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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】紙葉類処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/14 20190101AFI20240131BHJP
【FI】
G07D11/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020118563
(22)【出願日】2020-07-09
(65)【公開番号】P2022015614
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】上ノ町 直矢
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-115879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00 - 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類が載置され、載置された紙葉類を装置内に取り込む投入部と、
互いの間隔を変更可能に設けられ、前記投入部に載置された紙葉類を位置決めする一対のガイド部材と、
前記一対のガイド部材の間に配置され、前記投入部に載置された紙葉類を押圧するビルプレスと、
を備え、
前記ビルプレスは、押圧本体部と、前記押圧本体部に設けられた補助押圧部とを有し、
前記補助押圧部は、前記押圧本体部の紙葉類取り込み方向下流側の端部位置に設けられ、
前記ガイド部材は、前記補助押圧部が挿通される開口部を有している
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記ビルプレスの前記押圧本体部と前記補助押圧部とを合わせた全体の長さは、前記ガイド部材の最大の間隔とほぼ同じ長さに設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベース機の投入部に紙葉類を集積し、集積された紙葉類を投入部の取込口から取り込み、取り込まれた紙葉類を識別部によって識別及び計数し、識別及び計数された紙葉類を、ベース機に連結された連結ユニットに搬送して連結ユニットによって各種処理を行う紙葉類処理装置がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-178509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような紙葉類処理装置の投入部には、集積された紙葉類を位置決めする一対のガイド部材と、一対のガイド部材間に設けられ、集積された紙葉類を押圧するビルプレスとを有するものがある。一対のガイド部材は、様々な長さの紙葉類に対応するために、互いの間隔を変更することができるようになっている。ビルプレスは、間隔を変更可能な一対のガイド部材との接触を回避するために、一対のガイド部材の最小の間隔とほぼ同じ長さとされている。
【0005】
このため、長さが長い紙葉類を取り込むために、一対のガイド部材の間隔を広くすると、ビルプレスとガイド部材との間に隙間ができてしまう。この状態で、紙葉類の端部が湾曲していたり折れ曲がっていたりすると、この隙間内で紙葉類の端部が立ち上がり、紙葉類を取込口から取り込む際に、紙葉類が取込口に引っ掛かる等して、良好に取り込めない可能性がある。
【0006】
従って、本発明は、様々な長さの紙葉類を、互いの間隔を変更可能なガイド部材で位置決めしつつも、ビルプレスによって紙葉類を全体的に押圧することができる紙葉類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る一態様は、紙葉類が載置され、載置された紙葉類を装置内に取り込む投入部と、互いの間隔を変更可能に設けられ、前記投入部に載置された紙葉類を位置決めする一対のガイド部材と、前記一対のガイド部材の間に配置され、前記投入部に載置された紙葉類を押圧するビルプレスと、を備え、前記ビルプレスは、押圧本体部と、前記押圧本体部に設けられた補助押圧部とを有し、前記補助押圧部は、前記押圧本体部の紙葉類取り込み方向下流側の端部位置に設けられ、前記ガイド部材は、前記補助押圧部が挿通される開口部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、様々な長さの紙葉類を、互いの間隔を変更可能なガイド部材で位置決めしつつも、ビルプレスによって紙葉類を全体的に押圧することができる紙葉類処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る紙葉類処理装置の一の構成例を概略的に示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る紙葉類処理装置を構成するベース機を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る紙葉類処理装置を構成するベース機の投入部を示す分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る紙葉類処理装置を構成するベース機の第1のガイド部材を示す側面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る紙葉類処理装置を構成するベース機の投入部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る紙葉類処理装置を図面を参照して以下に説明する。
【0011】
[紙葉類処理装置1の全体構成]
図1に示すように、本実施形態に係る紙葉類処理装置1は、ベース機2と、連結ユニット3とが組み合わされて構成されている。ここで、紙葉類処理装置1は、複数種類の連結ユニットの中から、数及び種類のうちの少なくともいずれか一方を選択設定し、適宜の順番でベース機2に連設することにより構成される。連結ユニット3には、紙葉類を所定枚数ずつの束に結束する結束処理を行うものや、紙葉類を分類して機外に取り出し可能に集積させる集積処理を行うもの等があり、集積処理を行うものには、紙葉類を分類して機外に取り出し可能に集積させる集積部を2つ有するもの、3つ有するもの、4つ有するもの等がある。図1に示す例では、紙葉類処理装置1は、ベース機2に、結束処理を行う一台の連結ユニット3が連結されて構成されている。
【0012】
ベース機2は、操作者により機外から投入された紙葉類Sを識別し計数するものである。ベース機2は、紙葉類処理装置1の操作者側から見て、機体10の右側の右側面11に取込部15を有しており、同じく右側面11の取込部15よりも上方にリジェクト部16を有している。
【0013】
取込部15には、操作者によって機外から紙葉類Sが投入される。このとき、取込部15には、紙葉類Sが長辺を装置前後方向(図1の紙面直交方向、図2参照)に沿わせ短辺を装置左右方向に沿わせた状態で上下に集積されて、上方に向く底面部17上に載置される。取込部15は、このように装填された集積状態の紙葉類Sを最下のものから一枚ずつその短辺が搬送方向に沿うように移動させて機体10の左方に繰り出す。紙葉類Sは、紙葉類処理装置1内の全体において、長辺を装置前後方向に沿わせた姿勢のまま移動する。
