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特許7428786フレア状末端を有するスリーブ軸受を備えるカートリッジピンアセンブリ、及びカートリッジピンアセンブリを備える軌道チェーンアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】フレア状末端を有するスリーブ軸受を備えるカートリッジピンアセンブリ、及びカートリッジピンアセンブリを備える軌道チェーンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/21 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
B62D55/21 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022515706
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-09
(86)【国際出願番号】 US2020045896
(87)【国際公開番号】W WO2021050192
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】16/564,305
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、ベンジャミン アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チエンチュン
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04251182(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0141513(US,A1)
【文献】実開昭53-118250(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0251267(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/21
F16C 11/00-11/12
F16D 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の直径(306)を有する第1のボア(304)と、前記第1のボア(304)と連通し、前記第1の直径(306)より大きな第2の直径(310)を有する第2のボア(308)と、を画定する第1の本体(302a)を含む第1のカラー(302)と;
第3の直径(318)を有する第3のボア(316)と、前記第3のボア(316)と連通し、前記第3の直径(318)より大きな第4の直径(322)を有する第4のボア(320)と、を画定する第2の本体(312a)を含み、前記第1のボア(304)と前記第3のボア(316)が整列されて、共通の軌道ピンボア長手方向軸(323)を画定する第2のカラー(312)と;
前記第1のボア(304)及び前記第3のボア(316)に配置され、半径方向(326)及び円周方向(328)を画定する軌道ピン(324)と;
前記軌道ピン(324)を中心に半径方向及び円周方向に前記第2のボア(308)に配置された第1のスリーブ軸受(400)と;
前記第1のスリーブ軸受(400)を中心に半径方向及び円周方向に前記第2のボア(308)に配置され、前記第1のカラー(302)と接触するよう構成される第1のシールアセンブリ(332)とを備え、
前記第1のスリーブ軸受(400)は、前記長手方向軸(323)に沿って配置される第1のフレア状末端(402)を含み、
前記第1のフレア状末端(402)は、第1の点で前記第1のシールアセンブリ(332)との間に第1の距離が形成され、第2の点で前記第1のシールアセンブリ(332)との間に第2の距離が形成され、前記第1の距離は前記第2の距離と異なる、カートリッジピンアセンブリ(300)。
【請求項2】
前記軌道ピン(324)を中心に半径方向及び円周方向に前記第4のボア(320)に配置される第2のフレア状末端(402’)を含む第2のスリーブ軸受(400’)と、前記第2のスリーブ軸受(400’)を中心に半径方向及び円周方向に前記第4のボア(320)に配置され、前記第2のカラー(312)と接触するように構成される第2のシールアセンブリ(332’)と、前記第1のスリーブ軸受(400)、前記第2のスリーブ軸受(400’)及び前記軌道ピン(324)を中心に半径方向及び円周方向に配置されるブッシング(330)と、をさらに備え、前記ブッシング(330)はまた、前記第1のシールアセンブリ(332)及び前記第2のシールアセンブリ(332’)に軸方向に近接して配置されて、前記第1のシールアセンブリ(332)及び前記第2のシールアセンブリ(332’)と接触するように構成され、前記ブッシング(330)はまた、前記第1のスリーブ軸受(400)及び前記第2のスリーブ軸受(400’)と軸方向に接触するように構成される突起(338)を含む、請求項1に記載のカートリッジピンアセンブリ(300)。
【請求項3】
前記第1のフレア状末端(402)は、第1の半径方向内周面(404)と、第1の当接面(406)と、70.0度~89.0の範囲の前記長手方向軸(323)との第1の内部鋭角(410)を形成する第1の傾斜面(408)と、を含む、請求項1に記載のカートリッジピンアセンブリ(300)。
