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特許7428806プリン誘導体および医薬におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】プリン誘導体および医薬におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 473/32 20060101AFI20240130BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20240130BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20240130BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240130BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
C07D473/32 CSP
A61K31/522
C07D519/00 311
A61P43/00 111
A61P35/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022539656
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 CN2020141862
(87)【国際公開番号】W WO2021136463
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】201911408681.4
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010155797.8
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010667388.6
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522185645
【氏名又は名称】成都百裕制薬股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】魏用剛
(72)【発明者】
【氏名】許学珍
(72)【発明者】
【氏名】楚洪柱
(72)【発明者】
【氏名】何呂学
(72)【発明者】
【氏名】孟詳玉
(72)【発明者】
【氏名】王美微
(72)【発明者】
【氏名】蘇桂転
(72)【発明者】
【氏名】劉兵
(72)【発明者】
【氏名】孫毅
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/238929(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0194782(US,A1)
【文献】国際公開第2006/091737(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/015593(WO,A1)
【文献】Journal Of Medicinal Chemistry,2020年,Vol. 63,pp. 3461-3471
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で示され、
【化1】

式中、
存在しないとき、X 、X は、それぞれCまたはNであり、
【化2】

または、
Aは、4~員ヘテロ環から選択され、Aが4~6員ヘテロ環から選択されるとき、X およびX は環Aの一部であり
前記4~6員ヘテロ環は、
【化3】

から選択され
Bは、アダマンチルから選択され;
は、Hであり;
H、ハロゲン、シアノ、C 1~6アルキル、C 1~6アルコキシ、またはC(=O)NRa1 ら選択され、ここで、前記C1~6アルキル、およびC1~6アルコキシは、Dから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており;
は、Hから選択され;
は、Hから選択され;
は、H、または1~6アルキルから選択され;前記C 1~6 アルキルは、Dから選択される1つ以上の置換基で任意にさらに置換されており;
は、-OH、ハロゲン、D、シアノ、カルボキシル、=O、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-NRa1a2、-C(=O)OC1~6アルキル、-OC(=O)C1~6アルキル、-C(=O)NRa1 ら選択され、ここで、前記C1~6アルキル、C1~6アルコキシは、-OH、またはハロゲンから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており;
a1およびRa2はそれぞれ独立してH、C1~6アルキルから選択されるかまたは、R a1 およびR a2 は、N原子と共に、NおよびOから選択される1~2つのヘテロ原子を含む6員ヘテロ環を形成しており;
は、OおよびSから選択され;
n、pおよびqはそれぞれ独立して0、1、2、3または4から選択される、
化合物、またはそのすべての立体異性体、溶媒和物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶。
【請求項2】
前記化合物は、一般式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)(VIII)、(VIX)または(VX)で示される化合物から選択され、
【化4】

、R、R、R、R、B、n、pおよびqは、一般式()と同一に定義される、
請求項に記載の化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶。
【請求項3】
は、アダマンチルから選択され;
は、Hから選択され、
は、H、ハロゲン、C1~4アルキル、シアノおよびC(=O)NRa1a2から選択され、ここで、前記C1~4アルキルは、Dから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており;
は、Hから選択され;
は、HおよびC1~4アルキルから選択され;
は、-OH、D、シアノ、-NRa1a2、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、-C(=O)OC1~4アルキル、カルボキシル、ハロゲン、=Oおよび-C(=O)NRa1a2から選択され、ここで、前記C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシは、-OHおよびハロゲンから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており;
a1およびRa2はそれぞれ独立してHおよびC1~4アルキルから選択されるか;または、Ra1およびRa2は、N原子と共に、NおよびOから選択される1~2つのヘテロ原子を含む6員ヘテロ環を形成しており;
nは、0および1から選択され;
pは、1、2および3から選択され;
qは、1および2から選択される、
請求項に記載の化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶。
【請求項4】
下の構造のうち1つから選択される、
【化5】













合物、またはその立体異性体、溶媒和物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物を製造するための中間体化合物であって、
前記中間体化合物は、式(I-B)で示される化合物から選択され、
【化6】

式中、
Xは、ハロゲンから選択され;
Bは、アダマンチルから選択され
、Rおよびqは、請求項1~のいずれか1項と同一に定義される、
中間体化合物。
【請求項6】
前記中間体化合物は、以下の構造のうち1つから選択される、
【化7】

請求項に記載の中間体化合物。
【請求項7】
(1)請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩、もしくは共結晶と
(2)任意に、1つ以上の他の活性成分と;
(3)薬学的に許容可能な担体および/または賦形剤と、
を含む、薬学的組成物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩、もしくは共結晶、または、請求項に記載の薬学的組成物の、DNA-PK阻害剤の製造における使用。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩、もしくは共結晶、または、請求項に記載の薬学的組成物の、癌の治療および予防のための医薬品の製造における使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、一般式(I)で示されるプリン誘導体、またはその立体異性体、溶媒和物、プロドラッグ、代謝産物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶、その薬学的組成物、およびDNA-PK阻害剤の製造におけるその使用に関する。
【0002】
〔背景〕
DNA依存性タンパク質キナーゼ(DNA-PK)は、Ku70/Ku80ヘテロダイマーおよびDNA依存性タンパク質キナーゼ触媒サブユニット(DNA-PKcs)からなるDNA-PK酵素複合体である。当該酵素複合体が活性化されるには、対応する機能を実行するDNAが存在する必要がある(George et al, 2019)。セリン/トレオニンタンパク質キナーゼとして、DNA-PKは、PIKK(ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ関連キナーゼ)ファミリーのメンバーである。DNA-PKは、細胞内DNA-二重鎖切断(DSB)の修復、および細胞内DNA組み換えまたは抗体DNA再編成(V(D)J組み換え)のプロセスにおいて、重要な役割を果たす。加えて、DNA-PKは、染色体修飾、転写調節およびテロメア維持などの生理学的プロセスにも関与する。
【0003】
一般的な生理学的プロセスにおいて、多数のファクターがDNAのDSBに寄与し得る。例えば、DSBは、すべての脊椎動物における機能免疫系の発達にとって非常に重要な生理学的プロセスである体内DNA組み換えの間に、中間体として生じることが多い;DNA複製のプロセスにおいて、損傷した塩基を含む複製フォークが結合すると、単鎖または二重鎖切断に繋がることもある;DSBは、一般的な代謝プロセスにおいて、DNAに対する活性酸素種(ROS)による攻撃の結果として生じることもある(Cannan & Pederson, 2016)。さらに、電離放射線(IR)および化学療法剤(例えば、トポイソメラーゼII阻害剤)などの、DSBに寄与し得る外因性ファクターが多数存在する(George et al, 2019)。DSBが修復されないか、不正確に修復された場合、突然変異および/または染色体異常が生じることがあり、最終的には細胞死に繋がる。DSBによってもたらされる障害への応答において、真核細胞は、損傷したDNAを修復し、細胞の存続およびゲノム安定性を維持するための多数の機構を進化させてきた。真核細胞において、DNA修復の支配的なモードは、非相同末端結合(NHEJ)である。この損傷したDNAの直接的な結合は、相同的なDNA断片の関与を必要とせず、細胞周期のどの段階でも生じることがある。NHEJは、DNA-PKによって調節され、シグナル伝達経路に連結して種々のタンパク質の関与を必要とする、動的プロセスであり、基本的には以下のようなものである:(1)Ku70/Ku80ヘテロダイマーが二重鎖DNA損傷の末端を認識し、結合する;(2)DNA-PKcsおよびXRCC4-DNAリガーゼIV複合体などのタンパク質が損傷したDNAの二重鎖の両側に集まる;(3)DNA-PKcsが自身をリン酸化し、そのキナーゼ活性を活性化する;(4)損傷したDNAの2つの末端をライゲーションするための接着剤としてDNA-PKcsが使われ、DNAがエキソヌクレアーゼによって分解されることを防ぐ;(5)DNAが処理され、ライゲーションできない末端および損傷における他の形式の損傷を除去する;(6)XRCC4-DNAリガーゼIV複合体がDNA末端を修復する(ある場合では、ライゲーション前に新しい末端を合成するために、DNAポリメラーゼが必要となることがある)。DNA-PKcsがリン酸化されると、NHEJプロセスにおける種々のタンパク質(Artemis、Ku70、Ku80およびDNAリガーゼなど)が誘導され得、コンフォメーションが変化し、それらの活性が調節される。このことは、DNA修復プロセスにおいて非常に重要である。そのため、リン酸化したDNA-PKcs(pDNA-PKcs)は、細胞DSB用のマーカーとして使用されることが多い。
【0004】
DNA-PK活性は、種々の腫瘍の発達および進行と関連していることが示されてきた。例えば、黒色腫中のDNA-PKcsは、脈管形成および腫瘍転移を促進し得る;多数の骨髄腫中のDNA-PKcsの発現レベルは、著しくアップレギュレーションされる;放射線療法耐性がある甲状腺腫瘍内のKuタンパク質含有量は、著しく増加している(Ihara, Ashizawa, Shichijo & Kudo, 2019)。そのため、DNA-PK阻害剤は、DNA損傷を引き起こす抗腫瘍療法(例えば、IRまたは化学療法剤)と組み合わせ、効果を改善するために用いることができると考えられている。DNA-PK阻害剤を使用すると、正常細胞のDNA修復機能に一定程度干渉することがある。しかしながら、正常細胞には補完として多くのDNA修復経路が存在する一方、腫瘍細胞は、相当なDNA複製ストレス下にあり、有効なDNA修復モードを欠いている。腫瘍細胞のDNA-PK活性を阻害することによって、他の抗腫瘍薬物の腫瘍細胞への死滅効果を改善することができる。
【0005】
数年間の研究の後、現在では多数のDNA-PK阻害剤が発見されている。DNA-PKキナーゼに対する阻害活性を有することが発見された最初の化合物は、ウォートマンニン(Wortmannin)という真菌性代謝産物であり、約15nMのIC50(DNA-PK)を有する。この化合物は、p53タンパク質のアセチル化およびリン酸化プロセスの両方においても、重要な役割を果たす。後に報告されたケルセチン誘導体LY294002もまた、DNA-PKに対する阻害活性を有する(Maira, Stauffer, Schnell, & Garcia-Echeverria, 2009)。後に、NU7026およびNU7441などの新世代のDNA-PK阻害剤がLY294002の構造を基に開発される。これらの化合物は腫瘍細胞で良好な死滅効果を有することが示されてきたが、それらの高い毒性および低い選択性のために、臨床的な開発を行うことができない(Maira et al, 2009)。小分子化合物OK1035、SU11752、PP121およびKU-0060648などの他のDNA-PK阻害剤も報告されてきた。しかしながら、これらの化合物もまた、DNA-PKに対する特異性が低いなどの欠点を有する(George et al, 2019)。そのため、高い活性、高い特異性および低い毒性を有し、臨床の需要をより良く満たすDNA-PK阻害剤を開発することが依然として求められている。
【0006】
〔概要〕
本発明の一以上の実施形態は、プリン誘導体、またはそのすべての立体異性体、溶媒和物、代謝産物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩、共結晶もしくはプロドラッグ、その薬学的組成物、およびDNA-PK阻害剤の製造におけるその使用を提供する。
【0007】
一以上の実施形態において、化合物は、DNA-PKに対する高い阻害活性および/または高い選択性を有する。化合物は、従来技術の欠点を克服することができ、有毒な副作用を低減する一方で従来技術の有効性を向上した、癌の治療に有効な化学的増感剤および放射線増感剤として使用することができる。
【0008】
本発明の一以上の実施形態は、一般式(I)で示される化合物、またはそのすべての立体異性体、溶媒和物、プロドラッグ、代謝産物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶を開示する。
【0009】
【化1】
【0010】
式中、
Aは、存在しないか、またはN、OおよびSから選択される1~4つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロ環から選択され;
およびXはそれぞれ独立してC、O、NおよびSから選択され、Aが4~12員ヘテロ環から選択されるとき、XおよびXは環Aの一部であり;
Bは、アダマンチルから選択され;
およびRはそれぞれ独立してH、ハロゲン、カルボキシル、=O、-OH、シアノ、-NRa1a2、C1~6アルキル、C1~6アルキレン-OH、C1~6アルキレン-NRa1a2、C1~6アルコキシ、C(=O)OC1~6アルキル、C(=O)NRa1a2、C2~6アルケニルおよびC2~6アルキニルから選択され、ここで、前記C1~6アルキル、C1~6アルキレンおよびC1~6アルコキシは、Dおよびハロゲンから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されているか;
または、nが2、3および4から選択されるとき、2つのRは、それらに結合した原子と共に、3~8員環を形成していてもよく、ここで、前記3~8員環は、N、OおよびSから選択される1~3つのヘテロ原子を任意に含み、-OH、カルボキシル、ハロゲン、シアノ、=O、C1~6アルキルおよびアミノから選択される1つ以上の置換基で任意にさらに置換されており;
は、HおよびC1~6アルキルから選択され;
は、H、ハロゲン、C1~6アルキルおよびC1~6アルコキシから選択され;
は、H、C1~6アルキル、C3~12シクロアルキル、CヘテロシクロアルキルおよびC4~12ヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記CヘテロシクロアルキルまたはC4~12ヘテロシクロアルキルは、N、OおよびSから選択される1~3つのヘテロ原子を含み、前記C1~6アルキル、C3~12シクロアルキル、CヘテロシクロアルキルまたはC4~12ヘテロシクロアルキルは、-OH、D、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、-NH、=O、-C(=O)NH、C1~6アルキル、C1~6アルキレン-OH、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~12シクロアルキル、Cヘテロシクロアルキル、C4~12ヘテロシクロアルキル、C6~12アリールおよびC5~12ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されているか;
または、RおよびRは、それらに結合した原子と共に、4~12員ヘテロ環を形成しており、ここで、前記ヘテロ環は、N、OおよびSから選択される1~3つのヘテロ原子を含んでもよく、前記4~12員ヘテロ環は、-OH、カルボキシル、ハロゲン、シアノ、=O、C1~6アルキル、C1~6ヘテロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、-NRa1a2、-C(=O)OC1~6アルキル、-C(=O)NRa1a2、C3~12シクロアルキル、Cヘテロシクロアルキル、C4~12ヘテロシクロアルキル、C6~12アリールおよびC5~12ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、ここで、前記C1~6アルキル、C1~6ヘテロアルキル、C1~6アルケニルまたはC1~6アルキニルは、-OH、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、-O-Ra1、-NRa1a2、C3~12シクロアルキル、Cヘテロシクロアルキル、C4~12ヘテロシクロアルキル、C6~12アリールおよびC5~12ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意にさらに置換されており;
は、-OH、D、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、=O、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、-NRa1a2、-C(=O)OC1~6アルキル、-OC(=O)C1~6アルキル、-C(=O)NRa1a2、C3~12シクロアルキル、Cヘテロシクロアルキル、C4~12ヘテロシクロアルキル、C6~12アリールおよびC5~12ヘテロアリールから選択され、ここで、前記C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~12シクロアルキル、C4~12ヘテロシクロアルキル、C6~12アリールおよびC5~12ヘテロアリールは、-OH、カルボキシル、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-NRa1a2および=Oから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており;
a1およびRa2はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル、-C(=O)Ra3および-C(=O)NRa4a5から選択され、ここで、前記C1~6アルキルは、-OH、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C6~12アリール、C5~12ヘテロアリール、C3~12シクロアルキル、CヘテロシクロアルキルおよびC4~12ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意にさらに置換されているか;または、Ra1およびRa2は、N原子と共に、N、OおよびSから選択される1~4つのヘテロ原子を含む3~12員ヘテロ環を形成しており;
a3は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシおよびC6~12アリールから選択され;
a4およびRa5はそれぞれ独立してHおよびC1~6アルキルから選択され;
Wは、OおよびSから選択され;
n、pおよびqはそれぞれ独立して0、1、2、3または4から選択される。
【0011】
【化2】
【0012】
一以上の実施形態は、一般式(II)で示される化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、代謝産物、プロドラッグ、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶を提供する。
【0013】
【化3】
【0014】
式中、
