(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】編組機械および使用方法
(51)【国際特許分類】
D04C 3/42 20060101AFI20240131BHJP
D04C 1/06 20060101ALI20240131BHJP
A61F 2/01 20060101ALN20240131BHJP
【FI】
D04C3/42
D04C1/06 Z
A61F2/01
(21)【出願番号】P 2020521337
(86)(22)【出願日】2018-10-13
(86)【国際出願番号】 US2018055780
(87)【国際公開番号】W WO2019075444
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-10-11
(32)【優先日】2017-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514043104
【氏名又は名称】インセプタス メディカル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】クイック リチャード
(72)【発明者】
【氏名】スレス ジョン コールマン
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッチ グレッグ
【審査官】印出 亮太
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第00231065(GB,A)
【文献】実開平06-073181(JP,U)
【文献】実開昭59-009096(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0037548(US,A1)
【文献】特表2014-532127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 - 18/18
A61F 2/01
A61N 7/00 - 7/02
D04C 1/00 - 7/00
D04G 1/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部カムリングおよび外部スロットを含む外部アセンブリと、内部カムリングおよび内部スロットを含む内部アセンブリであって、前記内部アセンブリが、前記外部アセンブリと同軸に位置合わせされ、内部および外部スロットの数が同じである、前記内部アセンブリと、を含む駆動ユニットと、
複数の管であって、個々の前記管が前記内部スロットおよび/または前記外部スロットの各々の内部に拘束され、個々の前記管が、その中に個々のフィラメントを受け入れるように構成されている、前記複数の管と、
前記外部カムリングを回転させて、前記管の第1のセットを前記外部スロットから前記内部スロットに駆動させるように構成された外部駆動機構と、
前記内部カムリングを回転させて、前記管の第2のセットを前記内部スロットから前記外部スロットに駆動させるように構成された内部駆動機構と、
を備える、管状編組を形成するための編組システム。
【請求項2】
前記管の第1のセットが、前記外部スロット内に拘束されると、前記管の第2のセットが、前記内部スロット内に拘束され、
前記管の第1のセットが、前記内部スロット内に拘束されると、前記管の第2のセットが、前記外部スロット内に拘束される、請求項1に記載の編組システム。
【請求項3】
前記内部駆動機構および前記外部駆動機構が、前記内部カムリングおよび前記外部カムリングを回転させて、同時に、(a)前記管の第1のセットを、前記外部スロットから前記内部スロットに駆動させ、(b)前記管の第2のセットを、前記内部スロットから前記外部スロットに駆動させるように構成される、請求項1に記載の編組システム。
【請求項4】
駆動ユニットであって、
外部カムリングと、外部スロットと、前記外部スロットと位置合わせされた外部駆動部材とを含む、外部アセンブリと、
内部カムリングと、内部スロットと、前記内部スロットと位置合わせされた内部駆動部材とを含む内部アセンブリであって、前記内部アセンブリが前記外部アセンブリと同軸に位置合わせされ、内部および外部スロットの数が同じである前記内部アセンブリと、
を含む前記駆動ユニットと、
複数の管であって、個々の前記管が前記内部スロットおよび/または前記外部スロットの各々の内部に拘束されている、前記複数の管と、
前記外部カムリングを回転させて、前記外部駆動部材を径方向内向きに移動させて前記管の第1のセットを前記外部スロットから前記内部スロットに駆動させるように構成された外部駆動機構と、
前記内部カムリングを回転させて、前記内部駆動部材を径方向外向きに移動させて前記管の第2のセットを前記内部スロットから前記外部スロットに駆動させるように構成された内部駆動機構と、
を備える、管状編組を形成するための編組システム。
【請求項5】
前記外部カムリングの第1の回転運動が、前記外部駆動部材の第1のセットを径方向内向きに移動させ、
前記外部カムリングの第2の回転運動が、前記外部駆動部材の第2のセットを径方向内向きに移動させる、請求項4に記載の編組システム。
【請求項6】
前記外部駆動部材の前記第1のセットおよび前記第2のセットが、同じ数の外部駆動部材を含む、請求項5に記載の編組システム。
【請求項7】
前記内部カムリングの第1の回転運動が、前記内部駆動部材の第1のセットを径方向外向きに移動させ、
前記内部カムリングの第2の回転運動が、前記内部駆動部材の第2のセットを径方向外向きに移動させる、請求項4に記載の編組システム。
【請求項8】
前記内部駆動部材の前記第1のセットおよび前記第2のセットが、同じ数の内部駆動部材を含む、請求項7に記載の編組システム。
【請求項9】
前記外部カムリングが、前記外部駆動部材と連続的に接触する周期的形状を備えた径方向内向きに面する表面を有し、
前記内部カムリングが、前記内部駆動部材と連続的に接触する周期的形状を備えた径方向外向きに面する表面を有する、請求項4に記載の編組システム。
【請求項10】
前記内部アセンブリおよび前記外部アセンブリが、同一平面上にあり、前記内部アセンブリが、前記外部アセンブリに対して回転可能である、請求項1に記載の編組システム。
【請求項11】
管状編組を形成する方法であって、
内部アセンブリを外部アセンブリに対して回転させるステップであって、前記内部アセンブリが、管の第1のセットを拘束し、前記外部アセンブリが、管の第2のセットを拘束し、前記管の第1および第2のセットの各々が、フィラメントの各々を受け入れるように構成されている、前記回転させるステップと、
同時に、
前記内部アセンブリの内部カムリングを駆動させて、前記管の第1のセットを、前記内部アセンブリから前記外部アセンブリに移動させ、
前記外部アセンブリの外部カムリングを駆動させて、前記管の第2のセットを、前記外部アセンブリから前記内部アセンブリに移動させるステップと、
を含む、管状編組を形成する方法。
【請求項12】
前記内部カムリングおよび前記外部カムリングを同時に駆動させた後、前記内部アセンブリを回転させて、前記管の前記第2のセットを前記管の前記第1のセットに対して回転させるステップをさらに含む、請求項11に記載の管状編組を形成する方法。
【請求項13】
前記内部アセンブリを回転させるステップが、前記内部アセンブリを第1の方向に回転させて、前記管の前記第1のセットを前記管の前記第2のセットに対して回転させるステップを含み、前記管状編組を形成する方法が、
前記内部カムリングおよび前記外部カムリングを同時に駆動させた後、前記内部アセンブリを第2の方向に回転させて、前記管の前記第2のセットを前記管の前記第1のセットに対して回転させるステップをさらに含み、前記第1の方向が、前記第2の方向と反対である、請求項11に記載の管状編組を形成する方法。
【請求項14】
前記内部アセンブリが、前記管の前記第1のセットまたは前記第2のセットを拘束するように構成された内部スロットを含み、
前記外部アセンブリが、前記管の前記第1のセットまたは前記第2のセットを拘束するように構成された外部スロットを含み、
前記内部スロットおよび前記外部スロットの数が同じである、請求項11に記載の管状編組を形成する方法。
【請求項15】
複数の重りをさらに備え、前記重りは、対応する前記管の中で対応する前記フィラメントに固定されて前記フィラメントに張力を与えるように構成される、請求項1に記載の編組システム。
【請求項16】
前記内部アセンブリは、前記外部アセンブリに対して回転可能であり、前記管の第1のセットを前記管の第2のセットに対して回転させる、請求項1に記載の編組システム。
