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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】六角形セグメント製造用型枠
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/08 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
E21D11/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020035237
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021139113
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英典
(72)【発明者】
【氏名】川内 大輔
(72)【発明者】
【氏名】杉村 晋之介
(72)【発明者】
【氏名】大川 俊紀
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-272113(JP,A)
【文献】特開平08-020013(JP,A)
【文献】特開2001-353728(JP,A)
【文献】特開2001-353727(JP,A)
【文献】特開2002-254480(JP,A)
【文献】特開平10-082294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切羽側軸方向接合面及び坑口側軸方向接合面と、これらの一対の軸方向接合面の両側の端部を各々連結するようにしてV字形状に配置される、切羽側斜め接合面及び坑口側斜め接合面からなる一対のV字状周方向接合面とを備える六角形セグメントを、コンクリートを流し込んで硬化させることにより形成するための六角形セグメント製造用型枠において、
前記六角形セグメントの内周面に沿った湾曲形状部分を備える底板部と、該底板部の両側の側縁部に各々立設して配置された、前記切羽側軸方向接合面に沿った湾曲形状部分を備える切羽側側板部、及び前記坑口側軸方向接合面に沿った湾曲形状部分を備える坑口側側板部と、前記底板部の両側の端縁部に各々立設して配置された、前記V字状周方向接合面に沿ったV字形状部分を備える一対の端板部と、これらの底板部、側板部、及び端板部を下方から一体として支持する基台部とを含んで構成されており、
前記切羽側側板部及び前記坑口側側板部は、前記基台部に支持されて設けられた側板進退機構を介して、互いに接近及び離間する方向に各々進退可能に配置されていると共に、前記一対の端板部は、前記基台部に支持されて設けられた端板進退機構を介して、前記底板部に対して接近及び離間する方向に各々進退可能に配置されており、
前記端板進退機構は、前記端板部の進退方向に直線状に延設して設けられたスライドガイド軸及び前記端板部に固定された状態で前記スライドガイド軸に沿ってスライド移動可能に設けられた軸受からなる進退ガイド部と、前記一対の端板部を進退させる進退操作部とを含んで構成されており、
前記進退ガイド部の前記スライドガイド軸は、形成される前記六角形セグメントの前記V字状周方向接合面の各接合面が交差する部分である交差辺部と垂直に且つ当該六角形セグメントの湾曲する長さ方向に沿った接線方向に延設して配置されて、一端部が前記底板部に固定されると共に他端部が前記基台部に固定された状態で取り付けられており、
前記軸受が前記スライドガイド軸に沿ってスライド移動することにより、前記端板部は、前記交差辺部と垂直に且つ前記六角形セグメントの湾曲する長さ方向に沿った接線方向に進退する六角形セグメント製造用型枠。
【請求項2】
前記端板進退機構の前記進退操作部は、前記端板部における前記V字形状部分の頂部である前記交差辺部の下方部分に設けられており、前記端板進退機構の前記進退ガイド部は、前記進退操作部を挟んだ両側に一対、対称に配置されて、前記端板部における前記V字形状部分の両側の斜辺部の下方部分に各々設けられている請求項1に記載の六角形セグメント製造用型枠。
【請求項3】
前記進退ガイド部の前記スライドガイド軸は、円柱状又は円筒状のシャフト部材となっており、前記軸受は、円筒状の転がり軸受となっている請求項1又は2に記載の六角形セグメント製造用型枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、六角形セグメント製造用型枠に関し、特に、切羽側軸方向接合面及び坑口側軸方向接合面と、一対のV字状周方向接合面とを備える六角形セグメントを形成するための六角形セグメント製造用型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
都市部や平野部において各種のトンネルを構築する方法として、シールド掘進機によるシールド工法が広く採用されている。シールド工法は、シールド掘進機の先端の切羽面を、泥土、泥水、圧気等により押さえ付けつつカッターによって地山を掘削すると共に、シールド掘進機の後方に、トンネルの軸方向及び周方向に連設してセグメントを順次組み付けることによって、トンネルの内周面を覆う覆工体を形成し、組み付けられた覆工体の前端部に、シールドジャッキを押し付けることにより反力を得ながら、発進立坑から到達立坑に向けて、トンネルを地中に構築してゆく工法である。
