらの組み合わせであってよい。加えて、ネットワーク12及び通信デバイス14は、方向(すなわち、送信方向)に従って送信機または受信機として見ることができ、例えば、アップリンク(UL)について、通信デバイス14は送信機であり、ネットワーク12は受信機であり、ダウンリンク(DL)について、ネットワーク12は送信機であり、通信デバイス14は受信機である。
【0016】
図2は、本発明の一例による通信デバイス20の概略図である。通信デバイス20は、
図1に示す通信デバイス14またはネットワーク12であってよいが、ここでは限定されない。通信デバイス20は、マイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路(ASIC)のような少なくとも1つの処理回路210、少なくとも1つの記憶デバイス210、および少なくとも1つの通信インターフェースデバイス220を含んでよい。少なくとも1つの記憶デバイス210は、少なくとも1つの処理回路210によってアクセスされ且つ実行されるプログラムコード214を格納することがある任意のデータ記憶デバイスであってよい。少なくとも1つの記憶デバイス210の例は、加入者識別モジュール(SIM)、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル汎用ディスクROM(DVD-ROM)、ブルーレイ(登録商標)ディスクROM(BD-ROM)、磁気テープ、ハードディスク、光データ記憶デバイス、不揮発性記憶デバイス、非一時的コンピュータ読取可能媒体(例えば、有形媒体)などを含むが、これらに限定されない。少なくとも1つの通信インターフェースデバイス220は、好ましくは、少なくとも1つの送受信機(トランシーバ)であり、少なくとも1つの処理回路210の処理結果に従って信号(例えば、データ、メッセージおよび/またはパケット)を送受信するために使用される。
【0017】
図3は、本発明の一例によるプロセス30のフローチャートである。プロセス30は、基準信号(RS:reference signal)報告(reporting)を取り扱うために、通信デバイス(例えば、
図2の通信デバイス20)において利用されてよい。プロセス30は、プログラムコード214にコンパイルされ、以下のステップを含むことがある。
ステップ300:開始する。
ステップ302:ネットワーク(例えば、
図1のネットワーク12)から少なくとも1つのRSを受信する。
ステップ304:少なくとも1つのRSに従って少なくとも1つの測定を行って、少なくとも1つの測定結果を生成する。
ステップ306:少なくとも1つの測定結果に従って少なくとも1つのRSからRSを選択する。
ステップ308:RSをネットワークに報告するかどうかを決定する。
ステップ310:終了する。
【0018】
プロセス30によれば、通信デバイス20は、ネットワーク12から少なくとも1つの(例えば、候補の)RSを受信する(例えば、そのようなRSで構成される)。通信デバイス20は、少なくとも1つのRSに従って少なくとも1つの測定を行って、少なくとも1つの測定結果を生成する。通信デバイス20は、少なくとも1つの測定結果に従って少なくとも1つのRSからRSを選択する。次に、通信デバイス20は、RSをネットワーク12に報告するかどうかを決定する(例えば、計算する且つ/或いは取得する)。すなわち、RSをネットワーク12に報告するかどうかは、通信デバイス20によって決定される。換言すれば、通信デバイス20は、その必要性(例えば、報告されたRSが旧式であるかどうか)に従ってRSをネットワーク12に報告することを決定する。よって、ネットワーク12は、(例えば、更新された)RSに従ってビーム調整を適切に行う。RSは、ビーム、(例えば、5Gシステムのための)新しいビーム、(例えば、5Gシステムのための)新しいビームRSであってよいが、ここでは限定されない。
【0019】
プロセス30の実現は、上記記述に限定されない。以下の例は、プロセス30を実現するために適用されることがある。
【0020】
一例において、少なくとも1つのRSは、少なくとも1つのビームtお関連付けられる。一例において、通信デバイス20は、トリガ条件に従ってRSをネットワーク12に報告するかどうかを決定する。通信デバイス20は、トリガ条件が満たされるならば(例えば、満たされるときに)、RSをネットワーク12に報告するかを決定してよい。一例では、第1の閾値が値0よりも大きく、カウンタが第1の閾値以上であるならば、トリガ条件が満たされる。一例において、通信デバイス20は、カウンタが第2の閾値以上であるならば、ビーム障害(beam failure)を決定する(例えば、宣言する)。第1の閾値は、第2の閾値よりも小さくてよい。すなわち、通信デバイス20は、通信デバイス20がビーム障害を決定する前に、RSをネットワーク12に報告することを決定する。よって、ビーム障害の確率は減少する。一例において、通信デバイス20は、カウンタが第1の閾値以上であるならば、ビームが不安定であると決定する(例えば、宣言する)。
