(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】フレーム及びディスプレイ
(51)【国際特許分類】
H05K 7/18 20060101AFI20240130BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H05K7/18 D
G09F9/00 350Z
(21)【出願番号】P 2022170729
(22)【出願日】2022-10-25
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】202210382383.8
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520381609
【氏名又は名称】深セン金立翔視效科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐元才
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-15553(JP,A)
【文献】特開2009-294574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/18
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム本体とインサートとを備えるフレームであって、
前記フレーム本体は、炭素繊維又はガラス繊維材料からなり、金型内でプレス成形によって前記インサートが結合され、
前記インサートは、金属又はプラスチック材料からなり、前記フレーム本体に接続され、前記インサートはロック本体の取り付けに使用されることを特徴とするフレーム。
【請求項2】
前記フレーム本体には取付穴が設けられ、前記インサートは、前記取付穴に嵌合されて前記フレーム本体に埋め込まれることを特徴とする、請求項1に記載のフレーム。
【請求項3】
前記取付穴は、中空部、第1開口部、及び第2開口部を備え、前記第1開口部及び前記第2開口部は前記中空部を介して反対側に設けられ、前記インサートは担体、第1凸台、及び第2凸台を備え、前記第1凸台及び前記第2凸台はそれぞれ前記担体の厚さ方向で2面に突出し、前記担体は前記中空部に嵌合され、前記第1凸台は前記第1開口部に嵌合され、前記第2凸台は前記第2開口部に嵌合されることを特徴とする、請求項2に記載のフレーム。
【請求項4】
前記フレーム本体は、第1側枠、第2側枠、正面パネルと背面パネルとを有し、前記第1側枠は前記第2側枠の周囲に設けられ、前記正面パネルは前記第1側枠及び前記第2側枠の一端に接続され、前記背面パネルは前記第1側枠及び前記第2側枠の他端に接続され、前記第1側枠、前記第2側枠、前記正面パネル、及び前記背面パネルは共に一体となって前記中空部を囲み、前記第1開口部は前記第1側枠に設けられ、前記第2開口部は前記第2側枠に設けられることを特徴とする、請求項3に記載のフレーム。
【請求項5】
前記正面パネルから前記背面パネルに向かう方向に沿って、前記担体の厚さは減少し、前記中空部の幅は減少することを特徴とする、請求項4に記載のフレーム。
【請求項6】
前記第1凸台及び前記第2凸台を接続する前記担体の2つの表面は前記フレーム本体に挟まれ、2つの前記表面に凹凸構造が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のフレーム。
【請求項7】
連結部材をさらに備え、前記連結部材は、隣接する2つの前記インサートを固定的に連結することを特徴とする、請求項1に記載のフレーム。
【請求項8】
前記フレーム本体は、縦枠体と横枠体を備え、前記縦枠体及び前記横枠体の数はそれぞれ2つであり、2つの前記横枠体は互いに間隔をあけて配置され、一方の前記縦枠体は2つの前記横枠体の一方の端部間に接続され、他方の前記縦枠体は、2つの前記横枠体の他方の端部間に接続され、前記縦枠体及び前記横枠体には、それぞれ少なくとも1つの前記インサートが設けられることを特徴とするフ、請求項1に記載のレーム。
【請求項9】
前記フレーム本体は、交差して接続された第1補強梁と第2補強梁とをさらに備え、前記第1補強梁の各端部は前記横枠体に接続され、前記第2補強梁の各端部は前記縦枠体に接続されることを特徴とする、請求項8に記載のフレーム。
【請求項10】
ディスプレイであって、
