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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】静電容量式タッチパネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240131BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 600
G06F3/044 128
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021157563
(22)【出願日】2021-09-28
(65)【公開番号】P2023048319
(43)【公開日】2023-04-07
【審査請求日】2022-09-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】丸山 武紀
(72)【発明者】
【氏名】木田 和寿
(72)【発明者】
【氏名】山岸 慎治
(72)【発明者】
【氏名】山本 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】杉田 靖博
(72)【発明者】
【氏名】福島 浩
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-128511(JP,A)
【文献】特開2014-186711(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0255737(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号が供給される複数のドライブ電極と、複数の押圧検出電極及び複数の位置検出電極とを含む、タッチパネル部と、
前記タッチパネル部のタッチ面側に配置されたカバー部材と、を備え、
前記複数の押圧検出電極及び前記複数の位置検出電極のうちの、押圧検出電極及び位置検出電極は、第1方向に交互に配置されており、
前記複数のドライブ電極は、前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んで配置されており、
前記複数の押圧検出電極は、それぞれ、前記第2方向に並んで配置され、互いに独立して押圧を検出する複数の押圧検出部を含み、
前記複数の位置検出電極は、それぞれ、前記第2方向に並んで配置され、互いに独立してタッチされた位置を検出する複数の位置検出部を含み、
前記タッチパネル部は、さらに、前記複数の押圧検出部のうちの少なくとも1つの押圧検出部の面積が、前記複数の位置検出部のうちの少なくとも1つの位置検出部の面積よりも大きく、
前記複数の押圧検出部のうちの少なくとも1つの面積は、前記複数の位置検出部のうちの少なくとも1つの面積の2.5倍以上で7.3倍以下である、静電容量式タッチパネル。
【請求項2】
前記複数の押圧検出部の総面積は、前記複数の位置検出部の総面積よりも大きい、請求項1に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項3】
駆動信号が供給される複数のドライブ電極と、複数の押圧検出電極及び複数の位置検出電極とを含む、タッチパネル部と、
前記タッチパネル部のタッチ面側に配置されたカバー部材と、を備え、
前記複数の押圧検出電極及び前記複数の位置検出電極のうちの、押圧検出電極及び位置検出電極は、第1方向に交互に配置されており、
前記複数のドライブ電極は、前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んで配置されており、
前記複数の押圧検出電極は、それぞれ、前記第2方向に並んで配置され、互いに独立して押圧を検出する複数の押圧検出部を含み、
前記複数の位置検出電極は、それぞれ、前記第2方向に並んで配置され、互いに独立してタッチされた位置を検出する複数の位置検出部を含み、
前記タッチパネル部は、さらに、前記複数の押圧検出部のうちの少なくとも1つの押圧検出部の面積が、前記複数の位置検出部のうちの少なくとも1つの位置検出部の面積よりも大きく、
前記タッチパネル部は、前記複数の押圧検出部の前記第1方向の中心位置間の距離及び前記第2方向の中心位置間の距離が、それぞれ、5mm以上でかつ10mm以下である、静電容量式タッチパネル。
【請求項4】
前記複数の押圧検出電極のうちの少なくとも1つは、隣接する押圧検出電極に接続されている、請求項1~のいずれか1項に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項5】
前記複数の位置検出電極のうちの少なくとも1つは、隣接する位置検出電極に接続されている、請求項に記載の静電容量式タッチパネル。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の静電容量式タッチパネルと、
画像を表示するディスプレイと、を備えた、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電容量式タッチパネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押圧検出電極及び位置検出電極を備えた静電容量式タッチパネル及び表示装置が知られている。このような静電容量式タッチパネル及び表示装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
