(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】自動車電装用モータのブラシ
(51)【国際特許分類】
H02K 13/00 20060101AFI20240131BHJP
H01R 39/20 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
H02K13/00 P
H01R39/20
(21)【出願番号】P 2019557167
(86)(22)【出願日】2018-11-20
(86)【国際出願番号】 JP2018042803
(87)【国際公開番号】W WO2019107218
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-05-22
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】P 2017231447
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】393010787
【氏名又は名称】トライス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】川俣 賢治
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】窪田 治彦
【審判官】西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-347006(JP,A)
【文献】国際公開第2017/007014(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K13/00
H01R39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンと、
金属と、ビッカース硬度が10GPa以上14GPa以下の削摩材とをブラシ本体中に含有し、
前記削摩材は粒子状のZrO2であり、ブラシ本体はZrO2を0.3wt%以上1.0wt%以下の濃度で含有し、
かつ最大フェレー径を
ZrO2粒子の粒径とした際の、
ZrO2粒子の平均粒径が
5μm以上20μm以下であり、
さらにカーボンと金属の重量比が85:15以下40:60以上である、自動車電装用モータのブラシ。
【請求項2】
カーボンと金属の重量比が85:15以下60:40以上であることを特徴とする、請求項1の自動車電装用モータのブラシ。
【請求項3】
自動車電装用モータが、自動車の内装用モータあるいは自動車のエンジンルームの車室側に配置されるワイパ用モータであることを特徴とする、
請求項1または2の自動車電装用モータのブラシ。
【請求項4】
自動車電装用モータが
自動車の内装用モータであり、かつ自動車の内装用モータがパワーウィンドウ用モータ、パワーシート用モータ、あるいはブロアモータであることを特徴とする、
請求項3の自動車電装用モータのブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車電装用モータのブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
モータのブラシには、コンミュテータとの接触で生じる酸化被膜を除去するため、SiO2あるいはAl2O3等の削摩材粒子が添加されている。しかしながら、酸化被膜を除去するために削摩材をブラシに含有させると、モータからブラシの摺動音が発生する場合がある。特に、自動車電装用モータのブラシでは、モータから乗員までの距離が小さくかつ車室内で摺動音が反響するので、モータからの摺動音が乗員に不快感を感じさせる。また一般にブラシ温度が高いほど、ブラシの摺動音が大きくなる。
【0003】
関連する先行技術を示す。特許文献1(JP6106667B)は洗濯機のモータ、あるいは電動工具のモータのブラシに関して、石油系溶剤と油脂とから成る懸濁液をブラシに含浸させることを開示している。特許文献1によると、モータの作動時に油脂はブラシとコンミュテータとの摺動面に移行し、潤滑剤として作用することにより、摺動音を低減させる。
【0004】
特許文献2(JP2003-347006A)は、モータの金属黒鉛質ブラシに、削摩材としてAl2O3を含有させることを開示している。モータの種類の記載は無く、またブラシの摺動音に関する記載もない。しかしながら特許文献2は、アルミナの他に、削摩材としてシリカ、酸化鉄、酸化チタン、ジルコニア、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化タングステン、コークス、メソフェーズカーボンが好ましいことを記載している。ただしアルミナ以外の削摩材についての具体的なデータは記載されていない。特許文献3(JP2000-197315A)はブラシに削摩材として、SiC,SiO2,またはAl2O3を添加することを開示している。ブラシの用途は電気掃除機、電動工具等の電気機械のモータである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】JP6106667B