【0014】
ベース機2は、取込部15に投入され取込部15から繰り出された紙葉類Sを受け取って搬送する識別搬送部21と、識別搬送部21で搬送中の紙葉類Sを識別する識別部22とを有している。識別搬送部21は、取込部15から機体10の右側面11とは反対の左側面24に向けて水平方向に延出した後、上方に延出している。識別部22は、識別搬送部21のこの上方に延出する部分に設けられている。
【0015】
取込部15は、紙葉類Sが載置される上記した底面部17と、底面部17の左側の装置前後方向に沿う縁に沿って設けられ、底面部17に対して直角上方向に設けられて装置左右方向右方に向く奥壁面部25と、底面部17に載置された紙葉類Sを上側から底面部17側に押圧するビルプレス26と、底面部17の下側に設けられ底面部17から上方に一部突出する蹴出ローラ27とを有している。底面部17及び奥壁面部25は、装置前後方向に広がる平面状をなしている。
【0016】
底面部17は、機体10の正面から見て、水平面に対して左下がりに傾斜して設けられており、底面部17に載置された複数枚の紙葉類Sは、底面部17の傾斜に沿って左側に片寄せされる。その結果、底面部17に載置された複数枚の紙葉類Sは、各々の紙葉類Sの長辺部を、底面部17の左側の縁に沿って設けられた奥壁面部25に当接させて幅方向の位置が揃えられた状態で底面部17上に集積される。
【0017】
図2に示すように、ベース機2の右側面11は、取込部15の装置前後方向前側に前側右端面31を有しており、取込部15の装置前後方向後側に後側右端面32を有している。取込部15は、上記した底面部17と奥壁面部25とに加えて、前側右端面31の装置前後方向後縁から装置左右方向左方に広がる前壁面部35と、後側右端面32の装置前後方向前縁から装置左右方向左方に広がる後壁面部36とを有している。前壁面部35は装置左右方向左端縁が奥壁面部25の装置前後方向前側の端縁となっており、下端縁が底面部17の装置前後方向前側の端縁となっている。後壁面部36は装置左右方向左端縁が奥壁面部25の装置前後方向後側の端縁となっており、下端縁が底面部17の装置前後方向後側の端縁となっている。
【0018】
奥壁面部25において、底面部17の近傍には、この奥壁面部25を厚み方向に貫通する取込口41が設けられている。この取込口41は、奥壁面部25の底面部17側の縁に沿って紙葉類Sの長辺部よりも長い長さで設けられている。底面部17に集積された紙葉類Sは、底面部17に設けられた蹴出ローラ27により集積状態の最下層のものから1枚ずつ分離された後、奥壁面部25の取込口41を通過して機体10の内部に取り込まれる。
【0019】
取込部15は、奥壁面部25に沿って上下方向に移動可能なビルプレス26を有している。ビルプレス26は、底面部17上に集積された紙葉類Sの枚数に応じた力で紙葉類Sを上側から下側に押圧するようになっている。これにより、取込部15では、集積された紙葉類Sのうち、最下層の紙葉類Sが蹴出ローラ27に密着して良好に蹴り出される。
【0020】
図1に示すように、取込部15は、蹴出ローラ27により蹴り出された紙葉類Sを取り込んで識別搬送部21に受け渡す取込ローラ45と、取込ローラ45で取り込まれた紙葉類Sを1枚ずつ分離する分離ローラ46と、取り込まれた紙葉類Sの検知と取り込み状態の検出を行う検出部47とを有している。取込ローラ45と分離ローラ46とは、取込口41の近傍に設けられている。蹴出ローラ27により蹴り出された紙葉類Sは、取込ローラ45と分離ローラ46との間に挟まれて、取込ローラ45の回転により1枚ずつ識別搬送部21に受け渡される。
【0021】
ベース機2は、識別搬送部21の上端部から機体10の左側面24に向け延出して左側面24に開口する連結搬送部51を有している。また、ベース機2は、識別搬送部21の上端部から右側面11に向け延出してリジェクト部16に接続されるリジェクト搬送部52を有している。連結搬送部51は、識別部22において連結ユニット3で処理する対象と識別された紙葉類Sを識別搬送部21から受け入れてベース機2から連結ユニット3に向けて搬送する。リジェクト搬送部52は、識別部22において連結ユニット3で処理する対象と識別されなかった紙葉類Sをリジェクト部16に搬送する。
【0022】
リジェクト部16は、リジェクト搬送部52の末端から紙葉類Sが繰り出され、このように繰り出された紙葉類Sを外部に取り出し可能に集積させる。リジェクト部16は、底面55及び壁面56と、リジェクト搬送部52から繰り出された紙葉類Sを壁面56に当接させて底面55に向け落下させる羽根車57とを有している。よって、リジェクト部16は、繰り出された紙葉類Sを上下に集積させて底面55上に載置させる。
【0023】
図2に示すように、ベース機2は、機体10の前面61に、操作者により操作入力がなされると共に操作者に向け表示を行うタッチパネル式の操作表示部62を有している。ベース機2は、その前側右端面31に、操作者の動きを検出するジェスチャーセンサ63を有している。
【0024】
図1に示すように、ベース機2は、その内部に、取込部15、リジェクト部16、識別搬送部21、識別部22、連結搬送部51、リジェクト搬送部52、操作表示部62及びジェスチャーセンサ63等を制御する制御部65を有している。制御部65は、ベース機2の全体を制御すると共に、連結ユニット3にもインタフェースを介して通信可能に接続されて制御指令を出力する。ベース機2には、その左側面24側に連結ユニット3が隣接して連結される。
【0025】
連結ユニット3は、ベース機2の連結搬送部51で搬送されてきた紙葉類Sを受け入れ、所定枚数(例えば百枚)ずつ集積させて、結束テープを巻き回して束にする結束処理を行う。連結ユニット3は、連結搬送部51に連結される連結搬送部71と、連結搬送部71の中間位置から分岐して下方に延出する処理搬送部72とを有している。連結搬送部71は、紙葉類Sをベース機2の連結搬送部51から受け取って搬送する。連結ユニット3は、ベース機2とは反対側に他の連結ユニットが連結される場合、連結搬送部71が、この他の連結ユニットに紙葉類Sを搬送可能する。
【0026】
連結ユニット3は、処理搬送部72の連結搬送部71とは反対側に、紙葉類Sを所定枚数ずつ集積させて結束する結束部75を有している。処理搬送部72は、紙葉類Sを連結搬送部71の中間位置から受け取って下方に向け搬送する搬送主部77と、搬送主部77から装置左右方向の右方に分岐する分岐部78とを有している。結束部75は、分岐部78および搬送主部77の末端に、二つの整列集積部81,82を有している。整列集積部81,82は、それぞれが、処理搬送部72から繰り出される紙葉類Sを受け入れて水平姿勢で鉛直方向に所定の結束単位枚数整列させて集積させる整列集積処理を行う。分岐部78に整列集積部81が、搬送主部77の末端に整列集積部82が、それぞれ繋がっている。
【0027】
結束部75は、整列集積部81,82の右方に、整列集積部81,82から水平状態のまま右方に送り出された集積状態の紙葉類Sを載置させて鉛直下方に下降搬送する下降搬送部84を有している。また、結束部75は、整列集積部82の下方に、下降搬送部84で下降搬送され下降搬送部84から水平状態のまま装置左右方向の左方に送り出された集積状態の紙葉類Sを結束テープで結束することにより、バラ状態の紙葉類Sを所定の結束単位枚数だけ纏めて結束テープで一体化した束紙葉類を作製する結束機構部85を有している。
【0028】
