(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】双方向データリンク
(51)【国際特許分類】
H04L 5/14 20060101AFI20240131BHJP
H04L 25/02 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
H04L5/14
H04L25/02 Z
(21)【出願番号】P 2020571343
(86)(22)【出願日】2019-03-11
(86)【国際出願番号】 US2019021593
(87)【国際公開番号】W WO2019173820
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-03-11
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】アビシェク マニアン
(72)【発明者】
【氏名】アミット レイン
【審査官】大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0215105(US,A1)
【文献】特開2007-281570(JP,A)
【文献】特開2001-160868(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0135489(US,A1)
【文献】特表2007-515140(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0253236(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 5/14
H04L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向データリンクであって、
順方向チャネルトランスミッタ回路であって、
順方向チャネルドライバ回路と、
前記順方向チャネルドライバ回路に結合される逆方向チャネルレシーバ回路であって、
前記順方向チャネルドライバ回路に結合される加算回路と、
前記加算回路に結合されるアクティブフィルタ回路であって、前記加算回路に結合される第1のトランジスタと、差動増幅器を形成するために前記第1のトランジスタに結合される第2のトランジスタと、前記差動増幅器の出力に結合される第1のキャパシタと、第3のトランジスタと、交差結合対を形成するように前記第3のトランジスタに接続される第4のトランジスタと、前記交差結合対の出力に結合される第2のキャパシタとを含む、前記アクティブフ
ィルタ回路と、
を含む、逆方向チャネルレシーバ回路と、
を含む、前記順方向チャネルトランスミッタ回路と、
順方向チャネルレシーバ回路であって、順方向チャネルレシーバと、前記順方向チャネルレシーバに結合される逆方向チャネルドライバ回路とを含む、前記順方向チャネルレシーバ回路と、
を含む、双方向データリンク。
【請求項2】
トランシーバ回路であって、
差動出力を含む順方向チャネルドライバ回路と、
前記差動出力に結合される逆方向チャネルレシーバ回路であって、
加算回路であって、前記差動出力の正端子に結合される第1の端子を含む第1の抵抗器と、第2の抵抗器であって、前記差動出力の負端子に結合される第1の端子と、前記第1の抵抗器の第2の端子に結合される第2の端子とを含む、前記第2の抵抗器とを含む、前記加算回路と、
前記加算回路に結合されるアクティブフィルタ回路であって、
前記加算回路に結合される第1のトランジスタであって、前記加算回路によって生成される出力信号によって制御される、前記第1のトランジスタと、
基準電圧源に結合される第2のトランジスタであって、差動増幅器を形成するために前記第1のトランジスタに結合される、前記第2のトランジスタと、
第1のキャパシタであって、前記差動増幅器の第1の出力に結合される第1の端子と、前記差動増幅器の第2の出力に結合される第2の端子とを含む、前記第1のキャパシタと、
前記差動増幅器に結合される交差結合対であって、第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタに交差結合される第2のトランジスタと、第2のコンデンサであって、前記交差結合対の第1の出力に結合される第1の端子と、前記交差結合対の第2の出力に結合される第2の端子とを含む、前記第2のコンデンサとを含む、前記交差結合対と、