上記特許文献1の静電容量式タッチパネルは、第1基板上に形成されるドライブ電極と、第2基板上に形成される位置センス電極、及び押圧センス電極とを備える。この静電容量式タッチパネルでは、指示体がドライブ電極及び位置センス電極と容量結合することで、ドライブ電極と位置センス電極との間の静電容量が低下して、位置センス電極からの信号が変化する。この位置センス電極からの信号の変化に基づいて、指示体の位置が検出される。また、指示体に静電容量式タッチパネルが押圧されてドライブ電極と押圧センス電極との距離が短くなると、ドライブ電極と押圧センス電極との間の静電容量が増大し、押圧センス電極からの信号が変化する。この押圧センス電極からの信号の変化に基づいて、押圧の大きさが検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-128511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載されている静電容量式タッチパネルでは、静電容量式タッチパネルが損傷することを防止するために、カバー部材が設けられる。このため、静電容量式タッチパネルは、指示体によりカバー部材を介して押圧されることになる。これにより、静電容量式タッチパネルが押圧されても変形しにくくなり、ドライブ電極と押圧センス電極との距離が変化しにくくなる。この結果、ドライブ電極と押圧センス電極との間の静電容量の変化量が小さくなり、押圧の検出感度が低下するという問題点がある。
【0006】
そこで、本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、カバー部材を備える場合でも、押圧の検出感度を向上させることが可能な静電容量式タッチパネル及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の第1の態様に係る静電容量式タッチパネルは、駆動信号が供給される複数のドライブ電極と、複数の押圧検出電極及び複数の位置検出電極とを含む、タッチパネル部と、前記タッチパネル部のタッチ面側に配置されたカバー部材と、を備え、前記複数の押圧検出電極及び前記複数の位置検出電極のうちの、押圧検出電極及び位置検出電極は、第1方向に交互に配置されており、前記複数のドライブ電極は、前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んで配置されており、前記複数の押圧検出電極は、それぞれ、前記第2方向に並んで配置され、互いに独立して押圧を検出する複数の押圧検出部を含み、前記複数の位置検出電極は、それぞれ、前記第2方向に並んで配置され、互いに独立してタッチされた位置を検出する複数の位置検出部を含み、前記タッチパネル部は、さらに、前記複数の押圧検出部のうちの少なくとも1つの押圧検出部の面積が、前記複数の位置検出部のうちの少なくとも1つの位置検出部の面積よりも大きい。
【0008】
また、第2の態様に係る静電容量式タッチパネルは、駆動信号が供給される複数のドライブ電極と、複数の押圧検出電極及び複数の位置検出電極とを含む、タッチパネル部と、前記タッチパネル部のタッチ面側に配置されたカバー部材と、を備え、前記複数の押圧検出電極及び前記複数の位置検出電極のうちの、押圧検出電極及び位置検出電極は、第1方向に交互に配置されており、前記複数のドライブ電極は、前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んで配置されており、前記複数の押圧検出電極は、それぞれ、前記第2方向に並んで配置され、互いに独立して押圧を検出する複数の押圧検出部を含み、前記複数の位置検出電極は、それぞれ、前記第2方向に並んで配置され、互いに独立してタッチされた位置を検出する複数の位置検出部を含み、前記タッチパネル部は、さらに、前記複数の押圧検出部の前記第1方向の中心位置間の距離及び前記第2方向の中心位置間の距離のうちの一方が、5mm以上でかつ10mm以下であり、かつ、他方が4.9mm以上でかつ10mm以下である。
【0009】
また、第3の態様に係る表示装置は、上記第1又は第2の態様に係る静電容量式タッチパネルと、画像を表示するディスプレイと、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
ここで、ドライブ電極と押圧検出部との間に形成される容量は、押圧検出部の面積に比例し、押圧の信号の大きさは、当該容量の変化量に比例する。このため、上記の複数の押圧検出部のうちの少なくとも1つの面積が、複数の位置検出部のうちの少なくとも1つの面積よりも大きい構成の静電容量式タッチパネル又は表示装置によれば、押圧検出部の少なくとも1つの面積を大きくすることができるので、カバー部材を備える場合でも、押圧の検出感度を向上させることができる。また、上記の複数の押圧検出部の第1方向の中心位置間の距離及び第2方向の中心位置間の距離のうちの一方が、5mm以上でかつ10mm以下であり、かつ、他方が4.9mm以上でかつ10mm以下である構成の静電容量式タッチパネル又は表示装置によれば、複数の押圧検出部の1つ当たりの寸法を大きくすることができるので、カバー部材を備える場合でも、押圧の検出感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態による表示装置100の概略構成を示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態による表示装置100の構成を模式的に示した平面図である。
図3図3は、第1実施形態によるタッチパネル1の断面図である。
図4A図4Aは、ドライブ電極層11の一部の平面図である。
図4B図4Bは、ドライブ電極11aの電極部51の面積S1とフローティング電極11bの面積S2との関係を説明するための図である。
図5A図5Aは、検出電極層21の一部の平面図である。
図5B図5Bは、押圧検出部61の面積S3と位置検出部62の面積S4との関係を説明するための図である。
図6図6は、押圧検出部61の面積S3及び位置検出部62の面積S4と押圧信号比率との関係を説明するための図である。
図7A図7Aは、第2実施形態の表示装置200のドライブ電極層211の構成を示す平面図である。
図7B図7Bは、ドライブ電極211aの電極部の面積S11とフローティング電極211bの面積S12との関係を説明するための図である。
図8A図8Aは、第2実施形態の検出電極層221の構成を示す平面図である。
図8B図8Bは、押圧検出部261の面積S13と位置検出部262の面積S14との関係を説明するための図である。
図9図9は、複数の押圧検出部261の距離d11と、押圧検出部261からの信号(押圧信号)の強度との関係を示す図である。
図10図10は、第3実施形態によるドライブ電極層311の一部の平面図である。
