(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】システム、コンピュータプログラム、およびリモート応援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240131BHJP
H04N 21/2187 20110101ALI20240131BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20240131BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04N21/2187
H04N21/431
(21)【出願番号】P 2021103351
(22)【出願日】2021-06-22
【審査請求日】2021-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】坪倉 淑恵
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/002642(WO,A1)
【文献】特表2004-504741(JP,A)
【文献】特開平11-025188(JP,A)
【文献】特開2020-160798(JP,A)
【文献】特開2016-139212(JP,A)
【文献】特開2003-114692(JP,A)
【文献】特表2004-530157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04N 21/2187
H04N 21/431
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータと応援装置とで構成され、コンピュータに、つぎの各ステップを実行
させるシステムであって、
設定ステップにおいて、1つの応援装置に対して1人のユーザを一対一で対応づけ、
前記応援装置は、現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させ、
前記出力ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、前記応援装置が備えるカメラの向き、前記カメラでの撮影対象物の拡大および縮小を調整する、
システム。
【請求項2】
前記出力ステップにおいて、
前記ユーザの操作に基づいて、音声を出力させ、かつ、
前記ユーザに対応づけられた前記応援装置と、他のユーザに対応づけられた前記応援装置と、の距離に応じて、前記音声の音量を調整する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記応援装置には、属性が設定されており、
前記属性によって、前記応援装置に対して前記ユーザを対応づけるために必要な対価が異なる、
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記応援装置は、前記イベント会場の座席に設置される、
請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記イベント会場は、スポーツを行う会場であって、
前記応援装置は、前記イベントに参加する選手が移動に用いる車両、選手が着席するベンチ、選手が使用するロッカールーム、および選手がプレイするフィールドの少なくともいずれか1つに設置される、
請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記イベント会場は、興行が行われる会場であって、
前記応援装置は、前記興行が行われるステージ、および/または、前記興行に参加する演者の控室に設置される、
請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
さらに、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行
させるシステムであって、
画像入力ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて画像および/またはテキストを設定し、
前記出力ステップにおいて、前記応援装置が備える表示部に前記ユーザが設定した画像および/またはテキストを表示させる、
請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
さらに、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行
させるシステムであって、
音声入力ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、音声を設定または入力し、
前記出力ステップにおいて、前記応援装置が備えるスピーカに、前記ユーザが設定または入力した音声を出力させる、
請求項1~
7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
さらに、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行
させるシステムであって、
撮影ステップにおいて、前記応援装置が備えるカメラによって撮影した画像を前記ユーザの端末装置に送信する、
請求項1~
8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
さらに、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行
させるシステムであって、
マッチングステップにおいて、
所定の条件に含まれる属性を備える前記応援装置に対応づけられた前記ユーザ同士をマッチングし、かつ、
マッチングされた前記ユーザ同士によるチャットまたは会話を実行する、
請求項1~
9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
コンピュータと応援装置とで構成され、コンピュータに、つぎの各ステップを実行
させるシステムであって、
設定ステップにおいて、1つの応援装置に対して1人のユーザを一対一で対応づけ、
前記応援装置は、前記ユーザが管理する装置であって、移送によって現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させ、
前記出力ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、前記応援装置が備えるカメラの向き、前記カメラでの撮影対象物の拡大および縮小を調整する、
システム。
【請求項12】
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
設定ステップにおいて、1つの応援装置に対して1人のユーザを一対一で対応づけ、
前記応援装置は、現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させ、
前記出力ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、前記応援装置が備えるカメラの向き、前記カメラでの撮影対象物の拡大および縮小を調整する、
コンピュータプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
設定ステップにおいて、1つの応援装置に対して1人のユーザを一対一で対応づけ、
前記応援装置は、前記ユーザが管理する装置であって、移送によって現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させ、
前記出力ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、前記応援装置が備えるカメラの向き、前記カメラでの撮影対象物の拡大および縮小を調整する、
コンピュータプログラム。
【請求項14】
コンピュータと応援装置とで構成され、コンピュータに、つぎの各ステップを実行
させるリモート応援システムであって、
設定ステップにおいて、1つの応援装置に対して1人のユーザを一対一で対応づけ、
前記応援装置は、現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させ、
前記出力ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、前記応援装置が備えるカメラの向き、前記カメラでの撮影対象物の拡大および縮小を調整する、
リモート応援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、コンピュータプログラム、およびリモート応援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現実世界で実行されるイベント(野球の試合など)において、イベント会場に足を運べないユーザ(観戦者、観覧者など)に対して募集した応援動画を、イベント会場で表示するサービスが提供されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、イベント会場に足を運べないユーザに対して募集したユーザ自身の写真をもとにして、声援を送っているかのような映像をイベント会場に表示するサービスも提供されている(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】“初の無観客開幕、工夫さまざま”、[online]、令和2年6月18日、一般社団法人共同通信社、[令和3年6月8日検索]、インターネット<https://nordot.app/646271106881995873?c=39546741839462401>
【文献】“「バーチャルバックネット裏シート」 応援する写真を募集”、[online]、令和2年6月9日、読売巨人軍公式サイト、[令和3年6月8日検索]、インターネット<https://www.giants.jp/G/gnews/news_3914957.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の応援動画等を会場で表示するサービスでは、実際にイベント会場を訪れてイベントに参加(応援)しているような体験をユーザに与えることは難しかった。
【0006】
本発明の目的は、スポーツあるいはコンサート等のイベントのイベント会場にユーザの分身を参加させて、会場にはいないユーザに会場に行った感覚を与えることができるシステムおよびコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
つぎの各ステップを実行するシステムであって、
設定ステップにおいて、複数の応援装置の少なくとも1つに対してユーザを対応づけ、
前記応援装置は、現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させる、
システムである。
【0008】
また、
前記応援装置には、属性が設定されており、
前記属性によって、前記応援装置に対して前記ユーザを対応づけるために必要な対価が異なる、
ことができる。
【0009】
また、
前記応援装置は、前記イベント会場の座席に設置される、
ことができる。
【0010】
また、
前記イベント会場は、スポーツを行う会場であって、
前記応援装置は、前記イベントに参加する選手が移動に用いる車両、選手が着席するベンチ、選手が使用するロッカールーム、および選手がプレイするフィールドの少なくともいずれか1つに設置される、
ことができる。
【0011】
また、
前記イベント会場は、興行が行われる会場であって、
前記応援装置は、前記興行が行われるステージ、および/または、前記興行に参加する演者の控室に設置される、
ことができる。
【0012】
また、
さらに、つぎの各ステップを実行するシステムであって、
画像入力ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて画像および/またはテキストを設定し、
前記出力ステップにおいて、前記応援装置が備える表示部に前記ユーザが設定した画像および/またはテキストを表示させる、
ことができる。
【0013】
また、
前記画像および/または前記テキストには、複数の種類があり、
前記ユーザが対価を消費することにより、前記ユーザは、前記画像および/または前記テキストの種類を設定することができる、
ことができる。
【0014】
また、
さらに、つぎの各ステップを実行するシステムであって、
音声入力ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、音声を設定または入力し、
前記出力ステップにおいて、前記応援装置が備えるスピーカに、前記ユーザが設定または入力した音声を出力させる、
ことができる。
【0015】
また、
前記音声には、複数の種類があり
前記ユーザが対価を消費することにより、前記ユーザは、音声の種類を設定することができる、
ことができる。
【0016】
また、
さらに、つぎのステップを実行するシステムであって、
撮影ステップにおいて、前記応援装置が備えるカメラによって撮影した画像を前記ユーザの端末装置に送信する、
ことができる。
【0017】
また、
さらに、つぎのステップを実行するシステムであって、
マッチングステップにおいて、
所定の条件に含まれる属性を備える前記応援装置に対応づけられた前記ユーザ同士をマッチングし、かつ、
マッチングされた前記ユーザ同士によるチャットまたは会話を実行する、
ことができる。
【0018】
また、
前記マッチングステップにおいて、
一のユーザに対して複数のユーザをマッチングし、かつ
前記装置の属性に基づいて、マッチングされた前記ユーザ同士による会話の音声を変化させる、
ことができる。
【0019】
第2の発明は、
つぎの各ステップを実行するシステムであって、
設定ステップにおいて、複数の応援装置の少なくとも1つに対してユーザを対応づけ、
前記応援装置は、前記ユーザが管理する装置であって、移送によって現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させる、