さらに、結束部75は、結束機構部85の下方に、結束機構部85で作製された束紙葉類を機外に放出する機外放出部86を有している。機外放出部86は、例えば、束紙葉類を受け入れ可能になっていると共に、連結ユニット3の機体87の前面から引き出し可能となっている。
【0029】
連結ユニット3は、その内部に、ベース機2の制御部65からの制御指令を受けて、連結搬送部71、処理搬送部72及び結束部75を制御する制御部95が設けられている。
【0030】
紙葉類処理装置1は、取込部15に投入された紙葉類Sを、蹴出ローラ27が取込口41側に蹴り出し、取込ローラ45及び分離ローラ46が一枚ずつに分離して、識別搬送部21に受け渡す。すると、紙葉類Sを、識別搬送部21が搬送し、識別部22が識別しつつ計数する。紙葉類処理装置1は、識別部22で結束対象券と識別された紙葉類Sを連結搬送部51と連結搬送部71と処理搬送部72とによって、ベース機2から連結ユニット3に搬送すると共に、識別部22で結束対象券と識別されなかった紙葉類Sをリジェクト搬送部52でリジェクト部16に搬送する。すると、結束部75が結束対象券と識別された紙葉類Sの結束処理を行う。
【0031】
[実施形態の要部である取込部15の詳細構成]
取込部15は、上記したように紙葉類Sが集積状態で載置され、載置された紙葉類Sを取込口41を介して紙葉類処理装置1の内部に取り込む部分である。
【0032】
図2に示すように、取込部15は、上記した底面部17、奥壁面部25、前壁面部35、後壁面部36及び蹴出ローラ27等を有し載置された紙葉類Sを紙葉類処理装置1の内部に取り込む投入部100と、互いの間隔を変更可能に設けられ、投入部100に載置された紙葉類Sを装置前後方向、言い換えれば、取込部15の幅方向に位置決めする一対の第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102と、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間に配置され、投入部100に載置された紙葉類Sを押圧する上記したビルプレス26とを備えている。投入部100は、ベース機2の機体10の前側右端面31及び後側右端面32よりも機体10の左方に凹む凹形状をなしている。第1のガイド部材101は、第2のガイド部材102よりも装置前後方向前側に配置されている。
【0033】
<投入部100>
投入部100は、上記した底面部17の位置に、底面部17から上方に一部突出するように上記した蹴出ローラ27が設けられている。蹴出ローラ27は一対のローラ体105を有しており、これらローラ体105が装置前後方向に所定距離離間して設けられている。これらローラ体105は、装置前後方向に沿う同一軸線回りに回転するようになっている。取込部15は、ローラ体105及びローラ体105の間に、底面部17上の紙葉類Sの残留を検知する残留センサ107を有している。
【0034】
投入部100は、奥壁面部25が、上記したように、底面部17の装置左右方向左側の装置前後方向に沿う縁に沿って設けられ、底面部17に対して垂直をなして上方向に設けられている。投入部100は、奥壁面部25の底面部17の近傍に上記した取込口41を有している。奥壁面部25には、底面部17の垂直方向に延在する一対のガイド溝109が形成されている。一対のガイド溝109は、互いに装置前後方向に所定距離離間して設けられており、奥壁面部25の装置前後方向の中央位置に対して前後にそれぞれ等間隔をなして配置されている。
【0035】
投入部100は、奥壁面部25のガイド溝109及びガイド溝109の間位置に、底面部17から所定距離離間して残量センサ111を有している。残量センサ111は、底面部17上に載置された紙葉類Sの高さが、残量センサ111の位置以上であるか、残量センサ111の位置より下側にあるかを検知する。
【0036】
図3に示すように、投入部100の底面部17には、装置前後方向の前側の端部近傍に、第1のガイド部材101が取り付けられる第1の下部ガイド位置決め部121が設けられている。また、底面部17には、装置前後方向の後側の端部近傍に、第2のガイド部材102が取り付けられる第2の下部ガイド位置決め部122が設けられている。投入部100の奥壁面部25の上部には、装置前後方向の前側の端部近傍に、第1のガイド部材101が取り付けられる第1の上部ガイド位置決め部123が設けられている。また、奥壁面部25の上部には、装置前後方向の後側の端部近傍に、第2のガイド部材102が取り付けられる第2の上部ガイド位置決め部124が設けられている。
【0037】
第1の下部ガイド位置決め部121及び第2の下部ガイド位置決め部122は、それぞれ装置左右方向(取込部15の奥行方向)に沿って延び装置前後方向(取込部15の幅方向)に並設された複数の下部位置決め口127で構成されている。下部位置決め口127は、底面部17を貫通する貫通孔又は底面部17から凹む凹状の溝部である。第1の上部ガイド位置決め部123及び第2の上部ガイド位置決め部124は、それぞれ上下方向に沿って延び取込部15の幅方向に並設された複数の上部位置決め口128で構成されている。上部位置決め口128は、奥壁面部25を貫通する貫通孔又は奥壁面部25から凹む凹状の溝部である。
【0038】
第1の下部ガイド位置決め部121の下部位置決め口127と第2の下部ガイド位置決め部122の下部位置決め口127とは、それぞれ同じ個数設けられており、取込部15の幅方向における底面部17の中央部に対して対称に設けられている。第1の上部ガイド位置決め部123の上部位置決め口128と第2の上部ガイド位置決め部124の上部位置決め口128とは、それぞれ同じ個数設けられており、取込部15の幅方向における奥壁面部25の中央部に対して対称に設けられている。
【0039】
第1の下部ガイド位置決め部121の複数の下部位置決め口127と第1の上部ガイド位置決め部123の複数の上部位置決め口128とは、それぞれ同じ個数設けられており、取込部15の幅方向の位置を一対一で一致させている。第2の下部ガイド位置決め部122の複数の下部位置決め口127と第2の上部ガイド位置決め部124の複数の上部位置決め口128とは、それぞれ同じ個数設けられており、取込部15の幅方向の位置を一対一で一致させている。
【0040】
第1の下部ガイド位置決め部121の下部位置決め口127及び第1の上部ガイド位置決め部123の上部位置決め口128の、取込部15の幅方向における位置が合うもの同士の組み合わせに第1のガイド部材101が取り付けられることになる。また、第2の下部ガイド位置決め部122の下部位置決め口127及び第2の上部ガイド位置決め部124の上部位置決め口128の、取込部15の幅方向における位置が合うもの同士の組み合わせに第2のガイド部材102が取り付けられることになる。この場合、第1の下部ガイド位置決め部121及び第1の上部ガイド位置決め部123の第1のガイド部材101が取り付けられる下部位置決め口127及び上部位置決め口128と、第2の下部ガイド位置決め部122及び第2の上部ガイド位置決め部124の第2のガイド部材102が取り付けられる下部位置決め口127及び上部位置決め口128とは、取込部15の幅方向における対称の位置に配置されたものとなる。
【0041】
