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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】コーヒー器具用のユニット
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/42 20060101AFI20240131BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20240131BHJP
   B65D 85/50 20060101ALN20240131BHJP
   B65D 83/06 20060101ALN20240131BHJP
【FI】
A47J31/42
A47J31/44 100
B65D85/50 100
B65D83/06 H
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020566713
(86)(22)【出願日】2019-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2019053323
(87)【国際公開番号】W WO2019228681
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】18175384.9
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18198887.4
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18198888.2
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520223701
【氏名又は名称】クレアトリックス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドイバー,ルイス
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-204958(JP,A)
【文献】特開2011-006088(JP,A)
【文献】実開昭59-007153(JP,U)
【文献】特表2018-512050(JP,A)
【文献】特開昭58-138419(JP,A)
【文献】実開昭57-194178(JP,U)
【文献】特表2012-510335(JP,A)
【文献】独国実用新案第202007015307(DE,U1)
【文献】独国実用新案第202009013642(DE,U1)
【文献】再公表特許第2012/070581(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/42
A47J 31/44
B65D 85/50
B65D 83/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器モジュール(M)を有するユニットであって、
前記容器モジュール(M)が、少なくとも1つのコーヒー豆容器(10)と、コーヒー豆を計量するための分配器(2)とを備え、
前記容器モジュール(M)が、組み立てられた状態で、全体としてコーヒー装置と解離可能に接続するように構成されており、
前記接続により、前記容器モジュール(M)から前記コーヒー装置の粉挽器(4)へのコーヒー豆の計量供給が可能となり、
前記コーヒー豆容器(10)が、最初の使用前に密に閉じられていて、開封操作後に、コーヒー豆が通って前記分配器(2)に入る開口部を有し、
コーヒー装置による前記容器モジュール(M)の意図した使用中、前記コーヒー豆容器(10)が、前記分配器(2)の上に配置されている、前記ユニットにおいて、
前記コーヒー豆容器(10)が、解離可能であるとともに再接続可能に前記分配器(2)と結合され、前記開口部の周りに結合要素(11)が配置されており、前記要素が、前記分配器(2)との接続に使用され、前記コーヒー豆容器(10)が前記分配器(2)から分離されているときに、前記開口部は再び閉じることができることを特徴とする、ユニット。
【請求項2】
前記結合要素(11)が、第1のねじ山であり、
前記分配器(2)が、前記第1のねじ山と係合することができる適合する第2のねじ山を有する、請求項1記載のユニット。
【請求項3】
前記ユニットが、前記コーヒー豆容器(10)を閉じるための蓋(12)を有する、請求項1又は2記載のユニット。
【請求項4】