ロック本体と表示装置と請求項1乃至9のいずれか1項に記載のフレームとを備え、前記表示装置は前記フレームに設けられ、前記ロック本体は隣接する2つの前記フレームに設けられた前記インサートに接続されることを特徴とするディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイの技術分野に関するもので、特に、フレーム及びそのフレームを用いたディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)ディスプレイは、文字や画像、動画等の様々な情報を表示するために使用される。LEDディスプレイは、エレクトロニクス、コンピュータ技術、情報処理技術を統合し、ランプビーズの点灯・消灯によって文字やアニメーション、画像、動画等の表示内容を変える表示制御をモジュール構造で行うことを特徴としている。LEDディスプレイは、鮮やかな色彩、広いダイナミックレンジ、高輝度、長寿命、安定した信頼性の高い動作等の特長を持ち、商業メディア、文化公演市場、スタジアム、情報発信、プレスリリース、証券取引等で幅広く使用され、さまざまな環境のニーズに応えることができる。
【0003】
LEDディスプレイは通常、フレームとロック本体で構成され、フレームは画像を表示する表示装置を取り付けるために使用され、フレームは相互に接続することができ、隣接する2つのフレームはロック本体によって固定的に接続される。従来のフレームは通常、全てアルミニウムによって製造されるが、アルミニウム製のフレームは重量が重く、構造的な強度が相対的に低いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、構造強度を確保しつつ、いかにしてフレームの軽量化を実現するかということにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のフレームは、フレーム本体とインサートとを備え、前記フレーム本体は炭素繊維又はガラス繊維材料からなり、前記インサートは前記フレーム本体に接続され、金属又はプラスチック材料からなり、前記フレーム本体は金型内でプレス成形によって前記インサートに接続され、前記インサートはロック本体の取り付けに使用される。
【0006】
一実施形態において、前記フレーム本体には取付穴が設けられ、前記インサートは前記取付穴に嵌合されて前記フレーム本体に埋め込まれる。
【0007】
一実施形態において、取付穴は、中空部、第1開口部、及び第2開口部を備え、前記第1開口部及び前記第2開口部は前記中空部を介して反対側に設けられ、前記インサートは担体、第1凸台、及び第2凸台を備え、前記第1凸台及び前記第2凸台はそれぞれ前記担体の厚さ方向で2面に突出し、前記担体は前記中空部に嵌合され、前記第1凸台は前記第1開口部に嵌合され、前記第2凸台は前記第2開口部に嵌合される。
【0008】
一実施形態において、前記フレーム本体は、第1側枠、第2側枠、正面パネルと背面パネルとを有し、前記第1側枠は前記第2側枠の周囲に設けられ、前記正面パネルは前記第1側枠及び前記第2側枠の一端に接続され、前記背面パネルは前記第1側枠及び前記第2側枠の他端に接続され、前記第1側枠、前記第2側枠、前記正面パネル、及び前記背面パネルは共に一体となって前記中空部を囲み、前記第1開口部は前記第1側枠に設けられ、前記第2開口部は前記第2側枠に設けられる。
【0009】
一実施形態において、前記正面パネルから前記背面パネルに向かう方向に沿って、前記担体の厚さは減少し、前記中空部の幅は減少する。
【0010】
一実施形態において、前記第1凸台及び前記第2凸台を接続する前記担体の2つの表面は、前記フレーム本体に挟まれ、2つの前記表面に凹凸構造が設けられている。
つの前記表面がに凹凸構造が設けられていることにより、プレス成形時にインサートとフレーム本体とが相互に噛み合うように、最終的にインサートと成形したフレーム本体とが千鳥状の噛み合い構造となり、インサートとフレーム本体との接続強度を高めることができる。
【0011】
一実施形態において、連結部材をさらに備え、前記連結部材は隣接する2つの前記インサートを固定的に連結する。
連結部材は隣接する2つのインサートの間を固定的に連結するので、2つのインサートは連結部材によって関連され、即ち2つのインサートは独立していないので、2つのインサートを同時にフレーム本体に装着することしかできない。当該連結部材を設けることで、インサートの組立能率とフレーム全体の構造強度とを一定程度向上させることができる。
【0012】
一実施形態において、前記フレーム本体は、縦枠体と横枠体を備え、前記縦枠体及び前記横枠体の数はそれぞれ2つであり、2つの前記横枠体は互いに間隔をあけて配置され、一方の前記縦枠体は2つの前記横枠体の一方の端部間に接続され、他方の前記縦枠体は、2つの前記横枠体の他方の端部間に接続され、前記縦枠体及び前記横枠体には、それぞれ少なくとも1つの前記インサートが設けられる。
【0013】
一実施形態では、前記フレーム本体は、交差して接続された第1補強梁と第2補強梁とをさらに備え、前記第1補強梁の各端部は前記横枠体に接続され、前記第2補強梁の各端部は前記縦枠体に接続される。
第1補強梁と第2補強梁とを設けることで、フレーム本体及びフレームの構造強度を合理的に向上させることができる。
【0014】