図11図11は、第3実施形態による検出電極層321の一部の平面図である。
図12図12は、第3実施形態によるタッチパネル301の押圧信号の大きさと、比較例によるタッチパネルの押圧信号の大きさとの比較結果を示す図である。
図13図13は、第4実施形態による表示装置400の構成を示す概略図である。
図14図14は、押圧検出部461aと当該押圧検出部461aに隣接する押圧検出部461aとの距離d31について説明するための図である。
図15図15は、第5実施形態による表示装置500の構成を示す概略図である。
図16図16は、第1~第5実施形態の変形例による表示装置600の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0013】
[第1実施形態]
(表示装置の構成)
図1は、第1実施形態による表示装置100の概略構成を示す断面図である。表示装置100は、タッチパネル1と、表示面2aに画像を表示する表示部2を備える。表示部2は、例えば、液晶ディスプレイ、又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイから構成される。
【0014】
(タッチパネルの構成)
図2は、第1実施形態による表示装置100の構成を模式的に示した平面図である。表示装置100のタッチパネル1は、指示体によってタッチされた位置および指示体による押圧を検出する。図2に示すように、タッチパネル1は、複数のドライブ電極11aと、複数の押圧検出電極21aと、複数の位置検出電極21bとが設けられている。タッチパネル1は、複数のドライブ電極11aと、複数の押圧検出電極21a又は複数の位置検出電極21bとの間の容量の変化を検出する相互容量方式のタッチパネルである。また、表示装置100は、タッチパネルコントローラー3を含む。タッチパネルコントローラー3と、複数のドライブ電極11a、複数の押圧検出電極21a、及び複数の位置検出電極21bの各々とは、配線3aを介して接続されている。
【0015】
図3は、第1実施形態によるタッチパネル1の断面図である。図3に示すように、タッチパネル1は、第1基板10、感圧層4、及び第2基板20を含む。第1基板10、感圧層4および第2基板20は、積層されている。例えば、第1基板10及び第2基板20は、PET(Polyethylene terephthalate)などの透明な樹脂材料で構成される。また、感圧層4は、誘電体を含む誘電体膜である。また、感圧層4は、高分子材料などの弾性を有する透明な感圧材料から構成される。また、第1基板10の感圧層4に対して逆側に、OCA(Optical Clear Adhesive)層12が配置されている。そして、タッチパネル1は、カバー部材5を含む。カバー部材5は、例えば、ガラス材により構成されている。カバー部材5は、OCA層12を介して、第1基板10のタッチ面側(感圧層4に対して逆側)に配置されている。カバー部材5の表面は、指示体によりタッチ及び押圧される。OCA層12は、カバー部材5と第1基板10とを接着する。また、第2基板20の感圧層4に対して逆側に、OCA層22と表示部2とが配置されている。また、カバー部材5の厚みt1は、例えば、感圧層4の厚みt2よりも大きい。
【0016】
図3に示すように、タッチパネル1は、ドライブ電極層11と検出電極層21とを含む。ドライブ電極層11は、第1基板10の感圧層4側の面10aに形成されている。検出電極層21は、第2基板20の感圧層4側の面20aに形成されている。ドライブ電極層11は、ドライブ電極11a及びフローティング電極11bを含む。検出電極層21は、位置検出電極21b、押圧検出電極21a、及びシールド電極21cを含む。また、ドライブ電極11a、フローティング電極11b、位置検出電極21b、押圧検出電極21a、及びシールド電極21cは、ITO(Indium Tin Oxide)などの導電性のある透明な材料で構成される。また、シールド電極21cは、図示しないグラウンドに接続されており、シールド電極21cの電位は、グラウンドの電位と等しい。
【0017】
ドライブ電極11aには、タッチパネルコントローラー3(図2参照)から駆動信号が供給される。フローティング電極11bは、他の電極及び配線5aに接続されておらず、フローティング電極11bの電位は、フローティングの状態である。また、図3に示すように、フローティング電極11bは、ドライブ電極11aとの間に容量Caを形成する。位置検出電極21bは、指示体によってタッチされた位置を検出するための電極である。位置検出電極21bは、フローティング電極11bとの間に容量Cbを形成する。押圧検出電極21aは、指示体による押圧の有無及び押圧の大きさを検出するための電極である。押圧検出電極21aは、ドライブ電極11aとの間に容量Ccを形成する。シールド電極21cは、タッチパネル1におけるグラウンドの電位を有する。これにより、シールド電極21cは、押圧検出電極21aと位置検出電極21bとの間の容量結合を防止する。シールド電極21cは、ドライブ電極11aとの間に容量Cdを形成する。
【0018】
図4Aは、ドライブ電極層11の一部の平面図である。図4Bは、ドライブ電極11aの電極部51の面積S1とフローティング電極11bの面積S2との関係を説明するための図である。図4Aに示すように、ドライブ電極11aは、複数の矩形状の電極部51が紙面横方向(X方向)に連結された形状を有する。隣り合う2つの電極部51は、例えば、2つのX方向に延びる接続部11cにより接続されている。複数のフローティング電極11bは、それぞれ、他のフローティング電極11bとは接続されていない。各フローティング電極11bは、矩形状の電極である。フローティング電極11bは、隣り合う2つの電極部51のX方向の間に配置されている。また、2つの接続部11cのY方向の間に、2つのフローティング電極11bが配置されている。フローティング電極11bのX方向の長さL22は、電極部51のX方向の長さL12よりも小さく、フローティング電極11bのY方向の長さL21は、電極部51のY方向の長さL11よりも小さい。また、図2及び図3に示すように、ドライブ電極11aは、平面視で押圧検出電極21aと重なる位置に配置されている。また、フローティング電極11bは、平面視で位置検出電極21bと重なる位置に配置されている。また、図4Bに示すように、複数の電極部51の1つ当たりの面積S1は、フローティング電極11bの面積S2よりも大きい。
