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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】パレット容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/12 20060101AFI20240131BHJP
   B65D 19/18 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
B65D19/12 Z
B65D19/18
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019195545
(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公開番号】P2020117312
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】P 2019007840
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 篤史
【審査官】岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-362555(JP,A)
【文献】特開2009-091005(JP,A)
【文献】特開2006-096377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/12
B65D 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーク差込み部を有する底部と、
前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備え、
前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含み、
前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられ、
前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有し、
前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、
前記第二溝部は、側方に向けて開口する側部開口を有し、
前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに横長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、
前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、側方から見て、前記側部開口は前記第二軸部よりも幅狭であり、
前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに、上方から見て、前記第一軸部は前記上部開口の内側に位置し、前記第一軸部は前記上部開口よりも幅狭であることを特徴とするパレット容器。
【請求項2】
フォーク差込み部を有する底部と、
前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備え、
前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含み、
前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられ、
前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有し、
前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、
前記第二溝部は、下部に位置する幅広空間部と、上部に位置し、前記幅広空間部よりも溝幅の狭い幅狭空間部と、前記幅狭空間部から側方に向けて開口する側部開口と、を有し、
前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、
前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、前記幅狭空間部は前記第二軸部よりも幅狭であり、
前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに、上方から見て、前記第一軸部は前記上部開口の内側に位置し、前記第一軸部は前記上部開口よりも幅狭であることを特徴とするパレット容器。
【請求項3】
フォーク差込み部を有する底部と、
前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備え、
前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含み、
前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられ、
前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有し、
前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、
前記第二溝部は、側方に向けて開口する側部開口を有し、
前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに横長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、
前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、側方から見て、前記側部開口は前記第二軸部よりも幅狭であり、
前記連結部は、抜け止め部を有し、
前記第二側板は、前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに、前記抜け止め部の下方に位置しかつ前記側部開口の上方に位置する突出部を有することを特徴とするパレット容器。
【請求項4】
フォーク差込み部を有する底部と、
前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備え、
前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含み、
前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられ、
前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有し、
前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、
前記第二溝部は、下部に位置する幅広空間部と、上部に位置し、前記幅広空間部よりも溝幅の狭い幅狭空間部と、前記幅狭空間部から側方に向けて開口する側部開口と、を有し、
前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、
前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、前記幅狭空間部は前記第二軸部よりも幅狭であり、
前記連結部は、抜け止め部を有し、
前記第二側板は、前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに、前記抜け止め部の下方に位置しかつ前記側部開口の上方に位置する突出部を有することを特徴とするパレット容器。
【請求項5】
フォーク差込み部を有する底部と、
前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備え、
前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含み、
前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられ、
前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有し、
前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、
前記第二溝部は、側方に向けて開口する側部開口を有し、
前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに横長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、
前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、側方から見て、前記側部開口は前記第二軸部よりも幅狭であり、
前記側部開口よりも上側に前記上部開口が位置することを特徴とするパレット容器。
【請求項6】
フォーク差込み部を有する底部と、
前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備え、
前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含み、