Aは、存在しないか、またはN、OおよびSから選択される1~4つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロ環から選択され;
およびXはそれぞれ独立してCおよびNから選択され、Aが4~12員ヘテロ環から選択されるとき、XおよびXは環Aの一部であり;
Bは、アダマンチルから選択され;
およびRはそれぞれ独立してH、ハロゲン、カルボキシル、=O、-OH、シアノ、-NRa1a2、C1~6アルキル、C1~6アルキレン-OH、C1~6アルキレン-NRa1a2、C1~6アルコキシ、C(=O)OC1~6アルキル、C(=O)NRa1a2、C2~6アルケニルおよびC2~6アルキニルから選択され、ここで、前記C1~6アルキル、C1~6アルキレンおよびC1~6アルコキシは、Dおよびハロゲンから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されているか;
または、nが2、3および4から選択されるとき、2つのRは、それらに結合した原子と共に、3~8員環を形成していてもよく、ここで、前記環は、N、OおよびSから選択される1~3つのヘテロ原子を任意に含み、-OH、カルボキシル、ハロゲン、シアノ、=O、C1~6アルキルおよびアミノから選択される1つ以上の置換基で任意にさらに置換されており;
は、H、ハロゲン、C1~6アルキルおよびC1~6アルコキシから選択され;
は、H、C1~6アルキル、C3~12シクロアルキル、CヘテロシクロアルキルおよびC4~12ヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記CヘテロシクロアルキルまたはC4~12ヘテロシクロアルキルは、N、OおよびSから選択される1~3つのヘテロ原子を含み、前記C1~6アルキル、C3~12シクロアルキル、CヘテロシクロアルキルまたはC4~12ヘテロシクロアルキルは、-OH、D、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、-NH、=O、-C(=O)NH、C1~6アルキル、C1~6アルキレン-OH、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~12シクロアルキル、Cヘテロシクロアルキル、C4~12ヘテロシクロアルキル、C6~12アリールおよびC5~12ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;
は、-OH、D、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、=O、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、-NRa1a2、-C(=O)OC1~6アルキル、-OC(=O)C1~6アルキル、-C(=O)NRa1a2、C3~12シクロアルキル、Cヘテロシクロアルキル、C4~12ヘテロシクロアルキル、C6~12アリールおよびC5~12ヘテロアリールから選択され、ここで、前記C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C3~12シクロアルキル、C4~12ヘテロシクロアルキル、C6~12アリールおよびC5~12ヘテロアリールは、-OH、カルボキシル、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-NRa1a2および=Oから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており;
a1およびRa2はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル、-C(=O)Ra3および-C(=O)NRa4a5から選択され、ここで、前記C1~6アルキルは、-OH、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C6~12アリール、C5~12ヘテロアリール、C3~12シクロアルキル、CヘテロシクロアルキルおよびC4~12ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意にさらに置換されているか;または、Ra1およびRa2は、N原子と共に、N、OおよびSから選択される1~4つのヘテロ原子を含んでもよい3~12員ヘテロ環を形成しており;
a3は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシおよびC6~12アリールから選択され;
a4およびRa5はそれぞれ独立してHおよびC1~6アルキルから選択されるか;または、Ra4およびRa5は、N原子と共に、N、OおよびSから選択される1~4つのヘテロ原子を含む3~12員ヘテロ環を形成しており;
n、pおよびqはそれぞれ独立して0、1、2、3および4から選択される。
【0015】
【化4】
【0016】
本願の一以上の実施形態は、一般式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)または(VIII)で示される化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、代謝産物、プロドラッグ、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶を提供する。
【0017】
【化5】
【0018】
、R、R、R、R、B、n、pおよびqは、一般式(II)と同一に定義される。
【0019】
本願の一以上の実施形態は、化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、代謝産物、プロドラッグ、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶を提供する:
Aは、存在しないか、またはNおよびOから選択される1~3つのヘテロ原子を含む5員ヘテロ環から選択され;
およびXはそれぞれ独立してCおよびNから選択され、Aが5員ヘテロ環から選択されるとき、XおよびXは環Aの一部であり;
Bは、アダマンチルから選択され;
は、Hから選択され、
は、H、ハロゲン、C1~4アルキル、シアノおよびC(=O)NRa1a2から選択され、ここで、前記C1~4アルキルは、Dおよびハロゲンから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており;
は、Hから選択され;
は、HおよびC1~4アルキルから選択され;
は、-OH、D、シアノ、-NRa1a2、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、-C(=O)OC1~4アルキル、カルボキシル、ハロゲン、=Oおよび-C(=O)NRa1a2から選択され、ここで、前記C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシは、-OHおよびハロゲンから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており;
a1およびRa2はそれぞれ独立してHおよびC1~4アルキルから選択されるか;または、Ra1およびRa2は、N原子と共に、NおよびOから選択される1~2つのヘテロ原子を含む6員ヘテロ環を形成しており;
nは、0および1から選択され;
pは、1、2および3から選択され;
qは、1および2から選択される。
【0020】
【化6】
【0021】
本願の一以上の実施形態は、化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、代謝産物、プロドラッグ、重水素化物、薬学的に許容可能な塩もしくは共結晶を提供し、ここで、前記化合物は、以下から選択されるが、これらに限定されない。
【0022】
【化7】



【0023】
本発明は、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIX)または(VX)で示される化合物を製造するための中間体化合物も提供し、ここで、前記中間体化合物は、一般式(I-A)または(I-B)で示される化合物から選択される。
【0024】
【化8】
【0025】
式中、
Xは、ハロゲンから選択され;
Bは、アダマンチルから選択され;
は、HおよびC1~6アルキルから選択され;
、Rおよびqは、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIX)または(VX)と同一に定義される。
【0026】
本願の一以上の実施形態は、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIX)または(VX)で示される化合物を製造するための中間体化合物を提供し、ここで、前記中間体化合物は、以下の構造のうち1つから選択される。
【0027】
【化9】
【0028】
本願の一以上の実施形態は、
(1)本願の化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容可能な塩、重水素化物、共結晶もしくはプロドラッグと;
(2)任意に、1つ以上の他の活性成分と;
(3)薬学的に許容可能な担体および/または賦形剤と、
を含む、薬学的組成物を提供する。
【0029】
本願の一以上の実施形態は、本願の薬学的組成物、または、化合物、またはその立体異性体、溶媒和物、代謝産物、重水素化物、薬学的に許容可能な塩、共結晶もしくはプロドラッグの、DNA-PK阻害剤医薬品の製造における使用を提供する。
【0030】
本願の一以上の実施形態において、DNA-PK阻害剤は、癌の治療のために使用される。
【0031】
本願の一以上の実施形態は、医薬品としての使用のための、本願の化合物を提供する。
【0032】
本願の一以上の実施形態は、DNA-PK阻害剤としての使用のための、本願の化合物を提供する。
【0033】
本願の一以上の実施形態は、癌の治療、予防または阻害の方法における使用のための、本願の化合物を提供する。
【0034】
本願の一以上の実施形態は、DNA-PK阻害の方法における使用のための、本願の化合物を提供する。
【0035】
本願の一以上の実施形態は、本願の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌の治療、予防または阻害の方法を提供する。
【0036】
本願の一以上の実施形態は、本願の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、DNA-PK阻害の方法を提供する。
【0037】
反対に記載されない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される用語は、以下の意味を有する。
【0038】
本明細書に記載される官能基および化合物に含まれる炭素、水素、酸素、硫黄、窒素、F、Cl、BrおよびIはそれぞれ、その同位体も包含しており、本明細書に記載される官能基および化合物に含まれる炭素、水素、酸素、硫黄または窒素は、それに対応する1つ以上の同位体で任意にさらに置換されている。ここで、炭素の同位体は、12C、13Cおよび14Cを含む。水素の同位体は、プロチウム(H)、デュートリウム(D、重水素とも呼ばれる)およびトリチウム(T、三重水素とも呼ばれる)を含む。酸素の同位体は、16O、17Oおよび18Oを含む。硫黄の同位体は、32S、33S、34Sおよび36Sを含む。窒素の同位体は、14Nおよび15Nを含む。フッ素の同位体は、17Fおよび19Fを含む。塩素の同位体は、35Clおよび37Clを含む。臭素の同位体は、79Brおよび81Brを含む。
【0039】
「アルキル」は、1~20個の炭素原子からなる直鎖または分岐の飽和脂肪族炭化水素基を指す。好ましくは、アルキル基は1~8つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8)の炭素原子からなり、より好ましくは、アルキル基は1~6つの炭素原子からなり、さらに好ましくは、アルキル基は1~4つの炭素原子からなる。限定的ではない例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、ネオブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシルおよびこれらの種々の分岐鎖異性体が含まれる。アルキルが置換されている場合、それは、1つ以上の置換基で任意にさらに置換されていてもよい。
【0040】
「アルコキシ」は、アルキル基の少なくとも1つの炭素原子が酸素原子で置換されて形成された官能基を指す。限定的ではない例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、シクロプロポキシおよびシクロブトキシが含まれる。アルキルは、上記の「アルキル」と同一に定義される。
【0041】
「アルケニル」は、1~10個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の炭素-炭素間二重結合を含み、2~20個の炭素原子からなる直鎖または分岐の不飽和脂肪族炭化水素基を指す。好ましくは、アルケニル基は2~12個(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12)の炭素原子からなり、より好ましくは、アルケニル基は2~8つの炭素原子からなり、さらに好ましくは、アルケニル基は2~6つの炭素原子からなる。限定的ではない例には、ビニル、プロペン-2-イル、ブテン-2-イル、ペンテン-2-イル、ペンテン-4-イル、ヘキセン-2-イル、ヘキセン-3-イル、ヘプテン-2-イル、ヘプテン-3-イル、ヘプテン-4-イル、オクテン-3-イル、ノネン-3-イル、デセン-4-イルおよびウンデセン-3-イルが含まれる。アルケニルは、1つ以上の置換基で任意にさらに置換されていてもよい。
【0042】
「アルキニル」は、1~10個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の炭素-炭素間三重結合を含み、2~20個の炭素原子からなる直鎖または分岐の不飽和脂肪族炭化水素基を指す。好ましくは、アルキニル基は2~12個(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12)の炭素原子からなり、より好ましくは、アルキニル基は2~8つの炭素原子からなり、さらに好ましくは、アルキニル基は2~6つの炭素原子からなる。限定的ではない例には、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、ブチン-1-イル、ブチン-2-イル、ブチン-3-イル、3,3-ジメチルブチン-2-イル、ペンチン-1-イル、ペンチン-2-イル、ヘキシン-1-イル、1-ヘプチン-1-イル、ヘプチン-3-イル、ヘプチン-4-イル、オクチン-3-イル、ノニン-3-イル、デシン-4-イル、ウンデク-3-イルおよびドデシン-4-イルが含まれる。アルキニルは、1つ以上の置換基で任意にさらに置換されていてもよい。
【0043】
「アリール」は、置換または非置換の芳香族環を指す。アリールは、5~8員(例えば、5、6、7または8員)単環式環系、5~12員(例えば、5、6、7、8、9、10、11または12員)二環式環系、または10~15員(例えば、10、11、12、13、14または15員)三環式環系であってもよく、架橋環またはスピロ環であってもよい。限定的ではない例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリールは、1つ以上の置換基で任意にさらに置換されていてもよい。
【0044】
「ヘテロアリール」は、置換または非置換の芳香族環を指す。ヘテロアリールは、3~8員(例えば、3、4、5、6、7または8員)単環式環系、5~12員(例えば、5、6、7、8、9、10、11または12員)二環式環系、または10~15員(例えば、10、11、12、13、14または15員)三環式環系であってもよい。ヘテロアリールは、N、OおよびSから選択される1~6つ(例えば、1、2、3、4、5または6)のヘテロ原子を含み、好ましくは、5~8員ヘテロアリールである。ヘテロアリールの環において任意に置換されている1~4つ(例えば、1、2、3または4)のNおよびSは、種々の酸化状態に酸化されていてもよい。ヘテロアリールは、ヘテロ原子または炭素原子に結合していてもよく、架橋環またはスピロ環であってもよい。限定的ではない例には、サイクリックピリジニル、フラニル、チエニル、ピラニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピペリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピリジニルおよびピロロピリジニルが含まれる。ヘテロアリールは、1つ以上の置換基で任意にさらに置換されている。
【0045】
「炭素環(carbocyclyl)」または「炭素環(carbocycle)」は、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族の環を指す。芳香族環である場合には、炭素環は、上記の「アリール」と同一に定義され;非芳香族環である場合には、炭素環は、3~10員(例えば、3、4、5、6、7、8、9または10員)単環式環系、4~12員(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11または12員)二環式環系、または10~15員(例えば、10、11、12、13、14または15員)三環式環系であってもよく、架橋環またはスピロ環であってもよい。限定的ではない例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンチル-1-アルケニル、1-シクロペンチル-2-アルケニル、1-シクロペンチル-3-アルケニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキシル-2-アルケニル、1-シクロヘキシル-3-アルケニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、
【0046】
【化10】
【0047】
が含まれる。「炭素環」または「炭素環」は、1つ以上の置換基で任意にさらに置換されている。
【0048】
「ヘテロ環(heterocyclyl)」または「ヘテロ環(heterocycle)」は、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族のヘテロ環を指す。芳香族ヘテロ環である場合には、ヘテロ環は、上記の「ヘテロアリール」と同一に定義され;非芳香族ヘテロ環である場合には、ヘテロ環は、3~10員(例えば、3、4、5、6、7、8、9または10員)単環式環系、4~12員(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11または12員)二環式環系、または10~15員(例えば、10、11、12、13、14または15員)三環式環系であってもよく、N、OおよびSから選択される1~4つ(例えば、1、2、3または4)のヘテロ原子を含み、好ましくは、3~8員ヘテロ環である。「ヘテロ環」または「ヘテロ環」の環において任意に置換されている1~4つ(例えば、1、2、3または4)のNおよびSは、種々の酸化状態に酸化されていてもよい。「ヘテロ環」または「ヘテロ環」は、ヘテロ原子または炭素原子に結合していてもよく、架橋環またはスピロ環であってもよい。「ヘテロ環」または「ヘテロ環」の限定的ではない例には、エポキシエチル、エポキシプロピル、アジリジニル、オキセタニル、アゼチジニル、チエタニル、1,3-ジオキソラニル、1,4-ジオキソラニル、1,3-ジオキサニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキソアゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、ピリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、フラニル、チエニル、ピラニル、N-アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、イミダゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキサチアニル、1,3-ジチアニル、ジヒドロフラニル、ジチアシクロペンチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピロリル、テトラヒドロイミダゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピリジニル、ピロロピリジニル、ベンゾジヒドロフラニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサシクロヘキシル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロチエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプチル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキシル、3H-インドリルキノリジニル、N-ピリジルウレア、1,1-ジオキソチオモルホリニル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[5.2.0]ノニル、オキサトリシクロ[5.3.1.1]ドデシル、アザ-アダマンチルおよびオキサスピロ[3.3]ヘプチルが含まれる。「ヘテロ環」または「ヘテロ環」は、1つ以上の置換基で任意にさらに置換されていてもよい。
【0049】
「シクロアルキル」は、飽和環式炭化水素基を指し、シクロアルキルの環は、3~10員(例えば、3、4、5、6、7、8、9または10員)単環式環系、4~12員(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11または12員)二環式環系、または10~20員(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20員)多環式環系であってもよい。環の炭素原子は、好ましくは3~10炭素原子、さらに好ましくは3~8炭素原子である。「シクロアルキル」の限定的ではない例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、1,5-シクロオクタジエニル、1,4-シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニルなどが含まれる。シクロアルキルが置換されている場合、それは、1つ以上の置換基で任意にさらに置換されていてもよい。
【0050】