前記結合要素(11)が、前記蓋(12)との接続に使用される、請求項3記載のユニット。
【請求項5】
前記蓋(12)が、前記第1のねじ山と係合することができる第3のねじ山を有する、請求項2及び4記載のユニット。
【請求項6】
前記コーヒー豆容器(10)が、前記開口部を除いて閉じられた構成である、請求項1~5のいずれか1項記載のユニット。
【請求項7】
前記コーヒー豆容器(10)が、実質的に円筒形の構成である、請求項1~6のいずれか1項記載のユニット。
【請求項8】
前記コーヒー豆容器(10)が、一定の内径を有する、請求項1~7のいずれか1項記載のユニット。
【請求項9】
前記コーヒー豆容器(10)が、剛性又は半剛性の材料から製造されている、請求項1~8のいずれか1項記載のユニット。
【請求項10】
前記コーヒー豆容器(10)が、可撓性又は軟質のバッグであり、前記結合要素(11)が、前記分配器(2)との接続のためのねじ山(113)を有するリングを有する、請求項1~8のいずれか1項記載のユニット。
【請求項11】
前記分配器(2)が、実質的に円筒形の外側輪郭を有する、請求項1~10のいずれか1項記載のユニット。
【請求項12】
前記分配器(2)が、前記コーヒー豆の計量を手動で選択することができる第1の設定手段(21)を有する、請求項1~11のいずれか1項記載のユニット。
【請求項13】
前記容器モジュール(M)が、粉挽度を選択可能に設定するための粉挽度設定具(3)をさらに有し、
前記容器モジュール(M)が前記粉挽器(4)と接続されているときに、前記粉挽度設定具(3)が、前記粉挽器(4)に作用する、請求項1~12のいずれか1項記載のユニット。
【請求項14】
前記分配器(2)が、前記コーヒー豆容器(10)と前記粉挽度設定具(3)との間に配置される、請求項13記載のユニット。
【請求項15】
前記粉挽度設定具(3)が、前記粉挽度を手動で選択することができる第2の設定手段(31)を有する、請求項13又は14記載のユニット。
【請求項16】
前記容器モジュール(M)が、実質的に筒形の外側輪郭を有する、請求項1~15のいずれか1項記載のユニット。
【請求項17】
容器モジュール(M)を有するユニットのコーヒー豆容器であって、
前記容器モジュール(M)が、前記コーヒー豆容器(10)と、コーヒー豆を計量するための分配器(2)とを備え、
前記容器モジュール(M)が、組み立てられた状態で、全体としてコーヒー装置と解離可能に接続するように構成されており、
前記接続により、前記容器モジュール(M)から前記コーヒー装置の粉挽器(4)へのコーヒー豆の計量供給が可能となり、
前記コーヒー豆容器(10)が、最初の使用前に密に閉じられていて、開封操作後に、コーヒー豆が通って前記分配器(2)に入る開口部を有し、
コーヒー装置による前記容器モジュール(M)の意図した使用中、前記コーヒー豆容器(10)が、前記分配器(2)の上に配置されている、前記ユニットにおいて、
前記コーヒー豆容器(10)が、解離可能であるとともに再接続可能に前記分配器(2)と結合され、前記開口部の周りに結合要素(11)が配置されており、前記要素が、前記分配器(2)との接続に使用され、前記コーヒー豆容器(10)が前記分配器(2)から分離されているときに、前記開口部は再び閉じることができ、
前記コーヒー豆容器(10)が、前記コーヒー豆容器(10)の開口部を取り囲む縁部(101)を有するバッグであり、
前記結合要素(11)が、前記分配器(2)との接続のための下側リング(115)と、上側リング(11)とを有し、
前記コーヒー豆容器(10)の前記縁部(101)が、前記コーヒー豆容器(10)の開封状態において、前記上側リング(114)と前記下側リング(115)との間にクランプされた状態で保持されている、コーヒー豆容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー装置用のユニットに関する。ユニットは、容器モジュール及び蓋を備え、容器モジュールは、少なくとも1つのコーヒー豆容器及び分配器を備える。
【背景技術】
【0002】
コーヒーは、専門的な調製を要する天然の刺激物である。コーヒーにその香りを最適に生じさせ得るためには、コーヒー豆は常に、例えば、コーヒーを調製する直前に粉挽されるべきである。同じ種類のコーヒー豆を誰もが好むわけではないので、可能な限り素早く簡単に異なる種類のコーヒーに変更できることも望ましい。
【0003】
コーヒーのタイプ、すなわちエスプレッソやルンゴによって、異なる量のコーヒー豆が必要である。したがって、いくつかのコーヒーマシンは、既定量のコーヒー豆を粉挽器に供給したり、挽きたてのコーヒー挽砕物の重さを量ったりする分配器を有する。
