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特許7428837パッケージ基板を製造するための載置板、パッケージ基板構造及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】パッケージ基板を製造するための載置板、パッケージ基板構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240130BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H01L23/12 N
H05K3/46 N
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023025429
(22)【出願日】2023-02-21
(65)【公開番号】P2023127550
(43)【公開日】2023-09-13
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】202210206314.1
(32)【優先日】2022-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】フェン ジンドン
(72)【発明者】
【氏名】フアン ベンキア
(72)【発明者】
【氏名】フアン ガオ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ユチェン
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0175159(US,A1)
【文献】特開2002-84069(JP,A)
【文献】特表2021-504981(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112103195(CN,A)
【文献】国際公開第2011/037260(WO,A1)
【文献】特開2014-72324(JP,A)
【文献】特開2014-168007(JP,A)
【文献】特開2020-13973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層と、前記誘電体層内にあるシード層と、前記シード層上にある銅ピラー層とを含み、前記シード層の底端は前記誘電体層の下面より高く、前記銅ピラー層の頂端は前記誘電体層の上面より低く、前記誘電体層の上面と下面に第1金属層及び第2金属層がそれぞれ設置されている、
パッケージ基板を製造するための載置板。
【請求項2】
前記誘電体層には、縦方向に沿って排列された第1誘電体層及び第2誘電体層が含まれ、前記第1誘電体層の上面と前記第2誘電体層の下面とは密着し、前記第2誘電体層内にシード層及び前記シード層上にある銅ピラー層が設置され、前記シード層の下面は前記第2誘電体層の下面と面一であり、前記銅ピラー層の頂端は前記第2誘電体層の上面より低く、前記第1誘電体層の下面に第1金属層が設置され、前記第2誘電体層の上面に第2金属層が設置されている、
請求項1に記載のパッケージ基板を製造するための載置板。
【請求項3】
前記第1誘電体層内に前記シード層を露出する第1ビアホールが設置され、前記第1ビアホールは前記第1金属層を貫通し、前記第2誘電体層内に前記銅ピラー層の頂端を露出する第2ビアホールが設置され、前記第2ビアホールは前記第2金属層を貫通する、
請求項2に記載のパッケージ基板を製造するための載置板。
【請求項4】
前記第1金属層及び前記第2金属層は、厚さが同じであるか、又は類似している、
請求項2に記載のパッケージ基板を製造するための載置板。
【請求項5】
縦方向に沿って排列された第1誘電体層及び第2誘電体層を含み、前記第1誘電体層の上面と前記第2誘電体層の下面とは密着し、前記第2誘電体層内には、シード層と、前記シード層上にある銅ピラー層と、前記銅ピラー層上にある第2ビアピラー層とが設置され、前記シード層の下面は前記第2誘電体層の下面と面一であり、前記第1誘電体層内に第1ビアピラー層が設置され、前記第1ビアピラー層は前記シード層と連通し、前記第1誘電体層の下面に第1配線層が設置され、前記第2誘電体層の上面に第2配線層が設置され、前記第1配線層と前記第2配線層とは、前記第1ビアピラー層、前記銅ピラー層及び前記第2ビアピラー層を介して導通接続される、