【0019】
図5Aは、検出電極層21の一部の平面図である。図5Bは、押圧検出部61の面積S3と位置検出部62の面積S4との関係を説明するための図である。図5Aに示すように、検出電極層21では、押圧検出電極21aと位置検出電極21bとが紙面横方向(X方向)に交互に配置されている。複数の押圧検出電極21aと複数の位置検出電極21bとは、それぞれ、紙面縦方向(Y方向)に延びる。また、押圧検出電極21aと位置検出電極21bとの間には、シールド電極21cが形成されている。
【0020】
また、図5Aに示すように、複数の押圧検出電極21aは、それぞれ、Y方向に並んで配置される複数の押圧検出部61を含む。複数の押圧検出部61は、互いに独立して指示体による押圧を検出する。複数の押圧検出部61の各々は、タッチパネルコントローラー3が検出する押圧された位置(押圧座標)の各々に対応する。言い換えると、押圧検出部61は、押圧座標の1つ(ユニットセル)を構成する。Y方向に隣接する2つの押圧検出部61は、接続部61aにより接続されている。接続部61aは、例えば、押圧検出電極21aのX方向の中心線C1に平面視で重なる位置に形成されている。また、押圧検出部61は、平面視で矩形状を有する。この構成によれば、Y方向において、押圧される位置によって、押圧される面積が変化するのを防止することができる。押圧検出部61のX方向の幅は、W1であり、Y方向の長さは、L3である。また、接続部61aの幅W1aは、押圧検出部61の幅W1よりも小さい。また、押圧検出部61と、当該押圧検出部61とY方向に隣接する押圧検出部61との隙間に、シールド電極21cの一部が配置されている。
【0021】
また、図5Aに示すように、複数の位置検出電極21bは、それぞれ、Y方向に並んで配置される複数の位置検出部62を含む。複数の位置検出部62は、互いに独立して指示体によりタッチされた位置を検出する。複数の位置検出部62の各々は、タッチパネルコントローラー3が検出するタッチされた位置(タッチ座標)の各々に対応する。言い換えると、位置検出部62は、タッチ位置座標の1つ(ユニットセル)を構成する。位置検出部62は、平面視で矩形状を有する。位置検出部62のX方向の幅は、W2であり、Y方向の長さは、L3である。
【0022】
ここで、第1実施形態では、押圧検出部61の幅W1は、位置検出部62の幅W2よりも大きい。また、押圧検出部61の長さL3は、位置検出部62の長さL3と等しい。これにより、図5Bに示すように、押圧検出部61の面積S3は、位置検出部62の面積S4よりも大きい。第1実施形態では、面積S3は、面積S4の2.5倍以上で7.3倍以下である。面積S3は、面積S4の2.5倍以上にすることにより、押圧の検出感度を向上させながら、7.3倍以下にすることにより、押圧検出の解像度が低下するのを防止することができる。詳細には、例えば、面積S3は、面積S4の4倍以上で5倍以下(例えば、4.7倍)である。また、複数の押圧検出部61の各々の面積は、S3であり、複数の位置検出部62の各々の面積は、S4である。これにより、複数の押圧検出部61の総面積(S3×押圧検出部61の数)は、複数の位置検出部62の総面積(S4×位置検出部62の数)よりも大きい。ここで、ドライブ電極11aと押圧検出部61との間に形成される容量Ccは、押圧検出部61の面積S3に比例し、押圧信号の大きさは、当該容量Ccの変化量に比例する。このため、上記構成によれば、押圧検出部61の面積S3を大きくすることができるので、タッチパネル1にカバー部材5が備えられる場合でも、押圧の検出感度を向上させることができる。また、押圧検出部61及び位置検出部62は矩形状を有するので、押圧検出部61の幅W1を大きくすることにより、押圧検出部61の面積S3を増大させることができる。押圧検出部61を菱形状に形成する場合と異なり、位置検出部62に対して押圧検出部61の寸法を大きくしても、押圧検出部61と位置検出部62との間の隙間が増大するのを防止することができる。
【0023】
図5Aに示すように、シールド電極21cにおいて、押圧検出部61と位置検出部62との間に配置された部分のX方向の幅は、W3である。幅W3は、押圧検出部61の幅W1よりも小さく、位置検出部62の幅W2よりも小さい。
【0024】
また、図5Aに示すように、押圧検出部61のX方向の中心線C1と、当該押圧検出部61にX方向に隣接する押圧検出部61のX方向の中心線C2との距離は、d1である。押圧検出部61のY方向の中心線C3と、当該押圧検出部61にY方向の負側に隣接する押圧検出部61のY方向の中心線C4との距離は、d2である。第1実施形態では、距離d1及び距離d2は、例えば、4.9mmである。
【0025】
(押圧検出部61の面積S3及び位置検出部62の面積S4と押圧信号比率との関係)
次に、図6を参照して、押圧検出部61の面積S3及び位置検出部62の面積S4と押圧信号比率との関係について説明する。
【0026】
図6は、押圧検出部61の面積S3及び位置検出部62の面積S4と押圧信号比率との関係を説明するための図である。図6に示すように、位置検出部62の面積S4に対する押圧検出部61の面積S3の大きさを変更して、押圧検出部61からタッチパネルコントローラー3が得る信号(押圧信号)の大きさをシミュレーションした。面積S3と面積S4とが等しい場合(S3/S4=100%)における押圧信号の大きさを、押圧信号比率100%とした。また、シミュレーションでは、感圧層4の比誘電率を3とし、押圧された際の感圧層4の変化量を5%とし、感圧層4の厚みを200μm、カバー部材5の厚みを1.1mm、カバー部材5の誘電率を7.0、OCA層12の厚みを150μm、第1基板10の厚みを50μmとした。なお、これらの条件は、シミュレーションを行うために用いた一例であり、本開示はこれらの条件には限られない。
【0027】