前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられ、
前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有し、
前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、
前記第二溝部は、下部に位置する幅広空間部と、上部に位置し、前記幅広空間部よりも溝幅の狭い幅狭空間部と、前記幅狭空間部から側方に向けて開口する側部開口と、を有し、
前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、
前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、前記幅狭空間部は前記第二軸部よりも幅狭であり、
前記側部開口よりも上側に前記上部開口が位置することを特徴とするパレット容器。
【請求項7】
フォーク差込み部を有する底部と、
前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備え、
前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含み、
前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられ、
前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有し、
前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、
前記第二溝部は、側方に向けて開口する側部開口を有し、
前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに横長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、
前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、側方から見て、前記側部開口は前記第二軸部よりも幅狭であり、
前記連結部の上面は、少なくも一つの凹部を有し、
前記第一側板と前記第二側板のうち少なくとも一方は、前記起立姿勢にあるときに、前記少なくとも一つの凹部内に収まる凸部を有することを特徴とするパレット容器。
【請求項8】
フォーク差込み部を有する底部と、
前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備え、
前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含み、
前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられ、
前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有し、
前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、
前記第二溝部は、下部に位置する幅広空間部と、上部に位置し、前記幅広空間部よりも溝幅の狭い幅狭空間部と、前記幅狭空間部から側方に向けて開口する側部開口と、を有し、
前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、
前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、
前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、前記幅狭空間部は前記第二軸部よりも幅狭であり、
前記連結部の上面は、少なくも一つの凹部を有し、
前記第一側板と前記第二側板のうち少なくとも一方は、前記起立姿勢にあるときに、前記少なくとも一つの凹部内に収まる凸部を有することを特徴とするパレット容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、底板と、底板の四周に立設配置される四枚の側板と、底板の四隅部に設けられた平面視L字状の外壁と、を備える組立式コンテナが、記載されている。
【0003】
四枚の側板のそれぞれは、両側端部の下部から突出した軸部を中心に回転することで、底板上に起立する状態と、底板上に倒伏して積み重なる折り畳み状態との間で、回転可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3294556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の組立式コンテナでは、折り畳み状態で搬送する際に、側板の軸部が底板から外れるおそれがあった。
【0006】
上記事情に鑑みて、本発明は、折り畳み状態で搬送する際に、側板の軸部が底部から外れることを抑制することができるパレット容器を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様のパレット容器は、フォーク差込み部を有する底部と、前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備える。前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含む。前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられる。前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有する。前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有し、前記第二溝部は、側方に向けて開口する側部開口を有する。前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有し、前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに横長となるように設けられた断面形状を有する。前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、側方から見て、前記側部開口は前記第二軸部よりも幅狭である。
【0008】
また、本発明に係る他の一態様のパレット容器は、フォーク差込み部を有する底部と、前記底部上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、前記底部上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板と、を備える。前記複数の側板は、前記起立姿勢において互いに隣り合う第一側板と第二側板を含む。前記底部には、前記第一側板が有する第一軸部と前記第二側板が有する第二軸部が回転可能に連結される連結部が設けられる。前記連結部は、前記第一軸部が回転可能に収まる縦長の第一溝部と、前記第二軸部が回転可能に収まる縦長の第二溝部と、を有する。前記第一溝部は、上方に向けて開口する上部開口を有する。前記第二溝部は、下部に位置する幅広空間部と、上部に位置し、前記幅広空間部よりも溝幅の狭い幅狭空間部と、前記幅狭空間部から側方に向けて開口する側部開口と、を有する。前記第一軸部は、前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第一側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有する。前記第二軸部は、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ前記第二側板が前記起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有する。前記第一側板が前記倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、前記上部開口は前記第一軸部よりも幅狭であり、前記第二側板が前記倒伏姿勢にあるときに、前記幅狭空間部は前記第二軸部よりも幅狭である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る一態様及び他の一態様のパレット容器によれば、折り畳み状態で搬送する際に、側板の軸部が底部から外れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1のパレット容器を分解して示す分解斜視図である。
図2図2は、同上のパレット容器の要部を分解して示す分解斜視図である。
図3図3は、同上のパレット容器の要部を分解して示す他の分解斜視図である。
図4図4は、同上のパレット容器の折り畳み状態における要部を示す平面図である。
図5図5は、同上のパレット容器の組み立て状態における要部を示す斜視図である。
図6図6は、同上のパレット容器の組み立て状態における要部を示す平断面図である。
図7図7Aは、同上のパレット容器が備える第二側板が起立姿勢にあるときの要部を示す断面図であり、図7Bは、同上の起立姿勢にある第二側板が上方に浮き上がった状態における要部を示す断面図である。
図8図8は、同上のパレット容器が備える第二側板が倒伏姿勢から浮き上がった場合における要部を示す断面図である。