システムである。
【0020】
第3の発明は、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
設定ステップにおいて、複数の応援装置の少なくとも1つに対してユーザを対応づけ、
前記応援装置は、現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させる、
コンピュータプログラムである。
【0021】
第4の発明は
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
設定ステップにおいて、複数の応援装置の少なくとも1つに対してユーザを対応づけ、
前記応援装置は、前記ユーザが管理する装置であって、移送によって現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させる、
コンピュータプログラムである。
【0022】
第5の発明は、
つぎの各ステップを実行するリモート応援システムであって、
設定ステップにおいて、複数の応援装置の少なくとも1つに対してユーザを対応づけ、
前記応援装置は、現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、前記応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させる、
リモート応援システムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、スポーツあるいはコンサート等のイベントのイベント会場にユーザの分身を参加させて、会場にはいないユーザに会場に行った感覚を与えることができるシステムおよびコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1の実施形態における、システムの構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態における、システムに含まれるユーザ端末装置の構成を示す図である。
【
図3】第1の実施形態における、システムに含まれる運営端末装置の構成を示す図である。
【
図4】第1の実施形態における、システムに含まれるアバター装置の概略の構成を示す外観図である。
【
図5】第1の実施形態における、システムに含まれるアバター装置の構成を示す図である。
【
図6】第1の実施形態における、システムで実行されるアプリケーションのユーザ端末装置のディスプレイの一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態における、システムで実行されるアプリケーションのユーザ端末装置のディスプレイの一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態における、システムで実行されるアプリケーションのユーザ端末装置のディスプレイの一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態における、システムで実行されるアプリケーションのユーザ端末装置のディスプレイの一例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態における、システムで実行されるアプリケーションのユーザ端末装置のディスプレイの一例を示す図である。
【
図11】第1の実施形態における、日程テーブルの一例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態における、ユーザデータの一例を示す図である。
【
図13】第1の実施形態における、応援実行処理を示すフローチャートである。
【
図14】第2の実施形態における、システムの構成を示す図である。
【
図15】第3の実施形態における、システムに含まれる応援装置(ディスプレイ装置)の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1の実施形態]
本発明の実施形態にかかるシステム1について、
図1~
図13を参照して説明する。なお、システム1および後述の処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。システム1および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更をすることができる。
【0026】
<システムの説明>
本実施形態のシステム1は、
図1~
図4に記載されたアプリケーションサーバ装置2と、ユーザ端末装置3と、管理サーバ装置4と、運営端末装置5と、応援装置6とで構成される。
【0027】
これらの装置が協働すること(各装置によるデータの送受信)により、ユーザは、イベントが行われるイベント会場に、ユーザの分身を参加させることができる。なお、本明細書において、「参加」は、イベントの観覧(観戦)、応援等を目的としてイベント会場にユーザ自身あるいは応援装置6を存在させることを意味する。また、応援装置6はユーザの分身として設定される装置である。
【0028】
なお、応援装置6には、例えば、以下で主に説明される移動可能に構成されたアバター装置(ロボット型装置)と、移動不可能に構成された据置型装置(例えば、ポールなどへの固定式のカメラ付装置、ホームベースなどへの埋め込み式のカメラ付装置)とがある。以下では、アバター装置および据置型装置が区別されることなく応援装置6と記載されているが、必要に応じて、アバター装置などの表現が用いられる。
【0029】
イベントは、各種の行事、催し物、興行などであり、例えばスポーツの大会、試合などである。本実施形態では、チームA(名称:A-OSAKA)対チームB(名称:B-TOKYO)で進行するプロ野球の試合をイベントの一例として説明する。野球の試合は、現実空間のスタジアム(イベント会場)において開催される。
【0030】
スタジアムの座席(観覧席)などには、
図4および
図5に示される応援装置6が設置される。ユーザは、設置されている応援装置6を自身の分身としてイベントに参加させることができる。具体的には、ユーザは、
図2に示されるユーザ端末装置3を対応づけた応援装置6を介して疑似的にスタジアムで開催されるプロ野球を観戦(応援)することができる。
【0031】
ユーザは、ユーザ端末装置3において、試合(スタジアム)の中継映像および音声の視聴、応援装置6が撮影する映像および音声(観覧映像および観覧音声)の視聴、応援装置6に応援映像および声援などを出力させることができる。
【0032】
ユーザ端末装置3のディスプレイ320には、アプリケーション(アプリケーションプログラム)が実行されることによって、指定画像70(
図6~
図8参照)および視聴画像80(
図9、
図10参照)などが表示される。なお、ディスプレイ320の上面には、ユーザによるタッチ入力を受けつけるタッチパッド340が配置されている。
【0033】
ユーザは、所定のボタンを押すことで(タッチパッドを操作することで)、いずれのスタジアム(試合)の応援装置6(バックネット裏など、いずれのエリアに配置されている応援装置6)に自身を対応づけるかを選択することができる(予約することができる)。本実施形態では、ユーザは、チームA対チームBの試合のスタジアムの応援装置6への登録が選択される。
【0034】
図6の指定画像70は、試合(スタジアム)の選択後にディスプレイ320に表示される。指定画像70は、各種の指定操作(選択操作)をユーザに行わせるための画像である。本実施形態では、指定画像70において、スタジアムの座席(応援装置6)および各種オプションの指定操作をユーザに行わせる。
【0035】
本実施形態では、スタジアムの1座席ごとに応援装置6が1体設置されており、座席指定によって応援装置6が指定される。スタジアムの座席または応援装置6にはユニークな情報が設定されている。また、ユーザが指定する対象は、応援装置6であってもよく、また、ユーザが座席を指定することにより間接的に応援装置6を指定することができてもよい。
【0036】
指定画像70は、
図6のとおりメッセージ表示領域71および指定領域72等で構成される。
【0037】
メッセージ表示領域71には、ユーザに指定操作を促すメッセージが表示される。指定領域72には、ユーザに指定(選択)させる項目が表示される。
【0038】
座席指定においては、
図6のとおり、座席(応援装置6)を指定させるメッセージがメッセージ表示領域71に表示され、座席のタイプおよび金額の一覧(座席リスト)が指定領域72に表示される。また、指定領域72には、スタジアムの平面図に各座席の位置を示した座席マップも合わせて表示される。
【0039】
図6の指定画像70において、ユーザは、指定領域72の座席(応援装置6)の価格が表示されている部分(タッチパッド340)をタップしたのち、そのエリアにおいて空席となっている座席を指定することで、該当するタイプの座席の1つがユーザの座席(応援装置6)として指定される。これにより、指定された座席に設置された応援装置6とユーザ端末装置3(およびユーザID)とが対応づけられる。この対応づけられた応援装置6がユーザの分身となる。
【0040】
座席指定(応援装置6の指定)が完了した後、
図7のとおり、出力オプション(オプション1)を指定させるメッセージがメッセージ表示領域71に表示される。また、指定領域72には、オプションの名称および金額の一覧(オプションリスト)が表示される。オプションは、応援装置6が関連づけられたユーザに対して提供可能なサービスである。
【0041】
オプションは、主として、出力オプションおよびツアーオプションの2種類に区分される。
【0042】
出力オプション(オプション1)は、ユーザ自身の応援装置6のディスプレイ620およびスピーカ630に応援の出力(応援画像、応援音声など)を行わせるサービスである。
【0043】
以下で説明されるアバター装置としての応援装置6は、
図4のとおり、頭部660、胴部661、右腕部670、左腕部680等で構成されるロボットである。胴部661にディスプレイ620が配置され、頭部660にスピーカ630が配置されている。
【0044】
例えば、
図7の「ユニフォーム(ホーム)」が指定された場合には、
図4のとおり、ディスプレイ620に、チームAのユニフォーム(上半身)の画像が表示される。
【0045】
また、例えば、
図7の「応援メッセージ(定型)」が指定された場合には、ディスプレイ620に、定型文の応援メッセージのテキスト画像が表示される。
【0046】
なお、「ユニフォーム(ホーム)」および「応援メッセージ(定型)」の双方が指定された場合には、ディスプレイ620上のユニフォームの上にテキスト画像が重ねて表示される。
【0047】
また、例えば、「拍手の音再生」が指定された場合には、応援アイコンボタン91(
図9参照)に対応する位置のタッチパッド340をユーザがタップすることによって、拍手の音声がスピーカ630から出力される。
【0048】
また、ツアーオプション(オプション2)は、応援装置6をスタジアムで開催されるイベントに参加させるサービスである。
【0049】
例えば、「リリーフカー同乗(ホーム)」が指定された場合には、チームAのピッチャー交代時のリリーフカーに、応援装置6が同乗することができる(同乗する権利を得る)。なお、
図10は、リリーフカーに同乗している応援装置6(例えば、据置型装置)によって映し出された映像を示す。すなわち、この応援装置6は、リリーフのピッチャーとともにピッチャーマウンドまでリリーフカーで移動することができる。
【0050】
また、「リリーフカー同乗(ホーム)」では、ユーザは、応援装置6を介してリリーフピッチャーと会話することが可能となる。例えば、ユーザ端末装置3のマイク331から取得したユーザの会話音声を、応援装置6のスピーカ630から出力させる。そして、応援装置6のマイク631から取得したリリーフピッチャーの会話音声を、ユーザ端末装置3のスピーカ330から出力させる。
【0051】
本実施形態では、リリーフカーの同乗時のみ、ユーザと座席に設置されている応援装置6との対応づけが、リリーフカーに設置されている別の応援装置6に変更される。なお、これには限られず、イベント会場のスタッフなどによって、ユーザに対応づけられている応援装置6がリリーフカーに移動させられてもよい。
【0052】
図7、
図8の指定画像70において、ユーザが、指定領域72のオプションの価格が表示されている部分(タッチパッド340)をタップすることで、その指定項目がユーザのオプションとして指定される。なお、ユーザは、オプションを指定しなくてもよく、また、複数のオプションを指定することができてもよい。
【0053】
なお、座席および一部の有料オプションの購入には、例えば、クレジットカードによる一般的な決済サービス、電子決済サービス、あるいはアプリケーションにより付与されるポイント(例えば、利用回数、利用金額によって貯まるポイント)を用いることができる。
【0054】
ついで、視聴画像80は、指定画像70において、スタジアムの座席(応援装置6)およびオプションの指定が完了した後にディスプレイ320に表示される。視聴画像80は、ユーザが、応援装置6を通じた試合の映像を視聴等するための画像である。視聴画像80は、
図9のとおり映像領域81、応援領域82、操作領域83等で構成される。
【0055】
映像領域81には、スタジアムの映像が表示される。本実施形態では、2種類の映像が表示される。
【0056】
1つめは、スタジアムに設置されたカメラ(固定カメラ、ドローン、中継クルーのカメラなどを含む)で撮影された試合の中継映像(配信映像)である。
【0057】
2つめは、
図9のとおり、応援装置6(カメラ640)で撮影された観覧映像である。
【0058】
また、ユーザ端末装置3のスピーカ330からは、映像領域81に対応する音声が出力される。観覧映像が映像領域81に表示される場合には、応援装置6(マイク631)から取得した音声がスピーカ330から出力される。
【0059】
中継映像および観覧映像の表示は、切替ボタン500(タッチパッド340)がタップされるたびに切り替えられる。例えば、
