IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワイズイン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-開閉装置 図1
  • 特許-開閉装置 図2
  • 特許-開閉装置 図3
  • 特許-開閉装置 図4
  • 特許-開閉装置 図5
  • 特許-開閉装置 図6
  • 特許-開閉装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/14 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
E02D29/14 B
E02D29/14 A
E02D29/14 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020023871
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021127639
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】519324558
【氏名又は名称】ワイズイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】安田 善行
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-030257(JP,U)
【文献】特開2002-266358(JP,A)
【文献】国際公開第2016/199431(WO,A1)
【文献】特開平07-279189(JP,A)
【文献】特開平09-105133(JP,A)
【文献】特開2016-033306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設されるボックス部の天井面から点検口が上方に延びる地中埋設ボックスに設置される開閉装置であって、
前記ボックス部の内部に設けられ、閉状態で前記点検口を塞ぐ中蓋と、
前記中蓋が前記天井面に沿ってスライド可能に、前記中蓋を支持する中蓋支持部とを備え
前記中蓋は、第1スライド扉及び第2スライド扉を有し、前記第1スライド扉及び前記第2スライド扉により前記点検口を塞ぐ閉状態から、前記第1スライド扉及び前記第2スライド扉を外側にスライドさせることで開状態となり、
前記第1スライド扉及び前記第2スライド扉の各々では、その内側端部の上面から取っ手が上方に突出している、開閉装置。
【請求項2】
前記閉状態の前記中蓋を開けることができないように施錠装置が取り付けられる施錠取付部をさらに備えている、請求項に記載に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記施錠取付部は、前記第1スライド扉の取っ手及び前記第2スライド扉の取っ手に形成され、前記施錠装置により前記第1スライド扉の取っ手及び前記第2スライド扉の取っ手を互いに連結可能に構成されている、請求項に記載の開閉装置。
【請求項4】
地中に埋設されるボックス部の天井面から点検口が上方に延びる地中埋設ボックスに設置される開閉装置であって、
前記ボックス部の内部に設けられ、閉状態で前記点検口を塞ぐ中蓋と、
前記中蓋が前記天井面に沿ってスライド可能に、前記中蓋を支持する中蓋支持部とを備え、
前記中蓋は、複数のスライド扉を有し、前記複数のスライド扉が一方向に並ぶことにより前記点検口を塞ぐ閉状態から、前記複数のスライド扉のうち最も端に位置するスライド扉をスライドさせることで他のスライド扉も一緒にスライドして開状態となり、
前記最も端に位置するスライド扉では、前記閉状態に戻す際にスライドさせる側の端部の上面から取っ手が上方に突出している、開閉装置。
【請求項5】
前記閉状態の前記中蓋を開けることができないように施錠を行う施錠装置をさらに備えている、請求項1又は4に記載に記載の開閉装置。
【請求項6】
前記中蓋支持部は、前記ボックス部の天井面又は内壁面の上部に固定される、請求項1乃至の何れか1つに記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドホールなどの地中埋設ボックスの上蓋の下方に設置される開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハンドホールなどの地中埋設ボックスでは、点検口からボックス部の内部への不正アクセルを防ぐ目的で、施錠機能付きの開閉装置を設けることが考えられている。この種の開閉装置が、特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、地下埋設ボックスの蓋装置が記載されている。この地下埋設ボックスの蓋装置は、断熱性素材により形成した中蓋と、中蓋を閉じ状態に地下埋設ボックスにロックするロック装置とを有する。また、特許文献2には、ロック部材を備えたマンホール用中蓋が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-346512号公報
