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  • 特許-横置型粉体サイロの残量管理システム 図1
  • 特許-横置型粉体サイロの残量管理システム 図2
  • 特許-横置型粉体サイロの残量管理システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】横置型粉体サイロの残量管理システム
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/00 20060101AFI20240131BHJP
   B28C 7/00 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
E21D11/00 A
B28C7/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020215300
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022100985
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 隼平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英典
(72)【発明者】
【氏名】川内 大輔
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-193923(JP,A)
【文献】実開昭57-029306(JP,U)
【文献】特開2012-188282(JP,A)
【文献】特開2014-214979(JP,A)
【文献】特開平07-243892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/00-19/06
E21D 23/00-23/26
B28C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイロ本体の内部に粉体材料を収容し、底部に設けられた横送り機構により収容した粉体材料を横方向に送り出して、取出し口から取り出せるようにした横置型の粉体サイロにおいて、収容した粉体材料の残量を管理できるようにする横置型粉体サイロの残量管理システムであって、
前記サイロ本体の側面部に、横方向に所定の間隔おいて、複数のパドル式レベルセンサが、回転羽根部を内部に配設した状態で取り付けられており、各々のパドル式レベルセンサは、管理装置と接続している横置型粉体サイロの残量管理システム。
【請求項2】
複数の前記パドル式レベルセンサは、横方向に所定の間隔おいて上下2段に配置されて取り付けられている請求項1記載の横置型粉体サイロの残量管理システム。
【請求項3】
複数の前記パドル式レベルセンサは、千鳥状に配置されて取り付けられている請求項1又は2記載の横置型粉体サイロの残量管理システム。
【請求項4】
複数の前記パドル式レベルセンサは、前記サイロ本体の対向する両側の側面部に、各々配置されて取り付けられている請求項1~3のいずれか1項記載の横置型粉体サイロの残量管理システム。
【請求項5】
前記サイロ本体の内部には、シールド工事に用いる裏込め材を形成するための粉体材料が収容されている請求項1~4のいずれか1項記載の横置型粉体サイロの残量管理システム。
【請求項6】
各々の前記パドル式レベルセンサは、工事現場の管理室に設けられた前記管理装置と接続している請求項5記載の横置型粉体サイロの残量管理システム。
【請求項7】
前記管理装置のモニター画面に、前記パドル式レベルセンサによって検知された前記粉体材料の残量を、表示可能となっている請求項1~6のいずれか1項記載の横置型粉体サイロの残量管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横置型粉体サイロの残量管理システムに関し、特に、横置型の粉体サイロにおいて、収容した粉体材料の残量を管理できるようにする横置型粉体サイロの残量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばシールド工事において、裏込め材を形成するためのセメント系硬化材等の粉体材料が収容される粉体サイロは、工事現場における設置領域の広さが制約されることから、一般に用いられる縦置型の粉体サイロに換えて、好ましくは六面体形状のサイロ本体を備える横置型のサイロが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