図9では、バックネット裏(A)の座席の応援装置6の観覧映像が表示されているが、ユーザが切替ボタン500をタップすることで中継映像の表示に切り替えられる。
【0060】
観覧映像(カメラ640)は、
図9のとおり、ユーザが操作領域83の操作ボタン101~106(タッチパッド340)をタップすることで調整することができる。
【0061】
操作領域83には、観覧映像が映像領域81に表示されている間は、操作ボタン101~106が表示される。
【0062】
操作ボタン101~104は、応援装置6のカメラ640の視線の向きを調整するためのボタンである。ユーザは、これらのボタンを操作することにより、応援装置6の頭部660(カメラ640)の向き(上下左右)を調整することができる。
【0063】
例えば、ユーザが操作ボタン101をタッチしている間は、応援装置6の頭部660を、首部分を軸として左方向に回動させることができる。これにより、応援装置6の頭部660に配置されているカメラ640の向きが変更される。
【0064】
ユーザは、操作ボタン105、106を操作することで、カメラの撮影対象物の拡大および縮小(光学ズーム)を調整することができる。操作ボタン105はカメラ640にズームイン機能を発揮させ、操作ボタン106はカメラ640にズームアウト機能を発揮させる。
【0065】
例えば、観覧映像が、
図9のように表示されている状態で操作ボタン105(タッチパッド340)がタップされた場合には、画面の中心部分が拡大表示されるように観覧映像が表示される。
【0066】
また、ユーザは、操作ボタン101~106を操作することで、試合だけでなく、応援装置6の周囲の様子(スタジアムの様子)も視聴することができる。すなわち、ユーザは、応援装置6の頭部660(カメラ640)の可動範囲に応じた任意の映観覧映像を視聴することができる。
【0067】
また、映像領域81では、指定されたツアーオプション(リリーフカー同乗、試合時の記念撮影など)が実行されている間など、所定の条件が満たされていると判断される場合には、中継映像および観覧映像から、オプション映像に強制的に切り替えられる。
【0068】
オプション映像は、指定されたツアーオプションでの応援装置6(カメラ640)で撮影された映像である。
【0069】
例えば、ツアーオプションの「リリーフカー同乗(ホーム)」が指定されている場合には、
図10のとおり、リリーフカーに同乗している応援装置6(カメラ640)で撮影されたオプション映像が映像領域81に表示される。
【0070】
なお、オプション映像が映像領域81に表示されている間は、操作ボタン101~106も操作領域83に表示される。これにより、ユーザは、観覧映像を表示するときと同様にオプション映像を調整することができる。
【0071】
また、オプション映像が映像領域81に表示されている間は、ユーザ端末装置3のマイク331および応援装置6を介して、リリーフカーに同乗しているピッチャーと会話することも可能である。ピッチャーの発話音声は、応援装置6のマイク631によって取得され、ユーザ端末装置3のスピーカ330から出力される。
【0072】
つぎに、応援領域82には、指定された出力オプションの一部に関する応援アイコンボタン91、92の画像が表示される。応援アイコンボタンは、タップした場合にのみ実行される出力オプションに対応する。本実施形態では、音声出力の出力オプションが応援アイコンボタンに対応する。
【0073】
例えば、ユーザが、出力オプションとして「拍手の音再生」および「ブーイング」を指定している場合には、
図9、10のとおり、応援アイコンボタン91、92が表示される。応援アイコンボタン91は、「拍手の音再生」に対応する。応援アイコンボタン92は、「ブーイング」に対応する。
【0074】
ユーザが、これら応援アイコンボタン91、92(タッチパッド340)をタップした場合には、応援装置6のスピーカ630から対応する音声が出力される。なお、出力される音声(データ)は、あらかじめ登録されている。
【0075】
また、応援領域82には、チャットボタン95の画像が表示される。チャットボタン95は、音声チャットの要求を受けつける。音声チャットにおいて、ユーザは、スタジアムに応援装置6を参加させている他ユーザのうち、マッチング条件(所定の条件)に合致する他ユーザと会話をすることができる。
【0076】
マッチング条件に合致する他ユーザとは、例えば、チャット要求したユーザの応援装置6と同一属性を備える応援装置6に対応づけられている他ユーザである。
【0077】
属性は、例えば、応援装置6の設置場所(座席の種別)、応援するチーム、ユーザとフレンド関係にあるフレンドユーザ、あるいはユーザのグループなどである。
図9の例では、ユーザは、バックネット裏(A)の座席の応援装置6と対応づけられている。この応援装置6には、バックネット裏(A)の属性が設定されている。この場合には、バックネット裏(A)の属性が設定されている応援装置6の他ユーザがマッチングの対象となる。
【0078】
他ユーザからの会話音声は、映像領域81に表示されている映像にかかる音声と合成されてユーザ端末装置3のスピーカ330から出力される。また、ユーザの会話音声は、ユーザ端末装置3のマイク331で取得され、他ユーザのユーザ端末装置3に送信される。
【0079】
なお、本実施形態では、応援装置6は、スタジアムの運営者(管理サーバ装置4)によって管理される。運営者(運営端末装置5)は、管理サーバ装置4を介して、管理しているすべての応援装置6に対して映像等の出力を指示することができる。
【0080】
本実施形態では、運営端末装置5は、応援装置6がユーザに対応づけられているか否かにかかわらず、すべての応援装置6に対して強制的な出力指示を行うことができる。
【0081】
例えば、スタジアムのスポンサー情報(広告画像など)、会場(スタジアム)全体で統一感のある演出(例えば、国歌斉唱、喪に服す画像)などの強制的な出力を応援装置6に指示することができる。
【0082】
<システムのハードウェア構成>
図1のとおり、システム1は、アプリケーションサーバ装置(コンピュータ)2と、複数のユーザ端末装置(コンピュータ)3と、管理サーバ装置(コンピュータ)4と、運営端末装置(コンピュータ)5と、アバター装置(コンピュータ)6とを備える。
【0083】
アプリケーションサーバ装置2と複数のユーザ端末装置3と管理サーバ装置4と運営端末装置と5応援装置6とは、インターネット、LANなどの通信ネットワーク7を介して互いに通信することができるように接続されている。
【0084】
なお、ユーザ端末装置3には、そのユーザ端末装置3に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザID(ユーザの識別情報)として管理される。
【0085】
ユーザ端末装置3が通信ネットワーク6を介してアプリケーションサーバ装置2と通信を行う場合には、そのユーザ端末装置3からユーザIDが送信される。送信されたユーザIDは、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、アプリケーションサーバ装置2とユーザ端末装置3との通信が可能となる。
【0086】
<アプリケーションサーバ装置のハードウェア構成>
アプリケーションサーバ装置2は、ユーザ端末装置3に対してアプリケーションの進行に関する情報を提供するための各種機能を備える。
【0087】
アプリケーションサーバ装置2は、例えば、前述したアプリケーションの指定画像70、視聴画像80を生成するための各種の画像情報等を各ユーザ端末装置3に提供する。
【0088】
また、アプリケーションサーバ装置2は、ユーザの指定操作などの操作情報をユーザ端末装置3から受信する。そして、アプリケーションサーバ装置2は、操作情報に基づいて、応援装置6への出力等を管理サーバ装置4に要求する。
【0089】
さらに、アプリケーションサーバ装置2は、音声チャットの進行を制御する。具体的には、ユーザがチャットする他ユーザを割り当て(マッチング)、マッチングユーザ(ユーザ端末装置3)間の音声データの送信を行う。
【0090】
アプリケーションサーバ装置2は、制御部20と、ネットワークインターフェース21と、記憶部22とを備えている。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部20と電気的に接続されている。
【0091】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク7を介して各ユーザ端末装置3および管理サーバ装置4と通信することができるように接続されている。
【0092】
記憶部22は、各種の情報およびデータを記憶する。記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等で構成される。
【0093】
記憶部22には、ユーザ端末装置3でのアプリケーションの進行を制御するため制御プログラム(コンピュータプログラム)および各種制御用のデータが記憶されている。
【0094】
また、記憶部22には、ユーザ端末装置3用のアプリケーションプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0095】
また、記憶部22には、
図11に示すように、試合の日程に関する情報である日程テーブルが記憶されている。
【0096】
日程テーブルには、開催試合ID、対戦カードと、サーバID、座席データ、オプションデータなどが1レコードとして記憶されている。
【0097】
開催試合IDは、開催される試合の識別情報である。
【0098】
対戦カードは、ユーザ端末装置3に表示させる試合の詳細情報(テキストデータ)である。例えば、対戦チームの名称、開催日程、スタジアム名などが詳細情報に含まれる。
【0099】
サーバIDは、試合が行われるスタジアムを管理する管理サーバ装置4の識別情報である。本実施形態では、野球の試合が行われるスタジアムは複数あり、各スタジアムは別々の管理サーバ装置4で管理される。
【0100】
座席データは、試合が行われるスタジアムの座席に関する情報が含まれる。例えば、
図6のとおり、ユーザに座席を指定させる座席タイプ、その料金などの情報がある。座席データは、各管理サーバ装置4から受信すればよい。
【0101】
オプションデータは、試合で提供されるオプション1、2に関する情報が含まれる。オプションデータには、例えば、
図7のとおり、ユーザにオプションを指定させるオプションリストなどの情報がある。オプションデータは、各管理サーバ装置4から受信することができる。
【0102】
アプリケーションサーバ装置2は、日程テーブルなどに基づいてユーザ端末装置3に画像を表示させ、試合、オプションの指定などをユーザに選択させる。
【0103】
また、記憶部22には、ユーザDB221が記憶される。
【0104】
ユーザDB221は、システム1を利用するユーザに関する情報を蓄積したデータベースである。例えば、ユーザDB221には、
図12に示すように、各ユーザに関する情報であるユーザデータが記憶されている。
【0105】
ユーザデータは、ユーザID、参加情報などが1レコードとして記載される。
【0106】
ユーザIDは、ユーザのアカウント情報(識別情報)である。
【0107】
参加情報は、ユーザの分身が参加している試合(スタジアム)に関する情報である。すなわち、ユーザがユーザ端末装置3を介して観戦(応援)しているスタジアムの情報である。
【0108】
試合IDは、参加している試合の識別情報である。
【0109】
座席IDは、ユーザが指定している座席(指定座席)の識別情報である。すなわち、前述の指定画像において指定した座席の識別情報である。
【0110】
アバターIDは、指定座席に設置されている応援装置6の識別情報である。アバターIDには、属性情報が含まれる。本実施形態では、応援装置6の設置場所(座席の種別)に関する情報(属性情報)と座席番号とがアバターIDに含まれる。例えば、
図12のアバターID:A-3339Rには、バックネット裏(A)の属性を示す「A」の属性情報が含まれる。
【0111】
出力オプションIDは、ユーザが指定している出力オプションの識別情報である。ツアーオプションIDは、ユーザが指定しているツアーオプションの識別情報である。
【0112】
制御部20は、アプリケーションサーバ装置2の動作を制御する。制御部20は、各種の情報およびデータを送受信し、各種の情報およびデータを処理する。制御部20は、CPU(Centoral Processing Unit)および半導体メモリなどを備えている(図示省略)。
【0113】
<アプリケーションサーバ装置の制御部の機能の説明>
アプリケーションサーバ装置2の制御部20は、前述のコンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0114】
<設定ステップの説明>
制御部20は、設定手段として機能することで設定ステップを実行する。以下では、設定手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0115】
制御部20は、複数の応援装置の少なくとも1つに対してユーザを対応づける。この応援装置は、前述の応援装置6であり、現実世界のイベント(試合)が開催されるイベント会場(スタジアム)に設置される。制御部20は、ユーザ端末装置3から受信した参加情報に基づいて、ユーザとこのユーザが指定した座席の応援装置6との対応づけを、管理サーバ装置4に指示する。
【0116】
制御部20は、ユーザに対応づけられた応援装置6のアバターIDを、このユーザの参加情報の一部として記憶部22に記憶させる。
【0117】
<画像入力ステップの説明>
制御部20は、画像入力手段として機能することで画像入力ステップを実行する。以下では、画像入力手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0118】