【0003】
近年、工事の効率化等を図る観点から、トンネルの内周面を覆う覆工体を構成するセグメントとして、一般に用いられる矩形状の平面形状を備えるセグメントに換えて、六角形状の平面形状を備える六角形セグメントを用いたシールド工法が採用される場合がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。六角形セグメントは、平行に配置された切羽側軸方向接合面及び坑口側軸方向接合面と、これらの軸方向接合面の両側の端部を各々連結するようにしてV字形状に配置された、切羽側斜め接合面及び坑口側斜め接合面からなる一対のV字状周方向接合面とを備えている(図1参照)。六角形セグメントは、トンネルの掘進方向後方側に先行して組み付けられた六角形セグメントの切羽側軸方向接合面及び切羽側斜め接合面に、トンネルの掘進方向前方側に後続して組み付けられる六角形セグメントの坑口側軸方向接合面及び坑口側斜め接合面を各々重ね合わせつつ、各々の六角形セグメントにおける、トンネルの掘進方向前方側の半分の部分である等脚台形状部分を、交互に突出させながら、トンネルの軸方向及び周方向にハニカム状に配置されて順次組み付けられてゆくことになる(例えば、特許文献3、図4参照)。
【0004】
また、六角形セグメントを用いたシールド工法では、六角形セグメントの交互に突出する等脚台形状部分の切羽側軸方向接合面にシールドジャッキを押し当てて、反力を取りつつシールド掘進機を掘進させながら、これと並行して、シールドジャッキを押し当てた隣接する等脚台形状部分の間の領域において、後続する六角形セグメントを組み付ける作業を行うことができるので(例えば、特許文献3、図4参照)、矩形状の平面形状を備えるセグメントを用いたシールド工法のように、シールド掘進機を掘進させる工程を一リング毎に中断してセグメントの組立て作業を行うことなく、六角形セグメントを組み付けながら、シールド掘進機の掘進を連続して行うことで、効率良くシールド工事を行ってゆくことが可能になる。
【0005】
さらに、六角形セグメントを用いたシールド工法では、隣接する六角形セグメントの間の連結は、切羽側軸方向接合面や、坑口側軸方向接合面や、切羽側斜め接合面や、坑口側斜め接合面による接合面の間を貫通して取り付けられる、連結ボルトを用いて行なうようになっているので(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)、矩形状の平面形状を備えるセグメントによる覆工体の内周面に現れるような、連結ボルトの締結作業を行うためのボルトボックス等による凹凸が、六角形セグメントによる覆工体の内周面には形成されないようにすることが可能になる。またこれによって、覆工体の内周面を平滑な状態に保持することができるので、好ましくは内側面に防食層を施した六角形セグメントによる覆工体の内側に、さらに二次覆工を施工する必要がなく、六角形セグメントによる覆工体の内周面をそのままトンネルの内周面として用いて、構築したシールドトンネルを、例えば水を流通させる、下水道用の管渠や、雨水を一時的に貯留する貯水池用のトンネルとして有効に活用することが可能になる。
【0006】
このような六角形セグメントは、好ましくはコンクートを用いて形成されたコンクート製のセグメントとなっており、特に互いに接合される切羽側軸方向接合面、坑口側軸方向接合面、及び一対のV字状周方向接合面については、精度良く形成する必要があることから、このための六角形セグメント製造用型枠が開発されている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
特許文献4に記載の六角形セグメント製造用型枠は、底板部と、この底板部上にコンクリート打設空間を形成するように立設される、六角形セグメントの両側部を形成する一対の側板部と、六角形セグメントの両端部を形成する一対の端板部とを備えており、一対の端板部は、端板スライドシャフト、スライドローラピン、下板、ガイドレール、台座、ガイドローラ、開閉ボルト等を含む開閉手段によって、各々形成された六角形セグメントから離間する方向へ移動可能に設けられている。
【0008】
すなわち、端板部は、端板スライドシャフト及びスライドローラピンによる進退ガイド部によって移動方向を案内された状態で、開閉ボルトを回転させることにより、台座に取り付けられたガイドローラに沿って下板の下面に設けられたガイドレールをスライドさせることで、台座に対して下板を移動させて、六角形セグメントから離間する方向へ後退させることができるようになっている(図5参照)。これによって、特に底板部と端板部との接合角部分において、脱型時に割れや欠けが六角形セグメントに生じないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第2596666号公報
【文献】特開平9-273395号公報
【文献】特許第3253870号公報