を含む、前記アクティブフィルタ回路と、
を含む、前記逆方向チャネルレシーバ回路と、
を含む、トランシーバ回路。
【請求項3】
トランシーバ回路であって、
差動出力を含む順方向チャネルドライバ回路と、
前記差動出力に結合される逆方向チャネルレシーバ回路であって、
加算回路であって、前記差動出力の正端子に結合される第1の端子を含む第1の抵抗器と、第2の抵抗器であって、前記差動出力の負端子に結合される第1の端子と、前記第1の抵抗器の第2の端子に結合される第2の端子とを含む、前記第2の抵抗器とを含む、前記加算回路と、
前記加算回路に結合されるアクティブフィルタ回路であって、前記加算回路に結合される第1のトランジスタであって、前記加算回路によって生成される出力信号によって制御される、前記第1のトランジスタと、基準電圧源に結合される第2のトランジスタであって、差動増幅器を形成するために前記第1のトランジスタに結合され、前記基準電圧源が前記第1のトランジスタの端子に結合される、前記第2のトランジスタと、第1のキャパシタであって、前記差動増幅器の第1の出力に結合される第1の端子と、前記差動増幅器の第2の出力に結合される第2の端子とを含む、前記第1のキャパシタとを含む、前記アクティブフィルタ回路と、
を含む、前記逆方向チャネルレシーバ回路と、
を含む、トランシーバ回路。
【請求項4】
トランシーバ回路であって、
差動出力を含む順方向チャネルドライバ回路と、
前記差動出力に結合される逆方向チャネルレシーバ回路であって、
加算回路であって、前記差動出力の正端子に結合される第1の端子を含む第1の抵抗器と、第2の抵抗器であって、前記差動出力の負端子に結合される第1の端子と、前記第1の抵抗器の第2の端子に結合される第2の端子とを含む、前記第2の抵抗器とを含む、前記加算回路と、
前記加算回路に結合されるアクティブフィルタ回路であって、前記加算回路に結合される第1のトランジスタであって、前記加算回路によって生成される出力信号によって制御される、前記第1のトランジスタと、基準電圧源に結合される第2のトランジスタであって、差動増幅器を形成するために前記第1のトランジスタに結合され、前記基準電圧源が前記第1のトランジスタの端子に結合される、前記第2のトランジスタと、第1のキャパシタであって、前記差動増幅器の第1の出力に結合される第1の端子と、前記差動増幅器の第2の出力に結合される第2の端子とを含む、前記第1のキャパシタとを含む、前記アクティブフィルタ回路と、
を含む、前記逆方向チャネルレシーバ回路と、
前記順方向チャネルドライバ回路の縮尺変更された部分を含むドライバ複製回路と、
前記ドライバ複製回路を前記第2のトランジスタに結合するコンデンサと、
を含む、トランシーバ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
通信リンクは現代の電子機器システムでは一般的である。幾つかの通信シンクは一方向(すなわち、一方向のみのデータフロー)であり、他の通信リンクは双方向(すなわち、両方向のデータフロー)である。通信媒体を共有する双方向通信リンクは、一方向に移動するデータを、反対方向に移動するデータと区別することを可能にしなければならない。
【発明の概要】
【0002】
シングルエンド同軸ケーブルを介した同時双方向通信のためのデータリンクが本明細書に開示される。一例において、双方向データリンクは、順方向チャネルトランスミッタ回路及び順方向チャネルレシーバ回路を含む。順方向チャネルトランスミッタ回路は、順方向チャネルドライバ回路と、逆方向(back)チャネルレシーバ回路とを含む。逆方向チャネルレシーバ回路は、順方向チャネルドライバ回路に結合される。逆方向チャネルレシーバ回路は、加算回路及びアクティブフィルタ回路を含む。加算回路は、順方向チャネルドライバ回路に結合される。アクティブフィルタ回路は加算回路に結合される。順方向チャネルレシーバ回路は、順方向チャネルレシーバと逆方向チャネルドライバ回路とを含む。逆方向チャネルドライバ回路は、順方向チャネルレシーバに結合される。
【0003】
別の例において、トランシーバ回路が、順方向チャネルドライバ回路及び逆方向チャネルレシーバ回路を含む。順方向チャネルドライバ回路は差動出力を含む。逆方向チャネルレシーバ回路は差動出力に結合される。逆方向チャネルレシーバ回路は、加算回路及びアクティブフィルタ回路を含む。アクティブフィルタ回路は加算回路に結合される。
