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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】娯楽用乗物のための拡張現実システム
(51)【国際特許分類】
   A63G 31/02 20060101AFI20240131BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240131BHJP
   G06T 13/40 20110101ALI20240131BHJP
【FI】
A63G31/02
G06T19/00 600
G06T13/40
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021516605
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019048877
(87)【国際公開番号】W WO2020068358
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】62/735,754
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/212,412
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】メロ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】クラウトハマー アキヴァ メイア
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0321107(US,A1)
【文献】国際公開第2015/071693(WO,A1)
【文献】特開2017-113295(JP,A)
【文献】特表2013-512729(JP,A)
【文献】How Apple's iPhone X TrueDepth AR waltzed ahead of Google's Tango,ai,2017年10月13日,https://appleinsider.com/articles/17/10/13/how-apples-iphone-x-truedepth-ar-waltzed-ahead-of-googles-tango,[検索日 2023年6月27日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
G06T 19/00、13/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
娯楽用乗物システムであって、
乗客及び追加の乗客を運ぶように、かつ乗物経路に沿って移動するように構成された乗物車両と、
前記乗客が前記乗物車両にいる間に前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体を検出し、前記追加の乗客が前記乗物車両にいる間に前記追加の乗客のそれぞれの顔及び前記追加の乗客のそれぞれの身体を検出するように構成された1又は2以上のセンサと、
前記乗客が前記乗物車両にいる間に前記乗客から見えるように、かつ前記追加の乗客が前記乗物車両にいる間に前記追加の乗客から見えるように構成されたディスプレイ組立体と、
制御装置と、
を含み、
前記制御装置は、前記1又は2以上のセンサから受け取った信号に基づいて、かつ乗物経路に沿った前記乗物車両の位置に基づいて、アニメーションを生成するように構成され、前記信号は、前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを示し、前記アニメーションは、前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを真似し、
前記制御装置は、前記1又は2以上のセンサから受け取った追加の信号に基づいて追加のアニメーションを生成するように構成され、前記追加の信号は、前記追加の乗客のそれぞれの顔及び前記追加の乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを示し、前記追加のアニメーションは、前記追加の乗客のそれぞれの顔及び前記追加の乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを真似し、
前記制御装置は、前記乗物経路に沿った前記乗物車両の位置に基づいて前記ディスプレイ組立体上の前記アニメーション及び前記追加のアニメーションの表示を命令するように構成される、
娯楽用乗物システム。
【請求項2】
前記1又は2以上のセンサは、前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを検出して、前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを示す信号を前記制御装置に提供するように構成されており、前記乗客のそれぞれの顔のそれぞれの動きを示す信号は、前記乗客の口の動き、前記乗客の目の動き、又はその両方を示すそれぞれの信号を含む、請求項1に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記乗物車両内の前記乗客の画像を受け取り、前記ディスプレイ組立体上の前記画像の少なくとも第1の部分と組み合わせた前記アニメーションの表示を命令するように構成される、請求項1に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項4】
前記アニメーションは、前記乗物車両の中の前記乗客の少なくともそれぞれの部分に対応する前記画像の第2の部分を取り換えるために前記画像上に重ね合わされる、請求項3に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記乗客を取り囲む周囲の画像を受け取って、前記ディスプレイ組立体上に前記画像上に重ね合わされた前記アニメーションの表示を命令するように構成される、請求項1に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項6】
前記1又は2以上のセンサは、前記乗物車両の中の前記乗客の存在を検出するように構成される、請求項1に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項7】
前記1又は2以上のセンサは、前記乗物車両の座席内の圧力センサを含み、前記圧力センサは、前記乗物車両の前記座席内の前記乗客の存在を検出するように構成される、請求項6に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項8】
前記ディスプレイ組立体は、前記乗物車両から物理的に離れている、請求項1に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記乗物経路に沿った前記乗物車両の位置のインジケーションを受け取り、前記アニメーションを生成し、前記乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接することに応答して前記アニメーションの表示を命令するように構成される、請求項に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項10】