【0021】
一例において、通信デバイス20は、(例えば、通信デバイスに役立っている)供給ビーム(serving beam)と関連付けられるRSの品質が新しい(例えば、更新された)RS報告専用の第3の閾値よりも小さい(例えば、悪い)ならば、RSをネットワーク12に報告することを決定する。一例において、通信デバイス20は、RSの識別子、RSの品質、カウンタ、またはRSについてコンポーネントキャリア(CC)インデックス(index)のうちの少なくとも1つをネットワーク12に送信することを介して、RSをネットワーク12に報告する。
【0022】
一例において、通信デバイス20は、(例えば、RRCメッセージ、MAC(medium access control) CE(control element)、またはDL制御情報(DCI:DL control information)を介して)ネットワーク12から(例えば、ネットワーク12によって)ネットワーク12にRSを報告するためのULリソースを受信する(例えば、そのようなULリソースで構成される)。一例において、通信デバイス20は、第1の閾値が値0に等しいならば、(例えば、ULリソースをアクティブ化(起動)させることによって)RSをネットワーク12に報告することを決定する。一例では、通信デバイス20は、第2の閾値が所定の値、固定値または予め定義された値以下であるならば、(例えば、ULリソースをアクティブ化させることによって)RSをネットワーク12に報告することを決定する。
【0023】
通信デバイス20は、ネットワーク12から(例えば、ネットワーク12によって)第1の閾値、第2の閾値および/または第3閾値を受信してよい(例えば、受信するように構成されてよい)。
【0024】
一例において、通信デバイス20は、通信デバイス20が、(例えば、RRCメッセージ、MAC CEまたはDCIを介して)ネットワーク12からRSを報告するためのアクティブ化コマンドを受信するならば、RSをネットワーク12に報告することを決定する。通信デバイス20は、アクティブ化コマンドに応答して、ハイブリッド自動反復要求確認応答(hybrid automatic repeat request acknowledgement)をネットワーク12に送信してよい。通信デバイス20によって報告されるチャネル状態情報RS(CSI-RS)に従って、ネットワーク12は、RSを報告する通信デバイスをアクティブ化させるために、アクティブ化コマンドを通信デバイス20に送信してよい。一例において、通信デバイス20は、通信デバイス20が、(例えば、RRCメッセージ、MAC CEまたはDCIを介して)ネットワーク12からのRSの報告を停止するための非アクティブ化コマンドを受信するならば、ネットワーク12へのRSの報告を中止することを決定する。通信デバイス20は、非アクティブ化コマンドに応答して、HARQ-ACKをネットワーク12に送信してよい。通信デバイス20によって報告されるCSI-RSに従って、ネットワーク12は、RSを報告する通信デバイスを非アクティブ化させるために、非アクティブ化コマンドを通信デバイス20に送信してよい。
【0025】
一例において、通信デバイス20は、通信デバイス20が、他のRSの品質がRS(例えば、少なくとも1つのRSの一方)の品質より大きい(例えば、良い)ことを決定する(例えば、見出す)ならば、別のRS(例えば、少なくとも1つのRSの他方)の情報を送信する。一例において、通信デバイス20は、通信デバイス20が、他のRSの品質がRSの品質よりも小さい(例えば、悪い)と決定するならば、他のRSの情報を送信しないか、或いはRSが見出されないことを示す情報を送信する。
【0026】