ロック本体と表示装置と前述したフレームのいずれかとを備えるディスプレイであって、前記表示装置は前記フレームに設けられ、前記ロック本体は隣接する2つの前記フレームに設けられた前記インサートに接続される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態の技術的効果は、一方ではフレーム本体が炭素繊維又はガラス繊維材料で作られているため、同じ体積では小さいフレーム本体の体積でも大きい構造強度を有し、構造強度が確保された上でフレームの軽量化を実現することができる。他方では、金属製又はプラスチック製のインサートは、加工性に優れ、ロック本体に嵌合できる取付構造を加工することが可能であるため、取付構造が高い加工能率及び精度を満たすことができ、該取付構造をアルミニウム合金製のフレームのロック本体に確実に取り付けさせることができる。即ち、アルミニウム合金製のフレームに取り付けられるロック本体は該フレームに持続的に取り付けることができ、これにより、該フレームの結合パターンをアルミニウム合金製のフレームの結合パターンと同じになるように、該フレームがアルミニウム合金製のフレームと同様なロック本体を使用できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は一実施形態で、表示装置を取り外した状態で提供されるディスプレイの立体構造を、示す模式図である。
【
図2】
図2は、一実施形態で提供されるディスプレイにおけるフレームの立体構造を示す模式図である。
【
図3】
図3は、
図2に示されるフレームの第1例の分解構造を示す模式図である。
【
図4】
図4は、
図2に示されるフレームの第2例の分解構造を示す模式図である。
【
図5】
図5は、
図2に示されるフレームにおけるインサートの立体構造を示す模式図である
【
図6】
図6は、
図5に示されるインサートの平面構造を示す模式図である。
【
図7】
図7は、
図2に示されるフレームの立体分解構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の理解を容易にするため、関連する添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。本発明の好適な実施形態を添付図面に示す。しかし、本発明は、多様な形態にて実施可能であり、本明細書に記載された実施形態に限定されるものではない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の開示についてより徹底的かつ包括的な理解を提供する目的で提供される。
【0018】
なお、ある要素が他の要素に「固定」されると称される場合、その要素は他の要素に直接固定される場合もあれば、介在する中間要素がある場合がある。ある要素が他の要素に「接続」されると称される場合、その要素は他の要素に直接接続されることもあれば、介在する中間要素があることもある。本明細書で使用される「内側」、「外側」、「左」、「右」及び同様の用語は、説明のために例示したものであり、唯一の実施手段であることを意図するものではない。
【0019】
図1、
図2、及び
図3を参照すると、本発明の一実施形態に係るディスプレイ10は、ロック本体20、表示装置とフレーム30を含む。表示装置は、光を放射して画像を表示するために用いられ、表示装置の担体として機能する、表示装置を保護するフレーム30によって囲まれた中空部内に収容される。ディスプレイ10に含まれるフレーム30の数は1つでも複数でもよく、フレーム30の数が複数である場合、ロック本体20によって複数のフレーム30が相互に接続されるため、各フレーム30に表示装置が設置されることから、接続されるフレーム30の数が多い場合、ディスプレイ10の表示領域が大きくなる。そのため、実現したい表示領域の大きさに応じて、異なる数のフレーム30をつなぎ合わせて、異なる表示領域を持つディスプレイ10を形成することができる。フレーム30は、フレーム本体100と、フレーム30を相互に接続させるインサート200とを備える。
【0020】
図2、
図3、及び
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、フレーム本体100は、略長方形に形成され、フレーム本体100は、縦枠体111及び横枠体112を備え、縦枠体111の数は2つであり、2つの縦枠体111は、略平行かつ間隔をあけて配置される。横枠体112の数は2つであり、2つの横枠体112も略平行に間隔をあけて配置される。1つの縦枠体111は、2つの横枠体112の一側の端部間に接続され、もう1つの縦枠体111は、2つの横枠体112の他側の端部間に接続される。各縦枠体111には、少なくとも1つのインサート200と取付穴150とが設けられ、例えば、各縦枠体111には、2つのインサート200と2つの取付穴150とが設けられ、各取付穴150には、それぞれ1つのインサート200が取り付けられ、2つのインサート200は、縦枠体111の長手方向に間隔をあけて配置することができる。