前記乗客が前記乗物車両の中にいる間に前記乗客から見えるように構成された機械的なアニメ化されたフィギュアを含み、前記制御装置は、前記1又は2以上のセンサから受け取った信号に基づいて、前記機械的なアニメ化されたフィギュアのそれぞれの動きが、前記乗客の前記それぞれの顔及び前記乗客の前記それぞれの身体の前記それぞれの動きを真似るように、前記機械的なアニメ化されたフィギュアを制御するように構成される、請求項1に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項11】
遊園地乗物システムであって、
ディスプレイ組立体であって、乗客を運ぶ乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接する間に前記乗客から見えるように構成されたディスプレイ組立体と、
前記乗客を運ぶ前記乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接する間に前記乗客の顔及び身体の動きを連続的にモニタするように構成された1又は2以上のセンサと、
制御装置と、
を含み、前記制御装置は、
前記乗客を運ぶ前記乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接するというインジケーションを受け取り、
前記乗客を運ぶ前記乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接するというインジケーションに応答して、アニメーションを生成して、前記ディスプレイ組立体上の前記アニメーションの表示を命令し、
前記1又は2以上のセンサから前記乗客の顔及び身体の動きを示す信号を受け取り、
前記乗客を運ぶ前記乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接する間に、更新されたアニメーションが前記乗客の顔及び身体の動きを真似るように、前記アニメーションを更新し、前記ディスプレイ組立体上の前記更新されたアニメーションの表示を命令する、
ように構成される、遊園地乗物システム。
【請求項12】
前記乗物車両上に配置された追加のディスプレイを含む、請求項11に記載の遊園地乗物システム。
【請求項13】
前記ディスプレイ組立体は、前記追加の乗客を運ぶ前記乗物車両又は前記追加の乗客を運ぶ追加の乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接する間に、前記追加の乗客から見えるように構成され、前記1又は2以上のセンサは、前記追加の乗客を運ぶ前記乗物車両又は前記追加の乗客を運ぶ前記追加の乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接する間に、前記追加の乗客のそれぞれの顔及びそれぞれの身体のそれぞれの動きを連続的にモニタするように構成され、前記制御装置は、
前記追加の乗客を運ぶ前記乗物車両又は前記追加の乗客を運ぶ前記追加の乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接するという追加のインジケーションを受け取り、
前記インジケーションに応答して、追加のアニメーションを生成して、前記ディスプレイ組立体上の前記追加のアニメーションの表示を命令し、
前記1又は2以上のセンサから前記追加の乗客のそれぞれの顔及びそれぞれの身体のそれぞれの動きを示す追加の信号を受け取り、
更新された追加のアニメーションが前記追加の乗客のそれぞれの顔及びそれぞれの身体のそれぞれの動きを真似るように、前記追加のアニメーションを更新し、前記ディスプレイ組立体上の前記更新された追加のアニメーションの表示を命令する、
ように構成される、請求項11に記載の遊園地乗物システム。
【請求項14】
娯楽用乗物の一部として効果をもたらす方法であって、
乗物車両内で乗客を運ぶステップと、
前記乗客が前記乗物車両内にいる間に1又は2以上のセンサを用いて前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体を検出するステップと、
制御装置で前記1又は2以上のセンサから信号を受け取るステップであって、前記信号は前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを示す、ステップと、
前記制御装置を用いて、前記乗物車両の位置に基づいて、かつ前記制御装置で前記1又は2以上のセンサから受け取った前記信号に基づいて、前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを真似るニメーションを生成するステップと、
前記制御装置を用いて、記乗物車両がディスプレイ組立体に隣接する間に前記乗客から見えるように構成された前記ディスプレイ組立体に令するステップと、
前記乗物車両内で又は追加の乗物車両内で追加の乗客を運ぶステップと、
前記追加の乗客が前記乗物車両内に又は前記追加の乗物車両内にいる間に前記1又は2以上のセンサを用いて前記追加の乗客のそれぞれの顔及び前記追加の乗客のそれぞれの身体を検出するステップと、
前記制御装置で前記1又は2以上のセンサから追加の信号を受け取るステップであって、前記追加の信号は前記追加の乗客のそれぞれの顔及び前記追加の乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを示す、ステップと、
前記制御装置を用いて、前記乗物車両の位置に基づいて、かつ前記制御装置で前記1又は2以上のセンサから受け取った前記追加の信号に基づいて前記追加の乗客のそれぞれの顔及び前記追加の乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを真似る加のアニメーションを生成するステップと、
前記制御装置を用いて、前記乗物車両が前記ディスプレイ組立体に隣接する間に、前記ディスプレイ組立体に前記追加のアニメーションを表示するように命令するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記制御装置で前記乗物車両の中の前記乗客の画像を受け取るステップと、
前記制御装置を用いて、前記ディスプレイ組立体上の前記画像上に重ね合わされた前記アニメーションの表示を命令するステップと、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アニメーションを生成するステップは、前記制御装置で前記1又は2以上のセンサから経時的に受け取った前記信号に基づいて、前記アニメーションが前記乗客のそれぞれの顔及び前記乗客のそれぞれの身体のそれぞれの動きを真似るように前記アニメーションを経時的に更新するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
娯楽用乗物システムであって、
乗客を運ぶように構成された乗物車両と、
前記乗客が前記乗物車両にいる間に前記乗客の顔及び身体を検出するように構成された1又は2以上のセンサと、
前記乗客が前記乗物車両にいる間に前記乗客から見えるように構成されたディスプレイ組立体と、
制御装置と、
を含み、前記制御装置は、
前記乗物車両内の前記乗客の画像を受け取り、
前記乗物車両の位置に基づいて、かつ前記1又は2以上のセンサから受け取った信号に基づいて、前記乗客の顔及び前記乗客の身体の動きを真似るアニメーションを生成するように構成され、前記信号は、前記乗客の顔及び身体の動きを示し、
前記制御装置は、前記乗物車両の位置に基づいて前記ディスプレイ組立体上の前記画像の少なくとも第1の部分と組み合わせた前記アニメーションの表示を命令するように構成され、前記アニメーションは、前記乗物車両内の前記乗客の少なくともそれぞれの部分に対応する前記画像の第2の部分を取り換えるために前記画像上に重ね合わされる、