パッケージ基板構造。
【請求項6】
前記第1誘電体層と前記第2誘電体層とは、同じであるか、又は異なっている、
請求項5に記載のパッケージ基板構造。
【請求項7】
前記銅ピラー層には、少なくとも1つの銅ピラーが含まれる、
請求項5に記載のパッケージ基板構造。
【請求項8】
前記第1配線層上にある第3誘電体層及び前記第2配線層上にある第4誘電体層をさらに含み、前記第3誘電体層内に第3ビアピラー層が設置され、前記第3誘電体層の下面に第3配線層が設置され、前記第1配線層と前記第3配線層とは前記第3ビアピラー層を介して導通接続され、前記第4誘電体層内に第4ビアピラー層が設置され、前記第4誘電体層の上面に第4配線層が設置され、前記第2配線層と前記第4配線層とは前記第4ビアピラー層を介して導通接続される、
請求項5に記載のパッケージ基板構造。
【請求項9】
ビアピラー層には少なくとも1つのビアピラーが含まれる、
請求項5又は請求項8に記載のパッケージ基板構造。
【請求項10】
前記第3配線層外にある第1ソルダーレジスト層及び前記第4配線層外にある第2ソルダーレジスト層をさらに含み、前記第1ソルダーレジスト層及び前記第2ソルダーレジスト層内には、それぞれ第1ソルダーレジスト開口及び第2ソルダーレジスト開口が設置されている、
請求項8に記載のパッケージ基板構造。
【請求項11】
第1誘電体層を用意して、前記第1誘電体層の上面と下面にそれぞれ第1金属層を形成するステップ(a)と、
前記第1誘電体層の上面の第1金属層上に銅ピラー層を製造し、前記第1誘電体層の上面に露出している第1金属層をエッチングしてシード層を形成するステップ(b)と、
前記銅ピラー層上に第2誘電体層を形成し、前記第2誘電体層の下面と前記第1誘電体層の上面とを密着させ、前記銅ピラー層の頂端が前記第2誘電体層の上面より低いステップ(c)と、
前記第2誘電体層の上面に第2金属層を形成するステップ(d)と、
前記シード層を露出する第1ビアホールを前記第1誘電体層内に形成し、かつ、前記第1ビアホールは前記第1金属層を貫通し、前記銅ピラー層の頂端を露出する第2ビアホールを前記第2誘電体層内に形成し、かつ、前記第2ビアホールは前記第2金属層を貫通し、前記シード層が前記銅ピラー層の底端を形成し、前記第2ビアホール及び前記第1ビアホールは、それぞれ前記銅ピラー層の頂端及び底端を露出するステップ(e)と、を含む、
パッケージ基板構造の製造方法。
【請求項12】
ステップ(e)の後、前記第1ビアホールを電気めっきして第1ビアピラー層を形成し、前記第2ビアホールを電気めっきして第2ビアピラー層を形成し、前記第1誘電体層の下面の第1金属層と前記第2金属層とは、前記第1ビアピラー層、前記銅ピラー層及び前記第2ビアピラー層を介して導通接続されるステップ(f)をさらに含む、
請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
ステップ(f)の後、前記第1金属層を処理して第1配線層を形成し、前記第2金属層を処理して第2配線層を形成し、前記第1配線層と前記第2配線層とは、前記第1ビアピラー層、前記銅ピラー層及び前記第2ビアピラー層を介して導通接続されるステップ(g)をさらに含む、
請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
ステップ(g)の後、前記第1配線層上に第3誘電体層を形成し、前記第2配線層上に第4誘電体層を形成するステップ(h)と、
前記第3誘電体層上に第3金属層を形成し、前記第4誘電体層上に第4金属層を形成するステップ(i)と、
前記第3誘電体層内に第3ビアピラー層を形成し、前記第4誘電体層内に第4ビアピラー層を形成し、前記第1配線層と前記第3金属層とは前記第3ビアピラー層を介して導通接続され、前記第2配線層と前記第4金属層とは前記第4ビアピラー層を介して導通接続されるステップ(j)と、
