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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】LED点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/395 20200101AFI20240131BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240131BHJP
   H05B 45/31 20200101ALI20240131BHJP
   H05B 45/315 20200101ALI20240131BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20240131BHJP
   H05B 45/385 20200101ALI20240131BHJP
【FI】
H05B45/395
H05B45/10
H05B45/31
H05B45/315
H05B45/325
H05B45/385
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020060695
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021163523
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000180450
【氏名又は名称】四変テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】合田 和生
(72)【発明者】
【氏名】露口 宏
(72)【発明者】
【氏名】横山 義信
(72)【発明者】
【氏名】吉野 和樹
(72)【発明者】
【氏名】大久保 耕平
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061854(JP,A)
【文献】特開2018-098179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/395
H05B 45/10
H05B 45/31
H05B 45/315
H05B 45/325
H05B 45/385
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源の電圧を位相制御する位相制御型調光器に接続されるLED点灯装置であって、
前記位相制御された電圧を整流するAC-DC回路と、
前記AC-DC回路の出力電圧を平滑するコンデンサと、
前記AC-DC回路の出力端子間に接続されるLED負荷及び半導体素子と、
前記位相制御された電圧の位相角を検出する位相角検出手段と、
前記AC-DC回路を制御する第1制御回路と、
前記半導体素子をドロッパ方式定電流回路用素子として制御する第2制御回路と、を備えるLED点灯装置であって、
前記第1制御回路は、前記位相制御された電圧の位相角に基づいて、前記半導体素子にかかる電圧を制御し、前記位相制御された電圧の位相角が第2所定角度から第1所定角度に増加するまでその増加に応じて前記半導体素子にかかる第1電圧を減少させ、前記位相角が前記第2所定角度よりも大きい前記第1所定角度以上となる場合に180°に満たない第3所定角度まで前記第1電圧を一定の最小値に設定し、前記位相角が前記第2所定角度以下となる場合に前記第1電圧を0°より大きい第4所定角度まで一定の最大値に設定することを特徴とするLED点灯装置。
【請求項2】
交流電源の電圧を位相制御する位相制御型調光器に接続されるLED点灯装置であって、
前記位相制御された電圧を整流するAC-DC回路と、
前記AC-DC回路の出力電圧を平滑するコンデンサと、
前記AC-DC回路の出力端子間に接続されるLED負荷及び半導体素子と、
前記LED負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記AC-DC回路を制御する第1制御回路と、
前記半導体素子をドロッパ方式定電流回路用素子として制御する第2制御回路と、を備えるLED点灯装置であって、
前記第1制御回路は、前記LED負荷に流れる電流に基づいて、前記半導体素子にかかる電圧を制御し、前記LED負荷に流れる電流が第2所定電流から第1所定電流に増加するまでその増加に応じて前記半導体素子にかかる第1電圧を減少させ、前記LED負荷に流れる電流が前記第2所定電流よりも大きい前記第1所定電流以上となる場合に、前記LED負荷に流れ得る電流の最大電流値に満たない第3所定電流まで前記第1電圧を一定の最小値に設定し、前記LED負荷に流れる電流が前記第2所定電流以下となる場合に前記第1電圧を、前記LED負荷に流れ得る電流の最小電流値より大きい第4所定電流まで一定の最大値に設定することを特徴とするLED点灯装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に係るLED点灯装置を備える照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED点灯装置及び当該LED点灯装置を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電力を直流電力に変換して照明器具の光源に供給する電源回路を備えたLED点灯装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のLED点灯装置は、AC-DC回路と半導体素子とを制御する制御回路を備え、当該半導体素子をドロッパ方式(リニアレギュレータ方式)定電流回路用の素子として利用する第1動作と、当該半導体素子をオン(スルー)状態とする第2動作の二通りの動作を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6527741号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のLED点灯装置は、半導体素子をドロッパ方式定電流回路用の素子として利用する(第1動作とする)ことで、LED負荷(発光素子)に過大な電流が流れることを防止できる。しかしながら、半導体素子に電圧(ドロップ電圧)をかける必要があるため、半導体素子における損失が大きくなる。
