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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】導体接続クランプ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20240131BHJP
   H01R 4/50 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
H01R4/48 A
H01R4/50 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021502614
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2019069463
(87)【国際公開番号】W WO2020016395
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-07-13
(31)【優先権主張番号】102018117508.6
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ケルマン,ハンス-ヨーゼフ
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-183773(JP,U)
【文献】国際公開第2017/081001(WO,A1)
【文献】特開平8-22850(JP,A)
【文献】特開平3-149771(JP,A)
【文献】特開2013-125749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/48
H01R 4/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体挿入開口部(17)、前記導体挿入開口部(17)に連接する導体挿入チャネル(23)、接触ピン挿入開口部(18)および前記接触ピン挿入開口部(18)に連接する接触ピン挿入チャネル(24)を備える絶縁材料ハウジング(16)と、
第1の接触セクション(3)および第2の接触セクション(4)を有するバスバー(2)と、
前記バスバー(2)の前記第1の接触セクション(3)に向けられた第1のクランプ縁部(7)を備える第1のクランプ脚部(6)、第1のばねアーチ(8)、前記バスバー(2)に当接するように構成される当接脚部(9)、第2のばねアーチ(10)および第2のクランプ脚部(11)を有するクランプばね(5)とを備え、
前記第1のクランプ縁部(7)と、前記バスバー(2)の前記第1の接触セクション(3)とが、クランプすべき電気導体のための第1のクランプ位置を形成し、
前記第2のクランプ脚部(11)と、前記バスバー(2)の前記第2の接触セクション(4)とが、クランプすべき接触ピン(12)のための第2のクランプ位置を形成し、
前記第1のばねアーチ(8)が、前記当接脚部(9)を介して前記第2のばねアーチ(10)に接続される
導体接続クランプ(1)において、
前記クランプばね(5)の前記当接脚部(9)は、前記当接脚部(9)が前記バスバー(2)に支持される領域で、2つの連続する逆向きの曲げによるオフセットを有し、
前記第1のばねアーチ(8)と前記第2のばねアーチ(10)とが、前記当接脚部(9)から互いに反対の方向に曲げられ、
前記オフセットにより前記第1のばねアーチ(8)と前記第2のばねアーチ(10)とが、本質的に前記導体接続クランプ(1)の共通の高さ平面(HE)に配置され、前記導体挿入チャネル(23)と前記接触ピン挿入チャネル(24)は異なる高さ平面にあり
前記共通の高さ平面(HE)が、前記導体挿入チャネル(23)の長手延在方向および/または前記接触ピン挿入チャネル(24)の長手延在方向に本質的に平行である
ことを特徴とする導体接続クランプ(1)。
【請求項2】
前記第2のクランプ脚部(11)が第2のクランプ縁部(13)を有し、前記第2のクランプ縁部(13)と前記バスバー(2)の前記第2の接触セクション(4)とが、クランプすべき接触ピン(12)のための前記第2のクランプ位置を形成することを特徴とする、請求項1に記載の導体接続クランプ(1)。
【請求項3】
