(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】抵抗性メモリ構造と組み合わされた鉛直輸送フィン電界効果トランジスタ
(51)【国際特許分類】
H10B 63/00 20230101AFI20240131BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240131BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20240131BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240131BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240131BHJP
H10N 70/20 20230101ALI20240131BHJP
H10N 99/00 20230101ALI20240131BHJP
【FI】
H10B63/00
H01L27/088 A
H01L27/088 H
H01L29/78 301M
H01L29/78 301Z
H10N70/20
H10N99/00
(21)【出願番号】P 2021544650
(86)(22)【出願日】2020-01-28
(86)【国際出願番号】 IB2020050652
(87)【国際公開番号】W WO2020161562
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-06-22
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】リー、チョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】安藤 崇志
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジンユン
(72)【発明者】
【氏名】ハシェミ、ポウヤ
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-084640(JP,A)
【文献】特開2013-069770(JP,A)
【文献】特開2013-084982(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0005896(US,A1)
【文献】特表2019-519928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 63/00
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 29/78
H10N 70/00
H10N 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の鉛直フィンであって、前記鉛直フィンの側壁の各々は{100}結晶面を有する、前記鉛直フィンと、
前記鉛直フィン上のフィン・テンプレートと、
前記鉛直フィン上のゲート構造と、
前記鉛直フィンの対向側壁上の頂部ソース/ドレインと、
前記頂部ソース/ドレイン上の底部電極層であって、前記底部電極層は前記フィン・テンプレートの対向側部上にある、前記底部電極層と、
前記底部電極層の一部分の上の第1の中間抵抗層と、
前記第1の中間抵抗層上の頂部電極層と、
前記底部電極層の一部分の上の第1の電気的コンタクトと
を含む、抵抗性メモリ構造。
【請求項2】
前記基板上で前記鉛直フィンに隣接する底部ソース/ドレイン層をさらに含む、請求項1に記載の抵抗性メモリ構造。
【請求項3】
前記フィン・テンプレートの前記第1の中間抵抗層とは反対側の前記底部電極層の一部分の上に第2の中間抵抗層をさらに含む、請求項2に記載の抵抗性メモリ構造。
【請求項4】
前記フィン・テンプレートの
前記第1の電気的コンタクトとは反対側の前記底部電極層の一部分の上に第2の電気的コンタクトをさらに含む、請求項3に記載の抵抗性メモリ構造。
【請求項5】
前記底部電極層は、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、スズ(Sn)、銀(Ag)、金(Au)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭化チタンアルミニウム(TiAlC)、炭化タンタルマグネシウム(TaMgC)、ケイ化タングステン(WSi)、窒化タングステン(WN)、酸化ルテニウム(RuO
2)、ケイ化コバルト(CoSi)、ケイ化ニッケル(NiSi)、チタンアルミナイド(TiAl)、ジルコニウムアルミナイド(ZrAl)、およびその好適な組み合わせからなる伝導性材料の群より選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の抵抗性メモリ構造。
【請求項6】
前記
第1の中間抵抗層は酸化ハフニウム(HfO)である、請求項5に記載の抵抗性メモリ構造。
【請求項7】
前記頂部電極層は、チタンリッチ窒化チタン(TiN)または炭化チタンアルミニウム(TiAlC)である、請求項6に記載の抵抗性メモリ構造。
【請求項8】
前記ゲート構造は、前記鉛直フィンの中央部分の上のゲート誘電体層と、前記ゲート誘電体層上のゲート電極とを含む、請求項7に記載の抵抗性メモリ構造。
【請求項9】
前記ゲート誘電体層の一部分と、前記基板上で前記鉛直フィンに隣接する底部ソース/ドレイン層との間に底部スペーサ層をさらに含む、請求項8に記載の抵抗性メモリ構造。
【請求項10】
クロスバー・アレイであって、
各々が鉛直輸送フィン電界効果トランジスタと、前記鉛直輸送フィン電界効果トランジスタの頂部ソース/ドレインに電気的に結合された2つの抵抗性メモリ・エレメントと、前記2つの抵抗性メモリ・エレメントの各々の底部電極層に対して形成された2つの電気的コンタクトとを含む複数の抵抗性メモリ構造と、
前記クロスバー・アレイの行の前記複数の抵抗性メモリ構造の各々の前記2つの電気的コンタクトの第1のものに電気的に接続された第1の金属線と、
前記クロスバー・アレイの列の前記複数の抵抗性メモリ構造の各々の前記2つの抵抗性メモリ・エレメントの第1のものに電気的に接続された第2の金属線と
を含む、クロスバー・アレイ。
【請求項11】
各々の前記抵抗性メモリ・エレメントは、前記底部電極層と、中間抵抗層と、頂部電極層とを含む、請求項10に記載のクロスバー・アレイ。
【請求項12】
前記2つの抵抗性メモリ・エレメントの各々の前記底部電極層、中間抵抗層、および頂部電極層は、前記鉛直輸送フィン電界効果トランジスタ上のフィン・テンプレートの対向側部上にある、請求項11に記載のクロスバー・アレイ。
【請求項13】
前記クロスバー・アレイの行の前記複数の抵抗性メモリ構造の各々の前記2つの電気的コンタクトの
第2のものに電気的に接続された第3の金属線と、前記クロスバー・アレイの列の前記複数の抵抗性メモリ構造の各々の前記2つの抵抗性メモリ・エレメントの第2のものに電気的に接続された第4の金属線とをさらに含む、請求項12に記載のクロスバー・アレイ。
【請求項14】
抵抗性メモリ構造を形成する方法であって、
基板上の鉛直フィンと、前記鉛直フィン上のフィン・テンプレートとを形成するステップであって、前記鉛直フィンの側壁の各々は{100}結晶面を有する、形成するステップと、
前記鉛直フィン上にゲート構造を形成するステップと、
前記鉛直フィンの対向側壁上に頂部ソース/ドレインを形成するステップと、
前記頂部ソース/ドレイン上に底部電極層を形成するステップであって、前記底部電極層は前記フィン・テンプレートの対向側部上にある、形成するステップと、
前記底部電極層の一部分の上に第1の中間抵抗層を形成するステップと、
前記第1の中間抵抗層上に頂部電極層を形成するステップと、
