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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】マルチチャンバー真空排気システム
(51)【国際特許分類】
   F04B 37/16 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
F04B37/16 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021530818
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 GB2019053352
(87)【国際公開番号】W WO2020109790
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】1819351.6
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】スコフィールド ナイジェル ポール
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー クリストファー マーク
(72)【発明者】
【氏名】ギャルトリー マイケル アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】マン アンドリュー デヴィッド
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-227618(JP,A)
【文献】特表2018-501437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の真空チャンバーを排気するための真空排気システムであって、
ガスの分子流領域で動作するように構成され、前記複数の真空チャンバーを排気するように構成された複数の低圧真空ポンプと、
前記複数の低圧真空ポンプを前記複数の真空チャンバーと分離又は接続するための複数のチャンバーバルブと、
前記複数の低圧真空ポンプの対応する排気部に各々接続された複数の分岐チャネルと、
前記分岐チャネルの合流部から形成され、前記複数の分岐チャネルと中圧真空ポンプとの間に流体連通経路を提供するように構成されたメインチャネルであって、前記中圧真空ポンプが前記メインチャネルを排気し且つ前記ガスの粘性流れ領域で動作するように構成される、メインチャネルと、
前記中圧真空ポンプよりも高圧の前記ガスの粘性流領域で動作するように構成された高圧真空ポンプであって、前記中圧真空ポンプの排気部に接続されている、高圧真空ポンプと、
前記複数の真空チャンバーのうちの少なくとも一部と前記高圧真空ポンプとの間に流体連通経路を提供するための複数のバイパスチャネルと、
を備え、
前記複数のバイパスチャネルは各々、前記バイパスチャネルを開放又は閉鎖するように構成されたバルブを含み、
前記中圧真空ポンプの前記排気部に接続された前記高圧真空ポンプと前記複数のバイパスチャネルと流体連通した前記高圧真空ポンプが、同じ高圧真空ポンプであり、
前記真空排気システムは、前記複数のバイパスチャネルと前記複数の分岐チャネルとの間に流体連通経路を提供するための更なる複数のチャネルを備え、前記更なる複数のチャネルは各々、前記更なる複数のチャネルを開閉するためのバルブを備える、真空排気システム。
【請求項2】
前記複数のバイパスチャネルの合流部から形成されるメインバイパスチャネルを備え、前記メインバイパスチャネル及び前記複数のバイパスチャネルが、前記複数の真空チャンバーと前記高圧真空ポンプとの間で前記流体連通経路を提供する、請求項に記載の真空排気システム。
【請求項3】
前記バイパスチャネルが、前記分岐チャネルよりも小さい直径を有する、請求項1又は2に記載の真空排気システム。
【請求項4】
前記分岐チャネル及び前記メインチャネルが、ポンプ送給される物質の凝縮を低減するため前記分岐チャネル及び前記メインチャネルを加熱する加熱回路を備える、請求項1からのいずれか一項に記載の真空排気システム。
【請求項5】
前記複数の分岐チャネルの少なくとも一部が、ガスを流入させるための制御可能な入口を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の真空排気システム。
【請求項6】
前記分岐チャネルによって出力されるガス流の変動が低減されるように、前記分岐チャネル内のガス流に応じて制御された量のガスを流入させるように前記制御可能な入口を制御するように構成された入口制御回路を備える、請求項に記載の真空排気システム。
【請求項7】
前記入口制御回路は、前記真空チャンバーを排気する前記低圧真空ポンプの電力消費を監視して、前記電力消費に応じて前記制御可能な入口を制御するように構成される、請求項に記載の真空排気システム。
【請求項8】
前記入口制御回路は、前記真空チャンバー内の電流プロセスを示す前記真空チャンバーからの信号を受信し、前記信号に応じて前記制御可能な入口を制御するように構成される、請求項に記載の真空排気システム。
【請求項9】
