(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】ソーラパネルを用いたカーポート
(51)【国際特許分類】
H02S 20/23 20140101AFI20240131BHJP
E04D 13/04 20060101ALI20240131BHJP
E04H 6/02 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
H02S20/23 A
E04D13/04 Z
E04H6/02 A
(21)【出願番号】P 2023202912
(22)【出願日】2023-11-30
【審査請求日】2023-12-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513326761
【氏名又は名称】株式会社 FD
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 政司
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 哲清
(72)【発明者】
【氏名】内木 洋一
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-141971(JP,A)
【文献】特開2005-240300(JP,A)
【文献】実開平04-075023(JP,U)
【文献】特開2001-055782(JP,A)
【文献】特開2003-268942(JP,A)
【文献】特開平09-137567(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104453113(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/23
E04D 13/04
E04H 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースの上方に設置され、各々が縦方向に延在するた複数の縦梁と、
前記複数の縦梁に亘って架設され、各々が横方向に延在する複数の横レールと、
前記複数の横レールによって支持されており、前記駐車スペースを覆うように配列された複数のソーラパネルと、
を備え、
前記横レールには、前記ソーラパネルから流入する雨水を、自己の長手方向に沿って案内する雨水路が設けられており、
前記横方向に隣接する二つのソーラパネルの隙間の下方には、隣接する二以上の横レールの間を前記縦方向に延在する水受け樋が設けられており、
前記水受け樋の一端は、前記横レールの前記雨水路へ通水可能に接続されている、
カーポート。
【請求項2】
前記水受け樋の前記一端は、前記横レールの側壁に固定されており、
前記横レールの前記側壁には、前記水受け樋を前記雨水路へ通水可能に接続する通水孔が設けられている、請求項1に記載のカーポート。
【請求項3】
前記横レールの前記側壁と前記水受け樋の前記一端との間には、シール部材が設けられている、請求項2に記載のカーポート。
【請求項4】
前記水受け樋は、前記縦方向に沿って勾配を有し、
前記水受け樋の前記一端は、水下側の一端である、請求項1から3のいずれか一項に記載のカーポート。
【請求項5】
前記横レールの側壁には、前記側壁から突出する雨水受けが、前記横レールの前記長手方向に沿って延在して設けられている、請求項1に記載のカーポート。
【請求項6】
前記雨水受けは、前記側壁に向かうにつれて下方に傾斜している、請求項5に記載のカーポート。
【請求項7】
前記横レールの前記側壁には、前記雨水受けを前記雨水路へ通水可能に接続する通水孔が設けられている、請求項5又は6に記載のカーポート。
【請求項8】
前記ソーラパネルは、長辺と短辺を有する長方形状であり、
前記ソーラパネルの前記長辺は、前記横レールに固定されており、
前記ソーラパネルの前記短辺は、前記水受け樋の上方に位置している、請求項1に記載のカーポート。
【請求項9】
前記縦梁を支持する支柱をさらに備え、
前記支柱は、地面に立設された杭材に、機械式継手を介して接続されている。請求項1に記載のカーポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、ソーラパネル(太陽光パネルや太陽電池モジュールとも称される)を用いたカーポートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、カーポートが記載されている。このカーポートでは、その屋根を構成するパネル材として、ソーラパネルが採用されている。ソーラパネルは、縦横へマトリクス状に配列されており、それらのソーラパネルを支持する横レール及び縦レールには、雨水を案内するための通路や溝が形成されている。