シミュレーションの結果、S3/S4が159%の場合、172%の押圧信号比率となった。また、S3/S4が175%の場合、187%の押圧信号比率となった。また、S3/S4が191%の場合、207%の押圧信号比率となった。従って、図6に示すように、S3/S4が大きくなる程、押圧信号比率が大きくなることが判明した。第1実施形態では、面積S3は面積S4よりも大きいので、カバー部材5がタッチパネル1に備えられる場合でも、押圧の検出感度を向上させることができる。
【0028】
(タッチパネル1の動作)
次に、図3を参照して、タッチパネル1の動作について説明する。図3に示すように、フローティング電極11bは、位置検出電極21bとの間に容量Cbを形成している。指示体Fが、カバー部材5に接触すると、指示体Fと、ドライブ電極11a及びフローティング電極11bのそれぞれと容量結合する。これにより、指示体Fおよびフローティング電極11bを介してドライブ電極11aと位置検出電極21bとの間の静電容量(Ca及びCb)が減少し、位置検出電極21b(位置検出部62)で検出される信号が変化することで、指示体Fの位置が検出される。なお、この時、ドライブ電極11aと押圧検出電極21a(押圧検出部61)との間の容量Ccは、ほとんど変化しない。
【0029】
また、図3に示すように、指示体Fによってカバー部材5が押圧されると、感圧層4が凹んで、ドライブ電極11aと押圧検出電極21a(押圧検出部61)との距離が短くなる。これにより、ドライブ電極11aと押圧検出電極21aと間の容量Ccが増大し、押圧検出電極21a(押圧検出部61)において検出される信号が変化する。そして、押圧検出電極21aにおいて検出される信号(押圧信号)の変化に基づいて、押圧の大きさ(押圧値)が検出される。ここで、ドライブ電極11aは、位置検出電極21bよりもシールド電極21cに近いため、ドライブ電極11aは、位置検出電極21bではなく、シールド電極21cと容量Cdを形成する。この結果、ドライブ電極11aと位置検出電極21bとの間の静電容量が増大するのが抑制されるので、押圧によるタッチ位置の検出に対する影響を低減することができる。これにより、指示体Fによりドライブ電極11aが押圧された際にも、タッチ位置を精度良く検出することができる。
【0030】
[第2実施形態]
次に、図7A図8Bを参照して、第2実施形態による表示装置200の構成について説明する。第2実施形態では、押圧検出部261が菱形状に形成されている。図7Aは、第2実施形態の表示装置200のドライブ電極層211の構成を示す平面図である。図7Bは、ドライブ電極211aの電極部の面積S11とフローティング電極211bの面積S12との関係を説明するための図である。なお、第1実施形態の構成と同一の構成には、第1実施形態と同じ符号を用いて説明を省略する。
【0031】
図7Aに示すように、表示装置200は、タッチパネル201を含む。タッチパネル201は、ドライブ電極層211を含む。第2実施形態では、ドライブ電極層211には、菱形状の電極部251を有するドライブ電極211aと、菱形状のフローティング電極211bとが形成されている。複数の電極部251は、X方向に並んで配置されている。隣接する2つの電極部251は、接続されている。フローティング電極11bは、平面視で4つの電極部251に囲まれている。また、図7Bに示すように、第2実施形態では、電極部251の面積S11とフローティング電極211bの面積S12とは等しい。
【0032】
図8Aは、第2実施形態の検出電極層221の構成を示す平面図である。図8Bは、押圧検出部261の面積S13と位置検出部262の面積S14との関係を説明するための図である。タッチパネル201は、検出電極層221を含む。検出電極層221には、複数の菱形状の押圧検出部261を有する押圧検出電極221aと、複数の菱形状の位置検出部262を有する位置検出電極221bと、押圧検出電極221aと位置検出電極221bとの間に配置されたシールド電極221cとが設けられている。複数の押圧検出部261は、Y方向に並んで配置されている。Y方向に隣接する2つの押圧検出部261は、接続している。また、Y方向に隣接する2つの位置検出部262は、接続している。また、図8Bに示すように、第2実施形態では、押圧検出部261の面積S13と位置検出部262の面積S14とは等しい。
【0033】
第2実施形態では、図8Aに示すように、押圧検出部261のX方向の中心線C11と、当該押圧検出部261にX方向に隣接する押圧検出部261のX方向の中心線C12との距離d11(X方向のピッチ)は、5mm以上でかつ10mm以下である。また、押圧検出部261のY方向の中心線C13と、当該押圧検出部261にY方向の負側に隣接する押圧検出部261のY方向の中心線C14との距離d12(Y方向のピッチ)は、5mm以上でかつ10mm以下である。
【0034】
(距離d11と押圧信号の大きさとの関係)
次に、図9を参照して、距離d11と押圧信号の大きさとの関係について説明する。
【0035】
図9は、押圧検出部261のX方向の中心線C11と、当該押圧検出部261にX方向に隣接する押圧検出部261のX方向の中心線C12との距離d11と、押圧検出部261からの信号(押圧信号)の強度との関係を示す図である。
【0036】
図9に示すように、距離d11の大きさを変更して、押圧検出部261からタッチパネルコントローラー3が得る信号(押圧信号)の大きさをシミュレーションした。距離d11が4.9mmの場合の押圧信号の強度を100%とした。また、シミュレーションでは、感圧層4の比誘電率を3とし、押圧された際の感圧層4の変化量を5%とし、感圧層4の厚みを200μm、カバー部材5の厚みを1.1mm、カバー部材5の誘電率を7.0、OCA層12の厚みを150μm、第1基板10の厚みを50μmとした。また、距離d12は、距離d11に等しいものとする。なお、これらの条件は、シミュレーションを行うために用いた一例であり、本開示はこれらの条件には限られない。
【0037】
シミュレーションの結果、距離d11が7mmの場合、押圧信号の強度が256%となった。距離d11が9.3mmの場合、押圧信号の強度が476%となった。従って、距離d11が5mm以上でかつ10mm以下で、押圧信号の強度が4.9mmの場合よりも大きくなることが判明した。第2実施形態では、距離d11及び距離d12が5mm以上でかつ10mm以下であるので、複数の押圧検出部261の1つ当たりの寸法を大きくすることができ、カバー部材5がタッチパネル201に備えられる場合でも、押圧の検出感度を向上させることができる。第2実施形態におけるその他の構成及び効果は、第1実施形態と同様である。