【0004】
さらに、全ての香り物質を最適に生じさせるために、正確な粉挽度が非常に重要である。原則として、全自動コーヒーマシンでは、エスプレッソ豆由来の、例えばミルクコーヒー豆由来の、又はルンゴ豆由来のコーヒー粉が、同じ程度の細末度で作られる。しかし、対応する豆が、深焙りであろうが浅焙りであろうが、正確な粉挽度で粉挽されることも非常に重要である。
【0005】
その内容が参照により本明細書に組み込まれる未公開の特許文献1には、コーヒー装置のユニットが記載されている。このユニットは、コーヒー豆を保存するためのコーヒー豆容器と、コーヒー飲料用にコーヒー豆を計量するための分配器と、計量されたコーヒー豆を粉挽するための粉挽器とを備える。コーヒー豆容器及び分配器は、共通の容器モジュールで構成される。ユニットは、容器モジュールが使用中に接続され、この容器モジュールが使用後に取り外せるモジュール受け器を有する。容器モジュールは、計量される量及び粉挽度のユーザー選択可能な設定を有し、計量される量の設定は、分配器に作用し、粉挽度の設定は、粉挽器に作用する。特許文献1に記載されているコーヒー装置は、例えば、特に単一のポーションを調製するための、淹出装置を有するコーヒーマシン、又はコーヒーミルである。実施形態に応じて、コーヒー装置はまた、2つのポーションの調製に適する。代替的に又は付加的に、他の実施形態は、複数のポーションを調製することを可能にする。
【0006】
粉挽度に関する設定及び計量に関する設定は、容器モジュールにて直接設定されるため、これらの設定は、豆容器を満たすコーヒー豆の種類に固定的に関連付けられる。これらの設定は、容器モジュールがコーヒーマシンの他の部分に接続されているときに、ユーザーが何もしなくても考慮されて実施されるため、この種類のコーヒーが新しく使用されるたびに、これらの設定をマシンに対して再び設定する必要がない。取り扱いは、このように簡単であり、一貫したコーヒー品質を保証する。
【0007】
したがって、このユニットは常に、香りに悪影響を与えることなく、挽きたてのコーヒーを提供する。容器モジュールを交換するだけなので、豆の種類を簡単に変更することが可能である。コーヒーマシンの設定は、豆及びユーザーに応じて簡単に変更することができ、ある種類のコーヒーについて一度設定したパラメータを、途中で別の種類のコーヒーを淹出した場合でも、マシンの後の使用中に設定する必要がなくなる。容器モジュールは、電子部品を必要としないため、費用対効果の比較的高い方法で製造することができる。他の実施形態において、特に、調理部門又はより高価格帯のマシンでは、容器モジュールが電子部品も有する。
【0008】
それゆえ、これら2つの未公開の出願に記載されている容器モジュールは、大きな可能性を有する。しかし、両出願は、容器モジュールがどのように満たされ、保存されるかについてほとんど考慮していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際特許出願第PCT/EP2018/086732号
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、容器モジュールを最適化することである。
【0011】
この目的は、特許請求項1の特徴を有するユニットによって達成される。
【0012】
本発明によるユニットは、少なくとも1つの容器モジュールを有する。容器モジュールは、少なくとも1つのコーヒー豆容器と、コーヒー豆を計量するための分配器とを備え、容器モジュールは、全体としてコーヒー装置と接続するように構成されている。この接続により、容器モジュールからコーヒー装置の粉挽器へのコーヒー豆の計量供給が可能となる。コーヒー豆で満たされたコーヒー豆容器は、最初の使用前に密に閉じられており、最初の開封操作後に、この容器は、コーヒー豆が通って分配器に入る開口部を有する。この場合、コーヒー装置による容器モジュールの意図した使用中、コーヒー豆容器は、分配器の上に配置されている。コーヒー豆容器は、解離可能であるとともに再接続可能に分配器と結合される。開口部の周りに結合要素が配置されており、この要素は、分配器との接続に使用され、コーヒー豆容器が分配器から分離されているときに、開口部は再び閉じることができる。
【0013】
