(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】高水分容量を持つ耐汚染性及び非腐食性乾燥材複合材料を備える装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20240131BHJP
B01D 53/04 20060101ALI20240131BHJP
B01J 20/10 20060101ALI20240131BHJP
B01J 20/08 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
B01D53/26 210
B01D53/04 110
B01J20/10 A
B01J20/08 A
(21)【出願番号】P 2021570873
(86)(22)【出願日】2019-05-28
(86)【国際出願番号】 US2019034160
(87)【国際公開番号】W WO2020242454
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】クオ シーオウ フォー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ビー.クーパー
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/067944(WO,A1)
【文献】特表2018-525210(JP,A)
【文献】国際公開第2019/010433(WO,A1)
【文献】特開2011-143358(JP,A)
【文献】特開2012-066157(JP,A)
【文献】特開2005-022158(JP,A)
【文献】特開平09-295680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26-53/28
B01J 20/00-20/28;20/30-20/34
B01D 53/14-53/18
B01D 53/02-53/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
囲繞体と、
デバイスと、
を含む、装置であって、
前記デバイスは、乾燥剤が装入された基材を含み、
前記乾燥剤は、塩化カルシウム塩と、支持材と、を含み、
1つ又は複数の汚染物質及び水蒸気は前記囲繞体の内容積内にあり、
前記デバイスは、少なくとも部分的に前記囲繞体内で、又は前記囲繞体の外部で、前記囲繞体の前記内容積内の水蒸気を吸収するように前記デバイスと前記囲繞体の前記内容積との間で水分が移動できるように前記囲繞体の充分近くに配置されており、
前記基材は、少なくとも1つの高分子材料を含み、
前記基材の50~90重量%で前記乾燥剤が装入されており、
前記支持材は二酸化ケイ素であり、
前記支持材の20重量%~70重量%は塩化カルシウム塩で含浸されており、
前記支持材は、273~282m
2
/gの範囲の表面積を有し、
前記乾燥剤の水蒸気容量は、前記囲繞体の前記1つ又は複数の汚染物質及び水蒸気の存在下で、384以下の吸収/脱離サイクルを経た後に17%を超えて減少しない、装置。
【請求項2】
前記支持材の20重量%~65重量%が前記塩化カルシウム塩で含浸されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記基材の70重量%~80重量%で前記乾燥剤が装入されている、請求項1~2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記囲繞体が、ステンレス鋼、銅又はアルミニウムの1つ又はそれ以上を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記支持材が0.2~2.10cm
3/gの範囲の気孔容積を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記支持材が、0.42~1.90cm
3/gの範囲の気孔容積を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記支持材が
酸化アルミニウムをさらに含む、請求項1~
6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記基材がテープ、チューブまたはディスクの形態である、請求項1~
7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
更に、前記基材の少なくとも一つの面上に配置された少なくとも1つの高分子膜を含む少なくとも1つの付加的な高分子材料を含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの高分子材料がフルオロポリマーまたは延伸フルオロポリマーを含む、請求項1~
9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記延伸フルオロポリマーが延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの高分子材料が、ポリ(エチレン-コテトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸及びこれらの任意の組合せ又はブレンドを含む、請求項1~
11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ又はそれ以上の汚染物質が、1つ又は複数のシロキサン、1つ又は複数の脂肪族アルコール、1つ又は複数の芳香族アルコール、1つ又は複数の窒素含有化合物又は1つ又は複数のその他の有機化合物、の1つ又はそれ以上を含み、
前記1つ又は複数のシロキサンが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘクサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン又はドデカメチルペンタシロキサン、の1つ又はそれ以上を含み、
前記1つ又は複数の脂肪族アルコールが、2-エチル-ヘキサノール又はドデカノールの1つ又はそれ以上を含み、
前記1つ又は複数の芳香族アルコールが、ベンジルアルコール又は2-4-ジ-tert-ブチルフェノールの1つ又はそれ以上を含み、
前記1つ又は複数の窒素含有化合物が、N-メチル-2-ピロリドン、ジブチルアミン、ジブチルホルムアミド又はカプロラクタム、の1つ又はそれ以上を含み、
前記1つ又は複数のその他の有機化合物が、トルエン、キシレン、ベンゼン、イソプロピルベンゼン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、カプロラクタム、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、ヘプタナール、ヘキサナール、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセチルベンゼン、ブタンジオールアジペート、ジフェニルスルホン、プロピレンカーボネート又はテトラデカン、の1つ又はそれ以上を含む、請求項1~
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
各吸収/脱離サイクルが水分サイクルであり、その間、前記乾燥剤が、前記乾燥剤と空気との間に水分勾配を生じるように20%~95%の相対湿度を持つ空気に曝される、請求項1~
13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの付加的な高分子材料が、前記デバイスから前記囲繞体の中への乾燥剤粒子の移動を単一の高分子材料しか持たないデバイスに比べて50%~97%減少するように構成される、請求項
9に記載の装置。
【請求項16】
a)デバイスを入手することと、
b)前記デバイスを、少なくとも部分的に囲繞体の内容積内で、又は前記囲繞体の外部で、前記デバイスと前記囲繞体との間で水分が移動できるように前記囲繞体の充分近くに配置することと、
c)前記囲繞体の前記内容積から前記デバイスの中へ水分を吸収することと、
d)前記デバイスから水分を脱離して、吸収/脱離サイクルを完了することと、
e)ステップc)~d)を繰り返すことと、
を含む、方法であって、
前記デバイスは、乾燥剤が装入された基材を含み、
前記乾燥剤は、塩化カルシウム塩と、支持材と、を含み、
前記基材は少なくとも1つの高分子材料を含み、
前記基材の50~90重量%で前記乾燥剤は装入されており、
前記支持材は二酸化ケイ素であり、
前記支持材の20重量%~70重量%は前記塩化カルシウム塩で含浸されており、
前記支持材は、273~282m
2
/gの範囲の表面積を有し、
前記囲繞体は、前記内容積内に1つ又は複数の汚染物質及び水蒸気を含み、
前記デバイスの水蒸気容量は、前記囲繞体の前記1つ又は複数の汚染物質及び水蒸気の存在下で、384以下の吸収/脱離サイクルを経た後に17%を超えて減少しない、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定の汚染物質の存在下で高い水分容量を保持するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの製品が、過剰な水分によって生じる損傷を受け易い。例えば、電気及び電子製品は、過剰な水分によって破損又は変質する場合がある。同様に、熱循環を経る例えばハウジングに収容されたコンポーネントなど囲繞されたコンポーネントは、水分関連の問題を生じ易い。望ましくなく水分を被り易い囲繞体の例としては、自動車のヘッドランプユニット、ソーラーインバータ、囲繞ハウジングに収容されたエレクトロニクス及び囲繞体内での熱源のオン/オフ循環が水分蓄積を生じるその他のシステムがある。
【0003】
囲繞体内の水分を管理する1つの方式は、囲繞体内に乾燥物質又は乾燥剤を置くことである。但し、囲繞体内の汚染物質は、乾燥剤の性能に影響を及ぼして、囲繞体で腐食を生じる可能性がある。したがって、乾燥性能が改良され腐食が減少した装置が必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
包含される実施形態は、本概要ではなく請求項によって画定される。本概要は、様々な形態の高度な概説であり、下の「発明を実施するための形態」の節において更に説明する概念のいくつかを紹介する。本概要は、特許請求の内容の主要な又は必須の特徴を識別することを意図せず、又、特許請求内容の範囲を定めるための分断に使用することを意図しない。特許請求内容は、明細書全体の適切な部分、図面及び各請求項を参照して理解すべきである。
【0005】
いくつかの実施形態において、本開示は、囲繞体であって、1つ又は複数の汚染物質及び水蒸気が囲繞体の内容積内にある囲繞体と、デバイスであって、デバイスが、少なくとも部分的に囲繞体内に又は囲繞体の外部に囲繞体の内容積内の水蒸気を吸収できるように水分がデバイスと囲繞体の内容積との間を移動できるように充分に囲繞体の近くに配置されたデバイスと、を備える装置に関するものであり、デバイスは、乾燥剤が装入された基材を備え、基材は、少なくとも1つの高分子材料を含み、基材の50~90重量%で乾燥剤が装入され、乾燥剤が、塩化カルシウム塩を含み、支持材の20重量%~70重量%が塩化カルシウム塩で含浸され、乾燥剤の水蒸気容量が384以下の吸着/脱離サイクルを経た後17%を超えて減少しない。
【0006】
いくつかの実施形態において、本開示は、a)乾燥剤が装入された基材を含むデバイスであって、基材が少なくとも1つの高分子材料を含み、基材の50~90重量%で乾燥剤が装入され、乾燥剤が塩化カルシウム塩を含み、支持材の20重量%~70重量%が塩化カルシウム塩で含浸される、デバイスを入手することと、b)デバイスを少なくとも部分的に囲繞体の内容積内に、又は囲繞体の外部でデバイスと囲繞体との間で水分が移動できるように充分に囲繞体の近くに配置することであって、囲繞体が内容積内に1つ又は複数の汚染物質及び水蒸気を含むことと、c)囲繞体の内容積からデバイスの中へ水分を吸収することと、d)デバイスから水分を脱離して吸収/脱離サイクルを完了することと、ステップc)~d)を繰り返すことと、を含む方法に関するものであって、デバイスの水蒸気容量が、384以下の吸収/脱離サイクルを経た後17%を超えて減少しない。
【0007】