図9図9A~Dは、同上のパレット容器が備える連結部に対して第二側板を連結する様子を順に示す要部の断面図である。
図10図10は、実施形態2のパレット容器の要部を分解して示す分解斜視図である。
図11図11は、同上のパレット容器の要部を分解して示す他の分解斜視図である。
図12図12Aは、同上のパレット容器が備える第二側板が起立姿勢にあるときの要部を示す断面図であり、図12Bは、同上の起立姿勢にある第二側板が上方に浮き上がった状態における要部を示す断面図である。
図13図13は、同上の第二側板が倒伏姿勢から浮き上がった場合における要部を示す断面図である。
図14図14A~Dは、同上のパレット容器が備える連結部に対して第二側板を連結する様子を順に示す要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施形態1のパレット容器
1-1.概要
図1には、実施形態1のパレット容器1を分解して示している。パレット容器1は、フォーク差込み部20を有する底部2と、底部2上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、底部2上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板3と、を備える。
【0012】
複数の側板3は、起立姿勢において互いに隣り合う第一側板4と第二側板5を含む。底部2には、第一側板4が有する第一軸部40と第二側板5が有する第二軸部50が回転可能に連結される連結部6が設けられる。
【0013】
図2に示すように、連結部6は、第一軸部40が回転可能に収まる縦長の第一溝部60と、第二軸部50が回転可能に収まる縦長の第二溝部61と、を有する。第一溝部60は、上方に向けて開口する上部開口62を有し、第二溝部61は、側方に向けて開口する側部開口63を有する。
【0014】
第一軸部40は、第一側板4が倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ第一側板4が起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有する。第二軸部50は、第二側板5が倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ第二側板5が起立姿勢にあるときに横長となるように設けられた断面形状を有する。
【0015】
第一側板4が倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、上部開口62は第一軸部40よりも幅狭であり(図4参照)、第二側板5が倒伏姿勢にあるときに、側方から見て、側部開口63は第二軸部50よりも幅狭である(図8参照)。
【0016】
上記構成を備えるパレット容器1では、第一側板4が倒伏姿勢にあるとき、第一側板4の第一軸部40が、連結部6の第一溝部60の上部開口62から上方に抜け出すことを抑制することができる。また、このパレット容器1では、第二側板5が倒伏姿勢にあるとき、第二側板5の第二軸部50が、連結部6の第二溝部61の側部開口63から側方に抜け出すことを抑制することができる。
【0017】
そのため、パレット容器1では、側板4,5が底部2上に倒伏して積み重なった折り畳み状態で搬送する際に、側板4,5が浮き上がったとしても、側板4,5の軸部40,50が、底部2に設けた連結部6から外れることを抑制することができる。
【0018】
1-2.詳細
続いて、図1に示す本実施形態のパレット容器1の各構成について更に詳しく説明する。パレット容器1が備える複数の側板3は、起立姿勢において互いに対向する一対の第一側板4と、起立姿勢において互いに対向する一対の第二側板5とを含む。以下の説明では、起立姿勢の一対の第一側板4が対向する方向を、方向D1とし、起立姿勢の一対の第二側板5が対向する方向を、方向D2とし、底部2の厚み方向を上下方向として、各構成について説明する。方向D1と方向D2は、水平方向に対して平行な方向であり、互いに直交する方向である。尚、本文中で用いる水平の文言は、厳密な意味に限定されず、略水平な場合も含む。
【0019】
1-2-1.底部
底部2は、平面視矩形状の外形を有する。底部2は、合成樹脂製である。尚、底部2は、合成樹脂製に限らず、金属製、または木製でもよい。
【0020】
底部2は、周方向に連続する4つの側面を有する。4つの側面の各々には、2つのフォーク差込み部20が水平方向に間隔をあけて形成されている。各フォーク差込み部20は、フォークリフトのフォークが差し込まれる部分である。
【0021】
底部2の四隅部分のそれぞれには、上下方向に貫通する挿入孔21が二つ設けられている。挿入孔21の下部は、挿入孔21の上部に比べて孔径が長い大径孔部となっている。底部2の上面の外周部には、上方に開口する取付孔22が設けられている。取付孔22は、底部2のうち、方向D1の両端部における方向D2の中央部と、方向D2の両端部における方向D1の中央部にそれぞれ位置する。
【0022】
挿入孔21に挿入されるボルト23とこのボルト23に対してねじ締めされるナット24によって、底部2の四隅部分のそれぞれの上には、連結部6が取り付けられる。ナット24は、挿入孔21の下部の大径孔部内に収まる。
【0023】
1-2-2.第一側板
一対の第一側板4は、共通の構造を備える。以下においては、一対の第一側板4の共通の構造について説明する。また、以下では、起立姿勢にあるときの第一側板4を基準にして説明する。
【0024】
第一側板4は、方向D2に沿った長手方向を有し、上下方向に沿った短手方向を有し、方向D1に沿った厚み方向を有する板状の部材である。第一側板4は、射出成形で一体に成形される。
【0025】
第一側板4は、方向D2の両端部の下端部に、方向D2の外側に突出した第一軸部40を有する。第一軸部40は、楕円形状であり、そのため、成形時にヒケが生じにくくて、寸法精度が確保しやすい。第一軸部40は、楕円の筒状に設けられており、中空である。
【0026】
本実施形態では、第一側板4は、合成樹脂製の側板本体41を有する。側板本体41は、図3に示すように、平板状の本体部410と、本体部410から方向D1の外側に突出し、かつ方向D2に間隔をあけて位置する多数の縦リブ411と、本体部410から方向D1の外側に突出し、かつ上下方向に間隔をあけて位置する多数の横リブ412と、を有する。多数の縦リブ411と多数の横リブ412は、格子をなしている。本体部410には、方向D1に貫通する多数の孔413が設けられている。
【0027】
図1に示すように、側板本体41は、下部41aが上部41bよりも方向D2の長さが短い。下部41aは、方向D2に間隔をあけて位置する複数(本実施形態では5つ)の脚部42を有する。複数の脚部42のうち、方向D2の両端部に位置する2つの脚部42aのそれぞれの方向D2の外側の端部(方向D2の外側を向く面)の下端部から、第一軸部40が方向D2の外側に突出している。
【0028】
2つの脚部42aのそれぞれの方向D2の内側の端部(方向D2の内側を向く面)の下部には、方向D2の内側に突出した軸部43が設けられている。軸部43は、第一軸部40と同形状である。つまり、軸部43は、楕円の断面形状を有し、上下方向の長さが、方向D1の長さよりも長い。
【0029】
複数の脚部42のうち、方向D2の両端部に位置する2つの脚部42aを除く残りの脚部42bの下端部には、嵌め込み用の凸条部44が設けられている。
【0030】
側板本体41の上部41bの方向D2の両端部には、係止部45が設けられている。係止部45は、起立姿勢にあるときの第二側板5の方向D1の端部との連結に用いられる。
【0031】
側板本体41の上部41bの下面のうち、互いに隣接する脚部42の間の部分には、下方に突出する凸部46が設けられている。側板本体41は、複数(本実施形態では4つ)の凸部46を有する。
【0032】
側板本体41の上部41bの下面のうち、脚部42aよりも方向D2の外側に位置する部分には、下方に突出する第一凸部47が設けられている。第一凸部47は、側板本体41の上部41bの下面の方向D2の両端部に設けられている。第一凸部47は、平面視六角形状に設けられている(図3参照)。
【0033】
1-2-3.第二側板
一対の第二側板5は、共通の構造を備える。以下においては、一対の第二側板5の共通の構造について説明する。尚、図1では、倒伏姿勢にあるときの第二側板5が示されているが、第一側板4に合わせて、起立姿勢にあるときの第二側板5を基準にして説明する。
【0034】
第二側板5は、方向D1に沿った長手方向を有し、上下方向に沿った短手方向を有し、方向D2に沿った厚み方向を有する板状の部材である。第二側板5は、射出成形で一体に成形される。
【0035】
図1図3に示すように、第二側板5は、方向D1の両端部の下端部に、方向D1の外側に突出した第二軸部50を有する。第二軸部50は、楕円形状であり、そのため、成形時にヒケが生じにくくて、寸法精度が確保しやすい。第二軸部50は、楕円の筒状に設けられており、中空である。
【0036】
本実施形態では、第二側板5は、合成樹脂製の側板本体51を有する。側板本体51は、第一側板4の側板本体41と同様に、平板状の本体部510と、本体部510から方向D2の外側に突出し、かつ方向D1に間隔をあけて位置する多数の縦リブ511と、本体部510から方向D2の外側に突出し、かつ上下方向に間隔をあけて位置する多数の横リブ512と、を有する。多数の縦リブ511と多数の横リブ512は、格子をなしている。本体部510には、方向D2に貫通する多数の孔513が設けられている。