【0003】
ここで、本明細書における「縦」及び「横」の表現は、互いに交差する二つの方向を便宜的に示すものであり、特定の方向に限定されない。例えば、縦方向に延びる梁又はレールに勾配が設けられてもよいし、横方向に延びる梁又はレールに勾配が設けられてもよい。あるいは、それらの両者に勾配が設けられてもよいし、それらのいずれにも勾配が設けられなくてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したカーポートでは、複数のソーラパネルが、横方向には隙間なく配列される一方で、縦方向には隙間を空けて配列されている。このような構成によると、ソーラパネル上に落下した雨水が、雨漏れすることなく縦方向へ流れた後に、横方向に延びる隙間から横レールへ回収されることが説明されている。しかしながら、ソーラパネルの寸法誤差や取付誤差を考慮すると、横方向に隣接する二つのソーラパネルの間から、隙間を完全に排除することは難しい。そのため、ソーラパネル上の雨水が、当該隙間を通じて雨漏れするおそれがある。
【0006】
上記を鑑み、本明細書は、ソーラパネルを用いたカーポートにおいて、雨漏れを防止するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示する技術は、カーポートに具現化される。このカーポートは、駐車スペースの上方に設置され、各々が縦方向に延在する複数の縦梁と、複数の縦梁に亘って架設され、各々が横方向に延在する複数の横レールと、複数の横レールによって支持されており、駐車スペースを覆うように配列された複数のソーラパネルとを備える。横レールには、ソーラパネルから流入する雨水を、自己の長手方向に沿って案内する雨水路が設けられている。横方向に隣接する二つのソーラパネルの隙間の下方には、隣接する二以上の横レールの間を縦方向に延在する水受け樋が設けられている。そして、水受け樋の一端は、横レールの雨水路へ通水可能に接続されている。
【0008】
上記した構成によると、縦方向に隣接する二つのソーラパネルの隙間では、雨水路を有する横レールが存在しており、ソーラパネルから当該隙間に流入する雨水が、横レールの雨水路によって回収される。一方、横方向に隣接する二つのソーラパネルの隙間では、その下方に水受け樋が設けられており、当該隙間から落下する雨水が、水受け樋によって受け止められる。水受け樋に受け止められた雨水は、水受け樋の一端から横レールの雨水路へ回収される。雨水路に回収された雨水は、例えば横レールの両端から駐車スペース外へ排水される。これにより、ソーラパネルのいずれの隙間からも、駐車スペースへ雨漏れすることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】ソーラパネル50の図示を省略したカーポート10の平面図。
【
図6】
図4に示す断面図に、雨水RWの流れを示す矢印を付与した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本技術の一実施形態において、前記した水受け樋の一端は、横レールの側壁に固定されていてもよい。この場合、横レールの側壁には、水受け樋を雨水路へ通水可能に接続する通水孔が設けられていてもよい。
【0011】
本技術の一実施形態において、横レールの側壁と水受け樋の前記一端との間には、その隙間からの漏水を防止するために、シール部材が設けられていてもよい。
【0012】
本技術の一実施形態において、水受け樋は縦方向に沿って勾配を有してもよい。この場合、前記した水受け樋の一端、即ち、横レールの雨水路に接続される一端は、水下側の一端であってもよい。このような構成によると、水受け樋によって受け止められた雨水が、横レールの雨水路へスムーズに案内される。
【0013】
本技術の一実施形態において、横レールの側壁には、側壁から突出する雨水受けが、横レールの長手方向に沿って延在して設けられていてもよい。このような構成によると、縦方向に隣接する二つのソーラパネルの隙間において、ソーラパネルから横レールに流入する雨水が、横レールの側壁を伝って駐車スペースへ雨漏れすることを避けることができる。
