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  • 特許-静電チャックヒータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】静電チャックヒータ
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/12 20060101AFI20240131BHJP
   C04B 35/111 20060101ALI20240131BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240131BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20240131BHJP
   H05B 3/74 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
H05B3/12 A
C04B35/111
H01L21/68 R
H02N13/00 D
H05B3/74
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021518827
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2020034909
(87)【国際公開番号】W WO2021054322
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2021-04-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2019169348
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相川 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 祐司
(72)【発明者】
【氏名】竹林 央史
(72)【発明者】
【氏名】安藤 孝浩
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】間中 耕治
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-228360(JP,A)
【文献】特開2018-37488(JP,A)
【文献】国際公開第2016/042957(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/00 - 3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミナ基板の上面にウエハ載置面が設けられ、前記ウエハ載置面側から静電電極、ゾーンごとに設けられた抵抗発熱体及び前記抵抗発熱体に給電する多段のジャンパ線がこの順に前記アルミナ基板に埋設されると共に、給電端子が前記アルミナ基板の下面に露出するように前記アルミナ基板に埋設され、前記抵抗発熱体と前記ジャンパ線とを上下方向に連結する発熱体連結ビア及び前記ジャンパ線へ給電するために外部へ取り出すビアであって前記ジャンパ線と前記給電端子とを上下方向に連結する給電ビアを備えた静電チャックヒータであって、
前記発熱体連結ビア及び前記給電ビアは、金属ルテニウムを80重量%以上95重量%以下、フィラー成分を5重量%以上20重量%以下含み、前記アルミナ基板との熱膨張係数差が0.3~0.6ppm/Kの範囲に入る、
静電チャックヒータ。
【請求項2】
前記静電電極、前記抵抗発熱体及び前記ジャンパ線は、金属ルテニウムを10重量%以上95重量%以下含み、前記アルミナ基板との熱膨張係数差が±0.6ppm/Kの範囲に入る、
請求項1に記載の静電チャックヒータ。
【請求項3】
前記静電電極、前記抵抗発熱体及び前記ジャンパ線の金属ルテニウムの割合は、20重量%以上95重量%以下である、
請求項2に記載の静電チャックヒータ。
【請求項4】
前記静電電極、前記抵抗発熱体及び前記ジャンパ線は、金属ルテニウム以外にフィラー成分を含む、
請求項2又は3に記載の静電チャックヒータ。
【請求項5】
前記フィラー成分は、アルミナ及び/又はジルコニアである、
請求項1又は4に記載の静電チャックヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャックヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハを加工するにあたり、ウエハを吸着保持する静電チャックヒータが使用される。こうした静電チャックヒータとして、特許文献1に示すように、セラミックス焼結体に静電電極が埋設された静電チャックと、複数の抵抗発熱体を有する樹脂シートであって一方の面が静電チャックに樹脂接着されたシートヒータと、を備えたものが知られている。シートヒータは、複数の抵抗発熱体のそれぞれに給電するジャンパ線、抵抗発熱体とジャンパ線とを上下方向に連結する発熱体連結ビア、ジャンパ線へ給電するために外部へ取り出す給電ビアなども備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/029876号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした静電チャックヒータにおいて、樹脂シートでは耐熱性や抜熱能力が十分得られないことから、セラミック焼結体に電極が埋設された構造に変更したいという要望があった。特に、セラミックとしてアルミナを用いる場合、アルミナとビアとの間でクラックが入りやすいという問題があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、アルミナ基板に静電電極、抵抗発熱体、ジャンパ線及びビアを内蔵する静電チャックヒータにおいて、クラックの発生を抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の静電チャックヒータは、