前記第1の接触セクション(3)と前記第2の接触セクション(4)とが、前記バスバー(2)の接続セクション(14)を介して互いに接続され、前記第1の接触セクション(3)および/または前記第2の接触セクション(4)が、前記バスバー(2)の前記接続セクション(14)に対して直交して構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の導体接続クランプ(1)。
【請求項4】
前記バスバー(2)が貫通開口部(15)を有し、前記貫通開口部(15)に少なくとも1つの凹部(21)が設けられ、前記クランプばね(5)が、前記凹部(21)によって前記バスバー(2)に支持されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の導体接続クランプ(1)。
【請求項5】
前記導体接続クランプが作動要素を有し、前記作動要素が第1のクランプ脚部(6)と相互作用し、前記第1のクランプ位置を開閉するように構成されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の導体接続クランプ(1)。
【請求項6】
前記作動要素が作動レバー(19)であり、前記作動レバー(19)をピボット軸受(20)によって枢動させることができることを特徴とする、請求項に記載の導体接続クランプ(1)。
【請求項7】
前記第1のクランプ位置が、前記作動レバー(19)の前記ピボット軸受(20)の領域に配置されることを特徴とする、請求項に記載の導体接続クランプ(1)。
【請求項8】
前記第1のクランプ位置が閉じられているとき、前記接触ピン挿入チャネル(24)が前記作動レバー(19)のグリップ要素の上面と共通の平面に配置されることを特徴とする、請求項6または7に記載の導体接続クランプ(1)。
【請求項9】
前記導体挿入チャネル(23)の長手延在方向における前記クランプばね(5)の長さが、前記導体挿入チャネル(23)の長手延在方向に対して横方向の前記クランプばね(5)の幅よりも大きいことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の導体接続クランプ(1)。
【請求項10】
接触ピン(12)に接触するための請求項1からのいずれか一項に記載の導体接続クランプ(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体挿入開口部、導体挿入開口部に連接する導体挿入チャネル、接触ピン挿入開口部および接触ピン挿入開口部に連接する接触ピン挿入チャネルを備える絶縁材料ハウジングと、第1の接触セクションおよび第2の接触セクションを有するバスバーと、バスバーの第1の接触セクションに向けられた第1のクランプ縁部を備える第1のクランプ脚部、第1のばねアーチ、当接脚部、第2のばねアーチおよび第2のクランプ脚部を有するクランプばねとを備え、第1のクランプ縁部と、バスバーの第1の接触セクションとが、クランプすべき電気導体のための第1のクランプ位置を形成し、第2のクランプ脚部と、バスバーの第2の接触セクションとが、クランプすべき接触ピンのための第2のクランプ位置を形成し、第1のばねアーチが、当接脚部を介して第2のばねアーチに接続される、導体接続クランプに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許発明第10261536号明細書は、電気導体用の接続クランプを示し、電気導体は、クランプばねインサートによって導電板にクランプされる。クランプばねインサートは、それぞれ1つのばねアームを有する2つのばねアーチを有し、ばねアームは、導電板にそれぞれの電気導体を固定してクランプするように設計される。ここで、ばねアーチは、共通の当接脚部を介して互いに接続され、ばねアーチは、当接脚部から同じ方向に曲げられる。2つの電気導体を差し込むことができるようにするために、ばねアーチは、異なる高さ平面に配置される。
【0003】