前記メインチャネル内の圧力を監視するための圧力センサと、
前記圧力センサから信号を受信し、前記圧力の変動を低減するための制御信号を生成するように構成された圧力制御回路と、
を更に備える、前記請求項1からのいずれか一項に記載の真空排気システム。
【請求項10】
前記圧力制御回路が、前記圧力センサの出力に応じて、前記中圧真空ポンプのポンプ速度を制御するための制御信号を生成するように構成されている、請求項に記載の真空排気システム。
【請求項11】
前記メインチャネルに制御された量のガスを流入させるための制御可能なガス入口を更に備え、前記圧力制御回路は、前記制御可能なガス入口を制御するための制御信号を生成するように構成される、請求項9又は10に記載の真空排気システム。
【請求項12】
前記中圧真空ポンプが、互いに直列に配置された複数の中圧真空ポンプを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の真空排気システム。
【請求項13】
前記分岐チャネルが、制御されたリストリクタを含み、前記リストリクタの制限が、前記低圧真空ポンプの排気部において所定の流量で所定の圧力を提供するように設定される、請求項1から12のいずれか一項に記載の真空排気システム。
【請求項14】
バルブ制御回路を更に備え、前記バルブ制御回路が、前記バルブの状態を制御するように構成され、前記バルブ制御回路は、前記複数の真空チャンバー並びに分岐チャネル、バイパスチャネル及び更なるチャネルの各々について前記チャンバーバルブ及び前記更なるチャネル内の前記バルブが同時に開放されていないことが確実になるように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の真空排気システム。
【請求項15】
前記バルブ制御回路が、前記真空チャンバーの排気を制御するように構成され、前記バルブ制御回路が、
真空チャンバーが大気に放出されることを示す信号に応答して、前記対応するチャンバーバルブを閉鎖して、前記真空チャンバーを前記メインチャネルから分離し、
前記真空チャンバーが大気からポンプダウンされることに応答して、前記真空チャンバーが前記高圧真空ポンプと流体連通するように前記バイパスチャネル内の前記バルブを開放する、
ように構成される、請求項14に記載の真空排気システム。
【請求項16】
前記バルブ制御回路が更に、
前記真空チャンバーが所定の中間圧力に排気されることに応答して、制御信号を送信して前記バイパスチャネルバルブを閉鎖し、前記真空チャンバーが前記中圧真空ポンプと流体連通するように、前記更なる複数のチャネルの対応するチャネルにおいて前記バルブを開放し、
前記真空チャンバーが低い圧力に到達することに応答して、制御信号を送信して、前記更なる複数のチャネルのうちの前記対応するチャネルにおいて前記バルブを閉鎖し、前記真空チャンバーにおいて前記バルブを開放する、
ように構成される、請求項15に記載の真空排気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、半導体製造で使用されるプロセスチャンバーなどの複数のチャンバーからガスを排気する真空排気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工場では、汚染の可能性を低減するために、クリーンルームにおいて複数の真空チャンバーが配置されている。半導体製造工場は、各チャンバー内で安定した低い圧力を維持する必要がある。これは従来、ブースター付きの真空チャンバーに取り付けられたターボ分子ポンプと、ターボポンプの排気に取り付けられたバッキングポンプを備えた真空排気システムによって行われる。バッキングポンプ及びブースターポンプは、クリーンルーム内の汚染及び振動を低減するために、サブファブのクリーンルームの外に配置することができる。
【0003】
各チャンバー内の半導体プロセスは、非同期、周期的、及び断続的であり、排出されるガスの種類と量は時間と共に変化する。プロセスガスとの反応により生成されたガス(反応生成ガス)とプロセスガスの残留物は、真空排気システムによってチャンバーの外部に排出される。
【0004】
従って、このようなチャンバーのための排気システムは、異なり且つ様々な量のガスを排出して、安定した高真空を生成及び維持できる必要がある。
【0005】
各チャンバー内に安定した高真空を提供しながら、複数のポンプに伴うオーバーヘッドを低減するために、複数の半導体処理チャンバー間でポンプを共有することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様は、複数の真空チャンバーを排気するための真空排気システムを提供する。真空排気システムは、ガスの分子流領域で動作するように構成され、上記複数の真空チャンバーを排気するように構成された複数の低圧真空ポンプを備える。真空排気システムは、上記複数の低圧真空ポンプを上記複数の真空チャンバーと分離又は接続するための複数のチャンバーバルブと、上記複数の低圧真空ポンプの対応する排気部に各々接続された複数の分岐チャネルと、上記分岐チャネルの合流部から形成され、上記複数の分岐チャネルと中圧真空ポンプとの間に流体連通経路を提供するように構成されたメインチャネルであって、上記中圧真空ポンプが、上記メインチャネルを排気し且つ上記ガスの粘性流領域で動作するように構成されるメインチャネルと、上記中圧真空ポンプよりも高圧の上記ガスの粘性流領域で動作するように構成された高圧真空ポンプであって、上記中圧真空ポンプの排気部に接続されている、上記高圧真空ポンプと、上記複数の真空チャンバーのうちの少なくとも一部と上記高圧真空ポンプとの間に流体連通経路を提供するための複数のバイパスチャネルと、を備え、上記複数のバイパスチャネルは各々、上記バイパスチャネルを開放又は閉鎖するように構成されたバルブを含む。