【請求項4】
前記第1の当接面(406)は、第1の半径方向延長面(412)であり、前記第1の傾斜面(408)は、第1のランプ面(414)である、請求項3に記載のカートリッジピンアセンブリ(300)。
【請求項5】
前記第1のシールアセンブリ(332)は、前記第1の傾斜面(408)に半径方向、円周方向及び軸方向に近接して配置される、請求項4に記載のカートリッジピンアセンブリ(300)。
【請求項6】
前記第1の当接面(406)は、前記第1のカラー(302)と接触して14,000mm2~37,000mm2の範囲の第1の界面領域表面積(418)を画定する第1の界面領域(416)を形成し、前記第1の半径方向内周面(404)は、前記第1のスリーブ軸受(400)の内径(450)を画定し、前記内径(450)に対する前記第1の界面領域表面積(418)の比は、300.0mm~400.0mmの範囲である、請求項3に記載のカートリッジピンアセンブリ(300)。
【請求項7】
前記カートリッジピンアセンブリ(300)は、3.0mm~5.0mmの範囲の前記第1の傾斜面(408)と前記第1のシールアセンブリ(332)との間の第1の半径方向クリアランス距離(420)を画定する、請求項5に記載のカートリッジピンアセンブリ(300)。
【請求項8】
前記第2のスリーブ軸受(400’)は、前記第1のスリーブ軸受(400)の第1のフレア状末端(402)と同じように構成される第2のフレア状末端(402’)をさらに含む、請求項2に記載のカートリッジピンアセンブリ(300)。
【請求項9】
第1の軌道シュー部(206)と、
前記第1の軌道シュー部(206)から上方に延びる第1の二股部(208)と、を含む第1の軌道部材(204)であって、前記第1の二股部(208)は、第1のラグ(210)及び第2のラグ(212)を含み、前記第1のラグ(210)は、第1の孔径(215)及び第1の孔軸(216)を画定する第1の孔(214)を画定し、前記第2のラグ(212)は、第2の孔径(220)及び第2の孔軸(222)を画定する第2の孔(218)を画定し、前記第2の孔軸(222)は、前記第1の孔軸(216)と整列される、第1の軌道部材(204)と;
第2の軌道シュー部(206’)と、
前記第2の軌道シュー部(206)から上方に延びる第3のラグ(224)と、を含む第2の軌道部材(204’)であって、前記第3のラグ(224)は、第3の孔径(228)と、前記第2の孔軸(222)と整列される第3の孔軸(230)と、を画定する第3の孔(226)を画定する、第2の軌道部材(204’)と;
前記第1の孔(210)、前記第2の孔及び(220)、及び前記第3の孔(226)に配置されるカートリッジピンアセンブリ(300)と;を備え、前記カートリッジピンアセンブリ(300)は、
第1の直径(306)を有する第1のボア(304)と、前記第1のボア(304)と連通し、前記第1の直径(306)より大きな第2の直径(310)を有する第2のボア(308)と、を画定する第1の本体(302a)を含む第1のカラー(302)と;
第3の直径(318)を有する第3のボア(316)と、前記第3のボア(318)と連通し、前記第3の直径(318)より大きな第4の直径(322)を有する第4のボア(320)と、を画定する第2の本体(312a)を含み、前記第1のボア(304)と前記第3のボア(316)が整列されて、共通の軌道ピンボア長手方向軸(323)を画定する第2のカラー(312)と;
前記第1のボア(304)及び前記第3のボア(316)に配置され、半径方向(326)及び円周方向(328)を画定する円筒状ピン本体(324a)を含む軌道ピン(324)と;
前記軌道ピン(324)を中心に半径方向及び円周方向に前記第2のボア(308)に配置された第1のスリーブ軸受(400)と;
前記軌道ピン(324)を中心に半径方向及び円周方向に配置されるブッシング(330)と;
前記第2のボア(308)に配置され、前記第1のスリーブ軸受(400)を中心に半径方向及び円周方向に配置され、前記ブッシング(330)及び前記第1のカラー(302)の第1の本体(302a)と接触するように構成される第1のシールアセンブリ(332)と;を含み、
前記第1のスリーブ軸受(400)は、前記第1のカラー(302)の第1の本体(302a)に当接する前記長手方向軸(323)に沿って配置される第1のフレア状末端(402)を含み、前記第1のフレア状末端(402)は、前記第1のシールアセンブリ(332)から離れるように最小クリアランス距離(334)だけ離間される、軌道チェーンアセンブリ(200)。
【請求項10】
前記カートリッジピンアセンブリ(300)は、前記カートリッジピンアセンブリ(300)の長手方向の中間平面(336)を画定し、前記カートリッジピンアセンブリ(300)は、
前記軌道ピン(324)を中心に半径方向及び円周方向に前記第4のボア(320)に配置される第2のフレア状末端(402’)を含む第2のスリーブ軸受(400’);
前記第2のスリーブ軸受(400’)を中心に半径方向及び円周方向に前記第4のボア(320)に配置され、前記第2のカラー(312)の第2の本体(312a)と接触するように構成される第2のシールアセンブリ(332’)をさらに備え、