前記第3金属層を処理して第3配線層を形成し、前記第4金属層を処理して第4配線層を形成し、前記第1配線層と前記第3配線層とは前記第3ビアピラー層を介して導通接続され、前記第2配線層と前記第4配線層とは前記第4ビアピラー層を介して導通接続されるステップ(k)と、
前記第3配線層外に第1ソルダーレジスト層を形成し、前記第4配線層外に第2ソルダーレジスト層を形成し、前記第1ソルダーレジスト層及び前記第2ソルダーレジスト層内に第1ソルダーレジスト開口及び第2ソルダーレジスト開口をそれぞれ形成するステップ(l)と、を含む、
請求項13に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージの分野に関し、具体的には、パッケージ基板を製造するための載置板、パッケージ基板構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術でコア層の中実銅ピラーを製造する際に、メカニカルドリルを用いてブラインドドリル加工を行った後に、穴埋め電気めっきを行い、製造された機械的ブラインドビアの底部に残留突起(Stub)が存在して、銅ピラーの製造に影響を与え、それにより、層と層との間の接続導通が不良になる。
【0003】
また、機械的ブラインドビアの穴径のアスペクト比が大きく、穴埋め電気めっきを行って得られる銅ピラーは、品質が劣る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施案は、パッケージ基板を製造するための載置板、パッケージ基板構造及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様は、パッケージ基板を製造するための載置板に関し、誘電体層と、前記誘電体層内にあるシード層と、前記シード層上にある銅ピラー層とを含み、前記シード層の底端は前記誘電体層の下面より高く、前記銅ピラー層の頂端は前記誘電体層の上面より低く、前記誘電体層の上面と下面に第1金属層及び第2金属層がそれぞれ設置されている。
【0006】
一部の実施案において、前記誘電体層には、縦方向に沿って排列された第1誘電体層及び第2誘電体層が含まれ、前記第1誘電体層の上面と前記第2誘電体層の下面とは密着し、前記第2誘電体層内にシード層及び前記シード層上にある銅ピラー層が設置され、前記シード層の下面は前記第2誘電体層の下面と面一であり、前記銅ピラー層の頂端は前記第2誘電体層の上面より低く、前記第1誘電体層の下面に第1金属層が設置され、前記第2誘電体層の上面に第2金属層が設置されている。
【0007】
一部の実施案において、前記第1誘電体層内に前記シード層を露出する第1ビアホールが設置され、前記第1ビアホールは前記第1金属層を貫通し、前記第2誘電体層内に前記銅ピラー層の頂端を露出する第2ビアホールが設置され、前記第2ビアホールは前記第2金属層を貫通する。
【0008】
一部の実施案において、前記第1金属層及び前記第2金属層は、厚さが同じであるか、又は類似している。
【0009】
本発明の第2態様は、パッケージ基板構造を提供し、縦方向に沿って排列された第1誘電体層及び第2誘電体層を含み、前記第1誘電体層の上面と前記第2誘電体層の下面とは密着し、前記第2誘電体層内には、シード層と、前記シード層上にある銅ピラー層と、前記銅ピラー層上にある第2ビアピラー層とが設置され、前記シード層の下面は前記第2誘電体層の下面と面一であり、前記第1誘電体層内に第1ビアピラー層が設置され、前記第1ビアピラー層は前記シード層と連通し、前記第1誘電体層の下面に第1配線層が設置され、前記第2誘電体層の上面に第2配線層が設置され、前記第1配線層と前記第2配線層とは、前記第1ビアピラー層、前記銅ピラー層及び前記第2ビアピラー層を介して導通接続される。
【0010】
一部の実施案において、前記第1誘電体層と前記第2誘電体層とは、同じであるか、又は異なっている。
【0011】