一例において、通信デバイス20は、複数のULリソースの第1のULリソースを介して、ネットワーク12へのRSと関連付けられる第1のUL送信を実行することによって、RSをネットワーク12に報告し、少なくとも1つのRSは、複数のULリソースと関連付けられる。第1のULリソースは、第1のランダムアクセスチャネル(RACH)リソース、第1の物理的アップリンク共用チャネル(PUSCH)リソース、第1の物理的アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースまたは第1の音声基準信号(SRS)リソースのうちの少なくとも1つを含んでよい。第1のPUCCHリソースのフォーマットは、フォーマット0またはフォーマット1を含んでよい。通信デバイス20は、通信デバイス20が第1のUL送信においてRS報告(例えば、更新)を要求するための要求IDで構成されてよい(例えば、スケジュールされてよい。第1のPUCCHリソースの第1のシーケンスは、スケジューリング要求(SR)のために通信デバイスによって使用されるPUCCHリソースの第2のシーケンスと同じであってよい。第1のシーケンスおよび第2のシーケンスは、異なる周期的シフトを含んでよい。
【0027】
一例において、通信デバイス20は、複数のULリソースのうちの第2のULリソースを介して、ネットワーク12への第1のUL送信と関連付けられる第2のUL送信を実行することによって、RSをネットワーク12に報告する。第2のULリソースは、第2のRACHリソース、(例えば、通信デバイスによって測定されるCSIを報告するため)第2のPUSCHリソース、第2のPUCCHリソースまたは第2のSRSリソースのうちの少なくとも1つを含んでよい。一例において、第2のPUSCHリソースは、周波数領域の情報、第1のULリソースに対応する周波数領域のオフセット、時間領域のリソース割当てまたは第1のULリソースに対応する時間領域のオフセットのうちの少なくとも1つを含んでよい。第2のPUCCHリソースのフォーマットは、フォーマット2、フォーマット3またはフォーマット4を含んでよい。一例において、第2のPUCCHリソースは、他のRSの品質がRSの品質よりも大きい(例えば、良い)と見出されるならば、RS、他のRSのカウンタまたは情報(例えば、他のRSのIDおよび/または他のRSの対応する信号品質)と関連付けられる信号品質(例えば、RS受信電力(RSRP)、RS受信品質(RSRQ)または信号対干渉および雑音比)を含んでよい。すなわち、第2のUL送信は、通信デバイス20がネットワーク12に不安定なビームを(例えば、暗黙のうちに)通知するためのものである。
【0028】
一例において、通信デバイス20は、例えば、RSを報告することに応答して、通信デバイス20が、DL受信(例えば、物理的ダウンリンク共用チャネル(PDSCH))を実行するようにスケジュールされるスロット内の制御リソースセット(例えば、スロット内の最も低いCORESET ID(例えば、0)を有するCORESET)をモニタリング(監視)することによって、ネットワーク12から(例えば、回復のために)検索スペースと関連付けられる情報を受信する。一例では、探索空間の準共局在された(QCLed:quasi co-located)仮定(assumption)が、RSと関連付けられる。一例において、情報は、DLリソースを介してDL受信をスケジュールするためにDCI内に送信構成インジケータ(TCI:transmission configuration indicator)フィールドを含む(例えば、そのようなTCIフィールドである)。通信デバイス20は、DCIのTCIフィールド内の示されるTCIコードポイントに従って、DLリソースを介してDL受信を実行してよい。一例において、DLリソースは、TCIフィールドが「利用可能でない」または所定の値の情報を示すならば、RSと共とQCLedされる。一例において、DLリソースは、TCIフィールドが「利用可能でない」または所定値以外の情報を示すならば、TCIフィールドに示される他のRSとQCLedされる。一例において、通信デバイス20は、TCIフィールドが「利用可能でない」または所定値の情報を示すならば、第1のUL送信のための(例えば、第1のUL送信のために使用される)空間フィルタ(例えば、同じ空間フィルタ)を介して、ネットワーク12への第3のUL送信を行ってよい。
【0029】
通信デバイス20は、RRCメッセージ、MAC CE(例えば、アクティブ化コマンド)および/またはネットワーク12から受信するDCIを介して、(例えば、TCIコードポイントを示す)TCIフィールド、CORESETのためのTCI状態、QCLed仮定(例えば、パラメータ)および対応するRSの間の対応で構成されてよい(或いは更新されてよい)。
【0030】