【0007】
複数のチャンバー及び低圧真空ポンプが共有ブースター(中圧真空)ポンプ及びバッキング(高圧真空)ポンプのセットによってバッキングされた場合、複数の真空チャンバーシステムを排気するのに必要なポンプの数を低減することができることは理解される。しかしながら、各チャンバー内のプロセスの断続的且つ非同期的性質の結果として、チャンバー内のプロセスの変化による低圧真空ポンプのうちの1つのポンプの排気部での圧力スパイクは、排気部が共有チャネルで組み合わされて共有ブースターポンプにつながる他のチャンバーの低圧ポンプの排気部の圧力に影響を与える可能性がある。これにより、チャンバー内の真空が不安定になる可能性がある。これは、チャンバーがシステムに追加されているか、又は何らかの理由で排気されており、大気からポンプダウンされる場合に特に問題になる。
【0008】
これらの問題は、高圧(低圧)真空ポンプ及び中圧真空ポンプの両方をバイパスし、チャンバーを高圧真空ポンプに直接接続可能にするバイパスチャネルを提供した実施形態によって軽減されてきた。この点に関して、低圧真空ポンプは分子流領域で動作し、高圧では動作できないので、チャンバーが通気されるときに低圧真空ポンプをバイパスすることが知られている。しかしながら、従来は、ブースター又は中圧粘性流ポンプへのバイパスチャネルが使用されている。このようなポンプが、チャンバー間で共有されている場合、このポンプを使用して大気圧でチャンバーをポンプ送給すると、共有チャネル内の圧力の大幅な急上昇につながり、複数のチャンバーへの低圧ポンプの排気部で感知されることになるポンプにつながり、これらのチャンバー内の圧力が不安定になる可能性がある。これに対処するために、実施形態は、ガス流を高圧真空ポンプに迂回させるバイパスチャネルを提供する。高圧ポンプに流入するガス流は、中圧ポンプに流入するガス流よりも高圧であるため、いずれかの圧力スパイクが小さくなり、更に、中圧ポンプの存在により、メインチャネルがこの圧力スパイクから保護される。
【0009】
幾つかの実施形態では、上記中圧真空ポンプの上記排気部に接続された上記高圧真空ポンプと上記複数のバイパスチャネルと流体連通している上記高圧真空ポンプは、同じ高圧真空ポンプである。
【0010】
他の実施形態では、上記中圧真空ポンプの上記排気部に接続された上記高圧真空ポンプと上記複数のバイパスチャネルと流体連通している上記高圧真空ポンプは、異なる高圧真空ポンプである。
【0011】
高圧真空ポンプによって行われる真空チャンバーの粗いポンプ送給により、これらのチャンバーは、メイン共有チャネルを介して流れるガス流なしに大気から中間圧力にポンプダウンすることができ、従って、低圧ポンプの出力の圧力に影響を与える。一部の事例では、このプロセスで使用される高圧真空ポンプは、中圧真空ポンプへバッキングポンプとして使用される同じ高圧真空ポンプである。これにより、一度に1台の高圧真空ポンプだけを動作させ、連続運転が可能な効率的なシステムが実現される。他の実施形態では、別個の高圧真空ポンプを使用することができ、これは、共有システムによって感知される圧力の変化を低減するが、オーバーヘッドを増加させ、別個のポンプが動作することを必要とする。
【0012】
幾つかの実施形態では、真空排気システムは、上記複数のバイパスチャネルの合流部から形成されるメインバイパスチャネルを備え、上記メインバイパスチャネル及び上記複数のバイパスチャネルが、上記複数の真空チャンバーと上記高圧ポンプとの間で上記流体連通経路を提供する。
【0013】
バイパスチャネルは、同じ高圧ポンプに向けられているので、チャネルをマージしてメイン共有バイパスチャネルを形成することができ、これがこの共有ポンプにつながる。
【0014】
幾つかの実施形態では、上記バイパスチャネルは、上記分岐チャネルよりも小さい直径を有する。
【0015】
バイパスチャネルは、真空チャンバーが高圧のときに真空チャンバーのポンプ送給に使用されるので、パイプの直径は、低圧ガスのポンプ送給に使用されるチャネルのパイプの直径よりも小さい場合がある。この点で、バイパスチャネルとメインバイパスチャネルの両方が、それぞれ分岐チャネル及びメインチャネルよりも小さい直径を有する。バイパスチャネルは、幾つかの実施形態では分岐チャネルより10倍以上小さくてもよく、他の実施形態では5倍以上小さくてもよい。これにより、バイパスチャネルは、費用効果の高い方法で製造及び形成することができる。
【0016】
