(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9536 20190101AFI20240131BHJP
G06Q 30/0251 20230101ALI20240131BHJP
【FI】
G06F16/9536
G06Q30/0251
(21)【出願番号】P 2021134776
(22)【出願日】2021-08-20
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】田口 拓明
(72)【発明者】
【氏名】山口 修司
(72)【発明者】
【氏名】日暮 立
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0004543(US,A1)
【文献】米国特許第10282757(US,B1)
【文献】特開2017-151867(JP,A)
【文献】特開2014-182437(JP,A)
【文献】特開2006-065734(JP,A)
【文献】特表2016-534455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 30/0241-30/0273
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得する取得部と、
利用者がオプトアウトの意思表示を示したコンテンツの分野に関係する利用者の特定の特徴を有するダミー利用者の前記利用者情報と、
ダミー利用者の前記行動情報と、を準備する準備部と、
ダミー利用者を含む利用者の前記利用者情報と前記行動情報と
を、利用者
の特定の特徴についての指標を出力する複数のモデル
に入力して、モデルごとに
ダミー利用者を含む利用者の特定の特徴についての指標を算出する算出部と、
前記複数のモデルがモデルごとに出力した前記指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信する配信部と、
前記ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析する解析部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記準備部は、前記取得部が取得した前記利用者情報と前記行動情報との中から特定の特徴についての指標が任意の範囲の値の利用者の前記利用者情報と、前記行動情報とを集めることで前記ダミー利用者の前記利用者情報と、前記行動情報と、を準備する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析して、前記ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツを配信した配信元を特定する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記解析部が特定した前記配信元からのコンテンツ配信を停止する停止部と、をさらに備える、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記配信元から前記ダミー利用者へのコンテンツ配信の理由となる前記ダミー利用者の属性又は行動を分析する分析部と、をさらに備える、
請求項3又は請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得するステップと、
利用者がオプトアウトの意思表示を示したコンテンツの分野に関係する利用者の特定の特徴を有するダミー利用者の前記利用者情報と、
ダミー利用者の前記行動情報と、を準備するステップと、
ダミー利用者を含む利用者の前記利用者情報と前記行動情報と
を、利用者
の特定の特徴についての指標を出力する複数のモデル
に入力して、モデルごとに
ダミー利用者を含む利用者の特定の特徴についての指標を算出するステップと、
前記複数のモデルがモデルごとに出力した前記指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信するステップと、
前記ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得するステップと、
利用者がオプトアウトの意思表示を示したコンテンツの分野に関係する利用者の特定の特徴を有するダミー利用者の前記利用者情報と、
ダミー利用者の前記行動情報と、を準備するステップと、
ダミー利用者を含む利用者の前記利用者情報と前記行動情報と
を、利用者
の特定の特徴についての指標を出力する複数のモデル
に入力して、モデルごとに
ダミー利用者を含む利用者の特定の特徴についての指標を算出するステップと、
前記複数のモデルがモデルごとに出力した前記指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信するステップと、
前記ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを用いた情報サービスの飛躍的な普及に伴い、ネットワークを介して取得される情報に基づいた情報配信が盛んに行われている。例えば、特許文献1に記載のように情報の配信先となる利用者の属性を示す属性情報を配信先情報として予め登録しておき、配信先となる利用者の属性情報と対応する広告を選択的に配信するターゲティング配信が行われている。
【0003】
しかしながら、このようなターゲティング配信を不快に感じる利用者が存在し、そのような利用者はターゲティング配信を行う情報サービス事業者にオプトアウトなどの意思表示を行っている。情報サービス事業者は、利用者からオプトアウトの意思表示を受け取ったとしても、ターゲティング配信のモデルが複数存在した場合、どのモデルから配信されているかを特定することが困難であった。また、情報サービス事業者は、複数のモデルからターゲティング配信された場合、利用者がオプトアウトの意思表示を行った原因を考察し、ターゲティング配信のモデルの改良に役立てることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は上記の課題を鑑み、複数のモデルでターゲティング配信されるコンテンツを解析することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得する取得部と、利用者がオプトアウトの意思表示を示したコンテンツの分野に関係する利用者の特定の特徴を有するダミー利用者の前記利用者情報と、ダミー利用者の前記行動情報と、を準備する準備部と、ダミー利用者を含む利用者の前記利用者情報と前記行動情報とを、利用者の特定の特徴についての指標を出力する複数のモデルに入力して、モデルごとにダミー利用者を含む利用者の特定の特徴についての指標を算出する算出部と、前記複数のモデルがモデルごとに出力した前記指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信する配信部と、前記ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析する解析部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、複数のモデルでターゲティング配信されるコンテンツを解析することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
(実施形態)