娯楽用乗物システム。
【請求項18】
娯楽用乗物システムであって、
ディスプレイ組立体と、
乗物経路上に配置され、ゲストを運ぶように構成された乗物車両と、
前記ゲストの顔を検出するように構成された顔認識センサと、
前記ゲストの身体を検出するように構成された骨格認識センサと、
前記乗物車両内の前記ゲストの存在を検出するように構成された存在センサと、
プロセッサ及びメモリを含む制御装置と、
を含み、前記制御装置は、
前記存在センサから受け取った前記ゲストの存在を示す第1の信号に基づいて拡張現実アニメーションを生成し、
前記ゲストの身体を示す第2の信号を前記骨格認識センサから受け取ることに応答して、前記ゲストの身体に基づいて前記拡張現実アニメーションを更新し、
前記ゲストの顔を示す第3の信号を前記顔認識センサから受け取ることに応答して、前記ゲストの顔に基づいて前記拡張現実アニメーションを更新し、
前記ゲストが見るために前記ディスプレイ組立体に前記拡張現実アニメーションを提供し、
前記骨格認識センサ、前記顔認識センサ、又はその両方からの更新された信号に基づいて前記拡張現実アニメーションを更新する、
ように構成される、娯楽用乗物システム。
【請求項19】
前記ゲストの顔を示す前記第3の信号は、前記ゲストの顔特徴部のインジケーションを含む、請求項18に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項20】
前記ゲストの存在は、前記乗物車両内の位置を含む、請求項18に記載の娯楽用乗物システム。
【請求項21】
前記顔認識センサは、RGBカメラを含む、請求項18に記載の娯楽用乗物システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に拡張現実システムに関し、より詳細には、娯楽用乗物のための拡張現実システムに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年9月24日出願の米国特許仮出願第62/735,754号「娯楽用乗物のための拡張現実システム」の優先権及び利益を主張するものであり、この開示内容は、全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
一般的に、娯楽用乗物(amusement ride)は、乗物車両(ride vehicle)及び乗物経路を含むことができる。乗物車両は、乗物経路に沿って移動することができ、ゲスト(guest)を運ぶことができる。娯楽用乗物は、乗物経路に沿ってゲストから見える特定の画像を提示することができるディスプレイを含むこともできる。例えば、ディスプレイは、特定のアニメーション、ビデオ、拡張現実画像、及び他の画像を提示することができる。特定の乗物に関して、ゲストは、画像を制御するためにディスプレイと相互作用することができる。しかしながら、ディスプレイは、一部の娯楽用乗物の複雑性のために、娯楽用乗物の至る所で画像をゲストに提示するようには構成されていない場合がある。加えて、ゲストが特定の娯楽用乗物上で表示画像と相互作用する能力は制限される場合がある。
【発明の概要】
【0004】
開示された主題の範囲に相応した特定の実施形態を以下で要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を制限することが意図されておらず、むしろこれらの実施形態は、特定の開示された実施形態の概要を提示することのみが意図されている。実際には、本開示は、以下に説明する実施形態と類似する又は異なする場合がある様々な形態を包含することができる。
【0005】
特定の実施形態において、娯楽用乗物のための拡張現実システムは、ゲストの顔を検出する顔認識センサ、ゲストの身体を検出する骨格認識センサ、ゲストの存在を検出する存在センサ、及び制御装置(controller)を含む。制御装置は、プロセッサ及びメモリを含む。制御装置は、存在センサから受け取ったゲストの存在を示す第1の信号に基づいて拡張現実アニメーション(augmented reality animation)を生成するように構成される。制御装置は、骨格認識センサからのゲストの身体を示す第2の信号を受け取ることに応答して、ゲストの身体に基づいて拡張現実アニメーションを更新するように構成される。さらに、制御装置は、顔認識センサからのゲストの顔を示す第3の信号を受け取ることに応答して、ゲストの顔に基づいて拡張現実アニメーションを更新するように構成される。
【0006】
本開示の上記及び他の特徴、態様、及び利点は、同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めばより深く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の態様による、娯楽用乗物システムの実施形態の上面図である。
図2】本開示の態様による、拡張現実アニメーションのディスプレイ組立体(display assembly)を含む図1の娯楽用乗物システムの拡張現実システムの実施形態の側面図である。
図3】本開示の態様による、個別拡張現実アニメーションの複数のディスプレイ組立体を含む図1の娯楽用乗物システムの拡張現実システムの実施形態の側面図である。
図4】本開示の態様による、図2の拡張現実システムのための拡張現実アニメーションを生成、更新、及び提示するプロセスの実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の1又は2以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実際の実装の特徴を全て説明していない場合もある。あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような現実の実装の開発においては、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑かつ時間の掛かるものとなり得るが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0009】
本開示の様々な実施形態の要素を説明する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素のうちの1又は2以上があることを意味することが意図されている。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的であり、記載された要素以外の別の要素がある場合があることを意味することが意図されている。動作パラメータ及び/又は環境条件のいずれの実施例も、開示された実施形態の他のパラメータ/条件を除外するものではない。
【0010】