前記ブッシング(330)は、前記第1のスリーブ軸受(400)、前記第2のスリーブ軸受(400’)及び前記軌道ピン(324)を中心に半径方向及び円周方向に配置され、前記ブッシング(330)はまた、前記第1のシールアセンブリ(332)及び前記第2のシールアセンブリ(332’)に軸方向に近接して配置されて、前記第1のシールアセンブリ(332)及び前記第2のシールアセンブリ(332’)と接触するように構成され、前記ブッシング(330)はまた、半径方向内方に延び、前記第1のスリーブ軸受(400)及び前記第2のスリーブ軸受(400’)と軸方向に接触するように構成される突起(338)を含み、
前記第2のスリーブ軸受(400’)は、前記長手方向の中間平面(336)を中心に前記第1のスリーブ軸受(400)と対称であり、前記第2のシールアセンブリ(332’)は、前記長手方向の中間平面(336)を中心に前記第1のシールアセンブリ(332)と対称であり、前記ブッシング(330)は、前記長手方向の中間平面(336)を中心に対称である、請求項9に記載の軌道チェーンアセンブリ(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、土工、建設、及び採鉱装備などにより用いられる無端アンダーキャリッジドライブ(endless undercarriage drive)の軌道チェーンアセンブリにおいて使用されるスリーブ軸受に関する。具体的には、本開示は、軌道チェーンアセンブリのリンクと接触し、簡単に変形することなく推力に耐えるように構成され、軌道チェーンアセンブリに必要なメンテナンス量を減少させるスリーブ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
土工、建設、及び採鉱装備などは、荒地、オフロード地形で使用されることが多い。これらの機械は、そのような環境で、障害物や不整地などを乗り越える機械をよく推進させることができる軌道チェーンアセンブリに取り付けられた軌道シューを有する無端ドライブを使用することが多い。
【0003】
軌道チェーンアセンブリ上には、大きな張力と負荷がかかる可能性がある。より具体的に、スプロケットによって軌道チェーンのブッシング及び軌道ピンに加えられる荷重は、これらの構成要素、特にブッシングの摩耗又は疲労をもたらす可能性がある。たとえば、高い推力荷重がスリーブ軸受に加えられ、これは、スリーブ軸受の末端をキノコ状にするか、又はその他の形状に変形し得る。したがって、軌道リンクと軌道チェーンアセンブリの外部ブッシングとの間の空間が、時間の経過とともに減少する可能性があり、摩擦領域の近くに潤滑油を保持するためにこの空間に位置するシールが損傷して、潤滑油が漏れる可能性がある。これにより、軌道チェーンアセンブリのメンテナンス中に摩耗問題、及び機械の望ましくないダウンタイムが発生する可能性がある。
【0004】
スリーブ軸受の以前の設計は、前述の問題の緩和に関するものではない。たとえば、DE102017218159A1は、好ましくはプラスチック又はグラファイトからなり、摩擦を低減するための滑り軸受を開示している。したがって、これは、推力荷重を受けること、又は潤滑及びシールされる軌道チェーンアセンブリに使用することは意図していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、潤滑及びシールされながらもメンテナンスの頻度は少ない軌道チェーンアセンブリが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態によるスリーブ軸受は、円筒状軸、半径方向及び円周方向を画定する少なくとも部分的に環状の円筒状本体を備えることができる。少なくとも部分的に環状の円筒状本体は、第1の半径方向内周面と、第1の半径方向外周面と、円筒状軸に沿って配置される第1の自由端及び第2の自由端と、円筒状軸に沿って第1の自由端に近接して配置される第1のフレア状部と、を含むことができる。第1のフレア状部は、半径方向に延びる当接面と、第1の半径方向内周面を半径方向に延びる当接面に接続する第1の転移表面と、第1の半径方向外周面と第1の外部鈍角を形成する傾斜表面と、半径方向に延びる当接面を傾斜表面に接続する第2の転移表面と、傾斜表面を第1の半径方向外周面に接続する第3の転移表面と、を含むことができる。
【0007】
本開示の実施形態によるカートリッジピンアセンブリは、第1の直径を有する第1のボアと、第1のボアと連通し、第1の直径より大きな第2の直径を有する第2のボアと、を画定する第1の本体を含む第1のカラー、第3の直径を有する第3のボアと、第3のボアと連通し、第3の直径より大きな第4の直径を有する第4のボアと、を画定する第2の本体を含む第2のカラーを備えることができる。第1のボアと第3のボアは整列されて、共通の軌道ピンボア長手方向軸を画定することができる。軌道ピンは、第1のボア及び第3のボアに配置することができ、軌道ピンは、半径方向及び円周方向を画定する。第1のスリーブ軸受は、軌道ピンを中心に半径方向及び円周方向に第2のボアに配置することができる。第1のスリーブ軸受は、長手方向軸に沿って配置される第1のフレア状末端を含むことができる。
【0008】