【0038】
[第3実施形態]
次に、図10及び図11を参照して、第3実施形態による表示装置300の構成について説明する。第3実施形態は、矩形状の押圧検出部361の中心線C21と、当該押圧検出部361に隣接する押圧検出部361の中心線C22との距離d21が5mm以上でかつ10mm以下である。図10は、第3実施形態によるドライブ電極層311の一部の平面図である。図11は、第3実施形態による検出電極層321の一部の平面図である。なお、第1又は第2実施形態の構成と同一の構成には、第1又は第2実施形態と同じ符号を用いて説明を省略する。
【0039】
図10に示すように、表示装置300は、タッチパネル301を含む。タッチパネル301は、ドライブ電極層311を含む。ドライブ電極層311には、複数のドライブ電極311aと複数のフローティング電極311bとが設けられている。ドライブ電極311aは、複数の矩形状の電極部351を含む。
【0040】
図11に示すように、タッチパネル301は、検出電極層321を含む。検出電極層321には、複数の押圧検出電極321aと複数の位置検出電極321bとが設けられている。押圧検出電極321aと位置検出電極321bとの間には、シールド電極321cが配置されている。複数の押圧検出電極321aは、それぞれ、複数の押圧検出部361を含む。第3実施形態では、押圧検出部361のX方向の中心線C21と、当該押圧検出部361のX方向に隣接する押圧検出部361のX方向の中心線C22との距離d21は、5mm以上でかつ10mm以下である。また、第3実施形態では、押圧検出部361のY方向の中心線C23と、当該押圧検出部361のY方向の負側に隣接する押圧検出部361のY方向の中心線C24との距離d22は、5mm以上でかつ10mm以下である。また、複数の位置検出電極321bは、複数の矩形状の位置検出部362を含む。第3実施形態によるその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0041】
(第3実施形態による構成と比較例による構成との比較)
次に、図12を参照して、第3実施形態によるタッチパネル301の押圧信号の大きさと、比較例によるタッチパネルの押圧信号の大きさとの比較結果を示す。図12は、第3実施形態によるタッチパネル301の押圧信号の大きさと、比較例によるタッチパネルの押圧信号の大きさとの比較結果を示す図である。この比較結果は、カバー部材の厚みを1.1mm、OCA層の厚みを110μm、第1基板及び第2基板の厚みをそれぞれ50μm、感圧層の厚みを100μmとし、カバー部材上に125g~1050gの荷重を加えた場合の押圧信号の大きさを測定することにより得られたものである。なお、これらの条件は、比較を行うために用いた一例であり、本開示はこれらの条件には限られない。
【0042】
ここで、比較例によるタッチパネルでは、押圧検出部の面積と位置検出部の面積とは等しく、かつ、複数の押圧検出部のX方向の中心位置の距離及び複数の押圧検出部のY方向の中心位置の距離はそれぞれ4.9mmであるものとする。そして、第3実施形態による押圧検出部361の面積は、比較例による押圧検出部の面積に対して419%(4.19倍)であるものとする。
【0043】
図12に示すように、比較例によるタッチパネルにおいて、300g以下の荷重を加えた場合では、押圧信号を検出することができないことが判明した。また、比較例によるタッチパネルにおいて、1050gの荷重を加えた場合の押圧信号を100%(基準)とすると、第3実施形態による押圧信号は、125gの荷重で66%となり、321gの荷重で125%となった。また、第3実施形態による押圧信号は、1050gの荷重では412%となり、比較例によるタッチパネルに比べて、4.12倍となった。
【0044】
[第4実施形態]
次に、図13及び図14を参照して、第4実施形態による表示装置400の構成について説明する。第4実施形態は、隣接する2つの押圧検出電極421aが接続されている。なお、第1~第3実施形態の構成のいずれかと同一の構成には、第1~第3実施形態のいずれかと同じ符号を用いて説明を省略する。
【0045】
図13は、第4実施形態による表示装置400の構成を示す概略図である。図13に示すように、表示装置400は、タッチパネル401を含む。タッチパネル401は、複数の押圧検出電極421aと複数の位置検出電極421bとを含む。押圧検出電極421aと位置検出電極421bとの間には、シールド電極421cが配置されている。複数の押圧検出電極421aのうちの隣接する2つの押圧検出電極421aは、配線403aにより接続されている。これにより、隣接する2つの押圧検出電極421aは、タッチパネルコントローラー403の同一のチャネルに接続されている。この結果、2つの押圧検出電極421aのうちの一方の押圧検出部461の押圧信号と、他方の押圧検出部461の押圧信号とが合わせられた信号が、タッチパネルコントローラー403に入力される。すなわち、第4実施形態では、2つの押圧検出部461が、押圧座標の1つ(ユニットセル)に対応する押圧検出部461aを構成する。これにより、押圧検出部461aの面積が、位置検出部462の面積の2倍となる。
【0046】
図14は、押圧検出部461aと当該押圧検出部461aに隣接する押圧検出部461aとの距離d31について説明するための図である。図14に示すように、押圧検出部461aのX方向の中心線C31と、当該押圧検出部461aに隣接する押圧検出部461aのX方向の中心線C32との距離d31は、5mm以上でかつ10mm以下である。第4実施形態によるその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。なお、図13及び図14では、押圧検出部461及び位置検出部462を、菱形状に形成する例を図示したが、第1実施形態の押圧検出部61及び位置検出部62のように、押圧検出部461及び位置検出部462を、矩形状に形成してもよい。
【0047】