いくつかの実施形態において、デバイスは、完全に囲繞体内にある。
【0008】
いくつかの実施形態において、デバイスは、部分的に囲繞体内にある。
【0009】
いくつかの実施形態において、囲繞体は、相対湿度15%~60%を与えるのに充分な水蒸気を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、デバイスは、囲繞体と接している。
【0011】
いくつかの実施形態において、デバイスは、囲繞体の外面に取り付けられる。
【0012】
いくつかの実施形態において、デバイスは、囲繞体と流体流通する。
【0013】
いくつかの実施形態において、乾燥剤の吸収/脱離は、デバイスと熱源との間の温度勾配によって駆動されるように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態において、乾燥剤の吸収/脱離は、囲繞体とデバイスとの間の水分勾配によって駆動されるように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態において、乾燥剤が装入された基材の水蒸気容量は、384以下の吸収/脱離サイクルを経た後に17%を超えて減少しない。
【0016】
いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~65重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。
【0017】
いくつかの実施形態において、基材の70重量%~80重量%で乾燥剤が装入される。
【0018】
いくつかの実施形態において、囲繞体は、少なくとも1つの腐食性金属で構成される。
【0019】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの腐食性金属は、ステンレス鋼、銅又はアルミニウムの1つ又はそれ以上を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、ステンレス鋼は304ステンレス鋼である。
【0021】
いくつかの実施形態において、銅はC122銅である。
【0022】
いくつかの実施形態において、アルミニウムは6061アルミニウムである。
【0023】
いくつかの実施形態において、支持材は、0.2~2.10cm3/gの範囲の気孔容積を持つ。
【0024】
いくつかの実施形態において、支持材は、0.42~1.90cm3/gの気孔容積を持つ。
【0025】
いくつかの実施形態において、支持材は、273~1534m2/gの表面積を持つ。
【0026】
いくつかの実施形態において、支持材は、金属酸化物を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、金属酸化物は、酸化アルミニウム又は二酸化ケイ素の1つ又はそれ以上を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、支持材は、活性炭を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、支持材は、金属有機構造体を含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、金属有機構造体はUiO-66である。
【0031】
いくつかの実施形態において、基材はテープの形態である。
【0032】
いくつかの実施形態において、テープはダイスされたテープ(diced tape)である。
【0033】
いくつかの実施形態において、基材はチューブの形態である。
【0034】
いくつかの実施形態において、基材は、ディスクの形態である。
【0035】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料が存在する。
【0036】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料は、基材の少なくとも一つの面上に配置された少なくとも1つの高分子膜を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの高分子材料は、フルオロポリマーを含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの高分子材料は、延伸フルオロポリマーを含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、延伸フルオロポリマーは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。
【0040】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの高分子材料は、ポリ(エチレン-コテトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸及びこれらの組合せ又はブレンドを含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の汚染物質は、1つ又は複数のシロキサン、1つ又は複数の脂肪族アルコール、1つ又は複数の芳香族アルコール、1つ又は複数の窒素含有化合物又は1つ又は複数のその他の有機化合物、の1つ又はそれ以上を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のシロキサンは、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘクサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、又はドデカメチルペンタシロキサン、の1つ又はそれ以上を含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の脂肪族アルコールは、2-エチル-ヘキサノール又はドデカノールの1つ又はそれ以上を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の芳香族アルコールは、ベンジルアルコール又は2-4-ジ-tert-ブチルフェノールの1つ又はそれ以上を含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の窒素含有化合物は、N-メチル-2-ピロリドン、ジブチルアミン、ジブチルホルムアミド又はカプロラクタムの1つ又はそれ以上を含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のその他の有機化合物は、トルエン、キシレン、ベンゼン、イソプロピルベンゼン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、カプロラクタム、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、ヘプタナール、ヘキサナール、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセチルベンゼン、ブタンジオールアジペート、ジフェニルスルホン、プロピレンカーボネート又はテトラデカン、の1つ又はそれ以上を含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、各吸収/脱離サイクルは熱サイクルであり、その間、乾燥剤は、-20℃~150℃の範囲の温度の間で繰り返し加熱冷却されるように構成される。
【0048】
いくつかの実施形態において、各吸収/脱離サイクルは水分サイクルであり、その間、乾燥剤は、乾燥剤と空気との間に湿度勾配を作るように相対湿度20%~95%の空気に曝される。
【0049】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的高分子材料は、単一の高分子材料しか持たないデバイスに比べてデバイスから囲繞体への乾燥剤粒子の移動を50%~97%減少するように構成される。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態について、単なる実施例として、添付図面を参照して本明細書において説明する。次に図面を具体的に参照するが、図示する実施形態は、本開示の実施形態の例証のために実施例として示すことを強調しておく。この点について、図面を見ながらの説明は、本開示の実施形態をどのように実施するかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、本開示に従った例示的装置の斜視図である。
【0052】
【
図2】
図2は、脱離構成の、モイスチャポンプの形態の本開示に従った例示的装置の斜視図である。
【0053】
【
図3】
図3は、吸収構成の、モイスチャポンプの形態の本開示に従った例示的装置の斜視図である。
【0054】
【
図4】
図4は、脱離構成の、差動弁を有するモイスチャポンプの形態の本開示に従った例示的装置の斜視図である。
【0055】
【
図5】
図5は、吸収構成の、差動弁を有するモイスチャポンプの形態の本開示に従った例示的装置の斜視図である。
【0056】
【
図6】
図6は、25℃のときの各種乾燥剤の水蒸気吸収量を示す。
【0057】
【
図7】
図7は、熱による再生中各種乾燥剤から脱離される水分のパーセンテージを示す。
【0058】
【
図8】
図8は、相対湿度20%のときの各種乾燥剤の水蒸気吸収量を示す。
【0059】
【
図9】
図9は、相対湿度60%のときの各種乾燥剤の水蒸気吸収量を示す。
【0060】
【
図10】
図10は、汚染物質に曝す前及び後の乾燥剤の水蒸気吸収量を示す。
【
図11】
図11は、汚染物質に曝す前及び後の乾燥剤の水蒸気吸収量を示す。
【
図12】
図12は、汚染物質に曝す前及び後の乾燥剤の水蒸気吸収量を示す。
【0061】
【
図13】
図13は、多孔質原線維ポリマーテープの概略図である。
【0062】
【
図14】
図14は、それぞれの面が延伸PTFE又はイオノマー膜によって支持された多孔質原線維ポリマーテープの概略図である。
【0063】
【
図15】
図15は、膜無しの63重量%CaCl
2/SiO
2 PTFEテープに曝した後の試料を示す(左から右へ、304ステンレス鋼、銅122、アルミニウム6061)。
【0064】
【
図16】
図16は、延伸PTFE膜付きの63重量%CaCl
2/SiO
2 PTFEテープに曝した後の試料を示す(左から右へ、304ステンレス鋼、銅122、アルミニウム6061)。
【0065】
【
図17】
図17は、80%装入の63重量%CaCl
2/SiO
2 PTFEテープの水蒸気吸着等温線を示す。
【0066】
【
図18】
図18は、80%装入のシリカゲルPTFEテープの水蒸気吸着等温線を示す。
【0067】
【
図19】
図19は、80%装入のベントナイトクレイPTFEテープの水蒸気吸着等温線を示す。
【0068】
【
図20】
図20は、ベントナイトクレイPTFEテープ(80%装入)の水蒸気吸着等温線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
開示した利益及び改良点と共に、本開示の他の目的及び利点は、添付図面と一緒に以下の説明を読むと明らかになるだろう。本開示の詳細な実施形態を本明細書において開示するが、開示する実施形態は、様々な形態で実現できる本開示の単なる例示であると分かるはずである。更に、本開示の様々な実施形態に関する実施例の各々は、限定的ではなく例示的であることを意図する。
【0070】
明細書及び請求項全体において、下記の用語は、文脈上特に明確に指示しない限り、本明細書において明白に関連付けられる意味を持つ。「1つの実施形態において」及び「いくつかの実施形態において」は、本明細書において使用する場合、必ずしも同じ実施形態を意味しないが、意味する場合もある。更に「別の実施形態において」及び「他のいくつかの実施形態において」は、本明細書において使用する場合、必ずしも異なる実施形態を意味しないが、意味する場合もある。本開示の全ての実施形態は、本開示の範囲または主旨から逸脱することなく組合せ可能である。
【0071】
本明細書において使用する場合、「に基づき」は、文脈上特に明確に指示しない限り、排他的ではなく、説明しない付加的ファクタに基づくことを許容する。更に、明細書全体を通じて、単数不定冠詞及び定冠詞(”a”、”an”及び”the”)は、複数も含む。「の中に(”in”)」は、「の中に」及び「の外面に」(”in”及び”on”)を含む。