制御部20は、ユーザの操作に基づいて画像(または、テキスト)を設定する。画像は、応援装置6のディスプレイ620に表示させる応援画像である。テキストは、応援装置6のディスプレイ620に表示させる応援画像としてのメッセージである。応援画像は、ディスプレイ620に画像を表示させる出力オプションに対応する。制御部20は、ユーザに指定された出力オプションのオプションIDを、ユーザの参加情報の一部として記憶部22に記憶させる。
【0119】
<音声入力ステップの説明>
制御部20は、音声入力手段として機能することで音声入力ステップを実行する。以下では、音声入力手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0120】
制御部20は、ユーザの操作に基づいて音声を設定する。音声は、応援装置6のスピーカ630に出力させる応援音声である。応援音声は、スピーカ630に音声を出力させる出力オプションに対応する。制御部20は、ユーザに指定された出力オプションのオプションIDを、ユーザの参加情報の一部として記憶部22に記憶させる。
【0121】
<ツアーオプション入力ステップの説明>
制御部20は、ツアーオプション入力手段として機能することでツアーオプション入力ステップを実行する。以下では、ツアーオプション入力手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0122】
制御部20は、ユーザの操作に基づいてツアーオプションを設定する。制御部20は、ユーザに指定されたツアーオプションのオプションIDを、ユーザの参加情報の一部として記憶部22に記憶させる。
【0123】
<出力ステップの説明>
制御部20は、出力手段として機能することで出力ステップを実行する。以下では、出力手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0124】
制御部20は、応援装置(応援装置6)に接続されたディスプレイ620およびスピーカ630(出力部の一例)などに、応援画像または応援音声などを出力させる。
【0125】
具体的には、制御部20は、ユーザ端末装置3から受信した参加情報、応援アイコンボタン91、92等の操作情報などに基づいて、ユーザに関連づけられた応援装置6の出力部への出力を管理サーバ装置4に指示する。
【0126】
<実行ステップの説明>
制御部20は、実行手段として機能することで実行ステップを実行する。以下では、実行手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0127】
制御部20は、ユーザ端末装置3から受信した参加情報などに基づいて、ユーザに関連づけられた応援装置6のツアーオプションの実行を管理サーバ装置4に指示する。
【0128】
<映像音声出力ステップの説明>
制御部20は、映像音声出力手段として機能することで映像音声出力ステップを実行する。以下では、映像音声出力手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0129】
制御部20は、イベントの進行に応じて、ユーザ端末装置3のディスプレイ320およびスピーカ330に出力情報を出力させる。
【0130】
制御部20は、イベントの進行(試合の進行状況)に応じて、前述した各種の出力情報などに基づいてディスプレイ320およびスピーカ330に出力させるための各種情報をユーザ端末装置3に送信する。これにより、
図6~
図9のような指定画像70、視聴画像80がディスプレイ320に表示される。
【0131】
<マッチングステップの説明>
制御部20は、マッチング手段として機能することでマッチングステップを実行する。以下では、マッチング手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0132】
制御部20は、所定の条件(マッチング条件)に含まれる属性を備える応援装置(応援装置6)に対応づけられたユーザ同士をマッチングし、かつ、マッチングされたユーザ同士によるチャット(テキストによる会話または音声会話)を実行する。
【0133】
制御部20は、各ユーザの参加情報(アバターID)などを参照し、前述のようにユーザ同士をマッチングする。制御部20は、マッチングした各ユーザのユーザIDを、マッチング情報として記憶部22に記憶させる。
【0134】
制御部20は、マッチングした各ユーザのユーザ端末装置3に、相手の会話音声の音声データを送信する。なお、チャットは、テキストを表示させる形式でもよい。
【0135】
<変更ステップの説明>
制御部20は、変更手段として機能することで変更ステップを実行する。以下では、変更手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0136】
制御部20は、応援装置6のカメラ640の向きなどを変更させる。具体的には、制御部20は、ユーザ端末装置3から受信した操作ボタン101~106の操作情報などに基づいて、カメラの向き等の変更を管理サーバ装置4に指示する。
【0137】
<ユーザ端末装置のハードウェア構成>
ユーザ端末装置3は、例えば、スマートフォン等のスマートデバイス、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、Nintendo Switch(登録商標)などの、アプリケーションおよびビデオゲームを実行することができる端末装置によって構成される装置である。
【0138】
本実施形態では、スマートフォンをユーザ端末装置3として説明する。ユーザ端末装置3は、ディスプレイ320と、スピーカ330と、マイク331と、タッチパッド340とを備える。ユーザ端末装置3は、アプリケーションを実行して前述の指定画像70および視聴画像80を表示し、ユーザによって入力された操作情報(操作信号)をアプリケーションサーバ装置2に送信する。
【0139】
図2のとおり、ユーザ端末装置3は、制御部30と、ネットワークインターフェース31と、グラフィック処理部32と、オーディオ処理部33と、操作部34と、記憶部35とを備える。
【0140】
ネットワークインターフェース31と、グラフィック処理部32と、オーディオ処理部33と、操作部34と、記憶部35とは、バス39を介して制御部30と電気的に接続されている。
【0141】
制御部30は、ユーザ端末装置3の動作を制御する。制御部30は、各種の情報およびデータを送受信し、各種の情報およびデータを処理する。制御部30は、CPUおよび半導体メモリを備えている(図示省略)。制御部30の機能については、後述する。
【0142】
ネットワークインターフェース31は、ユーザ端末装置3とアプリケーションサーバ装置2または管理サーバ装置4との間で、各種データを送受信するために、通信ネットワーク7に通信可能に接続される。
【0143】
グラフィック処理部32は、制御部30から出力される各種画像情報に従って、各種画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部32で描画された画像は、ディスプレイ320に出力(表示)される。例えば、グラフィック処理部32は、指定画像70および視聴画像80等を、各種画像として動画形式でディスプレイ320に表示させる。
【0144】
オーディオ処理部33は、制御部30から出力される各種音声情報に従って、各種音声をスピーカ330に出力(再生)させる。例えば、オーディオ処理部33は、映像領域81に表示される画像の音声等を、各種音声としてスピーカ330に出力させる。
【0145】
また、オーディオ処理部33は、マイク331が検出(収音)したアナログ音声信号およびデジタル音声データ(音声データ)を生成する。例えば、オーディオ処理部33は、音声チャットにおいて、ユーザの会話(発話)時の音声データを生成する。
【0146】
操作部34には、ユーザからの操作信号が入力される。操作部34には、入力位置検出装置であるタッチパッド340を介してユーザからの操作信号が入力される。タッチパッド340は、ディスプレイ320の上面に配置される。
【0147】
ユーザは、ディスプレイ320に表示された応援アイコンボタン91、92などが表示された箇所を操作(タップ)することで、ユーザ端末装置3(操作部34)に操作情報(操作信号)を入力する。
【0148】
記憶部35は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部35には、アプリケーションサーバ装置2からダウンロードされた各種データ、アプリケーションプログラムなどの各種プログラム等が格納されている。また、記憶部35には、アプリケーションサーバ装置2で使用されるユーザIDが格納されている。
【0149】
<ユーザ端末装置の制御部の機能の説明>
制御部30は、アプリケーションサーバ装置2からダウンロードされたアプリケーションプログラムを実行することで、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
<アプリ実行ステップの説明>
制御部30は、アプリ実行手段として機能することでアプリ実行ステップを実行する。以下では、アプリ実行手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0150】
制御部30は、ユーザによるタッチパッド340の操作に基づいて、試合および試合が開催されるスタジアムの座席(応援装置6)を指定させる。
【0151】
また、制御部30は、ユーザによるタッチパッド340の操作に基づいて、オプション(出力オブションおよびツアーオプション)を指定する。
【0152】
また、制御部30は、ディスプレイ320に表示された応援アイコンボタン(タッチパッド340)に対するユーザの操作を受けつける。
【0153】
また、制御部30は、ディスプレイ320に表示された操作ボタン(タッチパッド340)に対するユーザの操作を受けつける。
【0154】
また、制御部30は、ディスプレイ320に表示されたチャットボタン(タッチパッド340)に対するユーザの操作を受けつける。
【0155】
また、制御部30は、音声チャット実行中に、ユーザの会話の音声データを生成する。
【0156】
また、制御部30は、アプリケーションサーバ装置2から送信される情報などに基づいて指定画像70および視聴画像80等をディスプレイ320に表示させる。
【0157】
<通信ステップの説明>
制御部30は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0158】
制御部30は、例えば、アプリケーションサーバ装置2からアプリケーションプログラム、アプリケーションの画面で表示させるための画像情報、音声情報などの情報を受信する。
【0159】
また、制御部30は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの識別情報(ユーザID)、参加情報、応援アイコンボタンの操作情報、操作ボタンの操作情報、チャットボタン、音声データなどをアプリケーションサーバ装置2へ送信する。
【0160】
<管理サーバ装置のハードウェア構成>
管理サーバ装置4は、アプリケーションサーバ装置2に対して、スタジアムでの野球の試合に関する情報を提供するための各種機能を備える。
【0161】
また、管理サーバ装置4は、スタジアムに設置されている応援装置6を管理するための各種機能を備える。
【0162】
図1のとおり、管理サーバ装置4は、制御部40と、ネットワークインターフェース41と、記憶部42とを備えている。
【0163】
ネットワークインターフェース41および記憶部42は、バス49を介して制御部40と電気的に接続されている。
【0164】
制御部40は、管理サーバ装置4の動作を制御する。制御部40は、各種の情報およびデータを送受信し、各種の情報およびデータを処理する。制御部40は、CPUおよび半導体メモリを備えている(図示省略)。制御部40の機能については後述する。
【0165】
ネットワークインターフェース41は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク7を介してアプリサーバ装置2と運営端末装置5と複数の応援装置6と通信接続されている。
【0166】
記憶部42は、各種の情報およびデータを記憶する。記憶部42は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。
【0167】
記憶部42には、各応援装置6を制御するためのコンピュータプログラムおよびデータが記憶されている。
【0168】
また、記憶部42には、アプリケーションサーバ装置2に各種データを送信するためのコンピュータプログラムおよびデータも記憶されている。
【0169】
また、記憶部42には、応援DB421が記憶される。
【0170】
応援DB421は、応援装置6のディスプレイ620およびスピーカ630等への出力指示を実行するためのデータとして、応援装置6の出力対象である複数種類の応援画像情報および複数種類の応援音声情報などを蓄積したデータベースである。
【0171】
本実施形態では、応援DB421には、出力オプションに対応する出力情報(応援画像情報および応援音声情報)が記憶されている。応援画像情報は、例えば、ディスプレイ620に表示させるチームのユニフォームなどの画像である。応援音声情報は、例えば、拍手などの音声データである。また、出力情報の出力合わせて、応援装置6の腕部などを動作させる際の動作情報も出力情報に対応づけて記憶されている。
【0172】
また、記憶部42には、ローカルユーザDB422が記憶される。
【0173】
ローカルユーザDB422は、管理サーバ装置4に対応するスタジアムの座席(応援装置6)に対応づけられたユーザに関する情報を蓄積したデータベースである。
【0174】
例えば、ローカルユーザDB422には、
図12のユーザデータに登録されているユーザのうち、管理サーバ装置4が管理するスタジアムで開催される試合(試合ID)が設定されているユーザに関する情報が蓄積されている。例えば、管理サーバ装置4(サーバID:AS-01)のローカルユーザDB422には、試合ID:AB-01のユーザ(ユーザID:UA-00001など)の情報が蓄積される。
【0175】
例えば、ローカルユーザDB422には、前述のユーザに関して、