【請求項17】
個々の前記フィラメントを重りに結合して前記フィラメントに張力を与えるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記内部アセンブリ及び前記外部アセンブリは、それぞれ円形の断面形状を有する、請求項1に記載の編組システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2017年10月14日に出願された米国仮特許出願第62/572,462号、発明の名称「BRAIDING MACHINE AND METHODS OF USE」の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本技術は、一般に、フィラメントの管状編組を形成するためのシステムおよび方法に関する。特に、本技術のいくつかの実施形態は、マンドレルの長手方向軸の周りの一連の別個の径方向および弓状経路において、それぞれがフィラメントを収容する垂直管の運動によって編組を形成するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
編組は、一般に、互いに織り合わされて円筒形または管状の構造を形成する多くのフィラメントを含む。このような編組は、幅広い医療用途を有する。例えば、編組は、低侵襲外科処置での配備のために小さなカテーテルに折りたたまれるように設計されることができる。いくつかの編組は、カテーテルから配備されると、展開されている血管または他の体腔内で拡張し、体液の流れを閉塞または減速させ、体液内の粒子を捕獲またはろ過し、または体内の血栓またはその他の異物を回収することができる。
【発明の概要】
【0004】
編組を形成するためのいくつかの既知の機械は、各スプールから繰り出されたワイヤが互いに交差する/下になるように、ワイヤのスプールを移動させることによって動作する。しかしながら、これらの編組機は、引張強度が低い非常に細いワイヤで構成された編組を必要とするほとんどの医療用途には適していない。特に、ワイヤはスプールから繰り出されるため、ワイヤを破損し得る大きな衝撃を受ける可能性がある。他の既知の編組機は、編組プロセス中にワイヤに大きな衝撃を与えることなく、ワイヤに張力をかけるために、各ワイヤに重りを固定する。これらの機械は、フック、ワイヤを把持してワイヤを互いに上下に編むためのその他の手段を使用してワイヤを操作する。このような編組機の欠点の1つは、フィラメントが運動するたびに重りが落ち着くまでに時間がかかるため、速度が非常に遅くなることである。さらに、編組には多くの用途があり得るため、長さ、直径、細孔サイズ等の設計の仕様は大きく異なる可能性がある。したがって、非常に細いフィラメントを使用して、高速で、様々な寸法を有する編組を形成することができる編組機械を提供することが望ましいであろう。
【0005】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照することでよりよく理解することができる。図面内の構成要素は必ずしも縮尺通りではない。代わりに、本開示の原理を明確に例示することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本技術の実施形態に従って構成された編組システムの等角図である。
【
図2】本技術の実施形態に従って構成された、
図1に示される編組システムの管の拡大断面図である。
【
図3A】本技術の実施形態に従って構成された、
図1に示される編組システムの上部駆動ユニットの上面図および拡大上面図である。
【
図3B】本技術の実施形態に従って構成された、
図1に示される編組システムの上部駆動ユニットの上面図および拡大上面図である。
【
図4A】本技術の実施形態に従って構成された編組構造を形成する方法の様々な段階における、
図3Aおよび
図3Bに示される上部駆動ユニットの拡大概略図である。
【
図4B】本技術の実施形態に従って構成された編組構造を形成する方法の様々な段階における、
図3Aおよび
図3Bに示される上部駆動ユニットの拡大概略図である。
【
図4C】本技術の実施形態に従って構成された編組構造を形成する方法の様々な段階における、
図3Aおよび
図3Bに示される上部駆動ユニットの拡大概略図である。
【
図4D】本技術の実施形態に従って構成された編組構造を形成する方法の様々な段階における、
図3Aおよび
図3Bに示される上部駆動ユニットの拡大概略図である。
【
図4E】本技術の実施形態に従って構成された編組構造を形成する方法の様々な段階における、
図3Aおよび
図3Bに示される上部駆動ユニットの拡大概略図である。
【
図5】本技術の実施形態に従って構成された編組システムの駆動ユニットの拡大概略図である。
【
図6】本技術の実施形態に従って構成された編組システムの駆動ユニットの拡大概略図である。
【
図7】本技術の実施形態に従って構成されたカムリングの拡大上面図である。
【
図8】本技術の実施形態に従って構成されたカムリングの拡大上面図である。
【
図9】本技術の実施形態に従って構成された編組システムコントローラのユーザインターフェースの表示である。
【
図10】本技術の実施形態に従って構成された、
図1に示される編組システムのマンドレルの一部の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術は、一般に、複数のフィラメントから編組構造を形成するためのシステムおよび方法を対象とする。いくつかの実施形態では、本技術による編組システムは、上部駆動ユニットと、中心軸に沿って上部駆動ユニットと同軸に位置合わせされた下部駆動ユニットと、上部駆動ユニットと下部駆動ユニットとの間に延在し、上部および下部駆動ユニット内部で拘束される複数の管と、を含むことができる。各管は、重りに取り付けられた個々のフィラメントの端を受け入れることができる。フィラメントは、管から、中心軸と位置合わせされたマンドレルまで延在することができる。特定の実施形態では、上部および下部駆動ユニットは、同期して作用し、管(およびそれらの管内に含まれるフィラメント)を3つの別個の動き、すなわち(i)中心軸に向かって径方向内向きに、(ii)中心軸から離れて径方向外向きに、(iii)中心軸を中心に回転して、移動するように作用させることができる。特定の実施形態では、上部および下部駆動ユニットは、管の第1のセットを径方向外向きに同時に移動させ、管の第2のセットを径方向内向きに移動させて、これらの管に含まれるフィラメントを「通過」させる。上部および下部駆動ユニットは、第1の管と、その中に保持されているフィラメントとを、管の第2のセットを通過してさらに移動させて、例えば、マンドレル上に「オーバー/アンダー」編組構造を形成することができる。ワイヤは管内に含まれており、上部および下部駆動ユニットは、管の上部および下部の両方に同期して作用するため、管を素早く移動させて通過させ、編組を形成することができる。これは、管の上部および下部の両方を同期して移動させないシステムに比べて、大幅な改善である。さらに、張力が複数の重りを使用して提供されるので、本システムは、非常に細いフィラメントを使用して編組を形成することを可能にする。したがって、フィラメントは、編組プロセス中にそれらを破壊し得る大きな衝撃力を受けない。
【0008】
本明細書で使用される場合、「垂直(vertical)」、「側部(lateral)」、「上部(upper)」、および「下部(lower)」という用語は、図に示される向きを考慮した、編組システムにおける特徴の相対的な方向または位置を指すことができる。たとえば、「上部」または「最上部(uppermost)」は、別の特徴よりもページの上部に近い位置にある機能を指す。しかしながら、これらの用語は、上部/底部、上/下、上方/下方、上へ/下へ、および左/右によって入れ替え可能な反転または傾斜した向き等、他の向きを有する半導体デバイスを含むと広く解釈されるべきである。
【0009】
図1は、本技術に従って構成された編組システム100(「システム100」)の等角図である。システム100は、フレーム110と、フレーム110に結合された上部駆動ユニット120と、フレーム110に結合された下部駆動ユニット130と、上部駆動ユニット120と下部駆動ユニット130(集合的に「駆動ユニット120、130」)との間に延在する複数の管140(例えば、細長いハウジング)と、マンドレル102と、を含む。いくつかの実施形態では、駆動ユニット120、130およびマンドレル102は、中心軸L(例えば、長手方向軸)に沿って同軸に位置合わせされる。