【0014】
本技術の一実施形態において、雨水受けは、側壁に向かうにつれて下方に傾斜していてもよい。このような構成によると、雨水受けによって受け止められた雨水が、雨水受けの先端から溢れることを避けることができる。
【0015】
本技術の一実施形態において、横レールの側壁には、雨水受けを雨水路へ通水可能に接続する通水孔が設けらていてもよい。但し、他の実施形態として、雨水受けによって受け止められた雨水は、雨水受けに沿ってそのまま流れて、横レールの両端等から排水されてもよい。あるいは、雨水受けによって形成される流路が、横レールの前述した雨水路であってもよい。
【0016】
本技術の一実施形態において、ソーラパネルは、長辺と短辺を有する長方形状であってもよい。この場合、ソーラパネルの長辺が横レールに固定されており、ソーラパネルの短辺が水受け樋の上方に位置していてもよい。このような構成によると、ソーラパネルの長辺が横レールによって支持されることで、ソーラパネルの撓みや変形が防止されるとともに、積雪等に対する耐荷重性も高めることができる。また、ソーラパネルの長辺と同じ間隔で水受け樋を配置すればよいことから、必要とされる水受け樋の数を低減することもできる。
【0017】
本技術の一実施形態において、カーポートは、縦梁を支持する支柱をさらに備えてもよい。この場合、支柱は、地面に立設された杭材に、機械式継手を介して接続されてもよい。このような構成によると、カーポートを設置する現場における溶接作業を廃止することができ、接手部の品質向上や現場作業の軽減を図ることができる。
【実施例】
【0018】
図面を参照して、実施例のカーポート10について説明する。
図1-
図3に示すように、カーポート10は、複数の支柱12と、複数の縦梁20と、複数の横レール30とを備える。これらの部材12、20、30は、カーポート10の骨格を構成している。特に限定されないが、実施例のカーポート10は左右対称な構造を有している。以下の説明では、左右対称な構造の一方側のみを主に説明し、他方側についての重複する説明は省略する。
【0019】
複数の支柱12は、横方向(Y方向)に沿って配列されている。支柱12は、高さ方向(Z方向)に沿って延びており、支柱12の下端は、地面GLに立設された杭材14に接続されている。支柱12や杭材14を構成する材料や形状については、特に限定されない。支柱12には、各種の形鋼又はその他の建築資材を適宜採用することができる。
【0020】
一例ではあるが、本実施例における支柱12及び杭材14は、それぞれ鋼管で構成されており、それらの間は機械式継手16を用いて接続されている。特に限定されないが、この機械式継手16には、株式会社協伸建材興業が提供する「EasyLock型継手」を採用することができる。なお、機械式継手16による接続箇所の強度が不足する場合は、その周囲を例えばコンクリート等による補強材18で補強してもよい。
【0021】
複数の縦梁20は、駐車スペースPSの上方に設置されており、各々が縦方向(X方向)に延在している。ここで、縦梁20が延在する縦方向には、水平に対して例えば5度といった勾配が設けられている。各々の縦梁20は、支柱12によって支持されている。一例ではあるが、本実施例のカーポート10では、一つの支柱12の上端に、一対の縦梁20が左右対称に設けられている。これにより、一つの支柱12と一対の縦梁20とが、全体としてT字形状又はY字形状を構成している。縦梁20を構成する材料や形状については、特に限定されない。縦梁20には、各種の形鋼又はその他の建築資材を適宜採用することができる。一例ではあるが、本実施例における縦梁20には、H形鋼が採用されている。
【0022】
複数の横レール30は、複数の縦梁20に亘って架設されており、各々が横方向(Y方向)に延在している。横レール30が延在する横方向は、概して水平である。横レール30を構成する材料や形状については、特に限定されない。一例ではあるが、本実施例における横レール30は、アルミニウム合金で構成された押出材であって、その長手方向に沿って略一定の断面形状を有している。なお、ここでいう略一定の断面形状とは、追加工による孔や切欠等の存在は許容され、その位置では断面形状が変化し得ることを意味する。横レール30の詳細については後述する。
【0023】