本開示の特定の実施形態は、拡張現実システムを有する娯楽用乗物システムを含む。特定の実施形態において、娯楽用乗物システム及び/又は拡張現実システムは、ゲストが娯楽用乗物システムの乗物車両に乗る間にゲストの顔、身体、存在、又はその組み合わせを検出するように構成されたセンサを含む。例えば、顔認識センサは、ゲストの顔及び/又は身体を検出することができ、骨格認識センサは、ゲストの身体を検出することができ、存在センサは、乗物車両内でのゲストの存在を検出することができる。各センサは、信号を拡張現実システムの制御装置に出力することができる。センサから受け取った信号に基づいて、拡張現実システムは、拡張現実アニメーションを生成することができ、拡張現実アニメーションを乗物車両に隣接して及び/又はその上に配置されたディスプレイ組立体に提供することができる。例えば、ディスプレイ組立体は、ゲストから見ることができる画面を含むことができる。このため、拡張現実システム及び/又は娯楽用乗物システムは、ゲストの顔、身体、存在、又はその組み合わせを検出することができ、拡張現実アニメーションを生成することができ、拡張現実アニメーションをゲストにより見るために表示することができる。特定の実施形態において、拡張現実システムは、ゲストの顔、身体、存在、又はその何らかの組み合わせを連続的に検出することができ、拡張現実アニメーションをゲストの顔、身体、存在、又はその組み合わせに基づいて生成及び提供することができ、ゲストが娯楽用乗物システムの少なくとも一部を通して拡張現実アニメーションと相互作用すること及び/又は制御することを可能にすることができる。
【0011】
以上を考慮して、拡張現実システムに関する本発明の実施形態は、何らかの娯楽用乗物システムで利用することができる。例えば、図1は、娯楽用乗物システム10の実施形態の上面図である。例示するように、娯楽用乗物システム10は、1又は2以上の座席13を有する乗物車両12を含む。乗物車両12は、一般的に、方向15に乗物経路14に沿って走行することができ、ゲスト16を娯楽用乗物システム10を通って運ぶことができる。例えば、ゲスト16は、座席13に着座することができ、乗物車両12が娯楽用乗物システム10を移動する際に座席拘束装置18によって拘束することができる。座席拘束装置18は、膝部バー、座席ベルト、頭上拘束装置、別の形式の座席拘束装置、又はその組み合わせとすることができる。例示する実施形態において、乗物車両12は、4つの座席13を含むが、乗物車両12は、他の構成の異なる座席数を含むことができる。加えて、特定の実施形態において、娯楽用乗物システム10は、追加の乗物車両12(例えば、2つの乗物車両12、3つの乗物車両12、4つの乗物車両12)を含むことができる。
【0012】
例示するように、乗物経路14は、乗物車両12の動きを規定する軌道を有するレールシステムである。しかしながら、他の実施形態において、乗物経路14は、娯楽用乗物システム10のフロアに沿った経路とすること、又は乗物車両12を搬送する及び/又は案内するように構成された別のシステムとすることができる。例えば、乗物車両12は、自動車とすることができ、乗物経路14は、乗物車両12を案内するように構成された経路とすることができる。加えて、乗物車両12は、ゲスト16がディスプレイ組立体20に向って横向きになっており、方向15に略横方向(例えば、垂直)である状態で示されている。特定の実施形態において、ゲスト16は、ディスプレイ組立体20がゲスト16の側面にあるように方向15に沿って向かうように位置することができる。特定の実施形態において、ゲスト16は、乗物経路14に沿って移動する間に及び/又は乗物経路14上に停止する間に位置を変更することができる。例えば、ゲスト16は、例示する横向きの位置から前向きの位置に及び/又は別の位置に変わることができる。
【0013】
ディスプレイ組立体20は、乗物車両12が乗物経路14に沿って移動するときにディスプレイ組立体20が乗物車両12とともに移動するように乗物車両12の側面に結合すること及び/又は取り付けることができる。付加的に又は代替的に、ディスプレイ組立体20は、乗物車両12が乗物経路14に沿って方向15に移動するときに、乗物車両12がディスプレイ組立体20のそばを通過することができるように乗物経路14に結合すること及び/又は取り付けることができる。一部の実施形態において、ディスプレイ組立体20は、方向15に沿って前方に向いているゲスト16がディスプレイ組立体20を前方に見ることができるように、方向15に沿って乗物車両12のおおむね前に配置することができる。
【0014】
娯楽用乗物システム10は、拡張現実システム22を含む。例示するように、拡張現実システム22は、4つのディスプレイ組立体20、4つの顔認識センサ24、4つの骨格認識センサ26、及び、4つの存在センサ28を含む。しかしながら、特定の実施形態において、拡張現実システム22は、より多数の又はより少数のディスプレイ組立体20、顔認識センサ24、骨格認識センサ26、及び/又は存在センサ28を含むことができる。付加的に又は代替的に、拡張現実システム22は、ゲストの頭部、身体、存在、ゲストの周囲、又はその組み合わせを検出することができる他の形式のセンサ及び/又は設備を含むことができる。特定の実施形態において、拡張現実システム22は、乗物車両12及び/又は乗物経路14の全て又は一部を含むことができる。例えば、拡張現実システム22は、乗物車両12の各座席13に存在センサ28を含むことができる。
【0015】
以下でさらに詳細に説明するように、拡張現実システム22は、ゲスト16が見るために及び/又は相互作用のために拡張現実画像及びアニメーションを提供することができる。拡張現実アニメーションは、グラフィックス又はアニメーションが拡張現実アニメーション内でゲスト16の一部であるように見えるように、ゲスト16の捕捉画像又はアニメーションに重ね合わされたグラフィックス又はアニメーションを含むことができる。このようなグラフィックス又はアニメーションは、ゲストの顔特徴部(facial feature)をアニメ化された顔特徴部と取り換える(例えば、ゲストの鼻及び眼を動物の鼻及び眼と取り換える)こと、ゲストの頭部をアニメ化された頭部と取り換えること、ゲストの身体をアニメ化された身体と取り換えること、ゲスト16の捕捉画像又はアニメーションに対する他の修正を含むことができる。特定の実施形態において、アニメーションは、ディスプレイ組立体20全体上に表示することができる。例えば、このような実施形態において、拡張現実アニメーション全体は、アニメ化され、ゲスト16及び/又はゲストの周囲の捕捉画像を含まない。
【0016】
顔認識センサ24は、ゲスト16の顔の特徴部を検出するように構成されている。例えば、顔認識センサ24のうちの1つは、特定のゲスト16の前に位置することができ、そのゲスト16の顔の特徴部を検出することができる。顔認識センサ24は、ゲスト16の骨格の特徴部を検出することもできる。特定の実施形態において、顔認識センサ24は、顔特徴部及び/又は骨格特徴部(skeletal feature)を検出するように構成されたカメラ(例えば、赤色/青色/緑色(RGB)検出カメラ又は同様の検出能力を有するカメラ)とすることができる。顔認識センサ24は、ディスプレイ組立体20より上方に配置すること及び又はディスプレイ組立体20に結合することができる。顔認識センサ24は、ゲストの顔特徴部を正確に検出することができ、ゲスト16が拡張現実システム22及び/又は娯楽用乗物システム10と相互作用することを可能にすることができる。例えば、ゲスト16がディスプレイ組立体20上の拡張現実アニメーションを見ている間に、顔認識センサ24は、ゲストの顔特徴部を観察して検出し続けることができ、ゲストの変化する顔特徴部に基づいてディスプレイ組立体20上の拡張現実アニメーションを更新することができる。拡張現実アニメーションは、ゲストの顔特徴部の一部又は全てをアニメ化された顔特徴部と取り換える(例えば、ゲストの鼻をアニメ化された鼻と取り換える)ことを含むことができる。このため、ゲスト16は、自身の顔特徴部及び/又は頭部を動かすことによって顔認識センサ24を介して拡張現実アニメーションと相互作用すること及び/又は拡張現実アニメーションを制御することができる。特定の実施形態において、顔認識センサ24は、乗物車両12に又は娯楽用乗物システム10の別の部分に取り付けることができる。