【0072】
本明細書において言及する全ての先行特許、文献及びテスト方法は、参照によりその全体が援用される。
【0073】
本明細書において使用する場合、「冷却された」又は「冷却」は、能動的冷却、受動的冷却、又はその組合せを意味する。「受動的冷却」は、熱源を取り去り物体の温度より低い温度を持つ環境に曝すことによって物体が冷却できるようにすることによって物体が冷却されることを意味する。「能動的冷却」は、「受動的冷却」以外のあらゆるタイプの冷却を意味する。「能動的冷却」のための機構の例は、ファン又は冷媒を含むが、これに限定されない。
【0074】
本明細書において使用する場合、「流体」は液体又は気体を意味する。
【0075】
本明細書において使用する場合、「相対湿度」は、「同じ温度の同じ体積の空気を飽和するために必要な量のパーセンテージで表す、空気の体積中に存在する水蒸気の量」を意味する。
【0076】
本開示の特定の実施形態は、囲繞体を有する装置に関する。
【0077】
いくつかの実施形態において、装置は、ヒーターを有する第1室と、第1室の中へ通じる少なくとも1つの吸着ポートと、ハウジング内に配置され吸着位置と脱離位置との間で移行するように構成される弁組立体と、を備えるハウジング、を備えることができる。いくつかの実施形態において、本明細書において説明するデバイスは、加熱室内に配置される。
【0078】
いくつかの実施形態において、装置及びデバイスは、モイスチャポンプ組立体又はヒートポンプ組立体の少なくとも一方に組み入れられる。いくつかの実施形態において、モイスチャポンプ組立体及び/又はヒートポンプ組立体は、ハウジングと、ハウジング内に配置された弁組立体とを備える。いくつかの実施形態において、弁組立体は、吸着位置と脱離位置との間で移行するように構成される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、ヒーターを有する第1室、第1室へ通じる少なくとも1つの吸着ポートを備える。いくつかの実施形態において、デバイスは、少なくとも1つの吸着ポートに近接して配置される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、凝縮室と、凝縮室から通じる通気ポートと、を備える。いくつかの実施形態において、吸着位置は、加熱室と凝縮室との間の脱離ポートを密封し、加熱室への水蒸気の透過のために加熱室へ吸着ポートを開放するように構成される。いくつかの実施形態において、脱離位置は、吸着ポートを密封し、加熱室から水蒸気を透過するために加熱室と凝縮室との間の脱離ポートを開放する。
【0079】
いくつかの実施形態において、装置は、熱循環する電子機器を保持するように構成されたハウジングと、ハウジングの中の取入れ口と、ハウジングの取入れ口に挿入された保護ベントとを備える。いくつかの実施形態において、保護デバイスは、これを空気の流れが通過できるようにするポートをその中に持つ剛性体を備える。いくつかの実施形態において、電子機器は、ソーラーインバータである。
【0080】
いくつかの実施形態において、本開示に従った装置は、
図1に示すように、囲繞体組立体の形態をとることができる。特に、
図1の例示的実施形態は、囲繞体を画定し外部環境104を内部雰囲気106から分離するケーシング102を含む、囲繞体組立体100の斜視図である。いくつかの実施形態において、ケーシングは、外部環境104と内部雰囲気106との間の唯一の空気の通路が取入れ口108を通過するように、気密、防湿及び防水シールの少なくとも1つを形成する。本明細書において使用する場合、「外部」及び「内部」は、ケーシング102に対する空間を説明するために使用し、例えば、ケーシングの反対側上にある。
図1に示すように、保護ベント120を取入れ口108に挿入できる。空気流は、保護ベンド120を通過でき、これによって、ケーシング102内の圧力を均等化できる。保護ベント120は、剛性本体及びポートを持つことができる。いくつかの実施形態において、保護ベント120は、本明細書において説明する塩化カルシウム含有乾燥剤が装入された基材を含むデバイスを備える。
図1には示さないが、ケーシングは、熱循環するソーラーインバータなどの電子機器を備えることができる。自動車用の場合、ヘッドランプ用の電球を含むことができる。熱循環は、内部雰囲気106に水分110を蓄積させる。水分110が存在すると、熱源又は他の構成部品、具体的にはケーシング内の電気又は電子部品の有用な耐用年数を縮める可能性がある。更に、ガス放出又は外部汚染のせいで、内部雰囲気106は、シロキサン112及び/又は有機物114など1つ又は複数の汚染物質を含む場合がある。
【0081】
図2及び3に示す例示的実施形態は、モイスチャポンプの形態の装置の切取り斜視図である。モイスチャポンプ200は、ポンプハウジング210(部分切取りで示す)と、本明細書において説明する塩化カルシウム含有乾燥剤が装入された基材を含むデバイス(部分切取りで示す)と、ヒーター214と、ヒートシンクとして機能できる熱拡散材216(部分切取りで示す)と、ポンプハウジング210によって画定された1つ又は複数のチャンバ220、222、224への及びこれからの水蒸気透過を選択的に行うために移行するように構成される弁組立体218(部分切取りで示す)と、を持つことができる。モイスチャポンプ200は、モイスチャポンプ200へ入る内部雰囲気206から水分を取り除き、モイスチャポンプ200から出すことによって外部環境204へ水分を戻すために作動できる。デバイス212は、概略的に、加熱されていないとき空気から水蒸気を吸着するように構成される。
図2において、モイスチャポンプ200は、吸着位置にある。
図3は、脱離位置にあるモイスチャポンプを示す。図示するように、モイスチャポンプ200は、円筒形部分を持つ回転対称形を持つが、多様な形状が想定される。
【0082】
又、
図2及び3に示すように、ポンプハウジング210は、吸着ポート240と、脱離ポート242と、通気ポート244と、を有する。吸着ポート240は、加熱室220へ水蒸気が透過するためのエリアを与え、脱離ポート242は、加熱室220から凝縮室222へ水蒸気が透過して出るためのエリアを与える。図示するように、脱離ポート242は、加熱室220と凝縮室222との間に配置され、概略的に、ポンプハウジング210の直径がネック状に狭まるエリアに相当するが、多様な構成が想定される。後に詳細に説明するように、チャンバ220、222、224は、典型的に、弁及び/又はフィルタ(例えば、膜)構造によって選択的に又は連続的に分離される。ヒーター214は、乾燥剤212を加熱するために熱拡散材216へ熱を向ける。作動時に、ヒーター214は、熱を発するために選択的に動力を受ける。熱の一部分は、空気(例えば、対流によって)又はその他の成分を通って散逸する場合があるが、概ね発生した熱の大部分は、熱拡散材216の中へ吸着される。熱拡散材216の中の熱の少なくとも一部分は、デバイス212の中へ(例えば、伝導によって)吸着される。デバイス212の中に吸着した水蒸気は、加熱されて、デバイス212から例えば加熱室220の空気の中へ放出される。ヒーター214が動力を受けておらず、デバイス212が充分に冷却されると、デバイス212は、空気から水蒸気を吸着する。
【0083】
弁組立体218は、弁組立体218をハウジング210に対して第1位置と第2位置との間で移行するように構成されたアクチュエータ260を含む。1つの実施形態において、ヒーター214が熱を加熱室220へ送るとき、アクチュエータ260及びデバイス212は、熱拡散材216を介して加熱される。これに応答して、アクチュエータ260は拡張し、デバイス212は水分を加熱室220へ脱離する。ヒーター214が加熱室220へ熱を送らないとき、アクチュエータ260及びデバイス212は冷める。これに応答して、アクチュエータ260は収縮し、デバイス212は、加熱室220の空気から水蒸気を吸着する。他の実施形態において、アクチュエータは、相変化材料など温度に応答するサーモメカニカルアクチュエータとすることができる。相変化材料の非限定的例として、ワックス(例えば、パラフィンワックス)バイメタル要素及びニチノールがある。
【0084】
モイスチャポンプ200の様々な実施形態は、1つ又は複数の膜を含む。通気ポート250を被覆する膜252は、デバイス212から放出又は散布された粒子がポンプハウジング210から出て外部環境204へ入るのを防止するなど、モイスチャポンプ200へ及びこれから固形デブリが出入りするのを防止する。膜252は、又、粒子(例えば、ダスト)が外部環境204から入るのを防止する。任意の膜254を使用して、デバイス212から放出又は散布された粒子がポンプハウジング210から出て内部雰囲気206へ入るのを防止するために取入れポートを被覆できる。
【0085】
1つ又は複数の膜252、254の別の目的は、空気及び水蒸気がこれを透過できるようにすることである。1つ又は複数の膜252、254の更に別の目的は、水がこれを透過するのを防止することである。1つ又は複数の膜の更に別の目的は、膜へのオイルの蓄積を抑制することである。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の膜は、選択された1つ又は複数の目的に応じて、固形デブリ不透過性、空気透過性、蒸気透過性(例えば、水蒸気透過性)、水不透過性及び疎油性である。図示するように、膜252は、通気ポート250を被覆する。又、図示するように、任意の膜254は、取入れポート256を被覆して、ポンプハウジング210と内部雰囲気206との間に配置されて、デバイス212から放出された粒子が内部環境206へ入るのを防止する。いくつかの実施形態において、膜250は、ポンプハウジング210に付着される。適切な膜材料の例としては、米国特許第6210014号、6709493号及び8968063号(その内容は参照によりあらゆる目的のために本明細書に援用される)において説明されるものなど、延伸PTFE膜がある。
【0086】
図3に示す脱離位置において、アクチュエータ260は拡張するか又は伸張位置にある。脱離位置への移行時に、弁組立体218は、吸着ポート240を密封し、脱離ポート242を開放する。特に、ガスケット246を含む吸着ポートカバー244は、ポンプハウジング210に当接して、吸着ポート240を密封する。加熱サイクル中及び/又はその後の所望の期間、弁組立体218は、脱離位置にあり、熱は、加熱室220特にアクチュエータ260及びデバイス212へ送られる。ヒーター214によって送られた熱に応答して、アクチュエータ260は拡張し、デバイス212は、空気へ水分を放出し始める。図示するように、脱離位置でも吸着位置でも、ヒーター214は、ポンプハウジング210の凝縮室222の外部にありポンプハウジング210に対して固定位置のままである。
【0087】
水蒸気は、加熱室220から凝縮室210の中へ、例えば拡散によって自由に透過する。但し、
図2及び3に示す作動によれば、水蒸気は、モイスチャポンプ200が脱離位置のとき吸着ポートカバー244のシールがあるので、デブリ室224又は内部雰囲気206の中へは透過できない。したがって、加熱室220からの水蒸気も、概ね任意の膜254から透過できない。凝縮室222の加熱された水蒸気は、膜252を通過するか、又は凝縮室222の1つ又は複数の面に凝縮し始める。
【0088】
1つの実施形態において、凝縮室222を有するモイスチャポンプ200は、デバイス212からの水分脱離を増大する。これは、デバイス212がより多くの水分を除去できるようにする。
【0089】
本開示の様々な実施形態は、水分を排出するために弁組立体の位置とデバイス212の加熱との間の適切なタイミングを容易にする。二者択一的に又は組合せで適切なタイミングを容易にする構成の非限定的な例として、デバイス212の脱離温度より低いアクチュエータ260のワックス溶融温度を設定すること、ヒーター214をアクチュエータ260により近くかつ熱拡散材216上のデバイス212から比較的遠くに配置すること、過渡的熱束がデバイス212よりアクチュエータ260へ向かうように熱拡散材216の断面積を設定すること、及びデバイス212の前にアクチュエータ260に高い伝熱率を与えるように熱拡散材216の材料特性を選択すること、が含まれる。更に、いくつかの実施形態において、マイクロコントローラを任意に利用して、相変化アクチュエータではなくエレクトロニクス(例えば、ソレノイド)の加熱温度及び時間及び/又は作動を直接制御する(図示せず)。