独国実用新案第20210105号明細書は、接触インサートを有するプラグコネクタを開示しており、ここで、接触インサートは、バスバー部分およびそこに掛止された鋼ばねから形成される。鋼ばねはS字形に形成され、バスバー部分と共に、クランプすべき電気導体のためのクランプ位置と、クランプすべき接触ピンのためのさらなるクランプ位置とを形成する。ここで、鋼ばねの脚部の端部は、クランプすべき接触ピンのためのクランプ位置の領域でクランプ位置から離れるように曲げられており、したがって、接触ピンをプラグコネクタに2つの側から差し込むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のことに基づき、本発明の課題は、改良された導体接続クランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を備えた導体接続クランプによって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
第1のばねアーチと第2のばねアーチとが、本質的に導体接続クランプの共通の高さ平面に配置され、高さ平面は、少なくともクランプすべき電気導体およびクランプすべき接触ピンを有さない状態で、導体挿入チャネルの長手延在方向および/または接続ピン挿入チャネルの長手延在方向に本質的に平行である。「本質的に平行」とは、導体挿入チャネルの長手延在方向および/または接触ピン挿入チャネルの長手延在方向に対する高さ平面の平行度に関して、最大10°(360°系に基づく)の高さ平面の偏差を意味することがある。高さ平面は、導体挿入チャネルの長手延在方向および/または接触ピン挿入チャネルの長手延在方向に正確に平行に延びることもできる。このようにして、接触ピンと電気導体との間の導電接続を可能にするコンパクトな導体接続クランプを提供することができる。第1のばねアーチと第2のばねアーチとの共通の高さ平面は、導体接続クランプ内でごくわずかな設置スペースしか必要としないクランプばねの提供を可能にする。
【0006】
電気導体は、導体挿入開口部およびそれに連接する導体挿入チャネルを通して、導体挿入方向で第1のクランプ位置に向かって導体接続クランプに差し込むことができる。同様に、接触ピンは、接触ピン挿入開口部およびそれに連接する接触ピン挿入チャネルを通して、接触ピン挿入方向で第2のクランプ位置に向かって導体接続クランプに差し込むことができる。
【0007】
導体挿入チャネルの長手延在方向は、電気導体を導体挿入チャネルに差し込むことができる方向である。同様に、接触ピン挿入チャネルの長手延在方向は、接触ピンを接触ピン挿入チャネルに差し込むことができる方向である。本発明によれば、導体挿入チャネルおよび/または接触ピン挿入チャネルは、第1のばねアーチと第2のばねアーチとの共通の高さ平面に平行に揃えられる。それに対応して、導体挿入方向および/または接触ピン挿入方向も、第1のばねアーチおよび第2のばねアーチの高さ平面に平行に揃えられる。
【0008】
高さ平面は、第1のばねアーチおよび第2のばねアーチの頂点によって定められ、ここでは導体挿入チャネルの長手延在方向および/または接触ピン挿入チャネルの長手延在方向に対して本質的にまたは正確に平行に揃えられた仮想平面である。高さ平面はまた、任意の位置で第1のばねアーチおよび第2のばねアーチと交差し、導体挿入チャネルの長手延在方向および/または接触ピン挿入チャネルの長手延在方向に本質的または正確に平行に揃えられた仮想平面であり得る。導体接続クランプの最適なコンパクトな設計のために、高さ平面は、導体挿入チャネルの長手延在方向と接触ピン挿入チャネルの長手延在方向との両方に平行に揃えられることが示されている。
【0009】
例えば、連接するばねアーチ(第1のばねアーチおよび第2のばねアーチ)が共通の高さ平面にあるように、当接脚部が適切なオフセットを有することによって共通の高さ平面を提供することができる。以下では、「ばねアーチ」という用語は、第1および第2のばねアーチに対して使用される。
【0010】
本発明による教示において、絶縁材料ハウジングは、主ハウジングと、主ハウジングに設置されて係止されるカバー部分とからなることがある。
独立して、または本発明による導体接続クランプと組み合わせて、第2のクランプ脚部は第2のクランプ縁部を有することができ、第2のクランプ縁部とバスバーの第2の接触セクションとが、クランプすべき接触ピンのための第2のクランプ位置を形成する。これには、クランプすべき接触ピンを第2のクランプ位置に確実に保持することができるという利点がある。第2のクランプ位置から接触ピンが誤って外れることは容易には起こり得ない。この発展形態は、上述した導体接続クランプから独立しており、第1のばねアーチと第2のばねアーチとが共通の高さ平面に配置されることを必要条件としない。したがって、この発展形態は、特徴部なしでの請求項1の前提部の主題と組み合わせることができる。