【0017】
骨格認識センサ26は、ゲスト16の骨格特徴部を検出するように構成されている。例えば、骨格認識センサ26は、ゲストの頭部及び/又は身体を検出することができる特定のゲスト16の前に配置された深度センサとすることができる。骨格認識センサ26は、ディスプレイ組立体20より全体的に上方に配置された第2のカメラとすること、又はゲストの頭部及び/又は身体を検出するように構成された別の形式のセンサとすることができる。骨格認識センサ26は、骨格認識センサ26がゲストの頭部及び/又は身体を正確に検出することができるように、ディスプレイ組立体20より上方に配置すること及び/又はディスプレイ組立体20に結合することができ、ゲスト16が自身の頭部及び/又は身体を動かすことによって拡張現実システム22及び/又は娯楽用乗物システム10と相互作用することを可能にすることができる。例えば、ゲスト16がディスプレイ組立体20上の拡張現実アニメーションを見ている間に、骨格認識センサ26は、ゲストの頭部及び/又は身体を観察及び検出し続けることができ、ゲストの変化する頭部及び/又は身体に基づいてディスプレイ組立体20上の拡張現実アニメーションを更新することができる。拡張現実アニメーションは、ゲストの顔特徴部の一部又は全てをアニメ化された顔特徴部と取り換える(例えば、ゲストの鼻をアニメ化された鼻と取り換える)ことを含むことができる。このため、ゲスト16は、自身の頭部及び/又は身体を動かすことによって骨格認識センサ26を介して拡張現実アニメーションと相互作用すること及び/又は拡張現実アニメーションを制御することができる。特定の実施形態において、骨格認識センサ26は、乗物車両12に又は娯楽用乗物システム10の別の部分に取り付けることができる。
【0018】
存在センサ28は、乗物車両12内のゲスト16の存在を検出するように構成されている。例えば、乗物車両12は、各座席13に対応する存在センサ28を含むことができる。存在センサ28は、座席13のゲスト16の存在を検出することができる。例えば、存在センサ28は、座席13のゲスト16の体重を検出するように構成された圧力センサとすることができる。特定の実施形態において、存在センサ28は、座席13用の座席拘束装置18とすることができる。例えば、ゲスト16が座席13に着座した後、座席拘束装置18は、座席13のゲスト16の存在を示すようにしっかり固定することができる。存在センサ28がゲスト16の存在を検出した後、ディスプレイ組立体20は、拡張現実アニメーションをゲスト16により見るために提供することができる。拡張現実アニメーションは、ディスプレイ組立体20上に示される座席13に着座しているように見えるアニメーションを含むこと、又は、ディスプレイ組立体20の画面全体を占めるアニメーション(例えば、乗物車両12及び/又はゲストの周囲の一部を表示しない)を含むことができる。
【0019】
付加的に又は代替的に、特定の実施形態において、娯楽用乗物システム10及び/又は拡張現実システム22は、ディスプレイ組立体20の代わりに又はそれに加えてアニメ化されたフィギュア(figure)(例えば、アニマトロニックス)を含むことができる。このようなアニメ化されたフィギュアは、ゲストの動きを真似るように制御することができるロボットフィギュアとすることができる。例えば、拡張現実システム22は、アニメ化されたフィギュアを顔認識センサ24、骨格認識センサ26、及び/又は存在センサ28から受け取った信号に基づいて制御することができ、ゲストがアニメ化されフィギュア及び拡張現実システム22と相互作用することを可能にすることができる。一部の実施形態において、娯楽用乗物システム10及び/又は拡張現実システム22は、ディスプレイ組立体20をセンサから受け取った信号に基づいて及び/又は乗物経路14に沿った乗物車両12の位置に基づいてアニメ化されたフィギュアと置き換えることができる。
【0020】
娯楽用乗物システム10及び/又は拡張現実システム22は、制御装置40を含むことができる。例示するように、制御装置40は、プロセッサ42及びメモリ44を含む。特定の実施形態において、娯楽用乗物システム10及び/又は拡張現実システム22は、様々な機能を実行するために追加の制御装置、追加のプロセッサ、追加のメモリ、又はその組み合わせを含むことができる。例えば、各ディスプレイ組立体20は、様々なセンサから信号を受け取り、ディスプレイ組立体20上のアニメーションを制御し、制御装置40と又はこれらの組み合わせと通信するように構成された制御装置を含むことができる。一部の実施形態において、娯楽用乗物システム10のメモリ44及び他のメモリは、プロセッサ42によって実行可能な命令、及び/又は、プロセッサ42によって処理されるデータを記憶する1又は2以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。例えば、メモリ44は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなどの書換可能な不揮発性メモリ、ハードドライブ、光ディスク、他の形式のメモリ、又はその組み合わせを含むことができる。さらに、娯楽用乗物システム10のプロセッサ42及び他のプロセッサは、1又は2以上の汎用マイクロプロセッサ、1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその何らかの組み合わせを含むことができる。
【0021】
制御装置40は、制御装置40とユーザー(例えば、オペレータ)との間で通信を容易にすることができるユーザーインターフェース46をさらに含むことができる。ユーザーインターフェース46は、遠隔制御式又は自律動作式娯楽用乗物システムの場合には娯楽用乗物システム10に隣接して又は遠隔場所に配置することができる。例えば、ユーザーインターフェース46は、制御装置40とのユーザー対話を可能にするボタン、キーボード、マウス、トラックパッドなどのうちの1又は2以上を含むことができる。さらに、ユーザーインターフェース46は、例えば、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)、アプリケーションインターフェース、テキスト、静止画像、ビデオコンテンツ、又はその組み合わせを介して情報の視覚的表現を行う電子ディスプレイを含むことができる。ユーザーインターフェース46は、ユーザー(例えば、娯楽用乗物システム10及び/又は拡張現実システム22のオペレータ)からの入力を受け取るように構成することができる。
【0022】
作動時、制御装置40は、プロセッサ42を介して、娯楽用乗物システム10及び/又は拡張現実システム22全体にわたって様々な入力信号をセンサから受け取ることができる。例えば、顔認識センサ24、骨格認識センサ26、及び存在センサ28の各々は、それらの検出された特徴部(例えば、ゲストの検出された顔特徴部、頭部、身体、存在)を示す信号を制御装置40に出力することができる。顔認識センサ24、骨格認識センサ26、及び存在センサ28から出力された信号は、制御装置40のプロセッサ42で受け取ることができる。特定の実施形態において、各ディスプレイ組立体20は、顔認識センサ24、骨格認識センサ26、及び存在センサ28から信号を受け取るディスプレイ制御装置を含むことができる。さらに、ディスプレイ制御装置は、制御装置40と通信すること及び/又はゲスト16により見るために表示されるアニメーションを生成及び提供することができる。
【0023】