一例において、通信デバイス20は、ビーム障害を検出するためのタイマ(例えば、ビーム障害タイマ(BFT))が満了するまで(例えば、満了するときに、満了するならば)、RSの報告を完了する(例えば、終了する)。一例において、通信デバイス20は、通信デバイス20が、RRCメッセージ、MAC CE(例えば、アクティブ化コマンド)および/またはCORESETのためのTCI状態を更新するためのDCIのうちの少なくとも1つを含む情報を受信するならば、或いは、通信デバイス20が、非周期的CSI報告をトリガするための、例えば、RS又は他のRSを測定するための、物理的ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を受信するならば、RS報告を完了する。一例において、通信デバイス20は、通信デバイス20がビーム障害を決定する(例えば、宣言する)ならば、RS報告を完了する。
【0031】
一例において、通信デバイス20は、RSの報告を停止するタイマ(例えば、サイレンスタイマ)が満了するまで(例えば、満了するときに、満了するならば)、ネットワーク12へのRSの報告を停止する。一例において、タイマは、RSの連続的な報告の第1の数が第4の閾値以上であるときに(例えば、第4の閾値以上であるならば)、実行を開始する。一例において、第4の閾値は、「同じRS」の連続的な報告の最小数(minimum number)である。一例において、通信デバイス20は、通信デバイス20が少なくとも1つのRSから別のRSを選択するときに、ネットワーク12にRSを報告することを停止し、他のRSの品質は、RSの品質よりも高い(例えば、良い)。一例において、タイマは、「RSなし(no RS)」の連続的な報告の第2の数が第5の閾値以上であるときに(例えば、第5の閾値以上であるならば)、動作を開始する。一例において、第5の閾値は、「選択されていないRS(no selected RS)」の連続的な報告の最小数である。
【0032】
一例において、少なくとも1つのRSと複数のULリソースとの間の複数の空間的関係情報は、複数のTCI状態によって示され、複数のMAC CEによってアクティブ化され、或いは複数のRRCメッセージによって構成される。一例において、複数の空間的関係情報の各々は、故障検出リソース(例えば、提供ビームと関連付けられるRS)を含む。一例において、複数の空間的関係情報の各々は、第1のUL送信のための空間的フィルタを含む。すなわち、第2のUL送信は、第1のUL送信(例えば、RACH送信)のための(例えば、第1のUL送信のために使用される)空間フィルタ(例えば、同じ空間フィルタ)を使用することによって実行される。一例において、複数の空間的関係情報の各々は、最も低いCORESET ID(例えば、0)を含む。通信デバイス20は、最も低いCORESET IDのために使用される提供ビームと関連付けられるRSを介してDL受信を実行してよい。一例において、複数の空間的関係情報の各々は、SRSリソースインジケータを含む。
【0033】
一例において、通信デバイス20は、SCellを介して(例えば、SCell上で)RSを報告することを決定し、PCellまたは主要二次セルグループ(SCG:secondary cell group))セル(PScell)を介して第1のUL送信および第2のUL送信を実行する。通信デバイス20は、通信デバイス20がPCellまたはPSCellでUL付与を(例えば、既に)有するならば、第1のUL送信を実行する必要はない。一例において、第2のPUSCHリソースは、RSのID、RSの品質、RSのためのカウンタまたは少なくとも1つの失敗したCCインデックスのうちの少なくとも1つを含む。
【0034】
一例において、通信デバイス20は、少なくとも1つのRSを報告するために、少なくとも1つのRSとそれぞれ関連付けられる少なくとも1つの第6の閾値を受信する(例えば、第6の閾値で構成される)。すなわち、少なくとも1つの第6の閾値の各々は、少なくとも1つのRSのうちの1つと関連付けられる。例えば、通信デバイス20は、少なくとも1つのRSのうちの1つと関連付けられる少なくとも1つの第6の閾値のうちの1つが値0よりも大きく、カウンタが少なくとも1つの第6の閾値のうちの1つ以上であるならば、少なくとも1つのRSのうちの1つをネットワーク12に報告することを決定する。通信デバイス20は、通信デバイス20が、少なくとも1つのRSのうちの1つと関連付けられる情報の報告を開始するならば、少なくとも1つのRSのうちの1つを報告するために第4のULリソースを介して第4の送信を実行してよい。第4のULリソースの空間的関係情報は、少なくとも1つのRSのうちの1つと関連付けられないことがある。第4のULリソースは、少なくとも1つのRSのうちの1つのRSのID、少なくとも1つのRSのうちの1つのRSの品質、少なくとも1つのRSのうちの1つのRSのためのカウンタまたは少なくとも1つの故障したCCインデックスのうちの少なくとも1つを含んでよい。少なくとも1つのRSのうちの1つは、上述のRSであってもなくてもよい。
