(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】改善されたパフォーマンスのためのユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施するための方法、コンピュータ・システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/34 20060101AFI20240131BHJP
G06F 9/445 20180101ALI20240131BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240131BHJP
【FI】
G06F11/34 138
G06F9/445
G06N20/00
(21)【出願番号】P 2023006987
(22)【出願日】2023-01-20
(62)【分割の表示】P 2020513282の分割
【原出願日】2018-09-19
【審査請求日】2023-01-30
(32)【優先日】2017-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ウォード、マリア
(72)【発明者】
【氏名】フーバー、サラ、ウェイド
(72)【発明者】
【氏名】アダムス、トーマス、ノース
(72)【発明者】
【氏名】パルティ、メグナ
【審査官】山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/122013(WO,A1)
【文献】特開2014-112321(JP,A)
【文献】特開2016-212793(JP,A)
【文献】Watsonは単なる「質問応答システム」にあらず 担当CTOが語るその全貌と最終ゴール,NIKKEI Robotics,日本,日経BP社,2015年08月10日,第2号,pp.12-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/34
G06F 9/445
G06N 3/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、ライブデータ監視、機械学習及びデータ認知解析制御と、を含むコンピュータ・システムにおいて行われる、機械学習及び認知解析に基づいた、複数の外部アプリケーションのためのユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施する方法であって、
前記プロセッサが、前記ライブデータ監視、機械学習及びデータ認知解析制御を用いて、
複数のユーザ授与アクセス許諾を受け取って、複数の外
部アプリケーションからのライブデータを監視することと、
前記ユーザ授与アクセス許諾を用いて、ネットワーク・インターフェースを介して
インターネットを通じて、
複数の第2のコンピュータ・システムから、前記複数の外
部アプリケーションからのライブデータを、個別にアクセスして取得することと、
ユーザからの明示の入力を伴わずに、機械学習及び認知解析を用いて、取得した前記ライブデータを解析して、前記ユーザ・プロファイルを変更することにより、変更されたユーザ・プロファイルを生成することと、
前記ユーザについての前記変更されたユーザ・プロファイルを自動的に格納することと、
前記変更されたユーザ・プロファイルを、
前記複数の外部アプリケーションで用いるために、前記ネットワーク・インターフェースを介して
インターネットを通じて、前記複数の
第2のコンピュータ・システムに対して自動的にデプロイすることと、
を行うことを含む、方法。
【請求項2】
アクセス許諾が授与された前記外部アプリケーションは、前記ユーザからの更なる手動入力を伴わずに動的に監視される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ライブデータを監視することが、システム及びユーザ・メトリックを監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
システム及びユーザ・メトリックを監視することが、ソーシャルメディア、オンライン購入履歴、及びユーザ・アプリケーションのうちの少なくとも1つを監視することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記外部アプリケーションは、ユーザの電子メール及びユーザのカレンダーのうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
機械学習及び認知解析を用いて前記ライブデータを解析することは、認知アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を介して実時間データを解析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の外部アプリケーションからのライブデータを監視することは、前記ライブデータから、認知プロセスを介したデータ解析によってユーザの好みを予測することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の外部アプリケーションからのライブデータを監視することは、ユーザの興味及び好みを識別することに基づいてユーザ・プロファイル更新を自動的に選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセッサが前記変更されたユーザ・プロファイルを前記複数の外部アプリケーションに対して自動的にデプロイすることは、前記ユーザ授与アクセス許諾を用いることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