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100により実行される例を示す。
【0011】
図1では、情報処理装置100が複数の利用者端末200から利用者情報と行動情報とを取得し、ダミー利用者の利用者情報と行動情報とを準備し、モデルごとに利用者の特定の特徴についての指標を算出するモデルに対してダミー利用者を含む利用者の利用者情報と行動情報とを入力して指標を算出し、算出された指標に基づいてコンテンツを配信する利用者を選定し、選定された利用者に対してコンテンツを配信し、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析する例を示している。以下、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例についてステップごとに説明する。
【0012】
まず、情報処理装置100は、事業者端末300から事業者が入力したコンテンツと、要求情報とを受け付ける(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、事業者端末300から事業者M1が特定の特徴を有する利用者に対して配信することを目的として入力したコンテンツを受け付ける。また、情報処理装置100は、事業者端末300から事業者M1のコンテンツ配信についての要求情報を受け付ける。ここで、要求情報とは、例えば、事業者がコンテンツ配信を希望する利用者の「特定の特徴」などを示す情報であってよい。
【0013】
次に、情報処理装置100は、複数の利用者端末200から利用者情報と、行動情報と、を取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、
図1に示すように、利用者U1からU6の利用者端末200Aから200Fまでから、利用者情報と、行動情報と、を取得する。なお、
図1に示す利用者U1からU6、及び利用者端末200Aから200Fは例示であって、情報処理装置100は、これ以上の数の利用者の利用者端末200から利用者情報と、行動情報と、を取得してよい。
【0014】
次に、情報処理装置100は、利用者の利用者端末200からオプトアウトの意思表示情報を受け付ける(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、
図1に示すように、利用者U6の利用者端末200Fから利用者U6のオプトアウトの意思表示情報を受け付ける。なお、ここで、オプトアウトの意思表示情報とは、利用者のターゲティング配信に対する配信停止の意思表示を示す情報であって、例えば、利用者が配信停止を希望する「コンテンツの分野」を示す情報などが含まれる情報であってよい。
【0015】
次に、情報処理装置100は、ダミー利用者の利用者情報と行動情報とを準備する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、ダミー利用者の「利用者ID」や「生年月日」などの利用者情報を生成して、利用者U6のオプトアウトの意思表示情報に含まれる「コンテンツの分野」に基づいて、指定された「コンテンツの分野」に関係するダミー利用者の行動情報を準備する。例えば、情報処理装置100は、行動情報に含まれる「閲覧履歴」として、「コンテンツの分野」に関係するダイレクトメールに貼り付けられたURL(Uniform Resource Locator)のクリック履歴や、「コンテンツの分野」に関係するバーナー広告のクリック履歴などを準備してよい。
【0016】
次に、情報処理装置100は、複数のモデルを用いてモデルごとにダミー利用者を含む利用者の特定の特徴についての指標を算出し、モデルごとにコンテンツの配信対象となる利用者を選定する(ステップS5)。例えば、
図1に示すように、情報処理装置100は、ダミー利用者を含む利用者の利用者情報と、行動情報とを、利用者の特定の特徴についての指標を算出するモデル1に入力して、モデルごとに特定の特徴についての指標を算出する。
図1では、モデル1によって、利用者IDが「UID#DM」のダミー利用者の指標1が0.8、利用者IDが「UID#1」の利用者の指標1が0.3、利用者IDが「UID#2」の利用者の指標1が0.8、利用者IDが「UID#3」の利用者の指標1が0.6と算出されたことを示している。次に、情報処理装置100は、算出された指標に基づいてモデルごとにコンテンツの配信対象を選定する。
図1では、モデル1によって、例えば、指標1が0.6以上である利用者ID「UID#DM」、「UID#2」、「UID#3」の利用者が、モデル1が選定した配信対象を示す配信対象1に選定されたことが示している。情報処理装置100は、その他のモデルについても同様の処理を実行する。
【0017】
次に、情報処理装置100は、モデルごとに配信対象に選定された利用者に対して、モデルごとにコンテンツを配信する(ステップS6)。例えば、情報処理装置100は、
図1に示すように、モデル1によってコンテンツの配信対象に選定された利用者ID「UID#DM」、「UID#2」、「UID#3」の利用者に対してコンテンツを配信する。情報処理装置100は、その他のモデルでコンテンツの配信対象に選定された利用者についても、同様にモデルごとにコンテンツを配信する。
【0018】
次に、情報処理装置100は、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析する(ステップS7)。例えば、情報処理装置100は、ダミー利用者のアカウントに配信されたコンテンツの数や、コンテンツの配信元、コンテンツのデータ形式、同種の内容のコンテンツの受信頻度、コンテンツの内容、ダミー利用者の属性や行動とコンテンツの内容の適合度などを解析する。情報処理装置100は、これらの解析結果をグラフ化して報告書の形式に纏めてもよい。
【0019】
これにより、情報処理装置100は、利用者の特定の特徴に基づいてターゲティング配信されるコンテンツに対して、利用者からオプトアウトの意思表示があった場合に、オプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係する利用者の特定の特徴に基づいて配信されたコンテンツを解析することが可能となる。したがって、ターゲティング配信を行う事業者は解析結果に基づいて、利用者のオプトアウトの原因を考察することができる。
【0020】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例1(学習データのつくりかた)〕
情報処理装置100は、取得した利用者情報と行動情報との中から特定の特徴についての指標が任意の範囲の値の利用者の利用者情報と、行動情報とを集めることでダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を準備する。
【0021】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS3と同じ処理を実行する。ステップS1からS3までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0022】
次に、情報処理装置100は、複数のモデルを用いて利用者の特定の特徴についての指標を算出する。なお、情報処理装置100が指標を算出する特定の特徴は、利用者がオプトアウトの意思表示を示した「コンテンツの分野」に関係する特定の特徴についてである。
【0023】