コーヒー豆容器と分配器とのこの解離可能な接続により、既製の容器にコーヒー豆を入れて提供することが可能となる。使用前に、消費者は、分配器との接続を確立するだけでよい。加えて、使用していないときに、容器モジュール全体を冷蔵庫又は別の適切な場所に保管する必要がない。コーヒー豆容器は、分配器から再び取り外すことができ、次の使用まで、その蓋によって密に閉じることができる。さらに、コーヒー豆容器が使い捨て包装体として形成されていても、分配器は複数回使用することができる。しかし、コーヒー豆容器も同様に、好ましくは複数回使用することができる。例として、容器は、コーヒー供給業者、例えば焙煎業者などにて再び満たすこともできる。好ましくは、コーヒー豆容器は、剛性又は半剛性の材料から製造される。好ましくは、コーヒー豆容器は、金属、ガラス、又はPETから製造される。他の実施形態では、コーヒー豆容器は、軟質又は可撓性の本体を有する。例として、このコーヒー豆容器は、コーヒーパウチ又はバッグである。本体は、固定されるように又は解離可能に結合要素に接続される。例として、この結合要素は、コーヒーパウチ又はバッグに固定することができるか、又は販売時にコーヒーパウチ又はバッグに既に固定されているねじ山付きリングである。
【0014】
コーヒー豆容器をコーヒーマシン又はコーヒーミルに直接差し込む必要がないため、この簡単な解離可能な接続が可能となる。なお、その場合には、特に差し込み操作中に開口部が保護されずに下に向けられ、コーヒー豆が落下してしまう。本発明による装置では、コーヒー豆容器は、開口部が上に向けられた状態で、上下反転させられた分配器に接続することができ、組み立てられた容器モジュールは、コーヒー装置に取り付けるために上下反転させられるだけでよい。開口部は、分配器によって保護され、コーヒー豆はモジュール内に保持される。
【0015】
簡単な実施形態では、コーヒー豆で満たされた容器は、フィルムによって覆われるか、封止されるか、若しくは溶着されるか、又は他のやり方で閉じられる。分配器からの分離後に、この容器は、再び同様に閉じることができる。そしてまた、このことは、例えば、接着接合、溶着、容器の縁部を越える折り返し、又は別の方法で行うことができる。
【0016】
しかし、好ましい実施形態では、ユニットは、容器を閉じるための蓋を有する。実施形態に応じて、この蓋は、最初の使用後、又は最初の使用前に封止する目的のみで使用される。
【0017】
簡単な実施形態では、蓋は、取り外し可能な気密で香りを逃さないフィルムである。別の実施形態では、蓋は、コーヒー豆容器に気密に押し戻すことができる。他の実施形態では、密な接続のための第2の結合要素が存在する。好ましい実施形態では、分配器との接続に使用される結合要素は、蓋との密な接続にも使用される。
【0018】
好ましい実施形態では、結合要素は、第1のねじ山であり、分配器は、第1のねじ山と係合することができる適合する第2のねじ山を有する。これは、簡単で安定した費用対効果の高いタイプの接続である。好ましくは、蓋は、第1のねじ山と係合することができる第3のねじ山を有する。これはまた、製造コストを最小限に抑え、取り扱いも簡単である。
【0019】
好ましくは、コーヒー豆容器は、開口部を除いて閉じられた構成である。したがって、好ましくは、反対側にあるベースは閉じられていて、破壊なしでは取り外すことができない。他の実施形態では、このベースも同様に取り外し可能な蓋を有する。好ましい実施形態では、容器は、実質的に円筒形の構成である。容器は、好ましくはある内径を有する。これらの構成により、費用対効果の高い簡単な容器を製造することが可能となる。好ましくは、この容器は、蓋と共に積み重ねられるように構成される。好ましい実施形態では、この容器は、簡素なジャム瓶の形態を有し、この容器の寸法はまた、この種の瓶にほぼ対応する。容器の保存量は、好ましくは100g~250g、より好ましくは約160gである。
【0020】
好ましくは、分配器は、実質的に円筒形の外側輪郭を有する。好ましくは、分配器の外側輪郭とコーヒー豆容器の外側輪郭とは一致するか、又はコーヒー豆容器がわずかに小さな外径を有する。
【0021】
分配器は、様々な形態で構成することができる。実施形態に応じて、分配器は、先行技術から知られている分配器の1つに対応する。しかし、分配器は、好ましくは、冒頭で述べた未公開の特許文献に記載され開示されているような分配器に対応する。したがって、この分配器は、好ましくは、コーヒー豆の計量を手動で選択することができる第1の設定手段、好ましくは第1の設定リングを有する。この目的のために、この分配器は内部に、好ましくは、第1の設定手段によって容量を変更することができる計量チャンバを有する。
【0022】