横置型の粉体サイロでは、六面体形状のサイロ本体の上面部に設けられた開閉可能な投入開口から投入されて、サイロ本体の内部に収容されている粉体材料を、底部に設けられた横送り機構である例えばスクリューコンベアにより横方向に送り出し、送り出された粉体材料を、サイロ本体の端面部に形成された取出し口から取り出すようになっている。また取出し口から取り出された粉体材料は、粉体サイロに隣接して設置された、外部送り出し機構や、定量供給機、混合機、アジテータ等からなる混合機構に供給されて混合されることで、裏込め材としてサブタンクに収容された後に、圧送ポンプを用いて裏込め材の注入箇所まで圧送されることになる。
【0004】
また、このような横置型の粉体サイロでは、サイロ本体の内部に収容されている粉体材料の残量を常時把握して、収容されている粉体材料に不足が生じないように管理すると共に、必要に応じて粉体材料を追加搬入して補充する必要がある。このため、従来は、サイロ本体の内部における粉体材料の残量を目視によって確認したり、受払簿における帳簿上の搬入量や使用量から、計算によって残量を確認したりして、粉体材料を管理する方法が採用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平6-21907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来の粉体材料の残量を管理する方法では、目視によってサイロ本体の内部の残量を確認する場合、例えばサイロ本体の上面部に設けられた検査窓を開放して、上方から視認することになるが、サイロ本体の内部は暗くて粉塵も舞っているため視認しづらく、このような環境下での確認作業には誤差が生じ易くなる。また受払簿からサイロ本体の内部の残量を計算して確認する場合、搬入量や使用量を管理装置に入力することになるが、使用量に関しては計量器による誤差が生じてしまうことがあり、誤差が積み重なることで大きな誤差となって、粉体材料を追加搬入するタイミングを誤り易くなる。また受払簿への記入を間違えると、同様に粉体材料を追加搬入するタイミングを誤り易くなる。
【0007】
一方、例えば縦置型の粉体サイロにおいては、粉体材料による堆積物のレベルを検出する装置として公知の、バドル式レベルセンサを使用することで、内部に堆積した粉体材料の残量を検出する技術が開発されているが、従来のバドル式レベルセンサを用いた粉体材料の残量の検出方法では、縦置型の粉体サイロの下端部分から取り出される粉体材料の減少に伴う、堆積物の天端部分のレベルの低下を検知して、粉体材料の残量を検出するものであることから、これを横置型の粉体サイロにそのまま適用することは困難である。
【0008】
すなわち、横置型の粉体サイロの場合、サイロの内部に収容された粉体材料は、サイロの底部に設けられた横送り機構によって、横方向に送り出されて取り出されるようになっており、これによって収容された粉体材料による堆積物の天端部は、横方向に段差や凹凸を生じ易くなっている。このため、堆積物の天端部の面積が広くなっている横置型の粉体サイロでは、堆積物の天端部のレベルを、バドル式レベルセンサによって上方から検知して残量を検出する従来の方法による場合、サイロの内部の粉体材料の残量を精度良く管理することは困難である。
【0009】
本発明は、横置型粉体サイロにおいて、サイロ本体の内部に収容された粉体材料の残量を、パドル式レベルセンサを用いて精度良く管理することのできる横置型粉体サイロの残量管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、サイロ本体の内部に粉体材料を収容し、底部に設けられた横送り機構により収容した粉体材料を横方向に送り出して、取出し口から取り出せるようにした横置型の粉体サイロにおいて、収容した粉体材料の残量を管理できるようにする横置型粉体サイロの残量管理システムであって、 前記サイロ本体の側面部に、横方向に所定の間隔おいて、複数のパドル式レベルセンサが、回転羽根部を内部に配設した状態で取り付けられており、各々のパドル式レベルセンサは、管理装置と接続している横置型粉体サイロの残量管理システムを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0011】
また、本発明の横置型粉体サイロの残量管理システムは、複数の前記パドル式レベルセンサが、横方向に所定の間隔おいて上下2段に配置されて取り付けられていることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明の横置型粉体サイロの残量管理システムは、複数の前記パドル式レベルセンサが、千鳥状に配置されて取り付けられていることが好ましい。
【0013】
さらにまた、本発明の横置型粉体サイロの残量管理システムは、複数の前記パドル式レベルセンサが、前記サイロ本体の対向する両側の側面部に、各々配置されて取り付けられていることが好ましい。
【0014】