【文献】特開2007-277857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の開閉装置は、地中埋設ボックスの管理者が、地中埋設ボックス内部の点検を行う際に、開閉装置の中蓋を持ち上げて点検口の外側に移動させることで、中蓋を開けることができる。そして、点検の終了後、管理者は、点検口の外側の中蓋を持ち上げて、点検口内に設置することで、中蓋を閉めることができる。従来は、地中埋設ボックス内部の点検を行う際に、中蓋の開閉に労力を要する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、地中埋設ボックス内部の点検を行う際に中蓋を容易に開閉できる開閉装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、地中に埋設されるボックス部の天井面から点検口が上方に延びる地中埋設ボックスに設置される開閉装置であって、記ボックス部の内部に設けられ、閉状態で点検口を塞ぐ中蓋と、記中蓋が天井面に沿ってスライド可能に、中蓋を支持する中蓋支持部とを備えている、開閉装置である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、中蓋は、第1スライド扉及び第2スライド扉を有し、第1スライド扉及び第2スライド扉により点検口を塞ぐ閉状態から、第1スライド扉及び第2スライド扉を外側にスライドさせることで開状態となり、第1スライド扉及び第2スライド扉の各々では、その内側端部の上面から取っ手が上方に突出している。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、閉状態の中蓋を開けることができないように施錠装置が取り付けられる施錠取付部をさらに備えている。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において、施錠取付部は、第1スライド扉の取っ手及び第2スライド扉の取っ手に形成され、施錠装置により第1スライド扉の取っ手及び第2スライド扉の取っ手を互いに連結可能に構成されている。
【0011】
第5の発明は、第1の発明において、中蓋は、複数のスライド扉を有し、複数のスライド扉が一方向に並ぶことにより点検口を塞ぐ閉状態から、複数のスライド扉のうち最も端に位置するスライド扉をスライドさせることで他のスライド扉も一緒にスライドして開状態となり、最も端に位置するスライド扉では、閉状態に戻す際にスライドさせる側の端部の上面から取っ手が上方に突出している。
【0012】
第6の発明は、第1、第2又は第5の発明において、閉状態の中蓋を開けることができないように施錠を行う施錠装置をさらに備えている。
【0013】
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、中蓋支持部は、ボックス部の天井面又は内壁面の上部に固定される。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、中蓋をスライドさせることで、中蓋を開閉することができる。そのため、地中埋設ボックスの管理者が、地中埋設ボックス内部の点検を行う際に、中蓋を持ち上げて移動させる必要がない。本発明によれば、地中埋設ボックス内部の点検を行う際に中蓋を容易に開閉できる開閉装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係るハンドホールに斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るハンドホールの上部の拡大断面図(図1のA-A断面図)である。
図3図3は、実施形態に係る開閉装置の中蓋の斜視図である。
図4図4は、中蓋が閉状態の時の平面図である。
図5図5は、中蓋が開状態の時である。
図6図6は、実施形態の変形例に係る開閉装置において、中蓋が閉状態の時の中蓋の斜視図である。
図7図7は、実施形態の変形例に係る開閉装置において、中蓋が開状態の時の中蓋の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0017】
本実施形態は、ハンドホール10内部に設置される開閉装置30である。以下では、まずハンドホール10について説明を行う。なお、図1は、上蓋13を外した状態を表す。図1では、見えない部分を点線で表しつつ、後述する中蓋31については見えない部分も含めてハッチングをしている。図2は、ハンドホール10が地中に埋設された状態の図である。また、図4及び図5では、点線で囲んだ領域の拡大図を上側に記載している。