次に、情報処理装置100は、算出された特定の特徴についての指標が任意の範囲の値の利用者の利用者情報と、行動情報とを抽出する。例えば、情報処理装置100は、特定の特徴についての指標が0.5以上0.8以下の範囲に含まれる利用者の利用者情報と、行動情報とを抽出する。情報処理装置100は、抽出した利用者情報と、行動情報とに対して、所定の加工処理、例えば、利用者情報に含まれる「利用者ID」をダミー利用者のIDに書き換えることや、行動情報に含まれる「利用者ID」をダミー利用者のIDに書き換えるなどの処理を行う。そして、情報処理装置100は、これらの処理が施された利用者情報と、行動情報とを、ダミー利用者の利用者情報と、行動情報として準備する。
【0024】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS5からS7までの処理を実行する。すなわち、本情報処理においては、特定の特徴についての指標を算出するモデルに入力するダミー利用者の利用者情報と、行動情報は、前述したように、特定の特徴についての指標が任意の範囲の値の利用者の利用者情報と行動情報とを集めて、所定の加工処理を行ったものである。ダミー利用者の利用者情報と、行動情報との準備の処理が異なる以外は、ステップS5からS7までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0025】
これにより、情報処理装置100は、ダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を改めて準備することなく、既に取得済みの利用者情報と、行動情報とに基づいて容易に準備することが可能となる。また、特定の特徴についての指標が、極端に高い値や極端に低い値の利用者の利用者情報と、行動情報とをダミー利用者の利用者情報と行動情報として用いないことによって、特定の特徴についての指標が極端な値に算出されるダミー利用者を生成することを防ぐことができる。その為、現実に即したコンテンツ配信のシミュレーションを行うことが可能となる。
【0026】
〔1-3.実施形態に係る情報処理の他の例2(配信元を特定する)〕
情報処理装置100は、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析して、ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツを配信した配信元を特定する。
【0027】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS6までと同じ処理を実行する。ステップS1からS6までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0028】
次に、情報処理装置100は、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析して、ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツを配信した配信元を特定する。例えば、情報処理装置100は、コンテンツの配信元のメールアドレスを確認することによって、コンテンツの配信元のモデルを特定してよい。
【0029】
これにより、情報処理装置100は、ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツを配信したモデルを特定することが可能となる。その為、情報サービス事業者は、ターゲティング配信するモデルが複数存在する場合に、利用者からオプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係する特定の特徴に基づいてコンテンツを配信したモデルを特定することが可能となる。
【0030】
〔1-4.実施形態に係る情報処理の他の例3(特定された配信元の配信を停止)〕
情報処理装置100は、特定した配信元からのコンテンツ配信を停止する。
【0031】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS7までと同じ処理を実行する。ステップS1からS7までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。なお、本情報処理においては、ステップS7において、タミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析して、ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツ配信した配信元のモデルを特定することが前述したステップS7の処理と異なる点であり、それ以外は前述したステップS7の処理と同じである。
【0032】
次に、情報処理装置100は、特定された配信元のモデルからオプトアウトの意思表示があった利用者へのコンテンツ配信を停止する。例えば、情報処理装置100は、モデル1がオプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係するダミー利用者の特定の特徴に基づいてダミー利用者にコンテンツ配信した配信元のモデルであると特定した場合、モデル1からオプトアウトの意思表示があった利用者へのコンテンツ配信を停止する。なお、情報処理装置100は、ダミー利用者の特徴に基づいてコンテンツ配信したモデルを複数特定した場合は、特定した全てのモデルからオプトアウトの意思表示があった利用者へのコンテンツ配信を停止する。
【0033】
これにより、情報処理装置100は、利用者からオプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係するコンテンツを配信するモデルを特定し、特定されたモデルからオプトアウトの意思表示があった利用者へのコンテンツ配信を停止することができる。したがって、複数のターゲティング配信のモデルがあった場合であっても、オプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係するコンテンツのオプトアウトの意思表示があった利用者への配信を漏れなく停止することが可能となる。
【0034】
〔1-5.実施形態に係る情報処理の他の例4(コンテンツ配信の理由を分析)〕
情報処理装置100は、配信元からダミー利用者へのコンテンツ配信の理由となるダミー利用者の属性又は行動を分析する。
【0035】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS7までと同じ処理を実行する。ステップS1からS7までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。なお、本情報処理においては、ステップS7において、タミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析して、ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツ配信した配信元のモデルを特定することが前述したステップS7の処理と異なる点であり、それ以外は前述したステップS7の処理と同じである。
【0036】