【文献】特許第3481769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述の従来の六角形セグメント製造用型枠では、端板部の移動方向を案内する進退ガイド部は、図8に示すように、底板52aの下方の領域において、端板部50の下部に一体として固定されたスラドシャフト51における底板52a側への張出し部51aを、底板部52の支持ブラケット52bに支持された上段及び下段のスライドローラピン53a,53bの間に挟み込まれるようにして配置し、挟み込まれたスラドシャフト51の張出し部51aが、上段及び下段のスライドローラピン53a,53bの間でスライドするようにして、端板部50の進退方向を案内できるようになっている。このため、六角形セグメント製造用型枠が繰り返し使用されると、スラドシャフト51の張出し部51aが、相当の長さで片持ち梁状に張り出していることから疲労により偏心したり偏荷重を生じさせ易くなって、スライ移動するスライドローラピン53a,53bの部分において、横ぶれ(蛇行)したりガタついたりし易くなり、これによって所定の方向に端板部50を精度良く後退させて、形成した六角形セグメントから安定した状態で離間させることが困難になる場合がある。
【0011】
また、特に近年、六角形セグメントを用いて内径の大きな大型のシールドトンネルを構築することが要望されており、個々の六角形セグメントの面積や厚さが大きくなる傾向にあると共に、使用される六角形セグメントの数量も膨大になって、六角形セグメント製造用型枠が繰り返し使用される回数もまた、多数回に及ぶようになっている。このようなことから、六角形セグメント製造用型枠が多数回繰り返し使用された場合でも、より安定した状態で、脱型時に端板部を所定の方向に精度良く後退させて、品質の良好な六角形セグメントを形成できるようにする技術の開発が望まれている。
【0012】
本発明は、多数回繰り返し使用された場合でも、脱型時に端板部を、所定の方向に精度良く、より安定した状態で後退できるようにして、品質の良好な六角形セグメントを形成し続けることのできる六角形セグメント製造用型枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、切羽側軸方向接合面及び坑口側軸方向接合面と、これらの一対の軸方向接合面の両側の端部を各々連結するようにしてV字形状に配置される、切羽側斜め接合面及び坑口側斜め接合面からなる一対のV字状周方向接合面とを備える六角形セグメントを、コンクリートを流し込んで硬化させることにより形成するための六角形セグメント製造用型枠において、前記六角形セグメントの内周面に沿った湾曲形状部分を備える底板部と、該底板部の両側の側縁部に各々立設して配置された、前記切羽側軸方向接合面に沿った湾曲形状部分を備える切羽側側板部、及び前記坑口側軸方向接合面に沿った湾曲形状部分を備える坑口側側板部と、前記底板部の両側の端縁部に各々立設して配置された、前記V字状周方向接合面に沿ったV字形状部分を備える一対の端板部と、これらの底板部、側板部、及び端板部を下方から一体として支持する基台部とを含んで構成されており、前記切羽側側板部及び前記坑口側側板部は、前記基台部に支持されて設けられた側板進退機構を介して、互いに接近及び離間する方向に各々進退可能に配置されていると共に、前記一対の端板部は、前記基台部に支持されて設けられた端板進退機構を介して、前記底板部に対して接近及び離間する方向に各々進退可能に配置されており、前記端板進退機構は、前記端板部の進退方向に直線状に延設して設けられたスライドガイド軸及び前記端板部に固定された状態で前記スライドガイド軸に沿ってスライド移動可能に設けられた軸受からなる進退ガイド部と、前記一対の端板部を進退させる進退操作部とを含んで構成されており、前記進退ガイド部の前記スライドガイド軸は、形成される前記六角形セグメントの前記V字状周方向接合面の各接合面が交差する部分である交差辺部と垂直に且つ当該六角形セグメントの湾曲する長さ方向に沿った接線方向に延設して配置されて、一端部が前記底板部に固定されると共に他端部が前記基台部に固定された状態で取り付けられており、前記軸受が前記スライドガイド軸に沿ってスライド移動することにより、前記端板部は、前記交差辺部と垂直に且つ前記六角形セグメントの湾曲する長さ方向に沿った接線方向に進退する六角形セグメント製造用型枠を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0014】
そして、本発明の六角形セグメント製造用型枠は、前記端板進退機構の前記進退操作部が、前記端板部における前記V字形状部分の頂部である前記交差辺部の下方部分に設けられており、前記端板進退機構の前記進退ガイド部は、前記進退操作部を挟んだ両側に一対、対称に配置されて、前記端板部における前記V字形状部分の両側の斜辺部の下方部分に各々設けられていることが好ましい。
【0015】