機械学習及び認知解析に基づいた、複数の外部アプリケーションのためのユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施するためのコンピュータ・システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと通信するように結合されたネットワーク・インターフェースと、
ライブデータ監視、機械学習及びデータ認知解析制御と、
を含み、
前記プロセッサは、前記制御を用いて、
複数のユーザ授与アクセス許諾を受け取って、複数の外
部アプリケーションからのライブデータを監視することと、
前記ユーザ授与アクセス許諾を用いて、前記ネットワーク・インターフェースを介して
インターネットを通じて、
複数の第2のコンピュータ・システムから、前記複数の外
部アプリケーションからのライブデータを、個別にアクセスして取得することと、
ユーザからの明示の入力を伴わずに、機械学習及び認知解析を用いて、取得した前記ライブデータを解析して、前記ユーザ・プロファイルを変更することにより、変更されたユーザ・プロファイルを生成することと、
前記ユーザについての前記変更されたユーザ・プロファイルを自動的に格納することと、
前記変更されたユーザ・プロファイルを、
前記複数の外部アプリケーションで用いるために、前記ネットワーク・インターフェースを介して
インターネットを通じて、前記複数の
第2のコンピュータ・システムに対して自動的にデプロイすることと、
を行う、コンピュータ・システム。
【請求項11】
コンピュータ可読媒体に格納された制御コードを含み、前記プロセッサは、前記制御コードを用いて前記ユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施する、請求項10に記載のコンピュータ・システム。
【請求項12】
アクセス許諾が授与された前記外部アプリケーションは、前記ユーザからの更なる手動入力を伴わずに動的に監視される、請求項10に記載のコンピュータ・システム。
【請求項13】
前記プロセッサが複数の外部アプリケーションからのライブデータを監視することは、前記プロセッサが、システム及びネットワーク・ユーザ・メトリックを監視することを含む、請求項10に記載のコンピュータ・システム。
【請求項14】
前記プロセッサがシステム及びネットワーク・ユーザ・メトリックを監視することは、前記プロセッサが、ソーシャルメディア、オンライン購入履歴、及びユーザ・アプリケーションのうちの少なくとも1つを監視することを含む、請求項13に記載のコンピュータ・システム。
【請求項15】
前記外部アプリケーションは、ユーザの電子メール及びユーザのカレンダーのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコンピュータ・システム。
【請求項16】
機械学習及び認知解析を用いて前記ライブデータを解析することは、認知アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を介して実時間データを解析することを含む、請求項10に記載のコンピュータ・システム。
【請求項17】
前記複数の外部アプリケーションからのライブデータを監視することは、前記ライブデータから、認知プロセスを介したデータ解析によってユーザの好みを予測することを含む、請求項10に記載のコンピュータ・システム。
【請求項18】
前記複数の外部アプリケーションからのライブデータを監視することは、ユーザの興味及び好みを識別することに基づいてユーザ・プロファイル更新を自動的に選択することを含む、請求項10に記載のコンピュータ・システム。
【請求項19】
前記プロセッサが前記変更されたユーザ・プロファイルを前記複数の外部アプリケーションに対して自動的にデプロイすることは、前記ユーザが活動を行い続けることと、前記ユーザが、デプロイされた前記変更されたユーザ・プロファイルに基づく提案を受けることと、を含む、請求項10に記載のコンピュータ・システム。
【請求項20】
前記プロセッサが前記変更されたユーザ・プロファイルを前記複数の外部アプリケーションに対して自動的にデプロイすることは、前記ユーザ授与アクセス許諾を用いることを含む、請求項10に記載のコンピュータ・システム。
【請求項21】
コンピュータ・プログラムであって、コンピュータ・システムにロードされて実行されたとき、該コンピュータ・システムに、請求項1から請求項9のいずれかによる方法のすべてのステップを行わせる、コンピュータ・プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータ・プログラムを格納したコンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にデータ処理分野に関し、より具体的には、機械学習及び認知解析に基づいた、ユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施するための方法及びコンピュータ・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ・プロファイルは、典型的には、ユーザのアイデンティティの明示的なデジタル表現を含み、特定のユーザに関連付けられたデータの視覚的表示を可能にする。