次に、情報処理装置100は、特定された配信元からダミー利用者へのコンテンツ配信の理由となるダミー利用者の属性又は行動を分析する。例えば、情報処理装置100は、コンテンツの配信元として特定されたモデルごとに、ダミー利用者の利用者情報と行動情報の中から、特定の特徴についての指標への感度が大きい利用者情報と行動情報を特定する。例えば、ある一つの行動情報を除いた場合の指標と、全ての行動情報を用いた場合の指標とを比較することで、除かれた行動情報の指標への影響の大きさの程度、すなわち感度の大きさの程度を分析する。また、利用者情報に含まれる「生年月日」や「職業」などの属性についても同様に、その属性を除いた場合の指標と、加えた場合の指標とを比較することで、指標への影響の大きさの程度、すなわち感度の大きさの程度を分析する。情報処理装置100は、例えば、ダミー利用者の利用者情報と行動情報に含まれる一つの情報単位ごとに指標に対する感度を算出して、ダミー利用者の全ての利用者情報と行動情報に対して、指標に対する感度表を作成してもよい。
【0037】
これにより、情報処理装置100は、利用者からオプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係するコンテンツ配信を行うモデルを特定し、特定されたモデルごとにターゲティング配信の決め手となる利用者の属性や行動について分析することが可能となる。したがって、ターゲティング配信のモデルの改良に役立つモデルについての分析情報を提供することが可能となる。
【0038】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300と、を含む。なお、
図2に示した情報処理システム1は、複数台の情報処理装置100や、複数台の利用者端末200や、複数台の事業者端末300が含まれ構成されていてもよい。情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300と、は所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。
【0039】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、利用者端末200と、事業者端末300と、からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0040】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0041】
事業者端末300は、事業者が利用する情報処理装置である。事業者端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、事業者端末300がノート型PCである場合を示している。
【0042】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。なお、
図3に図示はしていないが、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0043】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200と、事業者端末300と、の間で情報の送受信を行う。
【0044】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、行動情報記憶部122と、モデル記憶部123と、コンテンツ記憶部124と、を有する。
【0045】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する情報、すなわち、利用者情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、利用者情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0046】
図4に示す例において、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」、という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0047】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「生年月日」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の生年月日に関する情報である。「性別」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の性別に関する情報である。「職業」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の職業に関する情報である。
【0048】
すなわち、
図4においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の生年月日が「生年月日#U1」であり、性別が「女性」であり、職業が「職業#U1」であることを示している。
【0049】
なお、利用者情報記憶部121に記憶される情報は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者に関係する情報が記憶されてよい。
【0050】
(行動情報記憶部122について)
行動情報記憶部122は、利用者の行動を示す情報、すなわち、行動情報を記憶する。行動情報とは、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。ここで、
図5を用いて、行動情報記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0051】
図5に示す例において、行動情報記憶部122は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0052】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者が検索に使用した検索クエリと入力時刻とを含む情報である。「閲覧履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の閲覧サイトと閲覧時刻とを含む情報である。「購入履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者のインターネット通信販売サイトや所定のサービス契約サイトなどにおける購入商品、又は購入サービスと購入時刻とを含む情報である。「路線検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の路線検索結果と検索時刻とを含む情報である。「掲示板投稿履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の掲示板投稿と投稿時刻とを含む情報である。
【0053】
すなわち、
図5においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の検索履歴が「検索履歴#U1」であり、利用者の閲覧履歴が「閲覧履歴#U1」であり、購入履歴が「購入履歴#U1」であり、路線検索履歴が「路線検索履歴#U1」であり、掲示板投稿履歴が「掲示板投稿履歴#U1」であることを示している。
【0054】
なお、行動情報記憶部122に記憶される情報は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者の行動に関係する情報が記憶されてよい。
【0055】
(モデル記憶部123について)