簡単な実施形態では、容器モジュールは、コーヒー豆容器及び分配器から構成される。しかし、好ましい実施形態では、容器モジュールは、粉挽度を選択可能に設定するための粉挽度設定具をさらに有する。容器モジュールが粉挽器と接続されているときに、粉挽度設定具は、粉挽器に作用する。分配器は、好ましくは、コーヒー豆容器と粉挽度設定具との間に配置される。粉挽度設定具は、好ましくは、粉挽度を手動で選択することができる第2の設定手段、好ましくは第2の設定リングを有する。しかし、粉挽度設定具は、他の手段によっても実現することができる。例として、容器モジュールには、粉挽度設定のためのデータを有するRFIDタグを設けることができ、コーヒー装置は、対応するリーダを有する。異なるタイプの粉挽度設定具を使用することができる。好ましくは、冒頭で述べた未公開の特許文献に記載されているような粉挽度設定具が使用される。同出願に記載されている変形例では、設定手段、特に設定リングによる手動設定も好ましい。
【0023】
粉挽器は、各粉挽操作後に完全に空にされて、粉挽されたコーヒー粉が粉挽器内に残らないように、好ましく設計され、及び/又は、好ましく操作される。このための解決策は周知であり、したがって、ここでは詳しく記載しない。
【0024】
容器モジュール全体は、好ましくは実質的に筒形の外側輪郭を有する。粉挽度設定具が存在する場合には、この部分もまた、好ましくは、この外側輪郭を有する。これにより、新たなコーヒー装置の開発の自由度を高め、使用されていないときには容器モジュールを簡単に格納することを可能にする、簡単な省スペース設計が達成される。
【0025】
本発明によるそのようなユニットのコーヒー豆容器は、好ましくは、閉じられたベースと、ベースとは反対側の開口部とを有する円筒形の一体構成である。開口部は、雄ねじ山によって取り囲まれており、蓋は、適合する雌ねじ山を有する。
【0026】
別の好ましい実施形態では、コーヒー豆容器は、コーヒー豆容器の開口部を取り囲む縁部を有するバッグであり、結合要素は、分配器との接続のための下側リングと、上側リングとを有し、コーヒー豆容器の縁部は、コーヒー豆容器の開封状態において、上側リングと下側リングとの間にクランプされた状態で保持されている。
【0027】
更なる実施形態が、従属請求項に規定される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて以下で説明する。図面は、説明のためだけに使用され、限定するものとして解釈されるべきではない。
図1】蓋を伴う、本発明によるコーヒー豆容器の斜視図である。
図2図1に示した、蓋を伴うコーヒー豆容器の縦断面図である。
図3】蓋を伴わない、図1に示したコーヒー豆容器の斜視図である。
図4】容器モジュールを形成するように分配器及び粉挽度設定具に組み付けられたときの、図1に示したコーヒー豆容器の斜視図である。
図5】使用位置にある、図4に示した本発明による容器モジュールの側面図である。
図6図5に示した容器モジュールの縦断面図である。
図7】コーヒーミルと共に使用される、図6に示した容器モジュールの変形例の縦断面図である。
図8図5に示した本発明による容器モジュールを2つ有するコーヒーミルの斜視図である。
図9】本発明によるコーヒー豆容器の更なる実施形態の分解斜視図である。
図10図9に示したコーヒー豆容器の縦断面図である。
図11図10に示したコーヒー豆容器の拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1及び図2は、コーヒー豆容器10及び蓋12を有する本発明による缶(can)1を示す。コーヒー豆容器10は、剛性又は半剛性の材料、例えば、ガラス、金属、又はプラスチック、例えばPETから製造される。蓋12は、好ましくは、PET、別のプラスチック、又は金属から製造される。蓋12は、丸くて平らである。容器10は、平らなベースを有する円筒形状である。この容器はその出口開口にまで、この出口開口を含めて一定の内径を有する内部空間13を形成する。容器10は、好ましくは一体構成である。この容器はその上側自由端部に、ここでは蓋12の雌ねじ山と係合することができる雄ねじ山の形態の結合要素11を有する。雄ねじ山11は、図3において容易に認識することができる。
【0030】
コーヒー豆は、コーヒー豆容器10に保存することができる。慣習的に、容器10はその外側面に、その内容物に関する情報を提供するための記述を相応に有することができる。
【0031】