【0003】
ユーザ・プロファイルは、静的である場合が多く、ユーザが手動で変更するまでは変化しない。このため、時間が経つにつれてユーザ・プロファイルの初期の意図と比べて有用性及び関連性が低くなった、古い不正確な情報になることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザ・プロファイルを機械学習及び認知解析に基づいて動的かつ自動的に変更することによってユーザ・パフォーマンスを改善する、効果的な機構が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の主要な態様は、機械学習及び認知解析に基づいたユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施して、ユーザ・パフォーマンスを改善するための、方法、コンピュータ・システム、及びコンピュータ・プログラム製品を提供することである。本発明の他の重要な態様は、ネガティブな影響を実質的に伴わずに、従来技術の機構の短所のいくつかを克服する、かかる方法及びシステムを提供することである。
【0006】
要するに、機械学習及び認知解析に基づいた動的かつ自動的なユーザ・プロファイルの変更を実施して、ユーザ・パフォーマンスを改善するための、コンピュータ実施方法、コンピュータ・システム、及びコンピュータ・プログラム製品が提供される。ユーザ・プロファイルは、ユーザからの明示の入力を伴わずに、機械学習及び認知アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)を用いて、複数の外部データソースからのライブデータに基づいて動的に変更される。ユーザについての変更されたユーザ・プロファイルは、自動的に格納される。格納されたユーザ・プロファイルは、複数の選択されたユーザ・アプリケーションに対してデプロイされ、ユーザに対する強化されたパフォーマンスを可能にする。
【0007】
本発明の特徴によれば、ライブデータは、ソーシャルメディア、オンライン購入履歴、及びアプリケーションといった、被監視システム及びネットワーク・ユーザ・メトリックを含む。
【0008】
本発明の特徴によれば、学習された使用パターンが、ユーザ・プロファイルの変更に用いられる。
【0009】
本発明の特徴によれば、ユーザは、あらかじめ定義された外部データソースに対するアクセスを許可し、アクセス許諾が授与された外部データソースは、ユーザからの更なる手動入力を伴わずに動的に監視される。
【0010】
本発明の特徴によれば、被監視実時間データの履歴トレンド解析が、ユーザ・プロファイルの変更に用いられる。
【0011】
本発明の特徴によれば、許可されたデータソースからの、認知プロセスを介したデータ解析によって、ユーザの好みを効果的に予測する能力が提供される。
【0012】
本発明の特徴によれば、ライブデータは、電子メール及びユーザのカレンダーといった被監視アプリケーションを含む。
【0013】
本発明の特徴によれば、ユーザ・プロファイル更新は、識別されたユーザの興味及び好みに基づいて自動的に選択され、最適なパフォーマンスを可能にする。
【0014】
本発明の特徴によれば、被監視実時間データは、例えば、Watson、並びにAlchemy Language、Concept Insights、Dialog、及びVisual Insightsのような他の選択された認知APIを介して、解析される。
【0015】
本発明は、上記及び他の目的及び利点と共に、以下の、図面に示された本発明の好ましい実施形態の詳細な説明から、最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態による、機械学習及び認知解析に基づいたユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施するための、例示的なコンピュータ・システムを示す。
【
図2】本発明の実施形態による、クラウド・コンピューティング環境を示す。
【
図3】本発明の実施形態による、抽象化モデル層を示す。
【
図4】本発明の実施形態による、機械学習及び認知解析に基づいたユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施するための、例示的な動作を示すフローチャートである。
【
図5】機械に基づいてユーザ・プロファイルを動的かつ自動的な変更を実施するための、更なる例示的な動作を示すフローチャートである。
【
図6】好ましい実施形態による、コンピュータ・プログラム製品を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の本発明の実施形態の詳細な説明において、本発明を実施することができる例示的な実施形態を示す添付図面を参照する。他の実施形態を利用することができること、及び本発明の範囲から逸脱することなく構造的な変更を行うことができることを理解されたい。