一部の実施案において、前記銅ピラー層には、少なくとも1つの銅ピラーが含まれる。
【0012】
一部の実施案において、前記第1配線層上にある第3誘電体層及び前記第2配線層上にある第4誘電体層をさらに含み、前記第3誘電体層内に第3ビアピラー層が設置され、前記第3誘電体層の下面に第3配線層が設置され、前記第1配線層と前記第3配線層とは前記第3ビアピラー層を介して導通接続され、前記第4誘電体層内に第4ビアピラー層が設置され、前記第4誘電体層の上面に第4配線層が設置され、前記第2配線層と前記第4配線層とは前記第4ビアピラー層を介して導通接続される。
【0013】
一部の実施案において、ビアピラー層には少なくとも1つのビアピラーが含まれる。
【0014】
一部の実施案において、前記第3配線層外にある第1ソルダーレジスト層及び前記第4配線層外にある第2ソルダーレジスト層をさらに含み、前記第1ソルダーレジスト層及び前記第2ソルダーレジスト層内には、それぞれ第1ソルダーレジスト開口及び第2ソルダーレジスト開口が設置されている。
【0015】
本発明の第3態様では、パッケージ基板構造の製造方法を提供し、
第1誘電体層を用意して、前記第1誘電体層の上面と下面にそれぞれ第1金属層を形成するステップ(a)と、
前記第1誘電体層の上面の第1金属層上に銅ピラー層を製造し、前記第1誘電体層の上面に露出している第1金属層をエッチングしてシード層を形成するステップ(b)と、
前記銅ピラー層上に第2誘電体層を形成し、前記第2誘電体層の下面と前記第1誘電体層の上面とを密着させ、前記銅ピラー層の頂端が前記第2誘電体層の上面より低いステップ(c)と、
前記第2誘電体層の上面に第2金属層を形成するステップ(d)と、
前記シード層を露出する第1ビアホールを前記第1誘電体層内に形成し、かつ、前記第1ビアホールは前記第1金属層を貫通し、前記銅ピラー層の頂端を露出する第2ビアホールを前記第2誘電体層内に形成し、かつ、前記第2ビアホールは前記第2金属層を貫通し、前記シード層が前記銅ピラー層の底端を形成し、前記第2ビアホール及び前記第1ビアホールは、それぞれ前記銅ピラー層の頂端及び底端を露出するステップ(e)と、を含む。
【0016】
一部の実施案において、さらに、
ステップ(e)の後、前記第1ビアホールを電気めっきして第1ビアピラー層を形成し、前記第2ビアホールを電気めっきして第2ビアピラー層を形成し、前記第1誘電体層の下面の第1金属層と前記第2金属層とは、前記第1ビアピラー層、前記銅ピラー層及び前記第2ビアピラー層を介して導通接続されるステップ(f)を含む。
【0017】
一部の実施案において、さらに、
ステップ(f)の後、前記第1金属層を処理して第1配線層を形成し、前記第2金属層を処理して第2配線層を形成し、前記第1配線層と前記第2配線層とは、前記第1ビアピラー層、前記銅ピラー層及び前記第2ビアピラー層を介して導通接続されるステップ(g)を含む。
【0018】
一部の実施案において、さらに、
ステップ(g)の後、前記第1配線層上に第3誘電体層を形成し、前記第2配線層上に第4誘電体層を形成するステップ(h)と、
前記第3誘電体層上に第3金属層を形成し、前記第4誘電体層上に第4金属層を形成するステップ(i)と、
前記第3誘電体層内に第3ビアピラー層を形成し、前記第4誘電体層内に第4ビアピラー層を形成し、前記第1配線層と前記第3金属層とは前記第3ビアピラー層を介して導通接続され、前記第2配線層と前記第4金属層とは前記第4ビアピラー層を介して導通接続されるステップ(j)と、
前記第3金属層を処理して第3配線層を形成し、前記第4金属層を処理して第4配線層を形成し、前記第1配線層と前記第3配線層とは前記第3ビアピラー層を介して導通接続され、前記第2配線層と前記第4配線層とは前記第4ビアピラー層を介して導通接続されるステップ(k)と、
前記第3配線層外に第1ソルダーレジスト層を形成し、前記第4配線層外に第2ソルダーレジスト層を形成し、前記第1ソルダーレジスト層及び前記第2ソルダーレジスト層内に第1ソルダーレジスト開口及び第2ソルダーレジスト開口をそれぞれ形成するステップ(l)と、を含む。