また、本発明の六角形セグメント製造用型枠は、前記進退ガイド部の前記スライドガイド軸が、円柱状又は円筒状のシャフト部材となっており、前記軸受は、円筒状の転がり軸受となっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の六角形セグメント製造用型枠によれば、多数回繰り返し使用された場合でも、脱型時に端板部を、所定の方向に精度良く、より安定した状態で後退できるようにして、品質の良好な六角形セグメントを形成し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の好ましい一実施形態に係る六角形セグメント製造用型枠の平面図である。
図2】本発明の好ましい一実施形態に係る六角形セグメント製造用型枠の、図1をX方向から見た側面図である。
図3】本発明の好ましい一実施形態に係る六角形セグメント製造用型枠の、図1をY方向から見た端面図である。
図4】端板進退機構の構成を説明する、図3のA-Aに沿った断面図である。
図5】端板進退機構の進退操作部の構成を説明する、図4のB-Bに沿った断面図である。
図6】端板進退機構の進退ガイド部の構成を説明する、図4のC-Cに沿った断面図である。
図7】本発明の好ましい一実施形態に係る六角形セグメント製造用型枠を用いて形成される六角形セグメントの構成を説明する、(a)は正面図、(b)は(a)をD方向から見た側面図、(c)は(a)をE方向から見た側面図、(d)は(a)をF方向から見た周方向端面図である。
図8】従来の端板進退機構の進退ガイド部の構成を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図3に示す本発明の好ましい一実施形態に係る六角形セグメント製造用型枠10は、六角形セグメント40(図7(a)~(d)参照)として、複数の当該六角形セグメント40をトンネルの軸方向(掘進方向)及び周方向に連設してハニカム状に組み付けることによって、好ましくは雨水を一時的に貯留する貯水池用のシールドトンネルの内周面を覆う覆工体を構成する、コンクリート製の六角形セグメントを形成するための型枠として用いられる。貯水池用のシールドトンネルは、例えば内径が5000mm程度の大きさ円形の大型のトンネルとなっており、トンネルの内周面を覆う覆工体を形成する個々の六角形セグメント40もまた、トンネル軸方向の幅が1000mm程度、トンネル周方向の長さが3000mm程度、厚さが300mm程度の大きさの、大型のものとなっており、且つ多数の六角形セグメント40が用いられるようになっている。本実施形態の六角形セグメント製造用型枠10は、このような多数の六角形セグメント40を形成するために多数回、繰り返し使用された場合でも、品質の良好な六角形セグメントを、精度良く安定した状態で形成し続けることができるようにする機能を備えている。
【0019】
そして、本実施形態の六角形セグメント製造用型枠10は、切羽側軸方向接合面41及び坑口側軸方向接合面42と、これらの一対の軸方向接合面41,42の両側の端部を各々連結するようにしてV字形状に配置される、切羽側斜め接合面43及び坑口側斜め接合面44からなる一対のV字状周方向接合面45とを備える六角形セグメント40((図7(a)~(d)参照))を、コンクリートを流し込んで硬化させることにより形成するためのセグメント製造用の型枠であって、図1図3に示すように、六角形セグメント40の内周面に沿った湾曲形状部分11aを備える底板部11と、底板部11の両側の側縁部に各々立設して配置された、六角形セグメント40の切羽側軸方向接合面41に沿った湾曲形状部分12aを備える切羽側側板部12、及び坑口側軸方向接合面42に沿った湾曲形状部分13aを備える坑口側側板部13と、底板部11の両側の端縁部に各々立設して配置された、V字状周方向接合面45に沿ったV字形状部分14aを備える一対の端板部14と、これらの底板部11、側板部12,13、及び端板部14を下方から一体として支持する基台部30とを含んで構成されている。切羽側側板部12及び坑口側側板部13は、基台部30に支持されて設けられた側板進退機構32を介して(図2図3参照)、互いに接近及び離間する方向に各々進退可能に配置されていると共に、一対の端板部14は、図4図6に示すように、基台部30に支持されて設けられた端板進退機構20を介して、底板部11に対して接近及び離間する方向に各々進退可能に配置されている。端板進退機構20は、一端部が底板部11に固定されると共に他端部が基台部30に固定された状態で、端板部14の進退方向に直線状に延設して設けられたスライドガイド軸21と、端板部14に固定された状態で、スライドガイド軸21に沿ってスライド移動可能に設けられた軸受22とからなる進退ガイド部23(図6参照)と、一対の端板部14を進退させる進退操作部25(図5参照)とを含んで構成されている
【0020】
また、本実施形態では、進退ガイド部23のスライドガイド軸21は、好ましくは円柱状又は円筒状のシャフト部材となっており、軸受22は、好ましくは円筒状の転がり軸受となっている(図6参照)。
【0021】