「ヘテロシクロアルキル」は、置換または非置換の飽和非芳香族環式基を指す。ヘテロシクロアルキルは、3~8員(例えば、3、4、5、6、7または8員)単環式環系、4~12員(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11または12員)二環式環系、または10~15員(例えば、10、11、12、13、14または15員)三環式環系であってもよく、N、OおよびSから選択される1、2または3つのヘテロ原子を含み、好ましくは、3~8員ヘテロ環である。「ヘテロシクロアルキル」の環において任意に置換されている1、2または3つのNおよびSは、種々の酸化状態に酸化されていてもよい。「ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロ原子または炭素原子に結合していてもよく、架橋環またはスピロ環であってもよい。「ヘテロシクロアルキル」の限定的ではない例には、エポキシエチル、アジリジニル、オキセタニル、アゼチジニル、1,3-ジオキソラニル、1,4-ジオキソラニル、1,3-ジオキサニル、アゼパニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,3-ジチアニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピロリル、テトラヒドロイミダゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロピラニル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[5.2.0]ノニル、オキサトリシクロ[5.3.1.1]ドデシル、アザ-アダマンチルおよびオキサスピロ[3.3]ヘプチルが含まれる。
【0051】
上記の「アルキル」、「アルコキシ」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「炭素環」、「炭素環」、「ヘテロ環」、「ヘテロ環」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロ環」が置換されている場合、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、シアノ、アミノ、C1~6アルキルアミノ、=O、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、-NRq4q5、=NRq6、-C(=O)OC1~6アルキル、-OC(=O)C1~6アルキル、-C(=O)NRq4q5、C3~8シクロアルキル、C3~8ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール、C5~10ヘテロアリール、-C(=O)OC6~10アリール、-OC(=O)C6~10アリール、-OC(=O)C5~10ヘテロアリール、-C(=O)OC5~10ヘテロアリール、-OC(=O)C3~8ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OC3~8ヘテロシクロアルキル、-OC(=O)C3~8シクロアルキル、-C(=O)OC3~8シクロアルキル、-NHC(=O)C3~8ヘテロシクロアルキル、-NHC(=O)C6~10アリール、-NHC(=O)C5~10ヘテロアリール、-NHC(=O)C3~8シクロアルキル、-NHC(=O)C3~8ヘテロシクロアルキル、-NHC(=O)C2~6アルケニルおよび-NHC(=O)C2~6アルキニルから選択される0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の置換基で任意にさらに置換されていてもよい。ここで、置換基C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8シクロアルキル、C3~8ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール、C5~10ヘテロアリール、-NHC(=O)C6~10アリール、-NHC(=O)C5~10ヘテロアリール、-NHC(=O)C3~8ヘテロシクロアルキルまたは-NHC(=O)C3~8シクロアルキルは、OH、F、Cl、Br、I、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、-NRq4q5および=Oから選択される1~3つの置換基で任意にさらに置換されており、Rq1は、C1~6アルキル、C1~6アルコキシおよびC6~10アリールから選択され、Rq2およびRq3は、HおよびC1~6アルキルから選択され、ここで、Rq4およびRq5は、H、C1~6アルキル、-NH(C=NRq1)NRq2q3、-S(=O)NRq2q3、-C(=O)Rq1および-C(=O)NRq2q3から選択され、ここで、C1~6アルキルは、OH、F、Cl、Br、I、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C6~10アリール、C5~10ヘテロアリール、C3~8シクロアルキルおよびC3~8ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意にさらに置換されているか;Rq4およびRq5は、N原子と共に、N、OおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでもよい3~8員ヘテロ環を形成している。
【0052】
「薬学的に許容可能な塩」または「その薬学的に許容可能な塩」は、遊離酸形態にある本明細書に開示される化合物と、無毒性の無機塩基もしくは有機塩基との反応によって、または遊離塩基形態にある本明細書に開示される化合物と、無毒性の無機酸もしくは有機酸との反応によって得られる塩であって、かつ、この塩において、遊離酸または遊離塩基形態にある本明細書に開示される化合物の生物学的利用能および特性が保持されている、塩を指す。
【0053】
「薬学的組成物」は、本明細書に開示される1つ以上の化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくはプロドラッグと、他の化学成分との混合物を指し、ここで、「他の化学成分」は、薬学的に許容可能な担体、賦形剤および/または1つ以上の他の治療剤を指す。
【0054】
「担体」は、生物に重大な炎症を生じず、投与される化合物の生物学的活性および特性を除去しない材料を指す。
【0055】
「賦形剤」は、薬学的組成物に添加され、化合物の投与を円滑にする不活性物質を指す。限定的ではない例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、糖類、澱粉、セルロース誘導体(微結晶性セルロースを含む)、ゼラチン、植物性油脂、ポリエチレングリコール、希釈剤、顆粒剤、滑剤、結合剤および崩壊剤が含まれる。
【0056】
「プロドラッグ」は、インビボで代謝されて生物学的に活性になり得る、本明細書に開示される化合物を指す。本明細書に開示されるプロドラッグは、本明細書に開示される化合物中のアミノまたはカルボキシルを修飾することによって製造される。当該修飾は、親化合物を得るために、従来の操作によって除去するか、またはインビボで除去することができる。本明細書に開示されるプロドラッグが哺乳動物の対象に投与されるとき、プロドラッグは開裂し、遊離のアミノもしくはカルボキシルを形成する。
【0057】
「共結晶」は、水素結合または他の非共有結合を介した、活性薬学的成分(API)と共結晶前駆体(CCF)との結合によって形成される結晶を指す。ここで、APIおよびCCFは両方とも、その純粋な状態において室温では固体であり、成分は、決まった化学量論比で存在する。共結晶は、多成分結晶であり、2つの中性固体によって形成される2成分共結晶、ならびに、中性固体および塩もしくは溶媒和物によって形成される多成分共結晶が含まれる。
【0058】
「立体異性体」は、分子中の原子の異なる空間配置から生じる異性体を指し、シス-トランス異性体、エナンチオマーおよびコンフォーマーが含まれる。
【0059】
「任意の」、「任意に」、「選択的な」または「選択的に」は、後記される事象または環境が、必ずというわけではないが生じ得ることを意味する。この記載には、当該事象または環境が生じる場合と生じない場合とが含まれる。例えば、「ヘテロ環はアルキルで任意に置換されている」は、アルキルが、必ずというわけではないが存在し得ることを意味する。この記載には、ヘテロ環がアルキルで置換されている場合と、ヘテロ環がアルキルで置換されていない場合とが含まれる。
【0060】
〔詳細な説明〕
以下の実施例は、本発明の技術的スキームを詳細に説明するものである。しかしながら、本発明の保護範囲は、これを含むが、これに限定されるものではない。
【0061】
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)および/または質量分析(MS)によって決定される。NMRシフト(δ)は、10-6(ppm)で表現される。NMR決定は、NMR分光計(Bruker Avance III 400およびBruker Avance 300)を使用して、溶媒として重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)、重水素化クロロホルム(CDCl)および重水素化メタノール(CDOD)を、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて、行われる;
MS決定は、Agilent 6120B(ESI)およびAgilent 6120B(APCI)を使用して行われる;
HPLC決定は、Agilent 1260DAD高圧液体クロマトグラフ(Zorbax SB-C18 100×4.6mm,3.5μM)を使用して行われる;
Yantai Yellow Sea HSGF254またはQingdao GF254シリカゲルプレートが薄層クロマトグラフィ(TLC)シリカゲルプレートとして使用される。TLC用のシリカゲルプレートの規格は、0.15~0.20mmであり、TLC分離および生成物の精製用の規格は、0.4~0.5mmである;
200~300メッシュのYantai Yellow Seaシリカゲルが、カラムクロマトグラフィの担体として一般的に使用される;
本発明の公知の出発物質は、当技術分野で公知の方法によって合成してもよく、Shanghai Titan Scientific、Energy Chemical、Shanghai DEMO Medical、Chengdu Kelong Chemical、Accela ChemBioおよびJ&K Scientificなどの会社から購入してもよい;
窒素雰囲気とは、反応フラスコが、容積約1Lの窒素バルーンに接続されていることを意味する;
水素雰囲気とは、反応フラスコが、容積約1Lの窒素バルーンに接続されていることを意味する;
水素化反応において、真空化および水素導入の操作は、通常通り行われ、3回繰り返される;
実施例において、特に断らない限り、反応は窒素雰囲気下で行われる;
実施例において、特に断らない限り、溶液は水溶液である;
実施例において、特に断らない限り、反応温度は室温であり、室温の最適な反応温度は20~30℃である;
DCM:ジクロロメタン;
EA:酢酸エチル;
HCl:塩酸;
THF:テトラヒドロフラン;
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド;
PE:石油エーテル;
TLC:薄層クロマトグラフィ;
SFC:超臨界流体クロマトグラフィ;
NCS:N-クロロスクシンイミド;
Pd(dppf)Cl:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム二塩化物;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
DTT:ジチオトレイトール;
ATP:アデノシン三リン酸;
DNA:デオキシリボ核酸;
IC50:DNA-PKキナーゼの活性が50%阻害される、化合物の濃度を指す。
【0062】
〔実施例〕
〔実施例1〕
9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物1)
【0063】
【化11】
【0064】
工程1:
(E)-N,N-ジメチル-N’-(4-メチル-5-ニトロピリジン-2-イル)ホルムイミダミド(1b)
化合物1a(30g、195.9mmol)をトルエン(300mL)に溶かし、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(90mL、587.7mmol)を室温で加えた。100℃で2時間、反応混合物を反応させた。反応完了後、反応混合物をすぐに濃縮し、表題の化合物1b(黄色固体、40.79g、収率100%)を得た。
【0065】
H NMR(400MHz、DMSO) δ 8.85(s,1H),8.66(s,1H),6.78(s,1H),3.32(s,1H),3.15(s,3H),3.04(s,3H),2.45(s,3H)。
【0066】
工程2:
(E)-N-ヒドロキシ-N’-(4-メチル-5-ニトロピリジン-2-イル)ホルムイミダミド(1c)
化合物1b(40.79g、195.90mmol)をメタノール(300mL)に溶かし、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(27.22g、391.80mmol)を室温で加えた。65℃で1時間、反応混合物を反応させた。反応混合物を室温まで冷却し、すぐに濃縮し、表題の化合物1c(黄色固体、38g、収率100%)を得た。
【0067】
H NMR (400MHz、DMSO) δ 10.56(s,1H),10.13(d,1H),8.87(s,1H),7.88(d,1H),7.03(s,1H),2.50(s,3H)。
【0068】
工程3:
7-メチル-6-ニトロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(1d)
2,2,2-トリフルオロ無水酢酸(41mL、290.56mmol)を化合物1c(38g、193.71mmol)のテトラヒドロフラン(400mL)溶液に0℃で加えた。80℃で1時間、反応混合物を反応させ、濃縮した。得られた固体を重炭酸ナトリウム飽和溶液(100mL×3)でスラリー化させ、次いで濾過および乾燥させ、表題の化合物1d(赤色固体、30g、収率100%)を得た。
【0069】
H NMR(400MHz、DMSO) δ 9.98(s,1H),8.73(s,1H),7.95(s,1H),2.66(s,3H)。
【0070】
工程4:
7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(1e)
Pd/C(10%、湿潤担体)(0.8g)を化合物1d(8g、44.91mmol)のメタノール(100mL)溶液に加えた。室温の水素雰囲気下で一晩、反応混合物を反応させた。濾過によって触媒を除去し、次いで濃縮し、粗生成物を得た。次いで、メタノールから再結晶させ、表題の化合物1e(淡黄色純生成物、4g、収率60%)を得た。
【0071】
H NMR(400MHz、DMSO) δ 8.11(s,1H),8.07(s,1H),5.01(s,2H),2.25(s,3H)。
【0072】
工程5:
エチル2-クロロ-4-((3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシレート(1g)
化合物1f(5g、22.6mmol)および炭酸カリウム(6.2g、44.8mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶かし、3-アミノアダマンタン-1-オール(3.7g、22.1mmol)を0℃で加えた。室温で20時間、反応混合物を撹拌した。水30mLを加え、沈殿した固体を濾過によって分離し、濾過の際には水で3回洗浄した。濾液を濃縮し、表題の化合物1g(白色固体、6.2g、収率78%)を得た。
【0073】
1H NMR(400MHz、DMSO) δ 8.62(s,1H),8.37(s,1H),4.66(s,1H),4.30(s,2H),2.20(s,2H),1.98(s,6H),1.58-1.29(m,7H)。
【0074】
工程6:
2-クロロ-4-((3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸(1h)
化合物1g(6.2g、17.6mmol)をテトラヒドロフラン10mLおよび水5mLに溶かし、水酸化リチウム(915mg、38.1mmol)を加えた。室温で1時間、反応混合物を撹拌した。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーションによって除去した。pHを4~5に調整し、白色固体を沈殿させた。反応混合物を濾過し、濾過後に濾過ケーキを石油エーテル/酢酸エチル(v/v=10/1)で2回洗浄し、乾燥させ、表題の化合物1h(白色固体、5g、収率81.9%)を得た。
【0075】
工程7:
2-クロロ-9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(1i)
化合物1h(2g、6.2mmol)をジメチルアセトアミド(20mL)に溶かし、トリエチルアミン(750mg、7.4mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(1.87g、6.8mmol)を加えた。反応混合物を120℃まで徐々に温め、1.5時間、撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=5:1~1:10)によって精製し、表題の化合物1i(白色固体、780mg、収率35%)を得た。
【0076】
H NMR(400MHz、DMSO) δ 8.08(s,1H),4.71(s,1H),2.40(s,4H),2.43(d,2H),2.25(s,2H),1.66-1.46(m,7H)。
【0077】
工程8:
2-クロロ-9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(1j)
化合物1i(780mg、2.4mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶かし、硫酸ジメチル(307mg、2.4mmol)および炭酸セシウム(1.5g、4.8mmol)を0℃で加えた。0℃で1時間、反応混合物を撹拌した。次いで、水20mLを加えた後、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、固体を沈殿させた。濾過によって固体を収集し、表題の化合物1j(白色固体、397mg、収率49%)を得た。
【0078】
H NMR(400MHz、DMSO) δ 8.30(s,1H),3.29(s,3H),2.40(s,4H),2.43(d,2H),2.25(s,2H),1.65-1.46(m,7H)。
【0079】
工程9:
9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物1)
化合物1j(372mg、0.14mmol)、化合物1e(132mg、0.1mmol)、炭酸セシウム(130mg、0.4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(40mg、0.04mmol)および2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(50mg、0.08mmol)をジオキサンに溶かした後、窒素パージした。100℃で4時間、反応混合物を撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=30/1)によって精製し、化合物1(白色固体、12.6mg、収率2.5%)を得た。
【0080】
H NMR(400MHz、DMSO) δ 9.09(s,1H),8.56(s,1H),8.36(s,1H),8.08(s,1H),7.70(s,1H),4.56(s,1H),3.24(s,3H),2.39(d,9H),2.17(s,2H),1.58-1.23(m,6H)。
【0081】
〔実施例2〕
9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((7-メチルキノリン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物2)
【0082】
【化12】
【0083】
化合物1j(200mg、0.6mmol)、7-メチルキノリン-6-アミン2a(94.6mg、0.6mmol)、炭酸セシウム(384.4mg、1.2mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(55mg、0.06mmol)をジオキサン2mLに溶かした後、窒素パージした。110℃で4時間、反応混合物を撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=35/1)によって精製した後、分取HPLCを行い、化合物2(黄色固体、45mg、収率35%)を得た。
【0084】
H NMR(400MHz、DMSO) δ 9.04(d,1H),9.03(s,1H),8.92(t,1H),8.60(s,1H),8.04(s,1H),7.88(q,1H),3.29(s,3H),2.63(s,3H),2.37-2.51(m,6H),2.18(s,2H),1.56(q,4H),1.44(q,2H)。
【0085】
LC-MS m/z(ESI)=457.20[M+1]。
【0086】
〔実施例3〕
tert-ブチル-3-(7-メチル-2-[(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ]-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキシレート(化合物3)
【0087】
【化13】
【0088】
工程1:
tert-ブチル3-アミノアダマンタン-1-カルボキシレート(3b)
化合物3a(10g、51.21mmol)をチオニルクロリド(70mL)に溶かした。90℃で1時間、反応混合物を還流した。反応混合物をすぐに濃縮し、残渣をトルエン(50mL)に再び溶かした。得られた溶液を濃縮し、過剰のチオニルクロリドを除去し、tert-ブタノール(60mL)を氷浴下で加えた。次いで、室温で1時間、反応混合物を反応させ、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物をすぐに濃縮し、固体を収集して目的化合物3b(白色固体、12g、収率93.22%)を得た。
【0089】
LC-MS m/z(ESI)=252.20[M+1]。
【0090】
工程2:
エチル4-(((1s,3r,5R,7S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)アダマンタン-1-イル)アミノ)-2-クロロピリミジン-5-カルボキシレート(3c)
化合物1f(12g、54.29mmol)、化合物3b(13.65g、54.29mmol)および炭酸カリウム(15.01g、108.58mmol)をアセトニトリル(150mL)に溶かした。室温で16時間、反応混合物を反応させた。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濾過し、固体を少量のアセトニトリルで洗浄した。濾液を合わせ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1/1)によって精製し、目的化合物3c(白色固体、15g、収率63.38%)を得た。
【0091】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.63(s,1H),8.36(s,1H),4.30(q,2H),2.00-2.18(m,8H),1.61-1.73(m,6H),1.38(s,9H),1.31(t,3H)。
【0092】
工程3:
4-((3-(tert-ブトキシカルボニル)アダマンタン-1-イル)アミノ)-2-クロロピリミジン-5-カルボン酸(3d)
化合物3c(15g、34.41mmol)をテトラヒドロフラン200mLおよび水200mLに溶かし、水酸化リチウム(1.65g、68.82mmol)を加えた。室温で1時間、反応混合物を撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、テトラヒドロフランを除去し、6N塩酸でpH5に調整し、白色固体を沈殿させた。反応混合物を濾過し、濾過ケーキを石油エーテルで2回洗浄し、収集し、表題の化合物3d(白色固体、14g、収率99.75%)を得た。
【0093】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.65(s,1H),8.58(s,1H),2.01-2.17(m,8H),1.57-1.77(m,6H),1.38(s,9H)。
【0094】
LC-MS m/z(ESI)=408.10[M+1]。
【0095】
工程4:
tert-ブチル-3-(2-クロロ-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキシレート(3e)
化合物3d(15g、36.77mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(150mL)に溶かし、ジフェニルホスホリルアジド(7.91mL、36.77mmol)およびトリエチルアミン(5.11mL、36.77mmol)を氷浴下で加えた。室温で1時間、反応混合物を撹拌し、次いで120℃まで温め、さらに3時間反応させた。反応が完了するまで、TLC(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=4/1)によって反応をモニターした。反応混合物を室温まで自然冷却し、600mLの氷水にゆっくりと注ぐと、多量の固体が出現した。濾過によって固体を収集し、酢酸エチル(150mL)で粉砕し、真空中で乾燥させ、目的化合物3e(白色固体、7.0g、収率47.02%)を得た。
【0096】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.56(s,1H),8.07(s,1H),2.44-2.57(m,6H),2.23(s,2H),1.58-1.80(m,6H),1.39(s,9H)。
【0097】
工程5:
tert-ブチル3-(2-クロロ-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキシレート(3f)
化合物3e(5g、12.35mmol)をジメチルホルムアミド(40mL)に溶かし、炭酸セシウム(6.04g、18.52mL)および硫酸ジメチル(1.4mL、14.82mmol)を0℃で加えた。室温で2時間、反応混合物を反応させた。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。水100mLを加えると、固体が沈殿した。濾過によって固体を収集し、乾燥させ、目的化合物3f(白色固体、5.0g、収率96.64%)を得た。
【0098】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.31(s,1H),3.29(s,3H),2.43-2.56(m,6H),2.24(s,2H),1.54-1.80(m,6H),1.38(s,9H)。
【0099】
工程6:
tert-ブチル3-(7-メチル-2-[(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ]-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキシレート(化合物3)
化合物1e(500mg、3.37mmol)、化合物3f(1.41g、3.37mmol)、炭酸セシウム(2.31g、7.08mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(310mg、0.34mmol)をジオキサン(10mL)に溶かした後、窒素パージした。100℃で4時間、反応混合物を撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注ぎ、固体を収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=100/1)によって精製し、化合物3(白色固体、1.4g、収率78.29%)を得た。
【0100】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.08(s,1H),8.58(s,1H),8.36(s,1H),8.10(s,1H),7.68(s,1H),3.24(s,3H),2.33-2.61(m,6H),2.14(s,2H),1.51-1.67(m,6H),1.32(s,9H)。
【0101】
LC-MS m/z(ESI)=531.3[M+1]。
【0102】
〔実施例4〕
3-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボン酸(化合物4)
【0103】
【化14】
【0104】
化合物3(1.4g、2.64mmol)を4N塩酸ジオキサン溶液(100mL)に溶かした。室温で16時間、混合物を反応させ、濃縮し、残渣を分取中圧液体クロマトグラフィによって精製して、化合物4(淡黄色固体、1.4g、収率99%)を得た。
【0105】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 12.15(s,1H),9.07(s,1H),8.57(s,1H),8.36(s,1H),8.09(s,1H),7.68(s,1H),3.24(s,3H),2.41-2.58(m,6H),2.38(s,3H),2.14(s,2H),1.56-1.71(m,6H)。
【0106】
LC-MS m/z(ESI)=475.20[M+1]。
【0107】
〔実施例5〕
3-(7-メチル-2-[(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ]-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキサミド(化合物5)
【0108】
【化15】
【0109】
化合物4(0.5g、1.05mmol)、塩化アンモニウム(0.56g、10.50mmol)およびトリエチルアミン(0.73mL、5.25mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)に溶かし、氷浴下でHATU(0.6g、1.58mmol)を加えた。混合物を室温で1時間反応させ、水(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮し、化合物5(白色固体、0.14g、収率28.16%)を得た。
【0110】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 9.08(s,1H),8.56(s,1H),8.36(s,1H),8.08(s,1H),7.68(s,1H),6.97(s,1H),6.74(s,1H),3.24(s,3H),2.33-2.62(m,9H),2.15(s,2H),1.51-1.73(m,4H)。
【0111】
LC-MS m/z(ESI)=474.3[M+1]。
【0112】
〔実施例6〕
3-(7-メチル-2-[(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ]-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボニトリル(化合物6)
【0113】
【化16】
【0114】
化合物5(130mg、0.27mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かし、ピリジン(90mg、1.08mmol)および無水トリフルオロ酢酸(170mg、0.81mmol)を氷浴下で加えた。温度を維持しながら反応混合物をさらに1時間反応させた。メタノール(20mL)を加え、粗生成物を濃縮した。粗生成物を酢酸エチル(50mL)に再び溶かし、得られた溶液を15%NaHCO(50mL)および飽和食塩水(50mL)で順次洗浄し、乾燥させ、濃縮し、化合物6(淡黄色固体、60mg、収率48.78%)を得た。
【0115】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 9.07(s,1H),8.65(s,1H),8.37(s,1H),8.11(s,1H),7.70(s,1H),3.25(s,3H),2.75(s,2H),2.44-2.51(m,4H),2.38(s,3H),2.15(s,2H),1.91-1.94(m,4H),1.53-1.62(m,2H)。
【0116】
LC-MS m/z(ESI)=456.2[M+1]。
【0117】
〔実施例7〕
エチル-3-(7-メチル-2-[(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ]-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキシレート(化合物7)
【0118】
【化17】
【0119】
化合物4(0.5g、1.05mmol)をエタノール(20mL)に溶かし、濃硫酸2滴を加えた。反応混合物をすぐに90℃に加熱し、2時間還流した。反応が完了するまでLCMSによって反応をモニターした。反応混合物を室温に戻し、泡が生成しなくなるまで固体炭酸ナトリウムを加えた。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取中圧液体クロマトグラフィ(100%アセトニトリル)によって精製し、化合物7(白色固体、0.3g、収率56.85%)を得た。
【0120】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 9.06(s,1H),8.59(s,1H),8.36(s,1H),8.10(s,1H),7.68(s,1H),3.98(q,2H),3.24(s,3H),2.41-2.57(m,4H),2.38(s,3H),2.15(s,2H),1.57-1.71(m,6H),1.10(t,3H)。
【0121】
LC-MS m/z(ESI)=503.3[M+1]。
【0122】
〔実施例8〕
7-メチル-2-[(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ]-9-[3-(ヒドロキシメチル)アダマンタン-1-イル]-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-8-オン(化合物8)
【0123】
【化18】
【0124】
化合物7(200mg、0.4mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶かし、水素化アルミニウムリチウム(0.8mL、0.8mmol、1M)を氷浴下で加えた。反応混合物を氷浴下で30分間反応させ、30μLの脱イオン水、15%水酸化ナトリウム溶液、90μLの脱イオン水および1gの無水硫酸マグネシウムを順次加えた。反応混合物を室温でさらに30分間撹拌し、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得て、次いでこれをカラムクロマトグラフィによって精製し、化合物8(白色固体、60mg、収率32.01%)を得た。
【0125】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 9.06(s,1H),8.54(s,1H),8.36(s,1H),8.08(s,1H),7.70(s,1H),4.36(t,1H),3.24(s,3H),2.95(d,2H),2.46(s,2H),2.41(s,2H),2.38(s,3H),2.15(s,2H),2.10(s,2H)1.36-1.58(m,6H)。
【0126】
LC-MS m/z(ESI)=461.2[M+1]。
【0127】
〔実施例9〕
7-メチル-2-[(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ]-9-[3-(モルホリン-4-カルボニル)アダマンタン-1-イル]-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-8-オン(化合物9)
【0128】
【化19】
【0129】
化合物4(50mg、0.11mmol)、モルホリン(28.75mg、0.33mmol)およびトリエチルアミン(55.65mg、0.55mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶かし、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(209.13mg、0.55mmol)を氷浴下で加えた。反応混合物を室温でさらに1時間反応させた。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を水(30mL)で希釈した後、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取中圧液体クロマトグラフィによって精製し、化合物9(白色固体、22mg、収率35.73%)を得た。
【0130】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 9.09(s,1H),8.56(s,1H),8.36(s,1H),8.09(s,1H),7.68(s,1H),3.51(d,7H),3.24(s,3H),2.67(d,2H),2.60(s,2H),2.38(s,3H),2.34(d,2H),2.17(s,2H),1.79-1.85(m,4H),1.56-1.63(m,2H)。
【0131】
LC-MS m/z(ESI)=544.30[M+1]。
【0132】
〔実施例10〕
7-メチル-2-[(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ]-9-[3-アミノアダマンタン-1-イル]-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-8-オン(化合物10)
【0133】
【化20】
【0134】
化合物4(50mg、0.11mmol)をtert-ブタノール(10mL)に溶かし、ジフェニルホスホリルアジド(42.39mg、0.11mmol)およびトリエチルアミン(11.13mg、0.11mmol)を氷浴下で加えた。反応混合物を室温で1時間反応させた後、90℃で1時間還流した。反応混合物を室温まで自然冷却し、濃硫酸2mLにゆっくり加えた。得られた液体を氷水50mLに滴下し、得られた液体を濃縮乾固した。残渣を分取中圧液体クロマトグラフィによって精製し、化合物10(白色固体、4mg、収率7.92%)を得た。
【0135】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 9.12(s,1H),8.57(s,1H),8.36(s,1H),8.11(s,1H),7.71(s,1H),3.25(s,3H),2.32-2.44(m,9H),2.15(s,2H),1.86(s,2H),1.41-1.53(m,6H)。
【0136】
LC-MS m/z(ESI)=446.20[M+1]。
【0137】
〔実施例11〕
9-(3-メトキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物11)
【0138】
【化21】
【0139】
工程1:
2-クロロ-9-(3-メトキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(11a)
化合物1j(160mg、0.48mmol)および水素化ナトリウム(38.23mg、0.96mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶かした後、窒素パージし、ヨードメタン(101.75mg、0.72mmol)を氷浴下で滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注ぎ、固体を収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=30/1)によって精製し、化合物11a(白色固体、100mg、収率59.72%)を得た。
【0140】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 8.32(s,1H),3.30(s,3H),3.15(s,3H),2.38-2.46(m,6H),2.33(s,2H),1.50-1.72(m,6H)。
【0141】
LC-MS m/z(ESI)=349.10[M+1]。
【0142】
工程2:
9-(3-メトキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物11)
化合物11a(120mg、0.34mmol)、炭酸セシウム(220mg、0.68mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(30mg、0.03mmol)をジオキサン(5mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注ぎ、固体を収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=100/1)によって精製し、化合物11(白色固体、12mg、収率7.66%)を得た。
【0143】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 9.04(s,1H),8.60(s,1H),8.37(s,1H),8.10(s,1H),7.70(s,1H),3.24(s,3H),2.92(s,3H),2.36-2.38(m,9H),2.22(s,2H),1.60-1.42(m,6H)。
【0144】
LC-MS m/z(ESI)=461.2[M+1]。
【0145】
〔実施例12〕
4-((9-3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-3-メチルベンゾニトリル(化合物12)
【0146】
【化22】
【0147】
化合物12a(100mg、0.76mmol)、化合物1j(250mg、0.76mmol)、炭酸セシウム(500mg、1.52mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(70mg、0.08mmol)をジオキサン(10mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注ぎ、固体を収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=30/1)によって精製し、化合物12(白色固体、60mg、収率17.61%)を得た。
【0148】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 8.54(s,1H),8.16(s,1H),8.07(d,1H),7.62(s,1H),7.58(d,1H),4.66(s,1H),3.26(s,3H),2.37(m,9H),2.24(s,2H),1.46-1.66(m,6H)。
【0149】
LC-MS m/z(ESI)=431.20[M+1]。
【0150】
〔実施例13〕
4-((9-(5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-3-メチルベンゾニトリル(化合物13)
【0151】
【化23】
【0152】
工程1:
4-アミノダマンタン-1-オール(13b)
化合物13a(9g、54.2mmol)をメタノール(50mL)に溶かし、910mgの4Aモレキュラーシーブを加えた後、10mLのアミノメタノール溶液を加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、化合物13b(白色固体、7.8g、収率85%)を得た。
【0153】
H NMR(400MHz DMSO) δ 4.256(m,1H),2.735(d,1H),1.936(m,4H),1.792(m,1H),1.698(s,1H),1.578(m,8H),1.216(m,2H)。
【0154】
LC-MS m/z(ESI)=168.2[M+1]。
【0155】
工程2:
エチル2-クロロ-4-((5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシレート(13c)
化合物1f(7.8g、46.7mmol)および炭酸カリウム(6.2g、44.8mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶かし、化合物13b(10.3g、46.7mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した。水30mLを加えると、白色固体が沈殿した。固体を濾取し、化合物13c(白色固体、10g、収率92%)を得た。