【0090】
いくつかの事例において、選択された時間量の後に、熱は加熱室220へ送られなくなり、弁組立体218は、蒸発サイクルを開始するために脱離ポート240を密封する。凝縮室222の中の液体水は、自由に蒸発し続け、凝縮室222に残る水蒸気は、モイスチャポンプ200が吸着位置に滞留する間の時間、凝縮室から自由に透過し続ける。脱離ポート242は脱離ポートカバー248によって密封されるので、この水分は、概ね凝縮室222から加熱室220へ再び入ることはできない。脱離ポートカバー248は、吸着位置にあるとき脱離ポート242を密封するためのガスケット材249も有する。図示しないが、吸着ポートカバー244及び脱離ポートカバー248は、アクチュエータ260の移動に連れてカバーが移動するように1つ又は複数のコネクタによってリンクできる。デバイス212は、吸着ポート240を通過して加熱室220に入ってくる水分を吸着し始める。当業者及び本開示の利益を享受する者であれば、特定の用途及びモイスチャポンプの特性を考慮して、加熱、脱離及び吸着の適切な時間を選択できるだろう。
【0091】
図2及び3に示すように、吸着ポート及び脱離ポートの弁面積は、ほぼ等しい。1つの実施形態において、吸収ポートの弁面積が脱離ポートの弁面積より大きく、弁面積差を生じる加熱モイスチャポンプを使用することが有利である場合がある。この差は、サイズを大きくすることなく、水分を捕捉する率を増大でき有利である。1つの実施形態において、吸着ポート及び脱離ポートは、それぞれ、吸着面積及び脱離面積を画定し、弁面積差を与えるために、吸着面積は、脱離面積より大きい。吸着ポートは、平行のセットに配列された複数の開口をハウジングに備え、各開口は、弁組立体の行程方向に対して直交して配列される。このように、吸着ポートは、吸着面積を画定するために複数の開口をハウジングに備える。各開口は、脱離ポートの幅とほぼ等しい幅を弁組立体の行程方向に有する。弁組立体は、弁組立体が吸着位置にあるとき吸着ポートの開口と整列する複数の開口と、弁組立体が脱離位置にあるとき吸着ポート開口と整列しこれを遮断するように構成される、開口と開口の間に配置された複数のブロック領域と、を持つ弁組立体を備える。脱離ポートは、複数の吸着開口の各開口の幅とほぼ等しい幅を有する。複数の吸着開口の各開口の幅は、弁組立体のそれぞれのブロック領域の対応する幅より小さいか又はこれに等しいことが好ましい。
【0092】
吸着ポートは、デバイスに近接しかつ実質的にデバイスに対して平行の少なくとも1つの開口をハウジングの壁に持つことができる。例えば、ハウジングは、空隙を含むことができ、開口は、デバイスの面に対して平行にデバイスから空隙を横切って配置されることができる。ハウジングが円筒形バレルである場合、乾燥剤も、実質的に円筒形にすることができ、ハウジング内部に配置され、空隙によってハウジングから分離できる。いくつかの実施形態において、ハウジングの壁は、少なくとも部分的にデバイスを取り囲み、ハウジングの壁とデバイスとの間で空気が流動できるようにする距離だけ離れる。いくつかの実施形態において、弁組立体は、ハウジングの内側にハウジング内に滑動可能に取り付けられる弁組立体を含み、弁組立体は、吸着位置において脱離ポートを被覆するように作動可能であり、脱離位置において少なくとも1つの吸着ポートを被覆するように作動可能である。
【0093】
弁面積差を持つ実施形態の場合、脱離ポートと通気ポートとの間に形成された、凝縮室と呼ばれる第2室を備えることができる。通気ポートは、通気ポートを被覆する膜を持つことができる。膜は、水蒸気透過性でかつ液体水不透過性とすることができる。弁組立体は、弁組立体が脱離ポートカバーで加熱室と凝縮室との間の脱離ポートを密封し、加熱室への水蒸気透過のために加熱室へ通じる吸着ポートを開放する吸着位置と、弁組立体が吸着ポートカバーで吸着ポートを密封し、加熱室からの水蒸気透過のために加熱室と凝縮室との間の脱離ポートを開放する脱離位置と、の間を移行するように構成できる。
【0094】
図4は、弁面積差を有する脱離構成のときのモイスチャポンプ300の形態の装置の別の例示的実施形態の切取り側面図である。
図5は、吸収構成のときのモイスチャポンプ300を示す。モイスチャポンプ300は、弁組立体318を収容するハウジング310を含む。弁組立体318は、ハウジング310に隣接して配列されたブロック部材と、ブロック部材をアクチュエータ360に機械的に接続する任意の適切なリンク機構と、を含む。ハウジング310内部には、熱拡散材316に隣接するデバイス312を収容するチャンバ320があり、拡散材は、ヒーター314に熱的に接続される。これによって、熱拡散材316はヒーター314及びデバイス312の両方と接する。ヒーター314、熱拡散材316、デバイス312及び弁組立体318の組立体は、アクチュエーア360によってハウジング310の第1端334の内面332に当接するようにバイアスされ、かつバネ362によってハウジングの第2端336に当接するようにバイアスされる。アクチュエータ360は、ハウジング310内部で弁組立体318を移動するように作動可能である。図示するように、アクチュエータ360は、これが作動するとき、ヒーター314、熱拡散材316、デバイス312及び弁組立体318の組立体全体を移動する。しかし、実際には、アクチュエータは、モイスチャポンプ300の内部構成要素のいくつか、例えば、弁組立体318だけと機械的に結合できる。
【0095】
ハウジング310は、水分を収容する又は透過するための1つ又は複数のチャンバを画定する。
図4及び5に示すように、ハウジング310は、チャンバ320を画定する。作動時に、水蒸気は、選択的に吸着ポート340を通過してチャンバ320の中へ透過され、次に、脱離ポート342を通過してチャンバ320から透過される。脱離ポートは、
図2においては開放状態で示し、
図3において閉鎖状態で示す。特定の実施形態において、チャンバ320は円筒形であり、デバイス312は、チャンバ320へ向かって外向きにかつハウジング310の内壁へ向かって熱拡散材316の外面に配列される。チャンバ320は、デバイス312を取り囲む空隙を形成し、デバイス312とチャンバ330の中の空気との間の水分移動を提供する。チャンバ330から透過した蒸気は、脱離ポート342から脱離開口350を介して外部環境304へ概ね何の妨害もなく通過する。特定の実施形態において、蒸気の多少の割合は、開口350内部の面に凝結する場合がある。この面は、脱離ポート342から張り出して、異物及び外部水分の侵入を防止又は軽減する。概略的に、「脱離ポート」は、弁組立体318がチャンバ320と外部環境304との間の空気の流れを遮断するために移動する領域をいう。脱離ポート342は、付加的な空気容積(例えば、開口350)によって外部環境304から分離されるか、又は、外部環境と直接接続できる。任意の実施形態において、膜は、開口350を被覆できる。
【0096】
ハウジング310は、概ね、1つ又は複数の直径を有する円筒形に形成される。ハウジング310は、任意に電気導体を収容するための1つ又は複数の開口(図示せず)を含む。電気導体は、ヒーター314などハウジング310内部へ電力を送ることができる。特定の実施形態において、弁組立体318及びハウジング318は、両方とも円筒形とし、弁組立体をハウジングの内部に入れ子式に収めることができる。
【0097】
上述のように、ヒーター314は、デバイス312を加熱するために熱を熱拡散材316へ向ける。ヒーター314は、任意に、これに作動上結合される電気導体を介して動力を受け、電気導体はハウジング310の1つ又は複数の開口を通過して配置される。
【0098】
作動時に、モイスチャポンプ300は、吸着構成と脱離構成との間で移行するように構成される。
図4及び5は脱離構成を示し、脱離構成のとき、弁組立体318は脱離位置に配置されているので、吸着ポート340は弁組立体318によって遮断され、脱離ポート342は、ハウジング310の第1端332と弁組立体318との間で開放される。この脱離位置は、内部雰囲気306とチャンバ320との間の空気の流れを遮断し、その間、チャンバ320と外部304との間の空気の流れを許容する。モイスチャポンプ300は、概ね、ヒーター314が能動的に熱拡散材316及びデバイス312を加熱するとき脱離構成にあるので、デバイス312に含まれる水分は、蒸発し、脱離ポート342を通過してモイスチャポンプ300から出て行ける。
【0099】
モイスチャポンプ300は、アクチュエータ360によって脱離構成に保持でき、アクチュエータは、ハウジング310の第1端334の内面332を押圧する。様々な実施形態において、アクチュエータ360は、温度に応答するサーモメカニカルアクチュエータである。いくつかの実施形態において、アクチュエータ360は、相変化材料例えば相変化ドライブを含む。本明細書において使用する場合、相変化材料は、例えば、相変化材料が加熱に応答して拡張し冷却に応答して収縮するように、温度に応答して拡張又は収縮する。相変化材料の非限定的例として、ワックス(例えば、パラフィンワックス)、バイメタル要素及びニチノールがある。アクチュエータ360は、アクチュエータが拡張し収縮するとき弁組立体が吸着位置と脱離位置との間を移動できるように、弁組立体318と機械的に接続される。
【0100】
モイスチャポンプ300は、予設定された期間即ち乾燥剤から水分を除去するために充分な脱離又は再生期間、脱離構成に保持できる。脱離又は再生期間は、比較的速いプロセスである。デバイス312の能動的加熱は、デバイスから水分を除去し、デバイスを再生させ、チャンバ320の加熱は、モイスチャポンプ300から水分を比較的速やかに移送するのを助ける強力な対流空気を生じる。熱駆動対流のおかげで、脱離ポート342は、水分を排出するモイスチャポンプ300の能力を損なうことなく比較的小さい面積を有することができる。特定の実施形態において、脱離又は再生は、乾燥剤を95℃以上又はこれに等しい脱離温度まで加熱することによって達成できる。1つの実施形態において、乾燥部材は、雰囲気中のシロキサン及び/又は有機物質の沸点より高い温度で水分を脱離する。脱離温度は、95℃~150℃、例えば、105℃~150℃又は110℃~135℃の範囲である。
【0101】
デバイスが充分に再生されたら(典型的には10~30分後)、それ以上の加熱時間は動力及び熱の浪費である。更に、弁組立体318は、脱離構成においては保護されたケーシング302の内部雰囲気306とチャンバ320との間のアクセスを防止するように配列されるので、脱離(再生)期間中には水分削減機能はない。したがって、チャンバ320は、吸着期間に比べて比較的短時間に加熱できる。
【0102】
図4は、側面の(外部)からの脱離構成のときのモイスチャポンプ300を示す。図示するように、弁組立体318は、脱離位置へ下げられて、脱離ポート342を開放し、脱離ポートは脱離開口350を通して見える。吸着ポート340は、弁組立体318によって閉鎖される。
【0103】
1つの実施形態において、吸着ポート340は、脱離ポート342と比較して弁面積差を持つことができる。吸着ポート及び脱離ポートの面積の非対称性は、モイスチャポンプ300が吸着構成である吸着期間中の水分の吸着をより迅速にする。脱離期間中の脱離ポートの水分通気の効果は、より小さい面積を持つことによって影響を受けない。
図8~9に示すように、吸着ポート340は、ハウジング310の周りの円周上に配列された複数の開口を含むことができる。したがって、吸着面積は、吸着ポート340を構成する全ての開口の開放面積の合計によって画定できる。例えば、吸着面積は、吸着ポート340を構成する各開口の高さ、円周(ハウジング310の半径370によって画定できる)及び吸着ポートを構成する開口の列の数、マイナス、開口を塞ぐハウジングの支持構造、で画定できる。これに対して、脱離面積は、脱離ポート342で画定され、この場合、脱離面積は、脱離ポートの高さ及びハウジング310の円周で画定できる。概略的に、吸着ポート340の各開口の高さは、脱離ポート342の高さに等しいか又はこれより僅かに小さい。したがって、モイスチャポンプの吸着面積は、概ね、吸着ポート340を構成する開口の平行列の数にほぼ等しいかこれより僅かに小さい係数だけ脱離面積を上回る。特定の実施形態において、吸着ポート340を構成する開口の平行列は、弁組立体318の行程方向に対して直交し、かつ弁組立体の行程方向において相互にオフセットする。1つの実施形態において、吸着面積は、800~1000mm