図12と同様の形式のユーザデータが記憶されている。ローカルユーザDB422のユーザ管理テーブルの情報は、
図12のユーザ管理テーブルと同期がとられている。
【0176】
<管理サーバ装置の制御部の機能の説明>
管理サーバ装置4の制御部40は、前述のプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0177】
<設定ステップの説明>
制御部40は、設定手段として機能することで設定ステップを実行する。以下では、設定手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0178】
制御部40は、ユーザと、ユーザが指定している座席(応援装置6)とを対応づける。具体的には、制御部40は、アプリケーションサーバ装置2から受信したユーザIDおよび参加情報を、ローカルユーザDB422に登録する。
【0179】
なお、座席がすでに他ユーザに対応づけられている場合には、ユーザからの対応づけの要求は拒否される。
【0180】
<アバター制御ステップの説明>
制御部40は、アバター制御手段として機能することでアバター制御ステップを実行する。以下では、アバター制御手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0181】
制御部40は、アプリケーションサーバ装置2からの出力指示を受信した場合には、応援装置(応援装置6)に接続されたディスプレイ620およびスピーカ630(出力部の一例)などに、応援画像または応援音声などを出力させる。
【0182】
具体的には、制御部40は、アプリケーションサーバ装置2から受信した参加情報、応援アイコンボタン91、92等の操作情報などに基づいて、ユーザに関連づけられた応援装置6の出力部へ指示する。
【0183】
また、制御部40は、アプリケーションサーバ装置2からの変更指示を受信した場合には、応援装置(応援装置6)に接続されたカメラ620の向きなどを変更させる。具体的には、制御部40は、アプリケーションサーバ装置2から受信した操作ボタン101~106の操作情報などに基づいて、応援装置6に変更を指示する。
【0184】
また、制御部40は、運営端末装置5からの強制出力指示を受信した場合には、対象となる応援装置(応援装置6)に接続されたディスプレイ620およびスピーカ630(出力部の一例)などに、音声等を強制的に出力させる。例えば、スタジアムのスポンサー情報、会場(スタジアム)全体で統一感のある演出(例えば、国歌斉唱、喪に服す画像)などを出力させる。
【0185】
<動画取得ステップの説明>
制御部40は、動画取得手段として機能することで動画取得ステップを実行する。以下では、動画取得手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0186】
制御部40は、スタジアムでの野球の試合の中継映像情報(音声情報を含む)を取得する。中継映像情報の取得は、例えば、通信ネットワーク7を介して動画サーバ装置(図示省略)から取得する。
【0187】
また、制御部40は、応援装置6に接続されたカメラ620から撮影される観覧映像情報およびマイク630から取得される観覧音声情報を取得する。また、制御部40は、取得した映像情報などを、応援装置6の識別情報とともにアプリケーションサーバ装置2に送信する。
【0188】
<ツアー実行ステップ>
制御部40は、ツアー実行手段として機能することでツアー実行ステップを実行する。以下では、ツアー実行手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0189】
制御部40は、アプリケーションサーバ装置2から実行指示を受信した場合には、野球の試合の進行状況(例えば、ピッチャー交代、ホームラン)に応じて、ユーザに関連づけられた応援装置6のツアーオプションを実行する。
【0190】
例えば、制御部40は、前述のピッチャー交代が発生した場合には、「リリーフカー同乗(ホーム)」のオプションを指定したユーザと対応づける応援装置6を、リリーフカーに設置された応援装置6に変更する。また、制御部40は、選手がホームランを打った場合には、「選手ベンチに座る」のオプションを指定したユーザと対応づける応援装置6を、選手ベンチに設置された応援装置6に変更する。
【0191】
そして、制御部40は、ピッチャー交代の間において、アプリケーションサーバ装置2に、ツアーオプションの実行中の情報を送信する。
【0192】
また、制御部40は、リリーフカーに設置された応援装置6のスピーカ630に、ユーザ端末装置3のマイク331から取得したユーザの会話音声を出力させる。
【0193】
また、ピッチャー交代のときに、動画取得ステップにおいて、リリーフカーに設置された応援装置6に接続されたカメラ640から撮影される画像情報およびマイク631から取得される音声情報が取得される。
【0194】
なお、野球の試合の進行状況の情報は、例えば、運営管理装置5の管理者等によって設定される。
【0195】
<運営端末装置のハードウェア構成>
運営端末装置5は、スタジアムの運営者用の端末装置であり、運営端末装置5は、例えば、スマートフォン等のスマートデバイス、パーソナルコンピュータなどの、アプリケーションを実行することができる端末装置によって構成される装置である。
【0196】
本実施形態では、パーソナルコンピュータを運営端末装置5として説明する。運営端末装置5は、ディスプレイ520と、スピーカ530と、キーボード340とが接続される。運営端末装置5は、アプリケーションを実行して、運営者によって入力された操作情報(操作信号)を管理サーバ装置4に送信する。
【0197】
図3のとおり、運営端末装置5は、制御部50と、ネットワークインターフェース51と、グラフィック処理部52と、オーディオ処理部53と、操作部54と、記憶部55とを備える。
【0198】
ネットワークインターフェース51と、グラフィック処理部52と、オーディオ処理部53と、操作部54と、記憶部55とは、バス59を介して制御部50と電気的に接続されている。
【0199】
制御部50は、運営端末装置6の動作を制御する。制御部50は、各種の情報およびデータを送受信し、各種の情報およびデータを処理する。制御部50は、CPUおよび半導体メモリを備えている(図示省略)。制御部50の機能については、後述する。
【0200】
ネットワークインターフェース51は、運営端末装置5と管理サーバ装置4との間で、各種データを送受信するために、通信ネットワーク7に通信可能に接続される。
【0201】
グラフィック処理部52は、制御部50から出力される各種画像情報に従って、各種画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部52で描画された画像は、ディスプレイ520に出力(表示)される。例えば、グラフィック処理部52は、前述の応援装置6に対して、出力指示を受けつけるための操作画面などをディスプレイ520に表示させる。
【0202】
オーディオ処理部53は、制御部50から出力される各種音声情報に従って、各種音声をスピーカ530に出力(再生)させる。
【0203】
操作部54には、運営者からの操作信号が入力される。操作部54には、キーボード540を介してユーザからの操作信号が入力される。
【0204】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55には、運営者用のアプリケーションプログラムなどの各種プログラムおよび制御用データ等が格納されている。また、記憶部55には、管理サーバ装置4で使用されるユーザID(運営者ID)が格納されている。
【0205】
<運営端末装置の制御部の機能の説明>
制御部50は、前述の運営者用のアプリケーションプログラムを実行することで、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
<出力ステップの説明>
制御部50は、出力手段として機能することで出力ステップを実行する。以下では、出力手段としての制御部50が実行する処理を説明する。
【0206】
制御部50は、対象となるすべての応援装置(応援装置6)に接続されたディスプレイ620およびスピーカ630(出力部の一例)などに、画像等を出力させる。前述したように、スタジアムのスポンサー情報、会場(スタジアム)全体で統一感のある演出(例えば、国歌斉唱あるいは喪に服す画像)などを強制的に出力させる。
【0207】
具体的には、制御部50は、運営者の操作情報などに基づいて、対象となるすべての応援装置6の出力部への出力を管理サーバ装置4に指示する。
【0208】
<通信ステップの説明>
制御部50は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部50が実行する処理を説明する。
【0209】
制御部50は、例えば、管理サーバ装置4からアプリケーションの画面で表示させるための画像情報、音声情報などの情報を受信する。
【0210】
また、制御部50は、例えば、運営者の操作情報に基づいて、運営者の識別情報(ユーザID)、出力指示などを管理サーバ装置4へ送信する。
【0211】
<アバター装置のハードウェア構成>
応援装置6は、現実世界のイベント(野球の試合)が開催されるイベント会場(スタジアム)に設置され、対応づけられたユーザが、応援装置6を介して応援などするための各種機能を備える。なお、応援装置6は、内蔵バッテリ(図示省略)によって駆動する。
【0212】
図4のとおり、応援装置6は、ディスプレイ620と、スピーカ630と、マイク(マイクロフォン)631と、カメラ640と、頭部660と、胴部661と、左腕部607と、右腕部608とを備えている。
【0213】
頭部660、右腕部670および左腕部680は、胴部661に接続されている。
【0214】
頭部660の正面側には、カメラ640およびマイク(マイクロフォン)631が配置されている。
【0215】
胴部661の正面にはディスプレイ620およびスピーカ631が配置されている。
【0216】
また、
図5のとおり、応援装置6は、制御部60と、ネットワークインターフェース61と、グラフィック処理部62と、オーディオ処理部63と、記憶部64と、右腕駆動部67と、左腕駆動部68と、頭駆動部66とを備えている。
【0217】
ネットワークインターフェース61と、グラフィック処理部62と、オーディオ処理部63と、記憶部64と、右腕駆動部67と、左腕駆動部68と、頭駆動部66と、カメラ604とは、バス69を介して制御部60と電気的に接続されている。
【0218】
制御部60は、応援装置6の動作を制御する。制御部60は、各種の情報およびデータを送受信し、各種の情報およびデータを処理する。制御部60は、CPUおよび半導体メモリを備えている(図示省略)。制御部60の機能については、後述する。
【0219】
ネットワークインターフェース61は、応援装置6と管理サーバ装置4との間で、各種データを送受信するために、通信ネットワーク7に通信可能に接続される。
【0220】
グラフィック処理部62は、制御部60から出力される各種画像情報に従って、各種画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部62で描画された画像は、ディスプレイ620に出力(表示)される。例えば、グラフィック処理部62は、応援画像をディスプレイ620に表示させる。
【0221】
オーディオ処理部63は、制御部60から出力される各種音声情報に従って、各種音声をスピーカ630に出力(再生)させる。例えば、オーディオ処理部63は、応援音声をスピーカ630に出力させる。
【0222】
また、オーディオ処理部63は、マイク631が検出(収音)したアナログ音声信号およびデジタル音声データ(音声データ)を生成する。例えば、オーディオ処理部63は、スタジアム内で発生する音声の音声データを生成する。
【0223】
記憶部64は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部64には、アバター装置の動作を制御するための各種プログラム、制御用データ等が格納されている。また、記憶部64には、アバターIDが格納されている。
【0224】
また、撮像部65は、制御部60から出力される情報に従って、カメラ650に撮像を行わせる。カメラ(撮像ユニット)650は、光学レンズ、CCDイメージセンサ(CCD)、撮像信号処理部等を備え、スタジアムを撮影した画像データを生成する。カメラ640は、生成した画像データを制御部60へ送信する。
【0225】
頭駆動部66は、モータ等を備え、頭部660を上下方向および左右方向に回動させる。頭部の回動によって、カメラ603の撮像方向が調整される。なお、各駆動部65~67における回動させる構成は一般的な構成を採用することができる。
【0226】
右腕駆動部67は、モータ等を備え、右腕部670を上下方向に回動させる。左腕駆動部68は、モータ等を備え、左腕部680を上下方向に回動させる。
【0227】
<アバター装置の制御部の機能の説明>
応援装置6の制御部60は、前述のプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
<出力ステップの説明>
制御部60は、出力手段として機能することで出力ステップを実行する。以下では、出力手段としての制御部60が実行する処理を説明する。
【0228】
制御部60は、管理サーバ装置4から受信した出力指示から出力対象(出力情報)を取り出し、グラフィック処理部62およびオーディオ処理部63に出力する。これにより、グラフィック処理部62は、応援画像をディスプレイ620に出力(表示)し、オーディオ処理部63は、応援音声をスピーカ630から出力(再生)する。
【0229】
<駆動ステップの説明>
制御部60は、駆動手段として機能することで出力ステップを実行する。以下では、駆動手段としての制御部60が実行する処理を説明する。
【0230】
制御部60は、管理サーバ装置6から受信した変更指示に基づいて、各駆動部65~67を駆動させる。これにより、頭部660、右腕部670、左腕部680が回動する。