幾つかの実施形態では、上記分岐チャネル及びメインチャネルは、ポンプ送給される物質の凝縮を低減するために上記チャネルを加熱するための加熱回路を含む。
【0017】
分岐チャネル及びメインチャネルは、プロセスガスの流れに使用されるので、これらのチャネルを加熱して、ガスがシステムを流れるとチャネル内の圧力が上昇するときに、プロセスガス内の化学物質が凝縮するのを防ぐことが有利とすることができる。しかしながら、バイパスチャネルを介して排出されるガスは、プロセスガスではなく、チャンバーが通気された後に存在するガスである。従って、これらのチャネルを加熱するための要件は、分岐チャネルの場合と同じではなく、ヒーターを省くことができ、これにより、このようなバイパスチャネルのコストが削減される。
【0018】
幾つかの実施形態では、真空排気システムは更に、上記複数のバイパスチャネルと上記複数の分岐チャネルとの間に流体連通経路を提供するための更なる複数のチャネルを含み、上記更なる複数のチャネルは各々、上記更なる複数のチャネルを開放又は閉鎖するためのバルブを含む。
【0019】
各バイパスチャネルを対応する分岐チャネルに接続するチャネルを有することが有利とすることができる。この点で、バイパスチャネルは、高圧真空ポンプによって真空チャンバーを大気から排気するのに使用される。真空チャンバーが、このポンプの動作圧力までポンプダウンされる場合、バイパスチャネルのバルブを閉鎖することができ、バイパスチャネルを分岐チャネルに接続するチャネルのバルブを開放することができ、これにより、真空チャンバーが、高圧真空ポンプによって支えられた中間真空ポンプによって排気されている共有メインチャネルへの接続がなされることになる。この時点で、真空チャンバーは、通常の動作圧力よりも高い圧力のままであるので、共有メインチャネルに小さな圧力スパイクが発生する場合がある。しかしながら、大気圧よりもかなり低い圧力となるので、圧力スパイクは小さくなる。この点で、高圧ポンプは、10mbarまでポンプダウンする可能性があり、中間真空ポンプは、1mbarまでポンプダウンする可能性がある。従って、メインチャネルは、接続チャネルのバルブが開いているが、チャンバーの通気後に大気圧でガスを受け取ることがない場合、10mbarの圧力でガスを受け取ることができる。
【0020】
幾つかの実施形態では、上記複数の分岐チャネルの少なくとも一部は、窒素又は何らかの他のパージガスを流入させるための制御可能な入口を含む。
【0021】
上述のように、このメインチャネルは多くの異なる真空チャンバーから排気ガスを受け取り、圧力変動が、これらのチャンバーに接続された低圧真空ポンプの動作に影響を与えるので、メインチャネルの圧力変動を回避又は少なくとも低減するようにすることが重要である。しかしながら、これらのチャンバー内で実行されるプロセスは非同期であるため、異なるプロセスが異なる時間に実行され、従って、チャンバーから出力されて異なる分岐チャネルに流下するガスの流量は、時間と共に変化するようになる。これにより、メインチャネルの圧力変動及び望ましくない圧力スパイクが発生する。これらの変動を低減する1つの方法は、分岐チャネルに窒素などの制御可能なガスの流れを変動を補償するために制御されている流れに流入させるためにガス入口を使用することである。
【0022】
幾つかの実施形態では、真空排気システムは、上記制御可能な入口を制御して、上記分岐チャネル内のガス流に応じて制御された量のガスを流入させ、上記分岐チャネルによって出力される上記ガス流の変動が低減されるように構成された入口制御回路を含む。
【0023】
窒素の入力を注意深く制御することにより、プロセスチャンバーの変化に起因する分岐チャネルの流量の変化を補償することができ、分岐チャネルからメインチャネルに出力されるガス流量の変動を低減することができる。
【0024】
この制御は、幾つかの方法で行うことができ、幾つかの実施形態では、上記制御回路は、上記真空チャンバーを排気する上記低圧ポンプの電力消費を監視し、上記電力消費に応じて上記制御可能な入口を制御するように構成される。
【0025】
他の実施形態では、上記制御回路は、上記真空チャンバー内の電流プロセスを示す上記真空チャンバーからの信号を受信し、上記信号に応じて上記制御可能な入口を制御するように構成される。
【0026】
低圧ポンプの消費電力は、ポンプ送給されるガスの流量に依存することになるので、これを流量の指標として使用して、窒素入力の量を変更して、流量の変化を補正することができる。或いは、現在のプロセスを示す真空チャンバーからの制御信号は、ガスの入力を調整するための流量を示す入力として使用することができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、真空排気システムは更に、上記メインチャネル内の圧力を監視するための圧力センサと、上記圧力センサから信号を受信し、上記圧力の変動を低減するための制御信号を生成するように構成された圧力制御回路と、を備える。
【0028】