例示するように、各ディスプレイ組立体20は、有線接続48(例えば、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(USB)、canbus、ISObus)を経由して制御装置40に接続されて通信する。例えば、各ディスプレイ組立体20は、有線接続48を経由して信号を制御装置40に出力し、制御装置40から信号を受け取ることができる。付加的に又は代替的に、各ディスプレイ組立体20は、無線接続を経由して制御装置40と通信することができる。例えば、各ディスプレイ組立体20は、信号を制御装置40の制御装置送受信機に出力して信号を制御装置40の制御装置送受信機から受け取るディスプレイ送受信機を含むことができる。ディスプレイ送受信機及び制御装置送受信機の各々は、標準プロトコル(例えば、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標))又は専用プロトコルなどの、何らかの適切な無線通信プロトコルを利用することができる。
【0024】
図2は、拡張現実システム22の実施形態の正面図である。例示するように、拡張現実システム22は、ディスプレイ組立体20、顔認識センサ24、骨格認識センサ26、及び、存在センサ28を含む。顔認識センサ24は、ゲストの顔を検出してゲストの顔を示す信号を制御装置40に出力するように構成され、骨格認識センサ26は、ゲストの身体を検出してゲストの身体を示す信号を制御装置40に出力するように構成され、存在センサ28は、ゲストの存在を検出してゲストの存在を示す信号を制御装置40に出力するように構成される。特定の実施形態において、拡張現実システム22は、追加のディスプレイ組立体20、追加の顔認識センサ24、追加の骨格認識センサ26、及び追加の存在センサ28を含むことができる。さらに、ゲスト16は、乗物車両12の座席13に着座すること又は乗物車両12内で立っていることができる。
【0025】
ディスプレイ組立体20の例示される実施形態は、ゲスト16により見るために拡張現実アニメーション52を提供する画面50を含む。例示するように、拡張現実アニメーション52は、ゲストの動きに基づいてゲスト16が制御することができる道化師54を含む。特定の実施形態において、拡張現実アニメーション52は、道化師54に加えて又はその代わり他の画像及びアニメーションを含むことができる(例えば、家畜、漫画、キャラクタ)。
【0026】
特定の実施形態において、制御装置40は、顔認識センサ24、骨格認識センサ26、存在センサ28、又はその組み合わせから受け取った信号に基づいて、画面50上に表示される拡張現実アニメーション52を生成及び提供する命令を含むことができる。例えば、存在センサ28から受け取ったゲストの存在を示す第1の信号に基づいて、制御装置40は、拡張現実アニメーション52を生成すること及び拡張現実アニメーション52をディスプレイ組立体20にゲスト16により見るために提供することができる。拡張現実アニメーション52は、ゲスト16の位置に概して対応する場所で画面50上に位置付けることができる。しかしながら、特定の実施形態において、ゲストの存在を示す第1の信号自体は、ゲスト16と特定の又は全ての拡張現実アニメーションとの相互作用を可能にするものではない。
【0027】
骨格認識センサ26からのゲストの身体を示す第2の信号を受け取ることに応答して、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの身体に基づいて更新することができる。例えば、最初に上述のように制御装置40がゲストの存在を示す第1の信号を受け取り、その後にゲストの身体を示す第2の信号を受け取ると、制御装置40は、ゲストの身体の動きを真似るために拡張現実アニメーション52を更新することができる。特定の実施形態において、制御装置40が存在センサ28からのゲストの存在を示す第1の信号及び骨格認識センサ26からのゲストの身体を示す第2の信号の両方を同時に受け取った場合、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの身体に基づいて生成することができる。例えば、拡張現実アニメーション52は、ゲスト16の動きを真似るアニメーションとすることができる。このようにして、制御装置40は、ゲスト16が拡張現実アニメーション52の身体を制御することを可能にすることができる。
【0028】
ゲストの顔及び/又は身体を示す第3の信号を顔認識センサ24から受け取ることに応答して、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの顔及び/又は身体に基づいて生成又は更新することができる。例えば、制御装置40がゲストの存在を示す第1の信号を存在センサ28から、ゲストの身体を示す第2の信号骨格認識センサ26から、ゲストの顔及び/又は身体を示す第3の信号を顔認識センサ24から受け取った場合、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの顔及び/又は身体に基づいて生成することができる。拡張現実アニメーション52は、乗物車両12及び/又はゲストの周囲の、ゲスト16の捕捉画像/捕捉映像などのビデオフィード(例えば、顔認識センサ24によって捕捉されたビデオフィード)の複数の部分を含むことができる。また、拡張現実アニメーション52は、アニメーションがゲスト16の一部及び/又はビデオフィードの一部であるように見えるように、ビデオフィードに重ね合わされたアニメーションを含むことができる。例えば、拡張現実アニメーション52は、乗物車両12の中に位置するゲスト16の捕捉ビデオ(例えば、ライブビデオフィード)の複数の部分と、ゲスト16の一部及び/又はゲストの周囲の一部であるように見えるアニメーションとを含むことができる。アニメーションは、ゲストの顔特徴部の一部、身体部分、ゲスト身体の全体、又はその組み合わせを取り換えることを含むことができる。このようにして、制御装置40は、ゲスト16が拡張現実アニメーション52の顔特徴部及び/又は頭部を制御することを可能にすることができる。特定の実施形態において、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの身体を示す第2の信号及びゲストの顔及び/又は身体を示す第3の信号に基づいて生成及び提供し、ゲスト16が拡張現実アニメーション52の身体及び顔特徴部と相互作用してこれを制御することを可能にすることができる。加えて、制御装置40は、顔特徴部の制御を含むように、ゲストの存在及び/又は身体に基づいて先行して生成された拡張現実アニメーション52を更新することができる。顔認識センサ24は、骨格認識センサ26及び存在センサ28とともに、信号を検出して制御装置40に出力し続けることができる。制御装置40が各信号を受け取ると、制御装置40は、受け取った信号に基づいて拡張現実アニメーション52を生成及び/又は更新する。
【0029】
特定の実施形態において、娯楽用乗物システム10は、特定のセンサがゲストの特徴部(例えば、顔及び身体)を検出するのを妨げる要素を含む場合がある。例えば、乗物車両12が乗物経路14に沿って走行するとき、娯楽用乗物システム10の要素は、顔認識センサ24及び骨格認識センサ26のうちの特定のセンサがゲストのそれぞれの特徴部(例えば、顔及び身体)を検出及び/又は追跡するのを妨げる場合がある。所定のセンサ(例えば、顔認識センサ24又は骨格認識センサ26)がゲスト16を検出することができない場合、制御装置40は、拡張現実アニメーションを別のセンサ(例えば、骨格認識センサ26又は存在センサ28)から受け取った信号に基づいて生成及び提供することができる。