また、本発明の横置型粉体サイロの残量管理システムは、前記サイロ本体の内部には、シールド工事に用いる裏込め材を形成するための粉体材料が収容されていることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の横置型粉体サイロの残量管理システムは、各々の前記パドル式レベルセンサが、工事現場の管理室に設けられた前記管理装置と接続していることが好ましい。
【0016】
また、本発明の横置型粉体サイロの残量管理システムは、前記管理装置のモニター画面に、前記パドル式レベルセンサによって検知された前記粉体材料の残量を、表示可能となっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の横置型粉体サイロの残量管理システムによれば、サイロ本体の内部に収容された粉体材料の残量を、パドル式レベルセンサを用いて精度良く管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の好ましい一実施形態に係る横置型粉体サイロの残量管理システムを構成する横置型粉体サイロを説明する略示側面図である。
図2図2は、本発明の好ましい一実施形態に係る横置型粉体サイロの残量管理システムを構成する管理装置のモニター画面の一部を例示する説明図である。
図3図3は、バドル式レベルセンサ及びこれの取付け状況を説明する略示斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1及び図2に示す本発明の好ましい一実施形態に係る横置型粉体サイロの残量管理システム1は、横置型粉体サイロ10のサイロ本体11の内部に収容された粉体材料として、例えばシールド工事に用いる裏込め材を形成するためのセメント系硬化材等の残量を管理して、セメント系硬化材等の残量が少なくなった際に、適切な時期に追加搬入してサイロ本体11の内部に補充することにより、粉体材料であるセメント系硬化材等が不足して、工事が停滞しないようにするためのシステムとして採用されたものである。本実施形態の横置型粉体サイロの残量管理システム1は、公知のパドル式レベルセンサ30(図3参照)を用いて、横置型粉体サイロ10のサイロ本体11の内部に収容された粉体材料の残量を、精度良く管理できるようにする機能を備えている。
【0020】
そして、本実施形態の横置型粉体サイロの残量管理システム1は、図1及び図2に示すように、サイロ本体11の内部に粉体材料として、例えばシールド工事に用いる裏込め材を形成するためのセメント系硬化材(セメント)、スラグ、ベントナイト等を収容し、底部に設けられた好ましくはスクリューコンベア12よる横送り機構によって、収容した粉体材料であるセメント系硬化材等を横方向Xに送り出して、取出し口13から取り出せるようにした横置型の粉体サイロ(横置型粉体サイロ)10において、収容したセメント系硬化材等の残量を管理できるようにする管理システムである。本実施形態の横置型粉体サイロの残量管理システム1は、サイロ本体11の側面部11cに、横方向Xに所定の間隔おいて、複数のパドル式レベルセンサ30(図3参照)が、回転羽根部31をサイロの内部に配設した状態で取り付けられており、各々のパドル式レベルセンサ30は、管理装置20(図2参照)と接続していて、好ましくは管理装置20のモニター画面21に、パドル式レベルセンサ30によって検知された粉体材料であるセメント系硬化材等の残量を、好ましくは模試絵図22によって、表示可能となっている。
【0021】
本実施形態では、粉体材料としてセメント系硬化材等がサイロ本体11に収容される横置型粉体サイロ10は、好ましくは各種の鋼製部材を組み付けて形成されるものとなっており、例えばサイロ本体11が長さ10m程度、幅2.5m程度、高さ3.0m程度の大きさの、好ましくは横長の略六面体形状や、ホームベース状の5角形の中空断面形状を有する横長の略七面体形状を備える、横置型のサイロとなっている。本実施形態では、横置型粉体サイロ10は、シールド工事によるトンネル坑内40に設置された設置基台41に載置されて設けられており、トンネル坑内40の高さの制約から、一般に用いられる縦置型の粉体サイロに換えて、好ましくは六面体形状のサイロ本体11を備える横置型のサイロとなっている。
【0022】
また、本実施形態では、粉体材料を収容するサイロとして横置型サイロ10を用いた場合、サイロ本体11の底部に設けられたスクリューコンベア12よる横送り機構によって、粉体材料は横方向Xに送り出されて取り出されるようになっており、これによって収容された粉体材料による堆積物の天端部は、横方向に段差や凹凸を生じ易く、また湿気や静電気等によるサイロ内の状態によって、不特定な形状で残り易くなっていることから、パドル式レベルセンサ30の配設位置を工夫することによって、サイロ本体11の内部に収容された粉体材料の残量を、精度良く管理することを可能にしている。