[第5実施形態]
次に、図15を参照して、第5実施形態による表示装置500の構成について説明する。第5実施形態は、隣接する2つの位置検出電極421bが接続されている。なお、第1~第4実施形態の構成のいずれかと同一の構成には、第1~第4実施形態のいずれかと同じ符号を用いて説明を省略する。
【0048】
図15は、第5実施形態による表示装置500の構成を示す概略図である。図15に示すように、表示装置500は、タッチパネル501を含む。タッチパネル501は、複数の押圧検出電極421aと複数の位置検出電極421bとを含む。複数の押圧検出電極421aのうちの隣接する2つの押圧検出電極421aは、配線503aにより接続されている。これにより、隣接する2つの押圧検出電極421aは、タッチパネルコントローラー503の同一のチャネルに接続されている。また、第5実施形態では、複数の位置検出電極421bのうちの隣接する2つの位置検出電極421bは、配線503aにより接続されている。この結果、2つの位置検出電極421bのうちの一方の位置検出部462からの信号と、他方の位置検出部462からの信号とが合わせられた信号が、タッチパネルコントローラー403に入力される。すなわち、第5実施形態では、2つの位置検出部462が、位置座標の1つ(ユニットセル)に対応する位置検出部462aを構成する。これにより、2つの押圧検出電極421aを接続する配線503aの構造と、2つの位置検出電極421bを接続する配線503aの構造とを共通化することができるので、配線の構造が複雑化するのを防止することができる。第5実施形態によるその他の構成は、第4実施形態の構成と同様である。なお、図15では、押圧検出部461及び位置検出部462を、菱形状に形成する例を図示したが、第1実施形態の押圧検出部61及び位置検出部62のように、押圧検出部461及び位置検出部462を、矩形状に形成してもよい。
【0049】
以上、実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。よって、本開示は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0050】
(1)上記第1~第5実施形態では、タッチパネルに、フローティング電極及びシールド電極を設ける例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、タッチパネルに、フローティング電極及びシールド電極の少なくとも一方が設けられていなくてもよい。
【0051】
(2)上記第1~第5実施形態では、カバー部材の厚みを感圧層の厚みよりも大きくする例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、カバー部材の厚みが感圧層の厚み以下であってもよい。
【0052】
(3)上記第1~第5実施形態では、押圧検出部及び位置検出部を、矩形状又は菱形状に形成する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、押圧検出部及び位置検出部を、円形状、又は多角形状に形成してもよい。
【0053】
(4)上記第1~第5実施形態では、複数のドライブ電極が並ぶ方向(Y方向)と、複数の押圧検出電極が並ぶ方向(X方向)とを直交させる例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、複数のドライブ電極が並ぶ方向と、複数の押圧検出電極が並ぶ方向とが、90未満の角度で交差していてもよい。
【0054】
(5)上記第1実施形態では、複数の押圧検出部の各々の面積が、複数の位置検出部のうちのいずれの位置検出部の面積よりも大きく構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、複数の押圧検出部の一部の押圧検出部の面積のみを、複数の位置検出部の面積よりも大きく構成してもよい。
【0055】
(6)上記第4及び第5実施形態では、2つの押圧検出電極を、配線により接続する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、フレキシブルプリント基板が、タッチパネルとタッチパネルコントローラーとの間に配置される場合には、フレキシブルプリント基板内で、2つの押圧検出電極が接続されてもよいし、タッチパネルコントローラーを含む集積回路内で、2つの押圧検出電極が接続されてもよい。
【0056】
(7)上記第1~第5実施形態では、シールド電極の電位を、グラウンドの電位とする例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、シールド電極の電位を、位置検出電極の電位、又は押圧検出電極の電位と等しくしてもよい。
【0057】
(8)上記第1~第5実施形態では、図1に示すように表示部の表示面側(ディスプレイ上)にタッチパネルを配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、図16に示す第1~第5実施形態の変形例による表示装置600のように、表示部602の表示面とは逆側にタッチパネル1が配置されていてもよい。
【0058】
(9)上記第2実施形態では、距離d11と距離d12とを等しくし、上記第3実施形態では、距離d21と距離d22とを等しく構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。距離d11と距離d12とが異なる大きさであってもよいし、距離d21と距離d22とが異なる大きさであってもよい。
【0059】
上述した静電容量式タッチパネル及び表示装置は、以下のように説明することもできる。
【0060】
第1の構成に係る静電容量式タッチパネルは、駆動信号が供給される複数のドライブ電極と、複数の押圧検出電極及び複数の位置検出電極とを含む、タッチパネル部と、タッチパネル部のタッチ面側に配置されたカバー部材と、を備え、複数の押圧検出電極及び複数の位置検出電極のうちの、押圧検出電極及び位置検出電極は、第1方向に交互に配置されており、複数のドライブ電極は、第1方向に平面視で交差する第2方向に並んで配置されており、複数の押圧検出電極は、それぞれ、第2方向に並んで配置され、互いに独立して押圧を検出する複数の押圧検出部を含み、複数の位置検出電極は、それぞれ、第2方向に並んで配置され、互いに独立してタッチされた位置を検出する複数の位置検出部を含み、タッチパネル部は、さらに、複数の押圧検出部のうちの少なくとも1つの押圧検出部の面積が、複数の位置検出部のうちの少なくとも1つの位置検出部の面積よりも大きい(第1の構成)。