【発明の効果】
【0019】
上記から分かるように、本発明にて提供されるパッケージ基板を製造するための載置板、パッケージ基板構造及びその製造方法は、事前に誘電体層内に銅ピラー層を製造し、それぞれ銅ピラー層と連通する上ビアピラー及び下ビアピラーを製造し、ビアピラーの縦方向の高さを短くし、ビアピラーの穴径のアスペクト比を低下させ、穴埋め電気めっきを行った後に得られるビアピラーの品質を向上させ、それにより、製造されたビアピラー及び銅ピラーが良好な電気的性能及び優れた信頼性を有し、そして、当該パッケージ基板構造の製造方法は、厚いコア基板に適用でき、基板の反り不良率を低減し、配線と接触するビアホールをより小さくすることができ、core層の微細な配線設計のニーズを実現し、歩留まりを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、本発明の一層の理解、そして本発明の実施形態を示すために、例を挙げ図面を参照して説明する。
【0021】
図面の参照にあたっては、特定の図は例示的なもので、本発明の好ましい実施形態を説明するためのものであり、本発明の原理と概念の説明に最も役立ち最も理解しやすいものとして提供されるということを知ってほしい。そのために、本発明の構造の詳細を本発明の初歩的な理解以上に詳しく示していない。図面を参照する説明から当業者は本発明のいくつかの態様が実際にどのようなものであるかを知ることができる。
図1】従来技術のメカニカルドリルの概略構造図である。
図2】本発明の一実施例のパッケージ基板を製造するための載置板100の概略断面図である。
図3】本発明の一実施例のパッケージ基板構造200の概略断面図である。
図4-1】図4(a)-(d)本発明の一実施案のパッケージ基板構造200の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す。
図4-2】図4(e)-(h)本発明の一実施案のパッケージ基板構造200の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す。
図4-3】図4(i)-(j)本発明の一実施案のパッケージ基板構造200の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
電子技術の発展と進歩につれて、電子製品の軽薄短小化が進み、それにより、電子製品のパッケージ構造も高集積化、小型化に進むように促進され、電子部品や回線基板の回線がますます集積化、小型化、多機能化になっている。部品キャリアとしての基板の層数の増加、及び、回線幅、回線間隔及びビアホール/ピラーの減少がさらに引き起こされ、また、高周波信号の伝送及び伝送信号の完全性に対する要求の、層間の導電性に対する要求もますます高くなり、層間に使用される中実の銅ピラーが良好な電気的性能及び優れた信頼性を有する。
【0023】
従来技術でコア層の中実銅ピラーを製造する際に、メカニカルドリルを用いてブラインドドリル加工を行った後に、穴埋め電気めっきを行い、メカニカルドリルの構造は図1に示すように、メカニカルドリルのドリルビットに先端角があり、ブラインドドリル加工を行った後に形成される機械的ブラインドビアの底部にStubがあるため、銅ピラーの製造に影響を与え、それにより、層と層との間の接続導通が不良になる。かつ、Stubの長さは、メカニカルドリル作業部分の長さから切削部分の長さを引いた長さである。また、機械的ブラインドビアの穴径のアスペクト比が大きいため、穴埋め電気めっきを行った後に得られる銅ピラーは、品質が劣る。
【0024】
本発明は、当該問題を解決するために、パッケージ基板を製造するための載置板を提供し、誘電体層と、誘電体層内にあるシード層と、シード層上にある銅ピラー層とを含み、シード層の底端は誘電体層の下面より高く、銅ピラー層の頂端は誘電体層の上面より低く、誘電体層の下面に第1金属層が設置され、誘電体層の上面に第2金属層が設置されている。
【0025】