【0156】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.79(t,1H),8.640(d,1H),4.345(m,2H),4.123(m,1H),2.086(s,2H),1.767(m,1H),1.607(m,2H),1.353(m,9H),1.212(m,3H)。
【0157】
LC-MS m/z(ESI)=353.2[M+1]。
【0158】
工程3:
2-クロロ-4-((5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸(13d)
化合物13c(10g、28.4mmol)を50mLのテトラヒドロフランおよび30mLの水に溶かし、水酸化リチウム(2.4g、56.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーションによって除去した。pHを4~5に調整すると、白色固体が沈殿した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキを石油エーテル/酢酸エチル(v/v=10/1)で2回洗浄した。濾液を濃縮し、化合物13d(白色固体、8.6g、収率83%)を得て、これを次の工程ですぐに使用した。
【0159】
H NMR(400MHz DMSO) δ 13.903(S,1H),9.034(d,1H),8.583(d,1H),4.038(m,1H),2.089(m,3H),1.686(m,9H),1.521(m,2H)。
【0160】
LC-MS m/z(ESI)=325.2[M+1]。
【0161】
工程4:
2-クロロ-9-(5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(13e)
化合物13d(4g、12.3mmol)をジメチルアセトアミド(10mL)に溶かし、トリエチルアミン(1.2g、12.3mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(3.4g、12.3mmol)を加えた。次いで、反応混合物を120℃に徐々に温め、1.5時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。水30mLを加えると、白色固体が沈殿した。固体を濾取し、化合物13eを得た(白色固体、1.36g、収率36%)。
【0162】
H NMR(400MHz DMSO) δ 11.606(s,1H),8.098(d,1H),4.446(m,1H),4.223(d,1H),2.999(m,2H),2.128(m,3H),1.780(m,6H),1.460(m,2H)。
【0163】
LC-MS m/z(ESI)=321.2[M+1]。
【0164】
工程5:
2-クロロ-9-(5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル)-7-メチル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(13f)
化合物13e(1.36g、4.25mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶かし、硫酸ジメチル(535.5mg、4.25mmol)および炭酸セシウム(923mg、7.8mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。次いで、水10mLを加えた後、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで濃縮乾固し、固体を沈殿させた。固体を濾取し、化合物13f(白色固体、423mg、収率63%)を得た。
【0165】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.327(s,1H),4.489(d,1H),4.203(d,1H),3.330(s,3H),2.989(s,2H),20.79(m,3H),1.730(m,6H),1.455(m,2H)。
【0166】
LC-MS m/z(ESI)=335.2[M+1]。
【0167】
工程6:
4-((9-(5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-3-メチルベンゾニトリル(化合物13)
化合物13f(314mg、1.0mmol)、化合物12a(132mg、1.0mmol)、炭酸セシウム(977mg、3mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(146mg、0.16mmol)および2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(90.6mg、0.1mmol)をジオキサンに溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=30/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物13(すなわち、化合物13-1および化合物13-2)を2つの白色固体として得た:化合物13-1(45mg、収率13%、RT=5.55、dr%:99.56%)、および化合物13-2(30mg、9.8%、RT=5.70、dr%:99.18%)。移動相:アセトニトリル/0.01mol/L NHHCO-H=46/54;カラム温度:35℃;カラム圧:80バール;流量:20mL/分;波長200~300nmのダイオードアレイ検出器。
【0168】
化合物13-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.57(s,1H),8.15(s,1H),7.97(d,1H),7.62(d,1H),7.56(dd,1H),4.49(s,1H),4.24(s,1H),3.29(s,3H),3.01(d,2H),2.29(s,3H),2.07(d,2H),1.99(s,1H),1.68-1.79(d,4H),1.64(S,2H),1.38(d,2H)。
【0169】
LC-MS m/z(ESI)=431.2[M+1]。
【0170】
化合物13-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.54(s,1H),8.16(s,1H),8.02(d,1H),7.61(s,1H),7.57(dd,1H),4.34(s,1H),4.14(s,1H),3.29(s,3H),3.16(s,3H),2.30(s,3H),2.01-2.07(m,3H),1.67-1.76(m,4H),1.60(s,2H),1.44(d,2H)。
【0171】
LC-MS m/z(ESI)=431.2[M+1]。
【0172】
〔実施例14〕
4-((9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-3-メチルベンズアミド(化合物14)
【0173】
【化24】
【0174】
化合物14a(100mg、0.76mmol)、化合物1j(270mg、0.8mmol)、炭酸セシウム(440mg、1.34mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(61mg、0.08mmol)をジオキサン(10mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注ぎ、固体を収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=30/1)によって精製し、化合物14(白色固体、60mg、収率17.61%)を得た。
【0175】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 8.31(s,1H),8.10(s,1H),7.87(d,1H),7.78(s,1H),7.71(s,1H),7.67(d,1H),7.15(s,1H),4.63(s,1H),3.25(s,3H),2.40(m,6H),2.30(s,3H),2.23(s,2H),1.45-1.65(m,6H)。
【0176】
LC-MS m/z(ESI)=449.20[M+1]。
【0177】
〔実施例15〕
5-((9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-N,4-ジメチルピコリンアミド(化合物15)
【0178】
【化25】
【0179】
化合物1j(190mg、0.6mmol)、化合物15a(100mg、0.6mmol)、炭酸セシウム(391mg、1.2mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(55mg、0.06mmol)を2mLのジオキサンに溶かした後、窒素パージした。反応混合物を110℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=35/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物15(黄色固体、86mg、収率89%)を得た。
【0180】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.77(s,1H),8.71(s,1H),8.55(m,1H),8.071(s,1H),7.86(s,1H),4.60(S,1H),3.24(S,1H),2.80(d,3H),2.32-2.40(s,8H),2.20(m,2H),1.34-1.62(m,6H)。
【0181】
LC-MS m/z(ESI)=464.20[M+1]。
【0182】
〔実施例16〕
9-((1R,2r,3S,5s,7s)-5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル)-7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物16)
【0183】
【化26】
【0184】
化合物13f(200mg、0.59mmol)、化合物1e(88mg、0.59mmol)、炭酸セシウム(576mg、1.77mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(54mg、0.059mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を110℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=35/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物16(すなわち、化合物16-1および化合物16-2)を2つの白色固体として得た:化合物16-1(39mg、収率15.1%、RT=3.53、dr%:99.01%)、および化合物16-2(5mg、収率6.2%、RT=3.70、dr%:99.21%)。分取HPLC(OZ)、移動相:アセトニトリル/0.01mol/L NHHCO-H=45/55;カラム温度:35℃;カラム圧:80バール;流量:20mL/分;波長200~300nmのダイオードアレイ検出器。
【0185】
化合物16-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.999(s,1H),8.558(s,1H),8.373(s,1H),8.097(s,2H),7.690(s,1H),4.456(s,1H),4.201(s,1H),3.293(s,3H),2.908(s,2H),2.355(s,3H),2.031(d,2H),1.821(s,1H),1.365(dd,3H),1.551(s,1H),1.225(d,2H)。
【0186】
LC-MS m/z(ESI)=447.2[M+1]。
【0187】
化合物16-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.077(s,1H),8.533(s,1H),8.366(s,1H),8.102(s,2H),7.682(s,1H),4.299(s,1H),4.119(s,1H),3.280(s,3H),3.148(s,2H),2.385(s,3H),1.950(m,3H),1.634(m,5H),1.352(d,2H)。
【0188】
LC-MS m/z(ESI)=447.2[M+1]。
【0189】
〔実施例17〕
2-フルオロ-4-(4-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-5-メチルベンズアミド(化合物17)
【0190】
【化27】
【0191】
工程1:
エチル2-クロロ-4-(4-オキソアダマンタン-1-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシレート(17b)
化合物1f(3.7g、16.7mmol)および炭酸カリウム(6.9g、50.1mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶かし、化合物17a(2.7g、16.7mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した。水(30mL)を加えた後、酢酸エチル(60mL×3)で抽出した。有機相を飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルと混合して試料を調製した後、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)によって精製し、続いて濃縮して化合物17b(白色固体、4g、収率69%)を得た。
【0192】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.65(s,1H),8.38(s,1H),4.28-4.34(m,1H),2.49-2.52(m,2H),2.24-2.36(m,5H),2.01-2.05(m,2H),1.87-1.90(m,2H),1.31(t,3H)。
【0193】
LC-MS m/z(ESI)=350.10[M+1]。
【0194】
工程2:
2-クロロ-4-(4-オキソアダマンタン-1-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボン酸(17c)
化合物17b(4g、11.5mmol)を5mLのテトラヒドロフランおよび5mLの水に溶かし、水酸化リチウム(966mg、23mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーションによって除去した。pHを4~5に調整すると、白色固体が沈殿した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキを石油エーテル/酢酸エチル(v/v=10/1)で2回洗浄した。濾液を濃縮し、化合物17c(白色固体、3.2g、収率99%)を得た。
【0195】
H NMR(400MHz DMSO) δ 11.64(s,1H),8.10(s,1H),2.85-2.86(m,2H),2.71-2.77(m,4H),2.57-2.61(m,2H),2.28-2.33(m,1H),2.04-2.13(m,2H),1.87-1.95(m,2H)。
【0196】
LC-MS m/z(ESI)=322.10[M+1]。
【0197】
工程3:
2-クロロ-9-(4-オキソアダマンタン-1-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(17d)
化合物17c(3.7g、11.5mmol)をジメチルアセトアミド(10mL)に溶かし、トリエチルアミン(1.1g、11.5mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(3.2g、11.5mmol)を加えた。次いで、反応混合物を110℃に徐々に温め、1.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮した後、水30mLを加えると、白色固体が沈殿した。固体を濾取し、化合物17dを得た(白色固体、3.3g、収率83%)。
【0198】
LC-MS m/z(ESI)=319.10[M+1]。
【0199】
工程4:
2-クロロ-7-メチル-9-(4-オキソアダマンタン-1-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(17e)
化合物17d(3.3g、10.3mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶かし、硫酸ジメチル(1.3g、10.3mmol)および炭酸セシウム(6.7g、20.6mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、水20mLを加え、固体を沈殿させた。固体を濾取し、化合物17eを得た(白色固体、2.9g、収率86%)。
【0200】
1H NMR(400MHz DMSO) δ 8.34(s,1H),3.31(s,3H),2.96-2.99(m,2H),2.72-2.88(m,4H),2.62-2.67(m,2H),2.30(S,2H),2.06-2.14(m,2H),1.88-1.93(m,2H)。
【0201】
LC-MS m/z(ESI)=333.10[M+1]。
【0202】
工程5:
2-クロロ-9-(4-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(17f)
化合物17e(600mg、0.3mmol)をメタノール5mLに溶かし、水素化ホウ素ナトリウム(23mg、0.6mmol)を室温でバッチで加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=40/1)によって精製し、化合物17f(白色固体、566mg、収率92%)を得た。
【0203】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.31(d,1H),3.68(d,1H),3.03(s,3H),2.76(d,1H),2.61(d,1H),2.38-2.49(m,4H),1.97-2.07(m,4H),1.76(d,1H),1.40-1.62(m,2H)。
【0204】
LC-MS m/z(ESI)=335.10[M+1]。
【0205】
工程6:
2-フルオロ-4-(4-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-5-メチルベンズアミド(化合物17)
化合物17f(200mg、0.6mmol)、4-アミノ-2-フルオロ-5-メチルベンズアミド(201mg、1.2mmol)、炭酸セシウム(586mg、1.8mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(54.4mg、0.06mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=60/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物17(すなわち、化合物17-1および化合物17-2)を2つの白色固体として得た:化合物17-1(27mg、収率31%、RT=6.26、dr%:99.44%)、および化合物17-2(12mg、収率16%、RT=6.53、dr%:99.50%)。分取HPLC(OZ)、移動相:アセトニトリル/0.01mol/L NHHCO-H=46/54;カラム温度:34℃;カラム圧:80バール;流量:20mL/分;波長200~300nmのダイオードアレイ検出器。
【0206】
化合物17-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.41(s,1H),8.17(s,1H),7.86(d,1H),7.53(d,1H),7.43(d,2H),4.71(s,1H),3.77(m,1H),3.26(s,3H),2.65(m,2H),2.50-2.51(m,3H),2.89(s,3H),1.96-2.06(m,5H),1.42(m,2H)。
【0207】
LC-MS m/z(ESI)=467.20[M+1]。
【0208】
化合物17-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.37(s,1H),8.16(s,1H),7.87(d,1H),7.53(d,1H),7.43(d,2H),4.71(d,1H),3.59(m,1H),3.26(s,3H),2.71(m,2H),2.44-2.52(m,4H),2.29(s,3H),2.02(s,3H),1.75-1.19(m,2H),1.58-1.61(m,2H)。
【0209】
LC-MS m/z(ESI)=467.20[M+1]。
【0210】
〔実施例18〕
9-(4-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物18)
【0211】
【化28】
【0212】
化合物17f(200mg、0.6mmol)、化合物1e(88.8mg、0.6mmol)、炭酸セシウム(586mg、1.8mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(54.4mg、0.06mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=60/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物18(すなわち、化合物18-1および化合物18-2)を2つの白色固体として得た:化合物18-2(44mg、収率36%、RT=6.03、dr%:98.56%)、および化合物17-1(58mg、収率43%、RT=6.51、dr%:98.98%)。分取HPLC(OZ)、移動相:アセトニトリル/0.01mol/L NHHCO-H=43/57;カラム温度:34℃;カラム圧:80バール;流量:20mL/分;波長200~300nmのダイオードアレイ検出器。
【0213】
化合物18-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.10(s,1H),8.55(s,1H),8.36(s,1H),8.08(s,1H),7.69(s,1H),4.64(d,1H),3.70(d,1H),3.24(s,3H),2.62(d,2H),2.42(s,3H),2.39(s,4H),1.97(d,2H),1.90(d,3H),1.29(d,2H)。
【0214】
LC-MS m/z(ESI)=447.20[M+1]。
【0215】