【0037】
図1に示すように、側板本体51は、外面(図1における上面)の下端部に、凹み52を有する。凹み52には、底部2上に第二側板5と第一側板4を倒伏姿勢でこの順に積み重ねた際に、第一側板4の係止部45が収まる部分である。
【0038】
側板本体51は、下部51aが上部51bよりも方向D1の長さが短い。側板本体51の下部51aの方向D1の両端面の下端部から、第二軸部50が方向D1の外側に突出している。側板本体51の上部51bの方向D1の両端部には、第一側板4の係止部45が係止される被係止部53が設けられている。
【0039】
図3に示すように、側板本体51の上部51bのうち、下部51aよりも方向D1の外側に位置する部分の下面には、下方に向けて突出した第二凸部54が設けられている。第二凸部54は、平面視五角形状の突起である。
【0040】
第二側板5は、側板本体51の下部51aの方向D1の両端面のうち方向D2の内側の端部から方向D1の外側に向けて突出した倒れ防止片55と、倒れ防止片55の上下方向の中央部から方向D2の外側に突出した突出部56とを更に備える。
【0041】
倒れ防止片55は、第二軸部50よりも上方に位置し、第二軸部50との間に隙間S1を形成する。倒れ防止片55の上端は、上部51bの下面と一体である。倒れ防止片55は、第二凸部54よりも方向D1の内側に位置する。
【0042】
突出部56は、方向D1に一直線状に延びた横片部560と、横片部560の方向D1の中央部から上方に一直線状に延びた縦片部561と、縦片部561から方向D1の外側に突出した複数の横リブ562とを有する。複数の横リブ562は、上下方向に間隔をおいて位置する。横片部560と縦片部561は、T字状に連続しており、そのため、強度が強い。
【0043】
横片部560は、倒れ防止片55の方向D1の全長にわたって位置する。横片部560は、側板本体51の下部51aの方向D1の端面に対して一体である。縦片部561と複数の横リブ562のそれぞれは倒れ防止片55に対して一体である。
【0044】
尚、横片部560と縦片部561は、L字状に形成してもよい。例えば、横片部560は、倒れ防止片55の方向D1の一部に位置するように形成し、横片部560の方向D1の外側の端部から縦片部561が上方に一直線状に延びるように形成してもよい。また、突出部56は、横片部560のみで構成されてもよい。
【0045】
1-2-4.連結部
図1に示すように、パレット容器1は、底部2の四隅部分のそれぞれに設けられる4つの連結部6を備える。本実施形態では、方向D2に並ぶ2つの連結部6は、補助壁9を介して一体である。一体の2つの連結部6と補助壁9とは、下枠材10を形成している。
【0046】
下枠材10は、底部2の方向D1の両端部上に取り付けられる。下枠材10の方向D2の長さは、底部2の方向D2の長さと同じである。下枠材10は、例えば樹脂成型品である。
【0047】
補助壁9は、第一側板4の起立姿勢の維持を補助する壁である。補助壁9には、複数(本実施形態では5つ)の凹溝90が方向D2に間隔をおいて設けられている。複数の凹溝90のそれぞれは、方向D1の内側と上方に開口している。
【0048】
複数の凹溝90のうち、方向D2の両端部に位置する2つの凹溝90aの間に位置する残りの凹溝90bには、底部分に凹条部900が設けられている。凹条部900には、第一側板4の凸条部44が嵌め込まれる。
【0049】
2つの凹溝90aのそれぞれの方向D2の内側に位置する壁には、長溝状の溝部901が設けられている。溝部901は、連結部6の第一溝部60に対して対称な形状である。すなわち、溝部901は、上下方向を長手方向とする長溝であり、上端に上部開口902を有する。溝部901は、上端の上部開口902において方向D1の幅寸法が最短であり、上端を除く残りの部分では、方向D1の幅寸法が、上部開口902の幅寸法よりも長く、上下方向にわたって一定である。
【0050】
補助壁9の上面には、複数(本実施形態では4つ)の凹部91が設けられている。複数の凹部91は、上方に開口した凹みである。複数の凹溝90と複数の凹部91は、方向D2に交互に一つずつ並んで位置する。補助壁9は、補助壁9の下面から下方に突出し、底部2への取り付けに用いられる突起92を更に有する。
【0051】
2つの連結部6は、対称な構造である。以下では、図2及び図3に示す連結部6について詳しく説明する。
【0052】
連結部6は、平面視略L字状である。連結部6は、方向D2に沿って延びた第一壁部64と、方向D1に沿って延びた第二壁部65と、第一壁部64と第二壁部65の間に位置して、平面視L字状の連結部6の角部分を構成する第三壁部66と、を有する。第三壁部66は、平面視円弧状の内角壁部660と、内角壁部660の外側に位置し、平面視円弧状の外角壁部661とで構成されている。
【0053】
第一壁部64は、第一側板4が連結される部分であり、第二壁部65は、第二側板5が連結される部分である。
【0054】
第一壁部64は、上下方向に沿った長手方向を有し、方向D2に沿った短手方向を有し、方向D1に沿った厚み方向を有する壁である。第一壁部64には、第一溝部60と第一凹部67が形成されている。
【0055】
第一溝部60は、上下方向を長手方向とする長溝であり、上端に上部開口62を有する。第一溝部60は、方向D2の内側にも開口している。第一溝部60は、上部開口62における方向D1の開口幅L1が、それよりも下方における方向D1の開口幅L2よりも短い。第一溝部60は、上端の上部開口62を除く残りの部分は、上下方向にわたって開口幅L2が一定である。
【0056】
開口幅L1,L2は、第一側板4の第一軸部40の方向D1の幅寸法に対応している。楕円形状の断面を有する第一軸部40は、幅寸法L3の長軸と、幅寸法L4の短軸とを有する。第一側板4が起立姿勢にあるときの第一軸部40の上下方向の長さが、幅寸法L3である。このときの第一軸部40の方向D1の長さが、幅寸法L4である。言い換えると、第一側板4が倒伏姿勢にあるときの第一軸部40の方向D1の長さが、幅寸法L3である(図4参照)。開口幅L1は、幅寸法L3よりも短く、かつ幅寸法L4よりも長い。開口幅L2は、幅寸法L3よりも僅かに長い。
【0057】
図6に示すように、第一凹部67は、その内周面の形状が、第一凸部47の形状に沿う形状であり、本実施形態では、平面視六角形状の凹みである。図3及び図4に示すように、連結部6は、第一凹部67の底面の一部(詳しくは中央部)から下方に延びた第一貫通孔68を更に有する。
【0058】
第一凹部67と第一貫通孔68とは、第一壁部64を上下方向に貫通している。第一凹部67と第一貫通孔68には、連結部6を底部2に取り付けるボルト23が挿通される。ボルト23の頭部の形状は、六角形状であり、第一凹部67の内周面の形状は、ボルト23の頭部の形状にも沿う形状である。ボルト23の頭部は、第一凹部67の底面によって受けられ、第一凹部67の内周面によって回転が規制される。ボルト23の軸部は、第一貫通孔68と底部2の挿入孔21に通される。
【0059】
図2及び図3に示すように、第二壁部65は、上下方向に沿った長手方向を有し、方向D1に沿った短手方向を有し、方向D2に沿った厚み方向を有する壁である。第二壁部65には、第二溝部61と第二凹部69と凹み70と抜け止め部71が設けられている。
【0060】
第二溝部61は、上下方向を長手方向とする長溝であり、上端部に方向D2の外側に向けて開口した側部開口63を有する。第二溝部61は、方向D1の内側にも開口している。第二溝部61は、第二壁部65の上下方向の中央部から下端部にかけて設けられている。第二溝部61は、側部開口63における上下方向の開口幅L5が、方向D2の開口幅L6よりも幅狭となっている。第二溝部61は、上下方向にわたって方向D2の開口幅L6が一定である。
【0061】
開口幅L5,L6は、第二側板5の第二軸部50の幅寸法に対応している。楕円形状の断面を有する第二軸部50は、幅寸法L7の長軸と、幅寸法L8の短軸とを有する。第二側板5が起立姿勢にあるときの第二軸部50の方向D2の長さが、幅寸法L7である。このときの第二軸部50の上下方向の長さが、幅寸法L8である。言い換えると、第二側板5が倒伏姿勢にあるときの第二軸部50の上下方向の長さが、幅寸法L7である。開口幅L5は、幅寸法L7よりも短く、かつ幅寸法L8よりも長い。開口幅L6は、幅寸法L7よりも僅かに長い。
【0062】
図6に示すように、第二凹部69は、その内周面の形状の大部分が、第二凸部54の形状に沿う形状であり、本実施形態では、平面視六角形状の凹みである。図3及び図4に示すように、連結部6は、第二凹部69の底面の一部(詳しくは中央部)から下方に延びた第二貫通孔72を更に有する。
【0063】
第二凹部69と第二貫通孔72とは、第二壁部65を上下方向に貫通している。第二凹部69と第二貫通孔72には、連結部6を底部2に固定するボルト23が挿通される。ボルト23の頭部の形状は、六角形状であり、第二凹部69の内周面の形状は、ボルト23の頭部の形状に沿う形状である。ボルト23の頭部は、第二凹部69の底面によって受けられ、第二凹部69の内周面によって回転が規制される。ボルト23の軸部は、第二貫通孔72と底部2の挿入孔21に通される。
【0064】