【文献】JP2003-347006A
【文献】JP2000-197315A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の課題は、自動車電装用モータのブラシでの、ブラシの摺動音を小さくすることにある。
【0008】
この発明の自動車電装用モータのブラシは、カーボンと、ビッカース硬度が10GPa以上14GPa以下の削摩材とをブラシ本体中に含有する。なおブラシ本体はコンミュテータと摺動する部材であり、ブラシからリード線等を除いた部分である。
【0009】
発明者は、削摩材の硬度と摺動音とが関係することを見出した。即ち、削摩材の硬度をビッカース硬度で10GPa以上14GPa以下にすると、ブラシの摺動音が小さくなった(表3)。ビッカース硬度で10GPa以上14GPa以下の削摩材には、例えばAlN(ビッカース硬度10.4Gpa)、3Al2O3・2SiO2(ムライト:ビッカース硬度10.8Gpa)、ZrO2(ビッカース硬度12.5Gpa)、Si3N4(ビッカース硬度14.0Gpa)がある。この発明では、ブラシの摺動音を小さくすることにより、自動車の車室の静音性を向上させることができる。
【0010】
好ましくは、ブラシ本体は削摩材を0.1wt%以上2.0wt%以下の濃度で含有し、より好ましくは0.3wt%以上1.0wt%以下の濃度で含有する。表4に示すように、削摩材濃度を0.1wt%以上とすることにより、摺動音をより小さくできる。そして削摩材濃度を2.0wt%以下とすることにより、ブラシの摩耗量を小さくできる。摺動音は削摩材濃度が0.5wt%程度で特に小さくなるので、削摩材濃度を0.3wt%以上1.0wt%以下とすることがより好ましい。
【0011】
また好ましくは、ブラシ本体が金属を含有し、かつカーボンと金属の重量比が90:10以下40:60以上で、より好ましくは85:15以下60:40以上とする。なお金属は例えば銅、黄銅等の銅合金、銀、錫等とする。カーボンと金属の重量比を90:10以下、特に85:15以下とすることにより、ブラシの摩耗量を小さくできる。またカーボンと金属の重量比を40:60以上とすることによりブラシの摺動音を小さくでき、カーボンと金属の重量比を60:40以上とすることにより、ブラシの摺動音をさらに小さくできる(表5参照)。
【0012】
特に好ましくは、削摩材はZrO2である。表3に示すように、ZrO2を用いるとブラシの摺動音をもっとも小さくでき、かつ摩耗量も許容範囲内にある。
【0013】
好ましくは、JIS Z8827-1:208 で規定される最大フェレー径をZrO2粒子の粒径とした際の、ZrO2の平均粒径を30μm以下とし、より好ましくは5μm以上20μm以下とする。表6に示すように、ZrO2の平均粒径が30μmを越えるとブラシの摩耗量が増加する。また平均粒径を5μm以上20μm以下とすると、ブラシの摺動音も摩耗量も小さくできる。なお粒径として最大フェレー径(ZrO2粒子を2本の平行線で挟んだときの平行線の間隔の最大値)を用いるのは、削摩材としての作用が、削摩材粒子の長径を表す最大フェレー径に依存すると考えられるためである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施例のブラシでの削摩材の粒径測定法を示す写真
【
図3】ブラシとの摺動後のコンミュテータの真円度を示すグラフで、(A)は実施例1のブラシとの摺動後の真円度を、(B)は比較例1のブラシとの摺動後の真円度を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に基づいて定められ、かつ実施例に当業者に公知の事項を加えて変形できる。
【実施例】
【0016】
平均粒径が50μmの鱗片状天然黒鉛、ZrO2(ビッカース硬度12.3Gpa)等の削摩材、固体潤滑剤のMoS2(平均粒径2.5μm、ブラシ中の含有量0.5wt%)、及びフェノール樹脂レジンバインダー(カーボン換算でブラシ中の含有量5wt%)をミキサーで均一に混練し、32メッシュの篩いを通るように粉砕し、樹脂処理済み黒鉛粉体とした。得られた樹脂処理済み黒鉛粉体に平均粒径30μmの電解銅粉を加え、V型混合機で均一になるまで混合することにより、ブラシ本体の材料とした。得られたブラシ本体の材料を0.20MPaの圧力で成型し、所定雰囲気中で焼成し、リード線付きの自動車電装用モータのブラシとした。焼成により、フェノール樹脂レジンバインダーはカーボンに転化した。ZrO2の平均粒径及び含有量を変化させると共に、ZrO2以外の実施例として、3Al2O3・2SiO2(ムライト:ビッカース硬度10.8Gpa),あるいはSi3N4(窒化珪素:ビッカース硬度14.0Gpa)を用いたブラシを作成した。また比較例として、SiC(ビッカース硬度23.0Gpa),Al2O3(ビッカース硬度15.2Gpa),あるいはSiO2(ビッカース硬度9.0Gpa)を用いたブラシを作成した。ブラシの組成及び製造条件は、削摩材の種類と粒径及び含有量が異なる他は、共通である。