モデル記憶部123は、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させて、利用者情報と行動情報とを入力すると特定の特徴についての指標を算出する複数のモデルを記憶する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0056】
図6に示す例において、モデル記憶部123は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0057】
「モデルID」は、機械学習モデルを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「モデルデータ」は、機械学習モデルのモデルデータを示す。例えば、「モデルデータ」には、利用者情報と行動情報とを入力すると、特定の特徴についての指標を算出するモデルの為のデータが記憶される。なお、機械学習モデルは、ニューラルネットワークなどであってよい。
【0058】
すなわち、
図6において、モデルID「M#1」で識別されるモデルは、機械学習モデルM#1を示し、モデルデルデータ「MDT#1」は、機械学習モデルM#1のモデルデータを示している。
【0059】
ここで、機械学習モデルM#1がニューラルネットワークである場合は、モデルデータ「MDT#1」には、例えば、ニューラルネットワークを構成する複数の層のそれぞれに含まれるノードが互いにどのように結合するかという結合情報や、結合されたノード間で入出力される数値に掛け合わされる結合係数などの機械学習モデルの為の各種情報が含まれる。
【0060】
なお、モデル記憶部123は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意の機械学習モデルに関係する情報が記憶されてよい。
【0061】
(コンテンツ記憶部124について)
コンテンツ記憶部124は、事業者端末300から受け付けた事業者が入力したコンテンツを記憶する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0062】
図7に示す例において、コンテンツ記憶部124は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「特定の特徴」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0063】
「事業者ID」は、事業者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツID」は、事業者から受け付けたコンテンツを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツデータ」は、事業者が配信を希望するコンテンツのデータである。「特定の特徴」は、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の選定基準となる利用者の特徴を示す情報である。
【0064】
すなわち、
図7においては、事業者ID「M1」が示す事業者から、コンテンツID「CT#1」によって識別されるコンテンツとして、コンテンツデータ「CD#1」が示すコンテンツデータが、特定の特徴「FT#1」が示す利用者の特徴を指定して事業者端末300に入力され、情報処理装置100の受付部132が受け付けてコンテンツ記憶部124に記憶されていることを示している。
【0065】
なお、コンテンツ記憶部124は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「特定の特徴」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のコンテンツに関係する情報が記憶されてよい。
【0066】
(制御部130について)
次に
図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0067】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、受付部132と、算出部133と、準備部134と、配信部135と、解析部136と、停止部137と、分析部138と、を有する。
【0068】
(取得部131について)
取得部131は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得する。ここで、利用者情報は、利用者に関する情報であって、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する情報である。また、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。
【0069】
取得部131は、利用者情報を取得したら、取得した利用者情報を利用者情報記憶部121に記憶する。取得部131は、行動情報を取得したら、取得した行動情報を行動情報記憶部122に記憶する。なお、取得部131は、所定日時ごとに利用者情報と、行動情報とのうちのいずれか一方又は両方を取得してもよいし、利用者が情報処理装置100にアクセスする度に利用者情報と、行動情報とのうちのいずれか一方又は両方を取得してもよい。
【0070】
また、取得部131が利用者情報と行動情報とを取得する取得元は、利用者端末200に限定されるものではなく、その他の検索サービスや、ショッピングサービス、決済サービス、路線検索サービス、地図提供サービス、旅行サービス、飲食店紹介サービス、天気予報サービス、スケジュール管理サービス、ニュース提供サービス、オークションサービス、動画コンテンツ配信サービス、金融取引(株取引等)サービスといった各種情報サービスを提供するサーバ装置から取得してもよいし、外部の記憶媒体から取得してもよい。
【0071】
(受付部132について)
受付部132は、事業者端末300から事業者が入力したコンテンツを受け付ける。受付部132は、事業者端末300からコンテンツを受け付けたら、受け付けたコンテンツをコンテンツ記憶部124に記憶する。
【0072】
また、受付部132は、事業者端末300から事業者が入力した要求情報を受け付ける。ここで、要求情報とは、事業者のコンテンツ配信の要求に関する情報であって、例えばコンテンツ配信の対象となる利用者の「特定の特徴」などを含む情報であってよい。
【0073】
また、受付部132は、利用者端末200から利用者が入力したオプトアウトの意思表示情報を受け付ける。ここで、オプトアウトの意思表示情報とは、利用者のターゲティング配信に対する停止の意思表示を示す情報であって、例えば、利用者が配信停止を希望するターゲティング配信される「コンテンツの分野」などを含む情報であってよい。
【0074】
(算出部133について)
算出部133は、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させて、特定の特徴についての指標を出力する複数のモデルを用いて複数のモデルごとに特定の特徴についての指標を算出する。なお、算出部133が指標の算出に使用するモデルは、モデル記憶部123から読み出して使用し、モデルごとに利用者の利用者情報と、行動情報とを入力し、利用者の特定の特徴についての指標を算出する。また、算出部133が利用者の特定の特徴についての指標の算出に使用するモデルの数は任意の数であってよい。
【0075】
(準備部134について)