化合物18-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.09(s,1H),8.52(s,1H),8.36(s,1H),8.07(s,1H),7.69(s,1H),4.66(d,1H),3.55(d,1H),3.23(s,3H),2.64(d,2H),2.45(s,2H),2.39(s,3H),2.37(s,2H),1.93(d,3H),1.63(d,2H),1.52(d,2H)。
【0216】
LC-MS m/z(ESI)=447.20[M+1]。
【0217】
〔実施例19〕
7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-9-(4-オキソアダマンタン-1-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物19)
【0218】
【化29】
【0219】
化合物17e(200mg、0.68mmol)、化合物1e(89mg、0.68mmol)、炭酸セシウム(391mg、1.2mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(62mg、0.068mmol)をジオキサン(3mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を110℃で4時間撹拌し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=60/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物19(白色固体、68mg、収率22.4%)を得た。
【0220】
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.11(s,1H),8.61(s,1H),8.37(s,1H),8.11(s,1H),7.70(s,1H),3.25(s,3H),2.93-2.96(m,2H),2.66-2.69(m,4H),2.39(s,3H),2.16-2.20(m,1H),1.94-1.99(m,2H),1.81-1.84(m,2H),1.34-1.49(m,2H)。
【0221】
LC-MS m/z(ESI)=445.20[M+1]。
【0222】
〔実施例20〕
9-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物20)
【0223】
【化30】
【0224】
工程1:
2-クロロ-9-(4-ヒドロキシアダマンタン-1-イル-4-d)-7-メチル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(20a)
化合物17e(600mg、1.8mmol)を10mLのテトラヒドロフランに溶かし、水素化アルミニウムリチウム(76mg、1.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。水:10%水酸化ナトリウム水溶液:水=1:2:3を氷浴下で加えて反応をクエンチし、固体を沈殿させた。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、化合物20a(白色固体、511mg、収率83%)を得た。
【0225】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.30(d,1H),4.70(d,1H),3.30(s,3H),3.18(d,1H),2.76(d,1H),2.59-2.63(m,1H),2.36-2.51(m,3H),1.97-2.07(m,4H),1.59-1.77(m,2H),1.40-1.43(m,1H)。
【0226】
LC-MS m/z(ESI)=336.20[M+1]。
【0227】
工程2:
9-(ヒドロキシアダマンタン-1-イル-4-d)-7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物20)
化合物20a(200mg、0.59mmol)、化合物1e(88mg、0.59mmol)、炭酸セシウム(586mg、1.8mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(55mg、0.059mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物20(すなわち、化合物20-1および化合物20-2)を2つの白色固体として得た:化合物20-1(30mg、収率22%、RT=3.25、dr%:98.74%)、および化合物20-2(64mg、収率44.1%、RT=4.66、dr%:98.92%)。分取HPLC(OZ)、移動相:CO/(0.3%エチレンジアミン/エタノール)=75/25;カラム温度:35℃;カラム圧:80バール;流量:1mL/分;検出器シグナルチャネル:215nm@4.8nm;波長200~400nmのダイオードアレイ検出器。
【0228】
化合物20-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.10(s,1H),8.51(s,1H),8.36(s,1H),8.07(s,1H),7.69(s,1H),4.63(s,1H),3.24(s,3H),2.64-2.67(m,2H),2.36-2.45(m,7H),1.91-1.95(m,3H),1.62-1.65(m,2H),1.51-1.54(m,2H)。
【0229】
LC-MS m/z(ESI)=448.20[M+1]。
【0230】
化合物20-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.10(s,1H),8.54(s,1H),8.36(s,1H),8.08(s,1H),7.70(s,1H),4.61(s,1H),3.24(s,3H),2.59-2.67(m,2H),2.32-2.42(m,7H),1.88-1.99(m,5H),1.23-1.40(m,2H)。
【0231】
LC-MS m/z(ESI)=448.20[M+1]。
【0232】
〔実施例21〕
5-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-2-カルボニトリル(化合物21)
【0233】
【化31】
【0234】
工程1:
5-(2-クロロ-7-メチル-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-2-カルボニトリル(21a)
化合物17e(800mg、2.4mmol)、p-トルエンスルホニルメチルイソシアニド(610mg、3.12mmol)およびtert-ブトキシドカリウム(672mg、6mmol)をジオキサン16mLに溶かし、エタノール3mLを加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/ジクロロメタン(v/v)=10/1)によって精製し、化合物21a(白色固体、533mg、収率47%)を得た。
【0235】
LC-MS m/z(ESI)=344.20[M+1]。
【0236】
工程2:
5-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-2-カルボニトリル(化合物21)
化合物21a(200mg、0.58mmol)、化合物1e(86.3mg、0.58mmol)、炭酸セシウム(567mg、1.74mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(53mg、0.058mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物21(すなわち、化合物21-1および化合物21-2)を2つの白色固体として得た:化合物21-1(23mg、収率16%、RT=3.92、dr%:99.32%)、および化合物21-2(28mg、収率17.2%、RT=5.16、dr%:98.96%)。分取HPLC(OZ)、移動相:CO/(0.3%エチレンジアミンを加えた、50%イソプロパノール/アセトニトリル溶液)=60/40;カラム温度:35℃;カラム圧:80バール;流量:1mL/分;検出器シグナルチャネル:215nm@4.8nm;波長200~400nmのダイオードアレイ検出器。
【0237】
化合物21-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.11(s,1H),8.54(s,1H),8.35(d,1H),8.10(d,1H),7.69(s,1H),3.25(d,3H),2.68-2.72(m,2H),2.60-2.64(m,2H),2.45-2.46(m,2H),2.38(s,3H),2.31(s,2H),2.05(s,1H),1.62-1.69(m,4H)。
【0238】
LC-MS m/z(ESI)=456.20[M+1]。
【0239】
化合物21-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.13(s,1H),8.60(s,1H),8.38(s,1H),8.11(s,1H),7.72(s,1H),3.25(s,3H),3.15-3.18(m,1H),2.68-2.71(m,2H),2.48-2.52(m,5H),2.40(s,3H),2.30(s,2H),2.10(s,1H),1.83-1.86(m,2H),1.62-1.65(m,2H)。
【0240】
LC-MS m/z(ESI)=456.20[M+1]。
【0241】
〔実施例22〕
2-フルオロ-4-((9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-5-メチルベンズアミド(化合物22)
【0242】
【化32】
【0243】
化合物1j(200mg、0.59mmol)、化合物22a(201mg、1.19mmol)、炭酸セシウム(577mg、1.77mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(54mg、0.059mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物22(白色固体、31.4mg、収率23%)を得た。
【0244】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.37(s,1H),8.16(s,1H),7.86(d,1H),7.55(d,1H),7.42(d,2H),4.62(s,1H),3.27(s,3H),2.45(s,3H),2.40(m,3H),2.25-2.29(m,5H),1.56-1.68(m,5H),1.47-1.50(m,1H)。
【0245】
LC-MS m/z(ESI)=467.20[M+1]。
【0246】
〔実施例23〕
4-((9-(アダマンタン-1-イル-4-d)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-2-フルオロ-5-メチルベンズアミド(化合物23)
【0247】
【化33】
【0248】
化合物20a(200mg、0.58mmol)、化合物22a(200mg、1.19mmol)、炭酸セシウム(567mg、1.74mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(53mg、0.058mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物23(すなわち、化合物23-1および化合物23-2)を2つの白色固体として得た:化合物23-1(25.4mg、収率18.3%、RT=3.71、dr%:98.37%)、および化合物23-2(10.2mg、収率8.6%、RT=4.73、dr%:98.66%)。分取HPLC(OZ)、移動相:CO/(0.3%エチレンジアミン/エタノール)=70/30;カラム温度:35℃;カラム圧:80バール;流量:1mL/分;検出器シグナルチャネル:215nm@4.8nm;波長200~400nmのダイオードアレイ検出器。
【0249】
化合物23-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.36(s,1H),8.16(s,1H),7.88(d,1H),7.54(d,1H),7.40(d,2H),4.68(s,1H),3.27(s,3H),2.66-2.73(m,2H),2.52-2.53(m,2H),2.44-2.49(m,2H),2.29(s,3H),2.02(m,3H),1.76-1.79(m,2H),1.59-1.62(m,2H)。
【0250】
LC-MS m/z(ESI)=468.20[M+1]。
【0251】
化合物23-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.40(s,1H),8.17(s,1H),7.88(d,1H),7.54(d,1H),7.40(d,2H),4.67(s,1H),3.27(s,3H),2.65-2.68(s,2H),2.01-2.07(m,3H),1.96(m,2H),1.59-1.62(m,2H)。
【0252】
LC-MS m/z(ESI)=468.20[M+1]。
【0253】
〔実施例24〕
4-((9-(4-シアノアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-2-フルオロ-5-メチルベンズアミド(化合物24)
【0254】
【化34】
【0255】
化合物21a(200mg、0.58mmol)、化合物22a(194mg、1.16mmol)、炭酸セシウム(567mg、1.74mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(53mg、0.058mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物24(すなわち、化合物24-1および化合物24-2)を2つの白色固体として得た:化合物24-1(5.5mg、収率5.6%、RT=4.97、dr%:98.94%)、および化合物24-2(16.8mg、収率11.3%、RT=5.96、dr%:99.04%)。分取HPLC(OZ)、移動相:CO/エタノール=65/35;カラム温度:35℃;カラム圧:80バール;流量:1mL/分;検出シグナルチャネル:215nm@4.8nm;波長200~400nmのダイオードアレイ検出器。
【0256】
化合物24-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.47(s,1H),8.19(s,1H),7.82(d,1H),7.54(d,1H),7.38(d,2H),3.29(s,3H),3.15-3.27(m,2H),2.67-2.77(m,4H),2.38(s,2H),2.28(s,3H),2.11-2.13(m,2H),1.77-1.83(m,2H),1.70-1.76(m,2H)。
【0257】
LC-MS m/z(ESI)=476.20[M+1]。
【0258】
化合物24-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.36(s,1H),8.18(s,1H),7.88(d,1H),7.54(d,1H),7.40(d,2H),3.28(s,3H),2.99-3.02(m,2H),2.71-2.75(m,4H),3.57(s,3H),2.28-2.33(m,4H),2.06-2.10(m,2H),1.88-1.91(m,2H)。
【0259】
LC-MS m/z(ESI)=476.20[M+1]。
【0260】
〔実施例25〕
2-フルオロ-5-メチル-4-((7-メチル-8-オキソ-9-(4-オキソアダマンタン-1-イル)-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物25)
【0261】
【化35】
【0262】
化合物17e(200mg、0.68mmol)、化合物22a(101mg、0.68mmol)、炭酸セシウム(391mg、1.2mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(62mg、0.068mmol)をジオキサン(3mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を110℃で4時間撹拌し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=60/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物25(白色固体、30mg、収率13.4%)を得た。
【0263】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.47(s,1H),8.19(s,1H),7.82(d,1H),7.54(d,1H),7.41(d,2H),3.28(s,3H),2.99-3.02(m,2H),2.71-2.75(m,4H),2.27-2.34(m,5H),2.06-2.10(m,2H),1.88-1.91(m,2H)。
【0264】
LC-MS m/z(ESI)=465.20[M+1]。
【0265】
〔実施例26〕
4-((9-(4,4-ジメトキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-2-フルオロ-5-メチルベンズアミド(化合物26)
【0266】
【化36】
【0267】
化合物25(80mg、0.17mmol)を3mLのメタノールおよび5mLのアセトニトリルに溶かし、0.5mLの2M塩酸を加えた。反応混合物を室温で30分間静置し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製し、化合物26(白色固体、19.5mg、収率9.6%)を得た。
【0268】
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.38(s,1H),8.17(s,1H),7.87(d,1H),7.55(d,1H),7.40(d,2H),3.27(s,3H),3.08(s,3H),3.07(s,3H),2.65-2.69(m,2H),2.43-2.44(m,2H),2.29-2.34(m,3H),2.24(s,2H),2.04-2.07(m,1H),1.77-1.80(m,2H),1.59-1.62(m,2H)。
【0269】
LC-MS m/z(ESI)=465.20[M+1]。
【0270】
〔実施例27〕
2-フルオロ-4-((9-(5-ヒドロキシアダマンタン-2-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-5-メチルベンズアミド(化合物27)
【0271】
【化37】
【0272】
化合物13f(200mg、0.59mmol)、化合物22a(201mg、1.19mmol)、炭酸セシウム(577mg、1.77mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(55mg、0.059mmol)をジオキサン(4mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=60/1)、続いて分取HPLCによって精製し、化合物27(すなわち、化合物27-1および化合物27-2)を2つの白色固体として得た:化合物27-1(10mg、収率10.2%、RT=4.18、dr%:99.22%)、および化合物27-2(13mg、収率11.3%、RT=5.25、dr%:99.34%)。分取HPLC(OZ)、移動相:CO/(0.3%エチレンジアミンを加えた、50%イソプロパノール/アセトニトリル溶液)=60/40;カラム温度:35℃;カラム圧:80バール;流量:1mL/分;検出器シグナルチャネル:215nm@4.8nm;波長200~400nmのダイオードアレイ検出器。
【0273】
化合物27-1:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.39(s,1H),8.19(s,1H),7.87(d,2H),7.54(d,2H),7.40(d,2H),4.35(s,1H),4.17-4.19(m,1H),3.31(s,3H),3.22-3.23(m,2H),2.28(s,3H),2.04-2.10(m,3H),1.69-1.80(m,4H),1.61-1.62(m,2H),1.15-1.52(m,2H)。
【0274】
LC-MS m/z(ESI)=467.20[M+1]。
【0275】
化合物27-2:
H NMR(400MHz DMSO) δ 8.40(s,1H),8.18(s,1H),7.80(d,2H),7.53(d,2H),7.41(d,2H),4.49(s,1H),4.26-4.28(m,1H),3.30(s,3H),3.09-3.10(m,2H),2.28(s,3H),2.01-2.11(m,3H),1.80-1.83(m,2H),1.65-1.73(m,4H),1.39-1.49(m,2H)。
【0276】
LC-MS m/z(ESI)=467.20[M+1]。
【0277】
〔実施例28〕
4-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボニトリル(化合物28)
【0278】
【化38】
【0279】
工程1:
tert-ブチル-4-オキソアダマンタン-1-カルボキシレート(28b)
化合物28a(10g、51.49mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶かし、塩化オキサリル(7.84g、61.79mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.38g、5.15mmol)を氷浴下で加えた。反応混合物を室温で1時間反応させ、濃縮し、固体を収集した。tert-ブタノール(100mL)を氷浴下で加え、反応混合物をさらに12時間反応させた。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮乾固し、残渣をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって精製し、目的化合物28b(白色固体、8.4g、収率65.17%)を得た。
【0280】
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 2.57(s,2H),1.96-2.19(m,11H),1.43(s,9H)。
【0281】
工程2:
tert-ブチル-4-アミノアダマンタン-1-カルボキシレート(28c)