【0004】
更なる例において、トランシーバ回路が、順方向チャネルレシーバ回路及び逆方向チャネルドライバ回路を含む。順方向チャネルレシーバ回路は入力端子を含む。逆方向チャネルドライバ回路は、順方向チャネルレシーバ回路に結合される。逆方向チャネルドライバ回路は、出力端子及び差動電流モード駆動回路を含む。出力端子は、順方向チャネルレシーバ回路の入力端子に結合される。差動電流モード駆動回路は、出力端子に結合される。差動電流モード駆動回路は、複数の駆動トランジスタ及び複数の衰退(degeneration)抵抗器を含む。駆動トランジスタの各々は第1の端子を含む。衰退抵抗器の各々は、駆動トランジスタのうちの1つの駆動トランジスタの第1の端子に結合される第1の端子と、接地に結合される第2の端子とを含む。
【0005】
さらに別の更なる例において、逆方向チャネル通信システムが、逆方向チャネルドライバ回路及び逆方向チャネルレシーバ回路を含む。逆方向チャネルドライバ回路は、複数の駆動トランジスタ及び複数の衰退抵抗器を含む。駆動トランジスタの各々は第1の端子を含む。衰退抵抗器の各々は、駆動トランジスタのうちの1つの駆動トランジスタの第1の端子に結合される第1の端子と、接地に結合される第2の端子とを含む。逆方向チャネルレシーバは、加算回路及びアクティブフィルタ回路を含む。アクティブフィルタ回路は加算回路に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本記載に従った双方向データリンクのためのブロック図を示す。
【0007】
【
図2】本記載に従った双方向データリンクのオペレーションを例示する信号の例を示す。
【0008】
【
図3】本記載に従った双方向データリンクでの使用に適した逆方向チャネルドライバのための概略図を示す。
【0009】
【
図4】本記載に従った双方向データリンクでの使用に適した逆方向チャネルレシーバのための概略図を示す。
【0010】
【
図5】本記載に従ったドライバ複製回路を含む双方向データリンクでの使用に適した逆方向チャネルレシーバのための概略図を示す。
【0011】
【
図6】本記載に従った順方向チャネルトランスミッタでの使用に適した電圧モードドライバ回路の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本記載において、「結合する」という用語は、間接的又は直接的な有線又はワイヤレス接続のいずれかを意味する。そのため、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接的接続を介するもの、又は、他のデバイス及び接続を介する間接的接続を介するものであり得る。また、本記載では「~に基づく」は、「少なくとも部分的に基づく」ことを意味する。そのため、XがYに基づく場合、XはY及び任意の数の他の要因の関数であり得る。
【0013】
システムは、双方向シグナリングに対して様々なアプローチを採用している。時分割多重化は、任意の所与の時間に一方向のみで送信するために通信媒体を確保する。例えば、通信媒体の時間の95%は順方向チャネル使用のために確保され得、通信媒体の時間の5%は逆方向チャネル使用のために確保され得る。時分割多重化は、データを失うことなく、順方向チャネルと逆方向チャネルとの間の切り替えを調整するためにハンドシェーキングを必要とし得る。周波数分割多重化は、異なるキャリア周波数を用いて、順方向及び逆方向チャネルデータを同時に送信する。しかしながら、周波数分割多重を用いて高帯域幅を達成することは困難であり得る。アクティブ相殺は、受信データから送信データを差し引くために、リンクの各端部で複製トランスミッタを用いる。アクティブ相殺は順方向及び逆方向チャネルでの同時双方向通信を可能にするが、複製及び相殺回路は追加の電力及び回路エリアを必要とし、シングルエンドシステム又は高データレート(例えば、>10Gb/s)で実装することは困難であり得る。
【0014】