本実施形態では、六角形セグメント製造用型枠10を用いて形成される六角形セグメント40は、図7(a)~(d)に示すように、平行に配置された切羽側軸方向接合面41及び坑口側軸方向接合面42と、これらの軸方向接合面41,42の両側の端部を各々連結するようにしてV字形状に配置された、切羽側斜め接合面43及び坑口側斜め接合面44からなる一対のV字状周方向接合面45とを備える、六角形の平面形状を有する好ましくは鉄筋コンクリート製のセグメントとなっている。六角形セグメント40は、切羽側軸方向接合面41及び坑口側軸方向接合面42に沿った方向の断面が、円弧状に湾曲する形状を備えている(図7(b)、(c)参照)。六角形セグメント40は、各々のV字状周方向接合面45における、切羽側斜め接合面43と坑口側斜め接合面44との間の角度θは、120°となっている(図7(a)参照)。これによって、複数の六角形セグメント40を、先行して設置された六角形セグメント40の切羽側斜め接合面43及び切羽側軸方向接合面41に、後続して設置される六角形セグメント40の坑口側斜め接合面44及び坑口側軸方向接合面42を、順次隙間なく重ね合わせた状態で、軸方向及び周方向にハニカム状に連設して配置してゆくことができるようになっている。
【0022】
また、本実施形態では、六角形セグメント40の、切羽側軸方向接合面41、坑口側軸方向接合面42、切羽側斜め接合面43及び坑口側斜め接合面44には、図7(a)~(d)に示すように、外周面から間隔をおいて、シール材取付け用の外側シール溝46aが、全周に亘って連続して形成されており、内周面から間隔をおいて、シール材取付け用の内側シール溝46bが、全周に亘って連続して形成されている。
【0023】
さらに、本実施形態では、六角形セグメント40の、切羽側軸方向接合面41、坑口側軸方向接合面42、切羽側斜め接合面43及び坑口側斜め接合面44には、トンネル内周面側の縁部分に沿って、コーキング材取付け用の切欠き部46cが、全周に亘って連続して形成されている。
【0024】
本実施形態では、六角形セグメント40には、例えば特許第3253870号公報に記載の亀甲型セグメント(六角形セグメント)と同様に、切羽側軸方向接合面41の両側の側部領域から各々坑口側斜め接合面44の中央部に向けて、切羽側斜め接合面43と平行に延設して貫通する、斜めボルト挿通孔47aが設けられている。各々の斜めボルト挿通孔47aの切羽側軸方向接合面41側の端部には、連結ボルト部材(図示せず)の頭部を締着させる締着凹部47bが、開口面を切羽側軸方向接合面41に開口させて形成されている。切羽側軸方向接合面41における各々の締着凹部47bよりも切羽側斜め接合面43側の部分には、位置決め用の凹部47cが設けられている。六角形セグメント40の坑口側軸方向接合面42には、両側の側部領域における位置決め用の凹部47cと対応する位置に、位置決め用の凸部47dが各々設けられている。
【0025】
また、本実施形態では、六角形セグメント40の一対の切羽側斜め接合面43には、これらの中央部に、雌ネジ孔48aが設けられている。雌ネジ孔48aは、先行して設置された六角形セグメント40の切羽側斜め接合面43に、後続して設置される六角形セグメント40の坑口側斜め接合面44が重ね合わされた際に、後続する六角形セグメント40に設けられたボルト挿通孔47aの、締着凹部47bとは反対側の端部開口47eと、直線状に連通するようになっている。
【0026】
さらに、本実施形態では、例えば特許第3253870号公報に記載の亀甲型セグメント(六角形セグメント)と同様に、六角形セグメント40の切羽側斜め接合面43及び坑口側斜め接合面44には、先行して設置された六角形セグメント40による周方向に隣接する各一対の等脚台形状部分の間の間隔部分に、後続する六角形セグメント40が精度良く位置決めされるように案内するための、位置決め用のガイド凸部49a及びガイド凹部49bが、各々設けられている。
【0027】
さらにまた、本実施形態では、六角形セグメント40には、六角形セグメント40を組み付け用のエレクター装置(図示せず。)によって把持できるようにする把持孔49cが、内側面の中央部分に設けられていると共に、六角形セグメント40を吊り上げ可能とする吊上げ用インサート金具49dが、坑口側軸方向接合面42の両側の側部領域に配置されて、一対設けられている。
【0028】
本実施形態では、上述の構成を備える六角形セグメント40は、図1図3に示す六角形セグメント製造用型枠10に、コンクリートを流し込んで硬化させることにより形成することかできる。六角形セグメント製造用型枠10は、六角形セグメント40の内周面に沿った湾曲形状部分である底板11aを備える底板部11と、底板部11の底板11aによる両側の側縁部に各々立設して配置された、六角形セグメント40の切羽側軸方向接合面41に沿った湾曲形状部分である側板12aを備える切羽側側板部12、及び坑口側軸方向接合面42に沿った湾曲形状部分である側板13aを備える坑口側側板部13と、底板部11の底板11aによる両側の端縁部に各々立設して配置された、V字状周方向接合面45に沿ったV字形状部分であるV字状の端板14aを備える一対の端板部14と、これらの底板部11、側板部12,13、及び端板部14を下方から一体として支持する基台部30とを含んで構成されている。
【0029】