メインチャネル内の圧力をより一定に維持し、低圧ポンプの排気部にて感知できる圧力変動を低減する更に別の方法は、メインチャネル内の圧力を監視する圧力センサと、この圧力センサから信号を受信し、変動を低減するための制御信号を生成する圧力制御回路とを使用することである。これらの制御信号は、メインチャネルの流量リストリクタを制御することができ、或いは、例えば、バッキングポンプのポンプ速度を制御することができる。代替的に、及び/又は追加として、圧力制御回路は、上記圧力センサの出力に応じて、上記中間真空ポンプのポンプ速度を制御するための制御信号を生成するように構成される。
【0029】
他の実施形態では、真空排気システムは更に、制御された量のガスを上記メインチャネルに流入させるための制御可能なガス入口を備え、上記圧力制御回路は、上記制御可能なガス入口を制御するための制御信号を生成するように構成される。幾つかの実施形態では、ガスは窒素である。
【0030】
幾つかの実施形態では、上記分岐チャネルは、制御されたリストリクタを含み、上記リストリクタの制限は、上記低圧真空ポンプの排気部において所定の流量で所定の圧力を提供するように設定される。
【0031】
幾つかの実施形態では、低圧ポンプの排気部で感知される圧の差を補償しようとするために、共有ポンプからの距離に起因して、低圧ポンプに接続された分岐チャネル内の調整可能なリストリクタが使用される。これらは、初期段階で一定の制限に設定されており、この制限は、所定の流量で所定の圧力を提供するように選択されている。
【0032】
単一の中圧真空ポンプ及び単一の高圧真空ポンプのみが存在することができるが、幾つかの実施形態では、真空排気システムは、互いに直列に配置された複数の中圧真空ポンプを含む。
【0033】
メインチャネルの圧力スパイクは、バイパスチャネルを使用して、ガスが通気されて高圧になっている真空チャンバーから高圧ポンプにルーティングし、低圧ポンプと中圧ポンプの両方をバイパスすることによって低減される。メインチャネルとバイパスチャネル出口との間に中間ポンプが存在することで、この高圧ガスのポンプ送給によって感知される増大圧力までバッファし、メインチャネルの何らかの圧力スパイクを低減するのに役立つ。バイパスチャネルの出口とメインチャネルの間に複数の、幾つかの実施形態では2つの中間圧力ポンプが存在する場合、圧力スパイクからのこの保護が改善され、大気に放出されたチャンバーのポンプダウンは、他のチャンバー内の圧力にほとんど影響を与えずに達成することができる。
【0034】
幾つかの実施形態では、真空排気システムは更に、バルブ制御回路を備え、上記バルブ制御回路は、上記バルブの状態を制御するように構成され、上記バルブ制御回路は、上記複数の真空チャンバー及び関連する排気チャネルの各々について、上記チャンバーバルブ及び上記異なる排気チャネル内の上記バルブが、同時に開いていない。
【0035】
バルブ制御回路を用いて、動作中にバルブを制御することができる。バルブ制御回路は、チャンバーのチャンバーバルブが開いているときに、バイパスチャネルとバイパスチャネルを分岐チャネルに接続しているチャネルのバルブが閉じていることを確保する必要がある。更に、バイパスチャネルバルブが開放している場合、チャンバー内のバルブと同様に、バイパスチャネルを分岐チャネルに接続しているチャネル内のバルブを閉じる必要がある。これにより、ガスは、特定のポンプへのルートの1つを介してポンプ送給され、全てが共に動作する異なるポンプへの複数のルートを介してポンプ送給されることはない。従って、ガスは、チャンバーバルブが開いていてバイパスチャネルが使用されていない低圧ポンプによって、ポンプ送給することができる。バイパスチャネルバルブが開いている場合、チャンバーは高圧真空ポンプに接続されており、低圧ポンプも中圧ポンプもチャンバーに接続されないものとする。
【0036】
幾つかの実施形態では、上記バルブ制御回路は、上記チャンバーの排気を制御するように構成され、上記バルブ制御回路が、真空チャンバーが大気に放出されることを示す信号に応答して、上記対応するチャンバーバルブを閉鎖して、上記チャンバーを上記メインチャネルから分離し、上記真空チャンバーが大気からポンプダウンされることに応答して、上記チャンバーが上記高圧真空ポンプと流体連通するように上記バイパスチャネル内の上記バルブを開放する。
【0037】
バルブの制御により、通気中のチャンバーの分離を制御し、共有メインチャネルへの圧力変動の影響を低減する方法で大気からのポンプダウンを可能にすることができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、上記バルブ制御回路は更に:
上記真空チャンバーが所定の中間圧力に排気されることに応答して、制御信号を送信して上記バイパスチャネルバルブを閉鎖し、上記真空チャンバーが上記中間真空ポンプと流体連通するように、上記更なる複数のチャネルの対応するチャネルにおいて上記バルブを開放し、;上記真空チャンバーがより低い圧力に到達することに応答して、制御信号を送信して、更なる複数のチャネルのうちの上記対応するチャネルにおいて上記バルブを閉鎖し、上記真空チャンバーにおいて上記バルブを開放する。
【0039】
次に、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら更に説明する