【0006】
一方、特許文献1のLED点灯装置は、半導体素子をオン(スルー)状態とする(第2動作とする)ことで半導体素子の損失を低減できる。しかし、この場合、発光素子への入力がAC-DC回路の出力に依存する。そのため、AC-DC回路の入力電圧に瞬断などの異常が発生すると、その異常が発光素子のちらつきとなって現れてしまう。また、位相制御型調光器とLED点灯装置とを組み合わせる場合、調光のために入力電圧の波形が意図的にカットされるため、瞬断発生時と同様に発光素子のちらつきを起こしやすい。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、調光可能で、半導体素子における損失を抑えつつ、発光素子のちらつきを抑制できるLED点灯装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明に係るLED点灯装置は、交流電源の電圧を位相制御する位相制御型調光器に接続され、位相制御された電圧を整流するAC-DC回路と、AC-DC回路の出力電圧を平滑するコンデンサと、AC-DC回路の出力端子間に接続されるLED負荷及び半導体素子と、位相制御された電圧の位相角を検出する位相角検出手段と、AC-DC回路を制御する第1制御回路と、半導体素子をドロッパ方式定電流回路用素子として制御する第2制御回路と、を備え、第1制御回路は、位相制御された電圧の位相角に基づいて、半導体素子にかかる電圧を制御し、位相制御された電圧の位相角が第2所定角度から第1所定角度に増加するまでその増加に応じて半導体素子にかかる第1電圧を減少させ、位相角が第2所定角度よりも大きい第1所定角度以上となる場合に180°に満たない第3所定角度まで第1電圧を一定の最小値に設定し、位相角が第2所定角度以下となる場合に第1電圧を0°より大きい第4所定角度まで一定の最大値に設定することを特徴とする。 また、本発明に係るLED点灯装置は、交流電源の電圧を位相制御する位相制御型調光器に接続され、位相制御された電圧を整流するAC-DC回路と、AC-DC回路の出力電圧を平滑するコンデンサと、AC-DC回路の出力端子間に接続されるLED負荷及び半導体素子と、LED負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、AC-DC回路を制御する第1制御回路と、半導体素子をドロッパ方式定電流回路用素子として制御する第2制御回路と、を備え、第1制御回路は、LED負荷に流れる電流に基づいて、半導体素子にかかる電圧を制御し、LED負荷に流れる電流が第2所定電流から第1所定電流に増加するまでその増加に応じて半導体素子にかかる第1電圧を減少させ、LED負荷に流れる電流が第2所定電流よりも大きい第1所定電流以上となる場合に、LED負荷に流れ得る電流の最大電流値に満たない第3所定電流まで第1電圧を一定の最小値に設定し、LED負荷に流れる電流が第2所定電流以下となる場合に第1電圧を、LED負荷に流れ得る電流の最小電流値より大きい第4所定電流まで一定の最大値に設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るLED点灯装置及び照明器具によれば、調光可能で、半導体素子における損失を抑えつつ、発光素子のちらつきを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1に係るLED点灯装置のブロック図である。
図2図1のLED点灯装置の構成を示した回路図である。
図3】実施例1に係るLED点灯装置の半導体素子電圧の切り替えを説明するための説明図である。
図4】実施例1に係るLED点灯装置において、通常時の動作を示すタイムチャートである。
図5】実施例1に係るLED点灯装置において、通常時の動作を示すタイムチャートである。
図6】従来技術に係るLED点灯装置において、異常発生時の動作を示すタイムチャートである。
図7】実施例1に係るLED点灯装置において、異常発生時の動作を示すタイムチャートである。
図8】本発明の実施例2に係るLED点灯装置の半導体素子電圧の切り替えを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のLED点灯装置及び照明器具の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図1,2は、本発明の実施例1に係るLED点灯装置10を示す。実施例1に係るLED点灯装置10は、交流電源100の電源電圧VOを位相制御する位相制御型の調光器102に接続される。LED点灯装置10は、位相制御された交流電圧を直流電圧に整流するAC-DC回路11と、AC-DC回路11の出力を平滑する平滑コンデンサ12と、AC-DC回路11の出力端子に接続される発光素子(LED負荷)13とを備える。AC-DC回路11の出力電圧は、AC-DC制御回路14によって目標電圧が決定され、当該目標電圧と一致するよう、力率改善制御IC140によって制御される。また、LED負荷13は、少なくとも1個のLEDを備える。