本明細書に開示される双方向リンク回路要素は、複製回路を用いずに、シングルエンド媒体(例えば、同軸ケーブル)上で同時に双方向シグナリングを提供する。双方向リンク回路要素は、順方向チャネルトランスミッタ及び順方向チャネルレシーバを含む。順方向チャネルトランスミッタは、順方向チャネルデータを比較的高速(例えば、>3ギガビット/レート(Gb/s))で送信するドライバと、逆方向チャネルレシーバとを含む。逆方向チャネルデータレートは、順方向チャネルデータレートより実質的に低くなり得る(例えば、約300メガビット/s(Mb/s))。逆方向チャネルレシーバは、順方向チャネル上で送信された信号の反転バージョンとシングルエンド媒体上の信号とを加算し、信号の和をローパスフィルタリングして、順方向チャネルデータにより生成された高周波数ノイズを除去することにより、シングルエンド媒体から逆方向チャネルを抽出する。順方向チャネルレシーバは、順方向チャネルデータを受信するためのレシーバ回路と、逆方向チャネルデータを送信するための電流モード逆方向チャネルドライバとを含む。逆方向チャネルドライバは、順方向チャネルにおいて誘導されるノイズを低減するための衰退(degeneration)を含む。
【0015】
図1は、本記載に従った双方向データリンク100のブロック図を示す。双方向データリンク100は、順方向チャネルトランスミッタ回路102及び順方向チャネルレシーバ回路104を含む。順方向チャネルトランスミッタ回路102と順方向チャネルレシーバ回路104との間の通信は、同軸ケーブル114又は他の適切な導体を介するシングルエンドである。順方向チャネルトランスミッタ回路102は、順方向チャネルドライバ回路106及び逆方向チャネルレシーバ回路108を含む。順方向チャネルドライバ回路106は、送信されるべきデータを受信する、電圧モード又は電流モードドライバであり、同軸ケーブル114上にデータを駆動する。順方向チャネルドライバ回路106は差動ドライバである。順方向チャネルドライバ回路106の非反転出力120は、同軸ケーブル114に結合され、同軸ケーブル114を駆動し、順方向チャネルドライバ回路106の反転出力122は終端ネットワーク116に結合される。
【0016】
逆方向チャネルレシーバ回路108は、順方向チャネルドライバ回路106に結合され、同軸ケーブル114を介して送信された逆方向チャネルデータを受信する。より具体的には、逆方向チャネルレシーバ回路108は、反転出力122に結合される第1の入力端子124と、非反転出力120に結合される第2の入力端子126とを含む。逆方向チャネルレシーバ回路108は、同軸ケーブル114(すなわち、非反転出力120上に存在する信号)で受け取った信号と、反転出力122上に存在する信号とを加算して、入力端子126を介して受け取った信号から順方向チャネルデータを除去する。逆方向チャネルレシーバ回路108は、順方向チャネル送信によって生成されたノイズを減衰させるために、加算された信号をフィルタする。逆方向チャネルレシーバ回路108によって出力された逆方向チャネルデータは、逆方向チャネルクロック及びデータ回復(CDR)回路、又は逆方向チャネルデータを処理するための他の回路要素に提供され得る。
【0017】
順方向チャネルレシーバ回路104は、シングルエンド(不平衡)順方向チャネルデータを受け取るための入力端子152と、順方向チャネルレシーバ110と、逆方向チャネルドライバ回路112とを含む。逆方向チャネルドライバ回路112は、送信されるべき逆方向チャネルデータを受け取る差動電流モード駆動回路を含み、同軸ケーブル114上にデータを駆動する。逆方向チャネルドライバ回路112は、出力端子132と出力端子134で同じ信号を提供する。出力端子132は、入力端子152及び同軸ケーブル114に結合されて、順方向チャネルトランスミッタ回路102への逆方向チャネルデータを駆動する。出力端子134は、順方向チャネルレシーバ110の反転入力130に及び終端ネットワーク118に結合される。
【0018】
順方向チャネルレシーバ110は、非反転入力128で受信した同軸ケーブル114上の信号(すなわち、順方向チャネルデータと逆方向チャネルデータを組み合わせたもの)から反転入力130上で受け取った逆方向チャネルデータを差し引いて、非反転入力128を介して受信した信号から逆方向チャネルデータを除去する。順方向チャネルレシーバ110によって出力された順方向チャネルデータは、順方向チャネルデータを処理するために順方向チャネルクロック及びデータ回復(CDR)回路又は他の回路要素に提供され得る。
【0019】
図2は、本記載に従った双方向データリンクのオペレーションを例示する信号の例を示す。簡潔にするために、