前記底部電極層の一部分の上に第1の電気的コンタクトを形成するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に抵抗性メモリ構造に関し、より具体的には抵抗性ランダム・アクセス・メモリと組み合わされた鉛直輸送フィン電界効果トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)は通常ソースと、チャネルと、ドレインとを有し、このソースからドレインに電流が流れ、電界効果トランジスタはさらにデバイス・チャネルを通る電流の流れを制御するゲートを有する。電界効果トランジスタ(FET)はさまざまな異なる構造を有することができ、たとえばFETはソースと、チャネルと、ドレインとを基板材料自体に形成して製作されており、ここで電流は水平(すなわち基板の面内)に流れ、FinFETはチャネルが基板から外向きに伸長して形成されるが、電流はやはりソースからドレインに水平に流れる。基板面と平行な単一のゲートを有する金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field effect transistor)と比較して、FinFETに対するチャネルは薄い矩形のシリコン(Si)の直立スラブであってもよく、これは一般的にフィンと呼ばれ、このフィン上にゲートがある。ソースおよびドレインのドープによって、NFETまたはPFETが形成され得る。2つのFETを結合して相補型金属酸化物半導体(CMOS:complementary metal oxide semiconductor)デバイスを形成することもでき、ここではp型MOSFETとn型MOSFETとがともに結合される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施形態によると、抵抗性メモリ構造が提供される。この抵抗性メモリ構造は基板上の鉛直フィンを含み、鉛直フィンの側壁の各々は{100}結晶面を有する。抵抗性メモリ構造はさらに、鉛直フィン上のフィン・テンプレートと、鉛直フィン上のゲート構造とを含む。抵抗性メモリ構造はさらに、鉛直フィンの対向側壁上の頂部ソース/ドレインと、頂部ソース/ドレイン上の底部電極層とを含み、底部電極層はフィン・テンプレートの対向側部上にある。抵抗性メモリ構造はさらに、底部電極層の一部分の上の第1の中間抵抗層と、第1の中間抵抗層の上の頂部電極層と、底部電極層の一部分の上の第1の電気的コンタクトとを含む。
【0004】
本発明の別の実施形態によると、クロスバー・アレイが提供される。クロスバー・アレイは、各々が鉛直輸送フィン電界効果トランジスタと、鉛直輸送フィン電界効果トランジスタの頂部ソース/ドレインに電気的に結合された2つの抵抗性メモリ・エレメントと、この2つの抵抗性メモリ・エレメントの各々の底部電極層に対して形成された2つの電気的コンタクトとを含む複数の抵抗性メモリ構造を含む。クロスバー・アレイはさらに、クロスバー・アレイの行の複数の抵抗性メモリ構造の各々の2つの電気的コンタクトの第1のものに電気的に接続された第1の金属線と、クロスバー・アレイの列の複数の抵抗性メモリ構造の各々の2つの抵抗性メモリ・エレメントの第1のものに電気的に接続された第2の金属線とを含む。
【0005】
本発明のさらに別の実施形態によると、抵抗性メモリ構造を形成する方法が提供される。この方法は、基板上の鉛直フィンと、鉛直フィン上のフィン・テンプレートとを形成するステップを含み、鉛直フィンの側壁の各々は{100}結晶面を有する。この方法はさらに、鉛直フィン上にゲート構造を形成するステップと、鉛直フィンの対向側壁上に頂部ソース/ドレインを形成するステップとを含む。この方法はさらに、頂部ソース/ドレイン上に底部電極層を形成するステップを含み、底部電極層はフィン・テンプレートの対向側部上にある。この方法はさらに、底部電極層の一部分の上に第1の中間抵抗層を形成するステップを含む。この方法はさらに、第1の中間抵抗層上に頂部電極層を形成するステップと、底部電極層の一部分の上に第1の電気的コンタクトを形成するステップとを含む。
【0006】
これらおよびその他の特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるべきその例示的実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0007】
以下の説明は、以下の図面を参照して好ましい実施形態の詳細を提供することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態による、基板上の複数の鉛直フィンの上面図であり、ここで鉛直フィンは[110]結晶方向に対して45度の角度である。
【
図2】本発明の実施形態による、各々の鉛直フィン上にフィン・テンプレートを有する基板上の複数の鉛直フィンを示す断面側面図である。
【
図3】本発明の実施形態による、複数の鉛直フィンおよびフィン・テンプレートの各々の上のフィン・ライナを示す断面側面図である。
【
図4】本発明の実施形態による、フィン・ライナの下の基板が窪んで、窪んだ基板の上に底部ソース/ドレイン層が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図5】本発明の実施形態による、フィン・ライナが取り除かれて、底部ソース/ドレイン層の上に底部スペーサ層が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図6】本発明の実施形態による、底部スペーサ層と、複数の鉛直フィンと、フィン・テンプレートとの露出表面上にゲート誘電体層が形成されて、ゲート誘電体層の上にゲート電極が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図7】本発明の実施形態による、ゲート電極の表面上に封入層が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図8】本発明の実施形態による、封入層の上に充填層が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図9】本発明の実施形態による、ゲート電極の頂部表面から封入層の一部分が取り除かれたところを示す断面側面図である。
【
図10】本発明の実施形態による、ゲート電極およびゲート誘電体層の一部分が取り除かれて、フィン・テンプレートおよび鉛直フィンの上側部分が露出したところを示す断面側面図である。
【
図11】本発明の実施形態による、各々のゲート電極の頂部表面上に鉛直フィンの上側部分に隣接して頂部スペーサが形成されたところを示す断面側面図である。
【
図12】本発明の実施形態による、各々の頂部スペーサの上に鉛直フィンの上側部分に隣接して頂部ソース/ドレインが形成されたところを示す断面側面図である。
【
図13】本発明の実施形態による、各々の頂部ソース/ドレインの上にフィン・テンプレートに隣接して底部電極層が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図14】本発明の実施形態による、各々の底部電極層の上に頂部プラグ層が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図15】本発明の実施形態による、各々の頂部プラグ層の一部分が取り除かれて、各々の底部電極層の一部分を露出する開口部が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図16】本発明の実施形態による、各々の底部電極層の一部分を露出する各々の頂部プラグ層に形成されたアクセス・チャネルを示す、
図15の上面図である。
【
図17】本発明の実施形態による、底部電極層の上の各々のアクセス・チャネル内に中間抵抗層が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図18】本発明の実施形態による、底部電極層の上の各々のアクセス・チャネル内に中間抵抗層が形成されたところを示す、
図17の上面図である。
【
