(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】協働ロボットのリスクアセスメントガイダンス装置および方法
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20240130BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B25J19/06
B25J19/00 Z
(21)【出願番号】P 2022535306
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(86)【国際出願番号】 JP2021025231
(87)【国際公開番号】W WO2022009814
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2020117192
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】當眞 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 一隆
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147179(JP,A)
【文献】特開2010-188515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0229068(US,A1)
【文献】特開2014-188644(JP,A)
【文献】特開2008-262490(JP,A)
【文献】特開2020-082307(JP,A)
【文献】特開2003-263212(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0194097(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
G06Q 50/04
G05B 19/18 - 19/416
G05B 19/42 - 19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの入力を受け付ける入力装置と、
情報を記憶する記憶装置と、
情報を表示する表示装置と、
少なくとも1つの処理装置とを備え、
該処理装置は、
人との協働条件を含む基本情報を
前記表示装置に表示させ、前記入力装置によって
選択させることで前記ユーザに入力させ、
入力された前記基本情報に対応付けて前記記憶装置に記憶されている
危険源の候補情報を前記表示装置に表示させ、表示された前記危険源の候補情報の少なくとも1つを前記入力装置によって前記ユーザに選択させ、
選択された前記危険源の候補情報に対応付けて前記記憶装置に記憶されているリスク内容情報に基づいてリスク評価を行い、
該リスク評価の結果が許容可能なリスク以下であるか否かを判定し、
前記リスク評価の結果が許容可能なリスク以下ではないと判定された場合に、人と協働ロボットとを、空間を隔てずに離間させる対策案を
前記記憶装置から読み出して前記表示装置に表示する協働ロボットのリスクアセスメントガイダンス装置。
【請求項2】
前記処理装置は、
前記基本情報の読み出しに先立って、リスクアセスメントに関する保有資格を前記ユーザに入力させるとともに、
前記危険源の候補情報を絞り込むための質問事項を前記表示装置に表示して前記ユーザに回答させ、
入力された前記保有資格および前記ユーザによる回答結果に基づいて、絞り込まれた前記危険源の候補情報を前記表示装置に表示する請求項1に記載の協働ロボットのリスクアセスメントガイダンス装置。
【請求項3】
人との協働条件を含む基本情報をユーザに入力させ、
入力された前記基本情報に対応付けられた危険源の候補情報の少なくとも1つを前記ユーザに選択させ、
選択された前記危険源の候補情報に対応付けられたリスク内容情報に基づいてリスク評価を行い、
該リスク評価の結果が許容可能なリスク以下であるか否かを判定し、
前記リスク評価の結果が許容可能なリスク以下ではないと判定された場合に、人と協働ロボットとを、空間を隔てずに離間させる対策案を表示する協働ロボットのリスクアセスメントガイダンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、協働ロボットのリスクアセスメントガイダンス装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロボットの導入にはリスクアセスメントが必要であることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