【0018】
[1.ハンドホールの構成]
ハンドホール10は、図1及び図2に示すように、地中に埋設されて地中配線(通信線、電線など)のターミナルボックス等の役目を果たす構造物である。ハンドホール10は、内部に配線等が設けられるボックス部11と、ボックス部11の天井面11aから上方に延びる点検口12と、点検口12を塞ぐ上蓋13とを備えている。なお、ハンドホール10では、上蓋13に対し施錠を行うことが可能である。また、ボックス部11の側壁には、配線用パイプを接続するための貫通孔(図示省略)が形成されている。
【0019】
ボックス部11は、略直方体(又は略立方体)に形成されている。ボックス部11は、上側が開放された箱状の本体部21と、本体部21の上側開口を塞ぐ天板22とを備えている。天板22には、点検口12の下側部分となる円形の貫通孔12aが形成されている。以下では、平面視におけるボックス部11の長手方向を「第1方向」、長手方向に直交する短手方向を「第2方向」と言う。
【0020】
ボックス部11の天板22の上側には、平板状の高さ調整ブロック23が設けられている。高さ調整ブロック23には、点検口12の上側部分となる円形の貫通孔12bが形成されている。平面視において天板22の貫通孔12aの位置と高さ調整ブロック23の貫通孔12bの位置とを互いに一致させることで、円形の点検口12が形成されている。
【0021】
[2.開閉装置の構成]
開閉装置30は、ハンドホール10のセキュリティー強化を目的に設置される装置である。開閉装置30は、据え付け前のハンドホール10に予め設置してもよいし、据え付け後のハンドホール10に後付けしてもよい。
【0022】
開閉装置30は、図2及び図3に示すように、ボックス部11の内部に設けられて閉状態で点検口12を塞ぐ中蓋31と、中蓋31が天井面11aに沿ってスライド可能に中蓋31を支持する中蓋支持部32と、閉状態の中蓋31を開けることができないように第1施錠装置61が取り付けられる第1施錠取付部34とを備えている。また、開閉装置30は、第2施錠取付部35と、第2施錠取付部35に取り付けられた第2施錠装置62をさらに備えている。
【0023】
中蓋31は、金属製の蓋であり、ボックス部11内部において天井面11aの直ぐ下(点検口12の内側開口の直ぐ下)の高さに配置されている。中蓋31の平面形状は、略正方形である。中蓋31の一辺の長さは、点検口12の内側開口の直径に略等しい。なお、中蓋31の一辺の長さは、点検口12の内側開口の直径より大きくしてもよい。また、中蓋31の平面形状は、略長方形でもよく、この場合は短辺の長さを点検口12の内側開口の直径に略等しくする、又は直径よりも大きくする。
【0024】
中蓋31は、図3に示すように、それぞれ板状に形成された第1スライド扉41及び第2スライド扉42を有する。第1スライド扉41及び第2スライド扉42は、天井面11aに近接しており、互いに同じ高さに設置されている。中蓋31は、第1スライド扉41及び第2スライド扉42により点検口12を塞ぐ閉状態(図4の状態)では、第1スライド扉41及び第2スライド扉42が、互いに隣り合って当接している。この閉状態から、第1スライド扉41及び第2スライド扉42をそれぞれ外側にスライドさせることで、点検口12が開状態(図5の状態)になる。
【0025】
閉状態の中蓋31では、第1スライド扉41と第2スライド扉42が、第2施錠取付部35及び第2施錠装置62を除き、左右対称に形成されている。各スライド扉41,42の平面形状は、略長方形である。各スライド扉41,42は、長手方向の長さが中蓋31の一辺に等しく、短手方向の長さが中蓋31の一辺の半分に等しい。各スライド扉41,42の長手方向の両端部には、それぞれ車輪45が取り付けられている。本実施形態では、各スライド扉41,42における長手方向の各端部に、車輪45が2つずつ取り付けられている。
【0026】
中蓋31の上面には、図3に示すように、第1取っ手51及び第2取っ手52が設けられている。各取っ手51,52は、真っすぐな棒状に形成され、中蓋31の上面から上方に突出している。各取っ手51,52は、中蓋31の上面に略垂直に設けられている。なお、各取っ手51,52の形状は、棒状以外の他の形状であってもよい。
【0027】