図19】本発明の実施形態による、各々のアクセス・チャネル内の中間抵抗層の上に頂部電極層が形成されたところを示す断面側面図である。
【
図20】本発明の実施形態による、頂部プラグ層内に形成された各々の検知チャネル内に電気的コンタクトが形成されたところを示す上面図である。
【
図21】本発明の実施形態による、頂部プラグ層内に形成された検知チャネル内に電気的コンタクトが形成されたところを示す断面側面図である。
【
図22】本発明の実施形態による、2つのReRAM構造を有する鉛直輸送フィン電界効果トランジスタ・デバイス(1T2R)に対するクロスバー・アレイ接続を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、鉛直輸送フィン電界効果トランジスタ(VT FinFET:vertical transport fin field effect transistor)に電気的に結合された2つの抵抗性メモリ・エレメントを実現するメモリ・デバイスを提供するものであり、この抵抗性メモリ・エレメントはVT FinFETの頂部ソース/ドレインに電気的に結合される。この方式で、2つのReRAMセルを同じFinFETに並列に統合して、これら2つのReRAMセルの状態を検知するための別個の経路を提供することができる。2つのReRAMセルの状態を検知するために別個の電気経路を使用でき、かつ周辺回路を用いてその差を定めることができる。この2つのReRAMセルは、エリア・ペナルティを伴わないニューロモルフィック・コンピューティングに対する差動重みを表し得る。
【0010】
本発明の実施形態は、2つのReRAMセルを分離するハードマスク・フィン・テンプレートを有する鉛直輸送フィン電界効果トランジスタ・デバイスを提供するため、2つのReRAMセルの各々は鉛直フィンおよび頂部ソース/ドレインと自己整合する。
【0011】
本発明の実施形態は、{100}結晶面を有するフィン側壁を有する鉛直フィンを有する鉛直輸送フィン電界効果トランジスタを製作する方法を提供し、{100}フィン側壁は頂部ソース/ドレインの側方エピタキシャル成長に対する成長表面を提供できる。さまざまな実施形態において、鉛直フィンは、{100}結晶面を有するフィン側壁を形成するためにウェハ基板の一次フラット(例、(011)表面)に対して45度の角度であり得る。{100}という表記は、結晶の対称性によって(100)面と等価の結晶面を示す。
【0012】
本発明の実施形態は、ニューロモルフィック・コンピューティングに対するメモリスタならびに高密度および高速の不揮発性メモリ・アプリケーションを提供する。抵抗性メモリ・デバイスをプレニューロンとポストニューロンとの間の接続(シナプス)として用いて、デバイス抵抗の形で接続重みを表すことができる。さまざまな実施形態において、複数のプレニューロンおよびポストニューロンがReRAMのクロスバー・アレイを通じて接続されてもよく、それは必然的に完全に接続されたニューラル・ネットワークを表し得る。
【0013】
本発明の実施形態は、2つのReRAMセルと1つの鉛直FETとを統合するための方法および構造を提供する。1つのFinFETトランジスタ(1T)は、エリア・ペナルティを伴わないニューロモルフィック・コンピューティングに対する差動重みを表すように並列に接続された2つのReRAMセル(2R)を有する(1T2R)。差動重みに対する線形スイッチングを伴う2つのユニポーラReRAMセルは、1つの重みを表すためにより多くのデバイスおよび周辺回路を必要とすることがあり、それは鉛直輸送フィン電界効果トランジスタ(VT FinFET)の頂部ソース/ドレインに直接電気的に結合された2つの抵抗性メモリ・エレメントを実現するメモリ・デバイスと比べてエリア・ペナルティを与え得る。
【0014】
本発明を適用し得る例示的な適用/使用は、ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN:Deep Neural Network)、ニューロモルフィック・コンピューティング、ならびに高密度および高速の不揮発性メモリ・アプリケーションを含むが、それに限定されない。
【0015】
所与の例示的アーキテクチャによって本発明の態様が説明されることとなるが、その他のアーキテクチャ、構造、基板材料、ならびにプロセス特徴およびステップが本発明の態様の範囲内で変動され得ることが理解されるべきである。
【0016】
ここで図面を参照すると、図面において類似の番号は同じかまたは類似の構成要素を表しており、最初に
図1を参照すると、これは本発明の実施形態による基板上の複数の鉛直フィンの上面図であり、ここで鉛直フィンは[110]結晶方向に対して45度の角度である。
【0017】
1つ以上の実施形態において、基板110の上に鉛直輸送フィン電界効果トランジスタの鉛直フィン(単数または複数)111が形成されてもよく、ここで基板は予め定められた配向の結晶面を有する結晶性半導体であり得る。基板110の頂部表面は(001)結晶面(すなわち、z方向に対して垂直)であり得る。さまざまな実施形態において、鉛直フィン(単数または複数)111の側壁表面が露出{100}結晶面となり得るように、鉛直フィン(単数または複数)111は半導体基板の結晶面と整合され得る。露出{100}結晶面を達成するために、鉛直フィン(単数または複数)111は[110]方向に対して45度の角度であり得る。さまざまな実施形態において、鉛直フィン(単数または複数)は{110}結晶面を有する半導体ウェハの一次フラット99に対して45度の角度にて形成されてもよく、そのウェハが基板110を形成している。
【0018】
さまざまな実施形態において、基板110は半導体基板であってもよく、その半導体はIV族半導体(例、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge))、IV-IV族半導体(例、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)、炭化ケイ素(SiC)、III-V族半導体(例、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化インジウム(InP)、インジウム-ガリウムヒ素(InGaAs)など)であってもよく、その結晶構造は結晶表面上の側方エピタキシャル成長を可能にできる。さまざまな実施形態において、基板110はセミコンダクタ・オン・インシュレータ基板(SeOI:semiconductor-on-insulator substrate)であり得る。
【0019】
さまざまな実施形態において、鉛直フィン111は、行もしくは列またはその両方となって基板110の表面上に配置され得る。鉛直フィン111は基板110上に正方形または矩形のアレイを形成でき、そのアレイはX×Yアレイであってもよく、ここでXおよびYは同じ値または異なる値であり得る。アレイの形状は、フィン111の数、長さ、およびピッチに依存し得る。
【0020】
図2は、本発明の実施形態による、各々の鉛直フィン上にフィン・テンプレートを有する基板上の複数の鉛直フィンを示す断面側面図である。
【0021】
1つ以上の実施形態において、基板110上に1つ以上の鉛直フィン111が形成されてもよく、鉛直フィンは、エピタキシャル成長もしくはたとえば反応性イオン・エッチング(RIE:reactive ion etching)などによる指向性エッチングまたはその両方によって形成され得る。さまざまな実施形態において、鉛直フィンは画像転写プロセスによって形成されてもよく、これはたとえば、自己整合ダブル・パターニング(SADP:Self-Aligned Double Patterning)とも呼ばれる側壁イメージ転写(SIT:sidewall image transfer)、自己整合トリプル・パターニング(SATP:Self-aligned triple patterning)プロセス、自己整合クアドラプル・パターニング(SAQP:Self-Aligned Quadruple Patterning)プロセス、またはその組み合わせなどである。さまざまな実施形態において、鉛直フィンは、たとえば極紫外線(EUV:extreme ultraviolet)リソグラフィ、電子ビーム・リソグラフィ、またはx線リソグラフィなどを用いた直接書込みプロセスによって形成され得る。