準備部134は、特定の特徴を有するダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を準備する。例えば、準備部134は、ダミー利用者の「利用者ID」や「生年月日」などの利用者情報を生成することで、ダミー利用者の利用者情報を準備する、また、準備部134は、利用者のオプトアウトの意思表示情報に含まれる「コンテンツの分野」に関係するダミー利用者の行動情報を準備する。例えば、準備部134は、行動情報に含まれる「閲覧履歴」として、「コンテンツの分野」に関係するダイレクトメールに張り付けられたURL(Uniform Resource Locator)のクリック履歴や、「コンテンツの分野」に関係するバーナー広告のクリック履歴などをダミー利用者の行動情報として準備してよい。
【0076】
準備部134は、取得部131が取得した利用者情報と行動情報との中から特定の特徴についての指標が任意の範囲の値の利用者の利用者情報と、行動情報とを集めることでダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を準備する。例えば、準備部134は、算出部133が、利用者がオプトアウトの意思表示を示した「コンテンツの分野」に関係する特定の特徴について、複数のモデルを用いて指標を算出した結果に基づいて、指標が任意の範囲の値、例えば、0.5以上0.8以下の範囲の利用者の利用者情報と、行動情報とを抽出する。準備部134は、抽出した利用者情報と、行動情報に対して、所定の加工処理、例えば、利用者情報に含まれる「利用者ID」をダミー利用者のIDに書き換えることや、行動情報に含まれる「利用者ID」をダミー利用者のIDに書き換えるなどの処理を行う。そして、準備部134は、これらの処理が施された利用者情報と、行動情報とを、ダミー利用者の利用者情報と、行動情報として準備する。
【0077】
(配信部135について)
配信部135は、複数のモデルがモデルごとに出力した指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信する。例えば、算出部133が複数のモデルを用いて、ダミー利用者を含む全ての利用者について、指標1と、指標2と、指標3と、を算出したとする。この場合、配信部135は、ダミー利用者を含む全ての利用者の中から指標1が所定の値以上の利用者を配信対象1として選定し、ダミー利用者を含む全ての利用者の中から指標2が所定の値以上の利用者を配信対象2として選定し、ダミー利用者を含む全ての利用者の中から指標3が所定の値以上の利用者を配信対象3として選定する。すなわち、配信部135は、複数のモデルで重複して同じ利用者を配信対象として選定する場合もある。配信部135は、このような処理によって配信対象に選定にされた利用者にコンテンツを配信する。
【0078】
(解析部136について)
解析部136は、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析する。例えば、解析部136は、ダミー利用者のアカウントに配信されたコンテンツの数や、同種の内容のコンテンツの配信頻度、コンテンツのデータ形式、コンテンツの内容、ダミー利用者の属性や行動とコンテンツの内容の適合度などを解析する。また、解析部136は、これらの解析結果をグラフ化して報告書の形式に纏めてもよい。
【0079】
解析部136は、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析して、ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツを配信した配信元を特定する。例えば、解析部136は、コンテンツの配信元のメールアドレスを確認することによって、配信元のモデルを特定してよい。
【0080】
(停止部137について)
停止部137は、解析部136が特定した配信元からのコンテンツ配信を停止する。すなわち、停止部137は、解析部136が特定したダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツ配信した配信元のモデルからオプトアウトの意思表示があった利用者へのコンテンツ配信を停止する。なお、停止部137は、解析部136が特定したダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツ配信を行うモデルが複数存在する場合は、特定された全てのモデルからオプトアウトの意思表示があった利用者へのコンテンツ配信を停止する。
【0081】
(分析部138について)
分析部138は、配信元からダミー利用者へのコンテンツ配信の理由となるダミー利用者の属性又は行動を分析する。分析部138は、コンテンツの配信元として特定されたモデルごとに、ダミー利用者の利用者情報と行動情報の中から、特定の特徴についての指標への感度が大きい利用者情報と行動情報とを特定する。例えば、ある一つの行動情報を除いた場合の指標と、全ての行動情報を用いた場合の指標とを比較することで、除かれた行動情報の指標への影響の大きさの程度、すなわち感度の大きさの程度を分析する。また、利用者情報に含まれる「生年月日」や「職業」などの属性についても同様に、その属性を除いた場合の指標と、加えた場合の指標とを比較することで、指標への影響の大きさの程度、すなわち感度の大きさの程度を分析する。分析部138は、例えば、ダミー利用者の利用者情報と行動情報に含まれる一つの情報単位ごとに指標に対する感度を算出して、全ての利用者情報と行動情報に対して、指標に対する感度表を作成してもよい。
【0082】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。
図8は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図8に示すように、利用者端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、制御部240と、を有する。
【0083】
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0084】
入力部220は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部220は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部230)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部220は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0085】
出力部230は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部220がタッチパネルである場合は、出力部230である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであり、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0086】
制御部240は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部240は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0087】
図8に示すように、制御部240は、受付部241と、提供部242と、を有する。
【0088】