協働ロボットのリスクアセスメントについては、ユーザは不慣れである。そこで、不慣れなユーザであっても、簡易かつ適切にリスクアセスメントを行うことができることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、ユーザの入力を受け付ける入力装置と、情報を記憶する記憶装置と、情報を表示する表示装置と、少なくとも1つの処理装置とを備え、該処理装置は、人との協働条件を含む基本情報を前記表示装置に表示させ、前記入力装置によって選択させることでユーザに入力させ、入力された前記基本情報に対応付けて前記記憶装置に記憶されている危険源の候補情報を前記表示装置に表示させ、表示された前記危険源の候補情報の少なくとも1つを前記入力装置によって前記ユーザに選択させ、選択された前記危険源の候補情報に対応付けて前記記憶装置に記憶されているリスク内容情報に基づいてリスク評価を行い、該リスク評価の結果が許容可能なリスク以下であるか否かを判定し、前記リスク評価の結果が許容可能なリスク以下ではないと判定された場合に、人と協働ロボットとを、空間を隔てずに離間させる対策案を前記記憶装置から読み出して前記表示装置に表示する協働ロボットのリスクアセスメントガイダンス装置である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の一実施形態に係るリスクアセスメントガイダンス装置を示すブロック図である。
【
図2】
図1のリスクアセスメントガイダンス装置の記憶装置に記憶されている情報を示す図である。
【
図3】
図2の記憶装置における危険源リストの詳細を示す図である。
【
図4】
図2の記憶装置における周辺環境の詳細を示す図である。
【
図5】
図2の記憶装置における人との協働条件の詳細を示す図である。
【
図6】
図2の記憶装置における危険源または危険事象リストの詳細を示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係るリスクアセスメントガイダンス方法を示すフローチャートである。
【
図9】
図8からの続きを示すフローチャートである。
【
図10】
図9からの続きを示すフローチャートである。
【
図12】
図2の記憶装置における危険源の候補情報を絞り込むための質問事項を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の一実施形態に係る協働ロボットのリスクアセスメントガイダンス装置1および方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るリスクアセスメントガイダンス装置1は、
図1に示されるように、ユーザの入力を受け付ける入力装置2と、情報を記憶する記憶装置3と、情報を表示する表示装置4と、少なくとも1つの処理装置5とを備えている。
【0008】
入力装置2は、例えば、キーボードまたはマウス等である。
記憶装置3は、例えば、メモリである。表示装置は、例えば、モニタである。
処理装置5は、CPU等のプロセッサである。
【0009】
記憶装置3には、
図2に示されるように、「作業の種類」、「周辺環境」および「人との協働条件」の3項目に対応する基本情報と、基本情報の各項目に対応付けられた「危険源」の候補とが記憶されている。さらに、記憶装置3には、
図2に示されるように、「リスク評価対象作業」、「作業条件」、「リスク内容」、「けがの大きさ」、「災害発生の可能性」、「リスクレベル」、「頻度」、「リスクインデックスでの災害発生の可能性の観点」、「リコメンド情報」、「リスクアセスメント実施者」、「リスクアセスメント承認者」および「残留リスク」が記憶されている。
【0010】
「危険源リスト」としては、例えば、
図3に示される情報が記憶されている。
「周辺環境」としては、例えば、
図4に示される情報が記憶されている。
「人との協働条件」としては、例えば、
図5に示される情報が記憶されている。
【0011】
「危険源」または「危険事象リスト」の候補としては、例えば、
図6および
図7に示される情報が記憶されている。
「作業の種類」、「周辺環境」および「人との協働条件」に含まれる各情報には「危険源」のいずれかが対応付けられている。
【0012】
「リスク評価対象作業」としては、「定常作業」、「非定常作業」、「暫定的作業」および「異常作業」が記憶されている。
「作業条件」としては、「作業時に稼働している設備等」および「ユーザの指定保護具等の着用状況」が記憶されている。「作業時に稼働している設備等」においては設備類毎に稼働、非稼働、非常停止、異常停止等が記憶されている。「ユーザの指定保護具等の着用状況」においては、ヘルメット、手袋、皮手袋、安全靴、保護メガネ等の作業標準表等で指定されている保護具等が記憶されている。
【0013】
「頻度」としては、作業を行う頻度の選択肢が記憶されている。
「リスクインデックスでの災害発生の可能性の観点」としては、「隔離安全」、「危険源を回避できる可能性」、「作業時における人の注意力」および「危険源にアクセスする頻度」の選択肢が記憶されている。
【0014】
「リスク内容」としては、「危害」、「状況」、「きっかけ」の選択肢が記憶されている。「危害」としては、「怪我の部位とその程度」の選択肢が記憶されている。「状況」としては、「誰が何をしているときに」の選択肢が記憶されている。「きっかけ」としては、「何が起こって」の選択肢が記憶されている。
【0015】
「リスク内容」の「危害」、「状況」および「きっかけ」は、それぞれ、「危険源」、「リスク評価対象作業」、「作業条件」、「人との協働条件」、「作業の種類」および「周辺環境」と対応付けて記憶されている。