図1に例示される実施形態では、管140は、中心軸Lに対して対称的に配置され、それらの長手軸は、中心軸Lに平行である。図示のように、管140は、中心軸Lを中心として円形配列で配置される。すなわち、管140は、各々中心軸Lから径方向に等間隔に置かれ、集合的に円筒形状を形成することができる。他の実施形態では、管140は、管140の長手方向軸が中心軸Lに対して角度が付けられ、中心軸Lと交差するように円錐形状に配置されることができる。さらに他の実施形態では、管140は、管140の長手方向軸が中心軸Lに対して角度を付けられているが、中心軸Lと交差しない(例えば、管の上端は、中心軸Lに対して管の下端から角度的にオフセットされることができる)「撚り」形状で配置されることができる。
【0010】
フレーム110は、一般に、システム100の構成要素を支持および収容するための金属(例えば、鋼、アルミニウム等)構造を備えることができる。より具体的には、例えば、フレーム110は、上部駆動ユニット120を支持する上部支持構造116と、下部駆動ユニット130を支持する下部支持構造118と、基部112と、上部114と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、駆動ユニット120、130は、それぞれ上部および下部支持構造116、118に直接(たとえば、ボルト、ねじ等を介して)取り付けられる。いくつかの実施形態では、基部112は、管140のすべてまたは一部を支持するように構成されることができる。
図1に例示される実施形態では、システム100は、フレーム110の基部112に結合されたホイール111を含み、したがって、ポータブルシステムであり得る。他の実施形態では、基部112は、システム100が持ち運びできないように、表面(例えば、床)に恒久的に取り付けることができる。
【0011】
システム100は、マンドレル102から管140まで径方向に延在するように装填されたフィラメント104を編組するように動作する。図示のように、各管140は、その中に単一のフィラメント104を受け入れることができる。他の実施形態では、管140のサブセットのみが、フィラメントを受け入れる。いくつかの実施形態では、フィラメント104の総数は、フィラメント104を収容する管140の総数の半分である。すなわち、同じフィラメント104は2つの端部を有することができ、2つの異なる管140は(例えば、フィラメント104がマンドレル102に巻き付けられるか、そうでなければ固定された後)同じフィラメント104の異なる端部を受け入れることができる。他の実施形態では、フィラメント104の総数は、フィラメント104を収容する管140の数と同じである。
【0012】
各フィラメント104は、フィラメント104の下部に固定された重りによって引っ張られる。例えば、
図2は、個々の管140の拡大断面図である。
図2に例示される実施形態では、フィラメント104は、管140内に配置された重り241に結合された(例えば、結び付けられた、巻き付けられた等)端部207を含む。重り141は、円筒形または他の形状を有することができ、編組プロセス中にフィラメント104が繰り出されると、管140内部で滑らかに摺動するように構成される。管140はさらに、フィラメント104が管140から円滑に繰り出されることが可能であるように、丸められるかまたは他の方法で構成される上縁部分(例えば、リム)245を含むことができる。管140は、重り241およびフィラメント104の横方向または「揺れ」運動を抑制して、フィラメント104の全長に沿ったこれらの構成要素の著しい揺れおよび絡み合いを抑制する。これにより、システム100は、フィラメントおよび/または張力手段がそれらの全長に沿って拘束されていないシステムと比較して、より高速で動作することが可能になる。具体的には、拘束されていないフィラメントは、休止時間または滞留時間がプロセスに組み込まれていないためにフィラメントが落ち着かないと、揺れて互いに絡み合う場合がある。多くの用途において、フィラメント104は、さもなければ、本技術の全長の制約および同期なしに、整定するためにかなりの休止を必要とする非常に細いワイヤである。いくつかの実施形態では、フィラメント104はすべて、同一の重りに結合され、システム100内に均一な張力を提供する。しかしながら、他の実施形態では、フィラメント104の一部またはすべてを異なる重りに結合して、異なる張力を提供することができる。特に、重り241は、フィラメント104に低い張力を付与するように非常に小さくしてもよく、それによって、細い(例えば、小径の)フィラメントおよび壊れやすいフィラメントの編組を可能にし得る。
【0013】
再び
図1を参照し、
図3Aおよび3Bを参照して以下でさらに詳細に説明されるように、駆動ユニット120、130は、管140の運動および位置を制御する。駆動ユニット120、130は、中心軸Lに対して、一連の別個の径方向および弓状経路で管140を駆動させするように構成され、これが、マンドレル102で編組構造105(例えば、織られた管状編組、すなわち「編組105」)を形成するようにフィラメント104を移動させる。特に、管140は、上部駆動ユニット120に近接する上端部142と、下部駆動ユニット130に近接する下端部144とを各々有する。駆動ユニット120、130は、同じ経路または少なくとも実質的に同様の空間経路に沿って、各々の個々の管140の上端部142および下端部144(集合的に「端部142、144」)を同時に駆動するように同期して作用する。個々の管140の両端部142、144を同期して駆動することにより、管140の揺れまたは他の望ましくない運動の量が非常に制限される。結果として、システム100は、編組プロセス中の休止を低減あるいは排除して、管を安定させることを可能にし、これは、システム100が従来のシステムよりも高速で操作されることを可能にする。
【0014】
いくつかの実施形態では、駆動ユニット120、130は、実質的に同一であり、それらが全く同じに(例えば、同期して)移動するようにする1つ以上の機械的接続を含む。例えば、ジャックシャフト113は、駆動ユニット120、130の内部および外部駆動機構の対応する構成要素を機械的に結合することができる。同様に、いくつかの実施形態では、駆動ユニット120、130の一方は、アクティブユニットであることができ、一方、駆動ユニット120、130の他方は、アクティブユニットによって駆動されるスレーブユニットであることができる。他の実施形態では、機械的接続ではなく、駆動ユニット120、130に結合された電子制御システムが、管140を同一のシーケンスで空間的および時間的に移動させるように構成される。特定の実施形態では、管140が中心軸Lに対して円錐状に配置される場合、駆動ユニット120、130は、同じ構成要素を有することができるが、変動する直径を有する。
【0015】
図1に例示される実施形態では、マンドレル102は、管140に対して中心軸Lに沿ってマンドレル102を移動させる(例えば、上げる)ように構成された引張機構106に取り付けられる。引張機構106は、マンドレル102を移動させるために、マンドレル102をアクチュエータまたはモータ(図示せず)に結合するシャフト108(例えば、ケーブル、ひも、剛性構造等)を含むことができる。図示のように、引張機構106は、シャフト108を案内し、アクチュエータまたはモータからマンドレル102に力を向けるためにフレーム110に結合された1つ以上のガイド109(例えば、ホイール、プーリ、ローラ等)をさらに含むことができる。動作中、マンドレル102は、管140から離れるように持ち上げられ、マンドレル102上に編組105を作成するための表面を延伸させることができる。いくつかの実施形態では、マンドレル102が上昇する速度を変動させ、編組105の特性を変動させる(例えば、フィラメント104の編組角度(ピッチ)を増加または減少させ、ひいては編組105のポアサイズを変更する)ことができる。完成した編組の最終的な長さは、管140内のフィラメント104の利用可能な長さ、編組のピッチ、およびマンドレル102の利用可能な長さに依存する。
【0016】