各横枠体112には、少なくとも1つのインサート200と取付穴150とが設けられ、例えば、各横枠体112には、2つのインサート200と2つの取付穴150とが設けられ、各取付穴150には、それぞれ1つのインサート200が取り付けられ、2つのインサート200は、横枠体112の長手方向に間隔をあけて配置することができる。また、他の実施形態では、フレーム本体100を正多角形、円形、楕円形等に形成することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、フレーム本体100は、第1補強梁121と第2補強梁122とをさらに備え、双方を互いに交差して垂直に接続することができる。第1補強梁121は、両縦枠体111の間に、両縦枠体111から均等間隔をあけて配置され、第1補強梁121の両端部が両横枠体112にそれぞれ固定されるように接続される。第2補強梁122は、両横枠体112の間に、両横枠体112から均等間隔をあけて配置され、第2補強梁122の両端部が両縦枠体111にそれぞれ固定されるように接続される。第1補強梁121及び第2補強梁122を設置することにより、フレーム本体100及びフレーム30の構造強度を合理的に高めることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、フレーム本体100は、第1側枠131と、第2側枠132と、正面パネル141と、背面パネル142とを備え、第1側枠131は、第2側枠132の周囲に設けられ、正面パネル141は、第1側枠131と第2側枠132との一端に接続され、背面パネル142は、第1側枠131と第2側枠132との他端に接続される。正面パネル141と背面パネル142とは、正面パネル141が表示装置から発せられる光と同じ方向を向き、背面パネル142が表示装置から発せられる光と反対の方向を向き、相互に反対方向に向けられている。このように、横枠体112は、第1側枠131、第2側枠132、正面パネル141、及び背面パネル142の一部分により構成され、縦枠体111は、第1側枠131、第2側枠132、正面パネル141、及び背面パネル142のもう一部分により構成される。
【0023】
フレーム本体100は、インサート200が嵌合される取付穴150を備え、即ち取付穴150は、インサート200がフレーム本体100に埋め込まれるようにインサート200を設け、取付穴150は、中空部153、第1開口部151、及び第2開口部152を備え、第1開口部151と第2開口部152は、中空部153の反対側に設けられる。具体的には、中空部153は、第1側枠131、第2側枠132、正面パネル141、及び背面パネル142によって囲まれ、第1開口部151は、第1側枠131に設けられ、第1側枠131を貫通して中空部153と外部とを連通する。第2開口部152は、第2側枠132に設けられ、第2側枠132を貫通して中空部153と外部とを連通する。第1開口部151と第2開口部152との開口幅は略同一とすることが可能であり、第1開口部151と第2開口部152との両方の形状は略矩形とすることができる。
【0024】
図5、
図6及び
図7を参照すると、いくつかの実施形態において、インサート200は、担体210と、第1凸台221と、第2凸台222とを備える。担体210は略板状の構造であり、担体210は第1表面211及び第2表面212を備え、第1表面211及び第2表面212は、担体210の厚さに沿って間隔をおいて相互に反対方向を向くように設けられる。第1凸台221は、第1表面211に固定され、第1表面211に対して担体210の厚さ方向へ一定の高さ突出されている。言い換えれば、第1凸台221は第1表面211に突出して設けられている。第2凸台222は、第2表面212に固定され、第2表面212に対して担体210の厚さ方向へ一定の高さ突出されている。言い換えれば、第2凸台222は第2表面212に突出して設けられている。
【0025】
インサート200の取り付けのため、担体210は中空部153に嵌合され、担体210の厚さは正面パネル141側から背面パネル142側に向かって漸減され、中空部153の幅も同様に減少し、担体210が中空部153内に挟み込まれる。具体的には、担体210の第1表面211を第1側枠131に当接させ、担体210の第2表面212を第2側枠132に当接させる。第1凸台221は第1開口部151に嵌合され、第2凸台222は第2開口部152に嵌合される。
【0026】