【0022】
1つ以上の実施形態において、鉛直フィン111上にフィン・テンプレート120が形成されてもよく、フィン・テンプレート120は、パターニング・プロセスの一部としてのフィン・テンプレート層から各々の鉛直フィン111上に形成され得る。さまざまな実施形態において、フィン・テンプレート120はハードマスクであってもよく、たとえば酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、ホウ窒化ケイ素(SiBN)、またはその組み合わせなどであり得る。
【0023】
1つ以上の実施形態において、鉛直フィン111は約5ナノメートル(nm)から約10nm、または約6nmから約8nmの範囲の幅を有し得るが、その他の幅も予期される。
【0024】
図3は、本発明の実施形態による、複数の鉛直フィンおよびフィン・テンプレートの各々の上のフィン・ライナを示す断面側面図である。
【0025】
1つ以上の実施形態において、鉛直フィン111およびフィン・テンプレートの各々の上にフィン・ライナ130が形成されてもよく、このフィン・ライナは、たとえば原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)、プラズマ強化ALD(PEALD:plasma enhanced ALD)、低圧化学蒸着(LPCVD:low pressure chemical vapor deposition)、またはその組み合わせなどの共形堆積によって形成され得る。さまざまな実施形態において、指向性エッチング(例、RIE)を用いて、エッチング・ビームに対してほぼ垂直のフィン・テンプレート120および基板110の表面からフィン・ライナ130の部分を取り除く一方で、鉛直フィン111およびフィン・テンプレート120の側壁上にフィン・ライナ130の部分を残すことができる。
【0026】
さまざまな実施形態において、フィン・ライナの選択的除去を可能にするために、フィン・ライナ130はフィン・テンプレート120とは異なるハードマスク材料であり得る。さまざまな実施形態において、フィン・ライナ130は、たとえば酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、ホウ窒化ケイ素(SiBN)、またはその組み合わせなどであり得る。フィン・ライナ130は約2nmから約6nm、または約3nmから約5nmの範囲の厚さを有し得るが、その他の厚さも予期される。
【0027】
図4は、本発明の実施形態による、フィン・ライナの下の基板が窪んで、窪んだ基板の上に底部ソース/ドレイン層が形成されたところを示す断面側面図である。
【0028】
1つ以上の実施形態において、鉛直フィン111の周りで露出されている基板110の部分は、指向性エッチング(例、RIE)を用いて窪まされ得る。基板110の一部分を予め定められた深さまで取り除いて、鉛直フィン111をフィン・ライナ130の下に伸長させてもよく、ここで鉛直フィンの一部分が露出される。さまざまな実施形態において、基板は約10nmから約40nm、または約20nmから約30nmの範囲の深さまで窪まされ得るが、その他の深さも予期される。
【0029】
1つ以上の実施形態において、窪んだ基板110の表面上に底部ソース/ドレイン層140が形成されてもよく、底部ソース/ドレイン層140は、側方成長を通じた露出基板表面もしくは鉛直フィン111の側壁またはその両方におけるエピタキシャル成長によって形成され得る。さまざまな実施形態において、底部ソース/ドレイン層140は、n型ドーパント(例、リン(P)、ヒ素(As)など)またはp型ドーパント(例、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)など)がドープされた半導体材料であり得る。非限定的な例示的実施形態において、底部ソース/ドレイン層140は、n型FinFETを形成するためのリンドープシリコン(Si:P)か、またはp型FinFETを形成するためのホウ素ドープシリコンゲルマニウム(SiGe:B)であり得る。
【0030】
さまざまな実施形態において、底部ソース/ドレイン層140は約10nmから約40nm、または約20nmから約30nmの範囲の厚さに形成され得るが、その他の厚さも予期される。底部ソース/ドレイン層140は、基板表面とフィン・ライナ130の底部端縁との間の鉛直フィン(単数または複数)111の側壁を被覆する厚さに形成され得る。
【0031】
図5は、本発明の実施形態による、フィン・ライナが取り除かれて、底部ソース/ドレイン層の上に底部スペーサ層が形成されたところを示す断面側面図である。
【0032】
1つ以上の実施形態において、フィン・ライナ130の残りの部分が取り除かれて、ソース/ドレイン層の上の鉛直フィン111およびフィン・テンプレート120の側壁が露出してもよい。鉛直フィン(単数または複数)111に隣接して底部スペーサ層150を形成する前に、たとえばウェット化学エッチングまたはドライ・プラズマ・エッチングなどの選択的な等方性エッチングを用いてフィン・ライナ130が取り除かれ得る。
【0033】
1つ以上の実施形態において、底部ソース/ドレイン層140の露出した頂部表面上に底部スペーサ層150が形成されてもよく、底部スペーサ層150は、たとえば高密度プラズマ(HDP:high density plasma)またはガス・クラスタ・イオン・ビーム(GCIB:gas cluster ion beam)などの指向性堆積によって形成され得る。さまざまな実施形態において、底部スペーサ層150は約4nmから約10nm、または約5nmから約7nmの範囲の厚さに形成され得るが、その他の厚さも予期される。底部スペーサ層150は、鉛直フィン111の下側部分を被覆し得る。鉛直フィン111の側壁から底部スペーサ層の堆積材料を取り除くために、等方性エッチングが用いられ得る。
【0034】
1つ以上の実施形態において、底部スペーサ層150は、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、一酸化窒素炭化ケイ素(SiCON)、およびその組み合わせを含むがそれに限定されない誘電材料であり得る。
【0035】
図6は、本発明の実施形態による、底部スペーサ層と、複数の鉛直フィンと、フィン・テンプレートとの露出表面上にゲート誘電体層が形成されて、ゲート誘電体層の上にゲート電極が形成されたところを示す断面側面図である。
【0036】
1つ以上の実施形態において、底部スペーサ層150、複数の鉛直フィン111、およびフィン・テンプレート120の露出表面上にゲート誘電体層160が形成されてもよく、ゲート誘電体層160は、たとえばALD、PEALD、またはその組み合わせなどの共形堆積によって形成され得る。さまざまな実施形態において、ゲート誘電体層160は約1nmから約5nm、または約2nmから約4nmの範囲の厚さに形成され得るが、その他の厚さも予期される。さまざまな実施形態において、ゲート誘電体層は鉛直フィン(単数または複数)111の端壁を被覆して、全周ゲート構造を提供できる。
【0037】
ゲート誘電体層160は酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、高k誘電材料、またはその組み合わせであり得る。高k材料の例は、たとえば酸化ハフニウム(HfO)、ケイ酸ハフニウム(HfSiO)、ハフニウムケイ酸窒化物(HfSiON)、酸化ランタン(LaO)、ランタンアルミニウム酸化物(LaAlO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO)、ジルコニウムケイ酸窒化物(ZrSiON)、酸化タンタル(TaO)、酸化チタン(TiO)、バリウムストロンチウムチタン酸化物(BaSrTiO)、バリウムチタン酸化物(BaTiO)、ストロンチウムチタン酸化物(SrTiO)、酸化イットリウム(YO)、酸化アルミニウム(AlO)、鉛スカンジウムタンタル酸化物(PbScTaO)、および鉛亜鉛ニオブ酸塩(PbZnNbO)などの金属酸化物を含むがそれに限定されない。高k材料はさらに、たとえばランタン、アルミニウム、マグネシウム、またはその組み合わせなどのドーパントを含んでもよい。