いくつかの実施形態では、マンドレル102は、例えば、フィラメント104を把持するために、その長さに沿って長手方向の溝を有することができる。マンドレル102は、編組プロセス中、中心軸Lに対するマンドレル102の回転を抑制するための構成要素をさらに含むことができる。例えば、マンドレル102は、長手方向キー溝(例えば、チャネル)と、マンドレル102が持ち上げられたときにその方向を維持するキー溝に摺動可能に受容された固定ロックピンと、を含むことができる。マンドレル102の直径は、大きな端では駆動ユニット120、130の寸法によってのみ制限され、小さな端では編組されるフィラメント104の量および直径によって制限される。いくつかの実施形態では、マンドレル102の直径が小さい(例えば、約4mm未満)場合、システム100は、マンドレル102に結合された1つ以上の重りをさらに含むことができる。重りは、マンドレル102を著しい張力下に置くことができ、編組プロセス中にフィラメント104がマンドレル102を長手方向に変形させることを防止することができる。いくつかの実施形態では、重りは、マンドレル102の回転をさらに阻害するように、および/または回転を阻害するためのキー溝およびロックピンの使用を置き換えるように構成されることができる。
【0017】
システム100は、アーム115を介してフレーム110に結合されたブッシング(例えば、リング)117をさらに含むことができる。マンドレル102は、ブッシング117を通って延び、フィラメント104はそれぞれ、マンドレル102とブッシング117との間の環状開口部を通って延在する。いくつかの実施形態では、ブッシング117は、マンドレル102の外径よりわずかだけ大きい内径を有する。したがって、動作中、ブッシング117は、フィラメント104をマンドレル102に押し付け、それによって、編組105がマンドレル102にしっかりと引っ張られるようにする。いくつかの実施形態では、ブッシング117は、異なる直径のフィラメントを収容するために調整可能な内径を有することができる。同様に、特定の実施形態では、ブッシング117の垂直位置を変化させて、フィラメント104が集束して編組105を形成する点を調整することができる。
【0018】
図3Aは、本技術の実施形態による、
図1に示される上部駆動ユニット120の上面図であり、
図3Bは、
図3Aに示される上部駆動ユニット120の一部の拡大上面図である。
図3Aおよび3Bには上部駆動ユニット120が例示されているが、下部駆動ユニット130は、上部駆動ユニット120と実質的に同じまたは同一の構成要素および機能を有することができる。したがって、以下の説明は、下部駆動ユニット130にも同様に当てはまる。
図3Aおよび3Bをともに参照すると、上部駆動ユニット120は、中心軸L(
図1)を中心として同心円状に配置された外部アセンブリ350および内部アセンブリ370(集合的に「アセンブリ350、370」)を含む。アセンブリ350、370は、上部駆動ユニット120の上面を画定し、アセンブリ350、370の内部構成要素を覆う上部プレートを含む。しかしながら、アセンブリ350、370の上部プレートは、アセンブリ350、370の動作をより明確に例示するために、
図3Aおよび3Bには示されていない。
【0019】
外部アセンブリ350は、(i)外部スロット(例えば、溝)354、(ii)対応する外部スロット354と位置合わせされ、および/またはその内部に配置された外部駆動部材(例えば、プランジャ)356、および(iii)外部スロット354を通して外部駆動部材356を径方向内向きに移動させるように構成された外部駆動機構を含む。外部スロット354の数は、システム100内の管140の数と等しくすることができ、外部スロット354は、その中に管140のサブセットを受け入れるように構成される。特定の実施形態では、外部アセンブリ350は、48個の外部スロット354を含む。他の実施形態では、外部アセンブリ350は、12個のスロット、24個のスロット、96個のスロット、または任意の他の好ましくは偶数のスロット等、異なる数の外部スロット354を有することができる。外部アセンブリ350は、上部プレートに対向する下部プレート351bをさらに含む。いくつかの実施形態では、下部プレート351bは、フレーム110の上部支持構造116に取り付けられることができる。
【0020】
図3Aおよび3Bに例示される実施形態では、外部アセンブリ350の外部駆動機構は、上部プレートと下部プレートとの間に位置付けられ、上部プレートおよび下部プレートに対して回転可能な外部カムリング352を含む。外部カムリングモータ(例えば、電気モータ)は、第1の外部カムリング352を駆動させて、外部駆動部材356の第1のセットを径方向内向きに移動させ、それによって、外部スロット354内に位置付けられた管140の第1のセットを径方向内向きに移動させるように構成されることができる。より具体的には、第1の外部カムリングモータ358は、外部カムリング352上のトラック359と係合するように構成された1つ以上のピニオンに結合されることができる。いくつかの実施形態では、
図3Aに示されるように、トラック359は、外部カムリング352の外周周りに部分的にのみ延在する。したがって、このような実施形態では、外部のカムリング352は、中心軸Lを中心として完全に回転するように構成されていない。むしろ、外部カムリング352は、比較的小さな弧(例えば、約1°~5°、約5°~10°、または約10°~20°)の長さのみを介して、中心軸Lを中心として移動する。動作時、外部カムリング352は、比較的短い弧の長さを介して、第1の方向に、そして第2の方向に(例えば、モータを逆転させることによって)回転させることができる。他の実施形態では、トラック359は、外部カムリング352の外周全体等の外周のより大きな部分の周りに延在し、外部カムリング352は、中心軸Lの周りでより完全に(例えば、全体的に)回転させることができる。
【0021】
図3Aおよび3Bにさらに示されるように、下部プレート351bは、中央開口部364を画定する内縁363を有する。複数の壁部分362は、下部プレート351bの周囲に円周方向に配置され、下部プレート351bの内縁363を越えて径方向内向きに延在する。隣接する壁部分362の各対は、中央開口部364内の外部スロット354の1つを画定する。壁部分362は、(例えば、ボルト、ねじ、溶接等を使用して)下部プレート351bに固定するか、下部プレート351bと一体的に形成されることができる。他の実施形態では、壁部分362のすべてまたは一部は、外部アセンブリ350の下側プレート351bではなく、上側プレート(図示せず)上にあってもよい。
【0022】
外部カムリング352は、複数の山367および谷369を含む周期的(例えば、変動する)形状を有する内面365を含む。例示される実施形態では、内面365は滑らかな正弦波形状を有するが、他の実施形態では、内面365は、鋸歯形状、台形、線形台形、または山と谷との間の遷移を含む任意のカットパターン等の他の周期的形状(たとえば、
図7および8に示されているパターンのいずれか)を有することができる。外部カムリング352は、外部カムリングと下部プレート351bとが互いに対して回転できるように、下部プレート351bに回転可能に結合される。例えば、いくつかの実施形態では、回転可能な結合は、下部プレート351bとカムリング352との間に形成された第1の円形チャネル(
図3Aおよび3Bでは不明瞭)に配設された複数のベアリングで構成される。例示される実施形態では、外部カムリング352は、複数のベアリングを介して、外部カムリング352を上部プレートに回転可能に結合するための第2の円形チャネル361を含む。いくつかの実施形態では、第1の円形チャネルは、第2の円形チャネル361と実質的に同一であることができる。
【0023】
図3Aおよび3Bにさらに示されるように、外部駆動部材356は、隣接する壁部分362の間に位置付けられる。外部駆動部材356の各々は同一であり、各々がプッシュ部分394に結合された本体部分392を含む。プッシュ部分394は、外部スロット354内に配置された管と係合する(例えば、接触して押す)ように構成される。本体部分392は、外部カムリング392の周期的な内面365と接触するベアリング395を含む。外部駆動部材356は、下部プレート351bに取り付けられたフレーム396に各々摺動可能に結合されることができ、付勢部材398(例えば、ばね)は、各外部駆動部材356と対応するフレーム396との間に延在する。付勢部材398は、外部駆動部材356に対して径方向外向きの付勢力を付与する。
【0024】
動作中、外部駆動部材356は、外部カムリング352の周期的内面365の回転によって径方向内向きに駆動され、付勢部材398によって径方向外向きに戻される。内面365は、山367が外部駆動部材356の第1のセット(例えば、交互のもの)と径方向に位置合わせされると、トラフ369が外部駆動部材356の第2のセット(例えば、他の交互のもの)と径方向に位置合わせされるように構成される。したがって、