2、700~1000mm
2、600~1000mm
2、500~1000mm
2、又は500~1200mm
2とすることができる。
【0104】
別の実施形態において、弁組立体318は、可変サイズ(例えば、脱離部分における弁組立体のサイズより小さい又は大きい吸着ポートにおける階段状サイズ)を持つことができる。例えば、いくつかの実施形態において、モイスチャポンプ300は、吸着ポート340において実質的に円筒形ハウジング310を持ち、脱離ポート342において実質的に円筒形ハウジングを持つが、吸着ポートと脱離ポートとの間で異なるハウジングの階段状半径を持つことができる。このような構成において、弁組立体318も階段状半径を持ち、ハウジング310内に入れ子状になるように構成できる。
【0105】
図2及び3に示す構成及び同様の構成において、吸着面積は、吸着ポート340を構成する開口の列の数を増やすことによって増大できる。したがって、付加的な開口の列を加えることができるので、吸着ポート340の開口の各列の高さ及び円周は、吸着面積を限定しない。これに対して、単一の吸着ポートを採用するモイスチャポンプは、充分な吸着面積を与えるのに充分な行程の吸着弁を持たなければならない。又はより大きい半径の吸着弁を持たなければならない。したがって、
図2及び3に示す構成は、従来のモイスチャポンプより小さい行程でかつより小さいフットプリントのデバイスで、適切な吸着面積を持つことができる。例えば、いくつかの実施形態において、半径20mm未満、例えば、25mm未満又は30mm未満のモイスチャポンプで充分な吸着効率を得られる。特定の実施形態において、吸着ポート340に3列またはそれ以上の列の開口を設置でき、その各々が、個別高さ3mm未満、例えば、3.5mm未満又は4.0mm未満を持つことができる。特定の実施形態において、吸着ポート340の高さは、列によって変動し、他の実施形態において、各列の吸着ポート340は、同じ高さを持つ。脱離ポート342の高さは、3mm未満、例えば3.5mm未満、4.0mm未満又は5.0未満とすることができる。列の数に応じて、吸着ポート340の合計高さは、脱離ポート342の面積に比べて弁面積差を持つ。吸着ポートの合計高さは、脱離ポートの高さより大きく、例えば、少なくとも2倍又は少なくとも3倍大きい。いくつかの実施形態において、用途及びモイスチャポンプ300がケーシング302内部へ貫入できる深さに応じて、吸着ポート340に3列を超える開口を設置できる。例えば、低吸着率しか必要としない用途において、吸着ポート340は、2列または3列の開口を備えることができる。もっと大きい吸着率を必要とする用途において、吸着ポート340は、3列またはそれ以上の列の開口を備えることができる。特定の実施形態において、脱離ポート342の高さは、弁組立体318が移動できる距離(即ち、弁行程)に等しくすることができる。吸着ポート340を構成する個別のウィンドウの高さも、弁行程と等しいか又はこれより小さくできる。いくつかの実施形態において、吸着ポートのウィンドウは、吸着ポートが閉鎖されるとき吸着ポートにおいて空気が弁組立体の周りを通過できないことを確かにするために、弁行程の距離より僅かに小さくできる。
【0106】
吸着ポート340の構成は、内部雰囲気306からの空気の流れ及び/又は水分拡散がデバイス312に出会うための経路を短くすることによって、吸着プロセスの効率に影響を及ぼすことができる。特定の実施形態において、
図2及び3に示すように、吸着ポート340は、チャンバ320の領域全体にデバイス312の少なくとも一部の周りにこれを取り囲んで配置される複数列の開口を備える。このような及び同様の配列において、内部雰囲気306からの空気は、ハウジング310の円周の周りの多くの点において、吸着ポート340を容易に通り抜けて、チャンバ320を横切る必要なくデバイス31に出会うことができる。このような配列は、一方の側又は端に単一の吸着ポートを持つモイスチャポンプと対照的である。後者の場合、モイスチャポンプへ入る空気は、最初に乾燥剤の小さい部分にしか出会わないことになる。
【0107】
デバイス312、ヒーター314及び熱拡散材316は、図においてチャンバ320の中に配置又は維持される。デバイス312は、チャンバ320の空気中の水分に曝される。他の実施形態(図示せず)において、デバイス312、ヒーター314及び熱拡散材316は、部分的にチャンバ320の中に配置できる。更に別の実施形態(図示せず)において、ヒーター314は、チャンバ320の外部に配置でき、熱拡散材316はチャンバ320の中に又はチャンバの中に部分的に配置されることができる。上述の実施形態は、主に、実質的に円筒形のモイスチャポンプ300に関するものであるが、本明細書において説明する原則は、弁組立体318がハウジング310内に滑動可能に配置できる他の適切な任意の形状に関しても応用できることが当業者に理解されるであろう。様々な別の実施形態において、ハウジング310及び関連する弁組立体318は、楕円形断面、長方形断面又はその他の適切な任意の断面を持つことができる。上述のように、様々な代替的実施形態も、階段状断面エリアを持つことができる。
【0108】
図2及び3に示す実施形態は、第2チャンバ例えば凝縮室無しで作動可能であり、空気は、モイスチャポンプ300が脱離構成のときチャンバ320から外部環境306へ直接流れることができる。別の実施形態において、凝縮室を含めることができる。上述のように、凝縮室が使用されるとき、通気ポートと通気ポートを被覆する膜を含むことができる。通気ポートは、凝縮室から例えば外部環境へ水蒸気が透過するための開口を提供する。通気ポートはモイスチャポンプへのデブリ、液体水、オイル及び/又はその他の物質などの物質の侵入を防止するために作動可能である。水蒸気は、脱離の間に凝縮室に集まり、凝縮室から通気ポートを出て行く。特定の実施形態において、水蒸気の少なくとも一部分は、凝縮室から透過される前に凝縮室内部で凝結する。例えば、凝縮した液体水は、脱離ポートが閉鎖されているとき(即ち、吸着構成のとき)時間と共に凝縮室の空気の中へ蒸発し、その後通気ポートを通過し又はドレン部分(図示せず)から出て行ける。特定の実施形態において、通気ポートを構成する膜(1つ又は複数)は、外部環境からモイスチャポンプの中へのデブリ又は液体水の侵入を防止するように、水蒸気透過性であるが、デブリ及び液体水に対して不透過とすることができる。又、例えば乾燥剤から放出された粒子が内部環境へ入るのを防止するために、吸着ポートを被覆する1つ又は複数の膜を含むこともできる(図示せず)。
【0109】
本開示の範囲内に含まれる装置の付加的な非限定的な例は、更に、米国特許第10156372号及び国際公開第WO/2019010433号(両方とも参照によりその全体が本明細書に援用される)において更に詳細に説明される。
【0110】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の汚染物質及び水蒸気が、囲繞体の内容積内に存在できる。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の汚染物質は、1つ又は複数のシロキサン、1つ又は複数の脂肪族アルコール、1つ又は複数の芳香族アルコール、1つ又は複数の窒素含有化合物又は1つ又は複数のその他の有機化合物、の1つ又はそれ以上を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の汚染物質は、1つ又は複数のシロキサン、1つ又は複数の脂肪族アルコール、1つ又は複数の芳香族アルコール、1つ又は複数の窒素含有化合物又は1つ又は複数のその他の有機化合物、の1つ又はそれ以上を含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のシロキサンは、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘクサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、又はドデカメチルペンタシロキサン、の1つ又はそれ以上を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の脂肪族アルコールは、2-エチル-ヘキサノール又はドデカノールの1つ又はそれ以上を含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の芳香族アルコールは、ベンジルアルコール又は2-4-ジ-tert-ブチルフェノールの1つ又はそれ以上を含む。
【0115】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の窒素含有化合物は、N-メチル-2-ピロリドン、ジブチルアミン、ジブチルホルムアミド又はカプロラクタムの1つ又はそれ以上を含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のその他の有機化合物は、トルエン、キシレン、ベンゼン、イソプロピルベンゼン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、カプロラクタム、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、ヘプタナール、ヘキサナール、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセチルベンゼン、ブタンジオールアジペート、ジフェニルスルホン、プロピレンカーボネート又はテトラデカン、の1つ又はそれ以上を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、囲繞体は、15%~60%の相対湿度を与えるのに充分な水蒸気量を含む。いくつかの実施形態において、囲繞体は、20%~55%の相対湿度、25%~50%の相対湿度を与えるのに充分な量の水蒸気を含む。いくつかの実施形態において、囲繞体は、30%~45%の相対湿度を与えるのに充分な量の水蒸気を含む。いくつかの実施形態において、囲繞体は、35%~40%の相対湿度を与えるのに充分な量の水蒸気を含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、デバイスは、少なくとも部分的に囲繞体内に配置できる。いくつかの実施形態において、デバイスは、囲繞体内に完全にあることができる。いくつかの実施形態において、デバイスは部分的に囲繞体内にあることができる。又は、いくつかの実施形態において、デバイスは、囲繞体の外部であるが、囲繞体の内容積内の水蒸気を吸収するようにデバイスと囲繞体の内容積との間で水分が移動できるように充分に囲繞体の近くに配置できる。いくつかの実施形態において、デバイスは、囲繞体と接触している。いくつかの実施形態において、デバイスは、囲繞体の外面に取り付けられる。
【0119】
いくつかの実施形態において、囲繞体は、少なくとも1つの腐食性金属によって構成される。いくつかの実施形態において、腐食性金属は、ステンレス鋼、銅又はアルミニウムの1つ又はそれ以上を含む。いくつかの実施形態において、ステンレス鋼は、304ステンレス鋼である。いくつかの実施形態において、銅はC122銅である。いくつかの実施形態において、アルミニウムは6061アルミニウムである。
【0120】
いくつかの実施形態において、デバイスは、水分がデバイスと囲繞体との間で移動できるように囲繞体と流体流通する。いくつかの実施形態において、デバイスと囲繞体との間で水分が透過できるようにする導管がある。この導管は、チューブ、パイプ、弁又は当業者には分かるその他の任意の適切な導管の形態をとることができる。導管の長さは、本明細書において説明するように、デバイスと囲繞体との間の距離に相当すべきである。
【0121】
いくつかの実施形態において、デバイスは、乾燥剤が装入された基材を含む。いくつかの実施形態において、基材の50~90重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の55~85重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の60重量%~80重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の65~75重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の65~70重量%で乾燥剤が装入される。