【0018】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としたものであり、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、前後関係から明らかに別の意味を示さない限り、複数形態も含むことを意図する。更に、本明細書内で使用する場合に、「備える、含む」及び/又は「備えている、含んでいる」という用語は、そこに述べた特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定しているが、1つ又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はそれらの群の存在又は付加を排除するものではないことは理解されるであろう。
【0019】
本開示はクラウド・コンピューティングについての詳細な説明を含むが、本明細書に記載される教示の実施は、クラウド・コンピューティング環境に限定されないことを理解されたい。むしろ、本発明の実施形態は、現在既知の又は後で開発される他のあらゆるタイプのコンピューティング環境と共に実施することができる。
【0020】
クラウド・コンピューティングは、最小限の管理労力又はサービス・プロバイダとの対話で迅速にプロビジョニング及び解放することができる構成可能なコンピューティング・リソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、及びサービス)の共有プールへの、便利なオンデマンドのネットワーク・アクセスを可能にするためのサービス配信のモデルである。
このクラウド・モデルは、少なくとも5つの特徴、少なくとも3つのサービス・モデル、及び少なくとも4つのデプロイメント・モデルを含むことができる。
【0021】
特徴は、以下の通りである。
オンデマンド・セルフサービス:クラウド・コンシューマは、必要に応じて、サーバ時間及びネットワーク・ストレージ等のコンピューティング機能を、人間がサービスのプロバイダと対話する必要なく自動的に、一方的にプロビジョニングすることができる。
広範なネットワーク・アクセス:機能は、ネットワーク上で利用可能であり、異種のシン又はシック・クライアント・プラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、及びPDA)による使用を促進する標準的な機構を通じてアクセスされる。
リソース・プール化:プロバイダのコンピューティング・リソースは、マルチ・テナント・モデルを用いて、複数のコンシューマにサービスを提供するためにプールされ、異なる物理及び仮想リソースが要求に応じて動的に割り当て及び再割り当てされる。コンシューマは、一般に、提供されるリソースの正確な位置についての制御又は知識を持たないという点で、位置とは独立しているといえるが、より抽象化のレベルの高い位置(例えば、国、州、又はデータセンタ)を指定できるようにすることができる。
迅速な弾力性:機能を、迅速かつ弾力的に、場合によっては自動的に、プロビジョニングしてすばやくスケールアウトし、迅速に解放して素早くスケールインすることができる。コンシューマにとって、プロビジョニングに利用可能な機能は、多くの場合、無制限であるように見え、いつでもどんな量でも購入できる。
計測されるサービス:クラウド・システムは、サービスのタイプ(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、及びアクティブなユーザ・アカウント)に適した何らかの抽象化レベルでの計量機能を用いることによって、リソースの使用を自動的に制御及び最適化する。リソース使用を監視し、制御し、報告して、利用されるサービスのプロバイダとコンシューマの両方に対して透明性を提供することができる。
【0022】
サービス・モデルは以下の通りである。
Software as a Service(SaaS):コンシューマに提供される機能は、クラウド・インフラストラクチャ上で動作するプロバイダのアプリケーションを使用することである。これらのアプリケーションには、ウェブ・ブラウザ(例えば、ウェブ・ベースの電子メール)などのシン・クライアント・インターフェースを通じて、種々のクライアント・デバイスからアクセス可能である。コンシューマは、限定されたユーザ固有のアプリケーション構成設定を想定される例外として、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、ストレージ、又は個々のアプリケーション機能をも含めて、基礎をなすクラウド・インフラストラクチャを管理又は制御しない。
Platform as a Service(PaaS):コンシューマに提供される機能は、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語及びツールを用いて生成された、コンシューマ作成又は取得のアプリケーションを、クラウド・インフラストラクチャ上にデプロイすることである。コンシューマは、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、又はストレージを含む基礎をなすクラウド・インフラストラクチャを管理又は制御しないが、デプロイされたアプリケーション、及び場合によってはアプリケーション・ホスティング環境構成に対する制御を有する。