図3Aおよび3Bに見られるように、外部駆動部材356の第1のセットは、径方向に延在した位置にあることができ、一方、外部駆動部材356の第2のセットは、径方向に後退した位置にある。この位置では、外部駆動部材356の第1のセットの本体部分392は、内面365の谷部369よりも頂部367にあるかまたはその近くにあり、外部駆動部材356の第2のセットの本体部分392は、山367よりトラフ369またはトラフに近い。外部駆動部材356の第2のセットを径方向内向きに移動し、第外部駆動部材356の第1のセットを径方向外向きに移動させるために、外部カムリング352の回転は、内面365の山367を外部駆動部材356の第2のセットと径方向に位置合わせさせる。付勢部材398の外向きの力は、外部駆動部材356を内面365と連続的に接触させるので、外部駆動部材356の第2のセットは、内面365が回転して山367を外部駆動部材の第2のセットと位置合わせさせると、径方向内向きに移動する。同時に、付勢部材398の径方向外向きの付勢力は、第1の組の外部駆動部材356をトラフ369によって提供される空間内に引っ込める。
【0025】
内部アセンブリ370は、(i)内部スロット(例えば、溝)374、(ii)内部スロット374の対応するものと位置合わせおよび/または内部に配置された内部駆動部材(例えば、プランジャー)376、および(iii)内部駆動部材376を内部スロット374を介して径方向外向きに移動させるように構成された内部駆動機構、を含む。図示のように、内部スロット374の数は、外部スロット354の外部の数(例えば、48個の内部スロット374)と等しくすることができ、内部スロット374を外部スロット354と位置合わせさせることができる。内部アセンブリ370は、内部支持部材373に回転可能に結合される下側プレート371bをさらに含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、回転可能なカップリングは、内部支持部材373と下側プレート371bとの間に形成された円形溝に配置された複数のベアリングを含む。
【0026】
図3Aおよび3Bに例示される実施形態では、内部駆動機構は、上部プレートと下部プレートとの間に配置された内部カムリング372を備える。内部カムリングモータ378は、内部カムリング372を駆動(例えば、回転)させて、内部駆動部材376の第1のセットを径方向内向きに移動させ、それによって、内部スロット374内に位置付けられた管140の第2のセットを径方向外向きに移動させるように構成される。内部カムリングモータ378は、一般に、外部カムリングモータ358と同様であることができる。例えば、内部カムリングモータ378は、内部カムリング372の内面上の対応するトラックと係合する(例えば、噛み合う)ように構成された1つ以上のピニオンに結合されることができる。いくつかの実施形態では、トラックは、内部カムリング372の内周の一部のみの周りに延在し、内部カムリングモータ378は、第1の方向に、そして第2の反対方向に回転可能であり、中心軸Lを中心した比較的短い弧の長さ(たとえば、約1°~5°、約5°~10°、または約10°~20°)を介して内部カムリング372を駆動する。
【0027】
内部アセンブリ370は、外部アセンブリ350に対して内部アセンブリ370を回転させるように構成された内部アセンブリモータ375をさらに含む。この回転により、内部スロット374を回転させて、異なる外部スロット354と位置合わせすることができる。内部アセンブリモータ375の動作は、一般に、外部カムリングモータ358および内部カムリングモータ378の動作と同様であり得る。
【0028】
図3Aおよび3Bにさらに示されるように、下部プレート371bは、外縁383を有し、内部アセンブリ370は、下部プレート371bの周りに円周方向に配置され、外縁583を超えて径方向外向きに延在する複数の壁部分382を含む。隣接する壁部分382の各対は、内部スロット374の1つを画定する。壁部分382は、(例えば、ボルト、ねじ、溶接等を使用して)下部プレート371bに固定されるか、下部プレート371bと一体的に形成されることができる。他の実施形態では、壁部分382の少なくともいくつかは、内部アセンブリ370の下部プレート371bではなく上部プレート上にある。
【0029】
内部カムリング372は、複数の山387および谷389を含む周期的(例えば、変動する)形状を有する外面385を含む。例示される実施形態では、外面385は複数の線形傾斜路を含むが、他の実施形態では、外面385は、滑らかな正弦波形状、鋸歯形状等の他の周期的形状(例えば、
図7および8に示すパターン)を有することができる。内部カムリング372は、例えば、下側プレート371bと内部カムリング372との間に形成された第1の円形チャネル(
図3Aおよび3Bの上面図では不明瞭)内に配設された複数のボールベアリングによって、下側プレート371bに回転可能に結合される。例示される実施形態では、内部カムリング372は、例えば複数のボールベアリングを介して、内部カムリング372を上部プレートに回転可能に結合するための第2の円形チャネル381を含む。いくつかの実施形態では、第1の円形チャネルは、第2の円形チャネル381と実質的に同一であることができる。したがって、内部カムリング372は、上部プレートおよび下部プレートに対して回転することができる。
【0030】
図3Aおよび3Bにさらに示されるように、内部駆動部材376は、隣接する壁部分382間で下部プレート371bに結合される。内部駆動部材376のそれぞれは同一であり、内部駆動部材376は外部駆動部材356と同一であることができる。例えば、上述のように、内部駆動部材376の各々は、本体部分392およびプッシュ部分394を有することができ、下側プレート371bに取り付けられたフレーム396に摺動可能に結合されることができる。同様に、各内部駆動部材356とそれらの対応するフレーム396との間に延在する付勢部材398は、内部駆動部材376に対して径方向内向きの付勢力を付与する。その結果、内部駆動部材376は、内部カムリング372の外面385に連続的に接触する。
【0031】
動作中、外部駆動部材356と同様に、内部駆動部材376は、内部カムリング372の周期的外面385の回転によって径方向外向きに駆動され、付勢部材398によって径方向内向きに戻される。外面385は、山387が内部駆動部材376の第1のセット(例えば、交互のもの)と径方向に位置合わせされると、トラフ389が内部駆動部材376の第2のセット(例えば、他の交互のもの)と径方向に位置合わせされるように構成される。したがって、
図3Aおよび3Bに見られるように、内部駆動部材376の第1のセットは、径方向に延在した位置にあることができ、一方、内部駆動部材376の第2のセットは、径方向に後退した位置にある。この位置では、内部駆動部材376の第1のセットの本体部分392は、山387にあるか、または外面385のトラフ389よりも山に近く、第2の組の内部駆動部材376の本体部分392は、トラフ389にあるか、または山387よりトラフに近い。第2の組の内部駆動部材376を径方向外向きに移動し、第1の組の内部駆動部材376を径方向内向きに移動するために、内部カムリング372の回転は、外面385の山387を、内部駆動部材376の第2のセットと位置合わせさせる。付勢部材398の内向きの力は、内部駆動部材376を外面385と連続的に接触させるため、内部駆動部材376の第2のセットは、外面385が回転して山387を内部駆動部材376の第2のセットと位置合わせさせると、径方向外向きに移動する。同時に、付勢部材398の径方向内向きの付勢力は、第1の組の内部駆動部材376をトラフ389によって提供される空間内に引き込ませる。
【0032】
図3Aおよび3Bに例示されるように、アセンブリ350、370は、外部駆動部材356が伸長位置にあるとき、位置合わせされた内部駆動部材376が、これに応じて後退位置にあるように構成される。このようにして、アセンブリ350、370は、管140のための一定量の空間を維持する。これにより、管140は、システム100の制御システムによって決定される別個の予測可能なパターンで移動し続ける。
【0033】