【0231】
また、制御部60は、応援音声などの出力に応じて各駆動部65~67を駆動させる。
【0232】
<撮像ステップの説明>
制御部40は、撮像手段として機能することで撮像ステップを実行する。以下では、撮像手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0233】
制御部40は、カメラ640から撮影される観覧映像情報およびマイク631から取得される観覧音声情報を取得する。また、制御部40は、取得した映像情報などを、応援装置6の識別情報とともに管理サーバ装置4に送信する。
【0234】
<応援実行処理の説明>
以下、
図13を参照して、システム1において行われる本発明の応援実行処理について説明する。
図13では、1つのユーザ端末装置3および1つの管理サーバ装置4が用いられるが、複数のユーザ端末装置3および複数の管理サーバ装置4が用いられて応援実行処理が実行されてもよい。
【0235】
まず、運営端末装置5の制御部50は、ステータス更新ステップを実行し、試合の進行状況の情報を管理サーバ装置4に送信する(ステップS500)。
【0236】
試合の進行状況は、例えば、選手バス移動、選手ロッカー待機中、試合開始30分前、国歌斉唱、試合中(イニング情報)、ピッチャー交代、ホームランなどの得点時、試合終了、インタビューなどの情報である。例えば、運営者が運営端末装置5に進行状況の入力を行って、運営端末装置5から管理サーバ装置4に送信される。このステップは、運営管理者からの入力が行われるたびに実行される。
【0237】
ついで、管理サーバ装置4の制御部40は、試合の進行状況を受信した場合に、更新ステップを実行する(ステップS300)。
【0238】
このステップでは、記憶部42に記憶されている試合の進行状況が更新される。このステップは、管理サーバ装置4が試合の進行状況を受信するたびに実行される。
【0239】
また、ユーザ端末装置3の制御部30は、選択ステップを実行し、参加する試合(スタジアム)、座席(応援装置6)、出力オプションおよびツアーオプションの選択操作(指定操作)を受けつける(ステップS105)。
【0240】
また、選択ステップにおいて、制御部30は、参加情報をアプリケーションサーバ装置2に送信する。ユーザ端末装置3は、例えば、アプリケーションが起動された後、アプリケーションサーバ装置2などから試合情報、座席情報などを受信することで指定画像70などを表示させ、タッチパッド340介してユーザに前記操作を実行させる。
【0241】
ついで、アプリケーションサーバ装置2の制御部20は、設定ステップを実行し、受信した参加情報に関する設定を実行する(ステップS205)。例えば、制御部20は、管理サーバ装置4に、参加情報とともに設定指示を送信する。また、制御部20は、参加情報を、このユーザのユーザIDに関連づけてユーザデータとしてユーザDB221に登録する。
【0242】
ついで、管理サーバ装置4の制御部40は、アプリケーションサーバ装置2からの設定指示に基づいて、設定ステップを実行する(ステップS305)。例えば、制御部40は、ユーザが指定した試合の座席(応援装置6)と、ユーザとを対応づける設定を実行する。
【0243】
また、このステップでは、制御部40は、参加情報に含まれる出力オプション、ツアーオプションなどの情報も登録する。具体的には、制御部40は、ローカルユーザDB422に、受信したユーザIDおよび参加情報を登録する。
【0244】
ついで、アプリケーションサーバ装置2の制御部20は、情報取得・出力ステップを実行し、管理サーバ装置4から各種情報を取得し、ユーザ端末装置3のディスプレイ320およびスピーカ330への出力情報などの送信を実行する(ステップS210)。
【0245】
例えば、制御部20は、中継映像、観覧映像などの各種情報の送信開始、および、応援装置6への出力などを、管理サーバ装置4に要求(送信開始要求)する。
【0246】
また、制御部20は、前述の視聴画像80を表示させるために、中継映像、観覧映像などを含む出力開始指示をユーザ端末装置3に送信する。なお、情報取得・出力ステップは、後述するステップS255まで繰り返し行われる。また、中継映像および観覧映像は、例えば、試合開始の30分前から試合の終了後の勝利チームの選手のインビューなどが終了するまで表示される。
【0247】
また、観覧映像は、中継映像の配信時間外に配信されていてもよい。例えば、観覧映像は、中継映像の配信が終わった後などに表示されてもよい。これにより、ユーザは、例えば、試合終了後のオプションツアーへ参加することができ、また、応援装置6を介して試合終了後の余韻を楽しむこともできる。
【0248】
ついで、管理サーバ装置4の制御部40は、アプリケーションサーバ装置2からの送信開始要求に基づいて、情報取得・送信ステップを実行する(ステップS310)。
【0249】
このステップでは、試合の進行状況の情報、中継映像、観覧映像などの各種情報を取得すること、および送信することが実行される。
【0250】
例えば、制御部40は、カメラ640およびマイク631で撮影した観覧映像(観覧音声を含む)の送信開始を、応援装置6に要求する。また、制御部40は、中継映像の取得処理などを開始する。なお、情報取得・送信ステップは、後述するステップS355まで繰り返し行われる。
【0251】
ついで、応援装置6の制御部60は、管理サーバ装置4からの送信開始要求に基づいて、撮影ステップを実行する(ステップS410)。このステップでは、制御部60は、カメラ640およびマイク631で撮影した観覧映像(観覧音声を含む)を管理サーバ装置4に送信する。なお、撮影ステップは、後述するステップS455まで繰り返し行われる。
【0252】
また、ユーザ端末装置3の制御部30は、アプリケーションサーバ装置2からの出力開始指示に基づいて、出力ステップを開始する(ステップS110)。これにより、アプリケーションサーバ装置2から受信した各種情報に基づいて、ディスプレイ320での視聴画像80の表示および音声の出力が実行される。なお、出力ステップは、後述するステップS155まで繰り返し行われる。
【0253】
また、管理サーバ装置4の制御部40は、参加情報に基づいて、応援出力Iステップを実行する(ステップS315)。
【0254】
このステップでは、応援装置6に出力させる出力オプションのうち、ユーザによるボタン操作(応援アイコンボタンの操作)を要求しない出力オプションについて、応援装置6への出力が実行される。この出力オプションとしては、例えば、ユニフォーム画像を応援装置6のディスプレイ620に出力させるための出力オプションがある。
【0255】
制御部40は、ユーザの参加情報に基づいて、応援装置6に出力させる応援映像(例えば、ユニフォーム画像)を決定し、応援装置6のディスプレイ620に出力開始指示Iを行う。例えば、制御部40は、応援映像などの出力情報(画像情報など)とともに、出力開始指示Iを応援装置6に送信する。
【0256】
ついで、応援装置6の制御部60は、管理サーバ装置4からの出力開始指示Iに基づいて、応援出力Iステップを実行する(ステップS415)。このステップでは、制御部60は、受信した出力情報に基づいてディスプレイ620に応援画像を表示させる。なお、応援出力Iステップは、後述するステップS455まで継続して出力される。
【0257】
また、ユーザ端末装置3の制御部30は、ユーザから切替ボタンが操作された場合に映像変更ステップを実行し、映像領域81の表示内容を、中継映像および観覧映像のいずれか一方に切り替える(ステップ120)。前述のとおり、ユーザは、切替ボタン(切替ボタンが表示された位置に対応するタッチパッド340)をタップすることで映像変更を実行することができる。
【0258】
また、ユーザ端末装置3の制御部30は、ユーザから応援アイコンボタンの操作があった場合に応援要求ステップを実行し、操作情報(オプションID)をアプリケーションサーバ装置2に送信する(ステップS125)。前述のとおり、ユーザは、応援アイコンボタン(応援アイコンボタンが表示された位置に対応するタッチパッド340)をタップすることで応援要求を実行することができる。
【0259】
ついで、アプリケーションサーバ装置2の制御部20は、ユーザ端末装置3から応援アイコンボタン(例えば、ブーイング92)の操作情報を受信した場合に、応援出力IIステップを実行する(ステップS225)。具体的には、制御部20は、操作情報(オプションID)を含めた応援出力指示IIを管理サーバ装置4に送信する。
【0260】
ついで、管理サーバ装置4の制御部40は、アプリケーションサーバ装置2からの応援出力指示IIに基づいて、応援出力IIステップを実行する(ステップS325)。このステップでは、操作情報(オプションID)に基づいて、応援装置6に出力させる応援音声を決定し、応援装置6に出力開始指示IIを送信する。
【0261】
制御部40は、例えば、応援音声に対応する出力情報(音声データ、腕部の姿勢情報など)とともに、出力開始指示IIを応援装置6に送信する。腕部の姿勢情報は、例えば、腕部の回動角度である。
【0262】
ついで、応援装置6の制御部60は、管理サーバ装置4からの出力開始指示IIに基づいて、応援出力IIステップを実行する(ステップS425)。このステップでは、制御部60は、受信した出力情報に基づいてスピーカ630に応援音声を出力し、腕部607、608を回動させる。なお、応援出力IIステップは、指定された応援音声の出力が完了した後に終了する。
【0263】
また、ユーザ端末装置3の制御部30は、ユーザから操作ボタンの操作があった場合にカメラ操作要求ステップを実行し、操作情報(操作ID)をアプリケーションサーバ装置2に送信する(ステップS130)。前述のとおり、ユーザは、操作ボタン(操作ボタンが表示された位置に対応するタッチパッド340)をタップすることでカメラ操作要求を実行することができる。
【0264】
ついで、アプリ制御サーバ装置2の制御部20は、ユーザ端末装置3から操作ボタンの操作情報を受信した場合に、カメラ変更ステップを実行する(ステップS230)。具体的には、制御部20は、操作情報(操作ID)を含めた変更指示を管理サーバ装置4に送信する。
【0265】
ついで、管理サーバ装置4の制御部40は、アプリケーションサーバ装置2からの変更指示に基づいて、カメラ変更ステップを実行する(ステップS330)。
【0266】
このステップでは、操作情報(操作ID)に基づいて、応援装置6の頭部660の姿勢、ズーム(縮尺率)を決定し、応援装置6に変更指示を送信する。
【0267】
例えば、制御部40は、応援装置6の頭部660の姿勢、ズーム(縮尺率)などの制御情報とともに、変更指示を応援装置6に送信する。
【0268】
ついで、応援装置6の制御部60は、管理サーバ装置4からの変更指示に基づいて、カメラ変更ステップを実行する(ステップS430)。このステップでは、制御部60は、受信した設定情報に基づいて、頭部660の回動、ズームの拡縮率を設定(変更)する。
【0269】
なお、変更ステップで変更された頭部660の回動、ズームの拡縮率は、再度の変更指示を受信するまで、または、撮影ステップが終了するまで維持される。
【0270】
また、ユーザ端末装置3の制御部30は、ユーザからチャットボタンの操作があった場合にチャット開始要求ステップを実行し、チャット開始要求をアプリケーションサーバ装置2に送信する(ステップS140)。前述のとおり、ユーザは、チャットボタン(チャットボタンが表示された位置に対応するタッチパッド340)をタップすることでチャット開始要求を実行することができる。
【0271】
ついで、アプリ制御サーバ装置2の制御部20は、ユーザ端末装置3からチャット開始要求を受信した場合に、マッチングステップを実行する(ステップS240)。
【0272】
具体的には、制御部20は、ユーザに関してマッチング条件に合致する他ユーザを、ユーザの音声チャットの相手として割り当てる。他ユーザは1名以上であればよい。また、制御部20は、マッチングした各ユーザのユーザデータに、チャット相手のユーザIDを登録する。
【0273】
さらに、制御部20は、マッチングの成立によって、チャットの開始指示を、マッチングが成立した各ユーザのユーザ端末装置3に送信する。
【0274】
ついで、アプリケーションサーバ装置2の制御部20は、チャット通信ステップを実行する(ステップS245)。
【0275】
このステップでは、制御部20は、マッチング中のユーザの発話音声の音声データを各ユーザ端末装置3から受信し、相手ユーザのユーザ端末装置3に送信する。なお、このステップは、例えば、ユーザがチャット終了の操作を行った場合など、チャットが終了されるまで継続して実行される。
【0276】
また、ユーザ端末装置3の制御部30は、アプリケーションサーバ装置6からチャットの開始指示を受信した場合に、チャット実行ステップを実行する(ステップS145)。
【0277】
このステップでは、制御部30は、マイク331を介して取得したユーザの発話音声の音声データをアプリケーションサーバ装置2に送信する。また、制御部30は、他ユーザの発話音声の音声データをアプリケーションサーバ装置2から受信してスピーカ330から出力する。
【0278】
なお、このステップは、例えば、ユーザがチャット終了の操作を行った場合など、チャットが終了されるまで継続して実行される。
【0279】
また、運営端末装置5の制御部50は、出力条件が成立した場合に、強制出力ステップを実行する(ステップS535)。
【0280】
このステップでは、例えば、スタジアムのすべての応援装置6に対し、演出映像(音声を含む)を強制的に出力させる。出力条件は、例えば、試合の進行状況が特定の状況であること、強制出力指示が運営者から入力されたこと、などがある。
【0281】
例えば、試合の進行状況が国歌斉唱(特定の状況)の場合には、スタジアムのすべての応援装置6のディスプレイ630に、国歌斉唱に合わせた日の丸などの国旗の画像を表示させる。この場合には、制御部50は、国旗の画像情報などの出力情報とともに、強制出力指示を管理サーバ装置4に送信する。
【0282】