Infrastructure as a Service(IaaS):コンシューマに提供される機能は、コンシューマが、オペレーティング・システム及びアプリケーションを含み得る任意のソフトウェアをデプロイして動作させることができる、処理、ストレージ、ネットワーク、及び他の基本的なコンピューティング・リソースをプロビジョニンングすることである。コンシューマは、基礎をなすクラウド・インフラストラクチャを管理又は制御しないが、オペレーティング・システム、ストレージ、デプロイされたアプリケーションに対する制御、及び場合によってはネットワーク・コンポーネント(例えば、ホストのファイアウォール)選択に対する限定された制御を有する。
【0023】
デプロイメント・モデルは以下の通りである。
プライベート・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、一組織のためだけに運営される。これは、その組織又は第三者によって管理することができ、オンプレミス又はオフプレミスに存在することができる。
コミュニティ・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、幾つかの組織によって共有され、共通の関心事項(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシー、及びコンプライアンス上の考慮事項)を有する特定のコミュニティをサポートする。これは、それらの組織又は第三者によって管理することができ、オンプレミス又はオフプレミスに存在することができる。
パブリック・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、一般公衆又は大規模な業界グループによって利用可能であり、クラウド・サービスを販売する組織によって所有される。
ハイブリッド・クラウド:クラウド・インフラストラクチャは、固有のエンティティのままであるが、データ及びアプリケーションのポータビリティを可能にする標準化技術又は専用技術(例えば、クラウド間の負荷平衡のためのクラウド・バースティング)によって互いに結び付けられた、2つ以上のクラウド(プライベート、コミュニティ、又はパブリック)の組合せである。
【0024】
クラウド・コンピューティング環境は、サービス指向であり、ステートレス性、低結合性、モジュール性、及びセマンティック相互運用性に焦点を置く。クラウド・コンピューティングの中心は、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャがある。
【0025】
本発明の特徴によれば、ユーザ・パフォーマンスを改善するための、機械学習及び認知解析に基づいた動的かつ自動的なユーザ・プロファイルの変更を実施するための方法及びシステムが提供される。ユーザ・プロファイルは、ユーザからの明示の入力を伴わずに、機械学習及び認知アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)を用いて、複数の外部データソースからのライブデータに基づいて動的に変更される。ユーザについての変更されたユーザ・プロファイルは、自動的に格納される。格納されたユーザ・プロファイルは、複数の選択されたユーザ・アプリケーションに対してデプロイされ、ユーザに対する強化されたパフォーマンスを可能にする。
【0026】
ここで
図1の図を参照すると、好ましい実施形態による、全般的に符号100で示される、機械学習及び認知解析に基づいた動的かつ自動的なユーザ・プロファイルの変更を実施するためのコンピュータ・システムの例が示されている。コンピュータ・システム100は、例えば、例示的なクラウド・コンピューティング・ノードを表す。コンピュータ・システム100は、適切なクラウド・コンピューティング・ノードの単なる一例であり、本明細書で説明される本発明の実施形態の使用及び機能の範囲に関して、いかなる制限をも示唆することを意図しない。コンピュータ・システム100は、多くの他の汎用又は専用コンピューティング・システム環境又は構成と共に動作可能である。コンピュータ・システム100と共に使用するのに好適であり得る周知のコンピューティング・システム、環境、及び/又は構成の例には、パーソナル・コンピュータ・システム、サーバ・コンピュータ・システム、シン・クライアント、シック・クライアント、手持ち式又はラップトップ型デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのシステム、セットトップボックス、プログラム可能民生電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ・システム、メインフレーム・コンピュータ・システム、及び、上述のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散型クラウド・コンピューティング環境などが含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