図2に示すように、凹み70は、第二溝部61の上方に位置し、方向D1の内側と方向D2の内側の両方に開口している。凹み70内には、抜け止め部71が位置している。抜け止め部71は、凹み70の下側を向く内面700の方向D1の内側の端部から下方に突出している。
【0065】
抜け止め部71は、内面700から下方に突出した縦片部710と、縦片部710から方向D1の内側に突出した複数の横リブ711とを有する。複数の横リブ711は、上下方向に間隔をおいて位置する。複数の横リブ711のそれぞれは、方向D2に沿って延びた突条である。縦片部710と複数の横リブ711のそれぞれは、方向D2の外側の端部が凹み70の方向D2の内側を向く面と一体である。縦片部710は、内面700に対してT字をなすように連続しており、そのため、強度が強い。
【0066】
尚、抜け止め部71は、縦片部710と、その下端から方向D1の内側に突出した一つの横リブ711のみで構成して、L字状に形成してもよい。また、抜け止め部71は、縦片部710のみで構成されてもよいし、下端に位置する一つの横リブ711のみで構成されてもよい。
【0067】
側板4,5は、図5に示すように、連結部6に連結される。図5は、側板4,5が起立姿勢にあるときの連結部6との連結の様子を示している。
【0068】
このとき、第一側板4は、図6に示すように、第一軸部40が連結部6の第一溝部60内に収まり、第一凸部47が連結部6の第一凹部67内に収まる。尚、図6は、連結部6の上面と同じレベルの断面を示している。
【0069】
またこのとき、第二側板5は、図7Aに示すように、第二軸部50が連結部6の第二溝部61内に収まり、突出部56が連結部6の凹み70内に収まる。またこのとき、突出部56の横片部560は、連結部6の抜け止め部71の下方に位置し、倒れ防止片55は、その下部が連結部6の第二壁部65の方向D2の内側に重なって位置する。このとき、突出部56の横片部560から抜け止め部71までの上下方向の距離L9は、第二軸部50から第二溝部61の上壁610までの上下方向の距離L10よりも短い。距離L9は、第二凸部54の上下長さL11(図7B)よりも長い。第二側板5は、第一側板4の方向D2の外側の端部より方向D1の内側に位置する。
【0070】
このように側板4,5が連結部6に対して連結されることで、第一側板4は、起立姿勢から方向D1の両側に対して倒れることが抑えられ、第二側板5は、起立姿勢から方向D2の両側に対して倒れることが抑えられる。
【0071】
また、パレット容器1の搬送時にかかる振動等によって、起立姿勢にある第二側板5が浮き上がったときには、図7Bに示すように、突出部56の横片部560が連結部6の抜け止め部71に当たることで、第二側板5の上方への移動が規制される。このとき、図7Aに示すように、距離L9が距離L10よりも短いため、起立姿勢にある第二側板5は、第二軸部50が第二溝部61の側部開口63に対向する位置まで移動することが防がれる。これにより、第二側板5が起立姿勢にあるときに、第二軸部50が連結部6の第二溝部61から抜け出すことを防ぐことができる。尚、距離L9は第二凸部54の上下長さL11(図7B)よりも長いため、起立姿勢にある第二側板5は、第二凸部54が第二凹部69から抜け出す位置へ移動可能である。
【0072】
また、側板4,5は、図4に示すように、連結部6に連結される。尚、図4では、側板4,5を分かりやすくするために、側板4,5の色を変えて表示している。図4は、側板4,5が倒伏姿勢にあるときの連結部6との連結の様子を示している。
【0073】
このとき、第一側板4は、第一軸部40が連結部6の第一溝部60内に収まる。第一軸部40の方向D1の幅寸法L3は、第一溝部60の上部開口62の開口幅L1よりも長い。第一側板4は、第二側板5の上方に位置する。
【0074】
またこのとき、第二側板5は、第二軸部50が連結部6の第二溝部61内に収まる。第二軸部50の上下方向の幅寸法L7は、第二溝部61の側部開口63の開口幅L5よりも長い(図8参照)。
【0075】
このように側板4,5が連結部6に対して連結されることで、倒伏姿勢にある側板4,5が搬送時に生じる振動によって浮き上がることがあっても、第一軸部40が連結部6の上部開口62から上方に抜け出すことを抑制することができる。また、第二軸部50が連結部6の側部開口63から側方に抜け出すことを抑制することができる。
【0076】
1-3.組み立て方法
続いて、上述したパレット容器1を組み立てる方法の一例について説明する。
【0077】
まず、底部2の方向D1の両端部上に、下枠材10を取り付ける。下枠材10の底部2への固定は、連結部6の凹部67,69と貫通孔68,72と挿入孔21,21に対して上方からボルト23を挿入し、ボルト23の下部にナット24をねじ締めすることによって行う。
【0078】
次いで、方向D1に並ぶ2つの連結部6に対して、第二側板5を連結する。第二側板5は、図9A図9Bに示すように、第二側板5を起立姿勢から若干傾けた姿勢で、第二側板5の第二軸部50と倒れ防止片55との間の隙間S1に、連結部6の第二壁部65の上部を通す。次いで、図9C図9Dに示すように、第二側板5の第二軸部50を、側部開口63を通じて第二溝部61内に挿入して、第二側板5を底部2上に積み重ねる。尚、図9A~Dでは、底部2、第一側板4、及び連結部6の壁部64,66の図示は省略している。
【0079】
上述のようにすることで、底部2上には、第二側板5が倒伏姿勢で積み重ねられる。一対の第二側板5のそれぞれは、同様の方法で、連結部6に対して連結されて底部2上に倒伏姿勢で積み重ねられる。一対の第二側板5は、底部2の上面に積み重なった状態で、方向D2に互いに離れて位置する。
【0080】
次いで、起立姿勢の第一側板4を、下枠材10に対して上方から落とし込む。このとき、起立姿勢の第一側板4の第一軸部40が、連結部6の第一溝部60の上部開口62を通じて第一溝部60内に挿入され、第一側板4の複数の脚部42が補助壁9の複数の凹溝90に挿入される。また、第一側板4の軸部43が、補助壁9の溝部901の上部開口902を通じて溝部901内に挿入され、第一側板4の凸条部44が、補助壁9の凹条部900に嵌め込まれる。また、第一側板4の第一凸部47が、連結部6の第一凹部67に収まり、第一側板4の複数の凸部46は、補助壁9の複数の凹部91に収まる。これにより、下枠材10、つまり、2つの連結部6と補助壁9によって、第一側板4は、起立姿勢で支持される。このとき、第一側板4の複数の凸部46が、補助壁9の複数の凹部91に収まることで、第一側板4の方向D2の中央部が、方向D1の外側または内側に突出するように膨らむことを抑制することができる。
【0081】
起立姿勢の第一側板4は、下枠材10に支持された状態から上方に移動させ、軸部40,43を中心に方向D1の内側に回転させることで、倒伏姿勢にある第二側板5の上に積み重なる倒伏姿勢とすることができる。
【0082】
一対の第一側板4のそれぞれは、同様の方法で、連結部6(下枠材10)に対して連結され、起立姿勢から倒伏姿勢へと回転させることができる。一対の第一側板4は、一対の第二側板5上に積み重なった状態で、方向D1に互いに離れて位置する。このとき、一対の第一側板4の係止部45が、一対の第二側板5の凹み52に収まることで、一対の第一側板4と一対の第二側板5とは、平行に積み重なって高さが抑えられ、また、第二側板5に対する第一側板4の位置ずれが抑えられる。
【0083】
以上のようにして、パレット容器1は、底部2上に側板4,5が倒伏姿勢で積み重なった折り畳み状態とすることができる。
【0084】
続いて、この折り畳み状態のパレット容器1を、箱状に組み立てる方法の一例について説明する。
【0085】
まず、倒伏姿勢にある一対の第一側板4のそれぞれを、第一軸部40を中心に方向D1の外側に回転させて、下枠材10上に起立させる。一対の第一側板4のそれぞれは、第一側板4の第一凸部47が、連結部6の第一凹部67に収まることで起立し、起立姿勢が維持される。またこのとき、第一側板4の複数の脚部42の凸条部44が、補助壁9の凹条部900に嵌め込まれ、第一側板4の複数の凸部46が、補助壁9の複数の凹部91に収まることによって、起立姿勢の維持が補助される。
【0086】
次いで、倒伏姿勢にある一対の第二側板5を、第二軸部50を中心に方向D2の外側に回転させ、第二側板5の第二凸部54を連結部6の第二凹部69に収める。第二側板5を倒伏姿勢から起立姿勢へと回転させることで、第二側板5の両側端部の被係止部53が、一対の第一側板4の両側端部の係止部45に対して係止される。これにより、起立姿勢にある第一側板4と第二側板5は、互いの側端部同士が直接連結される。
【0087】
以上のようにして、パレット容器1は、底部2の外周部上に一対の第一側板4と一対の第二側板5が起立した、箱状の組み立て状態とすることができる。
【0088】
組み立て状態のパレット容器1では、起立姿勢にある第二側板5の突出部56の横片部560が、連結部6の抜け止め部71の下方に位置する(図7A参照)。そのため、パレット容器1の搬送時にかかる振動等によって、第二側板5が上方に浮き上がったとしても、第二側板5の突出部56の横片部560が、連結部6の抜け止め部71に当たることで、第二側板5の上方への移動が規制される(図7B参照)。これにより、このパレット容器1では、起立姿勢の第二側板5の第二軸部50が連結部6の側部開口63へと至ることを防ぐことができ、第二側板5の第二軸部50が連結部6から外れることを抑制することができる。またこのとき、第一側板4は第二側板5に対して係止部45によって連結されているため、起立姿勢の第一側板4の第一軸部40が連結部6の第一溝部60の上部開口62から上方に抜け出すことも抑制することができる。