特に、システム100の各駆動部材は、すべての駆動部材に一貫した同期した作動力を提供するカムリングの回転によって作動する。対照的に、フィラメントが個別に、または別々に制御されるアクチュエータによって小さなセットで作動する従来のシステムでは、1つのアクチュエータが別のアクチュエータと同期していない場合、フィラメントが絡まる可能性がある。さらに、内部スロット374および外部スロット354の数は同じであるので、管の半分は、内部スロット374から外部スロット354へ、およびその逆も同時に通過することができる。同様に、すべての外部駆動部材を作動させるための単一のカムリング、およびすべての内部駆動部材を作動させるための単一のカムリングの使用は、設計を著しく簡素化させる。他の構成では、内部および外部のカムは、複数の個別に制御されるプレートを各々含むことができ、内部/外部のアセンブリごとに1セットにつき1つのカムである。内部/外部アセンブリごとに複数のカムを使用すると、管の運動とタイミングの制御を増大させることが可能になる。これらの代替構成では、必要に応じて、両方のセットを内部リングまたは外部リングのいずれかに一度に完全に一度にロードすることもできる(たとえば、
図5および6に示される)。
【0034】
下部駆動ユニット130は、
図3を参照して上で詳細に説明した上部駆動ユニット120と実質的に同じかまたは同一の構成要素および機能を有する。駆動ユニット120、130の内部駆動機構(例えば、内部カムリング)は、空間的および時間的の両方で実質的に同一のシーケンスで移動して、同じまたは実質的に同様の空間経路に沿って各個々の管140の上部および下部を駆動する。同様に、駆動ユニット120、130の外部駆動機構(外部カムリング)は、空間的にも時間的にも実質的に同じシーケンスで移動する。
【0035】
一般に、上部駆動ユニット120は、3つの別個の運動、すなわち(i)外側アセンブリ350の外側カムリング352の回転を介して、径方向内向きに(例えば、外側スロット354から内側スロット374まで)、(ii)内側アセンブリ370の内側カムリング372の回転を介して径方向外向きに(例えば、内側スロット374から外側スロット354まで)、および(iii)内側アセンブリ370の回転を介して管140の第2のセットに対して円周方向に、管140の第1のセットを駆動するように構成される。さらに、
図9を参照して以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、これらの運動は機械的に独立していることができ、システムコントローラ(図示しないが、例えば、デジタルコンピュータ)は、これらの運動に加えて、マンドレル102(
図1)の運動の1つ以上の動作パラメータを示すユーザインターフェースを介して、ユーザから入力を受信することができる。例えば、システムコントローラは、閉ループシャフト回転フィードバックを用いて、駆動ユニット120、130内の3つのモータ(例えば、外部カムリングモータ358、内部カムリングモータ378、および内部アセンブリモータ375)のそれぞれを駆動することができる。システムコントローラは、パラメータを様々なモータに(例えば、プロセッサを介して)中継することができ、それにより、管140およびマンドレル102の運動の手動および/または自動制御が編組105の形成を制御することを可能にする。このようにして、システム100はパラメトリックであることができ、システム100を修正することなく、多くの異なる形態の編組を作ることができる。他の実施形態では、駆動ユニット120、130の様々な動きは、機械的に順序立てて行われ、それによって、単一のシャフトの回転が、サイクル全体を通して駆動ユニット120、130を割り出しするようになっている。
【0036】
図4A~4Eは、本技術の実施形態による編組構造(例えば、編組105)を形成する方法の様々な段階における上部駆動ユニット120内の8つの管140の運動をより具体的に示す概略図である。上部駆動ユニット120内の管の運動を参照するが、駆動ユニット120、130の運動および構成要素が同一であるため、管の例示される移動は、下部駆動ユニット130でも実質的に同じである。さらに、説明および理解を容易にするために、
図4A~4Eには8本の管のみが示されているが、当業者には、8本の管の運動が任意の数の管(例えば、24本の管、48本の管、96本の管、または他の数の管)を表すことが容易に理解されよう。
【0037】
最初に
図4Aを参照すると、システム100は、初期位置にあり、ここで、(i)外部アセンブリ350は、管440aの第1のセット(それぞれ「X」でラベル付けされている)を含み、(ii)内部アセンブリ370は、管440bの第2セット(それぞれ「O」でラベル付けされている)を含む。管440aの第1のセットは、外部スロット354の交互のものの内部(例えば、A、C、E、およびGでラベル付けされた外部スロット354内)に位置付けられ、管440bの第2のセットは、内部スロット374交互のものの内部(例えば、T、V、X、およびZでラベル付けされた内部スロット)に位置付けられる。示されるように、管440aの第1のセットは、内部スロット374の空のものと(例えば、S、U、W、およびYでラベル付けされた内部スロット374と)径方向に位置合わせされる。同様に、管440bの第2のセットは、外部スロット354の空のもの(例えば、B、D、F、およびHでラベル付けされた外部スロットと)と径方向に位置合わせされる。管440aの第1のセットの参照番号「X」、管440bの第2のセットの「O」、外部スロット354の「A~H」、および内部スロット374の「S~Z」は、
図4A~4Eの各々に再現されて、アセンブリ350、370の相対的な移動を例示している。
【0038】
次に
図4Bを参照すると、内部アセンブリ370は、第1の方向(例えば、矢印CCWによって示される反時計回りの方向)に回転して、管440bの第2のセットを、の外部スロット354の異なるセットと位置合わせさせる。
図4Bに例示される実施形態では、内部アセンブリ370は、外部アセンブリ350に対して回転して、管440bの第2のセット内の各管を、空である次の利用可能な外部スロット354、すなわち2つの離れたスロットである外部スロット354と位置合わせさせる。たとえば、Xとラベル付けされた内部スロット374は、最初にFとラベル付けされた空の外部スロット374と位置合わせされたが(
図4A)、回転後、Xとラベル付けされた内部スロット374は、Dとラベル付けされた空の外部スロット354と位置合わせされる。このステップは、管440bの第2のセットのフィラメントを、管440aの第1のセットのフィラメントの下を通過させ、円筒状編組の織りパターンを作成する。いくつかの実施形態では、内部アセンブリ370を回転させて、管440bの第2のセットを、次に利用可能な空の外部スロット354ではない外部スロット354の空のもの(例えば、4スロット離れた外部スロット354、6スロット離れた外部スロット等)と位置合わせさせることができる。内部アセンブリ370の回転中にスキップされる空の外部スロット354の数は、結果として生じる編組の織りパターンを決定する(例えば、1を超える1、1を超える2、2を超える2等)。いくつかの実施形態では、内部アセンブリ370を回転させる代わりに、外部アセンブリ350が回転される。いくつかの実施形態では、駆動ユニットは、管のセットの1つを、1回転中にどちらかの方向に、1つまたは2つの空のスペースのみ回転させることができる。それにもかかわらず、必要であれば、システム100を制御するプログラムは、同じセットの複数のドロップオフおよびピックアップを繰り返して、任意の数の通過スペースを達成することができる。他の構成では、プログラミングの支援なしに機械的に同じように回転移動量を増加させるように駆動ユニットを設計することができる。
【0039】
次に
図4Cを参照すると、管の第1および第2のセット440a、440bは、互いに「通過」している。より具体的には、管440aの第1のセットは、外部スロット354から内部スロット374まで径方向内向きに移動し、管440bの第2のセットは、内部スロット374から外部スロット354まで径方向外向きに同時にまたは実質的に同時に移動する。例えば、
図3Aおよび3Bを参照して説明したように、外部アセンブリ350の外部駆動部材354の第1のセットは、外部カムリング352によって径方向内向きに駆動され、管440aの第1のセットを、外部スロット354から内部スロット374まで移動させることができる。同時に、内部アセンブリ370の内部駆動部材376の第1のセットを径方向内向きに引き込み、管440aの第1のセットに空間を提供することができる。同様に、内部アセンブリの内部駆動部材376の第2のセットは、内部カムリング372によって径方向外向きに駆動され、第2の管440bを内部スロット374から外部スロット354に移動させることができる。同時に、外部駆動部材356の第2のセットを径方向外向きに引き込み、管440bの第2のセットのための空間を提供することができる。