受付部241は、利用者からオプトアウトの意思表示情報を受け付ける。ここで、オプトアウトの意思表示情報とは、利用者のターゲティング配信に対する配信停止の意思表示を示す情報であって、配信停止を希望する「コンテンツの分野」を示す情報などが含まれる情報であってよい。例えば、利用者はロマンス映画についてのコンテンツの配信停止を希望する場合、「コンテンツの分野」にロマンス映画を指定して、オプトアウトの意思表示情報を利用者端末200の入力部220を介して受付部241に入力する。
【0089】
提供部242は、情報処理装置100から配信されたコンテンツを利用者に提供する。例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツが動画である場合は、出力部230に動画を出力させて配信されたコンテンツを利用者に提供する。また、例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツが音声である場合は、出力部230にコンテンツの音声を出力させることで、配信されたコンテンツを利用者に提供してよい。また、例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツがテキストデータである場合は、出力部230にテキストを表示させることで、配信されたコンテンツを利用者に提供してよい。
【0090】
〔5.事業者端末の構成〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係る事業者端末300の構成について説明する。
図9は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
図9に示すように、事業者端末300は、通信部310と、入力部320と、出力部330と、制御部340と、を有する。
【0091】
通信部310は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部310は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0092】
入力部320は、事業者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部320は、事業者端末300に接続されたキーボードやマウスから事業者の各種操作を受け付けてもよい。また、入力部320は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部330)を介して事業者から各種操作を受け付けてもよい。
【0093】
出力部330は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。なお、事業者端末300の入力部320が、タッチパネルを介して事業者から各種操作を受け付ける場合は、出力部330である表示画面により利用者の入力を受け付け、さらに利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであり、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0094】
制御部340は、例えば、CPUやMPU等によって、事業者端末300に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部340は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0095】
図9に示すように、制御部340は、受付部341を有する。
【0096】
受付部341は、事業者からコンテンツを受け付ける。コンテンツとは、例えば、事業者の商品やサービスを広告する文字、音声、静止画像、動画像などを含むデータであってよい。例えば、受付部341は、事業者から利用者の特定の特徴に対応付けてコンテンツを受け付ける。すなわち、受付部341は、事業者を識別する事業者IDと、コンテンツを示すデータと、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の「特定の特徴」とを事業者から受け付ける。
【0097】
また、受付部341は、事業者からコンテンツ配信についての要求情報を受け付ける。ここで、要求情報とは、例えば、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の「特定の特徴」、コンテンツの「配信頻度」などを示す情報であってよい。
【0098】
〔6.情報処理のフロー〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る情報処理装置100による情報処理の手順について説明する。
図10は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。例えば、情報処理装置100は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得する(ステップS101)。そして、情報処理装置100は、特定の特徴を有するダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を準備する(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、特定の特徴についての指標を出力する複数のモデルを用いて複数のモデルごとに指標を算出する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、複数のモデルがモデルごとに出力した指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信する(ステップS104)。そして、情報処理装置100は、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析する(ステップS105)。
【0099】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0100】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0101】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0102】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0103】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0104】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0105】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0106】
〔8.構成と効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得する取得部131と、特定の特徴を有するダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を準備する準備部134と、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させて、特定の特徴についての指標を出力する複数のモデルを用いてモデルごとに指標を算出する算出部133と、複数のモデルがモデルごとに出力した指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信する配信部135と、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析する解析部136と、を備える。