アルミナ基板の上面にウエハ載置面が設けられ、前記ウエハ載置面側から静電電極、ゾーンごとに設けられた抵抗発熱体及び前記抵抗発熱体に給電する多段のジャンパ線がこの順に前記アルミナ基板に埋設され、前記抵抗発熱体と前記ジャンパ線とを上下方向に連結する発熱体連結ビア及び前記ジャンパ線へ給電するために外部へ取り出す給電ビアを備えた静電チャックヒータであって、
前記発熱体連結ビア及び前記給電ビアは、金属ルテニウムを10重量%以上95重量%以下含み、前記アルミナ基板との熱膨張係数差が±0.6ppm/Kの範囲に入る、
ものである。
【0007】
この静電チャックヒータでは、アルミナ基板に埋設された発熱体連結ビア及び給電ビアは発熱量を下げるためにサイズを大きくして抵抗を下げることがあるが、そうした場合にアルミナ基板とビアとの熱膨張差による残留応力が大きいとクラックが発生しやすい。ここでは、ビアは、金属ルテニウムを10重量%以上95重量%以下(好ましくは20重量%以上95重量%以下)含む。アルミナの熱膨張係数は40~800℃で7.9ppm/K、金属ルテニウムの熱膨張係数は40~800℃で7.2ppm/Kである。また、ビアとアルミナ基板との熱膨張係数差は±0.6ppm/Kの範囲に入る。そのため、アルミナ基板とビアとの熱膨張差は非常に小さい。したがって、製造時や使用時においてクラックの発生を抑制することができる。
【0008】
なお、40~800℃の熱膨張係数は、40℃から800℃にしたときの1mあたりの膨張量(単位:μm)を温度差760℃(あるいはK)で割った値である(以下同じ)。
【0009】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記発熱体連結ビア及び前記給電ビアは、金属ルテニウム以外にフィラー成分を含んでいてもよい。フィラー成分としては、アルミナ及び/又はジルコニアが好ましい。アルミナは、母材(アルミナ基板)と同じ材料であるため、発熱体連結ビアと母材との界面強度が改善される。ジルコニアは、熱膨張係数がアルミナよりも大きいため、少量のジルコニア添加で発熱体連結ビアの熱膨張係数をアルミナ基板の熱膨張係数に合わせることができる。フィラー成分としてアルミナとジルコニアの両方を添加した場合、両方の効果が得られる。
【0010】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記静電電極、前記抵抗発熱体及び前記ジャンパ線も、金属ルテニウムを10重量%以上95重量%以下(好ましくは20重量%以上95重量%以下)含み、アルミナ基板との熱膨張係数差が±0.6ppm/Kの範囲に入るようにしてもよい。こうすれば、静電電極、抵抗発熱体、ジャンパ線及びビアはいずれもアルミナとの熱膨張差が非常に小さくなる。したがって、製造時や使用時においてクラックの発生を一層抑制することができる。この場合、前記静電電極、前記抵抗発熱体及び前記ジャンパ線は、金属ルテニウム以外にフィラー成分を含んでいてもよい。フィラー成分としては、アルミナ及び/又はジルコニアが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】静電チャックヒータ10の縦断面図。
図2】別の静電チャックヒータ60の断面図。
図3】第2給電端子32に外部端子40を接続する場合の説明図。
図4】第2給電端子32に外部端子40を接続する場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1は静電チャックヒータの縦断面図である。
【0013】
静電チャックヒータ10は、図1に示すように、アルミナ基板12の上面にウエハ載置面12aが設けられ、ウエハ載置面12a側から静電電極14(ESC電極)、ゾーンごとに設けられた抵抗発熱体16及び抵抗発熱体16に給電する多段(ここでは2段)のジャンパ線18がこの順にアルミナ基板12に埋設されている。アルミナ基板12には、抵抗発熱体16とジャンパ線18とを上下方向に連結する発熱体連結ビア20及びジャンパ線18へ給電するために外部へ取り出す給電ビア22が設けられている。
【0014】