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】一実施形態による真空排気システムを示す図である。
図2】別の実施形態による真空排気システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本実施形態を更に詳細に検討する前に、最初に概要が提供される。
【0042】
実施形態は、複数の半導体処理チャンバー間で共通のプロセスポンプを共有し、各処理チャンバー内で安定した圧力を達成するシステムに関する。
【0043】
システム内のチャンバーは、全て独立して制御することができ、従って、全体で非同期のプロセスサイクルになる。一例では、プロセスチャンバーの数は24であり、すなわち、ツールごとに6つで4つのツールがあり、全て単一の除害ユニットに供給する単一のバッキングポンプを共有している。
【0044】
サイクルの全ての部分のプロセス化学は、サイクルの他の全ての部分と互換性がある。
【0045】
ポンプ又は除害ユニットに障害が発生した場合でもシステムを継続できるように冗長性が提供されている場合があり、24のチャンバー全てをシャットダウンすることなくシステムを補修又は保守することができる。従って、システムは、ブースターポンプとバッキングポンプの単一のセットで動作することができるが、他のポンプが非動作状態になったときに動作状態になるブースターポンプとバッキングポンプの予備のセットが存在することができる。
【0046】
実施形態では、バッキングポンプ組み合わせは、サブファブ内に配置され、バッキングポンプ及びブースターを含み、各プロセスチャンバーは、クリーンルーム(通常、サブファブの上方10~20メートル)に配置される。
【0047】
実施形態では、各プロセスチャンバーは、ターボポンプを備えており、各ターボポンプは、大気圧からのポンプダウンを可能にするためのバイパスラインを有する。
【0048】
従来、各ターボポンプは、サブファブに配置された独自のバッキングポンプとブースターポンプの組み合わせによってバッキングされている。一実施形態の提案された共有システムでは、各ターボポンプ排気ポートは、サブファブに配置された遙かに大きな共通の共有バッキングポンプとブースターの組み合わせによってポンプ送給される共通のマニホールドに接続されている。
【0049】
実施形態の目的は、共通の真空及び除害装置を共有しながら、チャンバー間の干渉が最小限又は少なくとも低減されて、プロセスチャンバーが独立して動作できるようにすることである。
【0050】
一実施形態では、ポンプダウンは、バッキングポンプに接続されたバイパスラインを介して行われる。ターボバイパスライン及びリストリクタを介したポンプダウンが知られている。従来、バイパスラインは、ブースター又は中圧ポンプに接続されている。しかしながら、共有ブースターポンプを用いると、チャンバーがマニホールド(メインチャネル)に直接接続されている場合、バイパスバルブを開いてチャンバーをポンプダウンすると、マニホールドに瞬間的に大量のガスが生成され、圧力スパイクが生じることになる。これにより、接続されたチャンバーの各々に圧力スパイクが発生する。これらは、ウェーハを処理している可能性が高く、このような圧力スパイクはプロセスを混乱させる可能性がある。
【0051】
実施形態は、バイパスライン及びリストリクタを、サブファブ内のバッキングポンプ入口(ブースター排気とバッキングポンプとの間)に接続する2次マニホールドシステム(共有バイパスチャネル)に接続する。或いは、完全に別個のバッキングポンプに接続することができる。これは、小径パイプを用いて行うことができる。更に、プロセスガスが見えないため、加熱する必要がない。この2次マニホールドは、メインプロセスマニホールドよりも高圧で動作するので、圧力スパイクの影響を受けにくい。更に、ブースターポンプは、2次マニホールドの圧力スパイクをプロセスマニホールドから分離するのに役立つ。チャンバーが2次マニホールドの圧力までポンプダウン(通常は10mbar)すると、バルブV1(図1を参照)を閉じてV2を開き、チャンバーをメインプロセスマニホールド(通常は1バール)でポンプダウンできるようにする。この最終ポンプ段では、ガス流量が極めて少ないので、有意な圧力スパイクは発生しない。これが完了すると、メインターボポンプバルブV3を通常通り開くことができる。
【0052】
チャンバー間のクロストークを低減する別の方法は、マニホールド内の圧力変動を低減することである。
【0053】
幾つかの実施形態では、マニホールドが一定速度で動作する単一のポンプによってポンプ送給される場合、圧力変動は、1又は2以上のチャンバーからの流れの変化によって引き起こされ得る。各チャンバーからの流れは、開始又は停止、或いはプロセス中のステップ変更に起因して異なる可能性がある。システムへのこれらの影響を低減するために、窒素流が各チャンバーバッキングラインに追加され、ライン内の正味流量が一定値に保たれるように調整される。例えば、プロセスが最大のプロセスガスを流している際には、追加のガス流は必要ないが、プロセスフローが減少又は停止した場合、差を補うために窒素流が追加される。
【0054】