【0017】
金属粉として、電解銅粉の代わりにアトマイズド銅粉、銀粉、黄銅粉等の銅合金粉、錫粉、あるいはこれらの混合物等を用いても良く、金属粉の種類及び平均粒径は任意である。黒鉛の種類及び平均粒径は任意、バインダーの種類及び含有量は任意で、フェノール樹脂の代わりにPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等を用いても良い。なお黒鉛とバインダー由来のカーボンの合計含有量をカーボン含有量として示す。またMoS2の代わりにWS2等の他の固体潤滑剤を用いても良く、固体潤滑剤の有無、含有量、種類、及び平均粒径は任意である。さらにブラシは、カーボン、金属、削摩材、固体潤滑剤以外の成分を含んでいても良い。削摩材以外の成分の平均粒径は、レーザ光散乱法により測定した粉体の時点での値である。
【0018】
削摩材の平均粒径は、ブラシを切断し、樹脂中に包埋し、樹脂表面を研磨して測定する。測定では、SEM(走査型電子顕微鏡、例えば日立ハイテクノロジーズ製のS-300N)により表面を観察し、削摩材粒子をSEMに取り付けたEDX(エネルギー分散型X線分析装置、例えば堀場製作所製のEMAX ENERGY EX-250)により観察し、削摩材の粒子を確認する。そしてSEM画像から、削摩材粒子を2本の平行線で挟んだときの平行線の間隔の最大値(最大フェレー径)を求め、この値を粒径とする。100個の削摩材粒子の最大フェレー径を測定し、その算術平均を削摩材の平均粒径とする。なお最大フェレー径は、前記の通りJIS Z8827-1:2008に規定されている。
【0019】
図1に、最適実施例(実施例1)のブラシを用い、ZrO2の平均粒径を測定した際の、2箇所のSEM画像とEDX画像とを示す。最大フェレー径を用いるのは、ブラシ中での平均粒径を測定するためには、レーザー光散乱法等は不適だからである。また削摩材粒子のサイズを考える上では、最大フェレー径の他に最小フェレー径等も問題になる。しかし削摩材としての作用は、最小フェレー径等よりも、最大フェレー径で定まる。即ち削摩材粒子に長径と短径とがある場合、削摩作用は短径よりも長径に依存しやすい。このため、最大フェレー径を削摩材粒子の粒径とした。なお
図1の右上での最大フェレー径は8.35μmと8.38μm、右下での最大フェレー径は8.84μm,6.24μm,9.10μmである。
【0020】
図2は自動車電装用モータのブラシ2を示し、ブラシ本体4にリード線8が取り付けられ、摺動面6でモータのコンミュテータ10に接触する。ブラシ2は、2層ブラシ、3層ブラシ等の多層ブラシでも良く、その場合、少なくともいずれかの層が、好ましくは各層がこの発明に含まれていればよい。
【0021】
実施例及び比較例のブラシを、以下のようにして評価した。先ずブラシの抵抗率を測定した。次いでブラシを自動車電装用モータに組み込み、200時間動作させた。その後、モータを静音室内で動作させ、騒音計によりモータからの騒音を測定した。さらにモータからブラシとコンミュテータを取り出し、ブラシの摩耗量を測定すると共に、コンミュテータ外周の真円度を測定した。200時間の動作での周囲温度、気流の程度、モータの動作電圧等の条件は各ブラシに対し共通で、騒音計による測定条件も各ブラシに対し共通である。結果を表1,表2に示し、黒鉛とバインダー由来のカーボンの合計量をカーボンとして示し、MoS2の含有量は0.5wt%で一定である。
【0022】
【0023】
【0024】
削摩材のビッカース硬度と騒音レベル(モータからのブラシの摺動音)との関係を表1,表2から抽出し、表3に示す。また以下で、ビッカース硬度の単位はGPaである。表3から明らかなように、騒音レベルは削摩材のビッカース硬度と関係し、ビッカース硬度が10以上14以下で騒音レベルが小さくなった。そしてビッカース硬度が12.5のZrO2で最良の結果が得られた。なおAlN(窒化アルミニウム:ビッカース硬度10.4Gpa)での騒音レベルと摩耗量は、3Al2O3・2SiO2(ムライト:ビッカース硬度10.8Gpa)に類似であった。
【0025】
表3
削摩材のビッカース硬度と、騒音レベル及びブラシの摩耗量
比較例2 SiO2 硬度8.7 65dB 0.8mm
実施例6 3Al2O3・2SiO2 硬度10.8 56dB 0.85mm
実施例1 ZrO2 硬度12.5 50dB 0.8mm
実施例9 Si3N4 硬度14.0 58dB 0.85mm
比較例3 Al2O3 硬度15.2 66dB 0.92mm
比較例1 SiC 硬度23.0 70dB 0.95mm