【0011】
第1のばねアーチと第2のばねアーチとは、当接脚部から互いに反対の方向に曲げることができる。ここで、クランプばねはS字形に形成される。これは、電気導体と接触ピンとを互いに平行に差し込むことを可能にし、電気導体と接触ピンとを異なる平面で同時に差し込むことができる。
【0012】
第1の接触セクションおよび/または第2の接触セクションは、T字形に形成することができる。バスバーの第1の接触セクションおよび/または第2の接触セクションのそのような形成は、クランプすべき電気導体またはクランプすべき接触ピンの大きな当接面を実現し、したがって、接触ピンとバスバーとの間および/または電気導体とバスバーとの間の導電接続がかなり改良される。
【0013】
第1の接触セクションと第2の接触セクションとは、バスバーの接続セクションを介して互いに接続され、第1の接触セクションおよび/または第2の接触セクションは、バスバーの接続セクションに対して直交して構成される。このようにして、クランプすべき電気導体およびクランプすべき接触ピンのための必要なスペースのみを提供することによって、必要な設置スペースをさらに削減するバスバーを提供することができる。
【0014】
バスバーは貫通開口部を有することができ、貫通開口部に少なくとも1つの凹部が設けられ、クランプばねは、凹部によってバスバーに支持される。ここで、クランプばねは、自立的に保持されるように凹部に掛止することができる。
【0015】
導体接続クランプは作動要素を有することができ、作動要素は、第1のクランプ脚部と相互作用し、第1のクランプ位置を開閉するように設計される。さらに、作動要素が作動レバーであり、作動レバーをピボット軸受によって枢動させることができると有利である。
【0016】
このようにして、簡単な操作を可能にする導体接続クランプを提供することができる。ここで、作動レバーによってクランプ位置を開くことによってクランプばねが変位されるので、電気導体を差し込むことができる。これは、例えば、クランプばねの第1のクランプ脚部を昇降させることによって達成することができる。
【0017】
第1のクランプ位置は、作動レバーのピボット軸受の領域に配置することができる。このようにして、レバー作動部を備えた省スペースの導体接続クランプを提供することができ、作動レバーのピボット軸受は、第1のクランプ位置の領域、例えばクランプすべき電気導体に隣接して側方に配置される。
【0018】
独立して、または本発明による導体接続クランプと組み合わせて、接触ピン挿入チャネルを、作動レバーと共通の平面に配置することができる。例えば、作動レバーは、接触ピン挿入チャネル、したがってクランプすべき接触ピンの後方に配置することができ、それにより、作動レバーは導体接続クランプの構造高さを増加させず、既存の長さが使用され、レバー作動部を備えたコンパクトな導体接続クランプを提供することができる。この発展形態は、上述した導体接続クランプから独立しており、第1のばねアーチと第2のばねアーチとが共通の高さ平面に配置されることを必要条件としない。したがって、この発展形態は、特徴部なしでの請求項1の前提部の主題と組み合わせることができる。
【0019】
導体挿入チャネルの長手延在方向におけるクランプばねの長さが、導体挿入チャネルの長手延在方向に対して横方向のクランプばねの幅よりも大きいときに有利であり得る。このようにして、導体接続クランプの設置スペースの長さを延ばすことができ、したがって、必要なすべての構成要素を導体接続クランプに組み込むことができ、導体接続クランプの高さと幅をできるだけ小さく保つことができる。
【0020】
それぞれ関連するクランプばねを有するいくつかのバスバーが絶縁材料ハウジング内に配置され、第1のクランプ位置のうちの1つに向けて開いたそれぞれ1つの導体挿入開口部が絶縁材料ハウジングにあり、第2のクランプ位置のうちの1つに向けて開いたそれぞれ1つの導体挿入開口部が絶縁材料ハウジングにあるとき有利であり得る。これにより、用途によって異なる極数の導体接続クランプが考えられる。
【0021】
クランプばねの当接脚部は、バスバーの支持領域で2つの逆向きの曲げを有することができる。したがって、単純な構造的手段によって、当接脚部の逆向きの曲げにより第2のばねアーチと共通の高さ平面に位置する第1のばねアーチを提供することができる。