カーポート10は、複数のソーラパネル50をさらに備える。ソーラパネル50は、太陽光を受けて発電するパネル状の装置である。ソーラパネル50は、主に、複数のソーラセルを有するパネル本体52と、それを支持するフレーム54とを備える(
図6参照)。複数のソーラパネル50は、複数の横レール30によって支持されており、駐車スペースPSを覆うように配列されている。一例ではあるが、本実施例のカーポート10では、複数のソーラパネル50が縦横の二方向へマトリクス状に配列されている。各々のソーラパネル50は、長辺50a及び短辺50bを有する長方形状である。ソーラパネル50の長辺50aは、横レール30に固定されており、縦方向(X方向)に隣接する他のソーラパネル50の長辺50aと対向している。一方、
図2、
図5に示すように、ソーラパネル50の短辺50bは、隣接する二つの横レール30の間を縦方向(X方向)に延びており、横方向(Y方向)に隣接する他のソーラパネル50の短辺50bと対向している。
【0024】
図4を参照して、横レール30の詳細について説明する。横レール30は、内部に空洞31を有する中空構造である。横レール30の上壁32には、ソーラパネル50が固定されており、横レール30の底壁33は、縦梁20上に固定されている。特に限定されないが、横レール30の上壁32には、金具受けが38が設けられており、ソーラパネル50を固定するための金具39が、金具受けが38に締結されている。なお、金具受けが38及び金具39の具体的な構成については特に限定されない。横レール30の一対の側壁34は、上壁32と底壁33との間を延びており、一対の側壁34の間に空洞31が形成されている。横レール30の空洞31は、ソーラパネル50から流入する雨水を、横レール30の長手方向に沿って案内する雨水路として機能する。
【0025】
横レール30の側壁34には、側壁34から突出する雨水受け36と、通水孔35bが設けられている。雨水受け36は、横レール30の長手方向に沿って延在しており、側壁34を伝う雨水を受け止める。通水孔35bは、雨水受け36の直上に位置しており、雨水受け36を横レール30内の雨水路31へ通水可能に接続する。
図6に示すように、ソーラパネル50から横レール30に流入する雨水RWは、雨水受け36によって受け止められ、通水孔35bを通じて横レール30内の雨水路31へ案内される。これにより、ソーラパネル50から流入する雨水RWが、横レール30の側壁34を伝って駐車スペースPSへ雨漏れすることが防止される。
【0026】
一例ではあるが、本実施例における雨水受け36は、側壁34に向かうにつれて下方に傾斜している。これにより、雨水受け36によって受け止められた雨水RWが、雨水路31へスムーズに案内されて、雨水受け36の先端から溢れることを避けることができる。また、雨水受け36の先端には、高さ方向へ延在するリップ37が設けられてもよい。
【0027】
一方、横方向(Y方向)に隣接する二つのソーラパネル50の隙間には、横レール30が存在しない。そこで、
図1-
図5に示すように、本実施例のカーポート10では、複数の水受け樋40がさらに設けられている。水受け樋40は、横方向(Y方向)に隣接する二つのソーラパネル50の隙間の下方において、隣接する二つの横レール30の間を縦方向(X方向)に延在している。水受け樋40は、上方が開放された形状を有し、ソーラパネル50の隙間から落下する雨水RWを受け止める。これにより、横方向に隣接する二つのソーラパネル50の隙間においても、駐車スペースPSへの雨漏れが防止される。
【0028】
水受け樋40の一端42は、横レール30の側壁34に固定されている。そして、横レール30の側壁34には、水受け樋40を雨水路31へ通水可能に接続する通水孔35aが設けられている。これにより、
図6に示すように、水受け樋40の雨水RWは、通水孔35aを通じて横レール30内の雨水路31へ案内される。特に限定されないが、横レール30の側壁34と水受け樋40の一端42との間には、シール部材44が設けられている。シール部材44は、例えばゴム材料といった柔軟な材料で構成されており、横レール30の側壁34と水受け樋40の一端42との間の隙間を閉塞する。
【0029】
特に限定されないが、本実施例における水受け樋40は、縦方向(X方向)に沿って勾配を有している。そして、水受け樋40の前記した一端42、即ち、横レール30の雨水路31に接続された一端42は、水下側の一端となっている。このような構成によると、水受け樋40によって受け止められた雨水RWが、横レール30の雨水路31へスムーズに案内される。なお、水受け樋40の他端(即ち、水上側の一端)については、雨水路31へ通水可能に接続されてもよいし、接続されなくてもよい。