【0035】
図4は、本発明の例に従ってRSを報告するためのトリガ条件の概略図である。
図4は、
図1~
図3に適用されてよい。時間寸法Tを表すX軸に時間インスタンス400~408があり、カウンタBFI_Cを表す値0~5がY軸にある。通信デバイス(例えば、
図1~
図3に向けられた段落で述べた通信デバイス)は、ネットワーク(例えば、
図1~
図3に向けられた段落で述べたネットワーク)によって閾値C_max(例えば、5であるが、本明細書では限定されない)で構成され、閾値C_maxは、通信デバイスがビーム障害を決定する(例えば、宣言する)ためのものである。通信デバイスは、ネットワークによって閾値C_0(例えば、2であるが、本明細書では限定されない)で更に構成され、閾値C_0は、通信デバイスをトリガして(例えば、新しい、更新された)RSを報告するためのものである。通信デバイスは、カウンタBFI_Cをゼロに設定し、カウンタBFI_Cは、通信デバイスが不安定なビームの数を計上するためのものである。
【0036】
時間インスタンス400で、通信デバイスは、ビームが不安定であることを決定し、カウンタBFI_Cは、1(例えば、1)だけ増加される。通信デバイスは、閾値C_0(例えば、2)が値0よりも大きく、カウンタBFI_C(例えば、1)が閾値C_0(例えば、2)よりも小さいならば(例えば、小さいときに、小さいので)、RSをネットワークに報告しないと決定する。時間インスタンス402で、通信デバイスは、ビームが不安定であると決定し、カウンタBFI_Cは、1(例えば、2)だけ増加される。通信デバイスは、閾値C_0(例えば、2)が値0よりも大きく、カウンタBFI_C(例えば、2)が閾値C_0(例えば、2)と等しいならば、ネットワークにRSを報告することを決定する。すなわち、トリガ条件が満たされ(例えば、星パターンとして示される)、通信デバイスはトリガされて、RSがネットワークに報告される。時間インスタンス404または時間インスタンス406で、通信デバイスは、閾値C_0(例えば、2)が値0よりも大きく、カウンタBFI_C(例えば、3または4)が閾値C_0(例えば、2)よりも大きいならば、RSをネットワークに報告することを決定する。時間インスタンス408で、通信デバイスは、ビームが不安定であると決定し、カウンタBFI_Cは、1(例えば、5)だけ増加される。通信デバイスは、カウンタBFI_C(例えば2)が閾値C_max(例えば、5)と等しいならば、ビーム障害を判定する。
【0037】
図5は、本発明の一例に従ってRSを報告することのタイミング図である。
図5は、
図1~
図4に適用されてよい。時間寸法Tを表すX軸に時間インスタンス500~506がある。UE52は、(例えば、新しい、更新された)RSをgNB54に報告する。時間インスタンス500で、UEは、少なくとも1つのRS C_RSで構成され、少なくとも1つのRS C_RSの各々は、RACHリソースおよび/またはPUCCHリソースのうちの少なくとも1つと関連付けられる。時間インスタンス502で、UEは、RSを報告するためのトリガ条件が満たされている(例えば、スターパターンとして示される)ことを決定する。時間インスタンス504で、UE52は、少なくとも1つのRS C_RSの少なくとも1つの品質が、新しい(例えば、更新された)RS報告専用の閾値(例えば、
図3で述べられる第3の閾値)以上であるならば、(例えば、少なくとも1つのRS C_RSの少なくとも1つの品質の最高の品質を備える)RS RS1を、少なくとも1つの候補RS C_RSからRSとして選択する。次に、RSの品質が閾値以上であるならば、UE52は、RS RS1と関連付けられるRACHリソースを介してgNB54への第1のUL送信を実行する。
【0038】
時間インスタンス506で、UE52は、UE52が第1のUL送信を行った後にビーム不安定性を決定するならば、RS RS1と関連付けられるPUCCHリソースを介してgNB54への第2のUL送信を実行する。すなわち、UE52は、同じ空間フィルタを使用することによって、第1のUL送信および第2のUL送信を実行する。
【0039】
一例において、gNB54は、gNB54が第1のUL送信(例えば、第1のUL送信のみ)を受信するときにUE52のビーム障害を取得し、gNB54は、RSを使用してUE52と通信する。一例において、gNB54は、gNB54が第1のUL送信および第2のUL送信(例えば、それらの両方)を受信するときに、UEの不安定なビームを取得する。一例において、UE52は、RSの追加情報(例えば、第1のUL送信において送信されないRSの他の情報)を第2のUL送信においてネットワークに送信する。