コンピュータ・システム100は、1つ又は複数のプロセッサ102又は汎用プログラム可能中央処理ユニット(CPU)102、#1-Nを含むことができる。図示されるように、コンピュータ・システム100は、大規模システムに典型的な複数のプロセッサ102を含むが、システム100は単一のCPU102を含むものであってもよい。コンピュータ・システム100は、各プロセッサ102に接続されたキャッシュメモリ104を含む。
【0028】
コンピュータ・システム100は、バス116に接続されたメモリシステム106を含む。メモリシステム106は、プログラムを含めてデータを格納するための、ランダムアクセス半導体メモリを含む。メモリシステム106は、例えば、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、同期直接アクセスメモリ(SDRAM)、現行のダブルデータレート(DDRx)SDRAM、不揮発性メモリ、光学ストレージ、及び他のストレージデバイスで構成される。
【0029】
I/Oバスインタフェース114、及びバス116、118は、種々のシステムコンポーネント間で通信経路を提供する。バス116は、フロントサイドバスと呼ばれることが多いプロセッサ/メモリバスであり、CPU102及びキャッシュ104と、メモリコントローラ108と、I/Oバスインタフェース114との間のデータ転送のためのデータ通信経路を提供する。I/Oバスインタフェース114は、種々のI/Oユニットとの間でデータを転送するシステムI/Oバス118に更に結合される。
【0030】
図示されるように、コンピュータ・システム100は、第1のプリンタ/ファックス116A及び第2のプリンタ116BのようなI/Oデバイスに結合されるI/Oデバイス・インタフェース115と、直接アクセスストレージデバイス(DASD)122及びCD-ROM124のようなストレージデバイスに結合されるストレージ・インタフェース120とを含む。コンピュータ・システム100は、複数の端末128、#1-Mに結合される端末インタフェース126と、インターネット、ローカルエリア又は他のネットワークのようなネットワーク132に結合されるネットワーク・インタフェース130とを含む。ネットワーク132は、1つ又は複数のコンピュータ・システム133に結合される。
【0031】
I/Oバス・インタフェース114は、システムI/Oバス118を通じて、I/Oプロセッサ(IOP)又はI/Oアダプタ(IOA)としても知られる複数のI/Oインタフェースユニット115、120、126及び130と通信する。システムI/Oバス118は、例えば、業界標準のPCIバス、又は他の適切なバス技術である。
【0032】
メモリシステム106は、好ましい実施形態によれば、ライブデータ監視制御140を含む。メモリシステム106は、好ましい実施形態によれば、ユーザが授与したアクセスを有する外部データソース142と、データ機械学習及び認知解析制御144と、更新されたユーザ・プロファイルを用いるためのユーザ・プロファイル・ストレージ及び制御146とを含む。メモリシステム106は、好ましい実施形態によれば、更新されたユーザ・プロファイルを用いるためのユーザ・プロファイル・ストレージ及び制御146を含み、例えば、更新されたユーザ・プロファイルを格納し、複数の選択されたユーザ・アプリケーションに対してデプロイして、ユーザに対する強化されたパフォーマンスを可能にする。
【0033】
本発明の特徴によれば、ユーザについてのソーシャルメディア、購入履歴、及びアプリケーションといったシステム及びユーザ・メトリックのライブデータ監視140に基づいて、最適なパフォーマンスのための機械学習及び認知解析に基づいたユーザ・プロファイルの動的かつ自動的変更が提供される。ユーザ・プロファイルは、複数の外部データソースからキャプチャされ解析されたデータを介して、実時間で動的に更新される。
【0034】
本発明の特徴によれば、許可されたデータソースからの、認知プロセスを介したデータ解析によって、ユーザの好みを効果的に予測する能力が提供される。ユーザ・プロファイル更新は、ユーザからの明示的な入力を伴わずに、機械学習及び認知アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)を用いて自動的に選択される。ユーザ・プロファイル更新は、識別されたユーザの興味及び好みに基づいて自動的に選択され、最適なパフォーマンスを可能にする。
【0035】
コンピュータ・システム100は、本発明を理解するのに十分な、簡略化された形態で示されている。図示した例示的なコンピュータ・システム100は、アーキテクチャ又は機能の制限を含意することを意図したものではない。本発明は、クラウド・システムのような、種々のハードウェア実装及びシステム、並びに種々の内部ハードウェアデバイスと共に用いることができる。
【0036】