図2の信号は、回路又はケーブル遅延なしで示される。送信されるべき順方向チャネルデータ136は、順方向チャネルドライバ回路106によって同軸ケーブル114上で駆動され、送信されるべき逆方向チャネルデータ138は、逆方向チャネルドライバ回路112によって同軸ケーブル114上に駆動される。送信されるべき逆方向チャネルデータ138は、送信帯域幅を低減し、クロック及びデータ回復を容易にするために、符号化(例えば、マンチェスタ符号化)され得る。エンコードにより、逆方向チャネルデータの帯域幅が小さくなり、これにより、順方向チャネルデータと逆方向チャネルデータ間の相互作用が減少する。同軸ケーブル114上の信号を加算して、順方向チャネルドライバ回路106の非反転出力120における信号140と、順方向チャネルレシーバ110の非反転入力128における信号144を形成する。逆方向チャネルレシーバ回路108は、送信された逆方向チャネルデータを逆方向チャネルレシーバ回路108の出力信号148として再作成するために、信号140と反転された順方向チャネルデータ142とを加算する。順方向チャネルレシーバ110は、非反転入力128で受信された信号144から130上で受信された逆方向チャネルデータ信号146を差し引いて、順方向チャネルレシーバ110の出力信号150として、送信されるべき順方向チャネルデータ136を再作成する。
【0020】
図3は、双方向データリンク100での使用に適した逆方向チャネルドライバ回路300のための概略図を示す。逆方向チャネルドライバ回路300は、逆方向チャネルドライバ回路112の一実装である。逆方向チャネルドライバ回路300は、差動電流モード駆動回路352を形成する、トランジスタ302、トランジスタ304、トランジスタ306、及びトランジスタ308として
図3に示されている複数の駆動トランジスタを含む。トランジスタ302及びトランジスタ304は、出力端子132及び出力端子134上にそれぞれ共通モード信号を駆動するアクティブ側トランジスタである。トランジスタ306及びトランジスタ308は、トランジスタ302~308によって形成される差動ドライバのダミー側を提供するダミー側トランジスタである。トランジスタ302は、出力端子132に結合される端子(例えば、コレクタ端子)302Cを含む。トランジスタ304は、出力端子134に結合される端子(例えば、コレクタ端子)304Cを含む。トランジスタ306は、トランジスタ308の端子(例えば、コレクタ端子)308Cに結合される端子(例えば、コレクタ端子)306Cを含む。
【0021】
逆方向チャネルドライバ回路300は、逆方向チャネルドライバ回路300の出力共通モード電圧を設定する電圧レギュレータ回路332を含む。例えば、電圧レギュレータ回路332は、逆方向チャネルドライバ回路300の出力共通モード電圧を約2.1ボルトに設定し得る。電圧レギュレータ回路332は、増幅器334、コンデンサ336、抵抗器338、及び抵抗器340を含む。増幅器334は、出力共通モード電圧をノード342上に駆動する。抵抗器338及び抵抗器340は、増幅器334の利得を設定する。コンデンサ336は、ノード342上のノイズを減少させるために電圧リップルをフィルタする。
【0022】
トランジスタ302は、プルアップ抵抗器326を介して322に結合される。トランジスタ304は、プルアップ抵抗器328を介してノード342に結合される。プルアップ抵抗器326及びプルアップ抵抗器328は、それぞれ、逆方向チャネルドライバ回路300の幾つかの実装において約75オームの抵抗を有し得る。トランジスタ306及びトランジスタ308は、プルアップ抵抗器330を介してノード342に結合される。プルアップ抵抗器330は、幾つかの実装ではプルアップ抵抗器326の抵抗の約半分である抵抗を有し得る。
【0023】
終端回路321が、トランジスタ306及びトランジスタ308に結合されて、差動ドライバ内のAC電流不均衡を低減する。終端回路321は、コンデンサ320及び抵抗器322を含む。コンデンサ320は、逆方向チャネルデータを通過するのに充分に大きく、逆方向チャネルドライバ回路300とダイ上に集積されるのに充分に小さい。例えば、コンデンサ320は、156Mb/s(312Mb/sマンチェスタ符号化)で送信された逆方向チャネルデータを渡すために、約100ピコファラド(pF)の静電容量を有し得る。コンデンサ320は、トランジスタ306及びトランジスタ308(すなわち、端子306C及び308C)に結合される端子344と、抵抗器322の端子348に結合される端子346とを含む。抵抗器322の端子350が、接地に結合される。