【0023】
本実施形態では、横置型粉体サイロ10のサイロ本体11は、上述のように、横長の略六面体形状や略七面体形状を備えるサイロとなっており、図1に示すように、上面部11aに開閉可能な投入開口14が2箇所に設けられている。搬入された粉体材料であるセメント系硬化材等は、これらの投入開口14から投入供給されて、サイロ本体11の内部に、適宜補充できるようになっている。サイロ本体11の内側の底部には、横送り機構として、好ましくはスクリューコンベア12が設けられており、サイロ本体11の内部に収容されたセメント系硬化材等は、このスクリューコンベア12によって、横方向Xであるトンネルの掘進方向の後方側から前方側に向けて送り出され、送り出されたセメント系硬化材等は、サイロ本体11におけるトンネルの掘進方向の前方側の端面部11bの下部に設けられた取出し口13から、取り出すことができるようになっている。
【0024】
サイロ本体11から取り出された粉体材料であるセメント系硬化材等は、粉体サイロ10に隣接して設置された、縦方向送り出し機構15aや、定量供給機15b、混合機15c、アジテータ15d等からなる混合機構15に供給されて混合されることで、裏込め材としてサブタンク15eに収容された後に、圧送ポンプ15fを用いて裏込め材の注入箇所まで圧送されることになる。
【0025】
そして、本実施形態では、サイロ本体11の側面部14cには、横方向Xに所定の間隔おいて、複数のパドル式レベルセンサ30が、回転羽根部31(図3参照)をサイロ本体11の内部に配設した状態で取り付けられている。各々のパドル式レベルセンサ30は、好ましくはシールド工事の工事現場の管理室に設けられた管理装置20(図2参照)と接続している。
【0026】
パドル式レベルセンサ30は、パドルセンサー等として公知の、粉体や粒体の粉粒面を検出することが可能な、各種のレベルセンサを用いることができる。より具体的には、例えば山本電機工業株式会社製の「パドル式レベルスイッチ」を、好ましく用いることができる。
【0027】
パドル式レベルセンサ30は、図3に示すように、内部に小型モータを備える駆動制御部32と、取付け盤部33と、回転ロッド部34と、回転羽根31とを含んで構成されている。パドル式レベルセンサ30は、サイロ本体11の側面部11cに、回転ロッド部34を貫通させて回転羽根31をサイロ本体11の内部に配設すると共に、取付け盤部33をサイロ本体11の側面部11cの外側面に密着させた状態で、公知の各種の取付け金具を用いて、サイロ本体11の側面部11cの任意の位置に取り付けることができる。
【0028】
本実施形態では、パドル式レベルセンサ30は、図1に示すように、サイロ本体11の側面部11cに、横方向Xに所定の間隔として、例えば1.5~2.0mm程度の間隔sをおいて、複数(本実施形態では7箇所)並べて取り付けられている。これによって、減少した粉体材料が横方向Xに均一に減少しなかった場合にも、減少量を推定することが可能になる。
【0029】
また、複数のパドル式レベルセンサ30は、横方向Xに所定の間隔sおいて上下2段に配置されて取り付けられていることが好ましい。これによって、粉体材料の減少に偏りが出て、粉体材料がいびつな形で減少した場合でも、粉体材料の残量の推定が可能になる。
【0030】
さらに、複数のパドル式レベルセンサ30は、千鳥状に配置されて取り付けられていることが好ましい。これによって、粉体材料の減少に横方向(長さ方向)Xの傾斜が生じた場合にも、粉体材料の残量の推定が可能になる。
【0031】
さらにまた、複数のパドル式レベルセンサ30は、サイロ本体11の対向する両側の側面部11cに、各々配置されて取り付けられていることが好ましい。これによって、粉体材料の減少に横方向(長さ方向)Xと垂直な幅方向の片減りが発生した場合にも、残量の推定が可能になる。
【0032】
本実施形態では、各々のパドル式レベルセンサ30が接続される管理装置20は、好ましくはシールド工事の工事現場の管理室に設けられており、公知のシールドトンネル管理システムが組み込まれた、コンピュータ(図示せず。)を含んで構成されている。管理装置20を構成するコンピュータは、データベースサーバとして機能する公知のものであり、例えばパーソナルコンピュータ等を使用することができる。コンピュータとしてのデータベースサーバは、CPU、ROM、RAM、I/F、記憶手段、入力手段、表示手段、出力手段等を備えている。データベースサーバのCPUは、ROMに組み込まれた制御プログラムに従って、RAMをワークエリアとして使用しながら、データベースサーバの全体の動作を制御する。また、CPUは、各種のコンピュータプログラムがROMに組み込まれていることにより、記憶手段、入力手段、表示手段、出力手段等として機能させると共に、記憶手段よって、各々のパドル式レベルセンサ30から送られるデータを、記憶部に記憶させることができるようになっている。