【0026】
削摩材(ZrO2)の含有量と平均粒径、騒音レベル及び摩耗量の関係を表1,表2から抽出し、表4に示す。なお表4では平均粒径が類似の試料を抽出した。ZrO2を削摩材とすると、その含有量によらず、比較例1~3(ビッカース硬度が10未満又は14超)よりも、騒音レベルは低くなった。そしてZrO2含有量が0.2wt%、0.5wt%、1.8wt%のいずれでも充分な静音性が得られかつ摩耗量も小さく、ZrO2含有量が0.5wt%で最高の性能が得られた。これらのことから、削摩材の含有量は0.1wt%以上2.0wt%以下が好ましく、より好ましくは0.2wt%以上1.8wt%以下とし、もっとも好ましくは0.3wt%以上1.0wt%以下とする。
【0027】
表4
削摩材(ZrO2)の含有量と平均粒径、騒音レベル及び摩耗量
実施例3 ZrO2 0.2wt% 9.2μm 58dB 0.78mm
実施例1 ZrO2 0.5wt% 9.3μm 50dB 0.8mm
実施例2 ZrO2 1.8wt% 8.5μm 53dB 0.85mm
【0028】
ZrO2の含有量を0.5wt%に固定し、金属と黒鉛との重量比を変化させたブラシを表1,表2から抽出した。金属と黒鉛との重量比の騒音レベルと摩耗量、及び抵抗率への影響を表5に示す。表5から明らかなように、騒音レベルと摩耗量を最適化するためには、カーボン:金属の重量比が90:10以下で40:60以上であることが好ましく、特に85:15以下で40:60以上であることが好ましい。
【0029】
表5
カーボン/金属の重量比とZrO2の平均粒径,騒音レベル,摩耗量及び抵抗率
実施例8 84:15 15.2μm 52dB 0.8mm 1500μΩ・cm
実施例1 76:23 9.3μm 50dB 0.8mm 630μΩ・cm
実施例7 51:48 7.8μm 58dB 0.7mm 100μΩ・cm
【0030】
ZrO2の平均粒径と騒音レベル及びブラシの摩耗量の関係を表1,表2から抽出し、表6に示す。なおZrO2含有量はいずれも0.5wt%である。平均粒径が9.3μm(実施例1)で騒音レベルは最も小さく、平均粒径が22μm(実施例4)では騒音レベルとブラシ摩耗量が増す。また4.5μm(実施例5)では、摩耗量が小さいが、騒音レベルが大きくなる。そこで特に限定するものではないが、ZrO2の平均粒径は30μm以下が好ましく、特に5μm以上20μm以下が好ましい。なおビッカース硬度を10以上14以下の範囲に制限すると、3Al2O3・2SiO2(実施例6 ビッカース硬度10.8)、Si3N4(実施例9 ビッカース硬度14.0)に対しても、平均粒径が同じであればその挙動も類似するはずである。従って平均粒径は30μm以下が好ましく、特に5μm以上20μm以下が好ましい。
【0031】
表6
ZrO2の平均粒径と騒音レベル及び摩耗量
実施例5 4.5μm 58dB 0.6mm
実施例1 9.3μm 50dB 0.8mm
実施例4 22μm 55dB 0.88mm
【0032】
ブラシとの摺動によりコンミュテータ表面が偏った摩耗をすると、コンミュテータ表面の真円度が悪化し、ブラシ音が大きくなる。200時間動作後のコンミュテータ表面の真円度を株式会社ミツトヨ製の真円度・円筒形状測定機(Roundtest RA-2000)により測定し、同社の解析ソフトウェア(Roundpak-F2000 Ver.4)により解析した。
図3(A),(B)に真円度を示し、コンミュテータ表面の真円からのずれを展開して示す。(A)は実施例1での結果を、(B)は比較例1での結果を示す。縦軸は真円からのずれを示し、単位はμmである。また下向きのスパイク状のものはコンミュテータのアンダーカット部であって意味はない。実施例では真円(縦軸が0.00)からの偏差が小さく、比較例では偏差が大きい。そしてデータが真円から急激に変化することはコンミュテータ表面に欠けがあることを意味し、この欠けは主として火花放電に対応し、コンミュテータ表面が不均一に摩耗していることを表している。表1,表2に、200時間経過後の真円度を、良好(◎)、やや良好(○)、不良(×)の3段階で示す。
【0033】
自動車電装用モータとしては、パワーウィンドウ用モータ、パワーシート用モータ、ブロアモータ等の自動車の内装用モータ、あるいは自動車のエンジンルームの車室側に配置されるワイパ用モータが、静音性が特に重要なのでこの発明のブラシに適している。これらのモータは、自動車の車室あるいはその周囲に配置されるモータである。これらの中でも自動車の車室内に配置される自動車の内装用モータ、例えば前記のパワーウィンドウ用モータ、パワーシート用モータ、ブロアモータが、この発明のブラシに特に適している。
【0034】
なおブラシは、実施例で示したもの以外の成分を含んでいても良い。
【符号の説明】
【0035】
2 自動車電装用モータのブラシ
4 ブラシ本体
6 摺動面
8 リード線
10 コンミュテータ