【0040】
図6は、本発明の一例に従ってRSを報告することのタイミング図である。
図6は、
図1~
図4に適用されてよい。時間寸法Tを表すX軸に時間インスタンス600~606がある。UE62は、新しい(例えば、更新された)RSをgNB64に報告する。時間インスタンス600~604は、時間インスタンス500~504と類似しており、簡潔性のために本明細書では繰り返さない。時間インスタンス606で、UE62は、第1のUL送信を実行した後に、UE62がビーム不安定を決定するならば、提供ビームと関連付けられるRS RS2と関連付けられるPUCCHリソースを介して、gNB64への第2のUL送信を実行する。すなわち、UE62は、異なる空間フィルタを使用することによって第1のUL送信および第2のUL送信を実行する。提供ビームと関連付けられるRS RS2は、故障検出リソースであってよい。UE62は、最も低いCORESET IDのために使用される提供ビームと関連付けられるRS RS2を介してDL受信を実行してよい。
【0041】
図7は、本発明の一例に従ってRSを報告することのタイミング図である。
図7は、
図1~5に適用されてよい。時間寸法Tを表すX軸に時間インスタント700~712がある。UE72は、(例えば、新しい、更新されたRSをgNB74に対する報告する。時間インスタンス700~704は、時間インスタンス500~504に類似しており、簡潔性のために本明細書では繰り返さない。時間インスタンス706は、時間インスタンス506または時間インスタンス606に類似しており、簡潔性のために本明細書では繰り返さない。時間インスタンス708で、UE72は、RS RS1を報告することに応答して、RS RS1を使用することによって、ネットワークから検索空間と関連付けられる情報を受信する。時間インスタンス710で、UE72は、RS RS1を(例えば、ダイヤモンドパターンとして示される)gNB74に報告することを完了する。時間インスタンス712で、UE72は、RS RS1を使用して、情報に従って、gNB74からのDL受信またはgNB74へのUL送信を実行する。
【0042】
図8は、本発明の一例によるTCIフィールド-TCI状態マッピングテーブル80の概略図であり、対応するRSも示されている。TCIフィールド-TCI状態マッピングテーブル80は、(TCIコードポイントを示す)TCIフィールド82、TCI状態84、QCL仮定および対応するRS間の対応(例えば、マッピングテーブル内の対応)を含む。TCIフィールドは、「00」、「01」、「10」および/または「11」などのような2ビット情報を示す。すなわち、TCIコードポイントは「00」、「01」、「10」および/または「11」である。
【0043】
図8は、
図1~7に適用されてよい。UE72は、RRCメッセージ、MAC CEおよび/またはDCIを介して、TCIフィールド-TCI状態マッピングテーブル80で構成されてよく、UE72は、TCIフィールド-TCI状態マッピングテーブル80を格納してよい。次に、UE72は、RS RS1を報告することに応答して、例えば、CORESET(例えば、スロット内の最も低いCORESET ID(例えば、0)を有するCORESET)をモニタリングすることによって、ネットワークから検索空間と関連付けられる情報を受信してよい。一例において、情報は、TCIフィールド-TCI状態マッピングテーブル80内で「利用可能でない」ことを示すコードポイント「11」または所定の値を含む。UE72は、DL受信の少なくとも1つのアンテナポートがRS RS1でQCLedされることを決定すること(例えば、仮定すること)によって、gNB74からのDL受信を実行する。別の例において、情報は、「RS A0」、「RS A1」および「RS A2」をそれぞれ示す、コードポイント「00」、「01」および「11」を含む。UE72は、DL受信の少なくとも1つのアンテナポートが「RS A0」、「RS A1」および「RS A2」でそれぞれQCLedされることを決定すること(例えば、仮定すること)によって、gNB74からのDL受信を実行する。
【0044】
図9は、本発明の一例に従ってRSを報告することのタイミング図である。
図9は、