【0089】
1-4.作用効果
以上説明した実施形態1のパレット容器1では、図4に示すように、第一側板4が倒伏姿勢にあるとき、上方から見て、連結部6の第一溝部60の上部開口62が、第一側板4の第一軸部40よりも幅狭である。
【0090】
そのため、実施形態1のパレット容器1では、折り畳み状態のパレット容器1を搬送する際に、倒伏姿勢にある第一側板4の第一軸部40が、連結部6の第一溝部60の上部開口62から上方に抜け出すことを抑制することができる。
【0091】
また、実施形態1のパレット容器1では、図8に示すように、第二側板5が倒伏姿勢にあるとき、側方から見て、連結部6の第二溝部61の側部開口63が、第二側板5の第二軸部50よりも幅狭である。
【0092】
そのため、実施形態1のパレット容器1では、折り畳み状態のパレット容器1を搬送する際に、倒伏姿勢にある第二側板5の第二軸部50が、連結部6の第二溝部61の側部開口63から側方に抜け出すことを抑制することができる。
【0093】
加えて、実施形態1のパレット容器1では、第二側板5が倒伏姿勢にあるとき、第二側板5の第二軸部50の上方に壁(上壁610)があるため、この壁(上壁610)によって、倒伏姿勢にある第二側板5の上方への移動を規制することができる。
【0094】
加えて、実施形態1のパレット容器1では、倒伏姿勢の第二側板5の上方には倒伏姿勢の第一側板4が位置するため(図4参照)、倒伏姿勢にある第二側板5は、倒伏姿勢にある第一側板4によって抑えられて浮き上がりにくい。
【0095】
また、実施形態1のパレット容器1では、図6に示すように、第一側板4は起立姿勢にあるときには、第一側板4の第一軸部40が、上方から見て、連結部6の第一溝部60の上部開口62よりも幅狭であるため、連結部6に対する着脱の作業がしやすい。
【0096】
また、実施形態1のパレット容器1では、図7Aに示すように、第二側板5が起立姿勢にあるときに、突出部56の横片部560の上方に連結部6の抜け止め部71が位置するため、起立姿勢にあるときの第二側板5の上方への移動を規制することができる。
【0097】
加えて、実施形態1のパレット容器1では、図7Bに示すように、突出部56が抜け止め部71に当たる状態において、第二側板5の第二軸部50が側部開口63よりも下方に位置する。
【0098】
そのため、実施形態1のパレット容器1では、起立姿勢にある第二側板5の第二軸部50が、側部開口63から外れることを防ぐことができる。
【0099】
また、実施形態1のパレット容器1では、起立姿勢にある第一側板4と第二側板5は、側端部同士が係止部45と被係止部53との係合によって、互いに連結されている。
【0100】
そのため、実施形態1のパレット容器1では、起立姿勢にある第一側板4の浮き上がりを、起立姿勢にある第二側板5との連結によって抑制することができる。また、起立姿勢にある側板4,5の側端部同士が連結されているため、起立姿勢にある第二側板5が方向D2の内側に倒れることを、第一側板4によって抑えることができる。
【0101】
また、実施形態1のパレット容器1では、図6に示すように、連結部6は、起立姿勢にあるときの第一側板4の第一凸部47が収まる第一凹部67と、起立姿勢にあるときの第二側板5の第二凸部54が収まる第二凹部69と、を有する。
【0102】
そのため、実施形態1のパレット容器1では、連結部6によって起立姿勢にある側板4,5の姿勢を保持でき、起立姿勢にある第一側板4の方向D1の両側への倒れと、起立姿勢にある第二側板5の方向D2の両側への倒れを連結部6によって防ぐことができる。
【0103】
また、実施形態1のパレット容器1では、図4に示すように、連結部6の凹部67,69の底面の一部から貫通孔68,72が下方に延びているため、これらの構成を、連結部6を底部2に固定するボルト23が挿入される固定孔として用いることができる。
【0104】
そのため、実施形態1のパレット容器1では、連結部6に、側板4,5の凸部47,54を支持するための構造(凹部67,69)とは別に、底部2に固定するための孔を設ける場合に比べて、連結部6をコンパクトに設けることができる。
【0105】
また、実施形態1のパレット容器1では、図7Aに示すように、第二側板5は、起立姿勢にあるときに連結部6の第二壁部65の方向D2の内側に位置する倒れ防止片55を有している。
【0106】
そのため、実施形態1のパレット容器1では、倒れ防止片55が連結部6の第二壁部65に当たることで、起立姿勢にある第二側板5が方向D2の外側に倒れることを防ぐことができる。
【0107】
また、実施形態1のパレット容器1では、第二側板5は、連結部6の第二壁部65に対して、図9Cに示すような角度で傾いた場合しか、連結部6に対する連結を解除できないため、第二側板5が連結部6から外れにくい。
【0108】
1-5.変形例
続いて、上述した実施形態1のパレット容器1の変形例について説明する。
【0109】
パレット容器1は、補助壁9を備えなくてもよく、すなわち、方向D2に並ぶ2つの連結部6は、互いに別体であってもよい。この場合、第一側板4は、複数の脚部42及び複数の凸部46が省略可能であり、矩形板状等の簡単な形状とすることができる。
【0110】
また、第一側板4と第二側板5は、起立姿勢において側端部同士が連結される構造であればよく、その連結のための構造は、図1に示す係止部45と被係止部53に限定されない。例えば、第一側板4と第二側板5のうちの一方の側端部の上部に、突没可能なロックピンを設け、他方の対応する部分にロックピンが引っ掛かるロック孔を設けて、ロックピンを操作することによって、第一側板4と第二側板5の側端部同士が連結されるようにしてもよい。この場合、第一側板4と第二側板5のそれぞれは、係止部45や被係止部53や凹み52が省略可能であり、矩形板状等の簡単な形状とすることができる。
【0111】
また、底部2に連結部6を取り付ける方法としては、ボルト23とナット24を用いた方法に限らず、底部2と連結部6に爪等の係止構造を設けて係止によって固定する方法や、ボルト23とナット24以外の他のロック部材を用いて固定する方法も採用可能である。
【0112】
また、連結部6には、貫通孔68,72に代えて、凹部67,69の間の部分(第三壁部66)に、ボルト23が挿入される貫通孔を設けて、1つのボルト23で底部2に固定されるようにしてもよい。
【0113】
また、第一側板4は、板状の本体部と、この本体部の両側端の下端部に取り付けられる別体の一対のコーナー部材とで構成し、この一対のコーナー部材に第一軸部40と第一凸部47を設けてもよい。また、第二側板5も同様に、板状の本体部と、この本体部の両側端の下端部に取り付けられる別体の一対のコーナー部材とで構成し、この一対のコーナー部材に第二軸部50と第二凸部54を設けてもよい。
【0114】
また、第一側板4は、上下方向に沿った長手方向を有し、方向D2に沿った短手方向を有する板状の部材であってもよい。また、第二側板5は、上下方向に沿った長手方向を有し、方向D1に沿った短手方向を有する板状の部材であってもよい。
【0115】
また、側板4,5の側板本体41,51のそれぞれは、ハニカム構造の中空板材と、その厚み方向の両側に鋼板(アルミ板)を貼着したものであってもよい。尚、中空板材は、ハニカム構造に代えて、押し出し成形によってハーモニカの孔のように中空部分を一列に形成した構造や、柱体を多数並設した構造や、円錐体等の錐体を多数並設した構造を採用してもよいし、さらに他の構造を採用することも可能である。また、中空板材は、鋼板を貼着しない構造を採用してもよい。
【0116】
また、第一凸部47は、平面視形状が、六角形に限らず、六角形以外の多角形や、略円形であってもよい。また、第二凸部54は、平面視形状が、五角形に限らず、五角形以外の多角形や、略円形であってもよい。
【0117】
また、横片部560は、倒れ防止片55よりも肉厚に形成してもよく、この場合、横片部560の補強が図れる。
【0118】
また、第二側板5は、倒れ防止片55のうち、横片部560よりも下側の部分から方向D2の外側に突出した上下方向に長い補強リブを備えてもよい。補強リブは、例えば、倒れ防止片55のうち、方向D1の中央部に設けられる。この場合、連結部6の第二壁部65の方向D2の内側を向く面のうち、この補強リブに対応する部分には、補強リブが収まる収容溝が設けられる。
【0119】
また、第一軸部40と第二軸部50のそれぞれは、突出方向(軸方向)の先端側が閉塞された有底筒状であってもよく、この場合、軸部40,50の補強が図れる。
【0120】
また、第一軸部40は、第一側板4が倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ第一側板4が起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有すればよく、この断面形状は、楕円に限定されない。第一軸部40の断面形状は、第一側板4が倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ第一側板4が起立姿勢にあるときに縦長となる仮想的な楕円に収まったうえで、この仮想的な楕円上に第一軸部40の外面の少なくとも一部が位置する形状であってもよい。例えば、第一軸部40の断面形状は、長さの異なる二つの長方形が十字状に直交した形状や、同じ長さの二つの長方形がX字状に交差した形状や、二つの円が第一側板4の短手方向に間隔をおいて位置した形状等であってもよい。