蓋12との接続に代えて、コーヒー豆容器10は、容器モジュールMを形成するようにモジュール部品に組み付けることができる。このために、この容器はその開口を上向きにして配置され、ここでは分配器2及び粉挽度設定具3から構成されるモジュール部品が、容器10に取り付けられる。図6において見ることができるように、モジュール部品、ここでは分配器2の本体20が、対応する雌ねじ山を有するので、モジュール部品2,3は、蓋12の代わりに容器10に螺合することができる。
【0032】
容器モジュールM、特に分配器2及び粉挽度設定具3は、図4図6において容易に認識することができる。分配器2は、図5及び図6に示すように、使用位置において、上方から容器10を出て分配器2に落下するコーヒー豆を計量するために使用される。このために、豆は、分配器2の傾斜面23に落下し、さらに計量チャンバ24に落下する。この計量チャンバ24の大きさは、第1の設定リング21によって変更することができる。第1の設定リング21は、好ましくは本体20を取り囲む。具体的に、この例示的な実施形態では、第1の設定リング21の回転の結果として、2つの回転ディスクが、計量チャンバ24の容量を変化させるように、モジュールの長手方向において互いに変位させられる。この場合に、本体20の位置は変化せず、特に、本体は一緒に回転させられない。本体20にあるマーク22が、第1の設定リング21がどこまで回転させられたかを示す。
【0033】
使用位置において分配器2の下に配置される粉挽度設定具3は、コーヒー装置に結合されたときに、コーヒー装置内の粉挽器を相応に設定するために使用される。大半の実施形態では、このことは、粉挽器4の粉挽ディスク43,44の間の間隔を、粉挽度設定具に従って変更及び設定することを意味する(図7を参照)。粉挽度設定具3は、同様に本体30を有し、この本体30は、好ましくは、分配器の本体20に固定的に接続されるか、又は分配器の本体と一体に構成される。2つの本体20,30は、好ましくは円筒形の構成であり、好ましくは同じ外径を有する。粉挽度設定具3は、好ましくは、本体30を取り囲む第2の設定リング31を有する。本体30にあるマーク32が、本体30に対して選択された設定リング31の回転位置を識別するために使用される。
【0034】
粉挽度設定具3の本体30の内部には、粉挽度の事前設定を可能にするとともに、コーヒー装置に結合されたときに、好ましくは、この事前設定を粉挽器4に機械的に伝達する機構が配置される。この機構は、好ましくは、第2の設定リング31によって互いに位置調整される複数の歯車及び歯列から構成される。この機構については、ここでは詳細に記載しない。このための様々な実施形態が、冒頭で述べた2つの未公開の特許文献において包括的に説明されている。図6では、機構の第1の歯車に参照符号34が付与され、内歯車リムに参照符号36が付与されている。設定を粉挽器に伝達するために使用される回転リングが、参照符号33を有する。駆動軸収容部37が、底部に向けて開くように構成され、図7において容易に認識できる駆動軸6との接続のために使用される。駆動軸収容部37は、分配器2に接続され、その結果、使用中に計量チャンバ24の中身が粉挽器4内に出される。
【0035】
図4において容易に認識できるように、容器モジュールM、ここでは粉挽度設定具3は、コーヒー装置との接続のための手段を有する。この手段は、ねじ山、スナップクロージャ、又は別の適切な手段であってもよい。この場合に、接続は、バヨネットクロージャ35によって行われる。
【0036】
この接続は、図7において見ることができる。容器モジュールMは、コーヒー装置のマシンハウジング8に固定される。コーヒー豆容器10は、上述した実施形態には対応していない。コーヒー豆容器は、分配器2との固定的な接続を有し、反対側の端部に上蓋14を有する。本発明によれば、この容器10ではなく、上述した容器10が使用され、分配器2との接続は相応に適合され、すなわち、破壊することなく解離可能であるとともに再接続可能であるように構成される。
【0037】
ハウジング8は、通路開口870を有し、この通路開口870は、容器モジュールM、より正確には計量チャンバ24の出口の下に配置され、それゆえ計量チャンバ24から器粉挽器4への接続を形成する。第1及び第2の粉挽ディスク43,44を有する粉挽器4は、ハウジング8内に配置される。粉挽ディスク43,44は、好ましくは、互いに間隔を空けて垂直方向に配置される。間隔は、粉挽度を規定し、ひいてはコーヒー豆から得られるコーヒー挽砕物の細末度を規定する。粉挽器4の設定ディスク41が、粉挽度設定具3、好ましくは回転リング33に動作可能に接続される。容器モジュールMがハウジング8に取り付けられている場合に、粉挽度設定具3は、設定リング41を回転させる。設定リング41の傘歯車が、ユニオンナット42の傾斜付き歯列と噛み合い、歯列を回転させる。結果として、ユニオンナット内に保持された第1の粉挽ディスク43が、第2の粉挽ディスク44に対して変位させられる。両粉挽ディスク間の間隔が変化し、所望の粉挽度が設定される。2つの粉挽ディスク43,44のフランジ間の変化する間隔には、参照符号45が付与され、2つの粉挽ディスク43,44自体の間の変化する間隔には、参照符号46が付与されている。2つの間隔は、互いに関係する。