図2を参照すると、例示的なクラウド・システム200が描かれている。図示されているように、1つ又は複数のクラウド・コンピューティング・ノード202がクラウド・コンピューティング環境204に含まれ、これと、例えばパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)又は携帯電話206A、デスクトップ・コンピュータ206B、ラップトップ・コンピュータ206C、及び/又は自動車コンピュータ・システム206Nなどのような、クラウド・コンシューマによって用いられるローカル・コンピューティング・デバイスが通信することができる。ノード202は、互いに通信することができる。これらを、物理的又は仮想的にグループ化(図示せず)して、上述のようなプライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、パブリック・クラウド、若しくはハイブリッド・クラウド、又はこれらの組み合わせのような、1つ又は複数のネットワークにすることができる。このことは、クラウド・コンピューティング環境202が、クラウド・コンシューマがローカル・コンピューティング・デバイス上にリソースを保持する必要のないサービスとしてインフラストラクチャ、プラットフォーム、及び/又はソフトウェアを提供することを可能にする。
図2に示されるコンピューティング・デバイス206A~Nのタイプは単に例示であることを意図し、コンピューティング・ノード202及びクラウド・コンピューティング環境204は、あらゆるタイプのネットワーク及び/又はネットワーク・アドレス指定可能な接続上で(例えば、ウェブ・ブラウザを用いて)、あらゆるタイプのコンピュータ化された装置と通信できることを理解されたい。
【0037】
ここで
図3を参照して、
図2のクラウド・コンピューティング環境202によって提供される機能抽象化層の組300を示す。
図3に示されるコンポーネント、層及び機能は、単なる例証を意図したものであり、本発明の実施形態はそれらに限定されないことを予め理解されたい。図示されるように、以下の層及び対応する機能が提供される。
【0038】
ハードウェア及びソフトウェア層302は、ハードウェア及びソフトウェアのコンポーネントを含む。ハードウェア・コンポーネントの例は、メインフレーム304、RISC(Reduced Instruction Set Computer(縮小命令セット・コンピュータ))アーキテクチャ・ベースのサーバ306、サーバ308、ブレードサーバ310、ストレージデバイス312、及びネットワーク及びネットワーキング・コンポーネント312を含む。いくつかの実施形態において、ソフトウェア・コンポーネントは、ネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア316及びデータベース・ソフトウェア318を含む。
【0039】
仮想化層320は、仮想エンティティティの以下の例、すなわち、仮想サーバ322、仮想ストレージ324、仮想プライベート・ネットワークを含む仮想ネットワーク326、仮想アプリケーション及びオペレーティング・システム328、並びに仮想クライアント330を提供することができる抽象層を提供する。
【0040】
一例において、管理層340は、以下で説明される機能を提供することができる。リソース・プロビジョニング342は、クラウド・コンピューティング環境内でタスクを行うために利用されるコンピューティング・リソース及び他のリソースの動的な調達を提供する。計量及び価格設定344は、クラウド・コンピューティング環境内でリソースが利用されたときの費用追跡と、これらのリソースの消費に対する課金又は請求とを提供する。一例において、これらのリソースは、アプリケーション・ソフトウェア・ライセンスを含むことができる。セキュリティは、クラウド・コンシューマ及びタスクについての識別検証、並びにデータ及び他のリソースに対する保護を提供する。ユーザ・ポータル346は、コンシューマ及びシステム管理者に対してクラウド・コンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービスレベル管理348は、必要なサービスレベルが満たされるようにクラウド・コンピューティング・リソースの割当て及び管理を提供する。サービスレベル・アグリーメント(SLA)計画及び履行350は、SLAに従って将来的な必要性が予測されるクラウド・コンピューティング・リソースの事前配置及び調達を提供する。
【0041】
ワークロード層360は、クラウド・コンピューティング環境を利用することができる機能の例を提供する。この層から提供することができるワークロード及び機能の例は、マッピング及びナビゲーション362、ソフトウェア開発及びライフサイクル管理364、仮想教室教育配信366、データ解析処理368、トランザクション処理370、並びに好ましい実施形態の動的かつ自動的なユーザ・プロファイル更新及び処理372を含む。
【0042】
本発明の特徴によれば、ユーザ・プロファイルは、ユーザからの明示の入力を伴わずに、機械学習及び認知アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)を用いて、複数の外部データソースからのライブデータに基づいて動的に変更される。ユーザについての変更されたユーザ・プロファイルは、自動的に格納される。格納されたユーザ・プロファイルは、複数の選択されたユーザ・アプリケーションに対してデプロイされ、ユーザに対する強化されたパフォーマンスを可能にする。
【0043】
本発明の特徴によれば、ユーザは、あらかじめ定義された外部データソースへのアクセスを許可し、アクセス許諾が授与された外部データソースは、ユーザからの更なる手動入力を伴わずに動的に監視される。