底板部11は、六角形セグメント40の内周面に沿った円弧状に湾曲する鋼製プレートによる底板11aを、基台部30から立設する複数本の鋼製支柱31(図2参照)によって、下方から支持した状態で固定することにより構成されている。鋼製支柱31には、特許第3481769号公報に記載の六角形セグメント製造用型枠と同様に、側板進退機構32を構成する複数本のシャフト挿通部材33(図1参照)が、底板11aの幅方向に延設した状態で固定されている。これらの複数本のシャフト挿通部材33に、切羽側側板部12や坑口側側板部13における、これらのシャフト挿通部材33と対応する位置に底板11aの幅方向に延設した状態で固定された、側板進退機構32を構成する側板部スライドシャフト34(図1参照)を、進退可能に挿入して支持させることにより、切羽側側板部12の側板12aや坑口側側板部13の側板13aを、底板11aの側縁部から離間させたり、底板11aの側縁部に当接させたりすることができるようになっている。
【0030】
また、底板部11を構成する底板11aにおける、端板部14が当接する端縁部分には、図6に示すように、下面側から端板14aと平行に延設した状態で下方に突出して、後述する進退ガイド部23のスライドガイド軸21の一端部が固定される、固定リブプレート11bが取り付けられている。固定リブプレート11bは、底板11aに溶接等を介して固定された補強リブプレート11cにより補強された状態で、溶接等を介して、底板11aの下方に一体として強固に取り付けられている。また底板11aにおける上面側中央部には、図1及び図3に示すように、六角形セグメント40の内側面の中央部分に把持孔49cを形成するための、把持孔用インサート部材11dが、立設した状態で取り付けられている。
【0031】
切羽側側板部12及び坑口側側板部13は、六角形セグメント40の切羽側軸方向接合面41や坑口側軸方向接合面42に沿った湾曲形状部分としての、弧状に湾曲する内側面を備える切羽側の側板12aや坑口側の側板13aと、これらの下方に一体として連続して、底板11aの下方領域まで延設する、切羽側支持壁部12bや坑口側支持壁部13bとを含んで構成されている。切羽側の側板12aや坑口側の側板13aには、これらの上縁部、及び両側の端縁部から外側に垂直に張り出すように一体接合されて、帯板形状の外周補強プレート12c,13cが、溶接等を介して固定されていると共に、切羽側の側板12aや坑口側の側板13aの外側の面に一体接合されて、径方向補強プレート12d,13d(図2参照)が、溶接等を介して固定されている。これらによって、切羽側の側板12aや坑口側の側板13aが強固に補強されるようになっている。
【0032】
また、本実施形態では、切羽側側板部12の側板12aの内側面に、六角形セグメント40の切羽側軸方向接合面41に位置決め用の凹部47cを形成するための、一対の凸状ソケット12eが取り付けられている(図1参照)。坑口側側板部13の側板13aの内側面には、六角形セグメント40の坑口側軸方向接合面42に位置決め用の凸部47dを形成するための、一対の凹状プラグ13fが取り付けられている。
【0033】
切羽側支持壁部12bや坑口側支持壁部13bには、上述の特許第3481769号公報に記載の六角形セグメント製造用型枠の側板進退機構と同様の側板進退機構32を構成する、側板部スライドシャフト34(図1参照)が、一体として接合されている。側板部スライドシャフト34を、底板部11の底板11aを支持する、基台部30から立設する鋼製支柱31に固定されたシャフト挿通部材33(図1参照)に挿通して支持させることで、公知の進退操作部35(図1図3参照)を操作することによって、切羽側支持壁部12bと一体となった切羽側の側板12aや、坑口側支持壁部13bと一体となった坑口側の側板13aを、互いに接近及び離間する方向に、進退可能に移動させることができるようになっている。
【0034】
底板部11の長手方向の両側の端縁部に配置される一対の端板部14は、図1及び図3に示すように、各々、六角形セグメント40のV字状周方向接合面45に沿ったV字形状部分としての、V字形状に折れ曲がった内側面を備える端板14aと、これらの下方に一体として連続して、底板11aの下方領域まで延設する端板支持壁部14bとを含んで構成されている。端板14aには、これらの上縁部、及び両側の端縁部から進退方向外側に垂直に張り出すようにして一体接合されて、帯板形状の外周補強プレート14cが、溶接等を介して固定されていると共に、端板14aの外側面に一体接合されて、縦向補強プレート14d(図3参照)が、溶接等を介して固定されている。
【0035】
また、本実施形態では、端板部14の端板14aの内側面には、六角形セグメント40の切羽側斜め接合面43及び坑口側斜め接合面44の各々に、位置決め用のガイド凸部49a及びガイド凹部49bを形成するための、斜辺部凸状ソケット14h及び斜辺部凹状プラグ14iが、各々取り付けられている(図1参照)。
【0036】
さらに、本実施形態では、端板部14の端板支持壁部14bには、図3及び図4に示すように、V字形状の頂部に配置されて、端板進退機構20の進退操作部25を構成する進退ボルト25a等が取り付けられていると共に、V字形状の一対の斜辺部の各々の中央部に配置されて、端板進退機構20の進退ガイド部23を構成する軸受22等が取り付けられている。すなわち、本実施形態では、端板進退機構20の進退操作部25が、好ましくは端板部14における、V字形状部分を形成する端板14aの頂部の下方部分に設けられており、端板進退機構20の進退ガイド部23は、好ましくは進退操作部25を挟んだ両側に一対、対称に配置されて、好ましくは端板部14における、V字形状部分を形成する端板14aの両側の斜辺部の下方部分に各々設けられている。