【0038】
第2の粉挽ディスク44は、粉挽器モータ5によって駆動される。粉挽器モータ5は通常、電動モータである。粉挽器モータは、外側の搬送螺旋部を有する搬送ロータ47を回転させるモータ軸50を有する。搬送ロータ47は、第2の粉挽ディスク44を駆動する。
【0039】
コーヒー装置は、粉挽器4の作動前又は作動中に駆動軸6を駆動する第2の電動モータ(ここでは図示せず)を有する。結果として、計量チャンバ24が回転させられ、粉挽器4の送り込みダクト40を介した出口を開く。計量された量のコーヒー豆が、重力によって送り込みダクト40に滑り込み、そこから搬送ロータ47によって2つの粉挽ディスク43,44の間に搬送される。得られたコーヒー挽砕物は、出口ダクト48を通ってコーヒー装置の次の領域に移動する。装置がコーヒー淹出機である場合には、コーヒー挽砕物は、淹出領域に移動する。装置がコーヒーミルである場合には、コーヒー挽砕物は、装置の出口81に移動する。
【0040】
図8は、本発明による2つの容器モジュールM,M’と組み合わされたコーヒーミルの好ましい例を示す。コーヒーミルは、上述したハウジング8を有する。ハウジング8は、本体80を有し、本体内には、粉挽器4、電動モータ5、考えられる制御デバイス、及びコーヒーミルの考えられる更なる要素が配置される。ハウジングの内部は、好ましくは、図7に相応に構成される。
【0041】
本体80は、好ましくは、脚部860を有する台座86を有する。ハウジング8の他のタイプの構成も同様に可能である。本体80は、一方の側で台座86から突出している。この領域では、この本体は、下に向けられた出口81を有し、この出口を通ってコーヒー挽砕物が取り出される。出口81の下方には、コーヒー淹出機のスクリーン支持体を受けるために、スクリーン支持体受け器82が配置される。スクリーン支持体受け器82の下方には、好ましくは、飛散する虞のあるコーヒー挽砕物を捕集するために、捕集トレイ85がある。
【0042】
好ましくは、スクリーン支持体受け器82の領域には、スクリーン支持体の支持の結果として作動させられ、制御デバイスによって粉挽器4を作動させる、すなわちコーヒーミルを作動させる、作動レバー83がある。
【0043】
本体80の上面87には、2つの容器モジュールM,M’用の2つの受け部88,89が配置される。これらの受け部は、容器モジュールM,M’の結合手段に対応するように形成される。受け部は、好ましくは、両方の容器モジュールM,M’を選択的に2つの受け部88,89の一方に接続できるように、同一の構成である。この例では、受け器はバヨネットクロージャである。第1の受け部88は、送り込みダクト40への、ひいては粉挽器4への、前述の通路開口870を有する。第2の受け部89は、ブラインド構成であり、すなわち、第2の容器モジュールM’を支持及び固定するためだけに使用され、内部空間及びコーヒーミルの粉挽器との接続を有していない。
【0044】
図9図11は、本発明によるコーヒー豆容器の更なる実施形態を示す。ここでは、コーヒー豆容器10は、可撓性又は軟質のバッグの形態で構成される。このバッグは、開口部を取り囲む縁部101を有し、この開口部は、最初の使用前に好ましくは気密に閉じられている。
【0045】
好ましい実施形態では、例えばナッツ類用の食品バッグの先行技術において知られているような、Minigrip(登録商標)とも呼ばれる圧縮性のクロージャが存在する。このために、バッグは通常、開口部に隣接して、封止リブ102と、これに適合する対向する溝とを有し、これによって、コーヒー豆容器を気密に再び閉じることが可能になる。バッグの対向する2つの側面が互いに押し付けられると、封止リブ102が溝に係合し、バッグは、結果として再び密に閉じられる。他の実施形態では、バッグは、このバッグが分配器2から取り外された場合に別の方法で再び閉じることができ、あるいは、再び閉じるための特別な手段は設けられない。
【0046】