図1~8に適用されてよい。時間寸法Tを表すX軸に時間インスタント900~906がある。UE92が、(例えば、新しい、更新された)RSをgNB94に対する報告する。時間インスタンス900で、UE92は、RSを報告するために、少なくとも1つのRS C_RSおよび(例えば、充填されていない正方形パターンとして示される)ULリソースUL_Rで構成される。時間インスタンス902で、UE92は、閾値C_0(例えば、0)またはC_max(例えば、所定の値、固定値または予め定義される値以下)で構成されるか、或いはアクティブ化コマンドAC_Cまたは非アクティブ化コマンドDAC_Cを受信する。
【0045】
時間インスタンス904で、UE92は、アクティブ化コマンドAC_Cまたは非アクティブ化コマンドDAC_Cに応答して、HARQ-ACK HARQ_ACKをgNB 94に送信する。(例えば、正方形パターンとして示す)時間インスタンス906で、UE92は、ULリソースUL_Rをアクティブ化させて、(例えば、充填された正方形パターンとして示す)アクティブ化されたULリソースUL_ARを生成し、閾値C_0(例えば、0)、C_maxまたはアクティブ化コマンドAC_Cに応答して、アクティブ化されたULリソースUL_Rに従ってRSをgNB94に報告するか、或いは、UE92は、非アクティブ化コマンドDAC_Cに応答して、RSをgB94に報告することを停止する。
【0046】
図10は、本発明の例に従ってRSを報告することのタイミング図である。
図10は、
図1~9に適用されてよい。時間寸法Tを表すX軸に時間インスタンス1000~1006があり、カウンタCRR_Cを表すY軸に値0~3がある。説明を容易にするために、2つの同一のx軸が
図10に示されている。UE102は、(例えば、新しい、更新された)RSをgNB104に報告する。UE102は、gNB104によって閾値N_min(例えば、3であるが、本明細書ではこれに限定されない)で構成され、閾値N_minは、「同じRS」の連続的な報告の最小数である。UE102は、カウンタCRR_Cをゼロに設定し、カウンタCRR_Cは、UE102が「同じRS」の連続的な報告の数を数えるためのものである。
【0047】
時間インスタンス1000で、UE102は、RS R3(または選択されていない(no selected)RS RSX)をgNB104に報告し、カウンタCRR_Cは、1だけ増加される(例えば、CRR_C= CRR_C+1=1であり、円パターンとして示される)。時間インスタンス1002で、UE102は、RS R3(または選択されていないRS RSX)をgNB104に報告し、カウンタCRR_Cは、1だけ増加される(例えば、CRR_C=CRR_C+1=2であり、円パターンとして示される)。時間インスタンス1004で、UE102は、RS R3(または選択されていないRS RSX)をgNB104に報告し、カウンタCRR_Cは、1だけ増加される(例えば、CRR_C=CRR_C+1=3であり、正方形パターンとして示される)。すなわち、UE102は、同じRS(例えば、RS R3)(または選択されていないRS RSX)を3回連続してgNB104に報告し、カウンタCRR_Cは、閾値N_min(例えば、3)に等しい。よって、タイマT_silenceは、動作を開始する。UE102は、タイマT_silenceが終了するまで、gNB104へのいずれのRSの報告も停止する。時間インスタンス1006で、タイマT_silenceは終了し、UE102は、カウンタCRR_Cを0にリセットする。次に、UE102は、同じRS(例えば、RS R3)をgNB104に報告することを開始し(例えば、再開し)、カウンタCRR_Cは、1だけ増加されるか(例えば、CRR_C=CRR_C+1=1であり、円パターンとして示されている)、或いはRS R3とは異なるRSまたは選択されていないRS RSXをgNB104に報告することを開始する。
【0048】
図11は、本発明の一例に従ってRSを報告することのタイミング図である。
図11は、
図1~
図10に適用されてよい。時間次元Tを表すX軸に時間インスタンス1100~1106がある。説明を容易にするために、2つの同一のX軸が
図11に示されている。UE112は、PCell P_Cell、PScell PS_CellまたはScell S_Cell上のgNB114に(例えば、新しい、更新された)RSを報告する。時間インスタンス1100で、UE112は、Scell S_Cellを介して、(例えば、星パターンとして示される)RSを報告するためのトリガ条件が満たされていると判断する。時間インスタンス1102で、UE112は、PCell P_CellまたはPSCell PS_Cell上で、UE112によって選択されるRS RS1と関連付けられる第1のULリソースを介して、第1のUL送信を行う。時間インスタンス1104で、UE112は、PCell P_CellまたはPSCell PS_Cell上で、RS RS1と関連付けられる第2のULリソースを介して、第2のUL送信を行う。すなわち、決定および送信は、異なるタイプのセルを介して行われる。