【0037】
端板進退機構20の進退操作部25は、図4及び図5に示すように、上述の特許第3481769号公報に記載の六角形セグメント製造用型枠の端板部の進退操作部と、同様の構成を備えている。進退操作部25は、端板部14の端板支持壁部14bに取り付けられた進退ボルト25aを、巻き締めし、或いは緩めることで、端板支持壁部14bの下板14jの下面に設けられたガイドレール25bを、基台30に設けられた台座25cに支持されたガイドローラ25dの回転によって当該ガイドローラ25d介して移動させることにより、一対の端板部14を、底板部11に対して接近及び離間する方向に、各々進退させることができるようになっている(図5の一点鎖線部参照)。
【0038】
そして、本実施形態では、端板進退機構20の進退ガイド部23は、図4及び図6に示すように、一端部が底板部11の固定リブプレート11bに溶接等により固定されると共に、他端部が基台部30に取り付けられた支持ブラケット36に溶接等により固定されたスライドガイド軸21と、端板部14の端板支持壁部14bに固定された軸受22とを含んで構成されている。
【0039】
スライドガイド軸21は、好ましくは円柱状又は円筒状の金属製のシャフト部材となっており、一端部が固定リブプレート11bに固定されると共に、他端部が支持ブラケット36に固定されることによって、端板部14を進退させる、好ましくは形成される六角形セグメント40のV字状周方向接合面45と垂直な、六角形セグメント40の長さ方向に沿った進退方向に、直線状に延設した状態で強固に取り付けられることになる。すなわち、固定リブプレート11bは、上述にように、鋼製支柱31を介して基台部30に支持固定された底板部11の底板11aに、溶接等を介して強固に固定されており、支持ブラケット36にもまた、溶接等を介して基台部30に強固に固定されているので、これらの部材に両端部がしっかりと固定されたスライドガイド軸21は、進退方向に直線状に延設した状態を、強固に且つ安定して保持することが可能になる。
【0040】
軸受22は、回転や往復運動する相手部品に対して荷重を受けて、軸などに支持させる部品であって、好ましくはボールベアリング等による玉軸受などの、転がり軸受を用いることができる。より具体的には、好ましくは円筒シャフトと組み合わせて使用されて、無限直線運動をすることが可能な直動システムを形成することのできる、リニアブッシュを用いることが好ましい。
【0041】
本実施形態では、軸受22は、外筒部22aの内側に、両端が固定された円筒シャフトであるスライドガイド軸21が挿通された状態で、例えば端板部14の端板支持壁部14bに設けられた支持架台14eの支持プレート14fに、当該外筒部22aを溶接等によって固着することにより、端板支持壁部14bに一体として強固に固定されることになる。これによって端板部14は、軸受22を介することで、スライドガイド軸21に案内されて、好ましくは形成される六角形セグメント40のV字状周方向接合面45と垂直な進退方向に、六角形セグメント40の長さ方向に沿って精度良くスムーズに進退することが可能になる。
【0042】
また、本実施形態では、基台部30における、支持ブラケット36と隣接する端板部14の直下部分に、ローラ支持ブラケット37に支持されたスライドローラ38が取り付けられている(図6参照)。このスライドローラ38には、端板部14の端板支持壁部14bの下端面に設けられたスライドレール14gが当接して、端板部14を、スライドローラ38に沿ってスライドさせることができるようになっている。これによって端板部14を、好ましくは形成される六角形セグメント40のV字状周方向接合面45と垂直な進退方向に、六角形セグメント40の長さ方向に沿って、より安定した状態でスムーズに進退させることが可能になる。
【0043】
上述の構成を備える本実施形態の六角形セグメント製造用型枠10を用いて六角形セグメント40を形成するには、上述の端板進退機構20や側板進退機構32によって、端板部14の端板14aや側板部12,13の側板12a,13aを進退させ、これらを底板部11の底板11aの両側の端縁部や両側の側縁部に各々立設させた状態で当接させることで、底板11aの上方にコンクリートを流し込むための打設空間を形成する。また形成した打設空間に、補強用の鉄筋を適宜配筋すると共に、図1に示すように、例えば配筋した鉄筋やブロック部材等に支持させて、六角形セグメント40に斜めボルト挿通孔47aを形成するためのシース管26や、雌ネジ孔48aを形成するための雌ネジアンカー27や、六角形セグメント40を吊り上げ可能とする吊上げ用インサート金具49dを設置する。しかる後に、底板11aの上方の打設空間に、コンクリートを流し込むようにして打設すると共に、打設したコンクリートの外周面を弧状の湾曲面に沿うようにコテ仕上げする。