発熱体連結ビア20及び給電ビア22は、金属ルテニウムを含んでいる。金属ルテニウムの含有量は10重量%以上95重量%以下が好ましい。金属ルテニウムの含有量は、ビア20,22の直上の発熱を抑えることを考慮すると、20重量%以上95重量%以下がより好ましく、60重量%以上95重量%以下が更に好ましい。ビア20,22とアルミナ基板12との熱膨張係数差は±0.6ppm/Kの範囲に入る。発熱体連結ビア20及び給電ビア22は、金属ルテニウム以外にフィラー成分を含んでいてもよい。フィラー成分としては、アルミナ及び/又はジルコニアが好ましい。アルミナの熱膨張係数は、上述したとおり金属ルテニウムよりも僅かに高い。そのため、アルミナは、ビア20,22の熱膨張係数をよりアルミナに近づけたい場合のフィラー成分として有用である。アルミナは、絶縁物質であるため、ビア20,22の抵抗率を高くしたい場合のフィラー成分としても有用である。ジルコニアの熱膨張係数は、40~800℃で10.5ppm/Kである。そのため、ジルコニアは、ビア20,22の熱膨張係数を高くしたい場合のフィラー成分として有用である。つまり、ジルコニアは、ビア20,22に少量添加するだけでビア20,22の熱膨張係数を高くすることができる。更に、ジルコニアは、高温でも金属ルテニウムと反応しないか反応し難いため、金属ルテニウムの抵抗率への影響が小さく、この点でもフィラー成分として好ましい。
【0015】
静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18も、金属ルテニウムを含んでいることが好ましい。金属ルテニウムの含有量は10重量%以上95重量%以下が好ましく、20重量%以上95重量%以下がより好ましく、60重量%以上95重量%以下が更に好ましい。静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18とアルミナ基板12との熱膨張係数差は±0.6ppm/Kの範囲に入る。静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18は、金属ルテニウム以外にフィラー成分を含んでいてもよい。フィラー成分としては、アルミナ及び/又はジルコニアが好ましい。アルミナの熱膨張係数は、上述したとおり金属ルテニウムよりも僅かに高い。そのため、アルミナは、静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18の熱膨張係数をよりアルミナに近づけたい場合のフィラー成分として有用である。アルミナは、絶縁物質であるため、静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18の電気抵抗を高くしたい場合のフィラー成分としても有用である。例えば、静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18へ添加するアルミナの量を調整することにより、熱膨張係数をほとんど変化させることなく抵抗率を容易に調整することができる。ジルコニアの熱膨張係数は、40~800℃で10.5ppm/Kである。そのため、ジルコニアは、静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18の熱膨張係数を高くしたい場合のフィラー成分として有用である。つまり、ジルコニアは、これらの部材に少量添加するだけでこれらの部材の熱膨張係数を高くすることができる。更に、ジルコニアは、高温でも金属ルテニウムと反応しないか反応し難いため、金属ルテニウムの抵抗率への影響が小さく、この点でもフィラー成分として好ましい。
【0016】
以上詳述した静電チャックヒータ10では、アルミナ基板12に埋設された発熱体連結ビア20及び給電ビア22は発熱量を下げるためにサイズを大きくして抵抗を下げることがあるが、そうした場合にアルミナ基板12とビア20,22との熱膨張差による残留応力が大きいとクラックが発生しやすい。ここでは、ビア20,22は、金属ルテニウムを含んでいる。アルミナの熱膨張係数は40~800℃で7.9ppm/K、金属ルテニウムの熱膨張係数は40~800℃で7.2ppm/Kである。また、ビア20,22とアルミナ基板12との熱膨張係数差は±0.6ppm/Kの範囲に入る。そのため、アルミナ基板12とビア20,22との熱膨張差は非常に小さい。したがって、製造時や使用時においてクラックの発生を抑制することができる。
【0017】
また、静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18も、金属ルテニウムを含んでいるため、静電電極14、抵抗発熱体16、ジャンパ線18及びビア20,22はいずれもアルミナとの熱膨張差が非常に小さくなる。したがって、製造時や使用時においてクラックの発生を一層抑制することができる。
【0018】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0019】