プロセスフローは、プロセスツール自体から直接決定するか、又はターボポンプの消費電力を監視することによって決定することができる。
【0055】
このシステムでは、バッキングポンプとブースターポンプの組み合わせの1つのセットを使用して、複数のチャンバーをポンプ送給する。しかしながら、メンテナンスや製品需要などに起因してチャンバー数が減少した場合、又は単に一部のチャンバーがまだ設置されていない場合、システムは、プロセスマニホールド内で実質的に同じ圧力を維持する必要がある。これは、圧力計で圧力を監視し、この情報を使用してブースターポンプの速度を制御することにより実現することができる。或いは、ブースターの入口又は出口のいずれかに窒素流を追加することができる。
【0056】
図1は、一実施形態による真空排気システムを示している。真空排気システム5は、複数の処理チャンバー10からガスを排気するように構成されている。これらの処理チャンバーは、バルブV3を介して低圧ターボポンプ12に接続される。これらのターボポンプは、分岐チャネル14を介してメイン共有チャネル16に排気をポンプ送給し、メイン共有チャネル16は、直列に配置された2つのブースター又は中間圧力ポンプ20、21につながる。ブースター又は中間真空ポンプは、より高い圧力又はバッキングポンプ22によってバッキングされる。真空チャンバーの通常の動作中、バルブV3は開いており、ガスは、真空チャンバー10からターボ分子ポンプ12を介して分岐チャネル14に沿って共有メインチャネル16を通り、ブースターポンプ20、21及びバッキングポンプ22に排気され、ここで排出される。
【0057】
各分岐チャネルは、同じように動作しているときに異なる真空チャンバーから均一な圧力出力を提供するように制御可能な流量リストリクタ34を有する。従って、構成又は初期化段階の間、標準ガス流が、ターボ分子ポンプ12を介して真空チャンバーから排出され、流量リストリクタは、ターボポンプの排気出力で測定された圧力が所定の値になるように設定される。これは、低圧ポンプと共有ブースターポンプとの間の距離の違いに起因する低圧ポンプの排気にて影響を受ける圧力差を補うのに役立つ。この点に関して、多くのチャンバーがブースターポンプとバッキングポンプの1セットを共有する場合、低圧ポンプとブースターポンプ及びバッキングポンプとの間の距離が大幅に異なる可能性があるので、これらの差異を補うための流量リストリクタを有することにより、より均一なシステムを提供することになる。
【0058】
メイン共有チャネル16とブースターポンプ20、21及びバッキングポンプ22の単一セットとを有することは、ハードウェアの効率化につながるが、このようなセットアップは課題があり、特に非同期で動作する多くの真空チャンバーが共有チャネル16に接続されている場合、このチャネル内で感知される圧力の変動があり、これらは、ターボ分子ポンプの排気の圧力に影響を与え、このようにして真空チャンバー10内の圧力にフィードバックをする。これらの圧力変動を低減するために、様々な構成が提供される。
【0059】
これらの構成のうちの1つは、真空チャンバー10をバッキングポンプ22に接続するバイパスチャネル42を備える。このバイパスチャネル42は、バルブV1を有し、真空チャンバー10の圧力が高い場合、恐らくは大気に放出された後、このチャンバーをより低い圧力にポンプダウンする必要があり、バルブV3及びV2が閉鎖されて、バルブV1が開き、高圧バッキングポンプ22を使用して、最初に、バイパスチャネル42を介してチャンバー10をバッキングポンプの動作圧力までポンプダウンし、この実施形態では、ほぼ10mbar程度である。
【0060】
流量を変更するために、バイパスチャネル42上に流量リストリクタ43が存在することができる。真空チャンバー10内の圧力がバッキングポンプ22の動作圧力に達するか接近すると、バルブV1が閉じることができ、バイパスチャネル42を分岐チャネル14に接続するための接続チャネル44内のバルブV2を開くことができ、この時点で、真空チャンバーは、ブースターポンプ20、21に接続される。次いで、ブースターポンプ20、21は、チャンバーを約1mbarであるその動作圧力まで排気することができる。この時点で、バルブv2を閉じることができ、バルブV3を開くことができ、ターボ分子ポンプを使用して、真空チャンバーの動作のための高真空を生成することができる。
【0061】
真空チャンバー10は、真空チャンバー内の圧力が標準動作圧力を超える場合、共有チャネル16を介してブースターポンプ20、21に接続されるが、この圧力は、大気圧よりも著しく低く(この例では、約1mbar程度)、共有メインチャネル16において大幅に低減された圧力スパイクを生成する。更に、共有バイパスチャネル46出口とメインチャネル16との間に2つのブースターポンプ20、21が存在することは、メインチャネル16にて感知されるいずれかの圧力スパイクを更に低減するバッファとして機能する。
【0062】
バイパスチャネルは、比較的高い圧力でのみ動作するので、分岐チャネルよりも直径が大幅に小さくなる可能性があり、更に、チャンバーが通気されたときにのみガスをポンプ送給し、プロセスガスをポンプ送給しないので、分岐チャネルによって必要とされる加熱を必要としないことになる。従って、これらの追加のバイパスチャネル設けることは、比較的費用効果が高い。