【0024】
トランジスタ302、トランジスタ304、トランジスタ306、及びトランジスタ308は、それぞれ、電流源318に結合され、衰退抵抗器を介して接地に結合される。衰退抵抗器310~316は、出力端子132で信号スイングを維持しながら、逆方向チャネルドライバ回路300内のノイズ利得を減少させて、順方向チャネルレシーバ110の出力における順方向データにおけるエッジジッタを実質的に減少させる。例えば、衰退抵抗器がない場合、逆方向チャネルドライバ回路300は、順方向チャネルレシーバ110の出力において、エッジジッタの約625フェムト秒二乗平均平方根(RMS)を誘導し得る。衰退抵抗器がある場合、順方向チャネルレシーバ110の出力におけるエッジジッタは、約300フェムト秒RMSであり得る。
【0025】
トランジスタ302は、衰退抵抗器310を介して電流源318に結合される。トランジスタ304は、衰退抵抗器312を介して電流源318に結合される。トランジスタ306は、衰退抵抗器314を介して電流源318に結合される。トランジスタ308は、衰退抵抗器316を介して電流源318に結合される。衰退抵抗器310の端子310Aが、トランジスタ302の端子(すなわち、エミッタ端子)302Eに結合され、衰退抵抗器310の端子310Bが、電流源318を介して接地に結合される。衰退抵抗器312の端子312Aが、トランジスタ304の端子(すなわち、エミッタ端子)304Eに結合され、衰退抵抗器312の端子312Bが、電流源318を介して接地に結合される。衰退抵抗器314の端子314Aが、トランジスタ306の端子(すなわち、エミッタ端子)306Eに結合され、衰退抵抗器314の端子314Bが、電流源318を介して接地に結合される。衰退抵抗器316の端子316Aが、トランジスタ308の端子(すなわち、エミッタ端子)308Eに結合され、衰退抵抗器316の端子316Bが、電流源318を介して接地に結合される。
【0026】
図4は、双方向データリンク100に用いるのに適した逆方向チャネルレシーバ400の概略図を示す。逆方向チャネルレシーバ400は、逆方向チャネルレシーバ回路108の一実装である。逆方向チャネルレシーバ400は、加算回路402、アクティブフィルタ回路404、及び基準電圧回路430を含む。加算回路402は、入力端子124及び入力端子126で受信された信号を平均する。双方向データリンク100では、入力端子124は順方向チャネルドライバ回路106の反転出力122に接続され、入力端子126は、順方向チャネルドライバ回路106(これは同軸ケーブル114に接続される)の非反転出力120に接続される。双方向データリンク100では、非反転出力120での信号と反転出力122での信号との加算が、加算回路402の出力信号から順方向チャネルデータ136を実質的に除去する(逆方向チャネルデータ138を残す)。加算回路402は、抵抗器406、抵抗器408を含む。抵抗器406は、入力端子126に結合される端子406Aを含む。抵抗器408は、入力端子124に結合される端子408Aを含む。抵抗器406の端子406B及び抵抗器408の端子408Bが、コンデンサ410の端子410Aに結合される。コンデンサ410が、加算回路402をアクティブフィルタ回路404に接続する。基準電圧回路430は、抵抗器432を介して、コンデンサ410の端子410B及びトランジスタ412の端子(すなわち、ゲート端子412G)に結合される。幾つかの実装では、コンデンサ410は約2pFの値を有し得、抵抗器406及び408はそれぞれ約5キロオームの値を有し得る。
【0027】
アクティブフィルタ回路404は、逆方向チャネルデータの帯域幅外にある加算回路402から受信した信号の周波数を減衰させる。例えば、156Mb/s(312Mb/sマンチェスタ符号化)で送信された逆方向チャネルデータの場合、アクティブフィルタ回路404は、順方向チャネルドライバ回路106によって送信された順方向チャネルデータを含むマンチェスタ符号化逆方向チャネルデータのデータレートを上回る周波数を減衰させる。アクティブフィルタ回路404は、トランジスタ412、トランジスタ414、トランジスタ418、及びトランジスタ420を含む。トランジスタ412及びトランジスタ414は、差動増幅器442を形成するように配置される。トランジスタ412は、加算回路402に結合され、加算回路402によって生成される信号によって制御される。トランジスタ414は、基準電圧回路430に結合される。コンデンサ422は、トランジスタ412とトランジスタ414によって形成される差動増幅器442の出力を横断して接続される。コンデンサ422の端子422Aが差動増幅器442の出力438に接続され、コンデンサ422の端子422Bが差動増幅器442の出力440に接続される。幾つかの実装では、コンデンサ422が約65フェムトファラド(fF)の値を有し得る。