また、例えば、スポンサーが指定した特定状況(攻守交替時など)の場合に、制御部50は、スタジアムのすべての応援装置6のディスプレイ630に、スポンサーの広告映像を表示させる。これにより、中継映像に広告映像が映り込む。また、スタジアムの来場者は、直接的に、広告映像を目にすることになり、来場者への訴求効果も生じる。
【0283】
また、このステップでは、制御部60は、終了条件が成立した場合に、強制出力終了指示を管理サーバ装置4に送信して、このステップを終了する。終了条件は、例えば、国歌斉唱(特定の状況)が終了したことである。
【0284】
ついで、管理サーバ装置4の制御部40は、運営端末装置5から強制出力指示を受信した場合に、強制出力ステップを実行する(ステップS335)。
【0285】
このステップでは、制御部40は、出力対象となっている応援装置6に強制的に出力を行わせる。具体的には、制御部40は、出力情報を含めた強制出力指示を、対象となる応援装置6に送信する。例えば、スタジアムのすべての応援装置6に、国旗の画像情報(出力情報)を含めた強制出力指示を送信する。
【0286】
また、このステップでは、制御部40は、強制出力終了指示を運営端末装置5から受信した場合、強制出力終了指示をアバター端末装置6に送信して、このステップを終了する。
【0287】
ついで、応援装置6の制御部60は、管理サーバ装置4から強制出力指示を受信した場合に、強制出力ステップを実行する(ステップS435)。
【0288】
このステップでは、制御部60は、実行している応援出力Iステップなどの実行を中断し、ディスプレイ620に国旗の画像を表示させる。
【0289】
また、このステップでは、制御部60は、強制出力終了指示を管理サーバ装置4から受信した場合に、このステップを終了して中断している応援出力Iステップなどの実行を再開する。
【0290】
また、管理サーバ装置4の制御部40は、ツアーオプションの実行タイミングが到来した場合に、実行ステップを実行する(ステップS350)。制御部40は、ステップS310の処理以降に、ローカルユーザDB422の各ユーザの参加情報を参照し、指定されているツアーオプションの実行タイミングの到来を継続的に判断する。
【0291】
例えば、試合の進行状況がピッチャー交代となった場合に、制御部40は、「リリーフカー同乗(ホーム)」のツアーオプションの実行タイミングが到来したと判断し、「リリーフカー同乗」を実行する。なお、ホームチームのピッチャー交代でない場合は、「リリーフカー同乗(ホーム)」は実行されない。
【0292】
このステップでは、制御部40は、ユーザに対応づけられている応援装置6を、座席の応援装置6から、リリーフカーの応援装置6に一時的に変更する。これによって、リリーフカーの応援装置6のディスプレイ620に応援画像なども出力される。
【0293】
また、このステップでは、制御部40は、カメラ640およびマイク631で撮影した観覧映像(観覧音声を含む)の送信開始を、リリーフカーの応援装置6に要求する。なお、リリーフカーの応援装置6の制御部60は、管理サーバ装置4からの送信開始要求および音声出力指示に基づいて、撮影・出力ステップを実行する。制御部60は、カメラ640およびマイク631で撮影した観覧映像(観覧音声を含む)を管理サーバ装置4に送信する。また、制御部60は、管理サーバ装置4から受信した音声データをスピーカ630から出力する。
【0294】
また、このステップでは、制御部40は、リリーフカーの応援装置6から受信した観覧映像(観覧音声を含む)の出力情報とともに、ツアーオプション出力指示をアプリケーションサーバ装置2に送信する。
【0295】
また、このステップでは、制御部40は、ユーザ端末装置3(アプリケーションサーバ装置2)から受信したユーザの発話音声の音声データを含む音声出力指示を、リリーフカーの応援装置6に要求する。
【0296】
また、このステップでは、制御部40は、ツアーオプションの終了タイミングが到来した場合に、該当するユーザが対応づけられている応援装置6の対応づけを、もとの座席の応援装置6に戻す。これによって、もとの座席の応援装置6のディスプレイ620に応援画像などが再び出力されるとともに、ユーザ端末装置3のディスプレイ320に中継映像が出力される。
【0297】
制御部40は、ツアーオプションの終了タイミングが到来した場合に、ツアーオプション終了指示をアプリケーションサーバ装置2に送信して、このステップを終了する。
【0298】
ついで、アプリケーションサーバ装置2の制御部20は、管理サーバ装置4からのツアーオプション出力開始指示に基づいて、ツアーオプション出力ステップを実行する(ステップS250)。
【0299】
このステップでは、制御部20は、リリーフカーの応援装置6で撮影された観覧映像(観覧音声を含む)の出力情報とともに、ツアーオプション出力指示をユーザ端末装置3に送信する。
【0300】
また、このステップでは、制御部20は、ユーザ端末装置3から受信した音声データを管理サーバ装置4に送信する。
【0301】
また、このステップでは、制御部20は、ツアーオプション終了指示を受信した場合に、ツアーオプション終了指示をユーザ端末装置3に送信して、このステップを終了する。
【0302】
ついで、ユーザ端末装置3の制御部30は、アプリケーションサーバ装置2からのツアーオプション出力開始指示に基づいて、ツアーオプション出力ステップを実行する(ステップS150)。これにより、リリーフカーの応援装置6で撮影された観覧映像がディスプレイ320(映像領域81)に表示される。また、この観覧映像の音声がスピーカ330から出力される。
【0303】
また、このステップでは、制御部30は、マイク331から取得されたユーザの発話音声の音声データをアプリケーションサーバ装置2に送信する。
【0304】
制御部30は、ツアーオプション終了指示をアプリケーションサーバ装置2から受信した場合に、このステップを終了する。
【0305】
管理サーバ装置4の制御部40は、野球の試合の中継映像を取得することができなくなるなど、映像表示が終了された場合に、情報取得・送信ステップを終了する(ステップS355)。制御部40は、アプリケーションサーバ装置2および応援装置6に、終了指示を送信する。
【0306】
以上の手順により、本発明の応援実行処理が実行される。
【0307】
以上をまとめると、本発明は、
つぎの各ステップを実行するシステムであって、
設定ステップにおいて、複数の応援装置6に対してユーザを対応づけ、
応援装置6は、現実世界のイベントが開催されるイベント会場に設置され、
出力ステップにおいて、応援装置6に接続されたディスプレイ620およびスピーカ630に応援画像および応援音声を出力させる、
システムである。
【0308】
<発明の効果>
本発明によれば、スポーツあるいはコンサート等のイベントのイベント会場にユーザの分身を参加させて、会場にはいないユーザに会場に行った感覚を与えることができるシステムおよびコンピュータプログラムを提供することができる。
【0309】
具体的には、ユーザが対応づけられたアバター装置がイベント会場に設置されることにより、ユーザは、例えば、アバター装置に設置されたカメラを介してイベントを視聴することができるとともに、例えば、アバター装置に設置されたディスプレイおよびスピーカを介してユーザによる応援をイベント会場で発することができる。
【0310】
さらに、本発明によれば、例えば、ユーザはアバター装置を介して選手などに応援画像・声援を届けることができ、一方、選手はアバター装置を介してユーザにファンサービスを提供することもできる。
【0311】
[第2の実施形態]
第1の実施形態に限られず、本発明のシステムには、ユーザが管理する応援装置が用いられてもよい。
【0312】
本実施形態における応援装置は、例えば、
図14のとおり、ユーザが管理する応援装置610である。
【0313】
応援装置610は、当初からはスタジアム(イベント会場)には設置されておらず、例えば、ユーザが運送業者などを利用することで、ユーザの手元からスタジアムに移送される。
【0314】
本実施形態では、ユーザは、応援装置610の移送前に、試合、座席、オプションなどの指定操作を行う。
【0315】
ついで、ユーザは、試合が行われるスタジアムの管理サーバ装置400に、自身の応援装置600を登録する。
【0316】
これにより、例えば、応援装置610のIPアドレスなど、各種装置が応援装置610と通信を開始するための情報が、ユーザに関連づけてローカルユーザDB(ユーザデータ)に登録される。
【0317】
なお、通信を開始するための情報は、アプリケーションサーバ装置200を介してユーザ端末装置300から管理サーバ装置400へと送信される。
【0318】
管理サーバ装置400と応援装置610との通信接続が完了したのち、ユーザは、スタジアムに応援装置610を移送すればよい。
【0319】
そして、スタジアム到着後に、応援装置610は、例えばスタジアムの運営者によって指定位置(座席)に配置される。
【0320】
配置位置は、ユーザが指定した情報などに基づいて、例えば、電源起動後の応援装置610のディスプレイに自動表示されるようにすることができる。
【0321】
イベントが開始される所定時間前より、ユーザ端末装置300でアプリケーションを起動することで、ユーザは、観覧映像などを視聴することができる。
【0322】
試合終了後には、応援装置610は、再び運送業者などを利用してユーザの手元に移送される。
【0323】
また、前記には限られず、ユーザ自身が応援装置を会場に持ち込んで設置することができてもよい。さらに、ユーザは、応援装置用の送迎バスを利用して応援装置を会場まで運ぶことができてもよい。
【0324】
さらには、応援装置が自走式の装置(二足歩行ロボットなど)である場合には、ユーザが応援装置に目的地を設定し、会場まで移動させることもできる。
【0325】
その他の構成、および作用効果は前記実施形態と同様である。
【0326】
[第3の実施形態]
第1および第2の実施形態では、応援装置としては、ロボット型のアバター装置が用いられているが、応援画像および/または応援音声を出力することができる構成であれば、様々な装置が用いられうる。
【0327】
例えば、応援装置として、
図15のとおり、無線通信機能を備える液晶ディスプレイが用いられてもよい。液晶ディスプレイ600は、前述のアバター装置と同様に、カメラ、マイク、スピーカなどを備える。
【0328】
この場合には、
図15のとおり、ユーザ自身の顔写真が、応援するチームのユニフォームの画像とともに、液晶ディスプレイ600に表示されることができる。この場合においてユーザ自身の顔写真は、リアルタイム映像であっても、あらかじめ撮影した静止画であってもよい。
【0329】
さらには、隣接する複数の液晶ディスプレイ600に1人のユーザが対応づけられてもよい。この場合には、マルチモニタとして、1人のユーザを大きく表示することができる。
【0330】
その他の構成、および作用効果は前記実施形態と同様である。
【0331】
[他の実施形態]
前記実施形態では、イベントは、野球の試合であったが、サッカー、ゴルフ、テニス、格闘技など他のスポーツの試合、競馬、競艇などの公営ギャンブル、eスポーツであってもよい。また、イベントは、コンサート、海外旅行のツアーなどの興行であってもよい。
【0332】
例えば、イベントがeスポーツである場合には、ユーザが座る座席に応援装置が設置されるだけではなく、選手のコントローラの操作を撮像することのできる位置に応援装置が設置されてもよい。
【0333】
eスポーツ、ゴルフ、テニスなどにおいては、選手の集中力を遮らないように応援装置からの声援の再生状況に応じて再生しない(または音量を小さくする)ように応援装置が制御されてもよい。また、応援装置を介して選手を応援するユーザ同士においては、声援、チャットなどがユーザ端末装置を介して再生されてもよい。
【0334】
また、イベント会場が映画館、演劇の劇場等で、例えば応援上映(観客がペンライトなどを振りながら声援を送ることができる上映など)で応援装置から音声を出力させることができてもよい。
【0335】
また、アプリケーションサーバ装置あるいは管理サーバ装置が、応援装置を介してユーザが禁止用語を発したり表示したりするようなマナー違反を検出することができてもよい。この場合には、アプリケーションサーバ装置等が、マナー違反をするユーザに対応づけられた応援装置からの出力を強制的に制御(禁止)することができる。
【0336】
また、前記のようにアプリケーションサーバ装置等がマナー違反等を検出することができる場合には、マナー違反が所定回数あるユーザが次に座席を予約するときなどに、そのユーザに制限を課す(そのユーザは、予約することができない、あるいは、選手から遠い座席のみを予約することができる)ことができてもよい。
【0337】
また、試合の進行状況が特定の状況である例として、チームA(あるいはチームB)のテーマソングなどが再生されるときは、応援装置のディスプレイに、そのチームカラーが表示されたり、複数の応援装置にわたってエンブレムあるいは応援メッセージなどが表示されたりしてもよい。
【0338】
さらに地震などの緊急事態時には、応援装置のディスプレイに、避難経路が表示されて、来場者を誘導することもできてもよい。
【0339】
また、前記実施形態では、ツアーオプションの開始タイミングで、ユーザが対応づけられている応援装置が変更される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ツアーオプションの開始タイミングが到来した場合に、該当するユーザが対応づけられている応援装置に加え、さらに他の応援装置(例えば、リリーフカーに同乗している応援装置)に対して一時的に対応づけが追加されてもよい。
【0340】
また、前記実施形態に限られず、ユニフォームには、ホーム用ユニフォーム、アウェイ用ユニフォーム、サードユニフォームなど、複数種類用意されていてもよい。ユーザは、その画像(スキン)を購入することによって、それらの画像を応援装置のディスプレイにオプション画像として表示することができる。
【0341】