【0038】
1つ以上の実施形態において、ゲート誘電体層160の上にゲート電極が形成され得る。さまざまな実施形態において、ゲート電極は2つ以上の層であってもよく、このゲート電極は、伝導ゲート層175もしくは仕事関数材料層170またはその両方を含み得る。共形堆積(例、ALD、PEALD)によって、ゲート誘電体層160の上に仕事関数材料層170が形成され得る。共形堆積(例、ALD、PEALD)によって、仕事関数材料層の上に伝導ゲート層が形成され得る。さまざまな実施形態において、ゲート誘電体層160の上に複数の仕事関数材料層170が形成され得る。
【0039】
さまざまな実施形態において、各々の仕事関数材料層170は、たとえば窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭化チタンアルミニウム(TiAlC)、およびその組み合わせなどの伝導性の金属窒化物または炭化物の化合物材料であり得る。それらの仕事関数材料層170は、同じかまたは異なる仕事関数材料であり得る。
【0040】
さまざまな実施形態において、伝導ゲート層175は、金属(例、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、スズ(Sn)、銀(Ag)、金(Au)、伝導性金属化合物材料(例、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭化チタンアルミニウム(TiAlC)、ケイ化タングステン(WSi)、窒化タングステン(WN)、酸化ルテニウム(RuO2)、ケイ化コバルト(CoSi)、ケイ化ニッケル(NiSi))、遷移金属アルミナイド(例、チタンアルミナイド(TiAl)、ジルコニウムアルミナイド(ZrAl))、炭化タンタル(TaC)、炭化タンタルマグネシウム(TaMgC)、またはこれらの材料の任意の好適な組み合わせであり得る。
【0041】
さまざまな実施形態において、ゲート電極は約5nmから約20nm、または約6nmから約10nmの範囲の厚さに形成され得るが、その他の厚さも予期される。さまざまな実施形態において、仕事関数材料層170は約1nmから約5nm、または約2nmから約4nmの範囲の厚さに形成され得るが、その他の厚さも予期される。伝導ゲート層175は、ゲート電極の厚さと仕事関数材料層の厚さとの差を埋め得る。ゲート誘電体層160およびゲート電極は鉛直フィン111の中央部分の上にゲート構造を形成でき、ここではフィン・テンプレート120が鉛直フィン111の頂部表面を被覆しているため、ゲート構造は鉛直フィン(単数または複数)111の頂部表面上に存在せずに鉛直フィンの中央部分を囲み得る。
【0042】
図7は、本発明の実施形態による、ゲート電極の表面上に封入層が形成されたところを示す断面側面図である。
【0043】
1つ以上の実施形態において、伝導ゲート層175もしくは仕事関数材料層170またはその両方を含むゲート電極の露出表面上に封入層180が形成され得る。封入層180は、共形堆積(例、ALD、PEALD)によって形成され得る。さまざまな実施形態において、封入層180は、ホウ炭窒化ケイ素(SiBCN)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、一酸化窒素炭化ケイ素(SiCON)、およびその組み合わせを含むがそれに限定されない誘電材料であり得る。
【0044】
図8は、本発明の実施形態による、封入層の上に充填層が形成されたところを示す断面側面図である。
【0045】
1つ以上の実施形態において、封入層180の上に充填層190が形成されてもよく、充填層190はたとえば化学蒸着(CVD)、プラズマ強化CVD(PECVD)、スピンオン、またはその組み合わせなどのブランケット堆積によって形成され得る。さまざまな実施形態において、充填層190は隣り合う鉛直フィン111の間隙を埋めて、封入層180およびゲート電極を被覆できる。鉛直フィン111およびフィン・テンプレート120の上の封入層180の頂部表面を露出させるために、化学機械研磨(CMP:chemical-mechanical polishing)を用いて充填層190の一部分を取り除き得る。
【0046】
さまざまな実施形態において、充填層190は、酸化ケイ素(SiO)、低k誘電材料、またはその組み合わせを含むがそれに限定されない誘電材料であり得る。低k誘電材料は、炭素ドープ酸化ケイ素(SiO:C)、フッ素ドープ酸化ケイ素(SiO:F)、ポリマー材料、たとえばオルトケイ酸テトラエチル(TEOS:tetraethyl orthosilicate)、水素シルセスキオキサン(HSQ:hydrogen silsesquioxane)、およびメチルシルセスキオキサン(MSQ:methylsilsesquioxane)など、ならびにその組み合わせを含み得るがそれに限定されない。
【0047】
図9は、本発明の実施形態による、ゲート電極の頂部表面から封入層の一部分が取り除かれたところを示す断面側面図である。
【0048】
1つ以上の実施形態において、CMPによって露出された封入層180の一部分がゲート電極の頂部表面から取り除かれて、それを囲む充填層190内に浅いウェルが形成され得る。封入層180の一部分は、選択的な等方性または異方性エッチングを用いて取り除かれ得る。充填層190の露出した側壁とゲート電極との間に、封入層180の上側端縁が露出され得る。
【0049】
図10は、本発明の実施形態による、ゲート電極およびゲート誘電体層の一部分が取り除かれて、フィン・テンプレートおよび鉛直フィンの上側部分が露出したところを示す断面側面図である。
【0050】
1つ以上の実施形態において、ゲート電極の上側部分が取り除かれて、フィン・テンプレート(単数または複数)120および鉛直フィン(単数または複数)111の上側部分を囲むトレンチ195が形成され得る。ゲート電極の上側部分は、選択的な等方性または異方性エッチングを用いて取り除かれ得る。ゲート電極が異なる材料でできた伝導ゲート層175もしくは仕事関数材料層170またはその両方を含むとき、仕事関数材料層170および伝導ゲート層175の各々は、別個の選択的な等方性または異方性エッチングを用いて取り除かれ得る。さまざまな実施形態において、その後に形成される頂部スペーサおよび頂部ソース/ドレインのための空間を提供するために十分な量の伝導ゲート層175もしくは仕事関数材料層170またはその両方が取り除かれ得る。ゲート電極の除去後、封入層180の一部分がトレンチ195の外側側壁を形成でき、ゲート誘電体層160の一部分がトレンチ195の内側側壁(図示せず)を形成できる。
【0051】
1つ以上の実施形態において、ゲート電極を取り除くことによって露出されたゲート誘電体層160の上側部分は、その後取り除かれてもよく、ゲート誘電体層160の上側部分の除去によって、フィン・テンプレート120および鉛直フィン111の上側部分が露出され得る。さまざまな実施形態において、ゲート誘電体層160の上側部分は、選択的等方性エッチング(例、ウェット化学エッチング、ドライ・プラズマ・エッチング)を用いて取り除かれ得る。
【0052】
さまざまな実施形態において、鉛直フィン(単数または複数)111の露出した上側部分は、伝導ゲート層175、仕事関数材料層170、およびゲート誘電体層160の露出表面の上に約10nmから約20nm、または約12nmから約16nmの範囲の高さを有し得るが、その他の高さも予期される。
【0053】