本開示の実施形態による軌道チェーンアセンブリは、第1の軌道シュー部を含む第1の軌道部材と、第1の軌道シュー部から上方に延びる第1の二股部と、を備えることができ、第1の二股部は、第1のラグ及び第2のラグを含み、第1のラグは、第1の孔径及び第1の孔軸を画定する第1の孔と、第2の孔径及び第2の孔軸を画定する第2の孔と、を画定する。第2の孔軸は、第1の孔軸と整列される場合がある。第2の軌道部材は、第2の軌道シュー部と、第2の軌道シュー部から上方に延びる第3のラグと、を含むことができ、第3のラグは、第3の孔径と、第2の孔軸と整列される第3の孔軸を画定する第3の孔と、を画定する。カートリッジピンアセンブリは、第1の孔、第2の孔及び第3の孔に配置することができる。カートリッジピンアセンブリは、第1の直径を有する第1のボアと、第1のボアと連通し、第1の直径より大きな第2の直径を有する第2のボアと、を画定する第1の本体を含む第1のカラーを含むことができる。第2のカラーは、第3の直径を有する第3のボアと、第3のボアと連通し、第3の直径より大きな第4の直径を有する第4のボアと、を画定する第2の本体を含むことができる。第1のボアと第3のボアは整列されて、共通の軌道ピンボア長手方向軸を画定することができる。軌道ピンは、第1のボア及び第3のボアに配置することができる。軌道ピンは、半径方向及び円周方向を画定する円筒状軌道ピン本体を含むことができる。第1のスリーブ軸受は、軌道ピンを中心に半径方向及び円周方向に第2のボアに配置することができる。ブッシングは、軌道ピンを中心に半径方向及び円周方向に配置することができる。第1のシールアセンブリは、第1のスリーブ軸受を中心に半径方向及び円周方向に配置され、ブッシング及び第1のカラーの第1の本体と接触するように構成される第2のボアに配置することができる。第1のスリーブ軸受は、第1のカラーの第1の本体に当接する長手方向軸に沿って配置される第1のフレア状末端を含むことができ、第1のフレア状末端は、第1のシールアセンブリから離れるように最小クリアランス距離だけ離間される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に含まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、本説明と一緒に本開示の原理を説明する役割をする。
図1】本開示の様々な実施形態によるフレア状末端を有するスリーブ軸受を含むカートリッジピンアセンブリを有する様々な軌道チェーンアセンブリを使用し得る機械の斜視図である。
図2図1の機械から分離して示される、本開示の実施形態によるフレア状末端を有するスリーブ軸受(単数又は複数)を有するカートリッジピンアセンブリを備えた軌道チェーンアセンブリの一部の斜視図である。
図3図2のカートリッジピンアセンブリの長手方向軸及び半径方向を含む平面に沿って取られた、図2の軌道チェーンアセンブリの上面断面図である。
図4】軌道チェーンアセンブリから分離して示される、図3のカートリッジピンアセンブリの断面図である。
図5】軌道リンクとスリーブ軸受のフレア状末端との間の界面をより明確に示す、図4の一部の拡大図である。
図6】軌道チェーンアセンブリから分離して示される、図3のスリーブ軸受の斜視図である。
図7図6のスリーブ軸受の側面図である。
図8図7のスリーブ軸受の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を、添付の図面に示す。可能な限り、図面全体にかけて同一の参照番号が同一又は類似部分を指すために使用されるであろう。幾つかの場合、参照番号が本明細書に表示され、図面は、後に文字が続く参照番号、たとえば、100a、100b、又は後にプライムが続く参照番号、たとえば100’、100”などを示すであろう。参照番号のすぐ後に文字又はプライムを使用することは、これらの特徴が類似した形状であり、類似した機能を有し得ていることを示し、これは、幾何学的構造が対象表面を中心に鏡像をなす場合によく行われる。本明細書では説明の便宜のために、文字及びプライムが本明細書に含まれない場合も多くあるが、記述された本明細書内で説明される類似又は同一の機能又は幾何学的構造を有する特徴の重複を表示するために図面に示すこともできる。
【0011】
本開示の様々な実施形態によるフレア状末端を備えたスリーブ軸受を有するカートリッジピンアセンブリを備えた軌道チェーンアセンブリの様々な実施形態が以下で説明されるであろう。このような様々な実施形態は、軌道チェーンアセンブリの交換又はメンテナンスが必要とされる可能性を低減させることができる。すなわち、本明細書で説明される様々な軌道チェーンアセンブリは、スリーブ軸受が簡単に変形せず、推力荷重に耐えることができるため、堅固である可能性があり、隣接するシールがつぶされるのを防ぐのに役立つ。
【0012】
図1を参照すると、一実施形態による機械100が示されている。機械100は、機械フレーム102、及びフレーム102に結合される器具システム104を有する軌道型機械を含む。フレーム102は、地面係合軌道システム106上に支持され、それに対して回転可能であり得る。軌道システム106は、軌道ローラーフレーム108と、アイドラー120と、駆動スプロケット122と、軌道ローラーフレーム108に取り付けられる複数の軌道ローラー126と、を含む。地面係合軌道124(軌道チェーンアセンブリ200とも呼ばれる)は、アイドラー120、駆動スプロケット122、軌道ローラー126、及び潜在的に他の回転可能な軌道係合要素の周りで延びる。機械100は、採鉱機械、すなわち、油圧採鉱シャベルなどの文脈で示され、ここで器具システム104は、少なくとも主に鉱山の採掘現場で動作するように構成される油圧作動式器具システム104を含む。