【0013】
LED点灯装置10は、LED負荷13に係る電圧(負荷電圧VOUT)を調整するための半導体素子15と、半導体素子15を制御する定電流制御回路16と、LED負荷13に流れる負荷電流IOUTを検出する電流検出手段17とを備える。なお、本明細書では、AC-DC制御回路14を「第1制御回路14」、定電流制御回路16を「第2制御回路16」とも呼ぶ。
【0014】
図2に示すように、調光器102は、調光制御回路104を有し、内部のトライアックを所定の位相角で導通させることにより電源電圧VOを位相制御する。この結果、LED点灯装置10の出力端子に接続されたLED負荷13の明るさが変化する。
【0015】
AC-DC回路11は、整流回路110と、変圧器112と、ダイオード114と、スイッチング素子116と、を有する。スイッチング素子116は、力率改善制御IC140により制御され、入力電流の高調波成分を低減する。なお、図2において、スイッチング素子116としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を示したが、スイッチング素子116はハイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など他種の素子であっても良い。
【0016】
また、LED点灯装置10は、AC-DC制御回路14及び定電流制御回路16を制御するマイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、半導体素子15をドロッパ方式(リニアレギュレータ方式)定電流回路用の素子として制御する。即ち、電流値設定手段164で半導体素子15に流れる電流値を設定し、当該設定された電流値が半導体素子15に流れるようにPWM制御手段166を制御する。
【0017】
また、マイクロコンピュータ160は、AC-DC回路11の入力電圧の位相角θを検出する位相角検出手段162を有し、検出された位相角θに応じて半導体素子15にかかる電圧(半導体素子電圧V1)を制御する。
【0018】
即ち、図3に示すように、マイクロコンピュータ160は、位相角検出手段162で検出されたAC-DC回路11の入力電圧の位相角θが第1所定角度θTH1以上である場合、半導体素子電圧V1を減少させる。具体的には、半導体素子電圧V1の値を最小値Vminに設定する。他方、マイクロコンピュータ160は、位相角検出手段162で検出されたAC-DC回路11の入力電圧の位相角θが、第1所定角度θTH1よりも小さい第2所定角度θTH2以下である場合、半導体素子電圧V1を増大させる。具体的には、半導体素子電圧V1の値を最大値Vmaxに設定する。また、検出された位相角θが第2所定角度θTH2より大きく第1所定角度θTH1未満である場合、半導体素子電圧V1の値を、最大値VmaxからVminの間で位相角θに比例して変化させる。
【0019】
なお、実施例1に係る調光器102は、交流電源100の電圧Voを、例えば位相角θ=30~150°の間で制御する。ここで、第1所定角度θTH1は、例えば125°、第2所定角度θTH2は、例えば55°とされる。
【0020】
図4,5は、実施例1に係るLED点灯装置10の通常時の動作を示すタイムチャートである。具体的には、図4は、AC-DC回路11の入力電圧の位相角θが第1所定角度θTH1以上の場合におけるLED点灯装置10の動作を示す。また、図5は、AC-DC回路入力電圧の位相角θが第2所定角度θTH2以下の場合におけるLED点灯装置10の動作を示す。
【0021】
図4は、位相角θが第1所定角度θTH1以上である145°の場合を示す。この場合、調光器102内部のトライアックは位相角145°で導通するため、AC-DC回路11の出力電圧は比較的大きな値となる。
【0022】
ここで、LED点灯装置10のマイクロコンピュータ160は、半導体素子15をドロッパ方式定電流回路の素子として制御する。即ち、半導体素子15に所定の電流を加えることにより、LED負荷13に流れる負荷電流IOUTの値を一定値に維持する。これにより、LED負荷13に過大な電流が流れることを防止できる。
【0023】
一方で、半導体素子15においてドロップ電圧(半導体素子電圧)Vが発生するため、ドロップ電圧V1と半導体素子15に流れる電流の積の分だけ損失が発生する。具体的には、当該損失分は、半導体素子15から熱エネルギとして排出される。そこで、実施例1に係るLED点灯装置10にあっては、位相角θが第1所定角度θTH1以上となる場合(即ち、入力電圧が比較的大きくなる場合)は、半導体素子電圧V1を最小値Vminに低下させる。この結果、半導体素子15における損失を低減できる。
【0024】
これに対し、図5は、位相角θが第2所定角度θTH2以下である35°の場合を示す。この場合、調光器102内部のトライアックは位相角35°で導通するため、AC-DC回路11の出力電圧は、比較的小さな値となる。そこで、本実施例に係るLED点灯装置10(マイクロコンピュータ160)は、図3に示す如く、半導体素子電圧V1を最大値Vmaxに増大させる。これにより、AC-DC回路11の入力電圧に瞬断などの異常が発生した場合にあっても、LED負荷13に流れる負荷電流IOUTの値が変動することを防ぐことができ、発光素子(LED負荷)13のちらつきを抑制できる。
【0025】
実施例1に係るLED点灯装置10の上記効果について、図6及び図7を示してさらに説明する。図6及び図7は、いずれもAC-DC回路11の入力電圧に瞬断などの異常が発生した場合を示す。ここで、図6は、上記した半導体素子電圧V1の電圧制御を行わない場合を示し、図7は、上記した半導体素子電圧V1の電圧制御を行う場合を示す。
【0026】