【0040】
次に、
図4Dに示されるように、内部アセンブリ370は、第2の方向(例えば、矢印CWによって示される時計回りの方向)に回転され、管440aの第1のセットを外部スロット354の異なるセットと位置合わせされる。
図4Dに例示される実施形態では、内部アセンブリ370は、外部アセンブリ350に対して回転して、管440aの第1のセット内の各管を、空である次の利用可能な外部スロット354、すなわち2つ離れたスロットである外部スロット354と位置合わせさせる。たとえば、Wとラベル付けされた内部スロット374は、最初にCとラベル付けされた空の外部スロット374と位置合わせされたが(
図4C)、回転後、Wとラベル付けされた内部スロット374は、Eとラベル付けされた空の外部スロット354と位置合わせされる。このステップは、管440aの第1のセットのフィラメントを、管440bの第2のセットのフィラメントの下を通過させ、円筒状編組の織りパターンを作成する。いくつかの実施形態では、回転の量は変動することができる(例えば、2つ以上の空の外部スロット354による回転)。例示される実施形態では、回転後、
図4Aに示すように、内部アセンブリ370および外部アセンブリ350は、初期位置または開始位置にある。
【0041】
最後に、
図4Eを参照すると、管440a、440bの第1および第2のセットは、互いに「通過」している。より具体的には、管440bの第2のセットは、外部スロット354から内部スロット374まで径方向内向きに移動し、管440aの第1のセットは、内部スロット374から外部スロット354まで径方向外向きに同時にまたは実質的に同時に移動する。示されるように、管440aの第1のセット内の各管は、
図4Aに示される初期位置に対して第1の方向に回転され(例えば、2つの外部スロット354を時計回り方向に回転させ)、管440bの第2のセットは、
図4Aの初期位置に対して第2の方向に回転されている(例えば、2つの内部スロット374を反時計回りの方向に回転させている)。
【0042】
図4A~4Eに例示されるステップは、続いて繰り返され、管440a、440bの第1および第2のセット、およびその中に保持されたフィラメントが繰り返し通過し、反対方向に回転し、マンドレル上に円筒状編組を形成し、他のセットに対する径方向外向きのパスと他のセットに対する径方向内向きのパスとの間を順次交互に切り替える。当業者は、本技術の範囲から逸脱することなく、回転の方向、各回転の距離等を変えることができることを認識するであろう。
【0043】
図5および6は、本技術の別の実施形態に従って構成された編組システムの駆動ユニット520(例えば、上部または下部駆動ユニット)の概略図である。駆動ユニット520は、
図1~4Eを参照して上記で詳細に説明された駆動ユニット120、130と、一般に、同様の特徴を含むことができる。例えば、駆動ユニット520は、外部アセンブリ550内で同軸に配置された外部アセンブリ550および内部アセンブリ570(集合的に「アセンブリ550、570」)を含む。同様に、外部アセンブリ550は、外部スロット554を有することができ、内部アセンブリ570は、内部スロット574を有することができ、管540は、外部スロット554および/または内部スロット574の個々のスロット内に拘束されることができる。しかしながら、例示される実施形態では、アセンブリ550、570は、個々に制御され、および/または機械的に同期して、すべての管540を外部スロット554(
図5に示されるように)内に、または内部スロット574(例えば、
図6に示されるように)内に位置付けられることを可能にする複数のカムリング(図示せず)を各々含む。複数のカムリングの作動は、内部スロット554と外部スロット574との間で管540を同時にまたは個別に移動させることができる。いくつかの実施形態では、内部/外部アセンブリごとに複数のカムを使用することにより、管の運動およびタイミングの制御を向上させることができる。
【0044】
上述のように、本技術によるカムリングは、駆動部材を径方向内向きまたは外部に駆動するための様々な周期的形状を有することができる。
図7は、例えば、複数の(例えば、鋭利、尖っている等)山787および谷789を含む略鋸歯状の周期的形状を有する外面785を有するカムリング772(例えば、内部カムリング)の拡大上面図である。
図8は、例えば、複数の(例えば、鈍角、平坦等)山887および谷889を含む略三角形または直線形状を有する外面885を有するカムリング872(例えば、内部カムリング)の拡大上面図である。他の実施形態では、本技術によるカムリングは、駆動部材を作動させるための他の適切な周期的または非周期的形状であることができる。
【0045】
図9は、システム100(
図1)を制御するために使用され得るユーザインターフェース900のスクリーンショットと、マンドレル102上に形成された結果として得られた編組105の特性である。複数のクリック可能、プッシュ可能、またはそうでなければ係合可能なボタン、インジケータ、トグル、および/またはユーザ要素が、ユーザインターフェース900内に示されている。例えば、ユーザインターフェース900は、結果として得られる編組105の所望のおよび/または予想される特性を各々示す複数の要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、特性は、マンドレル102上に形成された編組105の異なる垂直部分にそれぞれ対応する1つ以上のゾーン(例えば、7つの例示されたゾーン)について選択することができる。より詳細には、要素910は、マンドレルまたは編組の長さに沿ったゾーンの長さを(例えば、cmで)示すことができ、要素920は、1cmあたりのピックの数(交差の数)を示すことができ、要素930は、ピックカウント(例えば、総ピックカウント)を示すことができ、要素940は、(例えば、毎分形成されるピックにおける)プロセスの速度を示すことができ、要素950は、編組ワイヤカウントを示すことができる。いくつかの実施形態では、ユーザがゾーンの特定の特性を入力すると、他の特性の一部またはすべてが制約されるか、自動的に選択され得る。例えば、特定の数の「1cmあたりのピック」およびゾーン「長さ」のユーザ入力により、「1cmあたりのピック」の可能な数が制約または決定され得る。ユーザインターフェースは、編組105が特定のゾーンに形成された後にシステム100を一時停止するための選択可能な要素960と、特定のゾーンの形成中にマンドレルを静止状態に保つための選択可能な要素970(例えば、自動ではなくマンドレル102の手動によるジョギングを可能にする)をさらに含むことができる。さらに、ユーザインターフェースは、テーブルを寸動させるための要素980aおよび980bと、マンドレル102を上下に寸動させる(たとえば、上昇または下降させる)ための要素985aおよび985bと、プロファイル(たとえば、保存された編組特性のセット)をロードし、選択されたプロファイルをそれぞれ実行するための要素990aおよび990bと、実行(たとえば、編組プロセスのすべてまたは一部)が完了したことを示すインジケータ995とを含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、例えば、ピック数が少ないと柔軟性が向上し、ピック数が多いと編組105の長手方向の剛性が増加する。したがって、システム100は、有利には、ピック数(および編組105の他の特性)を編組105の特定の長さ内で変化させて、可変可撓性および/または長手方向剛性を提供することを可能にする。例えば、
図10は、マンドレル102およびその上に形成された編組105の拡大図である。編組105またはマンドレル102は、それぞれが異なる特性を有する第1のゾーンZ1、第2のゾーンZ2、および第3のゾーンZ3を含むことができる。示されるように、例えば、第1のゾーンZ1は、第2および第3のゾーンZ2およびZ3より高いピックカウントを有することができ、第2のゾーンZ2は、第3のゾーンZ3より高いピックカウントを有することができる。したがって、編組105は、各ゾーンにおいて、様々な可撓性、ならびに細孔サイズを有することができる。
【実施例】
【0047】
本技術のいくつかの態様は、以下の実施例に記載されている。
1.外部カムおよび外部スロットを含む外部アセンブリと、内部カムおよび内部スロットを含む内部アセンブリであって、内部アセンブリが、外部アセンブリと同軸に位置合わせされ、内部および外部スロットの数が同じである、内部アセンブリと、を含む駆動ユニットと、