【0013】
機械100は、代替的に、電気ロープシャベルなどのロープシャベル、又はトラクター、ブルドーザ若しくは掘削機などの様々な他の類型の装備であり得る。当業者は、示される油圧採鉱シャベルなどの特定の採鉱機械が90%以上の時間を作業場の固定位置において、たとえば、採鉱軌道又は別の運送メカニズム内に材料を捕獲、持ち上げ、及びダンプするための作業面で動作できるため、ほんのわずかな時間だけ、鉱石などを輸送することが理解されるであろう。このような採鉱機械の重量は、最大300万ポンド以上になる可能性があり、比較的低い頻度で鉱石などを輸送するにもかかわらず、たとえば、それらの軌道が極端な摩耗、荷重、及び材料の変形を受ける可能性がある。一般に、このような機械の軌道は、数万時間のサービス寿命を有することが望ましい。本明細書でさらに説明されるように、機械100及び特に軌道システム106は、特に早期故障のリスク又は予期しない現場サービス及び機械のダウンタイムの必要性を低減させながら、他の戦略に比べて拡張される、本明細書でさらに議論される軌道ジョイントに関連して、サービス寿命及び動作の信頼性のために構成される。
【0014】
ここで、図2図4に焦点を当てると、本開示の様々な実施形態による軌道チェーンアセンブリ200は、以下のように説明することができる。
【0015】
軌道チェーンアセンブリ200は、複数の軌道部材(たとえば、第1の軌道部材204と第2の軌道部材204’)の間にヒンジジョイント202を生成するのに使用される複数のカートリッジピンアセンブリ300を備えることができる。
【0016】
第1の軌道部材204及び第2の軌道部材204’は、同一の構成を有することができ、軌道チェーンの進行方向に沿って一方を他方の前に配置することにより、互いに嵌合することができ、図2及び図3に最もよく示されるように、2つの平行なヒンジジョイント202が組み立てられることを可能にする。軌道部材が2つより多い又は少ないヒンジジョイントを有するか、異なるように構成される場合などを含む本開示の他の実施形態では、他の構成が可能である。
【0017】
引き続き図2及び図3を見ると、第1の軌道部材204は、第1の軌道シュー部206と、第1の軌道シュー部206から上方に延びる第1の二股部208(軌道リンクのように作動する)と、を含み得ることを理解することができる。第1の二股部208は、第1のラグ210及び第2のラグ212を含むことができる。図3に最もよく示されるように、第1のラグ210は、第1の孔径215及び第1の孔軸216を画定する第1の孔214を画定し、第2のラグ212は、第2の孔径220及び第2の孔軸222を画定する第2の孔218を画定する。第2の孔軸222は、第1の孔軸216と整列されて、カートリッジピンアセンブリ300がその中に挿入されることを可能にする。
【0018】
同様に、第2の軌道部材204’は、第2の軌道シュー部206’と、第2の軌道シュー部206’から上方に延びる第3のラグ224(軌道リンクのように作動する)と、を含むことができる。第3のラグ224は、第3の孔径228と、第1の軌道部材204と第2の軌道部材204’が嵌合されるとき、第2の孔軸222と整列される第3の孔軸230と、を画定する第3の孔226を画定することができる。また、この構成は、カートリッジピンアセンブリ300がその中に挿入されることを可能にして、ヒンジジョイント202を形成する。
【0019】
軌道部材は、本開示の他の実施形態では、たとえば、軌道シューがボルトで締結されるか、その他の方式で軌道リンクに取り付けられるとき、軌道シューから分離される軌道リンクを有し得ることを理解されたい。
【0020】
ここで、図4を参照すると,複数のカートリッジピンアセンブリ300のそれぞれは、第1の直径306を有する第1のボア304と、第1のボア304と連通する第2のボア308と、を画定する第1の本体302aを含む第1のカラー302を含むことができる。第2のボア308は、座ぐりを形成するように、第1の直径306より大きな第2の直径310を有することができる。
【0021】
同様に、カートリッジピンアセンブリ300はまた、第3の直径318を有する第3のボア316と、第3のボア316と連通する第4の直径322を有する第4のボア320と、を画定する第2の本体312aを含む第2のカラー312を含むことができる。第4のボア320は、別の座ぐりを形成するように、第3の直径318より大きな第4の直径322を有することができる。第1のボア304と第3のボア316は整列され、同じサイズの直径を有することができ、共通の軌道ピンボア長手方向軸323(組み立てられるとき、図3の第2の孔軸222と一致する)を画定する。第2のカラー312はまた、希望通りに軌道チェーンアセンブリ200にカートリッジピンアセンブリ300を位置付けるように構成される停止部314を有することができる(この特徴は省略され得る)。本開示の他の実施形態では、他の構成が可能である。
【0022】