さらには、ユーザは、タオル、メガホン、帽子などの様々なグッズ画像を購入して、応援装置に表示することができる。この場合には、例えばタオルの画像が、ユニフォーム画像に重ねて表示される。
【0342】
また、応援装置に表示される画像は、ユーザの顔写真の画像だけではなく、三次元モデルで表示されるアバター画像であってもよい。また、ユーザは、アバター画像の顔のパーツあるいは髪型などを様々に変更して、アバター画像のカスタマイズをすることができてもよい。
【0343】
また、応援装置のディスプレイに表示されるアバター画像の顔のパーツには、その種類が複数用意されており、また、無料で使用することができるパーツと有料で使用することができるパーツとが用意されていてもよい。
【0344】
また、応援装置が発光装置を備えており、ユーザの操作に基づいて発光装置を発光させることができてもよい。
【0345】
また、有名人がDJなどとして進行するラジオのブースの中に、1台の応援装置が置かれており、その応援装置にリスナーとしてのユーザが対応づけられるようになっていてもよい。この場合には、運営端末装置の処理(抽選など)に基づいて、応援装置に対応づけられるユーザを変更して、その時点で対応づけられているユーザが、芸能人と話すことができる。
【0346】
前記実施形態に限られず、応援装置(応援装置)は、スタジアムの座席にあらかじめ固定されていてもよい。そして、この場合には、ユーザは、座席を予約する際に、その座席(応援装置)からの観覧映像を試しに視聴することができてもよい。
【0347】
ユーザはユーザ端末装置を介して、応援装置から出力される音量あるいは音声を変えることができてもよい。例えば、ユーザが料金の支払処理をすることによって、例えば、自身の声援の音量を大きくすることができてもよく、また、ボイスチェンジャーによって、応援装置から出力される声を変更することができてもよい。
【0348】
また、座席に設置される応援装置に限られず、応援装置は、座席の背もたれ、一塁などのベース、マウンドなどに埋め込まれたカメラ付装置であってもよく、イベント会場の複数位置に分散して配置されるカメラ付装置であってもよい。すなわち、応援装置は、カメラ、マイク、スピーカ、ディスプレイのうちのいずれか1つを備えていればよい。
【0349】
また、応援装置は、ピッチサイド、スタジアム内、上空を移動することができる装置であってもよい。また、応援装置は、レール上を移動してもよいし、自走してもよいし、ドローンなどのように飛行してもよい。
【0350】
前記実施形態に限られず、応援装置のカメラは、応援装置自身によって制御されてもよい。例えば、応援装置のカメラ映像をもとに画像認識処理およびトラッキング処理が行われて、試合中はボールに追従するようにカメラが制御されてもよい。
【0351】
また、ユーザが装着するHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の視線あるいは向きに連動して、応援装置のカメラの動きが制御されてもよい。この場合には、例えば、ユーザがHMDを装着して基準姿勢および基準視線を設定し、その情報をアプリケーションサーバ装置に登録することができればよい。この情報に基づいて、基本姿勢等から変更された姿勢等に基づいて、応援装置のカメラが制御されればよい。
【0352】
観覧映像は、その応援装置に対応づけられたユーザのユーザ端末装置に表示されるだけではなく、別のユーザのユーザ端末装置に表示されてもよい。また、この観覧映像は、配信映像として表示されてもよい。
【0353】
また、応援装置が、全天球カメラあるいは半天球カメラなどの360度カメラを搭載していてもよい。
【0354】
前記実施形態に限られず、スタジアムの座席以外に設置された応援装置を、ユーザが指定することができるようにしてもよい。例えば、ユーザは、スタジアム内に設置された複数の定点カメラによる映像のうちからいずれかの映像を選択することができてもよい。
【0355】
さらには、従来のようにスタジアムに観客が入るようにしつつも、スタジアム内に設置されている据置型装置にユーザ自身のユーザIDを登録することができるようになっていてもよい。この場合には、例えば、スタジアムに最大で30000人が収容され、かつ、スタジアム内に100台設置された応援装置(アバター装置、据置型装置)に、1装置ごとに100人ずつユーザが登録することができる場合には、従来よりも多い、最大で40000人の観客が収容されうることになる。
【0356】
また、最大で30000人収容することのできるスタジアムにおいて、入場制限が5000人である場合には、来場者5000人(5000座席)に加えて、リモート応援をする25000人に対して応援装置(25000座席)を割り当てることができる。
【0357】
また、スタジアムの座席が売れ残った場合(空席が生じた場合)には、運営者が、その座席に応援装置を設置して(その座席に設置された応援装置に)、その座席からの映像を視聴する権利を販売することができてもよい。この場合には、スタジアムに足を運ぶことができないユーザであっても、イベントが終了するまでに、その座席の応援装置に自身を対応づけて試合を観戦することができる。
【0358】
また、その他の例として、つぎのステップを実行させるシステムであって、
出力ステップにおいて、応援装置に接続された出力部に応援画像および/または応援音声を出力させ、
前記応援装置には、所定の媒体(例えば、マスコットキャラクタを模したオブジェクトなど)を接続することができ、
前記出力ステップにおいて、前記媒体の属性(応援するチームなどの情報)に応じて、前記応援画像および/または前記応援音声を変化させる、
システムがある。
【0359】
この場合には、ユーザが応援装置に例えばマスコットキャラクタのオブジェクトを接続することで、そのオブジェクトの属性に応じて、応援内容を変更することができる。
【0360】
また、前記実施形態に限られず、1つの応援装置に、複数のユーザを対応づけることができてもよい。この場合には、応援映像等の出力の際に、応援装置のディスプレイが分割されてもよく、また、所定時間ごとにユーザの映像が切り替えられてもよい。また、1つのオプション(例えば、キャッチャーマスクあるいはアンパイアマスクに搭載されたカメラの視点に基づく映像を視聴する場合には、50万円の対価が必要)に対して、複数人で折半してそのオプションを購入することができるようになっていてもよい。
【0361】
前記実施形態に限られず、中継映像と応援装置による観覧映像とが同時に表示されてもよい。さらには、ユーザの操作に基づいて、中継映像と観覧映像とが切り替えられてもよい。
【0362】
前記実施形態に限られず、ユーザは、出力オプションなどを、試合の途中に指定(あるいは変更)することができてもよい。
【0363】
また、前記応援装置は、試合に出場する選手(控え選手)が着席するベンチ、選手が使用するロッカールーム、および、選手がプレイするフィールドなどに設置されてもよい。また、コンサートなどの興行の場合には、前記応援装置は、興行が行われるステージ、興行に参加する演者の控室に設置されてもよい。
【0364】
さらには、本発明を発展させることで、以下のように、イベント会場にいるユーザに新たなサービスを提供することもできる。
【0365】
例えば、ユーザは自身の指定座席に座るなど、ユーザが遠隔にいながら、通常ではユーザが行くことができない位置に設置されている応援装置を、ユーザに対応づけることができてもよい。具体的には、ピッチャーの帽子、キャッチャーマスク(またはアンパイアマスク)、ベンチ、ベースなどの用具などにカメラが取りつけられており、ユーザが自身のユーザ端末装置をアプリケーションサーバ装置に登録しておくことで、会場にいながら(遠隔にいながら)、通常では見られないような映像を分身を介して観る(体験)することができるようになっていてもよい。
【0366】
例えば、ユーザはスタジアムの座席(外野席)にいながら、自身のユーザ端末装置で、例えば、キャッチャーの目線(キャッチャーマスクに取りつけられた応援装置のカメラ視点)に基づく映像を視聴することができる。
【0367】
そして、会場ユーザのユーザ端末装置においても、前記実施形態のツアーオプションを指定することができてもよい。これにより、会場ユーザも、自身のユーザ端末装置で、中継映像および観覧映像などを視聴することができる。このように、本発明のシステムを用いて、会場ユーザに対して付加的なサービスを提供することもできる。
【0368】
前記実施形態に限られず、音声チャットがなされている間に、マッチングされた他ユーザの会話音声の音量が調整されてもよい。
【0369】
例えば、ユーザの応援装置の座席から遠い座席に配置される応援装置に対応する他ユーザとの会話音声ほど、音量が小さくなるように調整されてもよい。これにより、ユーザは、音声チャットにおいても、スタジアムで会話しているような臨場感を得ることができる。
【0370】
なお、ユーザの応援装置のアバターIDには、座席番号が含まれる。したがって、アバターIDを参照して、ユーザの応援装置の座席位置と他ユーザの応援装置の座席位置とが対比されることで、座席間の遠近が判断されればよい。
【0371】
また、ユーザは、イベントの開始前だけではなく、イベントが開始されたのちに、いずれかの応援装置に自身を対応づけることができてもよい。すなわち、アプリケーションサーバ装置が、イベント開始後も、ユーザによる座席およびオプションの指定を受けつけることができてもよい。この場合には、イベント開始後のチケットの売れ残りなどを軽減させることができる。さらには、イベント開始後に経過した時間(または、イベント終了予定時間までの時間)の長さによって、ユーザが支払う料金が変動してもよい。
【0372】
また、イベントの途中(イベントの開始から終了までの間)で席を離れる(スタジアムを離れる)ユーザを保護するために、そのユーザが購入している座席、オプションなどの権利を他のユーザに譲渡することができてもよい。この場合には、例えば権利を授受しあうユーザ同士で、試合ID、アバターIDなどの必要な情報を送受信しあうとともに、一般的な電子決済サービスを利用して金銭の授受をすることができればよい。なお、これらの操作は、アプリケーションサーバ装置を介して行われてもよく、また、ユーザ端末装置同士で行われてもよい。
【0373】
さらに、イベントの途中(イベントの開始から終了までの間)で席を離れる(スタジアムを離れる)ユーザは、その後、その座席に対応づけられた応援装置からの観覧映像を視聴することができてもよい。これにより、様々な理由(例えば、トイレあるいは売店での買い物、帰宅など)により離席した後であっても、ユーザ端末を介して、その座席からの映像をいずれの場所からでも視聴することができ、得点シーンなどを見逃さずにすむ。
【0374】
また、前記実施形態では、アプリケーションサーバ装置、管理サーバ装置、運営端末装置など複数の装置が用いられる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、アプリケーションサーバ装置の前記機能、管理サーバ装置の前記機能、運営端末装置の前記機能が1つの装置で実行されてもよい。この場合には、その1つの装置およびアプリケーションプログラム(例えば、A-OSAKAアプリ)が、スタジアムごとに用意されていればよい。
【0375】
また、特定の状況(例えば、選手が逆転ホームランを打つなど)が成立した場合には、管理サーバ装置が、応援装置のディスプレイをマスゲーム(または、チームカラーに染め上げるなど)に使用してもよい。または、管理サーバ装置が応援装置の腕駆動部を駆動させて、応援装置にウェーブを実行させてもよい。
【0376】
なお、前記において、悪意のあるユーザによる、イベントを視聴する権利の転売行為を防止する措置を講ずることができてもよい。
【0377】
例えば、前記のシステムにおいて、所定数以上の応援装置に対応づけられるユーザが、すべて同一のユーザ(ユーザID)である場合には、そのユーザがシステムに事前登録(例えば運営者によって事前に審査)されたユーザ(例えば、チームサポータとして登録されている応援団、スポンサーなど)であるか否かが判定されてもよい。
【0378】
そして、そのユーザが事前登録されていないユーザである場合には、その応援装置に対応づけられているユーザID等を一時的に無効化することができてもよい。これにより、複数の応援装置をスタジアムに設置してイベントを視聴する権利を転売するユーザを排除することができる。
【0379】
また、前記のシステムにおいて、応援装置に代えて、スタジアムの座席、選手が移動に用いる車両、選手が着席されるベンチなどに、カメラ、マイクおよびスピーカが接続されたホログラフィー装置(あるいは、Augmented Reality装置、ICチップ)が設置されてもよい。ホログラフィー装置が設置されている場合には、実体のある応援装置に代えて、応援装置のホログラムを表示することができる。ホログラムとしては、例えば、ユーザ自身のホログラム、ユーザが登録したアバターのホログラムが考えられる。
【0380】
また、前記に限られず、1つの座席に1つの応援装置が設置されるのではなく、エリアごとに、例えばボールの動きに追随するカメラを備えた応援装置を設置してもよい。この場合には、座席数を限定することなく、エリアチケットとして、ユーザを応援装置に対応づける権利が販売されてもよい。
【0381】
また、前記に限られず、ユーザは2つ以上のスタジアム(例えば、水泳競技場、柔道会場)に同時に応援装置を設置することができてもよい。この場合には、例えば、試合が同時刻に開催されている場合であっても、ユーザがスタジアムを切り換えるボタンを押すことで、または画面を分割して試合を観戦することができてもよい。
【0382】
また、ユーザの応援装置が故障等した場合に、ユーザの操作(あるいは管理サーバ装置の処理)に基づいて、一時的に近隣の座席に存在する他ユーザの応援装置にユーザIDを登録することができてもよい。これにより、応援装置が正常になるまで、ユーザが映像を視聴することができないなどの不具合を回避することができる。
【符号の説明】
【0383】
1 システム
2 アプリケーションサーバ装置
3 ユーザ端末装置
4 管理サーバ装置
5 管理端末装置
6 応援装置(アバター装置、据置型装置)
7 通信ネットワーク