【0022】
しかし、当接脚部のオフセットを別の方法で実現することができることも考えられる。したがって、例えば、各90°の2つの角度(360°系に基づく)にわたるオフセットを達成できる場合がある。これには、適切なクランプばねを適切な材料から打ち抜くことができ、当接脚部を適切な形状に曲げるためにさらなる処理ステップを必要としないという利点がある。
【0023】
不定冠詞「ein」は、数を表す「1つの」としてではなく、「不定」の意味で理解されるべきである。したがって、例えば、絶縁材料ハウジングは、多極導体接続クランプのためのさらなる導体挿入開口部、接触ピン挿入開口部、バスバー、および関連するクランプばねを有することもできる。
【0024】
以下、添付図面を用いて、本発明を例としてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】導体接続クランプの側断面図である。
図2図1による導体接続クランプを90°回転させた断面図である。
図3図1による導体接続クランプの部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、バスバー(換言すれば、母線)2を備える導体接続クランプ(換言すれば、導体接続端子)1の側断面図を示し、バスバー2は、第1の接触セクション3および第2の接触セクション4を有する。導体接続クランプ1は、クランプ(換言すれば、締め付け)ばね5をさらに有し、クランプばね5は、第1の接触セクション3と位置合わせされた第1のクランプ縁部7を有する第1のクランプ脚部6を備える。ここで、第1のクランプ縁部7と、バスバー2の第1の接触セクション3とは、クランプすべき電気導体のための第1のクランプ位置を形成する。
【0027】
第1のクランプ脚部6は第1のばねアーチ8に移行し、第1のばねアーチ8は、当接脚部9に延びる。当接脚部9の正反対の端部に第2のばねアーチ10が連接し、第2のばねアーチ10は、第2のクランプ脚部11に移行する。ここで、第2のクランプ脚部11と、バスバー2の第2の接触セクション4とは、クランプすべき接触ピン12のための第2のクランプ位置を形成する。第2のクランプ脚部11が第2のクランプ縁部13を有し、第2のクランプ縁部13が接触ピン12を所定位置に固定して保持することが明らかである。したがって、接触ピン12は、追加の補助手段なしでは、導体接続クランプ1からもはや取り外すことができない。
【0028】
バスバー2の第1の接触セクション2と第2の接触セクション3とは、接続セクション14を介して互いに接続される。接続セクション14は、貫通開口部15を有し、貫通開口部15には側方凹部(図1には図示せず)が存在する。クランプばね5は、貫通開口部15を貫通し、当接脚部9は、側方凹部に自立的に保持される。したがって、バスバーの接続セクション14は、フレーム形状に形成される。
【0029】
バスバーの第1の接触セクション2および第2の接触セクション3は、接続セクション14から本質的に直交して突出していることが分かる。さらに、第2の接触セクション3がT字形に形成されていることも明らかである。接触ピン12は、第2の接触セクション3に対して平面的にクランプされることができ、したがって良好な導電接続が確立される。
【0030】
バスバー2およびクランプばね5は、絶縁材料ハウジング16内に接触インサートとして配置される。絶縁材料ハウジング16には導体挿入開口部17が設けられており、導体挿入開口部17には、導体挿入チャネル23が連接している。電気導体は、導体挿入開口部17および連接する導体挿入チャネル23を通して導体接続クランプに差し込むことができる。導体挿入開口部17の反対側には、絶縁材料ハウジング16内の連接する接触ピン挿入チャネル(接触ピン12によって隠されている)を有する接触ピン挿入開口部18が配置され、接触ピン12は、接触ピン挿入開口部18および接触ピン挿入チャネルを通して導体接続クランプ1に差し込むことができる。絶縁材料ハウジング16は、主ハウジング16.1と、主ハウジング16.1に設置されて係止されたカバー部分16.2とからなる。
【0031】