本発明は、事前に誘電体層内に銅ピラー層を製造し、かつ、それぞれ銅ピラー層と連通する上ビアピラー及び下ビアピラーを製造することにより、ビアピラーの縦方向の高さを短くし、ビアピラーの穴径のアスペクト比を低減し、穴埋め電気めっきを行った後に得られるビアピラーの品質を向上させ、製造されたビアピラー及び銅ピラーが良好な電気的性能及び優れた信頼性を有するようにする。
【0026】
図2を参照すると、パッケージ基板を製造するための載置板100の概略断面図を示す。載置板100は、縦方向に沿って排列された第1誘電体層101及び第2誘電体層102を含み、第1誘電体層101及び第2誘電体層102は共に載置板100の誘電体層を構成する。
【0027】
第1誘電体層101の上面と第2誘電体層102の下面とは密着し、第2誘電体層102内にシード層1021が設置され、シード層1021上に銅ピラー層1022が設置され、シード層1021の下面は第2誘電体層102の下面と面一であり、銅ピラー層1022の頂端は第2誘電体層102の上面より低く、第1誘電体層101の下面に第1金属層1011が設置され、第2誘電体層102の上面に第2金属層1023が設置されている。
【0028】
通常、銅ピラー層1022には、断面の寸法が同じであっても異なってもよい銅ピラーが複数含まれ得る。好ましくは、銅ピラー層1022は、上下の寸法が均一であり、埋め込みパッケージ構造の放熱及び信号伝送の安定性がより優れている。
【0029】
通常、第1誘電体層101内にシード層1021を露出する第1ビアホール1012が設置されてもよく、第1ビアホール1012は第1金属層1011を貫通する。第2誘電体層102内に銅ピラー層1022の頂端を露出する第2ビアホール1024が設置されてもよく、第2ビアホール1024は第2金属層1023を貫通する。
【0030】
選択可能に、第1金属層1011及び第2金属層1023は、厚さが同じであっても、類似してもよい。
【0031】
図3を参照すると、パッケージ基板構造200の概略断面図を示す。パッケージ基板構造200には、縦方向に沿って排列された第1誘電体層101及び第2誘電体層102が含まれ、第1誘電体層101の上面と第2誘電体層102の下面とは密着する。
【0032】
第2誘電体層102内にシード層1021が設置され、シード層1021上に銅ピラー層1022が設置され、銅ピラー層1022上に第2ビアピラー層1025が設置されており、シード層1021の下面は第2誘電体層102の下面と面一である。
【0033】
第1誘電体層101内に第1ビアピラー層1013が設置されており、第1ビアピラー層1013はシード層1021と連通し、第1誘電体層101の下面に第1配線層1014が設置され、第2誘電体層102の上面に第2配線層1026が設置され、第1配線層1014と第2配線層1026とは、第1ビアピラー層1013、銅ピラー層1022及び第2ビアピラー層1025を介して導通接続される。単一のビアピラーを用いて配線層を導通させる従来方法の代わりに、第1ビアピラー層1013、銅ピラー層1022及び第2ビアピラー層1025の協働で第1配線層1014と第2配線層1026とを導通接続し、ビアピラーの縦方向の高さを効果的に短くし、ビアピラーの穴径のアスペクト比を低減し、ビアピラーの品質を向上させることができる。
【0034】
選択可能に、第1誘電体層101と第2誘電体層102とは、同じであっても異なってもよい。
【0035】
通常、銅ピラー層1022には、少なくとも1つの銅ピラーが含まれ、好ましくは、銅ピラー層1022には、断面寸法が同じであっても異なってもよい銅ピラーが複数含まれる。銅ピラー層1022は、上下の寸法が均一であり、埋め込みパッケージ構造の放熱及び信号伝送の安定性がより優れている。
【0036】
図3を参照すると、パッケージ基板構造200は、さらに、第1配線層1014上にある第3誘電体層103を含み、第3誘電体層103内に第3ビアピラー層1031が設置され、第3誘電体層の下面に第3配線層1032が設置されており、第1配線層1014と第3配線層1032とは、第3ビアピラー層1031を介して導通接続される。
【0037】