上で既に包括的に記載したように、コーヒー豆容器10は、コーヒー装置、例えばコーヒーミル又はコーヒーマシンに解離可能に接続することができる容器モジュールに使用することができる。
【0047】
そしてまた、結合要素11は、容器モジュールの残りの部分との接続のために使用される。この例では、結合要素11は、別個の部品の形態で構成される。結合要素は、下側リング115及び上側リング114を有する。下側リング115は、第1の端部に、分配器2のねじ山に接続するためのねじ山113を有する。好ましくは、下側リング115のねじ山113は、雄ねじ山である。下側リング115は、周方向フランジ110を有し、そこから下側リング115の第2の端部まで円錐形領域111が延びる。円錐形領域111は、平面状の構成であるか、又はこの例の場合のように、その高さの少なくとも一部にわたってリブ112、突起、又は小さな歯列を有する。
【0048】
下側リング115は通路開口130を有し、この通路開口130は、コーヒー豆容器10の開口部に整合させられ、それゆえ、容器10の内部空間13と計量器2との間の接続を形成し、この接続は、容器10が取り付けられているときに常に開いている。
【0049】
上側リング114はその内側面において同様に円錐形の構成であり、下側リング115の円錐部との対応部を形成する。外側面は、好ましくは、下側リング115のフランジ110の方向において底部に向けて上側リング114の厚さが減少するように、長手方向中心軸線に対して平行に延びる。実施形態に応じて、上側リング115の内面は、平面状の構成であるか、又は同様にリブ、突起、又は小さな歯列を有する。
【0050】
使用中、コーヒー豆容器10の開封後に、このコーヒー豆容器の縁部101は、下側リング115の円錐形領域111及びリブ112の上に載せることができる。コーヒー豆がバッグから落下しないように、バッグの開口部は、この場合に上に向けられ、すなわち、図に示されているのとは反対の方向に向けられる。その後に、上側リング114が、バッグの縁部101を2つのリング114,115の間にクランプするように、コーヒー豆容器10及び下側リング115の円錐形領域111に押し被せられる。その後、バッグと結合要素11とを共に分配器2に接続することができ、このことはまた、結合要素11の開口部130を上に向けた状態で行われ、すなわち、図に示されているのとはやはり異なるように行われる。
【0051】
図9では、バッグは、軟質の面でもって現実的に示されている。図10では、このバッグは、軟質のバッグの場合には実際にほとんどないが、直線的な面を有するように模式的に示されている。
【0052】
バッグを再び取り外すために、バッグの縁部101が自由になるように上側リング114を下側リング115から再び押し離すことができ、このバッグを簡単に取り外し、後の使用のために再び閉じることができ、又は空になった場合に廃棄することができる。
【0053】
この実施形態は、この種のバッグにコーヒー豆を入れて店舗で提供することができ、賞味期限及び内容物情報がラベル表示されたこれらのバッグを、分配器を有する容器モジュールにおいて使用することができるという利点を有する。
【0054】
本発明によるユニットは、費用対効果が高い、環境に配慮した形で、コーヒーを取り扱い、楽しむことを可能にする。
【符号の説明】
【0055】
1 缶
10 コーヒー豆容器
101 縁部
102 封止リブ
11 結合要素
110 フランジ
111 円錐形領域
112 リブ
113 ねじ山
114 上側リング
115 下側リング
12 蓋
13 内部空間
130 開口部
14 上蓋
2 分配器
20 本体
21 第1の設定リング
22 マーク
23 傾斜面
24 計量チャンバ
3 粉挽度設定具
30 本体
31 第2の設定リング
32 マーク
33 回転リング
34 歯車
35 バヨネットクロージャ
36 内歯車リム
37 駆動軸収容部
4 粉挽器
40 送り込みダクト
41 設定ディスク
42 ユニオンナット
43 第1の粉挽ディスク
44 第2の粉挽ディスク
45 第1の間隔
46 第2の間隔
47 搬送ロータ
48 出口ダクト
5 粉挽器モータ
50 モータ軸
6 駆動軸
8 マシンハウジング
80 本体
81 出口
82 スクリーン支持体受け器
83 作動ハンドル
85 捕集トレイ
86 台座
860 脚部
87 上面
870 通路開口
88 第1の受け部
89 第2の受け部
M 第1の容器モジュール
M’ 第2の容器モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11