引き続き図4を参照すると、軌道ピン324は、第1のボア304及び第3のボア316に配置することができる。軌道ピン324は、半径方向326及び円周方向328を画定する円筒状ピン本体324aを有することができる。
【0023】
カートリッジピンアセンブリ300は、第2のボア308に配置され、軌道ピン324を中心に半径方向及び円周方向に配置される第1のスリーブ軸受400と、軌道ピン324を中心に半径方向及び円周方向に配置されて、軌道ピン324を中心に回転するように構成されるブッシング330と、をさらに備えることができる。
【0024】
第1のシールアセンブリ332は、第1のシールアセンブリ332が第1のスリーブ軸受400を中心に半径方向及び円周方向に配置されるように、第2のボア308に配置することができる。第1のシールアセンブリ332は、軸方向に位置決めされてもよく、その結果、第1のシールアセンブリ332は、ブッシング330及び第1のカラー302の第1の本体302aと接触するように構成される。
【0025】
図5に最もよく示されるように、第1のスリーブ軸受400は、第1のカラー302の第1の本体302aに当接する長手方向軸323に沿って配置される第1のフレア状末端402を含むことができる。第1のフレア状末端402は、本開示のいくつかの実施形態では、3.0mm~5.0mmの範囲の第1のシールアセンブリー332から最小クリアランス距離334だけ離間される場合がある。
【0026】
したがって、第1のシールアセンブリ332の機能は、本開示のいくつかの実施形態ために使用するとき、軌道チェーンアセンブリ200又はカートリッジピンアセンブリ300に加えられる荷重によって引き起こされる寸法変化により、第1のスリーブ軸受400の第1のフレア状末端402と接触することによって変更又は抑制されない場合もある。
【0027】
図4に戻って参照すると、複数のカートリッジピンアセンブリ300のそれぞれは、カートリッジピンアセンブリ300の構成要素のうち少なくとも一部に対して対称平面として作用し得るカートリッジピンアセンブリ300の長手方向の中間平面336を画定することができる。
【0028】
このような場合に、軌道チェーンアセンブリ200は、軌道ピン324を中心に半径方向及び円周方向に位置決めされる第4のボア320に配置される第2のフレア状末端402’を含む第2のスリーブ軸受400’と、第2のスリーブ軸受400’を中心に半径方向及び円周方向に位置決めされ、第2のカラー312の第2の本体312aと接触するように構成される第4のボア320に配置される第2のシールアセンブリ332’と、をさらに備えることができる。
【0029】
ブッシング320は、第1のスリーブ軸受400、第2のスリーブ軸受400’及び軌道ピン324を中心に半径方向及び円周方向に配置することができる。ブッシング320はまた、第1のシールアセンブリ332及び第2のシールアセンブリ332’に軸方向に近接して配置されて、第1のシールアセンブリ332及び第2のシールアセンブリ332’と接触するように構成されてもよい。ブッシング330は、半径方向内方に延び、第1のスリーブ軸受400及び第2のスリーブ軸受400’と軸方向に接触しながらも、第1のスリーブ軸受400及び第2のスリーブ軸受400’と半径方向に接触するとき、軌道ピン324に半径方向にほぼ接触するように構成される突起338も含むことができる。また、ブッシング330の突起338と軌道ピン324との間には、潤滑リザーバ(reservoir)が示される。これらの特徴の他の構成が可能であるか、又は本開示の他の実施形態において省略される場合がある。
【0030】
本明細書で直前に言及したように、第2のスリーブ軸受400’は、長手方向の中間平面336を中心に第1のスリーブ軸受400と対称である場合があり、第2のシールアセンブリ400’は、長手方向の中間平面336を中心に第1のシールアセンブリ332と対称である場合がある。実際に、これらの構成要素は、同じように構成される場合があり、図4に示されるように、これらを長手方向の中間平面336を中心に180度回転させることにより、使用される場合がある。同様に、ブッシング330は、長手方向の中間平面336を中心に対称である場合がある。
【0031】
カートリッジピンアセンブリ300及びその構成要素が非対称である場合を含む本開示の他の実施形態では、他の構成及び寸法が可能である。
【0032】
図4及び図5を一緒に参照すると、直前に説明したように、軌道チェーンアセンブリ200に使用され得るカートリッジピンアセンブリ300は、以下のように特徴づけることができる。
【0033】
図4において、カートリッジピンアセンブリ300は、第1の直径306を有する第1のボア304と、第1のボア304と連通する第2のボア308と、を画定する第1の本体302aを有する第1のカラー302を備えることができる。第2のボア308は、座ぐりを形成するように、第1の直径306より大きな第2の直径310を有することができる。
【0034】
カートリッジピンアセンブリ300は、第3の直径318を有する第3のボア316と、第3のボア316と連通する第4の直径322を有する第4のボア320と、を画定する第2の本体312aを有する第2のカラー312をさらに備えることができる。第4のボア320は、別の座ぐりを形成するように、第3の直径318より大きな第4の直径322を有することができる。第1のボア304と第3のボア316は整列されて、本明細書で前述したように、共通の軌道ピンボア長手方向軸323を画定する。