第2配線層1026上に第4誘電体層104がさらに設置され、第4誘電体層104内に第4ビアピラー層1041が設置され、第4誘電体層104の上面に第4配線層1042が設置され、第2配線層1026と第4配線層1042とは第4ビアピラー層1041を介して導通接続される。
【0038】
通常、ビアピラー層には、少なくとも1つのビアピラーが含まれ得、好ましくは、ビアピラー層には、断面寸法が同じであっても異なってもよい導通銅ピラーが複数含まれる。
【0039】
図3を参照すると、パッケージ基板構造200は、第3配線層1032外にある第1ソルダーレジスト層105をさらに含み、第1ソルダーレジスト層105内に第1ソルダーレジスト開口1051が設置されている。第4配線層1042外に第2ソルダーレジスト層106が設置され、第2ソルダーレジスト層106内に第2ソルダーレジスト開口1061が設置されている。
【0040】
図4(a)~4(j)を参照すると、本発明の一実施案のパッケージ基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す。
【0041】
前記製造方法は次のステップ(a)~ステップ(j)を含む。第1誘電体層101を用意し、第1誘電体層101の上面と下面に第1金属層1011をそれぞれ形成するステップ(a)であり、図4(a)に示すとおりである。
【0042】
通常、誘電体材料を積層して誘電体層を形成することができ、誘電体層は、PP、ABF又はPIDから選ばれ得、PPが好ましい。第1誘電体層101の上面と下面に銅箔をそれぞれ塗布する方式で第1金属層1011を形成することができ、具体的に限定しないが、好ましくは第1金属層1011に銅が含まれる。
【0043】
次に、第1誘電体層101の上面の第1金属層1011に第1フォトレジスト層を塗布し、露光現像させて第1特徴パターンを形成し、第1特徴パターンに銅めっきして銅ピラー層1022を形成し、第1フォトレジスト層を除去し、第1誘電体層101の上面に露出している第1金属層1011をエッチングして、銅ピラー層1022の底端に相当するシード層1021を形成するステップ(b)であり、図4(b)に示すとおりである。
【0044】
その後、銅ピラー層1022上に第2誘電体層102を形成し、第2誘電体層102の下面と第1誘電体層101の上面とは密着し、銅ピラー層1022の頂端は第2誘電体層102の上面より低く、第2誘電体層102の上面に第2金属層1023を形成するステップ(c)であり、図4(c)に示すとおりである。
【0045】
銅ピラー層1022の頂端は、第2誘電体層102の上面より遥かに低く、誘電体層の積層による銅ピラーの損傷を低減することができる。
【0046】
通常、銅箔を塗布する方式により第2金属層1023を形成することができ、具体的に限定しない。
【0047】
次に、シード層1021を露出する第1ビアホール1012を第1誘電体層101内に形成し、第1ビアホール1012は第1金属層1011を貫通し、銅ピラー層1022の頂端を露出する第2ビアホール1024を第2誘電体層102内に形成し、第2ビアホール1024は第2金属層1023を貫通し、第2ビアホール1024及び第1ビアホール1012は銅ピラー層1022の頂端及び底端をそれぞれ露出するステップ(d)であり、図4(d)に示すとおりである。
【0048】
通常、レーザー穴開けの方式によりビアホールを形成できる。
【0049】
その後、第1ビアホール1012を電気めっきして第1ビアピラー層1013を形成し、第2ビアホール1024を電気めっきして第2ビアピラー層1025を形成し、かつ、第1誘電体層101の下面にある第1金属層1011と第2金属層1023とは、第1ビアピラー層1013、銅ピラー層1022及び第2ビアピラー層1025を介して導通接続されるステップ(e)であり、図4(e)に示すとおりである。
【0050】