第1の下部ガイド位置決め部121の下部位置決め口127、第1の上部ガイド位置決め部123の上部位置決め口128、第2の下部ガイド位置決め部122の下部位置決め口127及び第2の上部ガイド位置決め部124の上部位置決め口128は、下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔が、この紙葉類処理装置1で処理可能な紙葉類Sのいずれかの長さとなるように設けられている。
【0042】
例えば、この紙葉類処理装置1が紙葉類Sとして日本国の4金種の紙幣を処理するようにセッティングされている場合、第1の下部ガイド位置決め部121及び第2の下部ガイド位置決め部122には、それぞれ下部位置決め口127が4箇所設けられている。また、第1の上部ガイド位置決め部123及び第2の上部ガイド位置決め部124にも、それぞれ上部位置決め口128が4箇所設けられている。
【0043】
そして、下部位置決め口127及び上部位置決め口128のうち取込部15の幅方向における最も両外側の両下部位置決め口127及び両上部位置決め口128は、これらのうち取込部15の幅方向における同じ一側の下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第1のガイド部材101と、取込部15の幅方向における同じ他側の下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第2のガイド部材102との間隔が、この紙葉類処理装置1で処理可能な紙幣の中で最も長い一万円券の長さとほぼ同じとなるように設定されている。
【0044】
また、下部位置決め口127及び上部位置決め口128のうち取込部15の幅方向における両外端から2番目の両下部位置決め口127及び両上部位置決め口128は、これらのうち取込部15の幅方向における同じ一側の下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第1のガイド部材101と、取込部15の幅方向における同じ他側の下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第2のガイド部材102との間隔が、この紙葉類処理装置1で処理可能な紙幣の中で2番目に長い五千円券の長さとほぼ同じとなるように設けられている。
【0045】
また、下部位置決め口127及び上部位置決め口128のうち取込部15の幅方向における両外端から3番目の両下部位置決め口127及び両上部位置決め口128は、これらのうち取込部15の幅方向における同じ一側の下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第1のガイド部材101と、取込部15の幅方向における同じ他側の下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第2のガイド部材102との間隔が、この紙葉類処理装置1で処理可能な紙幣の中で3番目に長い二千円券の長さとほぼ同じとなるように設けられている。
【0046】
また、下部位置決め口127及び上部位置決め口128のうち取込部15の幅方向における最も中央部側(内側)の両下部位置決め口127及び両上部位置決め口128は、これらのうち取込部15の幅方向における同じ一側の下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第1のガイド部材101と、取込部15の幅方向における同じ他側の下部位置決め口127及び上部位置決め口128に取り付けられた第2のガイド部材102との間隔が、この紙葉類処理装置1で処理可能な紙幣の中で最も短い千円券の長さとほぼ同じとなるように設けられている。
【0047】
投入部100は、奥壁面部25の装置前後方向前側の縁部から装置左右方向右側に立ち上がる第1の立設壁131と、奥壁面部25の装置前後方向後側の縁部から装置左右方向右側に立ち上がる第2の立設壁132とを有している。第1の立設壁131及び第2の立設壁132は、底面部17及び奥壁面部25と垂直をなしており、装置前後方向に直交して広がる平面状をなしている。図2に示すように、第1の立設壁131は、前壁面部35の奥壁面部25側の一部を構成し、第2の立設壁132は、後壁面部36の奥壁面部25側の一部を構成する。
【0048】
図3に示すように、投入部100は、第1のガイド部材101を取り付けるための第1のガイド取付部134と、第2のガイド部材102を取り付けるための第2のガイド取付部135とを有している。第1のガイド取付部134は、第1の立設壁131の奥壁面部25とは反対側の縁部から装置前後方向前方に延出しており、第2のガイド取付部135は第2の立設壁132の奥壁面部25とは反対側の縁部から装置前後方向後方に延出している。第1のガイド取付部134及び第2のガイド取付部135は、奥壁面部25と平行に広がる平板状をなしている。第1のガイド取付部134には2箇所の第1のネジ孔137が装置前後方向の位置を合わせて上下に所定距離離間して形成されている。第2のガイド取付部135にも2箇所の第2のネジ孔138が装置前後方向の位置を合わせて上下に所定距離離間して形成されている。
【0049】
<第1のガイド部材101>
図3及び図4に示すように、第1のガイド部材101は、平板状の第1のガイド壁部141と、第1のガイド壁部141の厚さ方向に広がる平板状の第1の取付部142と、第1のガイド壁部141に対し傾斜して広がる平板状の第1の拡張部143とを有している。第1のガイド壁部141は、直線状に長い平板状の第1の主壁部146と、第1の主壁部146の長手方向の一端からこの長手方向に垂直をなして第1の主壁部146と同一平面状で突出する平板状の第1の突出壁部147とを有するL字状をなしている。
【0050】
第1のガイド部材101の長手方向の一端部である第1の主壁部146の長手方向の第1の突出壁部147とは反対側の一端部には、第1の下部ガイド位置決め部121の下部位置決め口127に差し込まれる第1の下部位置決め部151が設けられている。また、第1のガイド部材101の長手方向の他端部である第1の突出壁部147には、その突出方向の先端に第1の上部ガイド位置決め部123の上部位置決め口128に差し込まれる第1の上部位置決め部152が設けられている。
【0051】
第1の取付部142は、第1の主壁部146の長手方向の第1の突出壁部147が形成されていない範囲の第1の突出壁部147が突出する側の縁部から第1のガイド壁部141の板厚方向に広がる平板状である。第1の取付部142は、第1のガイド壁部141に対し垂直に折り曲げられて形成されている。図3に示すように、第1の取付部142には、第1の主壁部146の長手方向に対し垂直な方向に延びる長穴状の2箇所の第1の取付口161が第1の主壁部146の長手方向に所定距離離間して形成されている。
【0052】
第1の拡張部143は、第1の主壁部146の第1の突出壁部147が突出する側とは反対側の縁部から第1のガイド壁部141に対して鈍角をなして広がる平板状である。第1の拡張部143は、第1の主壁部146からその短手方向に離れるほど、第1の主壁部146の厚さ方向における第1の取付部142側に位置するように第1の主壁部146に対し傾斜している。
【0053】
第1のガイド部材101は、第1の突出壁部147が、第1の主壁部146及び第1の取付部142よりも突出する形状をなすため、第1の主壁部146の板厚方向に見てL字状をなしている。よって、第1のガイド部材101は、短手方向の第1の突出壁部147が突出する側の一端縁部に、一部切り欠かれた形状の第1の開口部163を有している。第1のガイド部材101は、短手方向の他端縁部に、第1の拡張部143を有している。