いくつかの実施形態において、担体210の第1表面211と第2表面212は、凹凸構造213を有し、第1表面211の凹凸構造213は第1側枠131と接触可能であり、凹凸構造213の作用により、担体210と第1側枠131との間に千鳥状の噛み合い構造を形成し、担体210と第1側枠131との結合力を増大させることができる。第2表面212は、凹凸構造213を有し、第2表面212の凹凸構造213は第2側枠132と接触可能であり、凹凸構造213の作用により、担体210と第2側枠132との間に千鳥状の噛み合い構造を形成し、担体210と第2側枠132との結合力を増大させることができる。このように、第1表面211と第2表面212とに凹凸構造213を設けることにより、インサート200とフレーム本体100との結合力を向上させることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、例えば、
図3を参照すると、個々のインサート200は、フレーム本体100に独立して設けることができる。例えば、
図4を参照すると、フレーム30は、略板状の構造をなす連結部材300を備えることができ、連結部材300は、2つの隣接するインサート200間に固定的に接続されるので、2つのインサート200は連結部材300によって関連され、即ち2つのインサート200は独立していないので、2つのインサート200を同時にフレーム本体100に装着することしかできない。連結部材300を設けることにより、インサート200の組立能率やフレーム30の構造強度を一定程度向上させることができる。具体的には、フレーム本体100の横枠体112に2つのインサート200が設けられる場合、連結部材300によって2つのインサート200を相互に固定的に接続することができる。フレーム100の縦枠体111に2つのインサート200が設けられる場合、連結部材300によって2つのインサート200を固定的に接続することもできる。当然、横枠体112と縦枠体111との間で隣接に設置される2つのインサート200間を連結部材300によって固定的に接続することもできる。
【0028】
インサート200は、ロック本体20を取り付けるためのものであり、隣接する2つのフレーム30を接続する際には、ロック本体20が隣接する2つのフレーム30上のインサート200を同時に結合させることで、隣接する2つのフレーム30を接続することができる。フレーム30の2つの横枠体112は上下方向に間隔をあけて配置され、横枠体112に設けられたインサート200に取り付けられたロック本体20が、1つで2つのフレーム30の上下連結を実現した。上下に隣接する2つのフレーム30が接続される。フレーム30の2つの縦枠体111は左右方向に間隔をあけて配置され、縦枠体111に設けられたインサート200がロック本体20によって、左右に隣接する2つのフレーム30が接続される。該ロック本体20は、取り付け角度を変えることができるので、左右のフレーム30間の接続角度を調整することができ、接続されたディスプレイ10を平面又は曲面にすることができ、曲面には凸弧、凹弧、又は波状面等が含まれる。フレーム30間の接続角度が調整できることから、ディスプレイ10の形状をより多様化することができるので、ディスプレイ10をより幅広い設置環境に適合させることができる。
【0029】
フレーム本体100の材料が炭素繊維やガラス繊維であるのに対し、インサート200の材料は金属やプラスチック材料等あるため、インサート200は、フレーム本体100よりも加工性に優れており、言い換えれば、インサート200は、機械で加工する際に、フレーム本体100に対して高い加工の能率及び精度を有している。
【0030】
フレーム30を製造する工程において、以下のステップを実施することができる。第1ステップでは、インサート200と、炭素繊維又はガラス繊維材料からなる穴構造を備えた複数のシートとを用意し、シートを積層、曲げ、又は包み込む等の形で、金型内でブランクを形成する。当然、金型内でブランクを形成するとき、インサート200は、該ブランクに埋め込まれて、シートの穴構造に嵌合され、該シートの穴構造は成形後に取付穴150の一部として形成する。第2ステップでは、金型内のブランクを加圧して圧力の作用でフレーム本体100と一体化してフレーム本体100を形成する。ここで、ブランクを加圧して成形する過程では、インサート200とブランクとの間に結合力が発生し、最終的にブランクがフレーム本体100に成形されると、インサート200とフレーム本体100との間に安定かつ信頼性が高い結合部が形成される。インサート200の第1表面211と第2表面212とに凹凸構造213が設けられているので、ブランクの成形工程では、インサート200とブランクとが圧力の作用で相互間に噛み合い結合が形成され、最終的にインサート200と成形フレーム本体100との間に千鳥状の噛み合い構造が形成され、インサート200とフレーム本体100との結合強度を高めることができる。第3のステップでは、インサート200をCNC技術によって機械加工し、これにより、インサート200を迅速に加工してロック本体20の取付構造を製造でき、取付構造が適正な形状及び寸法精度を有し、取付構造の加工の能率及び精度を向上させ、ロック本体20が要求される性能を満たすようにすることができる。
【0031】