第1取っ手51及び第2取っ手52は、閉状態の中蓋31の中心部に位置して互いに隣り合う。第1取っ手51は第1スライド扉41の上面に固定され、第2取っ手52は第2スライド扉42の上面に固定されている。第1スライド扉41の上面では、その内側端部(第2スライド扉42側の端部)に第1取っ手51が配置されている。第2スライド扉42の上面では、その内側端部(第1スライド扉41側の端部)に第2取っ手52が配置されている。また、各取っ手51,52は、第2方向で見た場合、各スライド扉41,42の中央部に位置している。本実施形態では、各取っ手51,52をこのように配置することで、図5に示すように、各スライド扉41,42の内端が点検口12外周近くに達するまで、各スライド扉41,42をスライドさせることができる。但し、各取っ手51,52の配置は、閉状態の中蓋31の中心部以外であってもよい。
【0028】
また、第1取っ手51及び第2取っ手52の各々の先端部には、第1施錠取付部34を構成する貫通孔51a,52aが形成されている。第1施錠取付部34についての詳細は後述する。
【0029】
中蓋支持部32は、図1及び図2に示すように、一対のレール36,37と、一対のレール36,37をボックス部11の内面に固定する複数の取付金具38とを備えている。本実施形態では、一対のレール36,37が、複数の取付金具38によりボックス部11の天井面11aに固定されている。なお、一対のレール36,37は、ボックス部11において第2方向に互いに対向する内壁面11b,11cなど他の箇所に固定されていてもよい。
【0030】
複数の取付金具38の各々は、真っすぐな長板状に形成され、アンカーボルト(図示省略)によりボックス部11の天井面11a(天板22の下面)に固定されている。複数の取付金具38は、点検口12を横断する位置を避けつつ、第1方向に間隔を空けて配置されている。各取付金具38は、第2方向に延びている。各取付金具38の長さは、ボックス部11の天井面11aの幅(第2方向の長さ)に略等しい。
【0031】
各レール36,37は、略C字状断面の棒材である。各レール36,37は、L字状断面の金具を介して、各取付金具38の各端部の下側に固定されている。一対のレール36,37は、同じ高さに配置され、第2方向に間隔を空けて対向している。各レール36,37は、ボックス部11の内壁面11b,11cの上端部に沿って設けられている。また、各レール36,37は、取付金具38に対し垂直に固定されている。各レール36,37は、第1方向に延びている。
【0032】
一対のレール36,37では、一方のレール36に各スライド扉41,42の一端側の車輪45が載せられ、他方のレール37に各スライド扉41,42の他端側の車輪45が載せられている。一対のレール36,37は、各スライド扉41,42をスライド自在に支持している。
【0033】
第1施錠取付部34は、第1施錠装置61の取付箇所であり、第1取っ手51及び第2取っ手52に形成されている。第1施錠取付部34は、シリンダー錠タイプの施錠装置(シリンダー南京錠など)である第1施錠装置61により、第1取っ手51及び第2取っ手52を互いに連結可能に構成されている。
【0034】
具体的に、第1施錠取付部34は、各取っ手51,52の先端側に形成された貫通孔51a,51bにより構成されている。中蓋31の閉状態では、第1取っ手51及び第2取っ手52が互いに当接(又は近接)する。この状態で、これらの貫通孔51a,51bに対し、第1施錠装置61のU字型のかんぬきを挿通させて、かんぬきを第1施錠装置61の受け穴へ押し込み、第1施錠装置61をロック状態にする。これにより、第1取っ手51及び第2取っ手52が互いに連結され、中蓋31を開くことができなくなる。また、この状態から、鍵により第1施錠装置61をアンロック状態にして、かんぬきを貫通孔51a,51bから抜くことで、第1取っ手51及び第2取っ手52の連結が解除される。なお、図3では、破線により囲まれた部分の拡大図だけに第1施錠装置61を記載している。
【0035】
第2施錠取付部35は、第2施錠装置62の取付箇所である。第2施錠取付部35は、第1スライド扉41に固定された第1固定板46と、第2スライド扉42に固定された第2固定板47とを備えている(図5参照)。
【0036】
第2施錠装置62は、シリンダー錠を利用した施錠装置である。第2施錠装置62は、第2固定板47に回転自在に取り付けられてシリンダー錠と共に回転するロック板63と、ロック板63を挿通させる貫通孔64aが形成されて第1固定板46にヒンジを介して回転自在に取り付けられた被ロック板64とを備えている。第2施錠装置62は、被ロック板64を畳んだ状態(図4の状態)で、貫通孔64aにロック板63を通して、鍵でシリンダー錠及びロック板63を90度回転させることで、ロック状態になる。また、第2施錠装置62は、ロック状態から鍵でシリンダー錠及びロック板63を90度回転させた後に、貫通孔64aにロック板63を通しながら被ロック板64を開くことで、アンロック状態となる。
【0037】