【0054】
第1のガイド部材101は、第1の取付部142が第1のガイド壁部141よりも装置前後方向前側に位置する状態で、第1の下部位置決め部151が、第1の下部ガイド位置決め部121の所定の下部位置決め口127に差し込まれ、この下部位置決め口127と装置前後方向の位置が合う第1の上部ガイド位置決め部123の上部位置決め口128に第1の上部位置決め部152が差し込まれる。すると、第1のガイド部材101は、第1の取付部142が投入部100の第1のガイド取付部134に重なり合う。そして、第1のガイド部材101は、この状態で、装置前後方向に長い形状をなす上側の第1の取付口161に挿通された一方の第1の取付ネジ166が上側の第1のネジ孔137に螺合され、装置前後方向に長い形状をなす下側の第1の取付口161に挿通された他方の第1の取付ネジ166が下側の第1のネジ孔137に螺合されることで、投入部100の第1のガイド取付部134、底面部17及び奥壁面部25に固定される。
【0055】
第1のガイド部材101は、この取り付け状態で、第1の取付部142が第1のガイド取付部134に面接触で当接する状態となり、第1のガイド壁部141が底面部17及び奥壁面部25と垂直をなす状態になる。言い換えれば、第1のガイド壁部141が取込部15の幅方向に対し直交して広がる状態になる。第1のガイド部材101は、この取り付け状態で、第1の拡張部143が、奥壁面部25から離れるほど、装置前後方向前側に位置するように第1のガイド壁部141に対し傾斜する状態になる。言い換えれば、第1の拡張部143は、奥壁面部25から離れるほど、第1のガイド壁部141よりも取込部15の幅方向に拡張する。第1のガイド部材101は、この取り付け状態で、第1の開口部163が、底面部17及び奥壁面部25との間で開口する。この第1の開口部163は、第1のガイド部材101の奥壁面部25側であって上端の第1の突出壁部147を除く範囲に形成されている。第1の開口部163は、上下方向に奥壁面部25に沿って延びている。第1のガイド部材101は、第2のガイド部材102との間に紙葉類Sを配置する際に、第1のガイド壁部141が紙葉類Sの装置前後方向前端に当接して、この前端を装置前後方向に位置決めする。
【0056】
<第2のガイド部材102>
第2のガイド部材102は、第1のガイド部材101とサイズ(特に短手方向の長さ)が異なることと、左右対称なこと以外は略同様の構成となっている。第2のガイド部材102は、第1のガイド壁部141と略同様の第2のガイド壁部171と、第1の取付部142と略同様の第2の取付部172と、第1の拡張部143と略同様の第2の拡張部173とを有している。第2のガイド壁部171は、第1の主壁部146と略同様の第2の主壁部176と、第1の突出壁部147と略同様の第2の突出壁部177とを有している。第2の主壁部176には第1の下部位置決め部151と略同様の第2の下部位置決め部181が設けられており、第2の突出壁部177には第1の上部位置決め部152と同様の第2の上部位置決め部182が設けられている。第2の下部位置決め部181は、第2の下部ガイド位置決め部122の下部位置決め口127に差し込まれることになり、第2の上部位置決め部182は、第2の上部ガイド位置決め部124の上部位置決め口128に差し込まれる。第2の取付部172には、第1の取付口161と略同様の2箇所の第2の取付口191が形成されている。第2のガイド部材102は、第1の開口部163と略同様の第2の開口部193を有している。
【0057】
第2のガイド部材102は、第2の取付部172が第2のガイド壁部171よりも装置前後方向後側に位置する状態で、第2の下部位置決め部181が、第2の下部ガイド位置決め部122の所定の下部位置決め口127に差し込まれ、この下部位置決め口127と装置前後方向の位置が合う第2の上部ガイド位置決め部124の上部位置決め口128に第2の上部位置決め部182が差し込まれる。すると、第2のガイド部材102は、第2の取付部172が投入部100の第2のガイド取付部135に重なり合う。そして、第2のガイド部材102は、この状態で、装置前後方向に長い形状をなす上側の第2の取付口191に挿通された一方の第2の取付ネジ196が上側の第2のネジ孔138に螺合され、装置前後方向に長い形状をなす下側の第2の取付口191に挿通された他方の第2の取付ネジ196が下側の第2のネジ孔138に螺合されることで、投入部100の第2のガイド取付部135、底面部17及び奥壁面部25に固定される。
【0058】
第2のガイド部材102は、この取り付け状態で、第2の取付部172が第2のガイド取付部135に面接触で当接する状態となり、第2のガイド壁部171が底面部17及び奥壁面部25と垂直をなす状態になる。言い換えれば、第2のガイド壁部171が取込部15の幅方向に対し直交して広がる状態になる。第2のガイド部材102は、この取り付け状態で、第2の拡張部173が、奥壁面部25から離れるほど、装置前後方向後側に位置するように第2のガイド壁部171に対し傾斜する。言い換えれば、第2の拡張部173は、奥壁面部25から離れるほど、第2のガイド壁部171よりも取込部15の幅方向に拡張する。第2のガイド部材102は、この取り付け状態で、第2の開口部193が、底面部17及び奥壁面部25との間で開口する。この第2の開口部193は、第2のガイド部材102の奥壁面部25側であって上端の第2の突出壁部177を除く範囲に形成されている。第2の開口部193は、上下方向に奥壁面部25に沿って延びている。第2のガイド部材102は、第1のガイド部材101との間に紙葉類Sを配置する際に、第2のガイド壁部171が紙葉類Sの装置前後方向後端に当接して、この後端を装置前後方向に位置決めする。
【0059】
第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102は、上記したように、第1のガイド部材101を第1の下部ガイド位置決め部121及び第1の上部ガイド位置決め部123の何れの下部位置決め口127及び上部位置決め口128に差し込むのか、及び、第2のガイド部材102を第2の下部ガイド位置決め部122及び第2の上部ガイド位置決め部124の何れの下部位置決め口127及び上部位置決め口128に差し込むのかによって、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔を複数段階に変更することができる。
【0060】
<ビルプレス26>
ビルプレス26は、奥壁面部25の一対のガイド溝109に沿って昇降移動する。その際、ビルプレス26は、奥壁面部25と等間隔を維持しながら奥壁面部25に沿って昇降移動する。ビルプレス26には、図5に示すように、装置左右方向の左方に延出する一対の支持アーム201が取り付けられており、これら支持アーム201が一対のガイド溝109を通過してベース機2の内部の不図示の押圧駆動機構に連結されている。押圧駆動機構は、一対の支持アーム201を昇降駆動することによりビルプレス26を奥壁面部25に沿って上下に摺動させる。
【0061】