図6のように、半導体素子電圧Vを制御しない場合又は半導体素子15における損失を低減するために半導体素子電圧Vを低い値に設定した場合、時刻t1でAC-DC回路11の入力電圧に瞬断などの異常が発生すると、これに起因するAC-DC回路11の出力電圧低下を半導体素子電圧Vで補うことができない。その結果、負荷電圧VOUT及び負荷電流IOUTが不足し、発光素子(LED負荷)13にちらつきが発生してしまう。
【0027】
一方、図7のように、実施例1に係るLED点灯装置10にあっては、位相角θが第2所定角度θTH2以下であってAC-DC回路11の入力電圧が比較的小さな値となる場合、半導体素子電圧V1を意図的に増大させる(半導体素子電圧V1をVmaxに設定する)。この結果、時刻t1でAC-DC回路11の入力電圧に瞬断などの異常が発生した場合であっても、当該異常発生により生じるAC-DC回路11の出力電圧低下は、負荷電圧VOUT及び負荷電流IOUTに影響を与えない。したがって、発光素子(LED負荷)13のちらつきを防ぐことが可能になる。
【0028】
以上のように、実施例1に係るLED点灯装置10は、調光器102によって位相制御された電圧の位相角θに基づき、ドロッパ方式定電流回路用素子として利用される半導体素子15にかかる電圧(半導体素子電圧V1)を制御するように構成される。この結果、半導体素子15における損失を効率的に低減しつつ、瞬断などの異常が発生した場合の発光素子(LED負荷)13のちらつきを抑制できる。
【0029】
具体的には、実施例1に係るLED点灯装置10は、検出された電圧の位相角θが第1所定角度θTH1以上である場合、半導体素子電圧(第1電圧)V1を減少させるように構成される。即ち、AC-DC回路11の出力電圧が比較的大きく、瞬断などの異常が発生しても出力VOUT,IOUTに影響が及ばない場合は、半導体素子電圧V1を減少させる。これにより、半導体素子15における損失を効率的に低減できる。また、実施例1に係るLED点灯装置10は、検出された電圧の位相角θが第2所定角度θTH2以下である場合、半導体素子電圧(第1電圧)V1を増大させる。即ち、AC-DC回路11の出力電圧が比較的小さく、出力VOUT,IOUTが瞬断などの異常の影響を受けやすい場合は、半導体素子電圧V1を増大させる。これにより、発光素子(LED負荷)13のちらつきを効果的に抑制できる。
【0030】
特に、実施例1に係るLED点灯装置10は、検出された電圧の位相角θが第1所定角度θTH1以上である場合、半導体素子電圧(第1電圧)V1を最小値Vminに設定し、位相角θが第2所定角度θTH2以下である場合、半導体素子電圧(第1電圧)V1を最大値Vmaxに設定するように構成される。したがって、半導体素子15における損失をより効率的に低減できると共に、発光素子(LED負荷)13のちらつきを防ぐことができる。
【実施例2】
【0031】
図8は、本発明の実施例2に係るLED点灯装置10の半導体素子電圧V1の切り替えを説明するための説明図である。
【0032】
図8に示す如く、実施例2に係るLED点灯装置10にあっては、LED負荷13に流れる負荷電流IOUTに基づき、半導体素子15に係る電圧(第1電圧)V1を制御するように構成した。具体的には、マイクロコンピュータ160は、電流検出手段17で検出された負荷電流IOUTが第1所定電流ITH1以上である場合、半導体素子電圧V1を減少させる。具体的には、半導体素子電圧V1の値を最小値Vminに設定する。他方、マイクロコンピュータ160は、電流検出手段17で検出された負荷電流IOUTが、第1所定電流ITH1よりも小さい第2所定電流ITH2以下である場合、半導体素子電圧V1を増大させる。具体的には、半導体素子電圧V1の値を最大値Vmaxに設定する。また、検出された負荷電流IOUTが第2所定電流ITH2より大きく第1所定電流ITH1未満である場合、半導体素子電圧Vの値を、最大値VmaxからVminの間で負荷電流IOUTに比例して変化させる。
【0033】
実施例2に係るLED点灯装置10にあっては、上記のように構成したので、実施例1に係るLED点灯装置10同様に、半導体素子15における損失を低減しつつ、瞬断などの異常が発生した場合の発光素子(LED負荷)13のちらつきを抑制できる。
【0034】
なお、実施例2に係るLED点灯装置10のその他の構成については、実施例1に係るLED点灯装置10の構成と変わらないため、詳細な説明は省略する。
【0035】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
【0036】
例えば、実施例1,2においては、位相制御型調光器102による調光として、リーディングエッジ調光を例に挙げて説明したが、調光器102による調光はトレーリングエッジ調光であっても良いことはいうまでもない。
【0037】
また、実施例1に係るLED点灯装置10にあっては、調光器102によって位相制御された交流電圧(AC-DC回路出力電圧)の位相角θに基づいて半導体素子15の電圧(第1電圧)Vを制御する構成としたが、AC-DC回路出力電圧の積分値に基づいて半導体素子電圧Vを制御する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 LED点灯装置
11 AC-DC回路
12 平滑コンデンサ
13 発光素子(LED負荷)
14 AC-DC制御回路(第1制御回路)
15 半導体素子
16 定電流制御回路(第2制御回路)
17 電流検出手段
100 交流電源
102 調光器
160 マイクロコンピュータ
162 位相角検出手段
164 電流設定値生成手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8