【0030】
例えば、制御装置40が最初にゲストの身体を示す信号を骨格認識センサ26から受け取り、ゲストの顔を示す信号を顔認識センサ24から受け取らない場合、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの身体に基づいて生成してディスプレイ組立体20に提供することができる。さらに、制御装置40がゲストの存在を示す信号を存在センサ28から受け取り、ゲストの顔を示す信号又はゲストの身体を示す信号を受け取らない場合、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの存在に基づいて生成してディスプレイ組立体20に提供することができる。しかしながら、ゲストの存在を示す信号を存在センサ28から受け取った後、制御装置40がゲストの顔を示す信号を顔認識センサ24から又はゲストの身体を示す信号を骨格認識センサ26から受け取った場合、制御装置40は、新たに受け取った信号(例えば、顔認識センサ24からのゲストの顔及び/又は身体を示す信号、又は骨格認識センサ26からのゲストの身体を示す信号)に基づいて、更新された拡張現実アニメーション52を生成する。このようにして、拡張現実アニメーション52又はゲストが拡張現実アニメーション52を制御する能力は、様々なセンサから制御装置40が受け取った信号に基づいて変わる場合がある。
【0031】
図3は、拡張現実システム22の実施形態の正面図である。例示するように、拡張現実システム22は、4つのディスプレイ組立体20、4つの顔認識センサ24、4つの骨格認識センサ26、及び、4つの存在センサ28を含む。しかしながら、特定の実施形態において、拡張現実システム22は、より多数の又はより少数のディスプレイ組立体20、顔認識センサ24、骨格認識センサ26、存在センサ28、又はその組み合わせを含むことができる。さらに、各ディスプレイ組立体20は、ディスプレイ組立体20上に表示される拡張現実アニメーション52を提供するように構成された独立した制御装置(例えば、図1及び2の制御装置40)によって制御することができる。例えば、制御装置40は、信号を対応する顔認識センサ24、対応する骨格認識センサ26、対応する存在センサ28、又は、その組み合わせから受け取ることができ、受け取った信号に基づいて拡張現実アニメーション52を生成することができる。特定の実施形態において、単一の制御装置は、信号を拡張現実システム22の全てのセンサから受け取ること及び全てのディスプレイ組立体20を制御することができる。
【0032】
特定の実施形態において、娯楽用乗物システム10及び/又は拡張現実システム22は、複数の拡張現実アニメーションを表示するディスプレイ組立体を含むことができる。例えば、単一のディスプレイ組立体は、複数のゲスト16から見ることができ、各ゲスト16に向けた拡張現実アニメーション52を表示することができる。制御装置は、各ゲスト16に向けた複数の拡張現実アニメーション52を生成し、複数の拡張現実アニメーション52を単一のディスプレイ組立体に提供することができる。
【0033】
各ディスプレイ組立体20の制御装置は、各ディスプレイ組立体20に向けた様々な拡張現実アニメーション52を提供することができる。例えば、図3の例示する実施形態において、各画面50上に表示された拡張現実アニメーション52は異なっている。ディスプレイ組立体20を見る及び/又はディスプレイ組立体20と相互作用するゲストは、それぞれのディスプレイ組立体20上に表示された拡張現実アニメーション52に対して様々な制御レベルを有することができる。例えば、第1ディスプレイ組立体20Aに隣接して位置決めされた第1のゲストは、第1のゲストの顔特徴部及び/又は身体を検出することができる対応する顔認識センサ24の1つに基づいて、第1のディスプレイ組立体20A上に表示された拡張現実アニメーション52の顔特徴部及び/又は身体の動きを制御することができる。第2ディスプレイ組立体20Bに隣接して位置決めされた第2のゲストは、第2のゲストの身体を検出することができる対応する骨格認識センサ26の1つに基づいて、第2のディスプレイ組立体20B上に表示された拡張現実アニメーション52の身体の動きを制御することができる。第3のディスプレイ組立体20Cに隣接して位置決めされる第3のゲストは、第3のゲストの顔特徴部及び/又は身体を検出することができる顔認識センサ24に基づいて及び第3のゲストの身体を検出することができる骨格認識センサ26に基づいて、第3のディスプレイ組立体20C上に表示された拡張現実アニメーション52の身体の動き及び顔特徴部の両方を制御することができる。第4のディスプレイ組立体20Dに隣接して位置決めされた第4のゲストは、第4のゲストの存在を検出することができる存在センサ28に基づいて(例えば、乗物車両12内の)、第4のディスプレイ組立体20D上に表示された拡張現実アニメーション52を見ることができる。一部の実施形態において、本明細書で説明するように、画面50の一部又は全部は、ゲストの動きを概して真似るアニメ化されたフィギュア(例えば、アニマトロニックス)と置き換えることができる。
【0034】
図4は、図2及び3の拡張現実アニメーション52を生成及び/又は更新する方法60の実施形態の流れ図である。特定の順序で示されるが、方法60に関して説明する動作は、図示して説明するものとは異なる順序で実行することができ、実際には、方法60のこのような並べ替えは、本開示に包含されることに留意されたい。方法60は、拡張現実システム22によって、例えば、制御装置40によって実行することができる。制御装置40は、最初に、ブロック62に示すように、図1の乗物車両12がディスプレイ組立体20の前方の位置及び/又はそれに隣接した位置に到達したというインジケーション(indication)を受け取ることができる。例えば、制御装置40は、このインジケーションを娯楽用乗物システム10の第2の制御装置から受け取ることができる。第2の制御装置は、乗物経路14に沿った乗物車両12の位置を追跡して乗物車両12の位置を示す信号を制御装置40に出力するように構成することができる。
【0035】
特定の実施形態において、制御装置40は、乗物シーケンスが開始したというインジケーションを受け取ることができる。制御装置40のメモリ44は、時間及び/又は他の要因の関数として乗物経路14に沿った乗物車両の位置に関する情報を含む、乗物経路データを記憶することができる。制御装置40は、経過時間に基づいて及び/又は他の要因に基づいて、乗物車両12がディスプレイ組立体20の前方の位置及び/又はそれに隣接した位置に到着したと判定することができる。特定の実施形態において、乗物シーケンスが開始したというインジケーション及び/又は乗物車両12がディスプレイ組立体20に隣接する位置に到達したというインジケーションは必ずしも使用されるわけではないので、方法60のブロック62は省くことができる。
【0036】
次に、制御装置40は、ゲスト16のインジケーションを顔認識センサ24、骨格認識センサ26、及び存在センサ28のうちのいずれかから受け取ることができる。例えば、ブロック64で、制御装置40は、ゲストの存在のインジケーションを存在センサ28から受け取ることができる。ブロック66で、制御装置40は、ゲストの身体のインジケーションを骨格認識センサ26から受け取ることができる。ブロック68で、制御装置40は、ゲストの顔及び/又は身体のインジケーションを顔認識センサ24から受け取ることができる。
【0037】