化合物28b(8g、31.96mmol)をアンモニアのメタノール溶液(100mL、7M)に溶かした。反応混合物を室温で12時間反応させた。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(3.63g、95.88mmol)を氷浴下で加え、温度を維持しながら反応混合物を1時間反応させた。50mLの重炭酸ナトリウム(1M)を反応混合物に加えた後、これをさらに1時間反応させ、濃縮した。得られた固体を酢酸エチル100mLに溶かし、水50mLおよび飽和食塩水50mLで順次洗浄し、乾燥させ、濃縮し、28c(白色固体、8g、収率99.58%)を得た。
【0282】
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 2.90-2.94(m,1H),1.54-2.03(m,12H),1.38(s,9H)。
【0283】
LC-MS m/z(ESI)=m/z=252.10[M+1]。
【0284】
工程3:
エチル4-((5-(tert-ブトキシカルボニル)アダマンタン-2-イル)アミノ)-2-クロロピリミジン-5-カルボキシレート(28d)
化合物1f(8.0g、31.83mmol)および化合物28c(8.44g、38.20mmol)をアセトニトリル(80mL)に溶かし、炭酸カリウム(20.74g、63.66mmol)を氷浴下で加えた。反応混合物を室温で12時間反応させた。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(60mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)によって精製し、目的化合物28d(白色固体、9.3g、収率33.92%)を得た。
【0285】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.83(d,0.5H),8.78(d,0.5H),8.65(s,0.5H),8.64(s,0.5H),4.30-4.36(m,2H),4.15-4.17(m,1H),2.06-2.07(m,2H),1.97(s,1H),1.85-1.90(m,3H),1.69-1.78(m,7H),1.54-1.60(m,1H),1.39(s,9H),1.29-1.39(m,3H)。
【0286】
LC-MS m/z(ESI)=m/z=436.20[M+1]。
【0287】
工程4:
4-((5-(tert-ブトキシカルボニル)アダマンタン-2-イル)アミノ)-2-クロロピリミジン-5-カルボン酸(28e)
化合物28d(9.3g、21.33mmol)を40mLのテトラヒドロフランおよび40mLの水に溶かし、水酸化リチウム(1.02g、42.66mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮してテトラヒドロフランを除去し、6N塩酸でpH5に調整し、固体を沈殿させた。反応混合物を濾過し、濾過ケーキを石油エーテルで2回洗浄し、収集し、標題の化合物28e(白色固体、7.8g、収率89.65%)を得て、これを次の工程ですぐに使用した。
【0288】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 9.18-9.23(m,1H),8.58(s,1H),2.05(s,2H),1.67-1.97(m,9H),1.56-1.59(m,1H),1.38-1.39(d,9H)。
【0289】
LC-MS m/z(ESI)=m/z=408.2[M+1]。
【0290】
工程5:
tert-ブチル4-(2-クロロ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキシレート(28f)
化合物28e(7.8g、119.12mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(100mL)に溶かし、ジフェニルホスホリルアジド(1.93g、19.12mmol)およびトリエチルアミン(7.37g、19.12mmol)を氷浴下で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、90℃まで温め、さらに3時間反応させた。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を室温まで自然冷却し、水40mLで希釈した後、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮し、化合物28f(灰色固体、7.8g、収率60.45%)を得た。
【0291】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 11.61-11.62(d,1H),8.11(s,1H),4.3(s,1H),2.95(s,2H),1.54-2.33(m,11H),1.36-1.40(m,9H)。
【0292】
LC-MS m/z(ESI)=405.20[M+1]。
【0293】
工程6:
tert-ブチル4-(2-クロロ-7-メチル-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキシレート(28g)
化合物28f(4.8g、11.86mmol)をジメチルホルムアミド(40mL)に溶かし、炭酸セシウム(7.73g、23.72mmol)および硫酸ジメチル(1.12mL、11.86mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間反応させた。次いで、水20mLを加え、固体を沈殿させた。固体を濾取し、乾燥させ、目的化合物28g(淡黄色固体、2.0g、収率40.25%)を得た。
【0294】
LC-MS m/z(ESI)=m/z=419.20[M+1]。
【0295】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.34(s,1H),4.32(s,1H),3.33(d,3H),2.94-2.96(m,2H),2.28(d,1H),2.17(d,1H),1.91(s,3H),1.79-1.84(m,4H),1.69(d,1H),1.54(d,1H),1.35-1.40(m,9H)。
【0296】
工程7:
tert-ブチル-4-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキシレート(28h)
化合物1e(300mg、2.02mmol)、化合物28g(850mg、2.02mmol)、炭酸セシウム(1.3g、4.04mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(183.12mg、0.2mmol)をジオキサン(10mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注ぎ、固体を収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=100/1)によって精製し、化合物28h(白色固体、500mg、収率13.96%)を得た。
【0297】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 9.03(s,0.5H),9.02(s,0.5H),8.57(d,1H),8.36(d,1H),8.11(d,1H),7.69(s,0.5H),7.68(s,0.5H),4.26(s,0.5H),4.21(s,0.5H),3.28-3.34(m,3H),2.99(s,1H),2.86(s,1H),2.36(d,3H),2.13(d,2H),1.71-1.94(m,8H),1.52(s,0.5H),1.49(s,0.5H),1.38(s,4.5H),1.28(s,4.5H)。
【0298】
LC-MS m/z(ESI)=531.3[M+1]。
【0299】
工程8:
4-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボン酸(28i)
化合物28h(0.5g、0.94mmol)を4N塩酸ジオキサン溶液(50mL)に溶かした。混合物を室温で16時間反応させ、濃縮し、粗化合物28i(淡黄色固体、0.45g、収率99%)を得た。
【0300】
LC-MS m/z(ESI)=475.20[M+1]。
【0301】
工程9:
4-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキサミド(28j)
化合物28i(400mg、0.84mmol)、トリエチルアミン(212.50mg、2.1mmol)および塩化アンモニウム(224.66mg、4.2mmol)をN,N-ジエチルホルムアミド(10mL)に溶かし、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(239.54mg、0.63mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間反応させた。水(20mL)を加え、混合物を酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を分取中圧液体クロマトグラフィによって精製し、化合物28j(白色固体、100mg、収率25.14%)を得た。
【0302】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 9.64(s,1H),8.24(s,1H),7.89(s,1H),7.58(s,2H),4.53(s,1H),3.41(s,3H),3.02(s,2H),2.51(s,3H),2.35(d,J=13.7Hz,2H),2.22(s,2H),2.10(d,J=12.8Hz,2H),1.97(s,3H),1.64(s,2H)。
【0303】
LC-MS m/z(ESI)=474.20[M+1]。
【0304】
工程10:
4-(7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボニトリル(化合物28-1および化合物28-2)
化合物28j(150mg、0.32mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かし、ピリジン(100.23mg、1.27mmol)および無水トリフルオロ酢酸(199.59mg、0.95mmol)を氷浴下で加えた。温度を維持しながら反応混合物をさらに1時間反応させた。メタノール(20mL)を加え、粗生成物を濃縮した。粗生成物を酢酸エチル(50mL)に再び溶かし、得られた溶液を15%NaHCO(50mL)および飽和食塩水(50mL)で順次洗浄し、乾燥させ、濃縮し、化合物28を得た。これに分取HPLC分離を行い、2つの白色固体(すなわち、化合物28-1および化合物28-2)を得た:化合物28-1(50mg、34.30%、RT=2.637分、dr%:99.32%)、および化合物28-2(70mg、48.02%、RT=3.129分、dr%:99.43%)。分取HPLC(OZ)、移動相:アセトニトリル/メタノール=1/1;カラム温度:35℃;カラム圧:100バール;流量:13.5mL/分;検出器シグナルチャネル:215nm@4.8nm;波長200~400nmのダイオードアレイ検出器。
【0305】
LC-MS m/z(ESI)=456.2[M+1]。
【0306】
化合物28-1:
1H NMR(401MHz,DMSO-d6) δ 9.06(s,1H),8.59(s,1H),8.37(s,1H),8.12(s,1H),7.69(s,1H),4.27(s,1H),3.29(s,3H),2.92(s,2H),2.37(s,3H),1.71-2.08(m,8H)。
【0307】
化合物28-2:
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d) δ 9.48(s,1H),8.28(s,1H),7.90(s,1H),7.58(s,1H),6.76(s,1H),4.42(s,1H),3.40(s,3H),3.14(s,2H),2.24-2.33(m,6H),2.1(s,2H),2.01-2.03(m,1H),1.67(d,2H)。
【0308】
〔実施例29〕
9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-2-((6-メトキシ-4-メチルピリジン-3-イル)アミノ)-7-メチル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物29)
【0309】
【化39】
【0310】
化合物1j(170mg、0.78mmol)、化合物29a(130mg、0.94mmol)、炭酸セシウム(510mg、1.57mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(70mg、0.078mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を110℃で4時間撹拌し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20/1)によって精製し、化合物29(白色固体、158mg、収率46.16%)を得た。
【0311】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.35(s,1H),8.05(s,1H),7.95(s,1H),6.69(s,1H),4.56(s,1H),3.80(s,3H),3.20(s,3H),2.37-2.27(m,6H),2.15(s,3H),1.60-1.41(m,6H)。
【0312】
LC-MS m/z(ESI)=437.2[M+1]。
【0313】
〔実施例30〕
7-メチル-2-((6-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)アミノ)-9-(4-オキソアダマンタン-1-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物30)
【0314】
【化40】
【0315】
工程1:
1-ブロモ-2-(2-ブロモエトキシ)-4-メチルベンゼン(30b)
1,2-ジブロモエタンをアセトニトリル(100mL)と十分に混合した後、2-ブロモ-5-メチルフェノール30a(25g、133.67mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(55.42g、401.01mmol)を加えた。反応混合物を80℃で5時間反応させた。反応完了後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(純粋な石油エーテル)によって精製し、化合物30b(無色液体、34g、収率86.51%)を得た。
【0316】
工程2:
6-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン(30c)
化合物30b(34g、115.65mmol)を乾燥した反応フラスコに加え、乾燥したテトラヒドロフラン(160mL)に溶かし、n-ブチルリチウム(55mL、138.78mmol)を-78℃で滴下した。滴下完了後、反応混合物をさらに1.5時間反応させた。反応完了後、水(20mL)を加えて反応混合物をクエンチし、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(純粋な石油エーテル)で精製し、化合物30c(無色液体、10g、収率64.43%)を得た。
【0317】
工程3:
6-メチル-5-ニトロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン(30d)
化合物30c(10g、74.53mmol)を酢酸(50mL)に溶かし、硝酸(11.8mL、178.87mmol、純度68%)を室温で滴下した。滴下完了後、反応混合物をさらに10分間反応させた。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注いだ後、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=15/1)によって精製し、化合物30d(黄色固体、7.0g、収率52.43%)を得た。
【0318】
工程4:
6-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-アミン(30e)
化合物30d(7.0g、39.07mmol)を110mLのエタノール/水(10/1)と十分に混合し、鉄粉末(10.9g、195.33mmol)を加えた後、希塩酸(9.8mL、2mol/L)を加えた。反応混合物を85℃で2時間反応させた。反応混合物を濾過し、鉄粉末を除去した。濾液を濃縮した後、pHがわずかに塩基性になるまでpHを飽和重炭酸ナトリウム溶液で調整し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製し、化合物30e(褐色固体、4.5g、収率77.05%)を得た。
【0319】
H NMR(400MHz DMSO) δ 6.52(s,1H),6.38(s,1H),4.36-4.31(t,2H),4.25(s,2H),3.02-2.98(t,2H),1.98(s,3H)。
【0320】
LC-MS m/z(ESI)=150.10[M+1]。
【0321】
工程5:
7-メチル-2-((6-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)アミノ)-9-(4-オキソアダマンタン-1-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物30)
化合物1j(200mg、0.60mmol)、化合物30e(178mg、1.2mmol)、炭酸セシウム(579mg、1.8mmol)およびBrettphos G3 Pd(54mg、0.06mmol)を乾燥した反応フラスコに加えた後、1,4-ジオキサン(20mL)を加えた。系を3回窒素パージし、反応混合物を110℃で2.5時間反応させた。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=20:1)によって精製し、化合物30(白色固体、40mg、収率14.97%)を得た。
【0322】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 8.07(s,1H),7.96(s,1H),7.26(s,1H),6.60(s,1H),4.59(s,1H),4.47(t,2H),3.21(s,3H),3.12(t,2H),2.38-2.32(m,4H),2.17(s,2H),2.13(s,3H),1.62-1.51(m,4H),1.50-1.40(m,2H)。
【0323】
LC-MS m/z(ESI)=446.20[M+1]。
【0324】
〔実施例31〕
9-(4,4-ジメトキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((6-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物31)
【0325】
【化41】
【0326】
化合物30(100mg、0.22mmol)を3mLのメタノールおよび5mLのアセトニトリルに溶かし、0.5mLの2M塩酸を加えた。反応混合物を室温で30分間静置し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製し、化合物31(白色固体、22.0mg、収率20.4%)を得た。
【0327】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 8.07(s,1H),7.96(s,1H),7.26(s,1H),6.60(s,1H),4.59(s,1H),4.47(t,2H),3.21(s,3H),3.08(s,3H),3.07(s,3H),3.12(t,2H),2.38-2.32(m,4H),2.17(s,2H),2.13(s,3H),1.62-1.51(m,4H),1.50-1.40(m,2H)。
【0328】
LC-MS m/z(ESI)=492.24[M+1]。
【0329】
〔実施例32〕
9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((6-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物32)
【0330】
【化42】
【0331】
化合物1j(200mg、0.60mmol)、化合物30e(178mg、1.2mmol)、炭酸セシウム(579mg、1.8mmol)およびBrettphos G3 Pd(54mg、0.06mmol)を乾燥した反応フラスコに加えた後、1,4-ジオキサン(20mL)を加えた。系を3回窒素パージし、反応混合物を110℃で2.5時間反応させた。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=20:1)によって精製し、化合物32(白色固体、40mg、収率14.97%)を得た。
【0332】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 8.07(s,1H),7.96(s,1H),7.26(s,1H),6.60(s,1H),4.59(s,1H),4.47(t,2H),3.21(s,3H),3.12(t,2H),2.38-2.32(m,6H),2.17(s,2H),2.13(s,3H),1.62-1.51(m,4H),1.50-1.40(m,2H)。
【0333】
LC-MS m/z(ESI)=448.20[M+1]。
【0334】
〔実施例33〕
2-((6-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)アミノ)-9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物33)
【0335】
【化43】
【0336】
工程1:
1-ブロモ-2-(2-ブロモエトキシ)-4-クロロベンゼン(3b)
1,2-ジブロモエタン(109.2g、581.28mmol)をアセトニトリル(120mL)と十分に混合した後、化合物33a(30g、144.61mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(60g、434.12mmol)を加えた。反応混合物を80℃で5時間反応させた。反応完了後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=200/1)によって精製し、化合物33b(白色固体、31g、収率68.19%)を得た。
【0337】
工程2:
6-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン(33c)