【0061】
上記第1の構成によれば、押圧検出部の少なくとも1つの面積を大きくすることができるので、カバー部材を備える場合でも、押圧の検出感度を向上させることができる。
【0062】
第1の構成において、複数の押圧検出部及び複数の位置検出部の各々は、平面視で矩形状に形成されていてもよい(第2の構成)。
【0063】
ここで、押圧検出部及び位置検出部が共に菱形状に形成される場合には、押圧される第2方向における位置によって、押圧される面積が変化する。これに対して、上記第2の構成によれば、押圧検出部が矩形状に形成されるので、第2方向において、押圧される位置によって、押圧される面積が変化するのを防止することができる。
【0064】
第2の構成において、複数の押圧検出電極のうちの少なくとも1つの第1方向の幅は、複数の位置検出電極のうちの少なくとも1つの第1方向の幅よりも大きく構成されていてもよい(第3の構成)。
【0065】
ここで、押圧検出部及び位置検出部が共に菱形状に形成される場合で、押圧検出部の面積を位置検出部の面積を大きくする場合、押圧検出部の一辺が大きくなるため、押圧検出部と位置検出部との間の隙間が増大する。これに対して、上記第3の構成によれば、押圧検出部の幅を大きくすることにより、押圧検出部の面積を増大させることができるので、菱形状に形成する場合と異なり、押圧検出部と位置検出部との間の隙間が増大するのを防止することができる。
【0066】
第1~第3の構成のうちのいずれか1つにおいて、複数の押圧検出部のうちの少なくとも1つの面積は、複数の位置検出部のうちの少なくとも1つの面積の2.5倍以上で7.3倍以下であってもよい(第4の構成)。
【0067】
上記第4の構成によれば、複数の押圧検出部のうちの少なくとも1つの面積を、複数の位置検出部のうちの少なくとも1つの面積の2.5倍以上にすることにより、押圧の検出感度を向上させながら、7.3倍以下にすることにより、押圧検出の解像度が低下するのを防止することができる。
【0068】
第1~第4の構成のうちのいずれか1つにおいて、複数の押圧検出部の総面積は、複数の位置検出部の総面積よりも大きく構成してもよい(第5の構成)。
【0069】
上記第5の構成によれば、タッチパネルのうちのいずれの押圧検出部においても、検出感度を向上させることができる。
【0070】
第1~第5の構成のうちのいずれか1つにおいて、タッチパネル部は、複数の押圧検出部の第1方向の中心位置間の距離及び第2方向の中心位置間の距離が、それぞれ、5mm以上でかつ10mm以下であってもよい(第6の構成)。
【0071】
上記第6の構成によれば、押圧検出部の面積をより一層大きくすることができるので、押圧の検出感度をより大きくすることができる。
【0072】
第1~第6の構成のうちのいずれか1つにおいて、複数の押圧検出電極のうちの少なくとも1つは、隣接する押圧検出電極に接続されていてもよい(第7の構成)。
【0073】
上記第7の構成によれば、隣接する2つの押圧検出電極からの信号が合算されるので、押圧の検出感度を向上させることができる。
【0074】
第7の構成において、複数の位置検出電極のうちの少なくとも1つは、隣接する位置検出電極に接続されていてもよい(第8の構成)。
【0075】
上記第8の構成によれば、複数の押圧検出電極のうちの少なくとも1つは、隣接する押圧検出電極に接続されており、複数の位置検出電極のうちの少なくとも1つは、隣接する位置検出電極に接続されるので、複数の押圧検出電極を接続する配線の構造と、複数の位置検出電極を接続する配線の構造とを共通化することができる。
【0076】
第9の構成に係る静電容量式タッチパネルは、駆動信号が供給される複数のドライブ電極と、複数の押圧検出電極及び複数の位置検出電極とを含む、タッチパネル部と、タッチパネル部のタッチ面側に配置されたカバー部材と、を備え、複数の押圧検出電極及び複数の位置検出電極のうちの、押圧検出電極及び位置検出電極は、第1方向に交互に配置されており、複数のドライブ電極は、第1方向に平面視で交差する第2方向に並んで配置されており、複数の押圧検出電極は、それぞれ、第2方向に並んで配置され、互いに独立して押圧を検出する複数の押圧検出部を含み、複数の位置検出電極は、それぞれ、第2方向に並んで配置され、互いに独立してタッチされた位置を検出する複数の位置検出部を含み、タッチパネル部は、さらに、複数の押圧検出部の第1方向の中心位置間の距離及び第2方向の中心位置間の距離のうちの一方が、5mm以上でかつ10mm以下であり、かつ、他方が4.9mm以上でかつ10mm以下である(第9の構成)。
【0077】
上記第9の構成によれば、複数の押圧検出部の1つ当たりの寸法を大きくすることができるので、カバー部材を備える場合でも、押圧の検出感度を向上させることができる。
【0078】
第10の構成に係る表示装置は、上記第1~第9のいずれか1つの静電容量式タッチパネルと、画像を表示するディスプレイと、を備えていてもよい(第10の構成)。
【0079】
上記第10の構成によれば、カバー部材を備える場合でも、押圧の検出感度を向上させることが可能な表示装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0080】
1,201,301,401,501…タッチパネル、2,602…表示部、5…カバー部材、11a,211a,311a…ドライブ電極、21a,221a,321a,421a…押圧検出電極、21b,221b,321b,421a…位置検出電極、61,261,361,461,461a…押圧検出部、62,262,362,462,462a…位置検出部、100,200,300,400,500,600…表示装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16