【0030】
以上のように、本実施例のカーポート10によると、縦方向(X方向)に隣接する二つのソーラパネル50の隙間では、雨水路31を有する横レール30が存在しており、ソーラパネル50から当該隙間に流入する雨水RWが、横レール30の雨水路31によって回収される(
図5参照)。一方、横方向(Y方向)に隣接する二つのソーラパネル50の隙間では、その下方に水受け樋40が設けられており、当該隙間から落下する雨水RWが、水受け樋40によって受け止められる(
図6参照)。水受け樋40に受け止められた雨水RWは、水受け樋40の一端42から横レール30の雨水路31へ回収される。雨水路31に回収された雨水RWは、例えば横レール30の両端から駐車スペースPS外へ排水される。これにより、ソーラパネル50のいずれの隙間からも、駐車スペースPSへ雨漏れすることが防止される。
【0031】
横レール30の両端には、雨水路31から排水される雨水を回収するための雨どいが設けられてもよい。加えて、又は代えて、雨水路31から排水するための排水孔が、横レール30の中間位置に形成されてもよい。この場合、その排水孔に合わせて雨どいが設けられるとよく、その雨どいは、縦梁20に沿って架設されてもよいし、縦梁20と一体に構成されてもよい。
【0032】
本実施例のカーポート10では、横レール30の側壁34において、雨水受け36が水受け樋40よりも上方に位置している。しかしながら、他の実施形態では、雨水受け36が水受け樋40よりも下方に位置してもよい。このような構成によると、水受け樋40からこぼれ落ちる雨水や、横レール30と水受け樋40との間の隙間から漏出する雨水を、雨水受け36によって受け止めることができる。
【0033】
上述した実施例では、隣接する二つの横レール30の間に、それぞれ独立した水受け樋40が設けられている。これに対して、一つの水受け樋40が、隣接する三以上の横レール30に亘って延在してもよい。例えば
図7に示す変形例では、最も左側に位置する横レール30から、途中に存在する四つの横レール30を通過して、最も右側に位置する横レール30まで、一つの水受け樋40が連続して延在している。このような構成によると、水受け樋40と横レール30(雨水路31)との接続箇所を削減することができ、雨漏れの抑制に対してその効果を期待することができる。
【0034】
最後に、支柱12に採用された機械式継手16について説明を補足する。機械式継手16は、主に、杭材14の上端に固定された外面継手部品と、支柱12の下端に固定された内面継手部品とで構成される。これらの継手部品は、工場等において支柱12及び杭材14の各端部に予め溶接される。カーポート10を設置する現場では、杭材14の外面継手部品に、支柱12の内面継手部品がはめ込まれ、複数の平行キー及びボルトによって両者が固定される構造となっている。このような構成によると、現場における溶接作業を廃止することができ、接手部の品質向上や現場作業の軽減を図ることができる。
【0035】
以上、本技術の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0036】
10:カーポート、 12:支柱、 14:杭材、 16:機械式継手、 20:縦梁、 30:横レール、 31:空洞(雨水路)、 35a、35b:通水孔、 36:雨水受け、 40:水受け樋、 44:シール部材、 50:ソーラパネル、 50:ソーラパネルの長辺、 50b:ソーラパネルの短辺、 GL:地面、 PS:駐車スペース、 RW:雨水
【要約】
【課題】 ソーラパネルを屋根材とするカーポートにおいて、雨漏れを防止する。
【解決手段】 カーポートは、駐車スペースの上方に設置され、各々が縦方向に延在する複数の縦梁と、複数の縦梁に亘って架設され、各々が横方向に延在する複数の横レールと、複数の横レールによって支持されており、駐車スペースを覆うように配列された複数のソーラパネルとを備える。横レールには、ソーラパネルから流入する雨水を、自己の長手方向に沿って案内する雨水路が設けられている。横方向に隣接する二つのソーラパネルの隙間の下方には、隣接する二以上の横レールの間を縦方向に延在する水受け樋が設けられている。そして、水受け樋の一端は、横レールの雨水路へ通水可能に接続されている。
【選択図】
図6