図3に示すように、ビルプレス26は、押圧本体部210と、押圧本体部210の取込部15の幅方向における両端部に設けられた一対の第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212とを有している。押圧本体部210は、底面部17と平行に広がる略板状のベース部216と、ベース部216の取込部15の幅方向における中間部から上方に突出する頭部217とを有している。押圧本体部210の取込部15の幅方向における長さは、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の最小の間隔とほぼ同じ長さとなるように設定されている。
【0062】
第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212は、ベース部216よりも高さが低い略直方体の形状をなしている。第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212は、ベース部216の奥壁面部25側の端部から取込部15の幅方向に沿って突出している。第1の補助押圧部211は、ベース部216の装置前後方向前側且つ奥壁面部25側且つ下側の端部から装置前後方向前方に突出している。第2の補助押圧部212は、ベース部216の装置前後方向後側且つ奥壁面部25側且つ下側の端部から装置前後方向後方に突出している。よって、第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212は、ビルプレス26の下端部且つ奥壁面部25側の端部に設けられている。言い換えれば、第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212は、ビルプレス26における奥行方向の取込口41側(取込口41に対向する側)に設けられている。さらに言い換えれば、第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212は、押圧本体部210の紙葉類取り込み方向下流側の端部位置に設けられている。第1の補助押圧部211の下方に向く底面と第2の補助押圧部212の下方に向く底面と押圧本体部210の下方に向く底面とは、面一となるように設けられており、底面部17と略平行に広がって底面部17と対向している。
【0063】
押圧本体部210と第1の補助押圧部211と第2の補助押圧部212とを合わせたビルプレス26の取込部15の幅方向における全体の長さは、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の最大の間隔とほぼ同じ長さとなるように設定されている。
【0064】
第1の補助押圧部211は、押圧本体部210から第1の立設壁131の方向に、第1のガイド部材101の第1の開口部163を通って第1の立設壁131の近傍位置まで突出する。第2の補助押圧部212は、押圧本体部210から第2の立設壁132の方向に、第2のガイド部材102の第2の開口部193を通って第2の立設壁132の近傍位置まで突出している。図5(A)に示すような第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔が最大の間隔よりも狭い場合であっても、図5(B)に示すような第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔が最大の間隔の場合であっても、第1の補助押圧部211は、第1のガイド部材101の第1の開口部163に挿通され、第2の補助押圧部212は、第2のガイド部材102の第2の開口部193に挿通されるように設けられている。言い換えれば、第1のガイド部材101は、第1の補助押圧部211が常時挿入される第1の開口部163を有しており、第2のガイド部材102は、第2の補助押圧部212が常時挿入される第2の開口部193を有している。
【0065】
ビルプレス26は、ベース機2の内部に設けられている不図示の押圧駆動機構及び一対の支持アーム201によって、投入部100の奥壁面部25に沿って上下方向に摺動するように駆動されると共に、投入部100の底面部17に載置された紙葉類Sを下方に押圧する。なお、ビルプレス26は、第1の補助押圧部211が第1のガイド部材101の第1の開口部163に挿通されており、第2の補助押圧部212が第2のガイド部材102の第2の開口部193に挿通されている。このため、ビルプレス26は、投入部100の奥壁面部25に沿って上下動される際であっても、第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212が第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102と接触することなく上下動でき、紙葉類Sを底面部17に向けて押圧できる。
【0066】
<動作>
先ず、取り込む紙葉類Sの種類に応じて、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔を変更する。
【0067】
例えば、この紙葉類処理装置1が紙葉類Sとして日本国の4金種の紙幣を処理するようにセッティングされている場合、この紙葉類処理装置1で処理可能な紙幣の中で最も長い一万円券を処理する際には、第1のガイド部材101を、その第1の下部位置決め部151を投入部100の第1の下部ガイド位置決め部121の取込部15の幅方向における最も外側の下部位置決め口127に差し込み、第1の上部位置決め部152を投入部100の第1の上部ガイド位置決め部123の取込部15の幅方向における最も外側の上部位置決め口128に差し込んだ状態で、上記のように一対の第1の取付ネジ166によって投入部100に固定する。また、この場合、第2のガイド部材102を、その第2の下部位置決め部181を投入部100の第2の下部ガイド位置決め部122の取込部15の幅方向における最も外側の下部位置決め口127に差し込み、第2の上部位置決め部182を投入部100の第2の上部ガイド位置決め部124の取込部15の幅方向における最も外側の上部位置決め口128に差し込んだ状態で、上記のように一対の第2の取付ネジ196によって投入部100に固定する。
【0068】
なお、この際、ビルプレス26の第1の補助押圧部211は、第1のガイド部材101の第1の開口部163に挿通されており、第1の補助押圧部211と第1のガイド部材101との間には、取込部15の幅方向の隙間が無い。また、ビルプレス26の第2の補助押圧部212は、第2のガイド部材102の第2の開口部193に挿通されており、第2の補助押圧部212と第2のガイド部材102との間には、取込部15の幅方向の隙間が無い。
【0069】
その一方で、この紙葉類処理装置1で処理可能な紙幣の中で最も長い紙幣よりも短い紙幣、例えば、最も短い千円券を処理する場合は、第1のガイド部材101を、その第1の下部位置決め部151を投入部100の第1の下部ガイド位置決め部121の取込部15の幅方向における最も中央部側(内側)の下部位置決め口127に差し込み、第1の上部位置決め部152を投入部100の第1の上部ガイド位置決め部123の取込部15の幅方向における最も中央部側の上部位置決め口128に差し込んだ状態で、上記のように一対の第1の取付ネジ166によって、投入部100に固定する。また、この場合、第2のガイド部材102を、その第2の下部位置決め部181を投入部100の第2の下部ガイド位置決め部122の取込部15の幅方向における最も中央部側の下部位置決め口127に差し込み、第2の上部位置決め部182を投入部100の第2の上部ガイド位置決め部124の取込部15の幅方向における最も中央部側の上部位置決め口128に差し込んだ状態で、上記のように一対の第2の取付ネジ196によって投入部100に固定する。