化合物33b(31g、98.60mmol)を乾燥した反応フラスコに加え、乾燥したテトラヒドロフラン(160mL)に溶かし、n-ブチルリチウム(45.5mL、118.32mmol)を-78℃で滴下した。滴下完了後、反応混合物をさらに1.5時間反応させた。反応完了後、水(20mL)を加えて反応混合物をクエンチし、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(純粋な石油エーテル)によって精製し、化合物33c(無色液体、15g、収率98.42%)を得た。
【0338】
1H NMR(400MHz CDCl3) δ 6.98-6.96(dt,1H),6.72-6.69(dd,1H),6.67(d,1H),4.50-4.46(t,2H),3.08-3.03(t,2H)。
【0339】
工程3:
6-クロロ-5-ニトロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン(33d)
化合物33c(15g、97.03mmol)を酢酸(110mL)に溶かし、硝酸(15.5mL、232.87mmol、純度68%)を70℃で滴下した。滴下完了後、反応混合物をさらに30分間反応させた。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注いだ後、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)によって精製し、化合物33d(黄色固体、12.5g、収率64.55%)を得た。
【0340】
LC-MS m/z(ESI)=200.00[M+1]。
【0341】
工程4:
6-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-アミン(33e)
化合物33d(12.5g、62.63mmol)を110mLのエタノール/水(10/1)と十分に混合し、鉄粉末(17.8g、318.77mmol)を加えた後、希塩酸(16.5mL、2mol/L)を加えた。反応混合物を85℃で2時間反応させた。反応混合物を濾過し、鉄粉末を除去した。濾液を濃縮した後、pHがわずかに塩基性になるまでpHを飽和重炭酸ナトリウム溶液で調整し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=15/1)によって精製し、化合物33e(黄色固体、7.0g、収率65.91%)を得た。
【0342】
1H NMR(400MHz DMSO) δ 6.72(s,1H),6.64(s,1H),4.73(s,2H),4.43-4.39(t,2H),3.07-3.02(t,2H)。
【0343】
LC-MS m/z(ESI)=170.00[M+1]。
【0344】
工程5:
化合物1j(0.2g、1.18mmol)、化合物33e(0.197g、0.589mmol)、炭酸セシウム(0.80g、0.088mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(0.384g、1.18mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を110℃で4時間撹拌し、反応が実質的に完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20/1)によって精製し、化合物33(白色固体、83mg、収率30.08%)を得た。
【0345】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.12(s,1H),8.00(s,1H),7.54(s,1H),6.89(s,1H),4.59(s,1H),4.55(t,2H),3.22(s,3H),3.18(t,2H),2.40-2.30(m,7H),1.60-1.43(m,7H)。
【0346】
LC-MS m/z(ESI)=468.17[M+1]。
【0347】
〔実施例34〕
4-((9-(3-シアノアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-2-フルオロ-5-メチルベンズアミド(化合物34)
【0348】
【化44】
【0349】
工程1:
3-(2-クロロ-7-メチル-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボン酸(34a)
化合物3f(5.0g、11.9mmol)を4N塩酸ジオキサン溶液(100mL)に溶かした。混合物を60℃で6時間反応させ、濃縮し、残渣を分取中圧液体クロマトグラフィによって精製し、化合物34a(淡黄色固体、4.3g、収率99%)を得た。
【0350】
LCMS m/z(ESI)=363.2[M+1]。
【0351】
工程2:
3-(2-クロロ-7-メチル-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキサミド(34b)
化合物34a(4.3g、11.9mmol)、塩化アンモニウム(6.37g、119.0mmol)およびトリエチルアミン(6.0g、59.5mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶かし、HATU(9.05g、23.8mmol)を氷浴下で加えた。混合物を室温で2時間反応させ、水(100mL)を加えてクエンチし、減圧下でのロータリーエバポレーションによって濃縮してテトラヒドロフランを除去すると、多量の固体が沈殿した。混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーションによって濃縮乾固して、化合物34b(オフホワイトの固体、4.0g、収率93.0%)を得た。
【0352】
LCMS m/z(ESI)=362.2[M+1]。
【0353】
工程3:
3-(2-クロロ-7-メチル-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボニトリル(34c)
化合物34b(4.0g、11.0mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶かし、ピリジン(3.48g、44.0mmol)および無水トリフルオロ酢酸(6.93g、33.0mmol)を氷浴下で加えた。温度を維持しながら反応混合物をさらに1時間反応させた。メタノール(20mL)を加え、粗生成物を濃縮した。粗生成物を飽和NaHCO溶液(100mL)に注ぎ、多量の固体が沈殿した。混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーションによって濃縮乾固して、化合物34c(淡黄色固体、3.3g、収率87.3%)を得た。
【0354】
LCMS m/z(ESI)=344.2[M+1]。
【0355】
工程4:
4-((9-(3-シアノアダマンタン-1-イル)-7-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル)アミノ)-2-フルオロ-5-メチルベンズアミド(化合物34)
化合物34c(2.0g、5.82mmol)、化合物21a(1.96g、11.64mmol)、炭酸セシウム(3.80g、11.64mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(528mg、0.582mmol)をジオキサン(30mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注ぎ、固体を収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=100/1)によって精製し、化合物34(白色固体、1.0g、収率36.1%)を得た。
【0356】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 8.50(s,1H),8.18(s,1H),7.80(d,1H),7.54(d,1H),7.48(s,1H),7.32(d,1H),3.27(s,3H),2.82(s,2H),2.61-2.52(m,4H),2.28(s,3H),2.23(q,2H),2.06-1.94(m,4H),1.68(s,2H)。
【0357】
LCMS m/z(ESI)=476.2[M+1]。
【0358】
19F NMR(377MHz,DMSO-d) δ-115.48。
【0359】
〔実施例35〕
3-(2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボニトリル(化合物35)
【0360】
【化45】
【0361】
工程1:
3-(2-クロロ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボン酸(35a)
化合物1e(3.2g、7.90mmol)を4N塩酸ジオキサン溶液(100mL)に溶かした。混合物を60℃で6時間反応させ、濃縮し、残渣を分取中圧液体クロマトグラフィによって精製し、化合物35a(淡黄色固体、2.75g、収率100%)を得た。
【0362】
LCMS m/z(ESI)=349.2[M+1]。
【0363】
工程2:
3-(2-クロロ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボキサミド(35b)
化合物35a(2.75g、7.90mmol)、塩化アンモニウム(4.23g、79.0mmol)およびトリエチルアミン(3.99g、39.5mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶かし、氷浴下でHATU(6.01g、15.80mmol)を加えた。混合物を室温で2時間反応させ、水(100mL)を加えてクエンチし、減圧下でロータリーエバポレーションによって濃縮してテトラヒドロフランを除去すると、多量の固体が沈殿した。混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーションによって濃縮乾固して、化合物35b(オフホワイトの固体、2.4g、収率87.5%)を得た。
【0364】
LCMS m/z(ESI)=348.2[M+1]。
【0365】
工程3:
3-(2-クロロ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボニトリル(35c)
化合物35b(2.4g、6.91mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶かし、ピリジン(2.19g、27.63mmol)および無水トリフルオロ酢酸(4.35g、20.73mmol)を氷浴下で加えた。温度を維持しながら反応混合物をさらに1時間反応させた。メタノール(20mL)を加え、粗生成物を濃縮した。粗生成物を飽和NaHCO溶液(100mL)に注ぐと、多量の固体が沈殿した。混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーションによって濃縮乾固して、化合物35c(淡黄色固体、1.4g、収率61.4%)を得た。
【0366】
LCMS m/z(ESI)=330.2[M+1]。
【0367】
工程4:
3-(2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)アダマンタン-1-カルボニトリル(化合物35)
化合物35c(1.4g、4.24mmol)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン1e(624mg、4.24mmol)、炭酸セシウム(2.70g、8.28mmol)およびメタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(385mg、0.424mmol)をジオキサン(30mL)に溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を氷水に注ぎ、固体を収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=100/1)によって精製し、化合物35(白色固体、286mg、収率15.3%)を得た。
【0368】
H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 10.95(s,1H),9.06(s,1H),8.56(s,1H),8.36(s,1H),7.89(s,1H),7.69(s,1H),2.75(s,2H),2.49-2.44(m,4H),2.37(s,3H),2.14(s,2H),1.90(d,4H),1.61-1.53(m,2H)。
【0369】
LCMS m/z(ESI)=442.2[M+1]。
【0370】
〔実施例36〕
9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物36)
【0371】
【化46】
【0372】
化合物1i(128mg、0.4mmol)、化合物1e(132mg、0.3mmol)、炭酸セシウム(1g、1.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(915mg、0.04mmol)および2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(622mg、0.08mmol)をジオキサンに溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=30/1)によって精製し、化合物36(白色固体、30.0mg、収率17.5%)を得た。
【0373】
H NMR(400MHz DMSO) δ 10.86(s,1H),9.09(s,1H),8.47(s,1H),8.36(s,1H),7.87(s,1H),7.69(s,1H),4.55(s,1H),2.50-2.52(m,9H),1.50-1.58(M,4H),1.41-1.44(m,2H)。
【0374】
LC-MS m/z(ESI)=433.20[M+1]。
【0375】
〔実施例37〕
9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-(メチル-d3)-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物37)
【0376】
【化47】
【0377】
工程1:
2-クロロ-9-((3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-(メチル-d3)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(37a)
化合物1i(1.0g、3.12mmol)をジメチルスルホキシド(20mL)に溶かし、炭酸セシウム(1.6g、6.24mmol)を室温で加えた後、重水素化ヨードメタン(0.4g、3.36mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間反応させた。反応完了後、水5mLを加え、続いて酢酸エチルで3回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、固体を沈殿させた。混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=15:1)によって精製し、化合物37a(白色固体、0.36g、収率34.66%)を得た。
【0378】
LC-MS m/z(ESI)=457.20[M+1]。
【0379】
工程2:
9-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-7-(メチル-d3)-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物37)
化合物37a(135.1mg、0.4mmol)、化合物1e(40mg、0.3mmol)、炭酸セシウム(391mg、1.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(40mg、0.04mmol)および2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(622mg、0.08mmol)をジオキサンに溶かした後、窒素パージした。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(v/v)=30/1)によって精製し、化合物37(白色固体、12.6mg、収率2.5%)を得た。
【0380】
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.09(s,1H),8.56(s,1H),8.36(s,1H),8.08(s,1H),7.70(s,1H),4.56(s,1H),2.35-2.42(m,9H),2.17(s,2H),1.58-1.23(m,6H)。
【0381】
LC-MS m/z(ESI)=450.28[M+1]。
【0382】
〔実施例38〕
9-(-4,4-ジメトキシアダマンタン-1-イル)-7-メチル-2-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン(化合物38)
【0383】
【化48】
【0384】
化合物18(100mg、0.22mmol)を3mLのメタノールおよび5mLのアセトニトリルに溶かし、0.5mLの2M塩酸を加えた。反応混合物を室温で30分間静置し、反応が完了するまで、TLCによって反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製し、化合物30(白色固体、22.0mg、収率20.4%)を得た。
【0385】
H NMR(400MHz DMSO) δ 9.11(s,1H),8.61(s,1H),8.37(s,1H),8.11(s,1H),7.70(s,1H),3.25(s,3H),3.08(s,3H),3.07(s,3H),2.93-2.96(m,2H),2.66-2.69(m,4H),2.39(s,3H),1.94-1.99(m,2H),1.81-1.84(m,2H),1.34-1.49(m,2H)。
【0386】
LC-MS m/z(ESI)=491.24[M+1]。
【0387】
〔生物学的検定〕
1.DNA-PKキナーゼの阻害
DNA-PKキナーゼに対する化合物の阻害活性を、DNA-PKキナーゼアッセイキット(Promegaより購入、カタログ番号V4107、バッチ番号0000366495)を用いて決定した。結果は、化学発光を用いて定量し、具体的には以下のようにした:
i.異なる濃度でのADP-蛍光標準曲線を、キットの説明書に従って作成した;
ii.反応系(5μL)を384ウェル白色プレート中に調製した;化合物1μL(濃度勾配1μM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.064nMおよび0.013nMを化合物それぞれに設定)、DNA-PKキナーゼ20ユニット、基質0.2μg/μL、DNA10μg/μL、ATP50μMおよび1%DMSOを各ウェルに順次加えた;
iii.混合物を十分に混合し、遠心分離(1000rpm、30秒)し、37℃で60分間インキュベートした;
iv.5μLのADP-GloTM試薬を加えることによって反応を停止させた;混合物を十分に混合し、遠心分離(1000rpm、30秒)し、室温で40分間インキュベートした;
v.キナーゼ検出試薬10μLを加え、混合物を振盪によって十分に混合し、遠心分離(1000rpm、30秒)し、室温で30分間インキュベートした;
vi.蛍光値は、マイクロプレートリーダー(Thermo fisher、Varioskan LUX)を用いて測定した。IC50は、GraphPad Prism 8を用いて算出した。結果を表1に示す。
【0388】
【表1】

【0389】
注:J. Med. Chem (2020), 63(7), 3461-3471の化合物3を比較例として使用した。化合物3は、その調製方法に従って調製した。
【0390】
結果は、比較例よりも本発明の化合物がDNA-PKキナーゼに対してより有意な阻害効果を有することを示す。
【0391】
2.グラフト腫瘍の阻害
2.1.実験材料:A549細胞(ATCCより購入);ドキソルビシンリポソーム(Dox)(リポドキソルビシン、商品名「Libod(里葆多)」、Shanghai Fudan-Zhangjiang Bio-Pharmaceutical Co.,Ltd.より購入);化合物1、6、19、22、および34;6週齢の雌ヌードマウス(体重18~20g)(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.)、群当たり10匹。
2.2.A549グラフト腫瘍に対してスクリーニングする化合物と組み合わせてのドキソルビシンの阻害効果の決定:
2.2.1.対数期で増殖するA549細胞を収集し、後の使用のために、予め冷却したPBSで2回洗浄した;
2.2.2.Balb/cヌードマウスを実験室に3日間順化させ、A549細胞をマウス1匹当たり5×10細胞で右側腹部に皮下接種した;腫瘍が約200mmに成長したら、薬効学的試験を実施した;
2.2.3.腫瘍を有するマウスを以下の群に無作為に分けた:ドキソルビシン(Dox)群、試験化合物+Dox群および対照群(ビヒクル);5mL/kgの容量で1日2回(BID)21日間、マウスに胃内投与(i.g.)(溶媒は5%DMSO+30%2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン);朝の胃内投与の1時間後、リポドキソルビシン(2.5mg/kg)を5mL/kgの容量で週1回(QW)尾静脈から注射した;具体的な投与計画は以下の通りである。
【0392】
【表2】
【0393】
2.2.4.マウスの体重を週2回測定し、その間に腫瘍体積を測定した:腫瘍体積(V)は以下のように計算した:V=1/2×Llong×Lshort ;腫瘍阻害率は以下のように計算した:腫瘍阻害率(%)=(D21腫瘍体積(ビヒクル)-D21腫瘍体積(投与群))/D21腫瘍体積(ビヒクル)×100;
2.2.5.投与21日後、腫瘍を分離し、秤量し、体重変化率を以下のように計算した:体重変化率(%)=(D21体重-D0体重)/D0体重×100。
【0394】
【表3】
【0395】
結論:実験結果は、本発明の化合物すべてが、ドキソルビシンと組み合わせて用いられた場合、腫瘍に対するドキソルビシンの阻害作用を向上させることができ、有意な体重減少を引き起こさないことを示す。
【0396】
本発明の具体的な実施形態を明細書に詳細に説明してきたが、上記の実施形態は例示的なものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではなく、本発明の原理から逸脱すること無しに様々な変更および修正を本発明に加えることができ、これらの変更および修正から生じる技術スキームもまた添付された特許請求の範囲内にあることが当業者には理解されよう。