【0035】
したがって、軌道ピン324は、第1のボア304及び第3のボア316に配置される。軌道ピン324は、半径方向326、及び円周方向328を画定する。
【0036】
第1のスリーブ軸受400は、軌道ピン324を中心に半径方向及び円周方向に第2のボアに配置される。第1のスリーブ軸受400は、長手方向軸323に沿って配置される第1のフレア状末端402を含む。
【0037】
カートリッジピンアセンブリ300は、軌道ピン324を中心に半径方向及び円周方向に第4のボア320に配置される第2のフレア状末端402’を含む第2のスリーブ軸受400’、第1のスリーブ軸受400を中心に半径方向及び円周方向に第2のボア308に配置される第1のシールアセンブリ332をさらに備えることができる。第1のシールアセンブリ332は、第1のカラー302と接触するように構成される。
【0038】
さらに、第2のシールアセンブリ332’は、第2のスリーブ軸受400を中心に半径方向及び円周方向に第4のボア320に配置される。第2のシールアセンブリ332’は、第2のカラー312と接触するように構成される。
【0039】
ブッシング330は、第1のスリーブ軸受400、第2のスリーブ軸受400’及び軌道ピン324を中心に半径方向及び円周方向に配置される。ブッシング330は、第1のシールアセンブリ332及び第2のシールアセンブリ332’に軸方向に近接して配置されて、第1のシールアセンブリ332及び第2のシールアセンブリ332’と接触するように構成される(カートリッジピンアセンブリ300内の潤滑油をシールするための液密シールを生成する)。ブッシング330はまた、第1のスリーブ軸受400及び第2のスリーブ軸受400’と軸方向に接触するように構成される突起338を含む。
【0040】
図5に最もよく示されるように、第1のフレア状末端402は、第1の半径方向内周面404と、第1の当接面406と、70.0度~89.0度の範囲(たとえば、約80度)の長手方向軸323との第1の内部鋭角410を形成する第1の傾斜面408と、を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1の当接面406は、第1の半径方向延長面412(たとえば、平面状表面)であり得る。このような場合に、第1の当接面406は、第1のカラー302と接触して14,000mm~37,000mmの範囲の第1の界面領域表面積418を画定する第1の界面領域416を形成する。
【0042】
同様に、いくつかの実施形態では、第1の傾斜面408は、第1のランプ面414(たとえば、円錐面)である。このような場合に、第1のシールアセンブリ332は、第1の傾斜面408に半径方向、円周方向及び軸方向に近接して配置することができる。第1の傾斜面408と第1のシールアセンブリ332との間には、3.0mm~5.0mmの範囲の第1の半径方向クリアランス距離420が提供される場合がある。
【0043】
本明細書で前述したように、第2のスリーブ軸受400’はまた、第1のスリーブ軸受400の第1のフレア状末端402と同じように構成される第2のフレア状末端402’を有することができる(図4を参照)。
【0044】
これらの構成又は寸法のいずれも、本開示の他の実施形態では異なる場合がある。
【0045】
直前に説明したカートリッジピンアセンブリ300に使用され得る第1のスリーブ軸受400は、以下で図5図8を参照して説明されるであろう。
【0046】
第1のスリーブ軸受400は、円筒状軸422、半径方向424、及び円周方向426を画定する少なくとも部分的に環状の円筒状本体400aを備えることができる。
【0047】
少なくとも部分的に環状の円筒状本体400aは、第1の半径方向内周面404と、第1の半径方向外周面428と、第1の自由端430と、円筒状軸422に沿って配置される第2の自由端432と、を含むことができる。第1のフレア状部434は、円筒状軸422に沿って第1の自由端430に近接して配置することができる。
【0048】
第1のフレア状部434は、半径方向に延びる当接面436と、第1の半径方向内周面404を半径方向に延びる当接面436に接続する第1の転移表面438と、第1の半径方向外周面428と第1の外部鈍角442を形成する傾斜表面440と、半径方向に延びる当接面436を傾斜表面440に接続する第2の転移表面444と、傾斜表面440を第1の半径方向外周面428に接続する第3の転移表面446と、を含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1の外部鈍角442は、160.0度~179.0度の範囲(たとえば、約170度)であり得る。本開示の他の実施形態では、このような角度について他の値が可能である。
【0050】
図5に最もよく示されるように、第1の転移表面438は、第1の面取り部438’であってもよく、第2の転移表面444は、第2の面取り部444’であってもよく、第3の転移表面446は、半径446’であってもよい。本開示の他の実施形態では、これらの特徴に対して他の構成が可能である。
【0051】