「けがの大きさ」としては、対策前のリスク評価としてのけがの大きさの候補、「重大・障害(休業災害)」、「軽傷・軽症(不休災害)」、「赤チン災害」および「無害」が「リスク内容」の「危害」に対応付けて記憶されている。
【0016】
「災害発生の可能性」としては、対策前のリスク評価としての災害発生の可能性の候補、「確実に起こる」、「可能性が高い」、「可能性がある」および「ほとんど起きない」が記憶されている。「災害発生の可能性」は、「リスク内容」の「状況」および「きっかけ」、「頻度」および「リスクインデックスでの災害発生の可能性の観点」に対応付けて記憶されている。
【0017】
「リスクレベル」は、対策前のリスク評価としてのリスクレベルの候補「許容できない」、「重大な問題あり」、「問題あり」、「許容できる」および「対策不要」が、「けがの大きさ」と「災害発生の可能性」とに対応付けて記憶されている。
【0018】
「リコメンド情報」としては、例えば、協働ロボットと人との空間を隔てずに離間させる対策案候補が複数記憶されている。
例えば、対策案候補としては、「協働ロボットとユーザとを作業台によって隔てる」あるいは「協働ロボットの周りをカラーコーン(登録商標)およびチェーンで囲いユーザから隔てる」等を挙げることができる。これらの対策案候補は、協働ロボットとユーザとの間に、空間を仕切ることなく所定の距離を空けるためのものである。
【0019】
リコメンド情報は、記憶されている対策案候補に、「周辺環境」の「周辺装置」における「機械設備等のレイアウト」および「人との協働条件」を考慮して算出される数値の情報を加えて作成される。
例えば、対策案候補が「協働ロボットとユーザとを作業台によって隔てる」である場合には、作業台の位置、作業台の高さおよび作業台の幅等を算出して追加する。
【0020】
また、機械設置等のレイアウトおよび人との協働条件により、協働ロボットの可動範囲に、ユーザの頭部、首あるいは下肢部が入る場合には、これを回避する程度に作業台の位置、高さおよび幅の少なくとも1つの値を大きく設定する。
【0021】
処理装置5は、入力された各種情報からリスクレベルを求めるリスク評価を行い、リスクレベルが許容可能なリスク以下であるか否かを判定する。処理装置5は、許容可能なリスク以下であると判定された場合には、上位者の確認および承認が行われた後に、リスクアセスメントの内容を記録(保管)する。
リスクレベルが許容可能なリスク以下ではないと判定された場合には、処理装置5は、条件の見直し、対策のリコメンド、残留リスクの情報開示を段階的に行う。
【0022】
このように構成された本実施形態に係るリスクアセスメントガイダンス装置1を用いたリスクアセスメントガイダンス方法について、以下に説明する。
リスクアセスメントが開始されると、まず、処理装置5が、
図8に示されるように、ユーザに種々の情報を入力させる。
【0023】
すなわち、処理装置5は、カウンタNをリセットし(ステップS1)、「作業の種類」(基本情報)、「リスク評価対象作業」、「頻度」および「リスクインデックスでの災害発生の可能性の観点」の候補を記憶装置3から順次読み出して表示装置4に順次表示する(ステップS2,S4,S6,S8)。そして、表示装置4に表示された候補の中から、それぞれの項目に対応する情報をユーザに選択させる。ユーザは入力装置2を用いて、表示装置4に表示されている情報を選択する(ステップS3,S5,S7,S9)。
【0024】
また、処理装置5は、
図9に示されるように、「作業条件」、「周辺環境」(基本情報)および「人との協働条件」(基本情報)に対応する情報の候補についても記憶装置3から順次読み出して表示装置4に表示する(ステップS10,S12,S14)。そして、表示装置4に表示された候補の中から、それぞれの項目に対応する情報をユーザに選択させる。ユーザは入力装置2を用いて、表示装置4に表示されている情報を選択する(ステップS11,S13,S15)。
【0025】
次に、処理装置5は、
図10に示されるように、選択された基本情報に対応付けて記憶されている「危険源」の候補を記憶装置3から読み出して表示装置4に表示させ(ステップS16)、少なくとも1つの危険源の候補をユーザに選択させる。ユーザは入力装置2を用いて、表示装置4に表示されている情報を選択する(ステップS17)。
【0026】
処理装置5は、危険源が選択されると、選択された危険源に対応付けて記憶されている「リスク内容」の候補を記憶装置3から読み出す(ステップS18,S20,S22)。また、処理装置5は、読み出した「リスク内容」の候補の中から、入力された「リスク評価対象作業」、「作業の種類」、「周辺環境」、「人との協働条件」および「作業条件」に対応付けられているもののみを抽出する。
【0027】
そして、処理装置5は、抽出された、「リスク内容」の「危害」、「状況」および「きっかけ」の各候補を表示装置に表示して、ユーザに選択させる。ユーザは入力装置2を用いて、表示装置4に表示されている情報を選択する(ステップS19,S21,S23)。
【0028】
さらに、処理装置5は、
図11に示されるように、選択された「危害」の内容から「けがの大きさ」を選択する(ステップS24)。また、処理装置5は、選択された「状況」および「きっかけ」、既に入力されている「頻度」および「リスクインデックスでの災害発生の可能性の観点」から「災害発生の可能性」を選択する(ステップS25)。そして、処理装置5は、選択された「けがの大きさ」と「災害発生の可能性」とに基づいてリスクレベルを決定することにより対策前のリスク評価を行う(ステップS26)。