複数の管であって、個々の管が内部および/または外部スロットの各々の内部に拘束される、複数の管と、
外部カムを回転させて、管の第1のセットを外部スロットから内部スロットに駆動させるように構成された外部駆動機構と、
内部カムを回転させて、管の第2のセットを内部スロットから外部スロットに駆動させるように構成された内部駆動機構と、
を備える編組システム。
2.管の第1のセットが、外部スロット内に拘束されると、管の第2のセットが、内部スロット内に拘束され、
管の第1のセットが、内部スロット内に拘束されると、管の第2のセットが、外部スロット内に拘束される、実施例1に記載の編組システム。
3.内部および外部駆動機構が、内部および外部カムを回転させて、実質的に同時に、(a)管の第1のセットを、外部スロットから内部スロットに駆動させ、(b)管の第2のセットを、内部スロットから外部スロットに駆動させるように構成される実施例1または2に記載の編組システム。
4.外部アセンブリが、外部スロットと位置合わせされた外部駆動部材を含み、
内部アセンブリが、内部スロットと位置合わせされた内部駆動部材を含み、
外部駆動機構が、外部カムを回転させて、外部駆動部材を径方向内向きに移動させるように構成され、
内部駆動機構が、内部カムを回転させて、内部駆動部材を径方向外向きに移動させるように構成される、実施例1~3のいずれか1つに記載の編組システム。
5.外部カムの第1の回転運動が、外部駆動部材の第1のセットを径方向内向きに移動させ、
外部カムの第2の回転運動が、外部駆動部材の第2のセットを径方向内向きに移動させる、実施例4に記載の編組システム。
6.外部駆動部材の第1および第2のセットが、同じ数の外部駆動部材を含む、実施例5に記載の編組システム。
7.内部カムの第1の回転運動が、内部駆動部材の第1のセットを径方向外向きに移動させ、
内部カムの第2の回転運動が、内部駆動部材の第2のセットを径方向外向きに移動させる、実施例4~6のいずれか1つに記載の編組システム。
8.内部駆動部材の第1および第2のセットが、同じ数の内部駆動部材を含む、実施例4~7のいずれか1つに記載の編組システム。
9.外部カムが、外部駆動部材と連続的に接触する周期的形状を備えた径方向内向きに面する表面を有し、
内部カムが、内部駆動部材と連続的に接触する周期的形状を備えた径方向外向きに面する表面を有する実施例4~8のいずれか1つに記載の編組システム。
10.内部および外部アセンブリが、実質的に同一平面上にあり、内部アセンブリが、外部アセンブリに対して回転可能である、実施例1~9のいずれか1つに記載の編組システム。
11.管状編組を形成する方法であって、
内部アセンブリを外部アセンブリに対して回転させるステップであって、内部アセンブリが、細長部材の第1のセットを拘束し、外部アセンブリが、細長部材の第2のセットを拘束し、細長部材の第1および第2のセットの各々が、個々のフィラメントを受け入れるように構成される、回転させるステップと、
実質的に同時に、
内部アセンブリの内部カムを駆動させて、細長部材の第1のセットを、内部アセンブリから外部アセンブリに移動させ、
外部アセンブリの外部カムを駆動させて、細長部材の第2のセットを、外部アセンブリから内部アセンブリに移動させるステップと、を含む、方法。
12.内部および外部カムを実質的に同時に駆動させた後、内部アセンブリを回転させて、細長部材の第2のセットを細長部材の第1のセットに対して回転させるステップをさらに含む、実施例11に記載の方法。
13.内部アセンブリを回転させるステップが、内部アセンブリを第1の方向に回転させて、細長部材の第1のセットを細長部材の第2のセットに対して回転させるステップを含み、管状編組を形成する方法が、
内部および外部カムを実質的に同時に駆動させた後、内部アセンブリを第2の方向に回転させて、細長部材の第2のセットを細長部材の第1のセットに対して回転させるステップをさらに含み、第1の方向が、第2の方向と反対である、実施例11または12に記載の方法。
14.内部アセンブリが、細長部材の第1のセットまたは第2のセットを拘束するように構成された内部スロットを含み、
外部アセンブリが、細長部材の第1のセットまたは第2のセットを拘束するように構成された外部スロットを含み、
内部および外部スロットの数が同じである、実施例11~13のいずれか1つに記載の方法。
15.各々が上部および下部を有する複数の細長部材であって、個々の細長部材が、個々のフィラメントを受け入れるように構成される、細長部材と、
細長部材の上部に抗して作用するように構成された上部駆動ユニットと、
長手方向軸に沿って上部駆動ユニットと同軸に位置合わせされ、細長部材の下部に抗して作用するように構成された下部駆動ユニットと、を備え、
上部および下部駆動ユニットが、同期して細長部材の上部および下部に抗して作用して、(a)細長部材の第1のセットを、長手方向軸に向かって径方向内向きに、(b)細長部材の第2のセットを、長手方向軸から離れて径方向外向きに、同時に駆動するように構成される、編組システム。
16.上部駆動ユニットが細長部材の上部を拘束し、下部駆動ユニットが細長部材の下部を拘束する、実施例15に記載の編組システム。
17.上部および下部駆動ユニットが、細長部材を、長手方向軸に対して弓形経路に沿って移動させるようにさらに構成される、実施例15または16に記載の編組システム。
18.上部および下部駆動ユニットが、実質的に同一である、実施例15~17のいずれか1つに記載の編組システム。
19.上部および下部駆動ユニットが、ともに移動するように機械的に同期化される、実施例15~18のいずれか1つに記載の編組システム。
20.上部駆動ユニットが、(a)外部スロットを有する外部アセンブリと、(b)内部スロットを有する内部アセンブリと、を含み、
下部駆動ユニットが、(a)外部スロットを有する外部アセンブリと、(b)内部スロットを有する内部アセンブリと、を含み、
個々の細長部材が、上部および下部駆動ユニットの内部および/または外部スロットの各々の内部に拘束され、
内部および外部スロットの数が同じである、実施例15~19のいずれか1つに記載の編組システム。
【0048】
(結論)
技術の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であること、または技術を上記で開示された正確な形態に限定することを意図していない。技術の特定の実施形態および技術の例を例示の目的で上に説明したが、当業者が認識するように、技術の範囲内で様々な同等の変更が可能である。例えば、ステップは所与の順序で提示されているが、代替の実施形態は、異なる順序でステップを実行することができる。本明細書で説明される様々な実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するために組み合わされてもよい。
【0049】
上記から、技術の特定の実施形態が例示の目的で本明細書で説明されたが、周知の構造および機能は、技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細に示されていないか、または説明されていない。文脈が許す場合、単数または複数の用語は、それぞれ複数または単数の用語も含み得る。
【0050】
さらに、「または(or)」という用語は、2つ以上の項目のリストに関して他の項目から除外される単一の項目のみを意味するように明確に限定されていない限り、そのようなリストでの「または」の使用は、(a)リスト内の単一のアイテム、(b)リスト内のすべてのアイテム、または(c)リスト内のアイテムの任意の組み合わせを含むものとして解釈される。さらに、「備える(comprising)」という用語は、同じ機能および/または他の機能の追加のタイプの任意のより多くの数が排除されないように、少なくとも列挙された機能を含むことを意味するために全体を通して使用される。特定の実施形態が例示を目的として本明細書で説明されたが、本技術から逸脱することなく様々な修正が行われ得ることも理解されよう。さらに、本技術のいくつかの実施形態に関連する利点がそれらの実施形態の文脈において説明されているが、他の実施形態は、このような利点を示すこともでき、全ての実施形態が、本技術の範囲内に収まるために必ずしもこのような利点を示す必要がある訳ではない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書において明示的に示されていないか、または説明されていない他の実施形態を包含することができる。