【0070】
なお、この際も、ビルプレス26の第1の補助押圧部211は、第1のガイド部材101の第1の開口部163に挿通されており、第1の補助押圧部211と第1のガイド部材101との間には、取込部15の幅方向の隙間が無い。また、ビルプレス26の第2の補助押圧部212は、第2のガイド部材102の第2の開口部193に挿通されており、第2の補助押圧部212と第2のガイド部材102との間には、取込部15の幅方向の隙間が無い。
【0071】
待機状態にあるとき、ビルプレス26は、奥壁面部25の上下方向略中間部の所定の退避位置(初期位置)に配置されている。退避位置にあるビルプレス26は、その底面が残量センサ111よりも上方に位置する。そして、操作者によって処理対象の紙葉類Sが集積状態で第1のガイド部材101と第2のガイド部材102との間に配置されて投入部100の底面部17に載置される。その際に処理対象の紙葉類Sは、第1のガイド部材101と第2のガイド部材102とで取込部15の幅方向に位置決めされる。
【0072】
そして、操作者によって操作表示部62に表示された不図示の「アップダウン」ボタンが押されると、ベース機2の制御部65は、残留センサ107によって紙葉類Sが検出され、ジェスチャーセンサ63によって操作者の手の位置がジェスチャーセンサ63から所定の距離離間したことが検出されたことを条件に、残量センサ111によって投入部100に載置された紙葉類Sの数量を検出させる。紙葉類Sが残量センサ111で検出されない所定数量未満の場合、制御部65は、ビルプレス26を不図示の押圧駆動機構によって下方向に移動させて、ビルプレス26によって紙葉類Sを押圧させる。その際に、ビルプレス26は、第1の補助押圧部211が第1のガイド部材101の第1の開口部163内で下降し、第2の補助押圧部212が第2のガイド部材102の第2の開口部193内で下降する。また、その際に、ビルプレス26は、押圧本体部210と第1の補助押圧部211と第2の補助押圧部212とが、それぞれの面一の底面で紙葉類Sに当接する。その一方で、制御部65は、紙葉類Sが残量センサ111で検出される所定数量以上の場合、ビルプレス26による押圧はせずに、ビルプレス26を退避位置に配置したままにする。
【0073】
次いで、操作者によって操作表示部62に表示された不図示の「スタート」ボタンが押されると、ベース機2の制御部65は、取込部15に集積された紙葉類Sを蹴出ローラ27、取込ローラ45及び分離ローラ46によって取込部15の取込口41から取り込ませる。この際、制御部65は、紙葉類Sが所定数量未満の場合、ビルプレス26によって紙葉類Sを底面部17側に押圧させながら紙葉類Sを取り込ませる。制御部65は、紙葉類Sの取り込みの進行に伴ってビルプレス26を押圧駆動機構によって下降させることになるが、その際もビルプレス26は、第1の補助押圧部211が第1のガイド部材101の第1の開口部163内で下降し、第2の補助押圧部212が第2のガイド部材102の第2の開口部193内で下降する。
【0074】
また、制御部65は、紙葉類Sが所定数量以上の場合、先ずはビルプレス26で押圧していない状態で紙葉類Sを取込口41から取り込ませ、その後、紙葉類Sが取り込まれていき、投入部100に載置された紙葉類Sが残量センサ111で検出されない所定数量未満となった際には、ビルプレス26を押圧駆動機構によって下方向に移動させてビルプレス26によって紙葉類Sを押圧させるようにし、ビルプレス26によって押圧させながら紙葉類Sを取込口41から取り込ませる。
【0075】
そして、ベース機2の制御部65は連結ユニット3の制御部95と連携して、紙葉類処理装置1の内部に取り込まれた紙葉類Sを識別搬送部21によって搬送させながら、識別部22によって識別及び計数させ、識別及び計数された紙葉類Sを、連結ユニット3にて処理する対象のものを連結搬送部51によって連結ユニット3に搬送して、連結ユニット3によって結束処理を行わせる。他方、連結ユニット3にて処理する対象のもの以外の紙葉類Sはリジェクト搬送部52でリジェクト部16に搬送させる。
【0076】
紙葉類Sが取込部15に再投入(追加投入)される場合、ベース機2の制御部65は、ジェスチャーセンサ63によって操作者の手がジェスチャーセンサ63から所定の距離内にあることを検出すると、ビルプレス26を押圧駆動機構によって上方向に所定の距離だけ移動させる。その際、ビルプレス26は、第1の補助押圧部211が第1のガイド部材101の第1の開口部163内で上昇し、第2の補助押圧部212が第2のガイド部材102の第2の開口部193内で上昇する。
【0077】
そして、操作者によって紙葉類Sが取込部15に再投入(追加投入)されると、紙葉類処理装置1は、上記と同様に、残留センサ107が紙葉類Sを検出し、ジェスチャーセンサ63が操作者の手がジェスチャーセンサ63から所定の距離離間したことを検出していることを条件に、残量センサ111が投入部100に載置された紙葉類Sの数量を検出し、紙葉類Sが所定数量未満の場合、ビルプレス26を押圧駆動機構によって下方向に移動させて、ビルプレス26によって紙葉類Sを底面部17側に押圧させる。その一方で、紙葉類Sが所定数量以上の場合、ビルプレス26による紙葉類Sの押圧はせずに、ビルプレス26をそのままの位置に位置させる。なお、取込部15において紙葉類Sを取り込んでいる最中に紙葉類Sを再投入(追加投入)する場合は、紙葉類Sの取り込みを一時停止させずに行うようにする。
【0078】
取込部15での紙葉類Sの取り込みが進み、残留センサ107が紙葉類Sを検出しない状態になると、ベース機2の制御部65は、ビルプレス26を押圧駆動機構によって上方向に移動させ、退避位置(初期位置)に戻す。
【0079】
以上、本実施形態の紙葉類処理装置1は、ビルプレス26の両端部にそれぞれ第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212が設けられていると共に、互いの間隔が変更可能な第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102のうちの第1のガイド部材101に第1の補助押圧部211を挿通可能な第1の開口部163を有し、第2のガイド部材102に第2の補助押圧部212を挿通可能な第2の開口部193を有する。これにより、互いの間隔が変更可能な第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102で紙葉類Sを位置決めしつつも、様々な長さの紙葉類Sであってもビルプレス26によって紙葉類Sの長手方向全体を押圧することができる。
【0080】
例えば、最も長い紙葉類Sが投入部100に載置された場合には、ビルプレス26の押圧本体部210と第1の補助押圧部211と第2の補助押圧部212とを合わせたビルプレス26の全体の長さが、この紙葉類処理装置1で処理可能な最も長い紙葉類Sとほぼ同じ長さに設けられた第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の最大の間隔とほぼ同じ長さに設けられているので、最も長い紙葉類Sが投入部100に載置されても、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102で取込部15の幅方向に位置決めしつつ、ビルプレス26によって紙葉類Sの長手方向の全体を押圧することができる。従って紙葉類Sの長手方向の両端部が立ち上がって取り込み時に奥壁面部25に当接してしまうことを抑制することができる。