【0028】
トランジスタ418及びトランジスタ420は、交差結合対416を形成するように交差結合される。交差結合対416は、トランジスタ412及びトランジスタ414に結合される。コンデンサ424が、交差結合対416の出力端子に結合される。コンデンサ424の端子424Aが交差結合対416の出力416Aに接続され、コンデンサ424の端子424Bが、交差結合対416の出力416Bに接続される。コンデンサ424は、幾つかの実装では約130fFの値を有し得る。出力端子434及び出力端子436は、交差結合対416の出力を逆方向チャネルレシーバ400の外部の回路に提供する。130fFのコンデンサ424と、65fFのコンデンサ422と、2pFのコンデンサ410とを含む逆方向チャネルレシーバ400の実装において、逆方向チャネルレシーバ400のコーナー周波数は約290メガヘルツ(MHz)とし得、これは、312Mb/sのマンチェスタ符号化逆方向チャネルデータを通過させる。
【0029】
図5は、双方向データリンク100に用いるのに適した逆方向チャネルレシーバ500の概略図を示す。逆方向チャネルレシーバ500は、逆方向チャネルレシーバ回路108の一実装である。逆方向チャネルレシーバ500は、電力供給からVref(ノード526)への伝達関数が電力供給からVin(ノード524)への伝達関数とは異なる逆方向チャネルレシーバ回路108の幾つかの実装と比較して、改善された電力供給除去率(PSRR)を提供し得る。逆方向チャネルレシーバ500は、逆方向チャネルレシーバ400、基準電圧回路530、及び複製ドライバ回路502に関して説明したように、加算回路402及びアクティブフィルタ回路404を含む。基準電圧回路530は、抵抗器432及び抵抗器528によってアクティブフィルタ回路404に結合される。
【0030】
複製ドライバ回路502は、ノード526に結合され、電力供給からノード526への伝達関数と電力供給からノード524への伝達関数との整合を改善する。複製ドライバ回路502は、順方向チャネルドライバ回路106の一部の縮尺変更された(scaled)複製である。
図6は、順方向チャネルドライバ回路106を実装するために用いられ得るドライバ回路600の一例のための概略を示す。電力を節約するために、複製ドライバ回路502は、600の1つのレッグの縮尺変更(例えば、22分の1に縮小)された複製であり得る。複製ドライバ回路502は、トランジスタ504、トランジスタ506、抵抗器508、抵抗器510、抵抗器514、及び電流源512を含む。トランジスタ504はダイオード接続され、端子(例えば、コレクタ端子)504C及び端子(例えば、ベース端子)504Bが電力供給レールに接続される。トランジスタ504の端子(例えば、放出器端子)504Eが、トランジスタ506の端子(例えば、ゲート端子)506Gに接続され、抵抗器508と抵抗器510とを介してトランジスタ506の端子(例えば、ドレイン端子)506Dに結合される。トランジスタ506の端子(例えば、ソース端子)506Sが、電流源512を介して接地に結合される。抵抗器514は、接地と、抵抗器508と抵抗器510とを接続するノード516との間に接続される。
【0031】
複製ドライバ回路502(すなわち、ノード516)は、抵抗器522及びコンデンサ520によってノード526に結合される。抵抗器522は、5キロオームの値を有し得、コンデンサ520は、加算回路402の抵抗器406及びコンデンサ410の値に適合するように、2pfの値を有する可能性がある。逆方向チャネルレシーバ500は、逆方向チャネルレシーバ回路108の幾つかの実装に対して、20dB以上のPSRRの改善を提供し得る。
【0032】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。