しかし、本発明による実施形態は、単極の実施形態に限定されない。むしろ、いくつかのバスバーおよび関連するクランプばねが絶縁材料ハウジング内に配置され、第1のクランプ位置のうちの1つに向けて開いたそれぞれ1つの導体挿入開口部が絶縁材料ハウジングにあり、第2のクランプ位置のうちの1つに向けて開いたそれぞれ1つの導体挿入開口部が絶縁材料ハウジングにあることが考えられる。したがって、本発明による導体接続クランプは、考えられる任意の極数に適する。
【0032】
クランプばね5の当接脚部9は、バスバー2の接続セクション14での当接脚部の支承領域で、2つの連続する逆向きの曲げによるオフセットを有することが分かる。当接脚部9のオフセットにより、第1のばねアーチ8と第2のばねアーチ10とは、構造上、本質的に共通の高さ平面HEに配置されることが明らかである。
【0033】
ここで、高さ平面HEは、第1のばねアーチ8および第2のばねアーチ10の頂点を通って延び、高さ平面HEは、導体挿入チャネル23の長手延在方向および接触ピン挿入チャネルの長手延在方向に本質的に平行である。第1のばねアーチ8と第2のばねアーチ10とが共通の高さ平面HEにあることにより、小さい構造高さしか必要としない特にコンパクトな導体接続クランプ1を実現することができる。
【0034】
導体接続クランプ1は、第1のクランプ位置を開閉するように設定された作動レバー19を有する。ここで、作動レバー19は、ピボット軸受20によって枢動させることができる。ピボット軸受20は、第1のクランプ位置に隣接して側方に配置される。ピボット軸受20の輪郭23は、第1のクランプ脚部6と相互作用して、作動レバー19を枢動させることによって第1のクランプ脚部6の昇降を実現することができ、それにより第1のクランプ位置を開閉することができる。
【0035】
第1のクランプ位置がピボット軸受20の領域に配置されることが明らかである。したがって、ピボット軸受20を第1のクランプ位置に隣接して側方に配置することにより、最小の構造高さで、コンパクトな導体接続クランプ1を実現することができる。
【0036】
さらに、接触ピン挿入チャネルが、作動レバー19または少なくともそのグリップ要素と共通の平面にあることも分かる。このようにして、導体接続クランプ1の構造高さを最小限に抑えることができる。
【0037】
図2は、図1による導体接続クランプ1を90°回転させた側面図を示す。接触ピン挿入開口部18の正面図で、接触ピン12が接触ピン挿入チャネル24に差し込まれた状態で導体接続クランプ1を見ることができる。バスバー2の接続セクション14がフレーム形状に形成され、第1の接触セクション3および第2の接触セクション4が接続セクション14に直交して突出することが明らかである。
【0038】
さらに、クランプばね5がバスバー2のフレーム形状の接続セクション14の貫通開口部15を通って突出し、クランプばね5が貫通開口部15の2つの側方凹部21に掛止されていることも明らかである。ここで、クランプばね5は、貫通開口部15の側方凹部21にある2つの突出するピン22によって自立的に支承されている。ピン22は、例えば、クランプばね5から一部片で形成することができる。しかし、独立したピン22がクランプばね5に固定されることも考えられる。
【0039】
図3は、図1による導体接続クランプ1を部分上面図で示す。接触ピン12が示されており、接触ピン12は、接触ピン挿入開口部18および連接する接触ピン挿入チャネルを通して、第2のクランプ位置に向かって絶縁材料ハウジング16内に差し込まれている。接触ピン挿入チャネル、したがって接触ピン12が作動レバー19と同じ平面に配置されることが明らかである。作動レバー19は、接触ピン挿入チャネル、したがって接触ピン12の後方に配置され、作動レバー19は追加の構造高さを必要とせず、したがって導体接続クランプ1をコンパクトに構成することができる。
【0040】
さらに、作動レバー19が2つの側方アーム24で第2のクランプ位置を囲んで、接触ピン12を、作動レバー19のアーム24間の第2のクランプ位置でクランプばね5によって保持することができることが分かる。しかし、作動レバー19での1つのアーム24のみで第2のクランプ位置を側方で囲むことも考えられる。クランプ位置が開閉されるとき、作動レバー19は、ピボット軸受20によって枢動される。ピボット軸受20は、クランプばね5によって隠されているので、図2では一部しか見ることができない。
図1
図2
図3