図8を参照すると、第1の半径方向外周面428は、いくつかの実施形態では、80mm~200mmの範囲の第1のスリーブ軸受400の外径448を画定することができる。また、第1の半径方向内周面404は、いくつかの実施形態では、60mm~180mmの範囲の第1のスリーブ軸受400の内径450を画定することができる。少なくとも部分的に環状の円筒状本体400aは、80.0mm~250.0mmの範囲の第1の自由端430から第2の自由端432まで測定される長手方向の長さ456を画定することができる。これらの寸法は、本開示の他の実施形態では異なる場合がある。
【0052】
図5図6及び図8に示されるように、半径方向に延びる当接面436は、10.0mm~30.0mmの範囲の第1の転移表面438から第2の転移表面444まで半径方向に測定される半径方向の高さ452を画定することができる。
【0053】
図5を参照すると、傾斜表面440は、円錐面440’であり得る。円錐面440’の断面は、3.0mm~9.5mmの範囲の半径方向424に沿って第2の転移表面444から第3の転移表面446まで測定される高さ453と、18.0mm~54.0mmの範囲の円筒状軸422に沿って第2の転移表面444から第3の転移表面446まで測定される幅454と、を画定することができる。これらの特徴及び寸法は、本開示の他の実施形態では異なる場合がある。
【0054】
軌道チェーンアセンブリ200及びカートリッジピンアセンブリ300の様々な構成要素は、任意の適切な製造工程又は材料を使用して製造され得る。軌道部材は、鋼、鋳鉄、鋼鋳鉄(steel-cast iron)などを使用して鍛造、鋳造、又は機械加工される可能性がある。第1のスリーブ軸受400はまた、鋼、ステンレス鋼などからなり得る。
【産業上の利用可能性】
【0055】
実際に、本願で説明される任意の実施形態による軌道チェーンアセンブリ、カートリッジピンアセンブリ(そのサブアセンブリ)及び/又はスリーブ軸受は、OEM(相手先商標製造会社)又はアフターマーケットコンテキストで販売されるか、購買されるか、製造されるか、その他の方式で取得され得る。
【0056】
たとえば、すでに現場にある軌道チェーンアセンブリは、フレア状末端を有するスリーブ軸受又はフレア状末端を有するスリーブ軸受を備えたカートリッジピンアセンブリに改装することができる。また、すでに現場にある機械は、本開示の様々な実施形態によってフレア状末端を有するスリーブ軸受又はカートリッジピンアセンブリを使用して軌道チェーンアセンブリに改装することができる。
【0057】
代替的に、機械は、当初、本開示の様々な実施形態によってフレア状末端を有するスリーブ軸受又はカートリッジピンアセンブリを備えた軌道チェーンアセンブリとともに販売することができる。その後、フレア状末端を有するスリーブ軸受又はカートリッジピンアセンブリは、交換部品などとして供給される場合がある。
【0058】
本出願の発明者は、本明細書で説明されるように、フレア状末端を有するスリーブ軸受を使用して、カートリッジピンアセンブリに対してFEA(有限要素解析)を実行した。接触面積の増加によって応力が減少した。したがって、スリーブ軸受又はカラーの変形が減少する可能性がある。これは、カートリッジピンアセンブリの寿命を希望通りに伸ばして、メンテナンスの頻度を減少させることができる。
【0059】
本明細書で議論される様々な実施形態は、用途に応じて拡大又は縮小することができる。そのために、良好な性能を提供し得る本開示のさらなる実施形態では、様々な寸法比を提供することができる。たとえば、半径方向に延びる当接面の半径方向の高さに対するスリーブ軸受の外径の比は、特定の実施形態では、10.0~15.0の範囲であり得る。同様に、円錐面の高さに対するスリーブ軸受の長手方向の長さの比は、28.0~36.0の範囲であり得る一方、円錐面の幅に対する長手方向の長さの比は、特定の実施形態では、3.0~5.0の範囲であり得る。また、内径に対する第1の界面領域表面積の比は、特定の実施形態では、300.0mm~400.0mmの範囲であり得る。本開示の他の実施形態では、これらの比率の他の範囲が可能である。
【0060】
本明細書に説明される装置及び組み立ての方法の実施形態に対して、本発明(単数又は複数)の範囲又は精神から逸脱することなく、様々な修正及び変形が加えられ得ることは当業者には明らかであろう。本開示の他の実施形態は、本明細書、及び本明細書に開示した様々の実施形態の実施を考慮することから当業者に明らかになるであろう。たとえば、装備の一部は、本明細書で説明されたものとは異なるように構成されても、機能してもよく、任意の方法の特定のステップは省略されるか、具体的に述べられたものとは異なる手順で行われるか、ある場合は同時又はサブステップで行われてもよい。なお、様々な実施形態の特定の態様又は特徴に対する変形又は修正が、さらなる実施形態を生成するために加えられてもよく、様々な実施形態の特徴及び態様が、別のさらなる実施形態を提供するために他の実施形態の他の特徴又は態様に追加されるか、代替されてもよい。
【0061】
よって、本明細書及び例は、単に例示的なものと見なされるべきであり、本発明(単数又は複数)の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって示されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8