図11は、本発明の実施形態による、各々のゲート電極の頂部表面上に鉛直フィンの上側部分に隣接して頂部スペーサが形成されたところを示す断面側面図である。
【0054】
1つ以上の実施形態において、各々のゲート電極170の頂部表面上に鉛直フィン111の上側部分に隣接して頂部スペーサ200が形成されてもよく、頂部スペーサ200は、指向性堆積またはブランケット堆積の後の意図される厚さまでのエッチバックによって形成され得る。鉛直フィン(単数または複数)111の側壁から頂部スペーサ200の材料を取り除くために、等方性エッチングが用いられ得る。頂部スペーサ(単数または複数)200の頂部表面の上に、鉛直フィン(単数または複数)111の側壁の一部分がなおも露出され得る。
【0055】
さまざまな実施形態において、頂部スペーサ(単数または複数)200は、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、一酸化窒素炭化ケイ素(SiCON)、およびその組み合わせを含むがそれに限定されない誘電絶縁材料であり得る。
【0056】
さまざまな実施形態において、頂部スペーサ200は約2nmから約15nm、もしくは約3nmから約10nmの範囲、または約6nmの厚さを有し得るが、その他の厚さも予期される。頂部スペーサ200の厚さは鉛直フィン111の露出部分の高さよりも小さくてもよく、よって鉛直フィンの一部分はなおも露出される。
【0057】
図12は、本発明の実施形態による、各々の頂部スペーサの上に鉛直フィンの上側部分に隣接して頂部ソース/ドレインが形成されたところを示す断面側面図である。
【0058】
1つ以上の実施形態において、各々の頂部スペーサ200の上に頂部ソース/ドレイン210が形成されてもよく、頂部ソース/ドレイン210は鉛直フィン111の上側部分の露出側壁に隣接する。さまざまな実施形態において、頂部ソース/ドレイン210は、露出側壁からの側方エピタキシャル成長によってトレンチ195内の鉛直フィン111の対向側壁上に形成されてもよく、鉛直フィンの側壁は(100)結晶面を有し得る。頂部ソース/ドレイン210は、頂部スペーサ200の頂部表面の上を鉛直フィン111の露出側壁から外向きに成長し得る。エピタキシャル成長は、結晶鉛直フィンの(100)結晶面上の方が(110)または(111)結晶面上よりも大きい成長速度を有してもよく、エピタキシャル成長速度の関係は(100)>(110)>(111)である。さまざまな実施形態において、頂部ソース/ドレイン(単数または複数)210は、フィン・テンプレート(単数または複数)120との界面より上に延在することなく鉛直フィン111の側壁の露出表面全体を被覆でき、かつ隣接する鉛直フィンと電気的に接続する。頂部ソース/ドレイン(単数または複数)210の頂部表面は、フィン・テンプレート(単数または複数)120の底部表面と同一平面上にあり得る。頂部ソース/ドレイン(単数または複数)210は、頂部スペーサ200と、鉛直フィン(単数または複数)111の側壁上のゲート誘電体層160、伝導ゲート層175、もしくは仕事関数材料層170、またはその組み合わせによって形成されたゲート領域との上にあり得る。
【0059】
さまざまな実施形態において、頂部ソース/ドレイン(単数または複数)210は、n型ドーパント(例、リン(P)、ヒ素(As)など)またはp型ドーパント(例、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)など)がドープされた半導体材料であり得る。さまざまな実施形態において、頂部ソース/ドレイン(単数または複数)210は底部ソース/ドレイン層140と同じ半導体材料であってもよく、かつ底部ソース/ドレイン層と同じドーパント型を有してもよい。非限定的な例示的実施形態において、頂部ソース/ドレイン(単数または複数)210は、n型FinFETを形成するためのリンドープシリコン(Si:P)か、またはp型FinFETを形成するためのホウ素ドープシリコンゲルマニウム(SiGe:B)であり得る。
【0060】
非限定的な例示的実施形態において、鉛直フィン(単数または複数)111は、(100)結晶面を有する側壁が露出されるように単結晶シリコン基板110上に配向された単結晶シリコンであり得る。鉛直FinFETに対する{100}フィン側壁表面は、基板110に対する(100)の45度の回転によって達成され得る。さまざまな実施形態において、基板110に対して、および鉛直FinFETの鉛直フィン111を形成するために、同じ{100}結晶面効果を有するタイプIV(例、Ge)またはタイプIV-IV(例、SiGe)が用いられ得る。
【0061】
図13は、本発明の実施形態による、各々の頂部ソース/ドレインの上にフィン・テンプレートに隣接して底部電極層が形成されたところを示す断面側面図である。
【0062】
1つ以上の実施形態において、ドーパント(単数または複数)を頂部ソース/ドレイン(単数または複数)210から鉛直フィン(単数または複数)111の上側領域内に拡散させて上側拡張領域113を形成し、かつドーパント(単数または複数)を底部ソース/ドレイン層140から鉛直フィン(単数または複数)111の下側領域内に拡散させて下側拡張領域112を形成するために、デバイス構造100は熱処理され得る。拡張領域112、113はそれぞれ頂部スペーサ200および底部スペーサ層150を越えて、鉛直フィン111のゲート領域内まで伸長し得る。
【0063】
1つ以上の実施形態において、各々の頂部ソース/ドレイン210の上に底部電極層220が形成されてもよく、底部電極層220はフィン・テンプレート120に隣接し、それによって分離されている。底部電極層220はブランケット堆積(例、CVD、PECVD)によって形成されてもよく、かつ選択的エッチングを用いて予め定められた厚さまでエッチバックされ得る。さまざまな実施形態において、底部電極層220は約5nmから約20nm、または約5nmから約10nm、または約8nmから約10nmの範囲の厚さを有し得るが、その他の厚さも予期される。
【0064】
さまざまな実施形態において、底部電極層220は、金属、たとえばタングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、スズ(Sn)、銀(Ag)、金(Au)、伝導性金属化合物材料(例、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭化チタンアルミニウム(TiAlC)、炭化タンタルマグネシウム(TaMgC)、ケイ化タングステン(WSi)、窒化タングステン(WN)、酸化ルテニウム(RuO2)、ケイ化コバルト(CoSi)、ケイ化ニッケル(NiSi))、遷移金属アルミナイド(例、チタンアルミナイド(Ti3Al)、ジルコニウムアルミナイド(ZrAl))、およびこれらの材料の任意の好適な組み合わせなどを含むがそれに限定されない伝導性材料であり得る。
【0065】
図14は、本発明の実施形態による、各々の底部電極層の上に頂部プラグ層が形成されたところを示す断面側面図である。
【0066】
1つ以上の実施形態において、各々の底部電極層220の上に頂部プラグ層230が形成されてもよく、頂部プラグ層230はトレンチ(単数または複数)195を充填するブランケット堆積によって形成され得る。頂部プラグ層230の過剰な材料を取り除いて平滑で平坦な表面を提供するためにCMPが用いられてもよく、頂部プラグ層230の頂部表面は充填層190の頂部表面と同一平面上にある。
【0067】
さまざまな実施形態において、頂部プラグ層230は、ホウ炭窒化ケイ素(SiBCN)、ホウ窒化ケイ素(SiBN)、酸窒化ケイ素(SiON)、一酸化窒素炭化ケイ素(SiCON)、およびその組み合わせを含むがそれに限定されない誘電材料であり得る。材料の選択的除去を可能にするために、頂部プラグ層230の材料はフィン・テンプレート(単数または複数)120および封入層180の材料とは異なり得る。
【0068】
図15は、本発明の実施形態による、各々の頂部プラグ層の一部分が取り除かれて、各々の底部電極層の一部分を露出する開口部が形成されたところを示す断面側面図である。