【0044】
本発明の特徴によれば、ライブデータは、ソーシャルメディア、オンライン購入履歴、及びアプリケーションといった、被監視システム及びネットワーク・ユーザ・メトリックを含む。被監視実時間データの履歴トレンド解析が、ユーザ・プロファイルの変更のために適用される。
【0045】
本発明の特徴によれば、許可されたデータソースからの、認知プロセスを介したデータ解析によって、ユーザの好みを効果的に予測する能力が提供され、ユーザ・プロファイルを変更するために用いられる。
【0046】
図4及び
図5を参照すると、好ましい実施形態による、機械学習及び認知解析に基づいたユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更を実施するための、例示的な動作が示される。
図4において、動作は、ブロック400に示すように、ユーザが、経時的に動的に学習するベースライン情報を有する初期プロファイルを作成することで開始する。ブロック402に示すように、ユーザは、外部アプリケーション、ソーシャルメディア、及びデータソースに対するアクセスを授与する。ブロック404に示すように、外部アプリケーション、ソーシャルメディア、及びデータソースの実時間監視が行われ、データを収集する。実時間監視の例を
図5に示す。決定ブロック406に示すように、キャプチャされたデータの機械学習及び認知解析を用いてデータ解析を行い、このデータ解析が、ユーザ・プロファイルの動的かつ自動的な変更のために用いられる。例えば、Watson及び他の選択された認知APIシステムを介したデータ解析は、知覚した興味に基づいた特定のコンテンツ提案を提供するために、機械学習技術を利用して、多様なフォーラムの中でユーザの使用パターン及び好みを認識する。Watson及び他の選択された認知アプリケーションプログラムインタフェース(API)のうち少なくとも1つを介したデータ解析は、例えば、Alchemy Language、Concept Insights、Dialog、及びVisual Insightsのうちの少なくとも1つを介して実時間データを解析することを含む。本発明のアプリケーション又はシステムは、ブロック408に示すように、更新されたユーザ・プロファイルを保存し、解析に基づいてユーザに提案を提供する。システムは、ユーザ・プロファイルを更新するために、ユーザからの付加的な手動入力を必要とせず、その代わり、ユーザの通常の日々の活動を監視し、使用する。決定ブロック410に示すように、システムは、複数の選択されたユーザ・アプリケーションに対して、更新されたユーザ・プロファイルをデプロイし、更新されたユーザ・プロファイルを出力して、強化されたパフォーマンスを可能にする。
【0047】
図5において、監視動作は、ブロック500に示すように開始し、例えば、ブロック502に示すように電子メール、Google、Facebook、active.com、Yelp、Spotify、Pandora、iTunes等のようなソーシャルメディアを監視することを含む。ブロック504に示すように、Fandango、Ticket Master、eBay、Amazon、クレジットカードといった、オンライン購入及び購入履歴の監視が行われる。ブロック506に示すように、電子メール及びカレンダーといったアプリケーションの監視が行われる。ブロック508に示すように、
図4のブロック406におけるWatson及び選択された認知APIを介した実時間解析のために、システムに対する、キャプチャされたデータの出力が提供される。複数のソースからの監視は、ブロック510に示すように続く。
【0048】
図6を参照して、本発明の製品又はコンピュータ・プログラム製品600を示す。コンピュータ・プログラム製品600は、フロッピーディスク、光学的に読み出されるコンパクトディスク若しくはCD-ROMの形態の高容量読出し専用メモリ、テープ、又は他の同様のコンピュータ・プログラム製品のような記録媒体602を含む、非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体上で具体化される。記録媒体602は、好ましい実施形態により、コンピュータ・システム100並びに
図2及び
図3のクラウド・システム200においてユーザ・パフォーマンスを改善するために、機械学習及び認知解析に基づいてユーザ・プロファイルの動的かつ自動的変更を実施するための方法を実行するためのプログラム手段604、606、608、及び610を、媒体602上に格納する。
【0049】
記録されたプログラム手段604、606、608、及び610によって定義されるプログラム命令のシーケンス又は1つ若しくは複数の相互関連したモジュールの論理アセンブリは、コンピュータ・システム100及びクラウド・システム200に、好ましい実施形態の最適なパフォーマンスのためのユーザ・プロファイルの動的かつ自動的更新を実施させるように仕向ける。
【0050】
本発明を、図面に示した本発明の実施形態の詳細を参照して説明してきたが、これらの詳細は、添付の特許請求の範囲で請求される本発明の範囲を限定すること意図しない。
【符号の説明】
【0051】
100:コンピュータ・システム
200:クラウド・システム
300:抽象化層の組