【0081】
その一方で、最も長い紙葉類Sよりも短い紙葉類Sが投入部100に載置された場合には、ビルプレス26の全体の長さが、この紙葉類処理装置1で処理可能な最も長い紙葉類Sとほぼ同じ長さに設けられており、この紙葉類Sよりも長いので、ビルプレス26によって紙葉類Sの全体を押圧することができる。また、ビルプレス26の第1の補助押圧部211を第1のガイド部材101の第1の開口部163に、第2の補助押圧部212を第2のガイド部材102の第2の開口部193に、それぞれ挿通させることができるので、ビルプレス26の第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212への干渉を回避しつつ第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔をこの紙葉類Sの長さに合わせることができる。よって、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102で紙葉類Sを取込部15の幅方向に位置決めしつつ、ビルプレス26によって紙葉類Sの長手方向の全体を押圧することができる。
【0082】
従って最も長い紙葉類Sから最も短い紙葉類Sまでの全部の紙葉類Sについて、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102で取込部15の幅方向に位置決めしつつ、長手方向の両端部が立ち上がって取り込み時に奥壁面部25に当接してしまうことを抑制できる。
【0083】
第1の補助押圧部211及び第2の補助押圧部212は、押圧本体部210の紙葉類取り込み方向下流側の端部位置に設けられているため、ビルプレス26によって紙葉類Sの取り込み方向下流側の端部全体を押さえることができる。従って紙葉類Sの長手方向の両端部が立ち上がって取り込み時に奥壁面部25に当接してしまうことを一層抑制することができる。
【0084】
<変形例>
なお、二千円券用の下部位置決め口127及び上部位置決め口128等を省略して二千円券用の下部位置決め口127及び上部位置決め口128と五千円券用の下部位置決め口127及び上部位置決め口128とを兼用にする等、一部の紙葉類S用の下部位置決め口127及び上部位置決め口128を略して、処理可能な紙葉類Sの数よりも少なく設けるようにしても良い。
【0085】
また、最も短い紙葉類S用の下部位置決め口127及び上部位置決め口128の取込部15の幅方向における中央部側にさらに下部位置決め口127及び上部位置決め口128を設けたり、最も長い紙葉類S用の下部位置決め口127及び上部位置決め口128の取込部15の幅方向における外側にさらに下部位置決め口127及び上部位置決め口128を設けたりして、処理可能な紙葉類Sの種類よりも多く、下部位置決め口127及び上部位置決め口128を設けるようにしても良い。
【0086】
更に、単に任意の位置に任意の間隔で任意の数、下部位置決め口127及び上部位置決め口128を設けるようにしても良い。
【0087】
第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102を取込部15の幅方向に沿って反対方向に連動して移動させるガイド部材駆動機構を更に設けるようにしても良い。
【0088】
このガイド部材駆動機構は、操作表示部62に表示された、この紙葉類処理装置1で処理可能な紙葉類Sの中から、取り込む紙葉類Sが選択されると、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102を取込部15の幅方向に移動させて、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔が選択された紙葉類Sの長さとほぼ同じとなるようにする。これにより、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔を取り込む紙葉類Sに自動的に対応させることができ、作業性の向上を図ることができる。
【0089】
また、このガイド部材駆動機構は、操作表示部62に表示された「開」ボタンが押されると、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔が広くなるように、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102を取込部15の幅方向における外側に向けて移動させ、操作表示部62に表示された「閉」ボタンが押されると、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔が狭くなるように、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102を取込部15の幅方向における内側に向けて移動させるようにする。これにより、容易に第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102を任意の間隔にすることができ、様々な長さの紙葉類Sに対応させることができる。
【0090】
第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102のうちの一方のみを動かして、第1のガイド部材101及び第2のガイド部材102の間隔を変更するようにしても良い。この場合、更に、動かさない方のガイド部材に取込部15の幅方向において対向する側の補助押圧部を省略して、押圧本体部210を動かさない方のガイド部材に近接させるようにしても良い。
【0091】
紙葉類Sを取込部15の前壁面部35或いは後壁面部36に突き当てるように載置しても良い。第1のガイド部材101と第2のガイド部材102とのうちの、例えば、第2のガイド部材102の代わりに、第2のガイド部材102側の後壁面部36をガイド部材として、この後壁面部36と第1のガイド部材101とで紙葉類Sを取込部15の幅方向に位置決めするようにしても良い。更に、この際、ビルプレス26は、後壁面部36側の第2の補助押圧部212を省略して押圧本体部210を後壁面部36に近接させるようにしても良い。
【0092】
また、例えば、第1のガイド部材101の代わりに、第1のガイド部材101側の前壁面部35をガイド部材として、この前壁面部35と第2のガイド部材102とで紙葉類Sを取込部15の幅方向に位置決めするようにしても良い。更に、この際、ビルプレス26は、前壁面部35側の第1の補助押圧部211を省略して押圧本体部210を前壁面部35に近接させるようにしても良い。
【0093】
以上の実施形態の紙葉類処理装置1は、処理対象の媒体として、紙幣は勿論、商品券や小切手、手形等の金券類や有価証券等、紙葉類の全般を処理する装置に適用できる。
【符号の説明】
【0094】
1…紙葉類処理装置、26…ビルプレス、100…投入部、101…第1のガイド部材、102…第2のガイド部材、163…第1の開口部、193…第2の開口部、210…押圧本体部、211…第1の補助押圧部、212…第2の補助押圧部、S…紙葉類。
図1
図2
図3
図4
図5