次に、第1金属層1011及び第2金属層1023上に第2フォトレジスト層及び第3フォトレジスト層をそれぞれ塗布し、それぞれ露光現像させて第2特徴パターン及び第3特徴パターンを形成し、第2特徴パターン及び第3特徴パターン中で露出している第1金属層1011及び第2金属層1023をそれぞれエッチングし、第1配線層1014及び第2配線層1026を形成し、第2フォトレジスト層及び第3フォトレジスト層を除去するステップ(f)であり、図4(f)に示すとおりである。
【0051】
その後、第1配線層1014上に第3誘電体層103を形成し、第2配線層1026上に第4誘電体層104を形成し、第3誘電体層103上に第3金属層1033を形成し、第4誘電体層104上に第4金属層1043を形成するステップ(g)であり、図4(g)に示すとおりである。
【0052】
次に、第1配線層1014を露出する第3ビアホール1034を第3誘電体層103内に形成し、第3ビアホール1034は第3金属層1033を貫通し、第2配線層1026を露出する第4ビアホール1044を第4配線層104内に形成し、第4ビアホール1044は第4金属層1043を貫通し、第3ビアホール1034及び第4ビアホール1044をそれぞれ電気めっきして、第3ビアピラー層1031及び第4ビアピラー層1041を形成し、第1配線層1014と第3金属層1033とは、第3ビアピラー層1031を介して導通接続され、第2配線層1026と第4金属層1043とは第4ビアピラー層1041を介して導通接続されるステップ(h)であり、図4(h)に示すとおりである。
【0053】
その後、第3金属層1033及び第4金属層1043上に第4フォトレジスト層及び第5フォトレジスト層をそれぞれ塗布し、それぞれ露光現像させて第4特徴パターン及び第5特徴パターンを形成し、第4特徴パターン及び第5特徴パターン中で露出している第3金属層1033及び第4金属層1043をそれぞれエッチングして、第3配線層1032及び第4配線層1042を形成し、第4フォトレジスト層及び第5フォトレジスト層を除去し、かつ、第1配線層1014と第3配線層1032とは第3ビアピラー層1031を介して導通接続され、第2配線層1026と第4配線層1042とは第4ビアピラー層1041を介して導通接続されるステップ(i)であり、図4(i)に示すとおりである。
【0054】
最後に、第1ソルダーレジスト層105を第3配線層1032外に形成し、第2ソルダーレジスト層106を第4配線層1042外に形成し、第1ソルダーレジスト開口1051及び第2ソルダーレジスト開口1061を第1ソルダーレジスト層105及び第2ソルダーレジスト層106内にそれぞれ形成し、パッケージ基板構造200を形成するステップ(j)であり、図4(j)に示すとおりである。
【0055】
当業者は、本発明が上記の各図面とその説明内容に限定されないことを理解できるだろう。また、本発明の範囲は特許請求の範囲から限定され、上述した各技術特徴の組み合わせとサブ組み合わせ及びその変化と改善を含み、当業者が上記の説明を読み終えるとこのような組み合わせ、変化と改善に思いつくことができるだろう。
【0056】
特許請求の範囲において、用語「含む」、及び似たような用語、例えば「備える」、「有する」などは列挙された要素を含み、ただし他の要素を排除しないことを意味する。
【符号の説明】
【0057】
100:パッケージ基板を製造するための載置板
101:第1誘電体層
1011:第1金属層
1012:第1ビアホール
1013:第1ビアピラー層
1014:第1配線層
102:第2誘電体層
1021:シード層
1022:銅ピラー層
1023:第2金属層
1024:第2ビアホール
1025:第2ビアピラー層
1026:第2配線層
103:第3誘電体層
1031:第3ビアピラー層
1032:第3配線層
1033:第3金属層
1034:第3ビアホール
104:第4誘電体層
1041:第4ビアピラー層
1042:第4配線層
1043:第4金属層
1044:第4ビアホール
105:第1ソルダーレジスト層
1051:第1ソルダーレジスト開口
106:第2ソルダーレジスト層
1061:第2ソルダーレジスト開口
200:パッケージ基板構造
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】