【0044】
打設したコンクリートが硬化して、所定の養生期間が経過したら、上述の端板進退機構20や側板進退機構32によって、端板部14の端板14aや側板部12,13の側板12a,13aを進退させ、硬化したコンクリートから後退させて離間させることにより脱型する。これによって、形成した六角形セグメント40を、六角形セグメント製造用型枠10から容易に取り出すことが可能になる。
【0045】
そして、上述の構成を備える本実施形態の六角形セグメント製造用型枠10によれば、多数回繰り返し使用された場合でも、脱型時に端板部を、所定の方向に精度良く、より安定した状態で後退できるようにして、品質の良好な六角形セグメントを形成し続けることが可能になる。
【0046】
すなわち、本実施形態によれば、一対の端板部14を底板部11に対して接近及び離間する方向に各々進退させる端板進退機構20の進退ガイド部23は、一端部が底板部11に固定されると共に他端部が基台部30に固定された状態で、端板部14の進退方向に直線状に延設して設けられたスライドガイド軸21と、端板部14に固定された状態で、スライドガイド軸21に沿ってスライド移動可能に設けられた軸受22とによって構成されている。
【0047】
これによって、本実施形態によれば、脱型時に進退ガイド部23に案内させることで、進退操作部25により各々の端板部14を、形成される六角形セグメント40の長さ方向に沿った、好ましくは当該六角形セグメント40のV字状周方向接合面45と垂直な進退方向に、直線状に精度良く後退させることが可能になるので、例えば底板部11の底板11aと端板部14の端板14aとの接合角部分において、脱型時に割れや欠けが生じ易くなるのを、効果的に回避することが可能になると共に、特に六角形セグメント40のV字状周方向接合面45の、切羽側斜め接合面43及び坑口側斜め接合面44に、位置決め用のガイド凸部49a及びガイド凹部49bが各々形成される場合でも、これらの凹凸部分に、脱型時に割れや欠けが生じ易くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0048】
また、本実施形態によれば、スライドガイド軸21と軸受22とによる進退ガイド部23は、好ましくは円柱状又は円筒状のシャフト部材によるスライドガイド軸21の両端部が、底板部11の固定リブプレート11b、及び基台部30の支持ブラケット36に各々固定されて、端板部14の進退方向に直線状に精度良く延設して強固に取り付けられていると共に、好ましくは転がり軸受であるニアブッシュによる軸受22は、端板部14の端板支持壁部14bに設けられた支持架台14eに強固に取り付けられて、スライドガイド軸21に沿って安定した状態でスライド移動できるようになっているので、従来の、スラドシャフトにおける片持ち梁状に張り出した張出し部を、上段及び下段のスライドローラピンの間でスライド移動させる進退ガイド部(図8参照)のように、型枠の繰り返しの使用によって、疲労により偏心したり偏荷重を生じさせることで、横ぶれ(蛇行)したりガタついたりし易くなるのを、効果的に回避して、長期間に亘って、精度良く安定した状態で端板部14を進退させることで、品質の良好な六角形セグメントを、多数回、繰り返し形成し続けることが可能になる。
【0049】
さらに、本実施形態によれば、端板進退機構20の進退操作部25が、端板14aによるV字形状部分の頂部の下方部分に設けられており、進退ガイド部23が、進退操作部25を挟んだ両側に一対、対称に配置されて、端板14aによるV字形状部分の両側の斜辺部の下方部分に各々設けられているので、V字形状部分である端板14aをよりバランス良く後退させることを可能にして、更に精度良く安定した状態で端板部14を進退させることで、品質の良好な六角形セグメントを形成し続けることが可能になる。
【0050】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、端板進退機構の進退操作部は、端板部におけるV字形状部分の頂部の下方部分に設けられている必要は必ずしも無く、端板進退機構の進退ガイド部は、対称に配置されて一対設けられている必要は必ずしもない。
【符号の説明】
【0051】
10 六角形セグメント製造用型枠
11 底板部
11a 底板(湾曲形状部分)
11b 固定リブプレート
12 切羽側側板部
12a 側板(湾曲形状部分)
12b 切羽側支持壁部
13 坑口側側板部
13a 側板(湾曲形状部分)
13b 坑口側支持壁部
14 端板部
14a 端板(V字形状部分)
14b 端板支持壁部
14e 支持架台
20 端板進退機構
21 スライドガイド軸
22 軸受
22a 外筒部
23 進退ガイド部
25 進退操作部
25a 進退ボルト
30 基台部
32 側板進退機構
33 シャフト挿通部材
34 側板部スライドシャフト
35 進退操作部
36 支持ブラケット
40 六角形セグメント
41 切羽側軸方向接合面
42 坑口側軸方向接合面
43 切羽側斜め接合面
44 坑口側斜め接合面
45 V字状周方向接合面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8