【0069】
1つ以上の実施形態において、頂部プラグ層230、フィン・テンプレート(単数または複数)120、封入層180、および充填層190の上にリソグラフィ・マスクを堆積させてパターン形成することで、頂部プラグ層230の予め定められた部分の上に開口部(単数または複数)を形成し得る。さまざまな実施形態において、選択的な指向性エッチング(例、RIE)を用いて、リソグラフィ・マスクの開口部を通じて露出された頂部プラグ層230の部分を取り除いて、アクセス・チャネル235を形成し得る。アクセス・チャネル235はフィン・テンプレート120の対向側部の頂部プラグ層230内に形成されてもよく、開口部は交互にされ、かつ頂部プラグ層(単数または複数)230よりも狭くされ得る。頂部プラグ層230の一部分は残されて、封入層180の一部分の上にチャネル側壁237を形成し得る。アクセス・チャネル235は、下にある底部電極層220の一部分を露出させ得る。
【0070】
さまざまな実施形態において、チャネル側壁237は約2nmから約4nmの範囲の厚さを有してもよく、アクセス・チャネル235は約8nmから約16nm、または約10nmから約12nmの範囲の幅を有し得るが、その他の幅も予期される。
【0071】
図16は、本発明の実施形態による、各々の底部電極層の一部分を露出する各々の頂部プラグ層に形成されたアクセス・チャネルを示す、
図15の上面図である。
【0072】
1つ以上の実施形態において、フィン・テンプレート120の対向側部に形成されたアクセス・チャネル235が互いに斜めにオフセットになるようにして、頂部プラグ層230内にアクセス・チャネル235が形成され得る。アクセス・チャネル235を交互に分配することによって、後にクロスバー・アレイの電気的接続を形成する金属線およびビアの間隔を提供できる。交互のアクセス・チャネル235によって、同じ鉛直輸送フィン電界効果トランジスタに電気的に結合された2つの非対称に置かれた抵抗性メモリ・エレメントの形成を可能にできる。この2つの非対称に置かれた抵抗性メモリ・エレメントは、クロスバー・アレイを形成する異なる金属線に結合され得る。
【0073】
図17は、本発明の実施形態による、底部電極層の上の各々のアクセス・チャネル内に中間抵抗層が形成されたところを示す断面側面図である。
【0074】
1つ以上の実施形態において、各々のアクセス・チャネル235内の底部電極層220の上に中間抵抗層240が形成され得る。中間抵抗層240は、アクセス・チャネル235を充填することなく底部電極層220およびアクセス・チャネル235の側壁の上に材料の薄層を堆積させ得る共形堆積(例、ALD、PEALD)によって形成され得る。さまざまな実施形態において、中間抵抗層240は約3nmから約10nm、または約5nmから約7nmの範囲の厚さを有し得るが、その他の厚さも予期される。理論に結び付けられることは意図しないが、約3nm以上から約10nmまでの厚さは、酸素空孔が中間抵抗層240の厚さを通って浸透することを可能にし、それによって底部電極層220から頂部電極層への伝導性金属フィラメントが形成され得ると考えられる。中間抵抗層240がもっと厚くなると、酸素空孔の浸透および伝導性金属フィラメントの形成が妨げられ得る。底部電極層220の厚さは、中間抵抗層240が頂部ソース/ドレイン210と接触することを防ぐために十分なものであり得る。
【0075】
さまざまな実施形態において、中間抵抗層240の共形層を形成し、中央区域を有機平坦化層(OPL:organic planarization layer)で充填し、OPLを窪ませて頂部プラグ層230の側壁上の中間抵抗層240の一部分を露出させ、たとえばHClベースのウェット化学作用などによって中間抵抗層240の露出部分を取り除くことによって、アクセス・チャネル235の側壁上の中間抵抗層240の一部分が取り除かれ得る。灰化によって残りのOPLが取り除かれて、アクセス・チャネル内にカップ形状またはU形状の中間抵抗層が残され得る。
【0076】
さまざまな実施形態において、中間抵抗層240は酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(TaO)、酸化銅(CuO)、酸化タングステン(WO)、酸化チタン(TiO)、酸化ニッケル(NiO)、およびその組み合わせを含むがそれに限定されない遷移金属酸化物であり得る。
【0077】
図18は、本発明の実施形態による、底部電極層の上の各々のアクセス・チャネル内に形成された中間抵抗層を示す、
図17の上面図である。
【0078】
1つ以上の実施形態において、アクセス・チャネル235および中間抵抗層240は、フィン・テンプレート120を横切って斜めにオフセットになり得る。
【0079】
図19は、本発明の実施形態による、各々のアクセス・チャネル内の中間抵抗層の上に頂部電極層が形成されたところを示す断面側面図である。
【0080】
1つ以上の実施形態において、各々のアクセス・チャネル235内の中間抵抗層240の上に頂部電極層250が形成されてもよく、アクセス・チャネル235の側壁上の中間抵抗層240と、カップ/U形状の中間抵抗層240との間のピンチオフを避けるために、頂部電極層250は共形堆積によって形成され得る。
【0081】
さまざまな実施形態において、頂部電極層250は窒化チタン(TiN)であってもよく、窒化チタンはチタンリッチであるか、または炭化チタンアルミニウム(TiAlC)であってもよく、それは中間抵抗層240内に酸素空孔を形成し得る。頂部電極層250は底部電極層220と同じ材料であり得る。底部電極層220、中間抵抗層240、および頂部電極層250の各層スタックは抵抗性メモリ・エレメント(すなわち、ReRAMセル)を形成し得る。2つのReRAMセルが各鉛直輸送フィン電界効果トランジスタ(VT FinFET)に電気的に結合されてReRAMのセットを形成でき、ここで第1のReRAMはフィン・テンプレート120の一方側にあってもよく、第2のReRAMはフィン・テンプレート120の反対側にあってもよい。
【0082】
図20は、本発明の実施形態による、頂部プラグ層内に形成された各々の検知チャネル内に電気的コンタクトが形成されたところを示す上面図である。
【0083】
1つ以上の実施形態において、各フィン・テンプレート120の対向側部の頂部プラグ層230内に検知チャネル238が形成されてもよく、検知チャネル238はリソグラフィ・マスキングおよび指向性エッチングによって形成され得る。検知チャネル238は、フィン・テンプレート120を横切って斜めにオフセットになり得る。さまざまな実施形態において、各抵抗性メモリ・エレメントの底部電極層220に対する電気的コンタクト260を形成するために、検知チャネル238には、金属(例、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、スズ(Sn)、銀(Ag)、金(Au)、伝導性金属化合物材料(例、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭化チタンアルミニウム(TiAlC)、ケイ化タングステン(WSi)、窒化タングステン(WN)、酸化ルテニウム(RuO2)、ケイ化コバルト(CoSi)、ケイ化ニッケル(NiSi))、遷移金属アルミナイド(例、Ti3Al、ZrAl))、TaC、TaMgC、またはこれらの材料の任意の好適な組み合わせなどを含むがそれに限定されない伝導性材料が充填され得る。
【0084】
さまざまな実施形態において、抵抗性メモリ構造は、頂部ソース/ドレイン210を含む鉛直輸送フィン電界効果トランジスタと、鉛直輸送フィン電界効果トランジスタの頂部ソース/ドレインに電気的に結合された2つの抵抗性メモリ・エレメントとを含んでもよく、各々の抵抗性メモリ・エレメントは底部電極層220と、中間抵抗層240と、頂部電極層250とを含む。2つの抵抗性メモリ・エレメントの各々の各底部電極層220に対して、電気的コンタクト260が形成され得る。