例えば、上述した実施形態において、図2に示す静電チャックヒータ60のように、金属ルテニウムを含む第1及び第2給電端子31,32をアルミナ基板12に埋設してもよい。図2において静電チャックヒータ10と同じ構成要素については同じ符号を付した。第1及び第2給電端子31,32は、静電チャックヒータ60を製造する際にアルミナ基板12に埋設される。第1及び第2給電端子31,32の上面は給電ビア22の下面に当接されている。第1給電端子31は、第1給電端子31の下面がアルミナ基板12の下面と一致するように設けられている。第2給電端子32は、第2給電端子32の下面がアルミナ基板12の下面に設けられた有底筒状穴12bの底面と一致するように設けられている。いずれの給電端子31,32も、金属ルテニウムを含むため、アルミナ基板12と給電端子31,32との熱膨張差は非常に小さい。したがって、製造時や使用時において給電端子に起因するクラックの発生を抑制することができる。なお、第1及び第2給電端子31,32の金属ルテニウムの含有量は10重量%以上95重量%以下が好ましく、20重量%以上95重量%以下がより好ましく、60重量%以上95重量%以下が更に好ましい。また、第1及び第2給電端子31,32とアルミナ基板12との熱膨張係数差は±0.6ppm/Kの範囲に入ることが好ましい。これらの給電端子31,32に外部端子を接続する場合について、第2給電端子32を用いて図3及び図4を用いて説明する。図3では、第2給電端子32の下面に嵌合穴32aを設け、その嵌合穴32aに外部端子40の先端部40aを嵌め合わせて、第2給電端子32と外部端子40とを接続する。図4では、第2給電端子32の下面に外部端子40の上面40bを押し当てて、第2給電端子32と外部端子40とを接続する。なお、第1給電端子31と外部端子との接続についても、同様に行うことができる。このようにすれば、給電端子31,32を給電ビア22にロウ接合する作業が不要になるため、製造コストが安価になる。第1及び第2給電端子31,32は、金属ルテニウムのほかに上述したフィラー成分を含んでいてもよい。
【0020】
上述した実施形態において、発熱体連結ビア20及び給電ビア22の主成分を金属ルテニウムとしてもよい。また、静電電極14、抵抗発熱体16及びジャンパ線18の主成分を金属ルテニウムとしてもよい。なお、「主成分」とは、50体積%以上の体積割合を占める成分又は全成分のうち最も体積割合の高い成分のことをいう。
【実施例
【0021】
実験例1~10として、図1の静電チャックヒータ10を作製した。静電チャックヒータ10は、直径300mm、厚さ4mmのアルミナ基板12に、直径290mm、厚さ0.1mmの静電電極14と、内周側及び外周側の抵抗発熱体16と、幅5mmのリボン状のジャンパ線18と、直径1.2mm、厚さ0.6mmのビア20,22とが埋設されたものとした。内周側の抵抗発熱体16は、アルミナ基板12と同心円の直径200mmの円形領域に一筆書きの要領で配線されたものとし、外周側の抵抗発熱体16は、円形領域の外側の環状領域に一筆書きの要領で配線されたものとした。静電電極14の材料は炭化タングステン、抵抗発熱体16の材料は金属ルテニウム、ジャンパ線18の材料は金属ルテニウムとした。また、ビア20,22に用いるフィラー成分の材料は、アルミナか、ジルコニアか、アルミナとジルコニアの両方とした。実験例1~10では、発熱体連結ビア20及び給電ビア22の材料としてそれぞれ表1に示す材料を用いた以外は、すべて同じ条件で静電チャックヒータ10を作製した。実験例1~10のビアの40~800℃における熱膨張係数(CTE)を表1に示す
【0022】
実験例1~10について断面研磨したあとSEM(走査型電子顕微鏡)観察することによりアルミナ基板12内の割れの有無を調べた。割れがなかった場合、静電チャックヒータ10を個別に真空チャンバ内に設置し、予め定めた基準点が60℃になったときのウエハ載置面12aの温度分布をチャンバ外部から赤外線放射温度計(IRカメラ)で測定し、ビア20,22の直上におけるウエハ載置面12aの温度と基準点の温度との差(=表1の発熱[℃])を求めた。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
表1からわかるように、実験例1~7では、ビア20,22の直上点の発熱を2.0[℃]以下に抑えることができると共に、割れも発生しなかった。特に、実験例2~7では、ビア20,22の直上点の発熱を1.8[℃]以下に抑えることができ、実験例4~7では、ビア20,22の直上点の発熱を1.0[℃]以下に抑えることができた。これに対して、実験例8では、ジルコニアの添加量が多すぎてビア20,22とアルミナ基板12とのCTE差が大きくなったため、割れが発生した。実験例9,10では、アルミナの添加量が少なすぎてビア20,22とアルミナ基板とのCTE差が大きくなったため、割れが発生した。実験例10では、フィラー成分を添加せずビア20,22とアルミナ基板とのCTE差が大きくなったため、割れが発生した。実験例1~7が本発明の実施例に相当し、実験例8~10が比較例に相当する。なお、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0025】
本出願は、2019年9月18日に出願された日本国特許出願第2019-169348号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、例えば半導体ウエハを加工する技術に利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
10,60 静電チャックヒータ、12 アルミナ基板、12a ウエハ載置面、12b 有底筒状穴、14 静電電極、16 抵抗発熱体、18 ジャンパ線、20 発熱体連結ビア、22 給電ビア、31 第1給電端子、32 第2給電端子、32a 嵌合穴、40 外部端子、40a 先端部、40b 上面。
図1
図2
図3
図4