【0122】
いくつかの実施形態において、基材の50~85重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の50~80重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の50~75重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、デバイスは、乾燥剤が装入された基材を備える。いくつかの実施形態において、基材の50~70重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の50~65重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の50~60重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の50~55%に乾燥剤が装入される。
【0123】
いくつかの実施形態において、基材の55~90重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の60~90重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の65~90重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の70~90重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の80~90重量%で乾燥剤が装入される。いくつかの実施形態において、基材の85~90重量%で乾燥剤が装入される。
【0124】
いくつかの実施形態において、基材は、少なくとも1つの高分子材料を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの高分子材料は、フルオロポリマーを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの高分子材料は、延伸フルオロポリマーを含む。
【0125】
いくつかの実施形態において、基材の少なくとも1つの高分子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、基材の少なくとも1つの高分子材料は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(延伸PTFE)を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、基材は、0.1~15mmの範囲の厚みを持つことができる。いくつかの実施形態において、基材は、0.2~10mmの範囲の厚みを持つことができる。いくつかの実施形態において、基材は、0.4~5mmの範囲の厚みを持つことができる。いくつかの実施形態において、基材は、0.75~2.5mmの範囲の厚みを持つことができる。いくつかの実施形態において、基材は、1.5~2mmの範囲の厚みを持つことができる。
【0128】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの高分子材料は、ポリ(エチレン-コテトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸及びこれらの組合せ又はブレンドを含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、基材は、テープの形態をとる。いくつかの実施形態において、テープは、ダイスされたテープである。いくつかの実施形態において、基材はチューブの形態をとる。いくつかの実施形態において、基材は、ディスクの形態である。
【0130】
いくつかの実施形態において、基材は、少なくとも1つの付加的な高分子材料を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料は、基材の少なくとも1つの面上に配置された少なくとも1つの高分子膜を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料は、基材の複数の面上に配置された複数の高分子膜を含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料は、単一の高分子材料しか持たないデバイスに比べて、デバイスから囲繞体の中への乾燥剤粒子の移動を50%~97%減少するように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料は、単一の高分子材料しか持たないデバイスに比べて、デバイスから囲繞体の中への乾燥剤粒子の移動を60%~87%減少するように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料は、単一の高分子材料しか持たないデバイスに比べて、デバイスから囲繞体の中への乾燥剤粒子の移動を70~77%減少するように構成されている。
【0132】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的高分子材料は、乾燥剤粒子が囲繞体の中へ入るのを防止するためのバリアとして機能する。囲繞体が少なくとも1つの腐食性金属を含む実施形態において、乾燥剤粒子が囲繞体の中へ入るのを防止することは、腐食を抑えることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料をデバイスの中に含むことは、少なくとも1つの腐食性金属の腐食を単一の高分子材料しか含まないデバイスより20~86%まで減少できる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的高分子材料をデバイスの中に含むことは、少なくとも1つの腐食性金属の腐食を単一の高分子材料しか含まないデバイスより40%~72%まで減少できる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの付加的な高分子材料をデバイスの中に含むことは、少なくとも1つの腐食性金属の腐食を単一の高分子材料しか含まないデバイスより42~60%まで減少できる。
【0133】
いくつかの実施形態において、乾燥剤は、塩化カルシウム塩と、塩化カルシウム塩で部分的に含浸された支持材とを含む。いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の25重量%~65重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の30重量%~60重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の35重量%~55重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の40重量%~50重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。
【0134】
いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~65重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~60重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~55重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~50重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~45重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~40重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~35重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の20重量%~30重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。
【0135】
いくつかの実施形態において、支持材の25重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の30重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の35重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の40重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の45重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の50重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の60重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。いくつかの実施形態において、支持材の65重量%~70重量%は、塩化カルシウム塩で含浸される。
【0136】
いくつかの実施形態において、支持材は、0.2~2.1cm3/gの範囲の気孔容積を持つ。いくつかの実施形態において、支持材は、0.4~1.9cm3/gの範囲の気孔容積を持つ。いくつかの実施形態において、支持材は、0.6~1.7cm3/gの範囲の気孔容積を持つ。いくつかの実施形態において、支持材は、0.8~1.5cm3/gの範囲の気孔容積を持つ。いくつかの実施形態において、支持材は、1.0~1.3cm3/gの範囲の気孔容積を持つ。いくつかの実施形態において、支持材は、1.1~1.2cm3/gの範囲の気孔容積を持つ。
【0137】
いくつかの実施形態において、支持材は、273~1534m2/gの範囲の表面積を有する。いくつかの実施形態において、支持材は、573~1334m2/gの範囲の表面積を有する。いくつかの実施形態において、支持材は、773~1134m2/gの範囲の表面積を有する。いくつかの実施形態において、支持材は、873~1034m2/gの範囲の表面積を有する。
【0138】
いくつかの実施形態において、支持材は、金属酸化物を含む。いくつかの実施形態において、金属酸化物は、酸化アルミニウム又は二酸化ケイ素の1つ又はそれ以上を含む。いくつかの実施形態において、支持材は、活性炭を含む。いくつかの実施形態において、支持材は、金属有機構造体を含む。いくつかの実施形態において、金属有機構造体は、UiO-66である。
【0139】
本明細書において説明するデバイスは、本明細書において説明する汚染物質の1つ又はそれ以上が入っている囲繞体内に少なくとも部分的に配置されるか又はこれに近接して(即ち本明細書において説明する距離で)配置されたとき、改良された水蒸気容量を示すことが、思いがけず分かった。したがって、いくつかの実施形態において、384以下の吸着/脱離サイクルを経た後に17%を超えて減少しない水蒸気容量をデバイスに与えるのに充分な量の乾燥剤又は基材の少なくとも一方が与えられる。いくつかの実施形態において、192以下の吸着/脱離サイクルを経た後に9%を超えて減少しない水蒸気容量をデバイスに与えるのに充分な量の乾燥剤又は基材の少なくとも一方が与えられる。いくつかの実施形態において、96以下の吸着/脱離サイクルを経た後に5%を超えて減少しない水蒸気容量をデバイスに与えるのに充分な量の乾燥剤又は基材の少なくとも一方が与えられる。いくつかの実施形態において、48以下の吸着/脱離サイクルを経た後に2%を超えて減少しない水蒸気容量をデバイスに与えるのに充分な量の乾燥剤又は基材の少なくとも一方が与えられる。いくつかの実施形態において、24以下の吸着/脱離サイクルを経た後に1%を超えて減少しない水蒸気容量をデバイスに与えるのに充分な量の乾燥剤又は基材の少なくとも一方が与えられる。いくつかの実施形態において、12以下の吸着/脱離サイクルを経た後に0.5%を超えて減少しない水蒸気容量をデバイスに与えるのに充分な量の乾燥剤又は基材の少なくとも一方が与えられる。いくつかの実施形態において、6以下の吸着/脱離サイクルを経た後に0.25%を超えて減少しない水蒸気容量をデバイスに与えるのに充分な量の乾燥剤又は基材の少なくとも一方が与えられる。