【0121】
また、第二軸部50も同様に、第二側板5が倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ第二側板5が起立姿勢にあるときに横長となるように設けられた断面形状を有すればよく、この断面形状は、楕円に限定されない。第二軸部50の断面形状は、第二側板5が倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ第二側板5が起立姿勢にあるときに横長となる仮想的な楕円に収まったうえで、この仮想的な楕円上に第二軸部50の外面の少なくとも一部が位置する形状であってもよい。例えば、第二軸部50の断面形状は、長さの異なる二つの長方形が十字状に直交した形状や、同じ長さの二つの長方形がX字状に交差した形状や、二つの円が第二側板5の厚み方向に間隔をおいて位置した形状等であってもよい。
【0122】
2.実施形態2のパレット容器
実施形態2のパレット容器1Aは、実施形態1のパレット容器1に対して、第二側板5Aの第二軸部50Aの長軸の向き(長手方向)と、連結部6Aの第二溝部61Aの形状が異なり、その他の構成は共通している。以下の説明では、実施形態2のパレット容器1Aの各構成について、実施形態1のパレット容器1と共通する構成については図中に同一の符号を付けて詳しい説明を省略し、実施形態1のパレット容器1と異なる構成について詳しく説明する。
【0123】
図10及び図11に示すように、第二側板5Aは、第二側板5Aが起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた楕円の断面形状を有する第二軸部50Aを有する。言い換えると、第二側板5Aは、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるときに横長となるように設けられた楕円の断面形状を有する第二軸部50Aを有する(図13図14D参照)。第二側板5Aは、実施形態1の第二側板5に対して、第二軸部50Aの長軸の向き(長手方向)が第二軸部50の長軸の向きとは90度異なるものの、残りの構成は共通している。
【0124】
図11に示すように、第二軸部50Aは、幅寸法L7の長軸と、幅寸法L8の短軸とを有する。第二側板5Aが起立姿勢にあるときの第二軸部50Aの方向D2の長さが、幅寸法L8であり、このときの第二軸部50Aの上下方向の長さが、幅寸法L7である。図13に示すように、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるときの第二軸部50Aの方向D2の長さは、幅寸法L7である。
【0125】
図10に示すように、連結部6Aは、上下方向を長手方向とする長溝であり、かつ上部と下部とで方向D2の溝幅が異なる第二溝部61Aを有する。連結部6Aは、実施形態1の連結部6に対して、第二溝部61Aの形状が第二溝部61の形状とは異なるものの、残りの構成は共通している。
【0126】
第二溝部61Aは、第二溝部61Aの下部に位置する幅広空間部611と、第二溝部61の上部に位置し、幅広空間部611よりも溝幅の狭い幅狭空間部612と、幅狭空間部612の上部から側方(詳しくは方向D2の外側)に向けて開口した側部開口63と、を有する。
【0127】
幅広空間部611と幅狭空間部612とは、上下方向に並び、互いに繋がっている(連通している)。幅広空間部611と幅狭空間部612のそれぞれは、上下方向にわたって方向D2の開口幅が一定である。
【0128】
図13に示すように、幅広空間部611の方向D2の開口幅L12は、幅狭空間部612の方向D2の開口幅L13よりも長く、第二軸部50Aの長軸の幅寸法L7よりも僅かに長い。幅狭空間部612の方向D2の開口幅L13は、第二軸部50Aの長軸の幅寸法L7よりも短く、第二軸部50Aの短軸の幅寸法L8よりも長い。
【0129】
側部開口63は、第二溝部61Aの幅狭空間部612のうちの上端から上下方向の中央部にわたる部分から方向D2の外側に開口している。側部開口63の上下方向の開口幅L5は、幅狭空間部612の上下方向の長さよりも短い。また、側部開口63の開口幅L5は、第二軸部50Aの長軸の幅寸法L7よりも短く、かつ第二軸部50Aの短軸の幅寸法L8よりも長い。
【0130】
図12Aは、起立姿勢にあるときの第二側板5Aと連結部6Aとの連結の様子を示している。第二側板5Aは、第二軸部50Aが連結部6Aの第二溝部61Aの幅広空間部611内に収まり、突出部56が連結部6Aの凹み70内に収まることで、連結部6Aに連結されている。またこのとき、第二側板5Aの倒れ防止片55のうち横片部560よりも下側の部分は、連結部6Aの第二壁部65の方向D2の内側の面に設けられた凹み650に収まる。凹み650は、倒れ防止片55の横片部560よりも下側の部分に対応した上下長さを有する。そのため、第二側板5Aが起立姿勢にあるとき、倒れ防止片55の方向D2の内側の面と、第二壁部65の方向D2の内側の面のうち、凹み650よりも下側の部分とは、面一となり、段差が略無い平坦面を形成する。
【0131】
パレット容器1Aの搬送時にかかる振動等によって、起立姿勢にある第二側板5Aが浮き上がった場合には、図12Bに示すように、突出部56の横片部560が連結部6Aの抜け止め部71に当たることで、第二側板5Aの上方への移動が規制される。これにより、第二側板5Aが起立姿勢にあるときに、第二軸部50Aが連結部6Aの第二溝部61Aの側部開口63から抜け出すことを防ぐことができる。
【0132】
図13は、倒伏姿勢にある第二側板5Aがパレット容器1Aの搬送時に生じる振動等によって浮き上がった場合における連結部6Aとの連結の様子を示している。第二側板5Aは、第二軸部50Aが連結部6Aの第二溝部61Aの幅広空間部611内に収まっている。ここで、第二溝部61Aの幅狭空間部612の方向D2の開口幅L13は、第二軸部50Aの方向D2の幅寸法L7よりも短い。言い換えると、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるときに、幅狭空間部612は第二軸部50Aよりも幅狭である。そのため、倒伏姿勢にある第二側板5Aが搬送時に生じる振動等によって浮き上がった場合、第二軸部50Aが幅広空間部611と幅狭空間部612との境界部分に位置する下向きの段差面に当たることで、幅狭空間部612に入り込むことを抑制できる。その結果、第二軸部50Aが側部開口63から側方に抜け出すことを抑制することができる。
【0133】
図14AからDには、連結部6Aに対して第二側板5Aを連結する様子の一例が示されている。第二側板5Aは、図14A図14Bに示すように、第二側板5Aを起立姿勢から若干傾けた姿勢で、第二側板5Aの第二軸部50Aと倒れ防止片55との間の隙間S1に、連結部6Aの第二壁部65の上部を通す。次いで、図14Cに示すように、第二軸部50Aの上下長さが側部開口63の開口幅L5以下となる角度まで、第二側板5Aを傾けて、第二軸部50Aを、側部開口63を通じて第二溝部61Aの幅狭空間部612内に挿入する。次いで、幅狭空間部612内において第二軸部50Aの方向D2の長さが幅狭空間部612の開口幅L13以下となる角度まで、第二側板5Aを回転させる。次いで、第二側板5Aを下方に移動させ、第二軸部50Aを第二溝部61Aの幅広空間部611内に挿入する。次いで、第二側板5Aを倒伏姿勢まで回転させて、底部2上に積み重ねる。
【0134】
以上説明した実施形態2のパレット容器1Aでは、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるとき、第二側板5Aの第二軸部50Aが、連結部6Aの第二溝部61Aの幅広空間部611から幅狭空間部612へと移動することを抑制でき、その結果、第二軸部50Aが側部開口63から側方に抜け出すことを抑制することができる。
【0135】
加えて、パレット容器1Aでは、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるときに、第二側板5Aの第二軸部50Aと第二溝部61Aの幅広空間部611の側壁(方向D2の壁)との間の隙間を小さくすることができて、第二側板5Aの横ずれを抑制することができる。
【0136】
また、パレット容器1Aでは、第二壁部65のうち、第二溝部61の方向D2の内側に位置する内壁部と、第二溝部61の方向D2の外側に位置する外壁部を、第二溝部61Aの下方に位置する下壁部よりも肉厚に形成している。そのため、パレット容器1Aでは、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるときに、第二側板5Aの第二軸部50Aが接触する部分の強度が向上している。
【0137】
なお、実施形態2のパレット容器1Aにおいても、上述した実施形態1のパレット容器1の作用効果と同様の作用効果を奏することができる。また、実施形態2のパレット容器1Aについても、上述した実施形態1のパレット容器1の変形例と同様の変形例を採用可能である。
【0138】