【0049】
上述の「決定する(determine)」の操作は、「計算する(compute)」、「計算する(calculate)」、「取得する(obtain)」、「生成する(generate)」、「出力する(output)」、「使用する(use)」、「選ぶ(choose)/選択する(select)」、「決定する(decide)」または「構成される(is configured to)」、「宣言する(declare」の操作によって置き換えられてよい。上述の「モニタリングする(monitor)」の操作は、「検出する(detect)」、「受信する(receive)」、「感知する(sense)」または「取得する(obtain)」の操作によって置き換えられてよい。上述の「従って(according to)」の語句は、「応答して(in response to)」によって置き換えられてよい。上述の「関連付けられる(associated with)」の語句は、「の(of)」または「対応する(corresponding to)」によって置き換えられてよい。「介して(via)」という用語は、「上で(on)」、「内で(in)」または「で(at)」によって置き換えられてよい。
【0050】
上記記述、ステップおよび/または提案されるステップを含むプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、(ハードウェアデバイスと、ハードウェアデバイス上に読出し専用ソフトウェアとして存在するコンピュータ命令およびデータとの組み合わせとして知られる)ファームウェア、電子システム、またはそれらの組み合わせであり得る手段によって実現されることができる。手段の一例は、通信デバイス20であってよい。
【0051】
ハードウェアの例は、アナログ回路、デジタル回路および/または混合回路を含む。例えば、ハードウェアは、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス、結合ハードウェアコンポーネントまたはそれらの組み合わせを含んでよい。別の例において、ハードウェアは、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)またはそれらの組み合わせを含んでよい。
【0052】
ソフトウェアの例は、コードのセット、命令のセットおよび/または記憶ユニット、例えば、コンピュータ読取可能媒体に保持される(例えば、格納される)機能(functions)のセットを含み得る。コンピュータ読取可能媒体は、SIM、ROM、フラッシュメモリ、RAM、CD-ROM/DVD-ROM/BD-ROM、磁気テープ、ハードディスク、光データ記憶デバイス、不揮発性記憶デバイスまたはそれらの組み合わせを含んでよい。コンピュータ読取可能媒体(例えば、記憶ユニット)は、少なくとも1つのプロセッサに内部的に結合されてよく(例えば、集積されてよく)、或いは外部的に結合されてよい(例えば、分離されてよい)。1つ以上のモジュールを含むことがある少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ読取可能媒体内のソフトウェアを実行することがある(例えば、実行するように構成されることがある)。コードのセット、命令のセットおよび/または機能のセットは、少なくとも1つのプロセッサ、モジュール、ハードウェアおよび/または電子システムに、関連するステップを実行させることがある。
【0053】
電子システムの例は、システムオンチップ(SoC)、システムインパッケージ(SiP)、コンピュータオンモジュール(CoM)、コンピュータプログラム製品、装置、携帯電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、電子ブックまたはポータブルコンピュータシステム、および通信デバイス20を含む。
【0054】
要約すると、本発明は、RS報告を取り扱うための通信デバイスを提供する。通信デバイスは、その必要性(例えば、報告されるRSが旧式であるかどうか)に従って、RSをネットワークに報告することを決定する。よって、ネットワークは、(例えば、更新された)RSに従ってビーム調整を適切に行うことがある。よって、ビーム障害の確率は減少し、ビーム成形の性能は改良される。