【0107】
この構成によれば、情報処理装置100は、利用者の特定の特徴に基づいてターゲティング配信されるコンテンツに対して、利用者からオプトアウトの意思表示があった場合に、オプトアウトの意思表示があった利用者の特定の特徴に基づいて配信されたコンテンツを解析することが可能となる。したがって、ターゲティング配信を行う事業者は解析結果に基づいて、利用者のオプトアウトの原因を考察することができる。
【0108】
また、本開示に係る情報処理装置100の準備部134は、取得部131が取得した利用者情報と行動情報との中から特定の特徴についての指標が任意の範囲の値の利用者の利用者情報と、行動情報とを集めることでダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を準備する。
【0109】
この構成によれば、情報処理装置100は、ダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を改めて準備することなく、既に取得済みの利用者情報と、行動情報とに基づいて容易に準備することが可能となる。また、特定の特徴についての指標が、極端に高い値や極端に低い値の利用者の利用者情報と、行動情報とを用いないことによって、特定の特徴についての指標が極端な値に算出されるダミー利用者を生成することを防ぐことができる。その為、現実に即したコンテンツ配信のシミュレーションを行うことが可能となる。
【0110】
また、本開示に係る情報処理装置100の解析部136は、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析して、ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツを配信した配信元を特定する。
【0111】
この構成によれば、情報処理装置100は、ダミー利用者の特定の特徴に基づいてコンテンツを配信したモデルを特定することが可能となる。その為、情報サービス事業者は、ターゲティング配信するモデルが複数存在する場合に、利用者からオプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係する特定の特徴に基づいてコンテンツを配信したモデルを特定することができる。
【0112】
また、本開示に係る情報処理装置100は、解析部136が特定した配信元からのコンテンツ配信を停止する停止部137と、をさらに備える。
【0113】
この構成によれば、情報処理装置100は、利用者からオプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係するコンテンツを配信するモデルを特定し、特定されたモデルからオプトアウトの意思表示があった利用者へのコンテンツ配信を停止することができる。したがって、情報サービス事業者は、複数のターゲティング配信のモデルがあった場合であっても、オプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係するコンテンツのオプトアウトの意思表示があった利用者への配信を漏れなく停止することが可能となる。
【0114】
また、本開示に係る情報処理装置100は、配信元からダミー利用者へのコンテンツ配信の理由となるダミー利用者の属性又は行動を分析する分析部138と、をさらに備える。
【0115】
この構成によれば、情報処理装置100は、利用者からオプトアウトの意思表示があった「コンテンツの分野」に関係するコンテンツ配信を行うモデルを特定し、特定されたモデルごとにターゲティング配信の決め手となる利用者の属性や行動について分析することが可能となる。したがって、ターゲティング配信のモデルの改良に役立つ分析情報を提供することが可能となる。
【0116】
本開示に係る情報処理方法は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得するステップと、特定の特徴を有するダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を準備するステップと、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させて、特定の特徴についての指標を出力する複数のモデルを用いて複数のモデルごとに指標を算出するステップと、複数のモデルがモデルごとに出力した指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信するステップと、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析するステップと、を含む。
【0117】
この構成の情報処理方法によれば、利用者の特定の特徴に基づいてターゲティング配信されるコンテンツに対して、利用者からオプトアウトの意思表示があった場合に、オプトアウトの意思表示があった利用者の特定の特徴に基づいて配信されたコンテンツを解析することが可能となる。したがって、ターゲティング配信を行う事業者は解析結果に基づいて、利用者のオプトアウトの原因を考察することができる。
【0118】
本開示に係る情報処理プログラムは、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得するステップと、特定の特徴を有するダミー利用者の利用者情報と、行動情報と、を準備するステップと、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させて、特定の特徴についての指標を出力する複数のモデルを用いて複数のモデルごとに指標を算出するステップと、複数のモデルがモデルごとに出力した指標に基づいて、特定の特徴を有する利用者に対してコンテンツを配信するステップと、ダミー利用者に対して配信されたコンテンツを解析するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0119】
この構成の情報処理プログラムによれば、利用者の特定の特徴に基づいてターゲティング配信されるコンテンツに対して、利用者からオプトアウトの意思表示があった場合に、オプトアウトの意思表示があった利用者の特定の特徴に基づいて配信されたコンテンツを解析することが可能となる。したがって、ターゲティング配信を行う事業者は解析結果に基づいて、利用者のオプトアウトの原因を考察することができる。
【0120】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0121】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部131は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0122】
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 行動情報記憶部
123 モデル記憶部
124 コンテンツ記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 算出部
134 準備部
135 配信部
136 解析部
137 停止部
138 分析部
200 利用者端末
300 事業者端末
N ネットワーク