制御装置40は、受け取ったゲスト16のインジケーションに基づいて、拡張現実アニメーション52を生成及び/又は更新し、生成及び/又は更新された拡張現実アニメーション52をそれぞれのディスプレイ組立体20に提供することができる。例えば、ブロック70で、制御装置40は、ゲストの存在のインジケーションに基づいて、拡張現実アニメーション52を生成及び/又は更新してディスプレイ組立体20に提供することができる。ディスプレイ組立体20は、乗物車両12内のゲストの存在に対応してゲスト16により見るために所定の位置に拡張現実アニメーション52を表示することができる。
【0038】
ブロック72で、制御装置40は、ゲストの身体のインジケーションに基づいて、拡張現実アニメーション52を生成及び/又は更新してディスプレイに提供し、ゲスト16がディスプレイ組立体20上に表示された拡張現実アニメーション52を見て相互作用するのを可能にすることができる。ゲスト16は、自分の身体(例えば、頭部、腕、胴)を動かすことができ、制御装置40は、ゲスト16により見るために、ゲストの身体の動きに概して一致するように拡張現実アニメーション52を更新することができる。ブロック74で、制御装置40は、ゲストの顔及び/又は身体のインジケーションに基づいて拡張現実アニメーション52を生成/更新及び提供し、ゲスト16がディスプレイ組立体20上に表示された拡張現実アニメーション52を見て相互作用することを可能にすることができる。ゲスト16は、自分の顔特徴部(例えば、眼、眉、鼻、口)及び/又は身体を動かすことができ、制御装置40は、ゲスト16により見るために、ゲストの顔特徴部及び/又は身体の動き(例えば、楽しい顔、悲しい顔、笑っている顔、眼の動き、口の動き、及び拡張現実アニメーション52の他の顔特徴部の動き)に概して一致するように拡張現実アニメーション52を更新することができる。
【0039】
制御装置40は、インジケーション及び対応する拡張現実アニメーション52がゲスト16に可能にするであろう相互作用の量に基づいて、拡張現実アニメーション52を生成及び/又は更新するためにどのインジケーションを使用するかを判定することができる。例えば、制御装置40が存在センサ28からのゲストの存在のインジケーション(例えば、存在センサ28からのゲストの存在を示す信号)及び顔認識センサ24からのゲストの顔及び/又は身体のインジケーションの両方を受け取った場合、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの顔及び/又は身体に基づいて生成及び/又は更新することができる。これによって、ゲスト16は、自身の顔特徴部を動かし、同じような動きの拡張現実アニメーション52を見るのを可能にすることによって、娯楽用乗物システム10とのより大きな相互作用を行い得ることになる。
【0040】
別の実施例として、制御装置40が存在センサ28からのゲストの存在のインジケーション及び骨格認識センサ26からのゲストの身体のインジケーションの両方を同時に受け取った場合、制御装置40は、ゲストの身体に基づいて拡張現実アニメーション52を生成及び/又は更新することができる。さらに、制御装置40が骨格認識センサ26からのゲストの身体のインジケーション及び顔認識センサ24からのゲストの顔及び/又は身体のインジケーションの両方を受け取った場合、制御装置40は、拡張現実アニメーション52をゲストの顔及び/又は身体に基づいて生成及び/又は更新することができる。特定の実施形態において、制御装置40は、骨格認識センサ26から受け取ったゲストのインジケーション及び顔認識センサ24から受け取ったゲストの顔及び/又は身体のインジケーションに基づいて拡張現実アニメーションを生成及び/又は更新して、ゲスト16が拡張現実アニメーション52の身体及び顔と相互作用することを可能にすることができる。
【0041】
方法60は、拡張現実アニメーション52を生成及び/又は更新した後、問合せ76に進むことができる。問合せ76で、制御装置40は、乗物車両がディスプレイ組立体20の前方の位置及び/又はそれに隣接した位置にまだいるかを判定することができる。例えば、制御装置40は、乗物車両12がその位置にまだいるという信号を第2の制御装置から受け取ることができ、又は、制御装置40のメモリ44に記憶された情報に基づいて乗物車両12がその位置にまだいると判定することができる。乗物車両12がディスプレイ組立体20の前方の位置に及び/又はそれに隣接した位置にまだいるという判定に基づいて、方法60は、ブロック64、66又は68のうちのいずれかに戻ることができる。このため、制御装置40は、ゲスト16のインジケーションを受け取り続けることができ、このインジケーションにより拡張現実アニメーション52を更新することができる。
【0042】
制御装置40は、ブロック78に示すように、乗物車両12がディスプレイ組立体20の前方の位置及び/又はそれに隣接した位置にいないという判定に基づいて、拡張現実アニメーション52をディスプレイ組立体20に提供するのを停止することができる。例えば、制御装置40は、最新情報拡張現実アニメーション52を示す信号をディスプレイ組立体20に出力するのを停止することができる。これに応答して、ディスプレイ組立体20は、拡張現実アニメーション52を表示するのを停止することができる。この場合、制御装置40は、ディスプレイ組立体20に予め準備されたアニメーション(canned animation)、何もない画面、又は別の特徴部を表示させることができる。
【0043】
制御装置40は、ブロック64、66、68、70、72、74及び問合せ76の各々を反復的に実行して、ゲスト16が見るのを目的として、拡張現実アニメーション52を生成及び提供することができる。例えば、制御装置40は、拡張現実アニメーション52を最初に生成及び提供した後、顔認識センサ24、骨格認識センサ26、存在センサ28、又はその組み合わせから追加の信号を受け取ることができ、拡張現実アニメーション52を更新して更新された拡張現実アニメーション52をディスプレイ組立体20に提供ことができる。このため、制御装置40は、ゲストの身体の動き及び/又は顔特徴部に基づいて拡張現実アニメーション52を更新することができる。ゲスト16は、拡張現実アニメーション52の各バージョンを見ることができ、自身の身体及び/又は顔特徴部を動かして、拡張現実アニメーション52を動かし続けることができる。このようにして、ゲスト16は、拡張現実アニメーション52と相互作用すること及び/又はそれを制御することができる。このため、拡張現実システム22は、ゲスト16の娯楽をもたらす対話型環境を提供することができる。
【0044】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に該当する全てのこのような修正及び変更を含むものであると理解されたい。
【0045】
本明細書で提示され請求項に記載された手法は、本発明の技術分野を明らかに改善する実際的な性質の実質的な目的及び具体的な実施例に参照及び適用され、このため、抽象的、無形、又は真に理論的でもない。更に、本明細書の終わりに添付した何れかの請求項が「機能」を「実行」する手段」又は「機能」を「実行」するステップ」として指定された1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されるものとする。しかしながら、任意の他の方法で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されないものとする。
図1
図2
図3
図4