また、実施形態2のパレット容器1Aでは、第一壁部64のうち、第一溝部60の方向D1の両側に位置する二つの壁部を、第二壁部65のうち、第二溝部61Aの方向D2の両側に位置する二つの壁部よりも肉厚に形成してもよい。この場合、第二壁部65の二つの側壁よりも上下方向に長く、屈曲面(段差)を有さない第一壁部64の二つの壁部の強度の向上を図ることができる。またこの場合、第一側板4が起立姿勢にあるときに、第一側板4の第一軸部40と第一壁部64の二つの壁部との間の隙間を小さくできて、第一側板4の横ずれを抑制することができる。なお、第一壁部64の二つの壁部は、第一溝部60の上下方向の中間部よりも下側の部分においてのみ、第二溝部61Aの二つの壁部よりも肉厚に形成してもよい。
【0139】
また、実施形態2のパレット容器1Aでは、第二壁部65のうち、第二溝部61の方向D2の内側に位置する内壁部と、第二溝部61の方向D2の外側に位置する外壁部を、第二溝部61Aの上方に位置する上壁部よりも肉厚に形成して、補強を図ってもよい。
【0140】
また、実施形態2のパレット容器1Aでは、第一側板4が鉛直な起立姿勢から方向D1の外側に僅かに傾くことができるように、下記の構成を備えてもよい。
【0141】
例えば、脚部42aの下面の方向D1の内側の端部に、下方に突出する突起を設けてもよい。また、脚部42aの下面を、方向D1における内側の部分ほど下方に位置するように傾斜面に設けてもよい。また、脚部42aの下面の方向D1の内側の端部から下方へと突出するように、第一軸部40に、方向D1の内側の下方に向けて突出する突起を設けてもよい。また、第一壁部64のうち、第一溝部60の下方に位置する底壁部の上面を、方向D1における内側の部分ほど上方に位置するように傾斜面に設けてもよい。また、これらの構成を組み合わせてもよい。
【0142】
上記構成を備える場合、起立姿勢と倒伏姿勢との間で姿勢を切り替える第二側板5Aが、起立姿勢から方向D1の外側に傾いた姿勢にある第一側板4に接触することを抑制することができる。
【0143】
3.まとめ
以上説明した実施形態1のパレット容器1は、下記の第一の構成を備える。
【0144】
すなわち、実施形態1のパレット容器1は、フォーク差込み部20を有する底部2と、底部2上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、底部2上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板3と、を備える。
【0145】
複数の側板3は、起立姿勢において互いに隣り合う第一側板4と第二側板5を含む。底部2には、第一側板4が有する第一軸部40と第二側板5が有する第二軸部50が回転可能に連結される連結部6が設けられる。
【0146】
連結部6は、第一軸部40が回転可能に収まる縦長の第一溝部60と、第二軸部50が回転可能に収まる縦長の第二溝部61と、を有する。第一溝部60は、上方に向けて開口する上部開口62を有し、第二溝部61は、側方に向けて開口する側部開口63を有する。
【0147】
第一軸部40は、第一側板4が倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ第一側板4が起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有する。第二軸部50は、第二側板5が倒伏姿勢にあるときに縦長となり、かつ第二側板5が起立姿勢にあるときに横長となるように設けられた断面形状を有する。
【0148】
第一側板4が倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、上部開口62は第一軸部40よりも幅狭であり、第二側板5が倒伏姿勢にあるときに、側方から見て、側部開口63は第二軸部50よりも幅狭である。
【0149】
上記の第一の構成を備えることで、実施形態1のパレット容器1では、第一側板4が倒伏姿勢にあるとき、第一側板4の第一軸部40が、連結部6の第一溝部60の上部開口62から上方に抜け出すことを抑制することができる。また、実施形態1のパレット容器1では、第二側板5が倒伏姿勢にあるとき、第二側板5の第二軸部50が、連結部6の第二溝部61の側部開口63から側方に抜け出すことを抑制することができる。これにより、実施形態1のパレット容器1では、側板4,5を底部2上に折り畳んだ状態で搬送する際に、側板4,5が浮き上がったとしても、側板4,5の軸部40,50が、底部2に設けた連結部6から外れることを抑制することができる。
【0150】
また、上述した実施形態2のパレット容器1Aは、下記の第二の構成を備える。
【0151】
すなわち、実施形態2のパレット容器1Aは、フォーク差込み部20を有する底部2と、底部2上の空間を囲むように起立する起立姿勢と、底部2上に倒伏して積み重なる倒伏姿勢との間で回転可能な複数の側板3と、を備える。
【0152】
複数の側板3は、起立姿勢において互いに隣り合う第一側板4と第二側板5Aを含む。底部2には、第一側板4が有する第一軸部40と第二側板5Aが有する第二軸部50Aが回転可能に連結される連結部6Aが設けられる。
【0153】
連結部6Aは、第一軸部40が回転可能に収まる縦長の第一溝部60と、第二軸部50Aが回転可能に収まる縦長の第二溝部61Aと、を有する。第一溝部60は、上方に向けて開口する上部開口62を有する。
【0154】
第二溝部61Aは、下部に位置する幅広空間部611と、上部に位置し、幅広空間部611よりも溝幅の狭い幅狭空間部612と、幅狭空間部612から側方に向けて開口する側部開口63と、を有する。
【0155】
第一軸部40は、第一側板4が倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ第一側板4が起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有する。第二軸部50Aは、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるときに横長となり、かつ第二側板5が起立姿勢にあるときに縦長となるように設けられた断面形状を有する。
【0156】
第一側板4が倒伏姿勢にあるときに、上方から見て、上部開口62は第一軸部40よりも幅狭であり、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるときに、幅狭空間部612は第二軸部50Aよりも幅狭である。
【0157】
上記の第二の構成を備えることで、実施形態2のパレット容器1Aでは、第一側板4が倒伏姿勢にあるとき、第一側板4の第一軸部40が、連結部6の第一溝部60の上部開口62から上方に抜け出すことを抑制することができる。また、実施形態2のパレット容器1Aでは、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるとき、第二側板5Aの第二軸部50Aが、連結部6Aの第二溝部61Aの幅広空間部611から幅狭空間部612へと移動することを抑制でき、その結果、第二軸部50Aが側部開口63から側方に抜け出すことを抑制することができる。
【0158】
そのため、実施形態2のパレット容器1Aでは、側板4,5Aが底部2上に倒伏して積み重なった折り畳み状態で搬送する際に、側板4,5Aが浮き上がったとしても、側板4,5Aの軸部40,50Aが、底部2に設けた連結部6Aから外れることを抑制することができる。
【0159】
加えて、実施形態2のパレット容器1Aでは、第二側板5Aが倒伏姿勢にあるときに、第二側板5Aの第二軸部50Aと第二溝部61の幅広空間部611の側壁との間の隙間を小さくすることができて、第二側板5Aの横ずれを抑制することができる。
【0160】
また、実施形態1及び2のパレット容器1,1Aは、上記の第一又は第二の構成に加えて、下記の第三の構成を備える。
【0161】
すなわち、実施形態1及び2のパレット容器1,1Aでは、連結部6,6Aは、抜け止め部71を有する。第二側板5,5Aは、第二側板5,5Aが起立姿勢にあるときに、抜け止め部71の下方に位置する突出部56を有する。
【0162】
上記の第三の構成を備えることで、実施形態1及び2のパレット容器1,1Aでは、第二側板5,5Aが起立姿勢にあるときに、底部2上から浮き上がっても、抜け止め部71に突出部56が当たることで、第二側板5,5Aの上方への移動を止めることができる。これにより、実施形態1及び2のパレット容器1,1Aでは、第一側板4及び第二側板5,5Aが底部2上に起立した組み立て状態で搬送する際に、第二側板5,5Aが浮き上がったとしても、第二側板5,5Aの第二軸部50,50Aが、底部2に設けた連結部6,6Aから外れることを抑制することができる。
【0163】
以上、実施形態について説明したが、パレット容器は前記した実施形態に限定されず、適宜の設計変更を行うことや、公知の技術を組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0164】
1,1A パレット容器
2 底部
20 フォーク差込み部
3 側板
4 第一側板
40 第一軸部
5,5A 第二側板
50,50A 第二軸部
6,6A 連結部
60 第一溝部
61,61A 第二溝部
611 幅広空間部
612 幅狭空間部
62 上部開口
63 側部開口
56 突出部
71 抜け止め部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14