【0085】
図21は、本発明の実施形態による、頂部プラグ層内に形成された検知チャネル内に電気的コンタクトが形成されたところを示す断面側面図である。
【0086】
1つ以上の実施形態において、電気的コンタクト260は、中間抵抗層240および頂部電極層250の介在なしに底部電極層220と電気的に接触し得る。第1のReRAMは重みの更新またはトレーニングに用いられてもよく、第2のReRAMはローカル参照として用いられ得る。抵抗率を変化させる電圧が左のReRAMに印加されるとき、抵抗率が変化していない右のReRAM(ローカル参照)との比較によってその抵抗率の変化の差が検出され得る。
【0087】
図22は、本発明の実施形態による、2つのReRAM構造を有する鉛直輸送フィン電界効果トランジスタ・デバイス(1T2R)に対するクロスバー・アレイ接続を示す上面図である。
【0088】
1つ以上の実施形態において、各々の抵抗性メモリ・エレメントおよび検知のための各々の電気的コンタクトに対して上にあるメタライゼーション層に金属線271、272、273、274、275、276、277、278およびビア281、282、283、284、285、286、287、288、289が形成され得る。下側のエレメントに対するビア・コンタクトを通じて、より高いレベルに2つのクロスバー・アレイ(実線、破線、および点線)が形成され得る。さまざまな実施形態において、クロスバー・アレイ500は1,000抵抗性メモリ・エレメントX1,000抵抗性メモリ・エレメント・アレイ、3000抵抗性メモリ・エレメントX3000抵抗性メモリ・エレメント・アレイ、または10,000抵抗性メモリ・エレメントX10,000抵抗性メモリ・エレメント・アレイであり得るが、適用によってはその他のサイズも予期される。
【0089】
さまざまな実施形態において、第1の金属線271はビア281によって第1の抵抗性メモリ構造201の第1の抵抗性メモリ・エレメント上の電気的コンタクト260に電気的に接続されてもよく、第2の金属線272は別のビア282によって第1の抵抗性メモリ構造201の第2の抵抗性メモリ・エレメント上の電気的コンタクト260に電気的に接続されてもよい。さまざまな実施形態において、第3の金属線273はビア283によって第1の抵抗性メモリ構造201の第1の抵抗性メモリ・エレメントの頂部電極層250に電気的に接続されてもよく、第4の金属線274は別のビア284によって第1の抵抗性メモリ構造の第2の抵抗性メモリ・エレメントの頂部電極層250に電気的に接続されてもよく、金属線273、274はビア281、282または電気的コンタクト260には接続しない。抵抗性メモリ・エレメントおよび抵抗性メモリ構造にアクセスするために、類似の金属線275、276、277、278が形成されて、ビア285、286、287、288、289によって他の抵抗性メモリ構造の抵抗性メモリ・エレメントに電気的に接続され得る。金属線271、273、275、277は抵抗性メモリ構造のアクティブ・アレイを形成し得るのに対し、金属線272、274、276、278は抵抗性メモリ構造の参照アレイを形成し得る。
【0090】
アクティブ・アレイ(実線および破線)における重みはトレーニングでき、参照アレイ(点線)における重みはローカル参照として一定にとどまり得る。抵抗性メモリ・エレメントの重みを更新するために中間抵抗層の物理的変化を用いることができ、ここでは線272および274と比較した線283および271を通じて抵抗変化を検出できる。実線および破線の間の電流差は、順方向および逆方向の経路に対して列ごとおよび行ごとに検知される。2つのReRAMの対の電鋳のためにVT FinFETが用いられ得る。さまざまな実施形態において、各々のReRAMを流れる電流を制御するためのパス・ゲートを形成するために、VT FinFETは2つのReRAMに直接電気的に接続される。単一のVT FinFETが2つの並列の抵抗性メモリ・エレメントを流れる電流を制御できる。VT FinFETおよびReRAMは、頂部ソース/ドレインおよび介在するフィン・テンプレートとのアライメントを通じて自己整合される。
【0091】
本実施形態は、集積回路チップに対する設計を含んでもよく、この設計はグラフィカル・コンピュータ・プログラミング言語で作成されて、コンピュータ・ストレージ媒体(たとえばディスク、テープ、物理ハード・ドライブ、またはたとえばストレージ・アクセス・ネットワークなどの仮想ハード・ドライブなど)に保存され得る。設計者がチップか、またはチップを製作するために用いられるフォトリソグラフィ・マスクを製作しないとき、設計者は結果として得られる設計を物理的手段によって(例、設計を保存するストレージ媒体のコピーを提供することによって)、または電子的に(例、インターネットを通じて)、こうしたエンティティに直接的または間接的に伝達し得る。保存された設計は、次いでフォトリソグラフィ・マスクの製作のために適切なフォーマット(例、GDSII)に変換され、このフォトリソグラフィ・マスクは通常、ウェハ上に形成されるべき当該チップ設計の複数のコピーを含む。このフォトリソグラフィ・マスクは、エッチングまたは別様に加工されるべきウェハ(もしくはその上の層またはその両方)の範囲を定めるために使用される。
【0092】
本明細書に記載される方法は、集積回路チップの製作に用いられ得る。結果として得られる集積回路チップは製作者によって、生ウェハの形で(すなわち、複数のパッケージングされていないチップを有する単一ウェハとして)、ベア・ダイとして、またはパッケージングされた形で流通され得る。後者の場合、チップは単一チップ・パッケージ(たとえば、マザーボードまたはその他のより高レベルの担体に付けられたリードを有するプラスチック担体など)またはマルチチップ・パッケージ(たとえば、片面もしくは両面相互接続または埋め込み相互接続を有するセラミック担体など)内に搭載される。いずれの場合にも、次いでチップは、(a)たとえばマザーボードなどの中間製品、または(b)最終製品の一部として、他のチップ、ディスクリート回路エレメント、もしくはその他の信号処理デバイス、またはその組み合わせと集積される。最終製品は集積回路チップを含む任意の製品であってもよく、玩具およびその他の低価格の適用から、ディスプレイ、キーボードまたはその他の入力デバイス、および中央プロセッサを有する高度なコンピュータ製品までの範囲であり得る。
【0093】
空間的な相対的用語、たとえば「下(beneath)」、「下(below)」、「下側(lower)」、「上(above)」、および「上側(upper)」などは、本明細書において、図面に示される1つの構成要素または特徴と別の構成要素(単数または複数)または特徴(単数または複数)との関係を説明するための記載を容易にするために用いられ得る。空間的な相対的用語は、図面に示される向きに加えて、使用または動作におけるデバイスの異なる向きも包含することが意図されることが理解されるだろう。たとえば、図面におけるデバイスが回転されるとき、他の構成要素または特徴の「下(below)」または「下(beneath)」にあると記載された構成要素が、それによって他の構成要素または特徴の「上(above)」に方向付けられるだろう。よって、「下」という用語は上および下の両方の向きを包含し得る。デバイスは別様に方向付けられ(90度またはその他の向きに回転され)てもよく、本明細書において用いられる空間的な相対的記述子もそれに応じて解釈され得る。
【0094】
デバイスと、デバイスを製作する方法との好ましい実施形態(これらは限定的ではなく例示的であることが意図される)を説明したが、上記の教示に照らして当業者が修正および変更を行い得ることを注記する。したがって、開示される特定の実施形態において、添付の請求項によって概説される本発明の範囲内にある変更が行われてもよいことが理解されるべきである。本発明のこうして記載される態様ならびに特許法によって要求される細部および詳細を有して、請求されかつ特許証による保護が望まれる事項が添付の請求項に示されている。