【0140】
いくつかの実施形態において乾燥剤又は基材の一方又は両方の吸収/脱離は、デバイスと熱源との間の温度勾配によって駆動されるように構成される。いくつかの実施形態において、乾燥剤又は基材の一方又は両方の吸収/脱離は、デバイスと熱源との間の温度勾配によって駆動されるように構成される。いくつかの実施形態において、熱源は、ヒーターの形態をとる。いくつかの実施形態において、ヒーターは、米国特許第10156372号及び国際特許公開第WO/2019010433号において説明されるような正温度係数(PTC)ヒーターである。いくつかの実施形態において、乾燥剤の吸収/脱離は、囲繞体とデバイスとの間の水分勾配によって駆動されるように構成される。
【0141】
いくつかの実施形態において、各吸収/脱離サイクルは、熱サイクルである。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、-20℃~150℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、-20℃~125℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、-20℃~100℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、-20℃~75℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、-20℃~50℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、-20℃~25℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、-20℃~0℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、0℃~150℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、25℃~150℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、50℃~150℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、75℃~150℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、100℃~150℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、125℃~150℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、25℃~125℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、50℃~100℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。いくつかの実施形態において、各熱サイクルは、75℃~100℃の範囲の温度の間で乾燥剤を繰り返し加熱冷却することを含む。
【0144】
いくつかの実施形態において、各吸収/脱離サイクルは、水分サイクルである。本明細書において説明する水分サイクルは、本明細書において説明するモイスチャポンプのいずれによっても実施できる(が、必ずしもそうである必要はない)。
【0145】
いくつかの実施形態において、各吸収/脱離サイクルは、水分サイクルであり、その間に、乾燥剤は、乾燥剤と空気との間に水分勾配を生じるように特定の相対湿度を持つ空気に曝される。
【0146】
いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、20%~95%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、20%~75%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、20%~50%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、20%~25%の範囲である。
【0147】
いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、25%~95%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、50%~95%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、75%~95%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、90%~95%の範囲である。
【0148】
いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、20~95%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、25~75%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、40%~60%の範囲である。いくつかの実施形態において、空気の相対湿度は、50%~55%の範囲である。
【実施例】
【0149】
実施例1:乾燥剤の組織特性
各種乾燥剤の組織特性は、Quantachrome Autosorb iQ機器を使用して77Kで実施された窒素吸着を使用して計測した。サンプルを、分析前に4時間125℃の真空でガス抜きした。その結果を表1に示す。3Åモレキュラーシーブの表面積及び気孔容積は、窒素分子の排除のせいで得られない。シリカSY290は、高い気孔容積1.86cm3/gを示し、一方、シリカゲルは、最高表面積741m2/gを持つ。
【0150】
【0151】
実施例2:シリカ支持体における塩化カルシウムの湿潤含浸
湿潤含浸は、1gのシリカSY290と0.55gの塩化カルシウムを混合することによって実施された。塩は、秤量前に150℃のオーブンの中で2時間乾燥させた。その後、少量の水(<4cm3)を混合物に加えて、均等に攪拌した。乾燥サンプルを得るために数時間110℃のオーブンでスラリーを乾燥させた。高気孔容積(>1.50cm3/g)を持つシリカ支持体は、CaCl2の高装入(>50重量%)に対処できることが分かった。
【0152】
実施例3:水蒸気吸収量の吸着等温線
乾燥剤の水蒸気吸収量を、25℃でQuantachrome Vstar機器を使用して計測した。サンプルは、水蒸気吸着前に4時間125℃の真空でガス抜きした。
図6は、55重量%CaCl
2/SiO
2、シリカゲル、ベントナイトクレイ及び3Åモレキュラーシーブの吸着等温線を示す。シリカに支持された塩化カルシウム乾燥剤は、相対湿度15%を超えると他の乾燥剤に比べて高い吸収量を持つ。
【0153】
【0154】
実施例4:熱による乾燥剤の再生
乾燥剤は、加熱したモイスチャポンプ(HMP)装置の中で熱によって再生でき、脱離した水蒸気の量は、温度の関数として計測できる。最初に、粉末乾燥剤を数時間大気水蒸気に曝した。その後、サンプルを10℃/分の傾斜率で125℃まで加熱し、熱重量分析器(TA Instrument TGA5500)を使用して4時間保持した。
図7は、温度の関数として乾燥剤から脱離した水分のパーセンテージを示す。
【0155】
シリカゲルは、120℃までにその水分のほとんどを失い、ベントナイトクレイ及び55重量%CaCl2/SiO2は、吸収した水蒸気の約80%を失った。しかし、3Åモレキュラーシーブは、その水分の40%しか失わず、残りは、温度が4時間125℃に保持されているときに脱離した。この結果は、シリカに支持された塩化カルシウム乾燥剤を再生するために必要な熱エネルギーの量が、ベントナイトクレイに匹敵することを示す。
【0156】
実施例5:乾燥剤の水蒸気吸着力学
水蒸気の吸着力学を測定するために、動的水蒸気吸着(DVS)デバイスを使用した。サンプルは、最初に、4時間125℃の真空でガス抜きし、その後、25℃まで冷却した。その後、サンプルを相対湿度20~60%の水蒸気に曝した。差分質量が0.05まで減少したとき水蒸気の吸収を停止した。
【0157】
図8及び9は、それぞれ相対湿度20%及び60%のときの乾燥剤による水蒸気の吸収量を示す。シリカに支持された塩化カルシウム乾燥剤は、シリカゲルと同じ時間内に完全容量に達することができた。更に、CaCl
2乾燥剤の吸収量は、この条件の下では、シリカゲル及ベントナイトクレイの両方に比べて著しく高い。
【0158】
実施例6:CaCl
2/SiO
2の水蒸気吸収量に対する汚染の影響
HMPデバイスのターゲット環境における汚染物質の存在は、乾燥剤の水蒸気吸収量を減少する可能性がある。ソーラーインバータの中に見られる主要な汚染物質の2つは、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)及びベンゼルアルコール(BA)である。水蒸気吸収量に対する汚染の影響をテストするために、新しい乾燥剤をD4及びBAに別個に曝して、実施例3の手順を使用して水蒸気吸収量を計測した。曝露は、閉鎖された乾燥剤ボックスの中で実施した。新しい乾燥剤と液体D4又はBAのバイアル(20ml)を乾燥剤ボックスの中に置いた。ボックスは、40~125℃の間で20回オーブンの中で熱循環された。その結果を
図10に示す。
【0159】
CaCl2/SiO2は、汚染物質に曝した後に吸収量の少量の減少を示しただけあり、シリカゲル、ベントナイトクレイ及び3Åモレキュラーシーブに比べて著しく高い吸収量である。
【0160】
【0161】
実施例7:支持されたCaCl2乾燥剤の水蒸気吸収量に対する汚染の影響
CaCl2の含浸は、金属有機構造体(UiO-66)、活性炭(SA20)及び金属酸化物(酸化アルミニウム)など他の多孔質支持体まで拡張できる。含浸方法は、実施例2と同様であるが、塩含有量は、これらの支持体の気孔容積が低いので、減少する(20重量%CaCl2/UiO-66、30重量%CaCl2/SA20、20重量%CaCl2/Al2O3)。
【0162】
これらの乾燥剤の水蒸気吸収量に対する汚染の影響も、実施例6と同じ方法を使用して調べ、その結果を
図11に示す。概略的に、塩化カルシウム含有乾燥剤は、そのそれぞれの支持体に比べて高い水蒸気吸収量及び汚染に対する大きい耐性を示す。
【0163】
図10及び
図11の結果を結合したものを
図12に示すが、概ね塩化カルシウム含有乾燥剤が、本明細書において説明する他の乾燥剤-支持されるか否かにかかわらず-に比べて高い水蒸気吸収量及び汚染に対する大きい耐性を示すことを明らかにした。
【0164】
【0165】
実施例8:非支持CaCl2/SiO2及びPTFE複合テープの製造
約150gのシリカに支持された塩化カルシウムと37.5gのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を、80%CaCl2/SiO2乾燥剤及び20%PTFEの組成を与えるように、均等に混合した。
【0166】
Mitchellに対する米国特許公開第2005/0057888号において概略的に教示されるように混合物をブレンドすることによって、
図13に示す多孔質原線維ポリマーテープが形成される。シリカに支持された塩化カルシウムを使用する以外に、シリカゲル、ベントナイトクレイ及び3Åモレキュラーシーブなどの他の乾燥剤も、ポリマーテープのフィラーとして使用できる。
【0167】
実施例9:支持されたCaCl
2/SiO
2及びPTFE複合テープの製造
実施例8の同じ手順を使用する。但し、延伸PTFE(ePTFE)又は延伸硫黄ポリテトラフルオロエチレン(イオノマー)を含む薄い多孔質の膜を、支持膜として使用でき、このプロセスは、