【0029】
次いで、処理装置5は、リスクレベルが許容可能なリスク以下であるか否かを判定し(ステップS27)、許容可能なリスク以下である場合には、上位者の確認及び承認を求める(ステップS28)。処理装置5は、承認されたリスクアセスメント結果を記憶装置3に記録(あるいはプリントアウト)する(ステップS29)。
【0030】
一方、ステップS27において、リスクレベルが許容可能なリスク以下ではない場合には、カウンタNが1であるか否かを判定し(ステップS30)、カウンタN=1である場合には、カウンタNをインクリメントしてステップS10からの工程を繰り返す(ステップS31)。すなわち、「作業条件」、「周辺環境」および「人との協働条件」の候補を表示装置4に表示し、ユーザに条件を見直させる(ステップS10~ステップS15)。
【0031】
ユーザが見直した情報に基づいて、処理装置5はステップS16~ステップS26の工程を実施し、再度リスクレベルを決定する。決定されたリスクレベルが、再度、許容可能なリスク以下ではない場合には、カウンタN=2であるか否かが判定される(ステップS32)。
【0032】
カウンタN=2である場合には、カウンタNがインクリメントされ(ステップS33)、記憶装置3からリコメンド情報が読み出される(ステップS34)。ユーザは入力装置2を用いて、表示装置4に表示されているいずれかのリコメンド情報を選択する(ステップS35)。
【0033】
ユーザによりリコメンド情報が選択された場合には、これまで入力されてきた情報の内、「周辺環境」および「人との協働条件」の情報が書き換えられる。そして、書き換え後の情報に基づいて、ステップS16からの工程が繰り返され、リスクレベルが再度決定される(ステップS26)。
【0034】
決定されたリスクレベルが、再度、許容可能なリスク以下ではない場合には、カウンタN=2であるか否かが判定され(ステップS32)、N=3であるためステップS36において、残留リスク情報が提示される。その後、再度のリスク評価を行うことなく、上位者による確認および承認が行われる(ステップS28)。
【0035】
保護方策を講じた後にも残る残留リスクは、情報を開示する必要があり、さらに、「作業手順に対策を記述」、「標識や警告表示の設置」、「保護具着用」および「教育訓練」を実施する等の回答を要求する。
【0036】
このように、本実施形態に係る協働ロボットのリスクアセスメントガイダンス装置1によれば、協働ロボットのリスクアセスメントに必要な事項が、記憶装置3から読み出されて表示装置4に表示される。したがって、ユーザは、表示された事項の中から該当する事項を選択するだけで、リスクアセスメントを実施することができる。
【0037】
特に、基本情報として、「人との協働条件」を入力させるので、リスクアセスメントに不慣れなユーザであっても、簡易にリスクアセスメントを行うことができるという利点がある。そして、入力した情報ではリスクレベルを許容レベル以下にできない場合に、協働ロボットとユーザとの間に、空間を仕切ることなく距離を空けさせるリコメンド情報が提示される。これにより、ユーザに簡易にリスクレベルを下げるための対策を実施させることができる。
【0038】
なお、本実施形態においては、
図6のリスクアセスメントガイダンスの実施に先立って、ユーザに、リスクアセスメントに関する保有資格を入力させてもよい。また、危険源の候補情報を絞り込むための質問事項を表示装置4に表示してユーザに回答させてもよい。
【0039】
入力させる保有資格としては、SLA:セーフティリードアセッサ、SA:セーフティアセッサ、SSA:セーフティサブアセッサおよびSBA:セーフティベーシックアセッサを挙げることができる。
また、予め回答させる質問事項としては、例えば、
図12に示される。これらの質問事項には、「YES」、「NO」または「わからない」の3択で回答させる。
【0040】
そして、入力された保有資格により、リスクアセスメントに関する知識レベルが高いと判定されたユーザに対するリスクアセスメントガイダンスにおいては、「YES」と回答した質問事項の関連項目の選択を要求しないことにしてもよい。関連項目としては、危険源の選択肢を挙げることができる。
【0041】
すなわち、「NO」または「わからない」と回答した質問事項に関連する危険源のみを表示して選択させることにすればよい。これにより、リスクアセスメントに関する知識レベルが高いユーザに対しては、選択事項を少なくして、煩雑さを低減することができるという利点がある。
【0042】
また、本実施形態においては、
図11に示されるように、ステップS27において、1回目のリスクアセスメントにおいて、リスクレベルが許容可能なリスク以下ではない場合にのみステップS10からの条件の見直しをさせることとした。これに代えて、条件の見直しを残留リスクが許容可能な範囲となるまで繰り返すことにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 リスクアセスメントガイダンス装置
2 入力装置
3 記憶装置
4 表示装置
5 処理装置