第1施錠装置61が取り外されて第1取っ手51及び第2取っ手52の連結が解除され、且つ、第2施錠装置62がアンロック状態の時に、中蓋31は、第1スライド扉41及び第2スライド扉42を互いに逆方向にスライドさせて開けることができる。
【0038】
[3.実施形態の効果]
本実施形態では、中蓋31をスライドさせることで、中蓋31を開閉することができる。そのため、ハンドホール10の管理者が、ハンドホール10内部の点検を行う際に、中蓋31を持ち上げて移動させる必要がない。本実施形態によれば、ハンドホール10内部の点検を行う際に中蓋31を容易に開閉できる開閉装置30を実現することができる。また、開閉装置30は、中蓋31の開閉は容易であるものの、2つの施錠装置61,62によりセキュリティー性を確保することができる。
【0039】
また、本実施形態では、中蓋支持部32及び中蓋31の取付箇所がボックス部11の内部である。そのため、開閉装置30を設置する際、作業員はボックス部11に入って作業を行うことができる。従って、ハンドホール10が設置された道路において、点検口12の外側からの作業が少なく、道路の通行規制を行う時間が短縮することができる。
【0040】
[4.実施形態の変形例]
本変形例の開閉装置30では、図6に示すように、中蓋31が、多段スライド式の扉により構成されている。中蓋31は、互いに異なる高さに設置された複数(本変形例では4枚)のスライド扉41,42,43,44により構成されている。なお、図6及び図7では、上蓋13、天板22、及び高さ調整ブロック23の記載を省略している。
【0041】
中蓋支持部32は、一対のスライドレール(多段スライドレール)36,37により構成されている。各スライドレール36,37には、上下に並ぶ複数の溝が、スライド扉41,42,43,44の枚数と同数だけ形成されている。各スライドレール36,37では、各溝に対し各スライド扉41,42,43,44の端部が嵌め込まれている。各スライドレール36,37は、ボックス部11において対向する内壁面の上部に固定されている。
【0042】
中蓋31の閉状態(図6の状態)では、複数のスライド扉41,42,43,44が一方向に並ぶ。この閉状態では、最も上側に位置する第1スライド扉41が、最も端に位置する。そして、図6における太線の矢印の方向に第1スライド扉41をスライドさせることで、他のスライド扉42,43,44も一緒にスライドして、中蓋31は閉状態から開状態(図7の状態)に切り替わる。開状態では、点検口12の外側で、複数のスライド扉41,42,43,44が互いに重なる。
【0043】
第1スライド扉41には、真っすぐな棒状の取っ手51が設けられている。第1スライド扉41では、閉状態に戻す際にスライドさせる側の端部の上面から、取っ手51が上方に突出している。そのため、点検口12に対し中蓋31を最大限開くことができる。
【0044】
また、第1スライド扉41には、施錠装置62が設けられている。施錠装置62は、上述の実施形態と同じ構成である。具体的に、ロック板63は、第1スライド扉41に回転自在に取り付けられている。被ロック板64は、点検口12の壁面に固定された第1固定板46にヒンジを介して回転自在に取り付けられている。被ロック板64は、中蓋31の閉状態において、ロック板63に対応する位置に配置されている。
【0045】
[5.その他の実施形態]
上述の実施形態では、中蓋31が2枚のスライド扉41,42を備えていたが、スライド扉の枚数は1枚でもよいし、3枚以上でもよい。
【0046】
上述の実施形態において、第1施錠取付部34及び第1施錠装置61の組合せと、第2施錠取付部35及び第2施錠装置62の組合せのうち、何れか一方を省略してもよい。また、各施錠装置61,62に、別タイプの施錠装置を用いてもよい。
【0047】
上述の実施形態において、各スライド扉41,42とハンドホール10の内面(点検口12の内壁面)とにそれぞれ施錠取付部を設け、これらの施錠取付部をシリンダー錠タイプの施錠装置で連結できるようにしてもよい。
【0048】
上述の実施形態において、地中埋設ボックス10がマンホールなど他の箱体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、ハンドホールなどの地中埋設ボックスの上蓋の下方に設置される開閉装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 ハンドホール(地中埋設ボックス)
11 ボックス部
11a 天井面
12 点検口
30 開閉装置
31 中蓋
32 中蓋支持部
34 第1施錠取付部
35 第2施錠取付部
41 第1スライド扉
42 第2スライド扉
51 第1取っ手
52 第2取っ手
61 第1施錠装置
62 第2施錠装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7