図14に示すようにテープの両面上に薄い膜を持つテープを生成した。シリカに支持された塩化カルシウムに加えて、シリカゲル、ベントナイトクレイ及び3Åモレキュラーシーブなどの他の乾燥剤も、ポリマーテープのフィラーとして使用できる。
【0168】
実施例10:金属の腐食率の計測
3つのタイプの金属試料、即ち304ステンレス鋼、アルミニウム6061及び銅122を使用して、塩化カルシウム含有乾燥剤によって生じる腐食をテストした。各金属片は、約1インチ平方及び厚み1/8インチである。表面は、600グリット研摩紙を使用して研摩した。試料は、3時間、35℃、相対湿度60~80%の条件の下で、各種サンプル(粉末、支持膜無し及び有りのテープ)に曝し、その後125℃の対流オーブンの中に1時間置いた。このサイクルを5日間に合計で10回繰り返した。試料の質量を、テスト前及びテスト後に計測して、腐食率を計算し、腐食穴の写真を撮った。
【0169】
【0170】
304ステンレス鋼及び銅122の両方は、ブランク試料からの水蒸気の存在において多少の腐食度を示す。粉末状の塩化カルシウム乾燥剤に曝した後、3つの試料とも腐食率が増し、この増大は、アルミニウム及び銅の両方について顕著である。但し、試験片がPTFEテープ状のCaCl2/SiO2乾燥剤に曝された後は、腐食率は低レベル(ステンレス鋼及び銅)又はゼロ(アルミニウム)に減少した。
【0171】
図15及び16は、それぞれ、最高レベルの塩が装入されるときの延伸PTFE膜無し及び有りの63重量%CaCl
2/SiO
2PTFEテープに曝した後の試料の写真を示す。膜無しの63重量%CaCl
2/SiO
2PTFEテープに曝した後の腐食率は低いが、点食が、304ステンレス鋼及び銅122試料の両方に見られる(
図15)。これに対して、この局部的腐食は、ePTFE膜を持つ63重量%CaCl
2/SiO
2PTFEテープに曝した試料には見られず(
図16)、この多孔質膜の存在が、金属と乾燥剤との直接接触を防止することによって腐食率を下げられることを示している。
【0172】
実施例11:乾燥剤の囲繞体循環テスト
複数サイクルを経た乾燥剤に対する汚染の影響を測定するために、乾燥剤充填PTFEテープを、35~135℃の囲繞体の中で熱循環させた。囲繞体は、相対湿度20%に制御され、15mLのオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)及び15mLのベンゼンアルコール(BA)を含む。乾燥剤を15分間155℃まで加熱し、囲繞体内の空気を循環させる2つのファンを使用して90分間35℃まで冷却した。このサイクルを複数回繰返し、192サイクルごとに水蒸気吸着分析のためにテープ片を切り取った。
【0173】
図17、
図18及び
図19は、新しいサンプル及び使用済みのサンプルの水蒸気吸着等温線を示す。63重量%CaCl
2/SiO
2PTFEテープの水蒸気吸収量は、384サイクル後に多少の減少しか示さないが、シリカゲル及びベントナイトPTFEテープは、容量に大きな減少を示す。これは、CaCl
2/SiO
2PTFE乾燥剤テープが複数サイクル後にも汚染に対して大きい耐性を持つことを示す。
図20は、比較のために相対湿度20%のときのテープの水蒸気吸収量を示す。
【0174】
【0175】
本開示のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、限定的ではなく単なる例示であり、多くの改変が当業者には明らかになることが分かるだろう。例えば、本明細書において論じる全ての寸法は、単なる例であり、限定的ではなく例示的であることを意図する。
(態様)
(態様1)
囲繞体と、
デバイスと、
を含む、装置であって、
前記デバイスは、乾燥剤が装入された基材と、乾燥剤と、を含み、
前記乾燥剤は、塩化カルシウム塩と、支持材と、を含み、
1つ又は複数の汚染物質及び水蒸気は前記囲繞体の内容積内にあり、
前記デバイスは、少なくとも部分的に前記囲繞体内で、又は前記囲繞体の外部で、前記囲繞体の前記内容積内の水蒸気を吸収するように前記デバイスと前記囲繞体の前記内容積との間で水分が移動できるように前記囲繞体の充分近くに配置されており、
前記基材は、少なくとも1つの高分子材料を含み、
前記基材の50~90重量%で前記乾燥剤が装入されており、
前記支持材の20重量%~70重量%は塩化カルシウム塩で含浸されており、
前記乾燥剤の水蒸気容量は、384以下の吸着/脱離サイクルを経た後に17%を超えて減少しない、装置。
(態様2)
前記デバイスが、完全に前記囲繞体内にある、態様1に記載の装置。
(態様3)
前記デバイスが、部分的に前記囲繞体内にある、態様1に記載の装置。
(態様4)
前記囲繞体が、前記囲繞体に相対湿度15%~60%を与えるのに充分な量の水蒸気を含む、態様1に記載の装置。
(態様5)
前記デバイスが、前記囲繞体に接している、態様1に記載の装置。
(態様6)
前記デバイスが、前記囲繞体の外面に取り付けられている、態様5に記載の装置。
(態様7)
前記デバイスが、前記囲繞体の前記内容積と流体流通している、態様4に記載の装置。
(態様8)
前記乾燥剤の前記吸収/脱離が、前記デバイスと熱源との間の温度勾配によって駆動されるように構成されている、態様1~7のいずれか1項に記載の装置。
(態様9)
前記乾燥剤の前記吸収/脱離が、前記囲繞体と前記デバイスとの間の水分勾配によって駆動されるように構成されている、態様1~7のいずれか1項に記載の装置。
(態様10)
前記乾燥剤が装入された前記基材の水蒸気容量が、態様1~9のいずれか1項に記載の384以下の前記吸収/脱離サイクルを経た後に17%を超えて減少しない、態様1~9のいずれか1項に記載の装置。
(態様11)
前記支持材の20重量%~65重量%が前記塩化カルシウム塩で含浸されている、態様1~10のいずれか1項に記載の装置。
(態様12)
前記基材の70重量%~80重量%で前記乾燥剤が装入されている、態様1~11のいずれか1項に記載の装置。
(態様13)
前記囲繞体が、少なくとも1つの腐食性金属を含む、態様1~12のいずれか1項に記載の装置。
(態様14)
前記少なくとも1つの腐食性金属が、ステンレス鋼、銅又はアルミニウムの1つ又はそれ以上を含む、態様13に記載の装置。
(態様15)
前記ステンレス鋼が304ステンレス鋼である、態様14に記載の装置。
(態様16)
前記銅がC122銅である、態様15に記載の装置。
(態様17)
前記アルミニウムが6061アルミニウムである、態様16に記載の装置。
(態様18)
前記支持材が0.2~2.10cm
3
/gの範囲の気孔容積を有する、態様1~17のいずれか1項に記載の装置。
(態様19)
前記支持材が、0.42~1.90cm
3
/gの範囲の気孔容積を有する、態様1~18のいずれか1項に記載の装置。
(態様20)
前記支持材が、273~1534m
2
/gの範囲の表面積を有する、態様1~19のいずれか1項に記載の装置。
(態様21)
前記支持材が金属酸化物を含む、態様1~20のいずれか1項に記載の装置。
(態様22)
前記金属酸化物が、酸化アルミニウム又は二酸化ケイ素の1つ又はそれ以上を含む、態様21に記載の装置。
(態様23)
前記支持材が活性炭を含む、態様1~22のいずれか1項に記載の装置。
(態様24)
前記支持材が金属有機構造体を含む、態様1~23のいずれか1項に記載の装置。
(態様25)
前記金属有機構造体がUiO-66である、態様24に記載の装置。
(態様26)
前記基材がテープの形態である、態様1~25のいずれか1項に記載の装置。
(態様27)
前記テープがダイスされたテープである、態様26に記載の装置。
(態様28)
前記基材がチューブの形態である、態様1~27のいずれか1項に記載の装置。
(態様29)
前記基材がディスクの形態である、態様1~28のいずれか1項に記載の装置。
(態様30)
更に、少なくとも1つの付加的な高分子材料を含む、態様1~29のいずれか1項に記載の装置。
(態様31)
前記少なくとも1つの付加的な高分子材料が、前記基材の少なくとも一つの面上に配置された少なくとも1つの高分子膜を含む、態様30に記載の装置。
(態様32)
前記少なくとも1つの高分子材料がフルオロポリマーを含む、態様1~29のいずれか1項に記載の装置。
(態様33)
前記少なくとも1つの高分子材料が、延伸フルオロポリマーを含む、態様32に記載の装置。
(態様34)
前記延伸フルオロポリマーが延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である、態様34に記載の装置。
(態様35)
前記少なくとも1つの高分子材料が、ポリ(エチレン-コテトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸及びこれらの任意の組合せ又はブレンドを含む、態様1~32のいずれか1項に記載の装置。
(態様36)
前記1つ又はそれ以上の汚染物質が、1つ又は複数のシロキサン、1つ又は複数の脂肪族アルコール、1つ又は複数の芳香族アルコール、1つ又は複数の窒素含有化合物又は1つ又は複数のその他の有機化合物、の1つ又はそれ以上を含む、態様1~33のいずれか1項に記載の装置。
(態様37)
前記1つ又は複数のシロキサンが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘクサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン又はドデカメチルペンタシロキサン、の1つ又はそれ以上を含む、態様36に記載の装置。
(態様38)
前記1つ又は複数の脂肪族アルコールが、2-エチル-ヘキサノール又はドデカノールの1つ又はそれ以上を含む、態様36に記載の装置。
(態様39)
前記1つ又は複数の芳香族アルコールが、ベンジルアルコール又は2-4-ジ-tert-ブチルフェノールの1つ又はそれ以上を含む、態様36に記載の装置。
(態様40)
前記1つ又は複数の窒素含有化合物が、N-メチル-2-ピロリドン、ジブチルアミン、ジブチルホルムアミド又はカプロラクタム、の1つ又はそれ以上を含む、態様36に記載の装置。
(態様41)
前記1つ又は複数のその他の有機化合物が、トルエン、キシレン、ベンゼン、イソプロピルベンゼン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、カプロラクタム、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、ヘプタナール、ヘキサナール、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセチルベンゼン、ブタンジオールアジペート、ジフェニルスルホン、プロピレンカーボネート又はテトラデカン、の1つ又はそれ以上を含む、態様36に記載の装置。
(態様42)
各吸収/脱離サイクルが熱サイクルであり、その間、前記乾燥剤が、-20~150℃の範囲の温度の間で繰り返し加熱冷却されるように構成されている、態様1~41のいずれか1項に記載の装置。
(態様43)
各吸収/脱離サイクルが水分サイクルであり、その間、前記乾燥剤が、前記乾燥剤と空気との間に水分勾配を生じるように20%~95%の相対湿度を持つ空気に曝される、態様1~41のいずれか1項に記載の装置。
(態様44)
前記少なくとも1つの付加的な高分子材料が、前記デバイスから前記囲繞体の中への乾燥剤粒子の移動を単一の高分子材料しか持たないデバイスに比べて50%~97%減少するように構成される、態様30又は31に記載の装置。
(態様45)
a)デバイスを入手することと、
b)前記デバイスを、少なくとも部分的に囲繞体の内容積内で、又は前記囲繞体の外部で、前記デバイスと前記囲繞体との間で水分が移動できるように前記囲繞体の充分近くに配置することと、
c)前記囲繞体の前記内容積から前記デバイスの中へ水分を吸収することと、
d)前記デバイスから水分を脱離して、吸収/脱離サイクルを完了することと、
e)ステップc)~d)を繰り返すことと、
を含む、方法であって、
前記デバイスは、乾燥剤が装入された基材を含み、
前記乾燥剤は、塩化カルシウム塩と、支持材と、を含み、
前記基材は少なくとも1つの高分子材料を含み、
前記基材の50~90重量%で前記乾燥剤は装入されており、
前記支持材の20重量%~70重量%は前記塩化カルシウム塩で含浸されており、
前記囲繞体は、前記内容積内に1つ又は複数の汚染物質及び水蒸気を含み、
前記デバイスの水蒸気容量は、384以下の吸収/脱離サイクルを経た後に17%を超えて減少しない、方法。