【0063】
バイパスチャネル42の各々は、共有バイパスチャネル46に結合され、この実施形態では、バッキングポンプ22につながる点に留意されたい。他の実施形態では、大気から真空チャンバーをポンプダウンするための別個のバッキングポンプ(図示せず)が存在することができる。バイパスチャネルをポンプ送給するための別個のバッキングポンプが存在する場合、通常、単一のブースターポンプのみがメイン排気システムで使用され、バイパスチャネルの出口とメインチャネルとの間に改善された分離を提供する直列の複数のブースターポンプの利点はもはや受けられない。
【0064】
メインチャネル内の圧力変動の変化を低減することができる別の方法は、分岐チャネルの各々においてガス入力50を使用することである。この点に関して、分岐チャネル内のガス流量は、プロセスチャンバー10内のプロセス変動に応じて変化する。これらの変動を補償するために、制御可能なリストリクタ又はバルブ50を備えたガス入口を使用して、制御された量のガスを流入させることができる。この制御された量は、比較的一定のガス流量が共有チャネル16に出力されるように、プロセスフローの変動を補償するように設定されている。流入ガスは、一般に、比較的非反応性であり、システムから排出するのに許容できるガスであり、この実施形態では、窒素が使用される。ガスの流入は、実行中の現在のプロセスを示すチャンバーからの信号、又は現在の消費電力を示すターボ分子ポンプからの信号に応答して制御することができる。この点で、ターボ分子ポンプの消費電力は、流量に伴って変化することになるので、現在の消費電力は、現在の流量の指標である。
【0065】
図2は、図1と同様の排気システムを示しているが、単一のブースターポンプ20だけを備えている。この実施形態では、メインチャネル16内の圧力変動を低減するための追加の構成が存在する。これらは、ガス、この例では窒素を共有チャネル16に流入させるためのガス入口60を備える。この入口は、共有チャネル16内の圧力を測定する圧力センサ62から信号を受信する制御回路70によって制御することができる。このようにして、共有チャネル内の圧力は、圧力センサ62からの読み取りに応答して、比較的一定の値に能動的に維持することができる。
【0066】
代替として、及び/又は共有チャネル16へのガスの追加に加えて、圧力は、共有チャネル内の制御可能な流量リストリクタ(図示せず)及び/又はブースターポンプ20の速度の制御及び/又はスピードバッキングポンプ22によって制御することができる。
【0067】
制御回路70は、圧力センサから信号を受信してブースターポンプ及びバッキングポンプを制御することが示されている。制御回路はまた、バルブV1、V2及びV3、流量リストリクタ34、並びに可変入口50を制御することができる。制御回路は、プロセスチャンバーから、及び/又はチャンバーの電力消費を示すターボ分子ポンプ12から、及び/又は圧力センサ36から信号を受信することができる。この点に関して、分岐チャネル14は、分岐チャネル内の圧力を決定するために使用される圧力センサ35を有することができ、ターボ分子ポンプ12からのより均一な流れを提供するために流量リストリクタ34の制限量を設定するのに使用することができる。
【0068】
実施形態は、共有ブースターポンプ及びバッキングポンプを使用して複数のチャンバーをポンプ送給するための排気システムを提供しようとしており、ここで、真空チャンバー自体の圧力変動につながる可能性のある共有メインチャネルの圧力変動が低減される。これらの圧力変動は、共有メインチャネルを流れる通気チャンバーからの高圧ガスを回避するバイパスチャネルを使用することにより、及び/又はチャンバーによって出力される流量の変動を補償するため分岐チャネルにおいてガス入口によって、及び/又は各分岐チャネルの均一な流れを維持するよう分岐チャネルにおける制御可能な流量リストリクタを使用することにより、及び/又メインチャネルの安定した圧力を維持するため、メインチャネルの圧力センサとポンプ速度を制御するための制御回路及び/又は流量リストリクタ及び/又はガス入力を使用することによって低減される。
【0069】
本発明の例示的な実施形態は、添付図面を参照して本明細書に詳細に開示されているが、本発明は、厳密な実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲及びこれらの均等物によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な変更及び修正を行うことができることが理解される。
【符号の説明】
【0070】
5 真空排気システム
10 真空チャンバー
12 ターボ分子ポンプ
14 分岐チャネル
16 メインチャネル
20、21 ブースターポンプ
22 バッキングポンプ
34 可変流量リストリクタ
36 圧力センサ
42 バイパスチャネル
46 共有バイパスチャネル
50 制御可能な分岐チャネルガス入口
60 制御可能なメインチャネルガス入口
62 圧力センサ
70 制御回路
図1
図2