フレーム30全体をアルミニウム合金で構成すると、体積を一定に持つ状況において、アルミニウム合金製のフレーム30の重量が相対的に大きく、構造強度が相対的に低い。よって、構造強度を確保するには、アルミニウム合金製のフレーム30に十分な体積を持たせる必要があるが、アルミニウム合金製のフレーム30の重量が増加するため、フレーム30の軽量化に向かない。フレーム30を軽量化するためにフレーム30の体積を小さくすると、アルミニウム合金製のフレーム30の構造強度が実質的な要求を満たせなくなるため、アルミニウム合金のみで構成されたフレーム30は、製品の軽量化と高強度構造とを両立することができない。
【0032】
フレーム30全体を炭素繊維やガラス繊維等の複合材料を用いてプレス成形して製造すると、全体が複合材料製のフレーム30は、全体がアルミニウム合金製のフレーム30と比較して、体積が同じ場合に全体が複合材料で構成されたフレーム30は相対的に軽量で構造強度が高く、製品の軽量化と高強度化とを満たすことができる。しかし、プレス加工によって成形された全体が複合材料で構成されたフレーム30を、その後のCNC技術による機械加工でロック本体20の取付構造を形成する場合、該フレーム30が加工能率及び精度を満たすため、該フレーム30に形成した取付構造に、アルミニウム合金製のフレーム30用のロック本体20は取り付けることができない。言い換えれば、全体が複合材料製のフレーム30の加工精度が十分ではないことに鑑み、アルミニウム合金製のフレーム30に取り付けできるロック本体20は、複合材料製のフレーム30に取り付けることはできず、複合材料製のフレーム30は同一の接続方法を用いるためにアルミニウム合金製のフレーム30に使用される同一のロック本体20を使用することは不可能であり、その結果、複合材料製のフレーム30の接続パターンは、アルミニウム合金製のフレーム30の接続パターンと異なることになる。同時に、インサート200にはロック本体20を取り付ける比較的複雑である取付構造を有することに鑑み、、該取付構造を機械加工しない場合にプレスによって形成する必要があるが、通常、金型へのプレスによって取付構造を一回に形成することは困難であり、仮に、取付構造をプレス加工で形成できたとしても、金型の設計コストや加工コストが大幅に増加し、延いてはフレーム30全体の製造コストが増大する。
【0033】
前述したフレーム30は、一方では、フレーム本体100を炭素繊維やガラス繊維の材料で構成し、同一体積の場合、フレーム本体100の体積が小さくても構造強度が高い。これによりフレーム30全体の軽量化と高強度化とを両立することが可能である。他方では、金属製又はプラスチック製のインサート200は、加工性に優れ、インサート200をロック本体20に嵌合できる取付構造に加工することが可能であり、これにより該取付構造が高い加工能率及び加工精度を満たし、該取付構造をアルミニウム合金製のフレーム30のロック本体20に取り付けることができる。つまり、アルミニウム合金製のフレーム30に取付可能なロック本体20は、該ロック本体20もフレーム30に持続的に取り付け可能になるので、アルミニウム合金製のフレーム30と同じロック本体20を用いて同じように組み立てることが可能であり、該フレーム30の組立パターンをアルミニウム合金製のフレーム30の組立パターンと同一にすることができる。
【0034】
このように、前述した実施形態におけるフレーム30は、軽量かつ高強度な設計が可能であると同時に、同じロック本体20を用いてアルミニウム合金製のフレーム30と同様に接続することができるので、一般的に、アルミニウム合金製のフレーム30の接続パターンをそのまま該フレーム30に適用でき、製造者は、フレーム30を既存の接続パターンを変更することなく使用することができる。
【0035】
前述した実施形態の技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。簡略化のために、前述した実施形態の技術的特徴の可能なすべての組み合わせが記載されていないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書の範囲内にあると考えるべきである。
【0036】
以上説明した実施形態は、本発明のいくつかの実施形態を表現したに過ぎず、より具体的かつ詳細に説明されるが、本発明に係る特許の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者にとっては、本発明の概念から逸脱することなく、いくつかの変形や改良が可能であり、これらは本発明の保護範囲に含まれることに留意すべきである。したがって、この発明の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に従うものとする。
【符号の説明】
【0037】
20 ロック本体、30 フレーム、100 フレーム本体、200 インサート