【0033】
また、本実施形態では、管理装置20のコンピュータには、シールド掘進機における各種の計測器から収集される計測値や、入力手段を介してデータ入力される測量値を一元管理することが可能な、公知のシールド掘進管理システムが組み込まれている。シールド掘進管理システムは、例えばシールド掘進機における各種の計測器から収集された計測値を一元管理し、その情報を整理して技術者や作業者へ提供することによって、現場施工管理の支援を行う機能や、経時変化や統計処理の結果に基づいて、地山の状況や掘削土砂の状況、シールド掘進機の付加状況などを推測する機能や、或いは計測結果を入力することによりシール掘進機やセグメントの位置を計算して、基線からの偏差を求める機能等を備えている。このようなシールド掘進管理システムとしては、好ましくは株式会社演算工房製の「シールド掘進管理システム」を用いることができる。
【0034】
そして、本実施形態では、各々のパドル式レベルセンサ30は、管理装置20のコンピュータと接続されていることで、これらのパドル式レベルセンサ30によって検知された粉体材料の残量に関するデータ(例えば、パドル式レベルセンサ30に抵抗が有るか無いかで、その位置に粉体材料が残っているか否かを判別するためのデータ)は、コンピュータに自動的に取り込まれて、シールド掘進管理システムよる各種の処理として、例えばリアルタイムで数値化する処理がなされた後に、図2に示すように、例えば管理装置20のモニター画面21に、パドル式レベルセンサによって検知されたデータに基づく、粉体材料であるセメント系硬化材等のサイロ本体11における残量を、好ましくは模試絵図22によって、表示できるようになっている。
【0035】
これらよって、本実施形態によれば、例えば粉体材料であるセメント系硬化材等のサイロ本体11における残量を、パドル式レベルセンサ30により自動的に且つ常時計測できるようになり、従来のように毎日サイロ本体11の内部を直接視認することで生じる、危険性や誤差を排除することが可能になる。また従来は毎週1回は視認して、自動計測の正確性を確認していたものの、職員1人で30分以上/日の時間を要していたが、これらの時間を短縮して、作業の効率化を図ることが可能になる。さらに、受払簿の残量と比較することで、パドル式レベルセンサ30等の計測器の不具合を察知することが可能になり、また裏込材が設計通りの配合で練られているか否かを確認することで、品質管理に繋げることも可能になる。さらにまた、工事現場の管理室に設けられた管理装置20のモニターに、粉体材料であるセメント系硬化材等の残量の計測値を常時表示することによって、管理担当の職員だけでなく、マシンオペレータやシールド工事の職長、他の職員等、多くの作業員と、セメント系硬化材等の残量に関する情報を共有することが可能になる。また、サイロ内の空容積を常時把握できるので、セメント系硬化材等の粉体材料を頻繁に搬入する必要がある場合でも、搬入するタイミングを的確に調整することが可能になる。
【0036】
したがって、本実施形態の横置型粉体サイロの残量管理システム1によれば、サイロ本体11の内部に収容された粉体材料であるセメント系硬化材等の残量を、パドル式レベルセンサ30を用いて精度良く管理することが可能になると共に、裏込材料を形成するためのセメント系硬化材等の残量の把握が容易になり、材料の不足によるシールド工事のストップというリスクを、大幅に軽減すること可能になる。
【0037】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、横置型粉体サイロは、サイロ本体の内部にシールド工事に用いる裏込め材を形成するための粉体材料を収容するものである必要は必ずしも無く、その他の種々の工事に用いる粉体材料を収容するものであっても良い。横置型粉体サイロのサイロ本体は、略六面体形状や略七面体形状を備えている必要は必ずしもなく、円筒形状等、その他の種々の横長の形状を備えていても良い。
【符号の説明】
【0038】
1 横置型粉体サイロの残量管理システム
10 横置型粉体サイロ
11 サイロ本体
11a 上面部
11b 端面部
11c 側面部
12 スクリューコンベア(横送り機構)
13 取出し口
14 投入開口
15 混合機構
15a 縦方向送り出し機構
15b 定量供給機
15c 混合機
15d アジテータ
15e サブタンク
15f 圧送ポンプ
20 管理装置
21 モニター画面
22 模試絵図
30 パドル式レベルセンサ
31 回転羽根部
32 駆動制御部
33 取付け盤部
34 回転ロッド部
40 トンネル坑内
41 設置基台
X 横方向(長さ方向)
図1
図2
図3